説明

折畳コンテナの回動側壁係合機構

【課題】折畳姿勢の回動側壁と上部枠との間の連結強度を従来より高くすることが可能な折畳コンテナの回動側壁係合機構を提供する。
【解決手段】本発明の折畳コンテナ10の回動側壁係合機構では、上側折曲側壁31の起立姿勢で、上側折曲側壁31における可動側係止突部37Bの先端面37Xが上部枠20における固定側係止突部25Bの上面25Dに係止し、上側折曲側壁31の折畳姿勢で、可動側係止突部37Bの内向面37Yが、固定側係止突部25Bの上面25Dに係止する。即ち、上側折曲側壁31が起立姿勢である場合だけではなく、折畳姿勢である場合も上部枠20の固定側係止突部25Bと上側折曲側壁31の可動側係止突部37Bとが係止するので、従来に比べて折畳姿勢の上側折曲側壁31と上部枠20との間の連結強度が高くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に対向配置された底部ベースと上部枠との間に1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とを備え、1対の跳上側壁をそれらの上端部を中心に内側に回動してから、1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナのうち、跳上側壁又は折曲側壁である回動側壁と上部枠との回動側壁係合機構に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の折畳コンテナとして、図21に一部が示されたものは、回動側壁2と上部枠1とを回動可能に連結するヒンジ機構に加えて、回動側壁2と上部枠1とを上下に引き離す負荷に対抗するための回動側壁係合機構を備えている。その回動側壁係合機構は、上部枠1の縦リブ3から側方に突出しかつヒンジ機構の回動中心に沿って延びた係合突部4と、回動側壁2の上面の外縁部から上方に立ち上がって上端部が湾曲した湾曲壁5とを備え、図22(A)に示すように、湾曲壁5の内側に係合突部4を配置した構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−290752号公報(図7、図9参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の折畳コンテナの回動側壁係合機構は、回動側壁2が起立姿勢であるときには(図22(A)参照)、係合突部4の上面に湾曲壁5が係合して上下方向の負荷に対抗できるが、図22(B)に示すように、回動側壁2が折畳姿勢になると、係合突部4の上面に対する湾曲壁5の係合が解除されるため、回動側壁2と上部枠1との連結強度が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、折畳姿勢の回動側壁と上部枠との間の連結強度を従来より高くすることが可能な折畳コンテナの回動側壁係合機構の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る折畳コンテナの回動側壁係合機構は、全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する底部ベースと上部を構成する上部枠との間に、1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とがそれぞれ対向配置され、跳上側壁が、上端部のみを上部枠に回動可能に連結される一方、折曲側壁が、上下の両端部を上部枠と底部ベースとに回動可能に連結され、1対の跳上側壁を上方に回動してから、1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナのうち跳上側壁又は折曲側壁である回動側壁と上部枠との回動側壁係合機構において、回動側壁の上面から立ち上がって途中から回動側壁の内面側に湾曲した湾曲壁と、その湾曲壁の先端部から下側に屈曲した可動側係止突部とからなる可動側フックを設けると共に、上部枠のうち回動側壁の回動中心軸に対して上部枠の内側から対向した軸対向壁と、その軸対向壁の下端部から上部枠の外側に屈曲した固定側係止突部とからなる固定側フックを設け、回動側壁の起立姿勢で、可動側係止突部の先端面が固定側係止突部の上面に係止し、回動側壁の折畳姿勢で、可動側係止突部の内向面が、固定側係止突部の上面に係止するように構成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の折畳コンテナの回動側壁係合機構において、回動側壁の回動中心軸の軸方向で可動側フック及び固定側フックを挟んで対向した第1と第2のサイド補強壁が設けられ、第1のサイド補強壁が可動側フックの一側部に一体形成される一方、第2のサイド補強壁が固定側フックの一側部に一体形成されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明に係る折畳コンテナの回動側壁係合機構は、全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する底部ベースと上部を構成する上部枠との間に、1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とがそれぞれ対向配置され、跳上側壁が、上端部のみを上部枠に回動可能に連結される一方、折曲側壁が、上下の両端部を上部枠と底部ベースとに回動可能に連結され、1対の跳上側壁を上方に回動してから、1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナのうち跳上側壁又は折曲側壁である回動側壁と上部枠との回動側壁係合機構において、上部枠のうち回動側壁の回動中心軸に対して上部枠の内側から対向した軸対向壁と、その軸対向壁の下端部から上部枠の外側に屈曲した固定側係止突部とからなる固定側フックと、回動側壁のうち回動側壁の回動中心軸の軸方向で固定側フックに対向した上面突壁から固定側係止突部の上方空間に突出した係合リブとを設けると共に、係合リブに、回動側壁の起立姿勢で固定側係止突部の上面に係止する第1係止面と、回動側壁の折畳姿勢で固定側係止突部の上面に係止する第2係止面とを備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
[請求項1の発明]
請求項1の折畳コンテナの回動側壁係合機構では、回動側壁の起立姿勢で、回動側壁における可動側係止突部の先端面が上部枠における固定側係止突部の上面に係止し、回動側壁の折畳姿勢で、可動側係止突部の内向面が、固定側係止突部の上面に係止する。即ち、回動側壁が起立姿勢である場合だけではなく、折畳姿勢である場合も上部枠の固定側係止突部と回動側壁の可動側係止突部とが係止するので、従来に比べて折畳姿勢の回動側壁と上部枠との間の連結強度が高くなる。
【0010】
[請求項2の発明]
請求項2の折畳コンテナの回動側壁係合機構によれば、第1のサイド補強壁によって可動側フックが補強されると共に、第2のサイド補強壁によって固定側フックが補強され、可動側係止突部と固定側係止突部との係止が安定する。
【0011】
[請求項3の発明]
請求項3の折畳コンテナの回動側壁係合機構では、回動側壁の起立姿勢で上部枠における固定側係止突部の上面に回動側壁における係合リブの第1係止面が係止し、回動側壁の折畳姿勢で固定側係止突部の上面に係合リブの第2係止面が係止する。即ち、回動側壁が起立姿勢である場合だけではなく、回動側壁が折畳姿勢である場合も上部枠の固定側係止突部と回動側壁の係合リブとが係止するので、従来に比べて、折畳姿勢の回動側壁と上部枠との間の連結強度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る折畳コンテナの斜視図
【図2】(A)上部枠の上面側斜視図、(B)上部枠の下面側斜視図
【図3】上部枠における長辺側回動支持部の下面側斜視図
【図4】固定側フックの拡大斜視図
【図5】上部枠における短辺側回動支持部の下面側斜視図
【図6】(A)底部ベースの上面側斜視図、(B)底部ベースの下面側斜視図
【図7】(A)跳上側壁の外面側斜視図、(B)跳上側壁の内面側斜視図
【図8】跳上側壁の上端部の斜視図
【図9】折曲側壁の外面側斜視図
【図10】折曲側壁の内面側斜視図
【図11】(A)上側折曲側壁の内面側から見た上端連結部の斜視図,(B)上側折曲側壁の外面側から見た上端連結部の斜視図
【図12】可動側フックの斜視図
【図13】上部枠と上側折曲側壁との連結部分の斜視図
【図14】上部枠と跳上側壁との連結部分の斜視図
【図15】上部枠と上側折曲側壁及び跳上側壁との連結部分の斜視図
【図16】上面蓋を全開にした折畳コンテナの斜視図
【図17】折畳状態の折畳コンテナの斜視図
【図18】折畳状態の折畳コンテナの断面図
【図19】組立状態の折畳コンテナにおける固定側フックと可動側フックの断面図
【図20】折畳状態の折畳コンテナにおける固定側フックと可動側フックの断面図
【図21】従来の折畳コンテナの上部枠と上側折曲側壁との連結部分の斜視図
【図22】(A)従来の折畳コンテナの組立状態における上部枠と上側折曲側壁との断面図,(B)その折畳コンテナの折畳状態における上部枠と上側折曲側壁との断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図20に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の折畳コンテナ10は、全体が直方体の箱形状をなした樹脂成形品であって、その底部を構成する底部ベース11と上部を構成する上部枠20との間に、1対ずつの折曲側壁30,30と跳上側壁40,40とが組み付けられ、さらに、上部枠20の上面に1対の上面蓋50,50が組み付けられた構造になっている。そして、各折曲側壁30の上側折曲側壁31と上部枠20との間に本発明に係る「折畳コンテナの回動側壁係合機構」が備えられている。
【0014】
図2(A)に示すように、上部枠20は長方形の枠状になっていて、その上部枠20の1対の長辺部分における上面には、蓋回動支持部20E,20Eが形成され、それら各蓋回動支持部20Eに上面蓋50(図1及び図16参照)が回動可能に連結されている。また、上部枠20の1対の短辺部分における上面には、それぞれ1対ずつ計4つの上面突部22が突出形成され、それら上面突部22が図1に示すように、上面蓋50に貫通形成された係合孔51を通過して上面蓋50の上方に突出するようになっている。また、図2(A)に示すように、上部枠20の1対の短辺部分における内面には、その長手方向の中央に閉止孔24が形成され、各上面蓋50に組み付けられた係止スライダ60(図1参照)をスライドさせて閉止孔24に係合させることで上面蓋50を閉止状態に保持することができる。
【0015】
なお、各上面蓋50は、その外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材50Hと、その枠部材50Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材50Gとの一体成形品になっている。
【0016】
図2(B)に示すように、上部枠20の長辺部分及び短辺部分は共に断面形状が下方に開放した溝形構造になっている。その溝形構造で溝開口を挟んで対向した外側枠側壁20A及び内側枠側壁20Bは、外側枠側壁20Aが内側枠側壁20Bより下方に長く延びると共に、上部枠20の短辺部分における内側枠側壁20Bの下端が、長辺部分における内側枠側壁20Bの下端より上方に位置している。そして、上部枠20の長辺部分における外側枠側壁20Aの下端部内面に長辺側回動支持部20D,20Dが形成される一方、上部枠20の1対の短辺部分における外側枠側壁20Aの内面に短辺側回動支持部20C,20Cが形成され、短辺側回動支持部20Cが長辺側回動支持部20Dより上側に配置されている。
【0017】
なお、上部枠20の長辺部分における内側枠側壁20Bは、短辺部分の外側枠側壁20Aに直交した状態に接続され、上部枠20の長辺部分における内側枠側壁20Bの長手方向の端部寄り位置に上部枠20の短辺部分の内側枠側壁20Bが接続されている。また、図2(A)に示すように、上部枠20の長辺部分における長手方向の両端部では、外側枠側壁20Aが切除されると共に、内側枠側壁20Bの下端寄り位置から外側に張り出して下方に湾曲したフード壁20Wが設けられている。図19に示すように、フード壁20Wの下端部が鉛直方向と平行になりかつ、フード壁20Wの下端面は外側枠側壁20Aの下端面と面一になっている。
【0018】
上部枠20の長辺側回動支持部20Dは、図3に示すように、上部枠20の長辺部分の長手方向の中心に対して左右対称な構造になっている。具体的には、上部枠20の長辺部分における長手方向の複数位置には、外側枠側壁20Aと内側枠側壁20Bとの間及び内側枠側壁20Bとフード壁20Wとの間を連絡する縦リブが複数備えられ、それら縦リブの下端部が外側枠側壁20Aの下端部内面から内側に張り出して支持リブ98になっている。そして、上部枠20の長辺部分の最も中心に近い支持リブ98にヒンジ孔92Aが貫通形成され、その隣の支持リブ98の一側面に固定側サブフック93Aが形成され、さらに、その隣の支持リブ98の一側面にヒンジ軸体94Aが突出形成されている。そして、上部枠20の長辺部分の最も中心から離れた支持リブ98のうち中心側を向いた一側面に本発明に係る固定側フック25が形成されている。
【0019】
上記したヒンジ孔92Aとヒンジ軸体94Aは同軸上に配置され、上側折曲側壁31の後述するヒンジ突部92と軸支部94と係合することで上側折曲側壁31を上部枠20に回動可能に連結するヒンジ機構を構成している。よって、ヒンジ孔92A及びヒンジ軸体94Aの中心軸が、折曲側壁30の回動中心軸J1(図19、図20参照)になっている。また、固定側サブフック93Aび固定側フック25は、上側折曲側壁31における係止湾曲壁93と可動側フック37とに係合することで上部枠20と上側折曲側壁31とを上下に引き離す負荷に対抗するための回動側壁係合機構を構成し、固定側フック25と可動側フック37とが係合してなる回動側壁係合機構に本発明が適用されている。その固定側フック25の詳細形状は以下の通りである。
【0020】
即ち、図4に示すように、固定側フック25は、内側枠側壁20Bから鉛直下方に延設された垂直壁25A(本発明の「軸対向壁」に相当する)の下端部を外側に屈曲させて固定側係止突部25Bとした構造になっている。図19に示すように、固定側係止突部25Bの上面25Dは水平になっていて、上側折曲側壁31の回動中心軸J1より下方に位置し、その回動中心軸J1から鉛直下方に垂下した基準線(図示せず)が上部枠20の内外方向で固定側係止突部25Bの上面の中間に位置するように構成されている。また、固定側係止突部25Bの先端面25Eは鉛直になっていて、固定側係止突部25Bの下面は、先端に向かって上方に向かうように傾斜した傾斜面25Fになっている。また、固定側フック25の外側からフード壁20Wによって覆われ、そのフード壁20Wの内面のうち固定側フック25との対向位置より下側部分に対向突部26が突出形成されている。対向突部26は、その上下方向の両端部に傾斜面を有し、上下方向の中央に平坦面を備えた台形状になっている。なお、上記した固定側サブフック93A(図3参照)も固定側フック25と同様な構造になっている。
【0021】
上部枠20の短辺側回動支持部20Cは、図5に示すように、長辺側回動支持部20Dと同様に左右対称な構造をなして、複数の支持リブ108を備えている。そして、上部枠20の短辺部分の中心に近い支持リブ108にヒンジ孔101Aが貫通形成され、その隣の支持リブ108の一側面にヒンジ軸体102Aが突出形成されている。また、上部枠20の長辺部分における内側枠側壁20Bのうち支持リブ108と対向する端部には、支持溝20Kが形成されている。支持溝20Kは、上下方向に延びかつ下端部が開放した形状になっている。そして、上記したヒンジ孔101Aとヒンジ軸体102Aと支持溝20Kの上端部とが同軸上に配置されている。
【0022】
図6(A)に示すように、底部ベース11は、平面形状が上部枠20と同じ長方形をなし、上面外縁部全体から底面包囲壁11Sが突出して全体がトレイ状になっている。その底面包囲壁11Sにおける1対の長辺部分の内側には、回動支持部11D,11Dが備えられている。一方、底面包囲壁11Sにおける1対の短辺部分の内側には、それらの中央部に中央係合突部11R,11Rが備えられている。中央係合突部11Rは、底部ベース11の底面の一部を横長の直方体状に隆起させてなり、中央係合突部11Rの長手方向の中央には、回動規制孔14が貫通形成されている。また、中央係合突部11Rの長手方向の両端面からは、係止突片11K,11Kが側方に突出している。さらに、係止突片11Kの先端下面には、図示しない係止突起が突出形成されている。また、中央係合突部11Rの両横には、底部ベース11の底面から1対の角形突起11M,11Mが突出している。
【0023】
図6(B)に示すように、底部ベース11の下面には、外縁部を除く全体に格子リブ11Lが突出形成されている。また、底部ベース11のうち下面と側面とが交差する外縁角部には、各長辺部分の両端寄りの2位置と、各短辺部分の中央位置とに、それぞれベルト係止用凹部13が形成されている。なお、折畳コンテナ10を複数積み上げた際に、ベルト係止用凹部13は上下の折畳コンテナ10,10同士の間に指を差し込むための指挿入部としても利用することができる。
【0024】
図7(A)に示すように、跳上側壁40は、例えば、全体が略正方形で平板状の主要板部49にリブ等を設けて補強した構造になっている。具体的には、跳上側壁40には、主要板部49の両側縁部を下端部から上端寄り位置に亘って外側に膨出させて1対の第1膨出突部41,41が形成され、それら第1膨出突部41,41の隣には、第1膨出突部41と同様に主要板部49の一部を膨出させてなりかつ第1膨出突部41,41と同じ長さで上下方向に延びた第2膨出突部42,42が形成されている。また、第1膨出突部41,41における上下方向の2位置には、それぞれコーナー連結部45,45が形成されている。各コーナー連結部45は、第1膨出突部41のうち跳上側壁40の両側面になっている部分の一部を外側から陥没させて、その陥没部分の奥面から連結片45Tを突出させた構造になっている。
【0025】
跳上側壁40の外面の下端寄り位置には、跳上側壁40の左右方向全体に亘って第1下端横リブ40Dが延びている。その第1下端横リブ40Dの長手方向の中央には、回動規制孔46が上下方向に貫通形成されている。また、第1下端横リブ40Dのうち第1及び第2の膨出突部41,42と交差する部分は、図7(B)に示すように跳上側壁40の内面における第1及び第2の膨出突部41,42の裏側の溝状陥没部を横切っている。さらに、第1下端横リブ40Dより上側部分には、第1膨出突部41の裏側の溝状陥没部を横切る複数の溝内リブ40Pが設けられている。
【0026】
図7(A)に示すように、跳上側壁40の下端部には、第1下端横リブ40Dと平行に延びた第2下端横リブ40Eが備えられ、その第2下端横リブ40Eにおける長手方向の中央部分を切り欠いて中央係合凹部40Rが形成されている。また、跳上側壁40の下端部のうち中央係合凹部40Rの両側部分には、第2下端横リブ40Eの一部を上方にクランク状に屈曲させて1対の突部係合凹部40N,40Nが形成され、各突部係合凹部40Nを挟んだ各2箇所には、第1と第2の下端横リブ40D,40Eを連絡する縦リブ40Lが設けられている。また、1対の突部係合凹部40N,40Nと中央係合凹部40Rとの間には、縦リブ40Lと第1及び第2の下端横リブ40D,40Eと主要板部49とに、上下と一側方と後方とを囲まれかつ中央係合凹部40Rに連通した1対の突片係合凹部40M,40Mが設けられている。また、各突片係合凹部40M内の下面からは、係止突起40Uが突出している。
【0027】
主要板部49のうち第2膨出突部42,42の間で第1下端横リブ40Dの上隣りの帯状領域は、第2膨出突部42より小さく外側に膨出して段付膨出部40Sになっている。そして、段付膨出部40Sのうち突部係合凹部40N,40Nの上方の2位置から外側にホルダ固定突部43,43が突出形成され、それらホルダ固定突部43,43と第1下端横リブ40Dとが上下方向で隙間を空けて対向している。なお、このホルダ固定突部43,43に図示しないカードホルダが取り付けられ、そのカードホルダと跳上側壁40の外面との間で、カードを保持することができる。
【0028】
図7(A)に示すように、跳上側壁40の外面上端寄り位置には、跳上側壁40の左右方向全体に亘って延びた第1上端横リブ40Fが設けられ、その第1上端横リブ40Fの上側部分が跳上側壁40を上部枠20の短辺側回動支持部20Cに連結される上端連結部47になっていて、その上端連結部47も短辺側回動支持部20Cと同様に左右対称な構造をなしている。具体的には、上端連結部47では、第1上端横リブ40Fの上面と主要板部49の外面との間が複数の上端突部40Kによって連絡されている。また、跳上側壁40の左右方向の両端の上端突部40K,40Kから側方にサイド軸部48,48が突出し、それら各サイド軸部48の先端には円板が備えられている。さらに、上端突部40K群及び主要板部49の上端部は、サイド軸部48,48の軸心を中心とした円弧状に湾曲している。そして、跳上側壁40の左右方向における複数位置で、上端突部40K,40Kの間の主要板部49を切り欠いて複数の係合凹部108Zが形成されている。
【0029】
図8に示すように、跳上側壁40の横方向の中央寄りに配置された係合凹部108Z内の一方の内側面には、ヒンジ突部101が突出形成され、他方の内側面には、ヒンジ突部101に対して上方にずれた位置に支持リブ押え突部104が突出形成されている。また、跳上側壁40の横方向の両端寄りに配置された係合凹部108Z内の一方の内側面には、跳上側壁40の内面側に開放した溝状の軸支部102が一体形成され、他方の内側面には、軸支部102の中心に対して上方にずれた位置に支持リブ押え突部105が突出形成されている。そして、跳上側壁40を水平姿勢にして上端連結部47を上部枠20の短辺側回動支持部20Cに押し付けることで、図14に示すように、跳上側壁40の各係合凹部108Z内に上部枠20の短辺側回動支持部20Cにおける支持リブ108が受容される。そして、ヒンジ突部101(図8参照)がヒンジ孔101A(図5参照)に回動可能に嵌合すると共に、図15に示すように、軸支部102内にヒンジ軸体102Aが押し込まれて回動可能に嵌合し、さらに、サイド軸部48が支持溝20Kの下方から上部に押し込まれて、跳上側壁40を上部枠20に回動可能に連結するヒンジ機構が構成されている。
【0030】
なお、跳上側壁40も、上面蓋50と同様に、外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材40Hと、その枠部材40Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材40Gとを一体成形した構造になっている。また、跳上側壁40の外面のうち窓板部材40Gの上方には、指掛部44が設けられている。指掛部44は、横長の長方形全体を下方に湾曲させた領域の外縁部から突出した環状のリブで構成されている。
【0031】
図1に示すように、折曲側壁30は、中央の中間ヒンジ部33で上側折曲側壁31と下側折曲側壁32とに分割されて2つ折り可能になっている。その上側折曲側壁31は、図9に示すように、例えば全体が横長の長方形になった平板状の主要板部39にリブ等を設けて補強した構造になっている。具体的には、上側折曲側壁31には、主要板部39の両側縁部を外側に膨出させて上下方向に延びた1対の側縁膨出突部31C,31Cが形成されている。また、主要板部39の下端寄り位置からは、下端横リブ31Bが突出していて、側縁膨出突部31C,31Cの下端寄り位置の間を連絡している。さらには、主要板部39の上端部からは、上端横リブ31Aが突出していて、側縁膨出突部31C,31Cの上端部間を連絡している。
【0032】
上側折曲側壁31のうち上端横リブ31Aより上側部分は、上部枠20の長辺側回動支持部20Dに連結する上端連結部31Fになっていて、その上端連結部31Fも長辺側回動支持部20Dと同様に左右対称な構造になっている。具体的には、上端連結部31Fでは、上端横リブ31Aの上面と主要板部39の外面との間が複数の上端突部31Eによって連絡され、上端突部31E群及び主要板部39の上端部が円弧状に湾曲している。また、図11に示すように、上側折曲側壁31の左右方向における複数位置で、上端突部31E,31Eの間の主要板部39を切り欠いて複数の係合凹部98Zが形成されている。
【0033】
複数の係合凹部98Zのうち上側折曲側壁31の横方向の中央から1番目の係合凹部98Z内の一方の内側面には、ヒンジ突部92が突出形成され、他方の内側面には、ヒンジ突部92に対して上方にずれた位置に支持リブ押え突部91が突出形成されている。上側折曲側壁31の中央から2番目の係合凹部98Z内の一方の内側面には係止湾曲壁93が形成されている。係止湾曲壁93は、図11(A)及び図11(B)に示すように、係合凹部98Zの底面(即ち、上側折曲側壁31の上面)のうち上側折曲側壁31の外面側の縁部から上方に立ち上がって上端側が上側折曲側壁31の内面側に湾曲した形状になっている。上側折曲側壁31の中央から3番目の係合凹部98Z内の一方の内側面には、上側折曲側壁31の内面側に開放した溝状の軸支部94が形成され、上側折曲側壁31の中央から4番目の係合凹部98Z、即ち、上側折曲側壁31の横方向における最も端部側の係合凹部98Z内の一方の内側面には、支持リブ押え突部96が突出形成されている。
【0034】
図11(B)に示すように、上側折曲側壁31の横方向における両端部に配置された上端突部31E,31E(図11(B)には、一端部の上端突部31Eのみが示されている。)は、他の上端突部31Eより上方に突出していて、それら両端部の上端突部31E,31Eの側面に、本発明に係る可動側フック37,37がそれぞれ形成されている。その可動側フック37は、図12に示すように、上側折曲側壁31の上面のうち上側折曲側壁31の外面側の縁部から斜め外側上方に立ち上がってから鉛直上方に延び、さらに途中で屈曲して内側水平に向かって延びた湾曲壁37Aと、その湾曲壁37Aの先端部から鉛直下方に屈曲した可動側係止突部37Bとからなる。また、湾曲壁37Aの先端部からは可動側係止突部37Bと反対側に背面突部37Dが突出している。さらに湾曲壁37Aの外面のうち上端突部31Eから離れた側の縁部には、背面突部37Dと湾曲壁37Aの外面との間を連絡するリブ37Eが設けられている。
【0035】
上側折曲側壁31は、水平姿勢にして上端連結部31Fを上部枠20の長辺側回動支持部20Dに押し付けることで、図13に示すように、上側折曲側壁31の各係合凹部98Z内に上部枠20の長辺側回動支持部20Dにおける支持リブ98が受容される。そして、ヒンジ突部92(図11参照)がヒンジ孔92A(図3参照)に回動可能に嵌合し、図15に示すように、軸支部94内にヒンジ軸体94Aが押し込まれて回動可能に嵌合して、上側折曲側壁31を上部枠20に対して回動可能に連結する前述のヒンジ機構が構成されている。
【0036】
また、上側折曲側壁31を水平姿勢にして上端連結部31Fを上部枠20の長辺側回動支持部20Dに押し付けると、図20に示した可動側フック37の可動側係止突部37Bが固定側フック25の固定側係止突部25Bにおける傾斜面25Fに摺接すると共に、背面突部37Dがフード壁20Wの内面に摺接して、固定側フック25とフード壁20Wとの間が押し広げられるように固定側フック25及びフード壁20Wが弾性変形する。そして、可動側係止突部37B及び背面突部37Dが固定側係止突部25Bの上方空間に収容されて、固定側フック25及びフード壁20Wが弾性復帰し、可動側係止突部37Bの内向面37Yが固定側係止突部25Bの上面25Dに対して上下方向で対向して係止可能な状態になる。
【0037】
また、このとき、可動側フック37から可動側係止突部37Bと背面突部37Dを排除した形状の係止湾曲壁93(図11(A)参照)の先端屈曲部は、図3に示した固定側サブフック93Aにおける固定側係止突部93Tの先方に配置された状態になる。そして、上側折曲側壁31を起立姿勢すると、図11(A)に示した係止湾曲壁93の先端屈曲部が、図3に示した固定側サブフック93Aにおける固定側係止突部93Tの上面に対して上下方向で対向して係止可能な状態になる。また、上側折曲側壁31を起立姿勢すると、図19に示すように、可動側係止突部37Bの先端面37Xが固定側係止突部25Bの上面25Dに対して上下方向で対向して係止可能な状態になる。
【0038】
また、このとき、可動側フック37における湾曲壁37Aの外面が、対向突部26に当接すると共に、可動側係止突部37B及び背面突部37Dが固定側フック25の垂直壁25Aに当接する。これにより、上部枠20の内外方向における可動側係止突部37Bと固定側係止突部25Bとの位置が安定して、可動側係止突部37Bと固定側係止突部25Bとが当接した際の係止も安定する。また、本実施形態では可動側フック37の一側部が、本発明の「第1のサイド補強壁」に相当する上端突部31E(図11(A)参照)にて補強されると共に、固定側フック25の一側部が、本発明の「第2のサイド補強壁」に相当する支持リブ98(図4参照)にて補強されているので、この点においても可動側係止突部37Bと固定側係止突部25Bとが当接した際の係止が安定する。
【0039】
図9に示すように、上側折曲側壁31における主要板部39の外面のうち下端横リブ31Bより下側部分には、上側折曲側壁31の左右方向の複数位置に中間ヒンジ構成部31Kが設けられている。中間ヒンジ構成部31Kは、主要板部39から突出した1対の対向片31N,31Nの間をヒンジ軸31Mで連絡してなる。また、側縁膨出突部31C,31Cの互いの対向面の下端部からは、ヒンジ軸31Mと同軸上にサイド軸部31P,31Pが突出している。
【0040】
図10に示すように、上側折曲側壁31のうち側縁膨出突部31Cの裏面側は溝状に陥没していて、その溝状陥没部を幅方向に横切る溝内リブ31Lが設けられている。また、各側縁膨出突部31Cのうち上下方向の中間位置には、サイドフック34が設けられている。サイドフック34は、側縁膨出突部31Cにおける上側折曲側壁31の両側面側の壁部の一部を上側折曲側壁31の内面側に延長してから、上側折曲側壁31の左右方向の中央側に直角曲げしてなる。
【0041】
図9に示すように、下側折曲側壁32は、全体が上側折曲側壁31と略同じ大きさの横長の長方形をなした平板状の主要板部38にリブ等を設けて補強した構造になっている。具体的には、下側折曲側壁32は、両側縁部に主要板部38の外側に膨出した側縁膨出突部32C,32Cを備えると共に、下端部に下端横リブ32Bを備えている。また、下側折曲側壁32の上端部には、主要板部38から膨出した上縁膨出突部32Aを備えている。さらに、図10に示すように、下側折曲側壁32は、上側折曲側壁31と同様に、各側縁膨出突部32Cの裏側に溝内リブ32Lを備えると共に両側部にサイドフック34,34を備えている。
【0042】
図9に示すように、下側折曲側壁32の外面には、下端横リブ32Bの上側近傍の2位置からホルダ固定突部35,35が突出している。そして、跳上側壁40と同様に、下側折曲側壁32においても、ホルダ固定突部35,35と下端横リブ32Bとの間にカードホルダを保持することができるようになっている。
【0043】
図9に示すように、下側折曲側壁32のうち上縁膨出突部32Aの上面には、上側折曲側壁31の中間ヒンジ構成部31Kに対応して、複数の中間ヒンジ構成部32Kが設けられている。下側折曲側壁32は、上縁膨出突部32Aの上面から上方に突出した突壁32Nに、下側折曲側壁32の外面側に開放した丸溝32Mを形成してなる。また、各中間ヒンジ構成部32Kの両横には、上縁膨出突部32Aの一部を上方に延長してなる上端突部32Rがそれぞれ形成されている。さらに、上縁膨出突部32Aの上面における長手方向の両端部には、丸溝32Mの同軸上に1対の筒部32P,32Pが設けられている。そして、各中間ヒンジ構成部32Kの突壁32Nが中間ヒンジ構成部31Kの対向片31N,31Nの間に受容されて、ヒンジ軸31Mが丸溝32Mと係合し、サイド軸部31Pが筒部32Pに係合することで、上側折曲側壁31と下側折曲側壁32とが回動可能に連結されて上側と下側の折曲側壁31,32の間に中間ヒンジ部33(図1参照)が構成されている。
【0044】
下側折曲側壁32のうち下端横リブ32Bより下側部分は、下端連結部32Fになっている。下端連結部32Fは、下端連結部32Fの下面と主要板部38の外面との間が複数の下端突部32Eによって連絡され、下端突部32E群及び主要板部38の下端部が円弧状に湾曲している。また、下側折曲側壁32の左右方向における複数位置では、下端突部32E,32Eの間で主要板部38が切り欠かれると共に、所定の下端突部32E,32Eの間にヒンジ軸32Dが差し渡されている。そして、下端連結部32Fのヒンジ軸32Dが、底部ベース11の回動支持部11Dに回動可能に支持されて、下側折曲側壁32の下端部を底部ベース11に回動可能に連結するヒンジ機構が構成されている。
【0045】
なお、上側折曲側壁31及び下側折曲側壁32も、跳上側壁40及び上面蓋50と同様に、外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材31H,32Hと、それら枠部材31H,32Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材31G,32Gとを一体成形した構造になっている。
【0046】
本実施形態の折畳コンテナ10の構成に関する説明は以上である。次に、折畳コンテナ10の作用効果について説明する。折畳コンテナ10は、図1に示した組立状態と図17及び図18に示した折畳状態とに変更することができる。図1に示すように、折畳コンテナ10を組立状態にすると、折曲側壁30のサイドフック34群が跳上側壁40の連結片45Tに係合して折曲側壁30と跳上側壁40とが一体になると共に、跳上側壁40の中央係合凹部40R、突片係合凹部40M、突部係合凹部40N(図7(A)参照)に、それぞれ底部ベース11の中央係合突部11R、係止突片11K,11M(図6(A)参照)が係合して跳上側壁40と底部ベース11とが一体になる。また、係止突片11Kの先端下面に備えた図示しない係止突起と、突片係合凹部40M内の下面に備えた係止突起40U(図7(A)参照)とが係合することで、跳上側壁40が起立姿勢に保持される。さらに、その起立した跳上側壁40が、1対の折曲側壁30,30の間に配置されて折曲側壁30,30を起立姿勢に保持し、これにより、折畳コンテナ10全体の組立状態に保持される。
【0047】
この組立状態の折畳コンテナ10に荷物を収容し、指掛部44,44に手を掛けるか、上部枠20の下面に手を掛けて持ち上げると、上部枠20と上側折曲側壁31とを上下に引き離すように負荷がかかる。しかしながら、本実施形態の折畳コンテナ10には、上側折曲側壁31を上部枠20に回動可能に連結するヒンジ機構に加え、固定側サブフック93A(図3参照)と係止湾曲壁93(図11(A)参照)、及び、図19に示した可動側フック37と固定側フック25が上下方向で互いに係止して、上部枠20と上側折曲側壁31とが上下に分離することを防ぐことができる。
【0048】
折畳コンテナ10を折畳状態にするには、跳上側壁40,40を、それらの上端部を中心に内側に回動して折畳姿勢にする。すると、それら跳上側壁40,40が折曲側壁30,30の間から上方に外れ、これにより、折曲側壁30,30が折り畳み可能になる。そこで、跳上側壁40,40に次いで、折曲側壁30,30も折り畳むと、上部枠20の下面が底部ベース11における底面包囲壁11Sの上面に重なり、折畳コンテナ10全体が図17及び図18に示した折畳状態になる。
【0049】
さて、折畳状態の折畳コンテナ10を組み立てるには、上部枠20を上方に持ち上げる。このとき、例えば、折畳コンテナ10内に異物が入り込んでいて、跳上側壁40と上側折曲側壁31とが引っ掛かったり、上側及び下側の折曲側壁31,32が引っ掛かっていると、上部枠20を引き上げたときに上部枠20と上側折曲側壁31とを上下に引き離すように負荷がかかる。しかしながら、本実施形態の折畳コンテナ10では、図20に示すように折畳状態でも可動側フック37と固定側フック25が上下方向で互いに係止するので、上部枠20と上側折曲側壁31とが上下に分離することを防ぐことができる。
【0050】
以上説明したように本実施形態の折畳コンテナ10の回動側壁係合機構では、上側折曲側壁31の起立姿勢で、上側折曲側壁31における可動側係止突部37Bの先端面37Xが上部枠20における固定側係止突部25Bの上面25Dに係止し、上側折曲側壁31の折畳姿勢で、可動側係止突部37Bの内向面37Yが、固定側係止突部25Bの上面25Dに係止する。即ち、上側折曲側壁31が起立姿勢である場合だけではなく、折畳姿勢である場合も上部枠20の固定側係止突部25Bと上側折曲側壁31の可動側係止突部37Bとが係止するので、従来に比べて折畳姿勢の上側折曲側壁31と上部枠20との間の連結強度が高くなる。
【0051】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0052】
(1)前記実施形態の折畳コンテナ10では、上側折曲側壁31と上部枠20との間に本発明に係る「折畳コンテナの回動側壁係合機構」が適用されていたが、跳上側壁40と上部枠20との間に本発明に係る「折畳コンテナの回動側壁係合機構」を適用してもよい。
【0053】
(2)例えば、前記実施形態の折畳コンテナ10における可動側フック37のうち湾曲壁37Aを排除して、可動側係止突部37Bを上端突部31Eから突出した本発明に係る「係合リブ」とし、固定側フック25に係止可能構成にしてもよい。なお、前記実施形態においても可動側係止突部37Bは、本発明に係る「係合リブ」に相当し、その可動側フック37の先端面37Xが本発明に係る「第1係止面」に相当すると共に、可動側フック37の内向面37Yが本発明に係る「第2係止面」に相当する。
【0054】
(3)前記実施形態の固定側係止突部25Bの上面25Dは、水平であったが、固定側係止突部25Bの上面25Dを、固定側係止突部25Bの先端に向かって上るように傾斜させてもよい。そのような構成にすると、上部枠20と上側折曲側壁31とを上下方向で引き離す負荷を受けたときに、固定側係止突部25Bの基端側に可動側係止突部37Bが誘導されて係止が深まり安定する。
【符号の説明】
【0055】
10 折畳コンテナ
11 底部ベース
20 上部枠
25 固定側フック
25A 垂直壁(軸対向壁)
25B 固定側係止突部
25D 上面
25E 先端面
25F 傾斜面
30 折曲側壁
31 上側折曲側壁(回動側壁)
31E 上端突部(第1のサイド補強壁)
32 下側折曲側壁
37 可動側フック
37A 湾曲壁
37B 可動側係止突部
37X 先端面
37Y 内向面
40 跳上側壁(回動側壁)
98 支持リブ(第2のサイド補強壁)
J1 回動中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する底部ベースと上部を構成する上部枠との間に、1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とがそれぞれ対向配置され、
前記跳上側壁が、上端部のみを前記上部枠に回動可能に連結される一方、前記折曲側壁が、上下の両端部を前記上部枠と前記底部ベースとに回動可能に連結され、前記1対の跳上側壁を上方に回動してから、前記1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナのうち前記跳上側壁又は前記折曲側壁である回動側壁と前記上部枠との回動側壁係合機構において、
前記回動側壁の上面から立ち上がって途中から前記回動側壁の内面側に湾曲した湾曲壁と、その湾曲壁の先端部から下側に屈曲した可動側係止突部とからなる可動側フックを設けると共に、前記上部枠のうち前記回動側壁の回動中心軸に対して前記上部枠の内側から対向した軸対向壁と、その軸対向壁の下端部から前記上部枠の外側に屈曲した固定側係止突部とからなる固定側フックを設け、
前記回動側壁の起立姿勢で、前記可動側係止突部の先端面が前記固定側係止突部の上面に係止し、前記回動側壁の折畳姿勢で、前記可動側係止突部の内向面が、前記固定側係止突部の上面に係止するように構成したことを特徴とする折畳コンテナの回動側壁係合機構。
【請求項2】
前記回動側壁の回動中心軸の軸方向で前記可動側フック及び前記固定側フックを挟んで対向した第1と第2のサイド補強壁が設けられ、前記第1のサイド補強壁が前記可動側フックの一側部に一体形成される一方、前記第2のサイド補強壁が前記固定側フックの一側部に一体形成されたことを特徴とする請求項1に記載の折畳コンテナの回動側壁係合機構。
【請求項3】
全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する底部ベースと上部を構成する上部枠との間に、1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とがそれぞれ対向配置され、
前記跳上側壁が、上端部のみを前記上部枠に回動可能に連結される一方、前記折曲側壁が、上下の両端部を前記上部枠と前記底部ベースとに回動可能に連結され、前記1対の跳上側壁を上方に回動してから、前記1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナのうち前記跳上側壁又は前記折曲側壁である回動側壁と前記上部枠との回動側壁係合機構において、
前記上部枠のうち前記回動側壁の回動中心軸に対して前記上部枠の内側から対向した軸対向壁と、その軸対向壁の下端部から上部枠の外側に屈曲した固定側係止突部とからなる固定側フックと、前記回動側壁のうち前記回動側壁の回動中心軸の軸方向で前記固定側フックに対向した上面突壁から前記固定側係止突部の上方空間に突出した係合リブとを設けると共に、
前記係合リブに、前記回動側壁の起立姿勢で前記固定側係止突部の上面に係止する第1係止面と、前記回動側壁の折畳姿勢で前記固定側係止突部の上面に係止する第2係止面とを備えたことを特徴とする折畳コンテナの回動側壁係合機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2013−56679(P2013−56679A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195392(P2011−195392)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】