説明

折畳コンテナ

【課題】従来より高強度な跳上側壁を備えた折畳コンテナを提供する。
【解決手段】本発明によれば、跳上側壁40の下端凹部40Rの奥側に第1垂下横リブ91と第2垂下横リブ92とを設けかつ、それら第1垂下横リブ91と第2垂下横リブ92の間を複数の垂下縦リブ93,96で連絡して跳上側壁40の第2水平リブ40Dの中間部を補強したことで、第1水平リブ40Eが下端凹部40Rによって分断されたことによる強度低下を抑えて、従来より高強度な跳上側壁40を備えた折畳コンテナ10を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に対向配置された底部ベースと上部枠との間に1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とを備え、1対の跳上側壁をそれらの上端部を中心に内側に回動してから、1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
図14に示した従来の折畳コンテナは、底部ベース1の下面のうち跳上側壁2の下方の外縁部中央から上方に突出した外縁中央突部(図示せず)を備えると共に、跳上側壁2の下端部に、図15に示すように、外縁中央突部が嵌合する下端凹部5と、その下端凹部5によって分割された1対の第1水平リブ6,6と、下端凹部5の上端部を横切りかつその下端凹部5の両側方に延びた第2水平リブ7とを備えた構造になっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−137713号(図1,図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の折畳コンテナで、1対の第1水平リブ6,6の間が下端凹部5によって分断されたことによる跳上側壁2の強度低下が問題になり得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より高強度な跳上側壁を備えた折畳コンテナの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る折畳コンテナは、全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する底部ベースと上部を構成する上部枠との間に、1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とがそれぞれ対向配置され、跳上側壁が、上端部のみを上部枠に回動可能に連結される一方、折曲側壁が、上下の両端部を上部枠と底部ベースとに回動可能に連結され、1対の跳上側壁を上方に回動してから、1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナであって、底部ベースの下面のうち跳上側壁の下方の外縁部中央から上方に突出した外縁中央突部を備え、跳上側壁の下端部には、外縁中央突部が嵌合する下端凹部と、跳上側壁の外面に突出形成されて跳上側壁の横方向に延びかつ下端凹部によって分割された1対の第1水平リブと、跳上側壁の外面に突出形成されて下端凹部の上端部を横切りかつ下端凹部の両側方に延びた第2水平リブとが備えられた折畳コンテナにおいて、第2水平リブの下面の一部で構成されて下端凹部の奥側で下方を向いた凹部奥面には、その凹部奥面における第2水平リブの先端側の縁部全体から下方に張り出した第1垂下横リブと、凹部奥面における第2水平リブの基端側の縁部全体から下方に張り出した第2垂下横リブとが形成されているところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の折畳コンテナにおいて、凹部奥面から突出して第1垂下横リブと第2垂下横リブとの間を連絡した複数の垂下縦リブを設けたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の折畳コンテナにおいて、隣り合った1対の垂下縦リブの間を連絡しかつ凹部奥面から突出した垂下連絡リブと、第2水平リブのうち垂下連絡リブより第1垂下横リブ側位置に貫通形成された第1ロック部材挿入孔と、外縁中央突部のうち第1ロック部材挿入孔と上下方向で対向する位置に貫通形成された第2ロック部材挿入孔と、底部ベースの側面に形成されて、外縁中央突部の下方空間を側方に開放した側面開口とを備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の折畳コンテナにおいて、第1垂下横リブ及び第2垂下横リブにおける横方向の両端部の間に垂下縦リブがそれぞれ配置され、それら垂下縦リブの下端部から下端凹部の両側方に延びた1対の水平補強リブが、跳上側壁の外面に一体形成されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の折畳コンテナにおいて、下端凹部の両側方で、第1水平リブと水平補強リブとに挟まれた1対の係合部屋を下端凹部に連通させて、外縁中央突部から両側方に突出した1対の係止突片を1対の係合部屋に収容可能とすると共に、1対の係合部屋の内面と1対の係止突片とに互いに凹凸係合可能な凹凸係合部を設けたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
[請求項1の発明]
請求項1の折畳コンテナでは、下端凹部の奥側に第1垂下横リブと第2垂下横リブとを設けて第2水平リブの中間部を補強したことで、第1水平リブが下端凹部によって分断されたことによる強度低下を抑えて、従来より高強度な跳上側壁を備えた折畳コンテナとすることができる。
【0012】
[請求項2の発明]
請求項2の折畳コンテナでは、複数の垂下縦リブで第1垂下横リブと第2垂下横リブとの間を連絡したので、一層、第2水平リブの中間部の補強が強固になる。
【0013】
[請求項3の発明]
請求項3の折畳コンテナでは、凹部奥面から突出した垂下連絡リブで1対の垂下縦リブの間を連絡したので、より一層、第2水平リブの中間部の補強が強固になる。また、結束バンドを跳上側壁の第1と第2のロック部材挿入孔に通し、側面開口から側方に引き出して結束することで跳上側壁を起立状態に強固に保持することができる。このとき、結束バンドは、先端を第1ロック部材挿入孔に通して斜め上方から垂下連絡リブに摺接させることで湾曲し、容易に側面開口から引き出すことができ、これにより、結束バンドの取り付け作業を容易に行うことができる。なお、第1と第2のロック部材挿入孔には、結束バンド以外にピン等のロック部材を挿入してもよい。
【0014】
[請求項4の発明]
請求項4の折畳コンテナでは、第1垂下横リブ及び第2垂下横リブの両端部の垂下縦リブから両側方に延びた1対の水平補強リブにより、第1垂下横リブ及び第2垂下横リブと、それらの両横部分とが一体になって跳上側壁の強度が増す。
【0015】
[請求項5の発明]
請求項5の折畳コンテナでは、下端凹部の両側の1対の係合部屋に、外縁中央突部から両側方に突出した1対の係止突片が収容されて、係合部屋の内面と係止突片とに備えた凹凸係合部同士が係合することで、跳上側壁が起立状態に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る折畳コンテナの斜視図
【図2】(A)上部枠の上面側斜視図、(B)上部枠の下面側斜視図
【図3】(A)底部ベースの上面側斜視図、(B)底部ベースの下面側斜視図
【図4】(A)底部ベースの上面側の一部拡大斜視図、(B)底部ベースの下面側の一部拡大斜視図
【図5】(A)跳上側壁の外面側斜視図、(B)跳上側壁の内面側斜視図
【図6】(A)跳上側壁の外面側の一部拡大斜視図、(B)跳上側壁の内面側の一部拡大斜視図
【図7】跳上側壁を下面側から見た斜視図
【図8】組立状態の折畳コンテナの破断斜視図
【図9】下端凹部と外縁中央突部の破断斜視図
【図10】係合部屋に係止突片が収容された状態の破断斜視図
【図11】係合凹部と係合突部とが係合した状態の破断斜視図
【図12】回動蓋を全開にした折畳コンテナの斜視図
【図13】折畳状態の折畳コンテナの斜視図
【図14】従来の折畳コンテナの斜視図
【図15】従来の折畳コンテナが有する跳上側壁の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の折畳コンテナ10は、全体が直方体の箱形状をなした樹脂成形品であって、その底部を構成する底部ベース11と上部を構成する上部枠20との間に、1対ずつの折曲側壁30,30と跳上側壁40,40とが組み付けられ、さらに、上部枠20の上面に1対の上面蓋50,50が組み付けられた構造になっている。
【0018】
図2(A)に示すように、上部枠20は長方形の枠状になっている。その上部枠20の1対の長辺部分における上面には、蓋回動支持部20E,20Eが形成され、それら各蓋回動支持部20Eに上面蓋50(図1及び図12参照)が回動可能に連結されている。また、上部枠20の1対の短辺部分における上面には、それぞれ1対ずつ計4つの上面突部22が突出形成され、それら上面突部22が図1に示すように、上面蓋50に貫通形成された係合孔51を通過して上面蓋50の上方に突出するようになっている。また、図2(A)に示すように、上部枠20の1対の短辺部分における内面には、その長手方向の中央に閉止孔24が形成され、各上面蓋50に組み付けられた係止スライダ60(図1参照)をスライドさせて閉止孔24に係合させることで上面蓋50を閉止状態に保持することができる。
【0019】
なお、各上面蓋50は、その外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材50Hと、その枠部材50Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材50Gとの一体成形品になっている。
【0020】
図2(B)に示すように、上部枠20の長辺部分及び短辺部分は共に断面形状が下方に開放した溝形構造になっている。その溝形構造で溝開口を挟んで対向した外側枠側壁20A及び内側枠側壁20Bは、外側枠側壁20Aが内側枠側壁20Bより下方に長く延びると共に、上部枠20の短辺部分における内側枠側壁20Bの下端が、長辺部分における内側枠側壁20Bの下端より上方に位置している。そして、上部枠20の長辺部分における外側枠側壁20Aの下端部内面に長辺側回動支持部20D,20Dが形成される一方、上部枠20の1対の短辺部分における外側枠側壁20Aの内面に短辺側回動支持部20C,20Cが形成され、短辺側回動支持部20Cが長辺側回動支持部20Dより上側に配置されている。
【0021】
図3(A)に示すように、底部ベース11は、平面形状が上部枠20と同じ長方形をなし、上面外縁部全体から底面包囲壁11Sが突出して全体がトレイ状になっている。また、図3(B)に示すように、底部ベース11の下面には、外縁部を除く全体に格子リブ11Lが突出形成されている。さらに、底部ベース11のうち下面と側面とが交差する外縁角部には、各長辺部分の両端寄りの2位置と、各短辺部分の中央位置とに、それぞれ指掛け凹部13が陥没形成されている。指掛け凹部13は、下方と側方とに開放していて、折畳コンテナ10を複数積み上げた際に、指掛け凹部13の側面開口13W(図10参照)から上下の折畳コンテナ10,10同士の間に指を差し込むための空間が形成される。
【0022】
図3(A)に示すように、底面包囲壁11Sにおける1対の長辺部分の内側には、長辺側回動支持部11Dが備えられている。一方、底面包囲壁11Sにおける1対の短辺部分の内側には、中央部に外縁中央突部11Rが設けられると共に、中央寄りの2位置に1対の角形突起11M,11Mが設けられ、さらに、両端部に1対の係合凹部11Z,11Zが設けられている。
【0023】
角形突起11Mは、図4(A)に拡大して示すように、全体が直方体状になっている。また、係合凹部11Zは、角形突起11Mより低い扁平突部11Xの上面に陥没形成されている。また、外縁中央突部11Rは、底部ベース11の外縁部に沿って延びた直方体の筐体構造をなし、その外縁中央突部11Rの内部空間は、図4(B)に示すように、底部ベース11の下面側に開放して指掛け凹部13の一部になっている。即ち、指掛け凹部13と外縁中央突部11Rとは相互に表裏の位置関係になっている。詳細には、図4(A)に示すように、外縁中央突部11Rは、底部ベース11の底面から直立した第1側壁19Aと、その第1側壁19Aの上端部と底面包囲壁11Sの上端寄り位置との間に差し渡されて水平になった上部壁19Bと、それら第1側壁19Aと上部壁19Bの底面包囲壁11Sとに囲まれた四角形の開口を閉塞する第2側壁19Cとからなる。
【0024】
図4(B)に示すように、上部壁19Bの下面のうち長手方向の中央には、補強突部19Dが段付き状に下方に突出していて、その補強突部19Dの中央に断面四角形の第2ロック部材挿入孔14が貫通形成されている。また、図9に示すように、第2ロック部材挿入孔14のうち外縁中央突部11Rの短手方向で対向した1対の対向面14N,14Nは、下方に向かうに従って互いに接近するように傾斜している。
【0025】
図4(A)に示すように、外縁中央突部11Rの長手方向の両端面における上端寄り位置からは、係止突片11K,11Kが側方に突出している。なお、底部ベース11の底面のうち係止突片11K、11Kと対向する位置には、係止突片11Kの下面を金型にて成形するための型抜き孔11W,11Wが形成されている。その係止突片11Kの下面には、図4(B)及び図10に示すように、下面凹部11Y(本発明の「凹凸係合部」に相当する)が陥没形成されている。また、図4(A)及び図10に示すように、係止突片11Kの下面のうち底面包囲壁11Sから離れた側の縁部には、傾斜面11Vが形成されている。
【0026】
図1に示すように、折曲側壁30は、中央の中間ヒンジ33で上側折曲側壁31と下側折曲側壁32とに分割され、上側折曲側壁31の上端部が上部枠20の長辺側回動支持部20D(図2(B)参照)に回動可能に連結される一方、下側折曲側壁32の下端部が底部ベース11の長辺側回動支持部11D(図3(A)参照)に回動可能に連結されている。そして、上側及び下側の折曲側壁31,32が共に起立した起立姿勢と、上側及び下側の折曲側壁31,32が外面同士を重ねて内側に2つ折りにされた折畳姿勢とに変更することができる。また、上側及び下側の折曲側壁31,32の両側部からは跳上側壁40側に向かってサイドフック34が突出している。サイドフック34は、上側及び下側の折曲側壁31,32の左右方向の両端部から裏面側に張り出して、その先端部が図示しないが跳上側壁40側に屈曲したフック形状になっている。
【0027】
なお、下側折曲側壁32の外面の下端寄り位置には、後述する跳上側壁40のホルダ固定部43,43と同様の1対のホルダ固定突部35,35が備えられている。さらに、上側折曲側壁31は、その外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材31Hと、その枠部材31Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材31Gとの一体成形品になっている。これと同様に下側折曲側壁32も枠部材32Hと窓板部材32Gとの一体成形品になっている。
【0028】
さて、図5(A)に示すように、跳上側壁40は、例えば、全体が略正方形で平板状の主要板部49にリブ等を設けて補強した構造になっている。具体的には、跳上側壁40には、主要板部49の両側縁部を下端部から上端寄り位置に亘って外側に膨出させて1対の第1膨出突部41,41が形成され、それら第1膨出突部41,41の隣には、第1膨出突部41と同様に主要板部49の一部を膨出させてなりかつ第1膨出突部41,41と同じ長さで上下方向に延びた第2膨出突部42,42が形成されている。また、第1膨出突部41,41における上下方向の2位置には、それぞれコーナー連結部45,45が形成されている。各コーナー連結部45は、第1膨出突部41のうち跳上側壁40の両側面になっている部分の一部を外側から陥没させて、その陥没部分の奥面から連結片45Tを突出させた構造になっていて、ここに上記した折曲側壁30のサイドフック34が係合する。
【0029】
跳上側壁40には、その下端側から順番に第1水平リブ40E、第2水平リブ40D、第3水平リブ40J及び第4水平リブ40Fが備えられている。具体的には、図5(A)に示すように、第4水平リブ40Fは、跳上側壁40の外面上端寄り位置で、跳上側壁40の左右方向全体に亘って延び、その第4水平リブ40Fの上側部分が上端連結部47になっている。そして、この上端連結部47が上部枠20の短辺側回動支持部20Cに結合して、底部ベース11に対して跳上側壁40が起立姿勢と内側に折り畳まれた折畳姿勢との間で回動する。また、跳上側壁40の上部中央には、第4水平リブ40Fの下面に隣接させて指掛けフード44が設けられている。
【0030】
図5(A)に示すように、第3水平リブ40Jは、跳上側壁40の外面のうち指掛けフード44の両側方に対をなして設けられている。これら1対の第3水平リブ40J,40Jは、跳上側壁40の側面から互いに接近するように水平に延び、途中から斜め上方に延びて第4水平リブ40Fの下面に繋がっている。
【0031】
第2水平リブ40Dは、跳上側壁40の外面の下端寄り位置に配置されて、跳上側壁40の左右方向全体に亘って延びている。また、第1水平リブ40Eは、跳上側壁40の最下端に配置され、跳上側壁40の横方向のうち次述する下端凹部40Rを除く全体に亘って形成されている。なお、第2水平リブ40Dのうち第1及び第2の膨出突部41,42と交差する部分は、図5(B)に示すように跳上側壁40の内面における第1及び第2の膨出突部41,42の裏側の溝状陥没部を横切っている。また、第2水平リブ40Dより上側部分には、第1膨出突部41の裏側の溝状陥没部を横切る複数の溝内リブ40Pが設けられている。
【0032】
図5(A)に示すように、跳上側壁40の横方向における中央には、第2水平リブ40Dより下側で主要板部49を横長の四角形に切除して下端凹部40Rが形成されている。そして、第2水平リブ40Dの中央部が下端凹部40Rの上端部を横切って下端凹部40Rの奥側の凹部奥面40X(図7参照)を構成している。
【0033】
図7に示すように、凹部奥面40Xのうち跳上側壁40の先端側の縁部全体から下方に第1垂下横リブ91が張り出し、凹部奥面40Xのうち跳上側壁40の基端側の縁部全体から第2垂下横リブ92が下方に張り出している。そして、第1と第2の垂下横リブ91,92の間が凹部奥面40Xに突出形成された複数の垂下縦リブ93,93,96,96によって連絡されている。それらのうち1対の垂下縦リブ96,96は、第1と第2の垂下横リブ91,92における長手方向の両端に配置され、残りの1対の垂下縦リブ93,93は、第1と第2の垂下横リブ91,92の長手方向の中央寄りの2位置に配置されている。また、中央寄りに配置された1対の垂下縦リブ93,93の間は、凹部奥面40Xから突出した垂下連絡リブ94によって連絡されている。なお、図9に示すように、垂下連絡リブ94は、第1と第2の垂下横リブ91,92の間のうち第2垂下横リブ92寄りに配置され、第1及び第2の垂下横リブ91,92より薄肉でかつ凹部奥面40Xからの突出量が第1及び第2の垂下横リブ91,92より小さくなっている。また、第1垂下横リブ91の下端面のうち第2垂下横リブ92と反対側の縁部全体は丸みを帯びている。
【0034】
図6(A)に示すように、第1垂下横リブ91と第2水平リブ40Dとの角部には、第1ロック部材挿入孔46が貫通形成されている。第1ロック部材挿入孔46は、下端凹部40Rの横方向の中央に配置され、図9に示すように、第2水平リブ40Dのうち垂下連絡リブ94に対して僅かに第1垂下横リブ91側に離れた位置から、第1垂下横リブ91の上端寄り位置に亘って形成されている。そして、跳上側壁40を起立姿勢にすると、第1ロック部材挿入孔46と前記底部ベース11の第2ロック部材挿入孔14とが上下方向で対向する。
【0035】
図6(A)に示すように、下端凹部40Rの両側部分には、1対の第1水平リブ40E,40Eの一部を上方にクランク状に屈曲させて1対の突部係合凹部40N,40Nが形成されている。そして、各突部係合凹部40Nを挟んだ各2箇所には、第2水平リブ40Dと第1水平リブ40Eとの間を連絡する1対の縦リブ40L,40Lが設けられている。そして、跳上側壁40の外面に突出形成された1対の水平補強リブ95,95が、第1と第2の垂下横リブ91,92の両端部の垂下縦リブ96,96における下端部と縦リブ40L,40Lとの間に差し渡されている。なお、跳上側壁40の外面からの水平補強リブ95,95の突出量は、第1及び第2の水平リブ40E,40Dの突出量より小さくなっている。
【0036】
下端凹部40Rの両側方で、第1水平リブ40Eと水平補強リブ95と縦リブ40Lとに囲まれた1対の係合部屋40M,40Mは、下端凹部40Rに連通している。詳細には、跳上側壁40の主要板部49における下端凹部40R側の縁部には、第1水平リブ40Eと水平補強リブ95との間を連絡するように補強突条97が突出していて、その補強突条97における主要板部49からの突出量が第1水平リブ40E及び水平補強リブ95より小さくなっている。これにより、係合部屋40Mは、下端凹部40Rに連通している。そして、跳上側壁40を起立姿勢にすると、図10に示すように、底部ベース11の1対の係止突片11K,11Kが、跳上側壁40の1対の係合部屋40M,40Mに収容される。また、図6(A)に示すように、係合部屋40M内における第1水平リブ40Eの上面には、係合突部40U(本発明の「凹凸係合部」に相当する)が形成されている。図10に示すように、係合突部40Uは、全体が丸みを帯びた形状になっていて、係合突部40Uのうち跳上側壁40の主要板部49と反対側は緩やかに傾斜している。なお、主要板部49には、係合突部40Uとの対向位置に型抜き孔49A(図6(B)参照)が形成されている。なお、図7に示すように、第1水平リブ40Eのうち下端凹部40R側の先端角部には、ガイド斜面40Vが形成されている。
【0037】
図5(B)に示すように、跳上側壁40の横方向の両端部には、第1水平リブ40Eを若干、上方に平行移動するように屈曲させて、跳上側壁40の下面両端部に底上げ面40Kが形成され、それら底上げ面40Kに係合突部40Zが突出形成されている。その係合突部40Zには、図11に示すように、跳上側壁40の外面側から内面側に向かって緩やかに下方に傾斜した第1ガイド面48Aと、跳上側壁40の内面側から外面側に向かって第1ガイド面48Aより急峻に下方に傾斜した第2ガイド面48Bとが備えられている。
【0038】
なお、主要板部49のうち第2膨出突部42,42の間で第2水平リブ40Dの上隣りの帯状領域は、第2膨出突部42より小さく外側に膨出して段付膨出部40Sになっている。また、段付膨出部40Sのうち突部係合凹部40N,40Nの上方の2位置から外側にホルダ固定突部43,43が突出形成され、それらホルダ固定突部43,43と第2水平リブ40Dとが上下方向で隙間を空けて対向し、図10に示すように、各ホルダ固定突部43の下面には、係止突起43Tが形成されている。そして、これらホルダ固定突部43,43に図示しないカードホルダが取り付けられ、そのカードホルダと跳上側壁40の外面との間で、カードを保持することができる。また、跳上側壁40も、上側及び下側の折曲側壁30,31と同様に、外縁部全体を構成する不透明な樹脂製の枠部材40Hと、その枠部材40Hの内側開口を閉塞した無色透明な樹脂製の窓板部材40Gとを一体成形した構造になっている。
【0039】
本実施形態の折畳コンテナ10の構成に関する説明は以上である。次に、折畳コンテナ10の作用効果について説明する。本実施形態の折畳コンテナ10は、不使用時には、1対の跳上側壁40,40、1対の折曲側壁30,30の順番で折り畳んで、図13に示すように折畳状態にすることができる。その折畳状態から折畳コンテナ10を組立状態にするには、上部枠20を底部ベース11から上方に引き離すように持ち上げて折曲側壁30,30を起立姿勢にしてから、それら折曲側壁30,30の両端部の間に向けて1対の跳上側壁40,40を下方に回動し、起立姿勢にする。すると、図1に示すように、折曲側壁30のサイドフック34群が跳上側壁40の連結片45Tに係合して折曲側壁30と跳上側壁40とが一体になり、折畳コンテナ10が組立状態になる。
【0040】
このとき、跳上側壁40の下端部と底部ベース11との間では、図6(A)に示した跳上側壁40の下端凹部40Rに、図4(A)に示した底部ベース11の外縁中央突部11Rが図8及び図9に示すように嵌合すると共に、図6(A)に示した跳上側壁40の1対の突部係合凹部40N,40Nに、図4(A)に示した底部ベース11の角形突起11M,11Mが嵌合する。これにより、跳上側壁40の底部ベース11に対する左右方向のズレが規制される。これらに加え、底部ベース11のうち外縁中央突部11Rから両側方に張り出した係止突片11K,11K(図4(A)参照)が、跳上側壁40における下端凹部40Rの両側の係合部屋40M,40M(図6(A)参照)に収容され、図10に示すように、各係止突片11Kの下面凹部11Yに各係合部屋40M内面の係合突部40Uが係合して、跳上側壁40の内側への回動が規制される。また、跳上側壁40の横方向の両端部における係合突部40Z(図7参照)と底部ベース11の係合凹部11Z(図4(A)参照)も図11に示すように凹凸係合して、跳上側壁40の内側への回動が規制される。なお、跳上側壁40の外側への回動は、跳上側壁40の下端部と底面包囲壁11Sとの当接によって規制される。
【0041】
ここで、跳上側壁40をより強固に起立姿勢に保持するには、例えば、図示しない結束バンドを図9に示した跳上側壁40の第1ロック部材挿入孔46と底部ベース11の第2ロック部材挿入孔14とに通し、指掛け凹部13の側面開口13Wから側方に引き出して結束すればよい。このとき、結束バンドは、先端を第1ロック部材挿入孔46に通して斜め上方から垂下連絡リブ94に摺接させることで湾曲し、容易に側面開口13Wから側方に引き出すことができ、これにより結束バンドの取り付け作業を容易に行うことができる。
【0042】
ところで、折畳コンテナ10を組立状態から折畳状態にするには、跳上側壁40を外面側から押圧又は殴打して、係合突部40Uと下面凹部11Yとの間の係合(図10参照)と、係合突部40Zと係合凹部11Zとの間の係合(図11参照)とを解除する。その際、跳上側壁40の下端部には、係合解除に対する反力によって、跳上側壁40の下端部中央に大きな曲げ応力が負荷として作用し得る。また、結束バンドにて跳上側壁40の下端部と底部ベース11とが連結された状態で誤って折畳コンテナ10を折り畳もうとして、跳上側壁40を外面側から押圧又は殴打すると、跳上側壁40の下端部中央部に大きな引張応力が負荷として作用し得る。
【0043】
しかしながら、本実施形態の折畳コンテナ10では、第1及び第2の垂下横リブ91,92、垂下縦リブ93,96及び垂下連絡リブ94により第2水平リブ40Dの中間部を補強することで、第1水平リブ40Eが下端凹部40Rによって分断されたことによる強度低下が抑えられ、従来より跳上側壁40の強度が高くなっている。また、第1と第2の垂下横リブ91,92から両側方に延びた1対の水平補強リブ95,95により、第1と第2の垂下横リブ91,92とそれらの両横部分とが一体になり、この点においても跳上側壁40の強度が従来より高くなっている。これらにより、本実施形態の折畳コンテナ10の跳上側壁40では、上記した大きな負荷にも耐えることができる。
【0044】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0045】
(1)前記実施形態の折畳コンテナ10は、結束バンドを挿通するための第1と第2のロック部材挿入孔14,46を有していたが、第1と第2のロック部材挿入孔を有しない構成としてもよい。
【0046】
(2)前記実施形態の折畳コンテナ10では、垂下連絡リブ94が第1垂下横リブ91より低くかつ短くかつ薄肉になっていたが、垂下連絡リブ94を第1垂下横リブと同じ形状にしてもよい。
【0047】
(3)前記実施形態の折畳コンテナ10は、外縁中央突部11Rの裏面側に指掛け凹部13が備えられていたが、指掛け凹部13の代わりに、外縁中央突部11Rの裏面側に機械アームが挿入されかつ指を挿入することができない凹部を備えた構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 折畳コンテナ
11 底部ベース
11K 係止突片
11Y 下面凹部(凹凸係合部)
11R 外縁中央突部
13W 側面開口
14 第2ロック部材挿入孔
20 上部枠
30 折曲側壁
31 上側折曲側壁
32 下側折曲側壁
34 サイドフック
40 跳上側壁
40D 第2水平リブ
40E 第1水平リブ
40M 係合部屋
40R 下端凹部
40U 係合突部(凹凸係合部)
40X 凹部奥面
46 第1ロック部材挿入孔
91 第1垂下横リブ
92 第2垂下横リブ
93,96 垂下縦リブ
94 垂下連絡リブ
95 水平補強リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が直方体の箱形状をなし、その底部を構成する底部ベースと上部を構成する上部枠との間に、1対の跳上側壁と1対の折曲側壁とがそれぞれ対向配置され、
前記跳上側壁が、上端部のみを前記上部枠に回動可能に連結される一方、前記折曲側壁が、上下の両端部を前記上部枠と前記底部ベースとに回動可能に連結され、前記1対の跳上側壁を上方に回動してから、前記1対の折曲側壁を内側に2つ折りに畳むことが可能な折畳コンテナであって、
前記底部ベースの下面のうち前記跳上側壁の下方の外縁部中央から上方に突出した外縁中央突部を備え、前記跳上側壁の下端部には、前記外縁中央突部が嵌合する下端凹部と、前記跳上側壁の外面に突出形成されて前記跳上側壁の横方向に延びかつ前記下端凹部によって分割された1対の第1水平リブと、前記跳上側壁の外面に突出形成されて前記下端凹部の上端部を横切りかつ前記下端凹部の両側方に延びた第2水平リブとが備えられた折畳コンテナにおいて、
前記第2水平リブの下面の一部で構成されて前記下端凹部の奥側で下方を向いた凹部奥面には、その凹部奥面における前記第2水平リブの先端側の縁部全体から下方に張り出した第1垂下横リブと、前記凹部奥面における前記第2水平リブの基端側の縁部全体から下方に張り出した第2垂下横リブとが形成されていることを特徴とする折畳コンテナ。
【請求項2】
前記凹部奥面から突出して前記第1垂下横リブと前記第2垂下横リブとの間を連絡した複数の垂下縦リブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の折畳コンテナ。
【請求項3】
隣り合った1対の前記垂下縦リブの間を連絡しかつ前記凹部奥面から突出した垂下連絡リブと、
前記第2水平リブのうち前記垂下連絡リブより前記第1垂下横リブ側位置に貫通形成された第1ロック部材挿入孔と、
前記外縁中央突部のうち前記第1ロック部材挿入孔と上下方向で対向する位置に貫通形成された第2ロック部材挿入孔と、
前記底部ベースの側面に形成されて、前記外縁中央突部の下方空間を側方に開放した側面開口とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の折畳コンテナ。
【請求項4】
前記第1垂下横リブ及び前記第2垂下横リブにおける横方向の両端部の間に前記垂下縦リブがそれぞれ配置され、それら垂下縦リブの下端部から下端凹部の両側方に延びた1対の水平補強リブが、前記跳上側壁の外面に一体形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の折畳コンテナ。
【請求項5】
前記下端凹部の両側方で、前記第1水平リブと前記水平補強リブとに挟まれた1対の係合部屋を前記下端凹部に連通させて、前記外縁中央突部から両側方に突出した1対の係止突片を前記1対の係合部屋に収容可能とすると共に、前記1対の係合部屋の内面と前記1対の係止突片とに互いに凹凸係合可能な凹凸係合部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の折畳コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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