説明

抵抗体、抵抗器、およびその製造方法

【課題】Cu−Ni系合金が有する低い体積抵抗率と優れた抵抗温度係数を維持しつつ、銅電極に対する熱起電力を低減させることができる抵抗体、抵抗器、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Cu−Ni系合金からなる第1の板材と、Ni−Cr系合金からなる第2の板材とを積層することにより形成される抵抗体であって、第1の板材11aと第2の板材11bとの間に、それぞれの金属材料が拡散した拡散層11cが形成されており、前記拡散層は、前記抵抗体の全体厚みに占める割合が10%以上である。積層された一層の厚みが25μm以下となるように前記板材を圧延することが好ましい。前記抵抗体11に少なくとも一対の電極12を形成して抵抗器を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗合金からなる金属板を抵抗体として用いた電流検出用の抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
電流検出用に用いられる抵抗器の抵抗体としてCu−Ni系合金(JIS C2521相当)が広く用いられている。Cu−Ni系合金は、低体積抵抗率と優れた抵抗温度係数を有する抵抗材料であるが、電極として抵抗体と接合する銅に対する熱起電力が大きいことが抵抗材料として問題となる。すなわち、銅電極に対する熱起電力が大きな抵抗材料を抵抗体として使用した場合、抵抗体の両端で温度差が発生すると、ゼーベック効果により起電力が発生するため、実際には電流が流れていなくても微電流が流れているように検出されてしまう恐れがある。
【0003】
また、実際に電流を流すと、ペルチエ効果により抵抗体の両端に温度差が発生する。そして電流をオフにした場合、抵抗体の両端に温度差が生じていることから、ゼーベック効果の起電力が残留し、未だ電流が流れているように検出されてしまうという問題がある。
【0004】
Cu−Ni系合金の代替材料として、銅電極に対する熱起電力が+4μV/KとCu−Ni系合金の熱起電力よりも小さいNi−Cr系合金(JIS C2520相当)を使用することも考えられる。しかし、Ni−Cr系合金の体積抵抗率はCu−Ni系合金の約2倍である為、Cu−Ni系合金を用いた場合と同サイズ・同抵抗値の抵抗器にするには、約2倍の体積が必要になるため、合金材料を多く使用することになり、コストアップにつながる。
【0005】
また、抵抗材料の性質を改善する方法として、他の金属を添加し性質を調整することも考えられる。しかしながら、Cu−Ni系合金が有する低い体積抵抗率と優れた抵抗温度係数を維持しつつ銅電極に対する熱起電力が大きいという問題を解決するには多大な時間を要するものと考えられる。なお、一般に合金材料は、大量生産することでコストを抑えているが、小型の抵抗器の製作にはそれほど大量の抵抗材料を必要としない。新規抵抗材料を作る場合、小量、小ロットで作るとコストアップにつながり、また、ロット間の電気的特性を安定化するのが困難であるといった問題がある。
【0006】
本発明者等は下記特許文献に示すように、複数の金属材料を積層し抵抗体を形成することで、抵抗材料としての性質を改善することについて、各種の研究・開発を行ってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−057009号公報
【特許文献2】特開2005−286167号公報
【特許文献3】特開2006−140296号公報
【特許文献4】特開2007−189000号公報
【特許文献5】特開2009−252828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、Cu−Ni系合金の銅電極に対する熱起電力を低減させることができる抵抗体、抵抗器、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の抵抗体は、Cu−Ni系合金からなる第1の板材と、Ni−Cr系合金からなる第2の板材とを積層することにより形成される抵抗体であって、第1の板材と第2の板材との間に、それぞれの金属材料が拡散した拡散層が形成されており、前記拡散層は、前記抵抗体の全体厚みに占める割合が10%以上であることを特徴とする。特に、積層された一層の厚みが25μm以下となるように圧延することが好ましい。
【0010】
本発明によれば、Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層とを交互に積層した抵抗体を形成し、その合金層間にそれぞれの金属材料が拡散した拡散層が形成され、拡散層を抵抗体の全体厚みに占める割合が10%以上に形成することで、抵抗体に銅電極を接合する場合に、Cu−Ni系合金層の銅電極に対する熱起電力を大幅に低減することができる。これにより、Cu−Ni系合金が有する低い体積抵抗率と優れた抵抗温度係数を維持しつつ、銅電極に対する熱起電力を低減することができ、材料使用量を抑制しつつ、ゼーベック効果やペルチェ効果に伴う誤った電流検出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は本発明の一実施例の抵抗体の斜視図であり、(b)は比較例としての従来の抵抗体の斜視図である。
【図2】Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層とを交互に積層した抵抗体に銅電極を接合した抵抗器の断面図である。
【図3】上記抵抗体の部分拡大断面図である。
【図4】上記抵抗器の斜視図である。
【図5】本発明の実施例と比較例に係る各種抵抗体の銅電極に対する熱起電力を示すグラフである。
【図6】熱起電力の算定のためのモデル化した抵抗体の斜視図である。
【図7】Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層の構成比と銅電極に対する熱起電力の関係を示すグラフである。
【図8】(a)は一層厚みと銅電極に対する熱起電力(TEMF)の関係を示すグラフであり、(b)は(a)のB部分を一層厚み方向に拡大したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、各図中、同一または相当する部材または要素には、同一の符号を付して説明する。
【実施例】
【0013】
図1(a)は本発明の一実施例の抵抗体11を示し、図1(b)は比較例としての従来の抵抗体11を示す。本発明の抵抗体11は、Cu−Ni系合金の板材が圧延されることによって形成された第1の層11aと、Ni−Cr系合金の板材が圧延されることによって形成された第2の層11bとが積層して形成されたものである。これに対して、比較例の抵抗体11は、従来から用いられているCu−Ni系合金のみからなるバルク抵抗体である。なお、Cu−Ni系合金は、具体的にはJIS C2521に相当する材料であり、42.0〜48.0%(m/m)のNi、0.5〜2.5%(m/m)のMn、99.0%(m/m)以上のCu+Ni+Mnからなる材料を用いている。Ni−Cr系合金は、JIS C2520の電熱用ニッケルクロム帯1種に相当する材料であり、77%(m/m)以上のNi、19〜21%(m/m)のCr、0.15%(m/m)のC、0.75〜1.6%(m/m)のSi、2.5%(m/m)以下のMnを含み、更にFe等が1.0%(m/m)以下含まれることがある。
【0014】
この実施例では、それぞれ厚さ1mmのCu−Ni系合金の板材とNi−Cr系合金の板材とを準備し、これらを重ね、加熱しながら圧延して、厚さ約0.2mmの2層構造の積層体(試料A)を作成した。それぞれの板材は厚さ0.1mmになるまで圧延された計算になる。従って、第1の層11aと第2の層11bの厚み比が1:1である。厚み比は原材料の厚み比を選択することで、任意に調整可能である。加熱温度は500〜1000℃、加圧は4ton、10−2pa以下の真空雰囲気で積層体を作製した。
【0015】
図2に示すように、得られた積層体である抵抗体を切断し、さらに重ね、圧延して積層することを繰り返し、一層当たりの厚みがサブミクロンとなるようにしてもよい。図2に示す例は8層の積層体である。また、特性を確認するため、積層と圧延を繰り返して、750層の積層体とした試料Bを準備した。試料Bは、一層の厚みが約0.27μmであり、全体の厚みが約0.2mmである。また、5250層の積層体とした試料Cを準備した。試料Cは、一層の厚みが約0.038μmであり、全体の抵抗体11の厚みは約0.2mmである。
【0016】
図3は積層体である抵抗体の積層状態の詳細断面図である。圧延と熱処理によって、Cu−Ni系合金層11aとNi−Cr系合金層11bとの間に、それぞれの金属材料が相互に拡散して形成された拡散層11cが形成されている。拡散層11cがどの程度できるかは熱処理条件等で変化するが、本願において作成した各サンプルにおいては拡散層11cは約3μmの層厚みであった。拡散層11cの厚みは、抵抗体11の全体厚みに占める割合が10%以上であることが、後述するように対銅電極に対する熱起電力低減効果の面から好ましい。
【0017】
これらの積層体からなる抵抗体11の両端下面に銅電極12,12を接合することで、本発明の銅電極と抵抗体の接合界面における熱起電力を低減した抵抗器が完成する。すなわち、図4に示すように、上記の各種抵抗体11の下面にCuの板材を接合して電極12,12を形成し、電極12,12間にはエポキシ樹脂を塗布して保護膜13を形成した。こうして、長さL:6mm、幅W:3mm、電極の幅d:2mm、高さT:0.6m、抵抗体厚みt:0.2mmの抵抗器を作成した。なお、電極は、抵抗体11の両端下面ではなく、両端の端面に接合してもよい。
【0018】
図5は上記の各種抵抗体(試料A〜C、比較例)を用いて作成した抵抗器の熱起電力を示すグラフである。横軸は温度差(K)であり、縦軸は熱起電力(μV)の絶対値である。グラフの傾きが温度差当たりの熱起電力に相当する。上記グラフのデータから、下記熱起電力が得られた。
比較例: Cu−Ni系合金のみからなる抵抗体、熱起電力 −39μV/K
試料A: 2層の積層抵抗体(厚み=0.2mm)、熱起電力 −28μV/K
試料B: 750層の積層抵抗体(厚み=0.2mm、一層厚み=0.27μm)、
熱起電力 −7.4μV/K
試料C: 5250層の積層抵抗体(厚み=0.2mm、一層厚み=0.038μm)、
熱起電力 −6.8μV/K
なお、試料A〜Cの第1と第2合金層の厚み比はCu−Ni系合金層:Ni−Cr系合金層=1:1である。
【0019】
比較例と、本発明の各種積層材料(試料A〜C)の熱起電力を比較した結果から、本発明の積層抵抗体は銅電極に対する熱起電力が大幅に低下していることがわかる。また、試料Aと試料B,Cとを比較すると、同じ層厚み比であっても多層化して、一層をサブミクロン以下の厚みにすることによって、熱起電力が約1/4まで減少することを確認することができた。
【0020】
従って、Cu−Ni系合金を使用しつつ、その低体積抵抗率と良好な抵抗温度係数を生かしつつ、対銅電極の熱起電力の値を低下させることができ、電流検出の精度を向上させることができる。また、Cu−Ni系合金板材とNi−Cr系合金板材を1枚ずつ積み重ねる場合、各層の厚み比で対銅熱起電力の値を制御することができる。
【0021】
なお、積層した抵抗体11は、2層とか3層など積層数が少ないものは、各層における電気抵抗の逆数(電気伝導率)と各材料の熱起電力が分かれば、積層体全体の熱起電力を算出することが可能である。すなわち、抵抗温度係数は各層の抵抗比率によって決定できるが、熱起電力は電気伝導率の比率によって決定できる。
【0022】
2層にした場合の熱起電力の算出方法について、図6を参照して説明する。まず、体積抵抗率ρに従って、各層の電気抵抗を算出する。
【数1】

【0023】
次に、積層体の合成電気抵抗を算出する。各層を積み重ねた場合の複合した合成電気抵抗Rcompoundは、並列回路と見なして求めることができる。
【数2】

【0024】
そして、積層したときの合成熱起電力TEMFcompoundを算出する。電気抵抗の逆数(電気伝導率)で、各層の占める割合と各層の熱起電力を掛けた数値を足し算することで、以下の式のとおり求めることができる。
【数3】

但し、R:電気抵抗、ρ:電気抵抗率、TEMF:熱起電力、a、b:各層の厚み
【0025】
Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層を2層積層した抵抗体において、熱起電力の実測値と、上記算出式より得た算出値とを比較した結果、両者はほぼ一致しており、上記算出式は妥当であると考えられる。なお、1層の厚みがサブミクロンレベル程度に薄い多層の積層抵抗体(試料B,C)になった場合、上記の計算式が成立せず、2層の抵抗体(試料A)と比べて対銅電極の熱起電力はさらに小さな値を示すことが、図5に示す熱起電力の実測結果からわかる。
【0026】
図7は、Cu−Ni系合金とNi−Cr系合金とを積み重ねた積層体において、各層の厚み比を変えることで対銅熱起電力の値を制御できることを示したグラフである。図7のX軸はCu−Ni系合金層の割合で、残りはNi−Cr系合金層であり、Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層を重ねた場合の双方の厚み割合となる。Y軸は積層体である抵抗体に接合する銅電極に対する熱起電力(TEMF)を示す。図7によれば、Cu−Ni系合金層の含有量が増える(つまりCu−Ni系合金層の厚みを増していく)に従って対銅熱起電力が大きくなっていくことが分かる。つまり、Cu−Ni系合金層に対してNi−Cr系合金層の割合を多くしていけば、対銅熱起電力が改善されるが、Ni−Cr系合金は一般に高価で、抵抗率が高く、使用量をできるだけ少なくすることが望まれる。
【0027】
本発明の下記表1に示す実施例では、
Cu−Ni系合金層厚み:Ni−Cr系合金層厚み=50:50
とし、積層枚数(一層厚み)を変えて対銅熱起電力(TEMF)を比較した。すなわち、抵抗体の全体厚みを200μmに固定し、積層枚数を2、4、8、・・・5250枚と変化させたサンプル1、2、3、・・・9を作成し、熱起電力を測定した。この結果を以下に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
なお、1層厚みは出発材料全体を圧延して所定厚みとすることから計算される値であり、実際の一層の厚みとは拡散層を含まないため少し異なる。すなわち、各サンプルそれぞれの全体厚みは約200μmなので、一層厚み=200μm/積層枚数で算出している。実際の一層厚みというと上述のように、拡散層が介在するので、どこからどこまでが一層厚みか不明確となるためである。SEMによる分析結果から各サンプルにおいて拡散層の一層の厚みが約3μmであったため、拡散層割合は
(積層枚数−1)×3μmで算出した値=拡散層の全体厚み、
として、抵抗体全体厚みに占める割合を算出している。
【0030】
図8(a)は一層厚みをX軸とし対銅熱起電力(TEMF)をY軸としたグラフであり、図8(b)は図8(a)のB部分をX軸方向に拡大した図である。図中、サンプル3(S3)は拡散層割合が約10%(積層枚数:8枚、一層厚み:25μm)の例を示す。一層厚みがこの厚さ以下の範囲ではグラフの角度が急である(厚くなると角度がなだらかになる)、つまり、対銅熱起電力の特性が急激に改善されることが分かる。従って、一層厚み25μm以下(拡散層割合が約10%以上)で熱起電力に大きな改善効果がある。
【0031】
サンプル7〜9(S7〜9)は、図8(b)から明らかなように、一層厚みが2μm以下であり、略全体が拡散層となっており、サンプル1に比べて熱起電力が大きく改善されていることが分かる。図中、サンプル8(S8)は一層厚みが0.3μm(750層積層、拡散層割合が100%)の例である。なお、この例は上記試料Bと同一サンプルである。サンプル9(S9)は一層厚みが0.04μm(5250層積層、拡散層割合が100%)の例である。なお、この例は上記試料Cと同一サンプルである。
【0032】
この程度の厚さになると、熱起電力特性が安定化する。つまり、サンプル7以上に、一層厚みを薄くしても、熱起電力特性の改善はあまりない。図中の一点鎖線MはCuNi層とNiCr層との厚み比を50:50で一層厚みが100μmで積層した場合(サンプル1,試料A)の熱起電力のラインである。一層厚みを薄くしていくと、このラインMを離れて熱起電力が改善されることが分かる。
【0033】
すなわち、Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層とを積層することによって熱起電力が改善されるのではあるが、特に、一層当たりの層の厚みを薄くしていくことによって、単にCu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層とを積層しただけでは期待し得ない熱起電力の改善が得られる。具体的には、単にCu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層とを積層しただけのサンプル1では熱起電力が−28μV/Kであるのに対し、サンプル3では一層の厚みを25μm以下まで圧延し、拡散層が全体厚みの10%以上を占めた抵抗体にすることによって、熱起電力を−23μV/K迄改善することができる。さらにサンプル7〜9では拡散層が全体厚みの100%となることで熱起電力を−7μV/K迄飛躍的に改善することができる。
【0034】
従って、Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層との厚み比を50:50に維持しつつ、一層厚みを低減し拡散層比率を上げることで、高価なNi−Cr系合金材料を多量に使用することなく、Ni−Cr系合金層に近い対銅熱起電力が得られる。また、上記実施例では、Cu−Ni系合金層とNi−Cr系合金層との厚み比を50:50の例を示したが、これと異なる割合であっても上述と同様に熱起電力の改善効果がある。
【0035】
なお、積層体の形成には、金属板同士を面で接合する拡散接合法、若しくはクラッド接合などを用いることが好ましいが、スパッタや蒸着法、そしてメッキにより積層することも可能である。
【0036】
また、Ni−20Cr系合金をCu−12Mn−2Ni系合金やFe−20Cr−5Al系合金等の銅に対する熱起電力が小さい材料に変更しても、同様の効果がある。
【0037】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、Cu−Ni系合金が有する低い体積抵抗率と優れた抵抗温度係数を維持しつつ、銅電極に対する熱起電力を低減させることができるので、材料使用量を抑制しつつ、ゼーベック効果やペルチェ効果に伴う誤った電流検出を防止できる。従って、抵抗合金からなる金属板を抵抗体として用いた電流検出用の抵抗器に好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu−Ni系合金からなる第1の板材と、Ni−Cr系合金からなる第2の板材とを積層することにより形成される抵抗体であって、
第1の板材と第2の板材との間に、それぞれの金属材料が拡散した拡散層が形成されており、
前記拡散層は、前記抵抗体の全体厚みに占める割合が10%以上であることを特徴とする抵抗体。
【請求項2】
Cu−Ni系合金は、42.0〜48.0%のNiと、0.5〜2.5%のMnと、99.0%以上のCu+Ni+Mnからなる合金であることを特徴とする請求項1に記載の抵抗体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の前記抵抗体に少なくとも一対の電極を備えたことを特徴とする抵抗器。
【請求項4】
Cu−Ni系合金からなる第1の板材と、Ni−Cr系合金からなる第2の板材とを重ねる工程と、当該重ねた板材を圧延する工程により、第1および第2の板材を積層して得られる抵抗体の製造方法であって、
前記圧延によって、第1の板材と第2の板材との間に、それぞれの金属材料が拡散した拡散層が形成されていることを特徴とする抵抗体の製造方法。
【請求項5】
前記拡散層は、前記抵抗体の全体厚みに占める割合が10%以上であることを特徴とする請求項4に記載の抵抗体の製造方法。
【請求項6】
積層された一層の厚みが25μm以下となるように圧延することを特徴とする請求項4に記載の抵抗体の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載の抵抗体の製造方法において、更に前記抵抗体に少なくとも一対の電極を形成することを特徴とする抵抗器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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