説明

抵抗測定器と共に用いる熱水分交換ユニット

熱水分交換ユニット(50)は、筐体(52)と、熱水分交換媒体(54)と、抵抗測定器(56)とを有する。筐体(52)は、第1のポート(58)と、第2のポート(60)と、中間体(62)とを有する。中間体(62)は、両ポート(58、60)の間に延びるとともに両ポート(58、60)を流体連結する流路を形成する。熱水分交換媒体(54)は、中間体(62)内部において流路に保持される。抵抗測定器(56)は、筺体(52)によって支持されるとともに第1のポートと流体連結される。抵抗測定器(56)の外観が筺体(52)内部の圧力に応じて変化することにより、抵抗測定器(56)は、介護人に対してHMEユニット(50)内部に過度の圧力差が生じていることを視覚的に警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者用呼吸回路と共に用いられる熱水分交換ユニット(Heat and Moisture Exchange Unit、HMEユニット)に関連する。さらに詳細に述べると、本発明によるHMEユニットは、呼吸回路と接続することが可能であり、さらにHMEユニットの機能状態に関する視覚的な表示を提供する。
【背景技術】
【0002】
患者の呼吸を補助するために人工呼吸器や呼吸回路が利用されることは、従来から知られている。人工呼吸器や呼吸回路は、自身で呼吸することが困難な患者に対し機械的な補助を提供する。患者は、手術その他の医療行為を受けるときに、しばしば人工呼吸器につながれて呼吸用ガスの提供を受ける。このような呼吸回路の欠点の1つは、運ばれる空気が患者の肺にとって適切な湿度レベルや温度にならないということである。
【0003】
患者に対し適切な湿度や温度の空気を提供する目的で、HMEユニットを呼吸回路に対し流体連結することができる。なお、「HME」は、総括名称であるとともに、単純な凝縮加湿器、吸湿凝縮加湿器、疎水性凝縮加湿器なども含む。HMEユニットは、一般的に言うと、熱および水分を保持する媒体や材料(HM媒体)を含む筺体で構成される。このような材料は、患者の肺から排出された空気の熱および水分を保有し、保有したその熱および水分を人工呼吸器から出る呼吸用の空気へ受け渡す。HM媒体は、発泡剤、紙、又は未処理若しくは吸湿性材料などで処理済みのその他の適切な材料であっても良い。
【0004】
HMEユニットは、人工呼吸器から呼吸回路に送られる熱および湿気に主眼を置いているが、欠点も存在する。例えば、噴霧状薬物粒子を患者の肺へ運ぶために(例えばネブライザー経由で)呼吸回路に導入することは非常に一般的である。しかしながら、呼吸回路の中にHMEユニットがある場合、薬物粒子は、簡単にHM媒体の中を通ることができないため、患者にも運ばれにくい。加えて、HM媒体は、液体状薬物の液滴によって詰まる可能性もあり、この場合にはHMEユニットの抵抗が上昇してしまうことがある。これらの問題を解決する手段の1つは、噴霧状薬物を導入するときに、呼吸回路からHMEユニットを取りはずすことであるが、この作業は、時間がかかるとともに間違いが起こりやすく、また、回路の圧力が低下した時に、肺気量の上昇分がロスする可能性もある。あるいは、HM媒体を空気流路から選択的若しくは完全に隔離する複雑なバイパス構造・バルブを取り入れた各種HMEユニットも提案されている。
【0005】
患者用呼吸回路の使用中に生じる別の問題として、空気流/空気圧に対して過度の抵抗が生じる可能性があり、その場合、それを判別することおよび問題への対処法が必要になる。また、呼吸回路を流れる空気流/空気圧を過度に制限するような予期し得ない様々な状況になることも考えられる。例えば、HMEユニットのHM媒体が粒子で詰まった場合には、HMEユニットを流れる空気流が過度に制限される可能性がある。時間がたつと、呼吸回路に(若しくは患者内部に)他の障害物が生じることもある。原因の如何にかかわらず、呼吸回路の空気流や空気圧に予期しない抵抗が発生したら、呼吸補助が阻害されないことを確保するために、なるべく早く対処する必要がある。介護人が、患者用呼吸回路において、離散した構成部材の数や、呼吸サイクル、せきなどによる患者用呼吸回路への動圧を原因として予期しない抵抗が発生したことを認識するには、相当の時間および労力が必要とされる。このように、HMEユニットが機能が低下したことはすぐには分からない。逆に、誤ってHMEユニットを問題のある構成部材として認識し回路から取りはずしてしまったら、時間および肺気量がなくなってしまう。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの態様は、筺体と、熱水分保持媒体(HM媒体)と、抵抗測定器とを備える熱水分交換ユニット(HMEユニット)に関する。筺体は、第1のポートと、第2のポートと、中間体とを有する。中間体は、第1および第2のポートの間に延びるとともに、第1および第2のポートの間を流体連結する第1および第2の流路を形成する。HM媒体は、中間体の内部にて第1の流路に保持される。抵抗測定器は、筺体によって支持されるとともに第1のポートと流体連結される。抵抗測定器の外観は、筺体内部の圧力に応じて変化する。このような構造によれば、抵抗測定器は、介護人に対してHMEユニット内部に過度の圧力若しくは圧力差が生じていることを視覚的に警告することができる。実施形態によっては、筺体内部の差圧が所定の期間で所定の値超えたときに抵抗測定器の外観が変わるようにしている。いくつかの実施形態では、所定の値が5cmHOで、所定の期間が0.5秒である。他の実施形態では、抵抗測定器は、過度の圧力差に反応して明らかに偏向するようにして筐体内部に配置された膜を備え、筺体によって、介護人によるこの偏向の視認性が促進されている。
【0007】
本発明の他の態様は、患者に対して呼吸補助を提供する方法に関する。本方法は、筺体と、HM媒体と、抵抗測定器とを備えるHMEユニットを提供する工程を含む。筺体は、人工呼吸器側ポートと、患者側ポートと、ポート間を流体連結する流路を形成する中間体とを有する。HM媒体は第1の流路に配置される。抵抗測定器は、筺体によって支持されるとともに人工呼吸器側ポートと流体連結する。人工呼吸器側ポートがガスの供給源に接続され、一方で、患者側ポートは患者に接続される。ガスの供給源は、HMEユニットに空気流を運ぶ役割を持つ。空気流の運搬に関連して、介護人は、抵抗測定器を経由してHMEユニットに過度の圧力差が生じている旨の警告を受ける。いくつかの実施形態では、介護人に対する警告には、HMEユニット内の圧力差が所定の値を超えたときに抵抗測定器の外観を変化させる工程も含まれる。
【0008】
本発明のほかの態様は、HMEユニットの製造方法に関する。本方法は、第1のポートと、第2のポートと、中間体とを有する筺体を提供する工程を含む。HM媒体は、筺体の中において第1および第2のポートを流体連結する流路に取り付けられる。抵抗測定器は、第1のポートと流体連結するようにして筺体に取り付けられる。抵抗測定器は、筺体内の圧力差に応じて外観が変化するように設計されている。いくつかの実施形態では、筺体はプラスチック材料で構成され、さらに本製造方法は、HMEユニットの外部から抵抗測定器を視認できるように壁部を十分に透明とするために、抵抗測定器の近傍にある筺体の壁の一部を研磨する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のHMEユニットと共に用いられる患者用呼吸回路の一例を単純化した図
【図2】本発明のHMEユニットと共に用いられる患者用呼吸回路の別の例を単純化した図
【図3】本発明のHMEユニットの斜視図
【図4A】図3のHMEユニットと選択的な内部流路の縦方向断面図
【図4B】図3のHMEユニットと選択的な内部流路の縦方向断面図
【図5A】抵抗測定器の一部の切り取り図を含む図3のHMEユニットの斜視図
【図5B】図5Aの一部の拡大図
【図5C】図3のHMEユニットと抵抗測定器の縦方向断面図
【図6A】図5Aの抵抗測定器の構成部材である膜の斜視図
【図6B】図6Aの膜の第1・初期状態を示す断面図
【図6C】図6Aの膜の第2・誘発状態を示す断面図
【図7A】図6Aの膜と第1および第2の状態の抵抗測定器の構成部材であるフラッグの断面図
【図7B】図6Aの膜と第1および第2の状態の抵抗測定器の構成部材であるフラッグの断面図
【図8A】初期若しくは第1の状態にある抵抗測定器の一部の切り取り図を含む図3のHMEユニットの斜視図
【図8B】図3のHMEユニットと初期若しくは第1の状態にある抵抗測定器の横方向断面図
【図9A】一部の切り取り図を含む、初期状態にある本発明の別の抵抗測定器を備えるHMEユニットの斜視図
【図9B】図9AのHMEユニットの一部の拡大図
【図9C】一部の切り取り図を含む、図9AのHMEユニットと誘発状態にある抵抗測定器の斜視図
【図10A】図9Aの抵抗測定器の上面図
【図10B】初期状態にある図10Aの抵抗測定器の断面図
【図10C】誘発状態にある図10Aの抵抗測定器の断面図
【図11A】バイパスモードにある図9AのHMEユニットと初期状態の抵抗測定器の縦方向断面図
【図11B】HMEモードにある図9AのHMEユニットと誘発状態の抵抗測定器の縦方向断面図
【図12A】図1のHMEユニットの一部として用いられる本発明の別の抵抗測定器の断面図
【図12B】図1のHMEユニットの一部として用いられる本発明の別の抵抗測定器の断面図
【図13A】図1のHMEユニットの一部として用いられる本発明の態様によるさらに別の抵抗測定器の断面図
【図13B】図1のHMEユニットの一部として用いられる本発明の態様によるさらに別の抵抗測定器の断面図
【図14A】本発明のHMEユニットの一部として用いられるさらに別の抵抗測定器の断面図
【図14B】図14Aの抵抗測定器を単純化した上面図
【図15】本発明のHMEユニットの一部として用いられるさらに別の抵抗測定器を単純化した断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以降で詳細に説明するように、本発明の原理に従う態様は、人工呼吸器とあわせて利用することができるHMEユニット・装置に関し、図1はその1つとして呼吸回路10を示す。呼吸回路10は、多数の柔軟なチューブ部材を備え、チューブ部材は、患者12と人工呼吸器(図示せず)との間につながれている。図1の呼吸回路10は、2肢型の呼吸回路であり、さらに加圧空気源14、本発明によるHMEユニット16(ブロック形式で図示)およびネブライザー18を備えても良い。
【0011】
呼吸回路10の一例によれば、患者12とHMEユニット16をつなぐための患者用チューブ20が備えられている。患者用チューブ20のうち患者12に近いほうの一端は、患者の口、喉を通って肺の中まで届く気管内チューブであっても良く、あるいは、患者の喉から肺に空気を運ぶ気管カニューレ(図1には図示せず、図2の46に例示)であっても良い。一方、HMEユニット16のうち患者用チューブ20と反対側には、コネクター22が延びており、コネクター22の一例としてY字型がある。Y字型コネクター22は、例えば呼吸回路10から空気を排出するための呼気用チューブ24(一般的に呼気肢と呼ばれる)のような付加的なチューブとつながれても良い。第2のチューブ26(一般的に吸入肢と呼ばれる)は、ネブライザー18用のチューブとして機能し、ネブライザー18につながれる。ネブライザー18は、コネクター28(例えばT字型コネクター)を経由して吸入肢26につながれる。T字型コネクター28は、吸入肢26の反対側の端部にて人口呼吸器(図示せず)とつながれている。ネブライザー18も、空気管30を経由して加圧空気源14につながれている。
【0012】
さらなる例として、図2は、別の呼吸回路40を示す。本発明によるHMEユニット16は、呼吸回路40とあわせて用いることができる。単一肢の呼吸回路である呼吸回路40は、人口呼吸器(図示せず)を患者12と流体連結する機能を持ち、さらにネブライザー18および加圧空気源14を備える。呼吸回路40は患者用チューブ20を備え、患者用チューブ20は、患者12およびHMEユニット16と流体連結する。単一のチューブ42は、HMEユニット16から患者12の反対側に延びるとともに、T字型コネクター28を経由してネブライザー18と流体連結する。人工呼吸器(図示せず)は、チューブ44を経由して直接T字型コネクター28とつながれている。必要であれば、呼吸回路40を(図1の2肢型の呼吸回路10と同様に)、気管カニューレ46につないでも良い。
【0013】
本発明は、様々な種類のネブライザー18を使用する。ネブライザー18の一例では、無菌の水で再構成された薬が、ネブライザー18中に設けられた容器の中に配置される。ネブライザー18に加圧ガスが供給され、加圧ガスはネブライザー18内のアトマイザーから噴射される。アトマイザーに対するガスの力によって、薬用液体が毛細管現象で薬用容器からネブライザー18の面に沿って上昇し、アトマイザーにおいて薬用液体の流れがもたらされる。薬用液体がアトマイザーにて加圧空気の流れとぶつかると、無数の微小な液滴となって噴霧されることになり、この噴霧が空気の力によってさらに加速されると、空気および薬用液体の混合噴霧が呼吸回路10、40を経由して患者12へと運ばれ、薬が患者の肺に投与される。このような薬の投与方法は、患者の肺に薬を提供する場合に非常に有用であることが分かっている。定量型の吸入器を用いて、患者12に対し空気中で薬を投与することもできる。他の実施形態では、本発明のHMEユニット16は、患者用呼吸回路がネブライザー18を備えない場合、若しくはネブライザー18が作動しない(例えば、ネブライザー18の作動中にHME16が呼吸回路に流体連結していない)場合にも患者用呼吸回路と共に用いられるように構成されている。
【0014】
呼吸回路に関わる上述の一般的説明を考慮しながら、図1、2に記載のHMEユニット16として用いることができる1つの形態として、HMEユニット50を図3に示す。HMEユニット50は、筺体52と、熱水分媒体(HM媒体)54(図3では隠れているが図4Aに記載)と、抵抗測定器56とを備える。各構成部材の詳細については以降で説明する。筺体52は通常、第1のポート58と、第2のポート60と、中間体62とを有する。HM媒体54は、中間体62の中にて保持される。筺体52は通常、第1および第2のポート58、60を流体連結する流路を形成し、その流路は、HM媒体54の中を流れる第1の流路と、HM媒体54の周り(例えばHM媒体54の面の周り)を流れる第2の流路とを含む。この点を考慮の上で、抵抗測定器56は、筺体52内部(若しくは筺体52にかかる)圧力差を示す外観を提供する。HMEユニット50がHM媒体54の周囲に流路を提供する実施形態では、空気が少なくとも主に流れる流路を決定するものとして機能するバルブ機構64を備えても良い。
【0015】
図4A、4Bは、筺体52とそこに発生する流路が示されている。図示されるように、中間体62は、第1のポート58と第2のポート60の間に延びる。図4A、4Bを見ると、中間体62は、上方の外壁70と、下方の外壁72と、少なくとも1つの内部仕切り74とを有する。構成によっては、下方壁72は第1の筺体セグメント76の一部として設けられ、第1の筐体セグメント76は着脱可能な状態で第2の筐体セグメント78に取り付けられ、第2の筐体セグメント78はポート58、60および上方壁70を提供する。それにもかかわらず、HM媒体54は、例えば内部仕切り74と側壁80との間に張られるようにして、中間体62の中に保持される。HM媒体54を内部仕切り74(およびバルブ機構64)に対して所望の位置に保持するため、さらに他の構成部材を採用しても良い。また、内部仕切り74は、固形物であり、第1の流路(図4A中の矢印「A」)および第2の流路(図4B中の矢印「B」)の少なくとも一部分を形成する。さらに詳細に述べると、内部仕切り74は、対向する第1および第2の端部84、86を有し、第1の流路Aの一部は第1の端部84と下方壁72との間に形成され、第2の流路Bの一部は第2の端部86と上方壁70との間に形成される。
【0016】
第1の流路Aは、第1のポート58からHM媒体54を通過して第2のポート60へと流れ、同様に逆方向にも流れる。このような第1の流路AをHME経路と呼ぶ。図4Aに記載の1つの形態において、HM媒体54と下方壁72との間にギャップ88が形成されるようにHM媒体54のサイズが決められた上で、HM媒体54は筺体52の中に配置される。このことにより、第1の流路Aは、ギャップ88を横切るとともに内部仕切り74の第1の端部84周りを通って流れ、U字型の経路を形成する。しなしながら、他の形態において、HM媒体54を低方壁72と接触させて(あるいはギャップ88をなくして)も良い。
【0017】
第2の流路Bは、第1のポート58から中間体62を通過して第2のポート60へと流れ、同様に逆方向にも流れるが、HM媒体54には流れない。このような第2の流路Bをバイパス経路と呼ぶ。バイパス経路Bは、HM媒体54の周囲若しくは面に流れる。他の実施形態では、バイパス経路BがHM媒体54によって形成される1つ以上の開口を通るように、HMEユニット50を設計しても良い。以下で詳細に説明するが、バルブ機構64は、流路A、Bを選択的に開けたり閉じたり(若しくは少なくとも部分的に閉じたり)するものとして機能する。
【0018】
上述のように、HM媒体54は、中間体62の内部に配置されるようにそのサイズと形状が定められている。この点を考慮すると、HM媒体54は、熱および水分を保持する性質を持つものとして先行技術において知られる様々な構造をとることができ、一般的には発砲材料そのもの若しくは発砲材料を含むものである。また、紙や充填材のような他の構造をとることもできる。HM媒体54という用語は、より一般的な概念では、(例えば微粒子フィルターのような)他の機能を併せ持つかどうかにかかわらず、熱および水分を保持することができるあらゆる材料を意味する。
【0019】
上述のHMEユニット50に関する一般的な説明を念頭に置きながら、図5A−5Cに、抵抗測定器56を示す。抵抗測定器56は、筺体52に支持され、第1のポート58と流体連結する。抵抗測定器56は、一般的に筺体52内部に生じる圧力および圧力差に基づく視認性指標を表示する。例えばいくつかの実施形態では、抵抗測定器56は、筺体52内部の圧力差が所定期間の間に所定の値を超えたときに第1の状態から第2の状態へと移行する。以下で説明するように、介護人が抵抗測定器56の構成部材を筺体52外部から視覚的に見るときは、第1の状態に比べて第2の状態の方が容易にそれらを認識しやすい。
【0020】
いくつかの実施形態では、抵抗測定器56は、曲げることのできる膜若しくはダイアフラム98と、フラッグ100と、第1の(上方)チャンバー102と、第2の(下方)チャンバー104とを備える。膜98は、フラッグ100を保持するとともにチャンバー102、104の間に取り付けられる。少なくとも1つのチャンバー102、104は、中間体62内部の空気の流れおよび圧力を膜98と流体連結する。いくつかの実施形態では、チャンバー102、104は、それぞれ膜98の反対側の面に対して、空気の流れおよび圧力との流体的接続を提供する。以下で説明するように、膜98/フラッグ100のチャンバー102、104に対する位置は、前述の圧力および圧力差に応じて変化する。
【0021】
いくつかの実施形態において、膜98は、シリコン材料で形成されるが、その他の弾性材料(例えばポリウレタン)により形成されても良い。図6A−6Cに示すように、いくつかの実施形態では、膜98は、縁部110および中央部112を有する。縁部110は、以下で示すようにチャンバー102、104(図5C)の間に取り付けられるように、そのサイズおよび形状が決められているが、形状は円形や四角形であっても良い。中央部112は、環状壁114と、ボタン部116とを備える。図6Bに良く示されるように、環状壁114は、縁部110から延びるとともに、上流部117、偏向領域118および下流部119を有する。偏向領域118は、例えば、下流部119に比べて大きな直径や壁の厚さを有する円周領域によって形成される。以下で説明するように、縁部110に対するボタン部116の縦方向の位置は、環状壁114によって決定され、環状壁114は、偏向領域118にて偏向する(すなわち環状壁114およびボタン部116が、図6Bの第1の状態から図6Cの第2の状態へ偏向する)。さらに詳細に述べると、環状壁114の下流部119は、偏向領域118から延びており、偏向領域118における偏向に対し本質的に従うような円錐形もしくは直径が先細っていく形状を有する。
【0022】
ボタン部116は、ショルダー120と、ヘッド122とを備える。ショルダー120は、下流部119から(偏向領域118とは反対に)半径方向内側に延びており、ヘッド122は、ショルダー120に対して中央に配置されるとともに、以下で示すようにフラッグ100(図5A)を保持できるサイズの容器124を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、膜98は均質的に形成されるが、固有の偏向特性を確立するために、場所によって膜98の厚さが変えられている。よって、膜98は、偏向するだけでなく、以下で示す所定の外力レベルに反応して環状壁114に沿ってその偏向位置を維持する。例えばいくつかの実施形態では、ボタン部116、その中でも特に少なくともショルダー120の厚さは、環状壁114の厚さよりも大きい(ただし、偏向領域118は、環状壁114の残りの壁部より厚くても良い)。このことにより、膜98の偏向が、環状壁114にて発生することになる。さらに、ヘッド122の厚さによって、ボタン部116の大部分が構成されるとともに(フラッグ100と組み合わせることで)ボタン部116を第1の状態(図6B)から第2の状態(図6C)へと持ち上げるために必要な力が要求される。最終的に、下流部119の直径が先細りであるという構造および偏向領域118の厚さにより、下流部119が第2の状態(図6C)へ偏向することが可能になる。しかしながら、第2の状態における偏向領域118は、締まった(tight)状態で偏向しており、下流部119は、上流部117の「中」に入る。このような構造からも明らかなように、環状壁114は、第2の状態(図6C)から第1の状態(図6B)へ戻ろうとするときに抵抗を受ける(すなわち、膜98は自然に第2の状態から第1の状態へ戻らない)。
【0024】
図7A、7Bを見ると、縁部110および中央部112が組み合わることにより、膜98の対向する第1および第2の面130、132が形成される。なお、図7A、7Bにはさらに、筺体52と共にフラッグ100が示さている。フラッグ100は、第1の面130から延びるとともにベース134およびパネル136を備える。パネル136は、ベース134の反対側において先端部138で終端する。いくつかの実施形態では、フラッグ100は、視認性若しくは明瞭な色彩(橙色、赤色、黒色、蛍光色など)を有する比較的固い物質(例えば熱可塑性樹脂)により一体的に形成される。ベース134は、容器124内部に納まるようにサイズが決められており、パネル136はボタン部116から離れるように突き出る。
【0025】
膜98/フラッグ100が筺体52に取り付けられたことにより(図5A)、第1の面130は第1の圧力若しくは外力(図7Aの矢印P1)に曝され、第2の面132は第2の圧力若しくは外力(図7Aの矢印P2)に流体的に曝される。これらの圧力P1、P2は、膜98に圧力差を生じさせる。P2がP1よりも所定の量大きければ、膜98は、図7Aの第1の状態・位置から図7Bの第2の状態・位置まで移行する。第1の状態において、フラッグ100の先端部138は、縁部110が含まれる面からわずかに間隔を空けている。第2の面132にかかる外力若しくは圧力差が、偏向に対する下流部119の抵抗だけでなく、フラッグ100およびボタン部116の主要部分に打ち勝つほどに十分大きければ、環状壁114は偏向領域118にて偏向し、ボタン部116が(図7A、7Bにおいて)上方に移動する。図7Bの位置において、フラッグ100の先端部138は、縁部110が含まれる面から離散して間隔を空けている。すなわち、先端部138と縁部110との縦方向の隙間は、図7Aよりも図7Bの方が大きい。いくつかの実施形態では、膜98は、0.5秒以上の期間に圧力差が5cmHO以上生じた場合に、図7Aの第1の状態から図7Bの第2の状態へと移行するように設計されている。圧力差が小さい(P2がP1よりわずかに大きい)場合、下流部119はわずかに上方(若しくは下方)に偏向する可能性はあるが、その場合、自然状態の膜98は、その偏向を維持しない。あるいは、移行を誘起するその他のパラメータを、膜98やフラッグ100に組み込んでも良い。
【0026】
図5A−5C(ここでは上述の第2の状態若しくは「誘発」状態の膜98を示す)に戻ると、第1のチャンバー102は、膜98の組立に備えてサイズが決められるとともに筺体52の外壁部分140(図5Aに良く示される)によって少なくとも部分的に形成される。さらに、第1のチャンバー102は、膜98が第2の状態にあるときにフラッグ100をスライド可能に収容できるようにサイズが決められている(図5A−5Cにも反映されている)。すなわち、第1のチャンバー102を形成する壁は、フラッグ100が第1の状態から第2の状態へと移行するのを阻害しないように十分な間隔を空けている。
【0027】
いくつかの実施形態では、外壁部分140は、HMEユニット50の外部からフラッグ100を視認できるようにするため、十分な透明とされている。例えば、本発明によるいくつかの製造技術によれば、筺体52はプラスチック材料で構成されている。第1のチャンバー102の部分を形成する外壁部分140を製造する際には、よく研磨するか若しくは(筺体52の他の外面領域と比較して)ほぼ透明にする。すなわち、外壁部分140は窓を形成する。
【0028】
第1のチャンバー102は、外壁部分140に加えて1つ以上の内壁142によっても形成される。内壁142は、第1のポート58における空気流およびその圧力が第1のチャンバー102へ入るための第1の通路144(図5B)を形成する。さらに、選択的な第2の通路146(図5Cに一般的なものが示されている)が形成される場合には、それが、第1のチャンバー102から(例えば第2の流路B(図4B)へ)空気を排出する経路となる。第1のポート58を通過する空気流およびその圧力は、通路144を経由して第1のチャンバー102へと伝わり、以下で述べるように膜98へと付与される。
【0029】
第2のチャンバー104は、プラットフォーム150によって形成され、プラットフォーム150は、膜98の縁部110を受け取ることができるサイズを有する。このように、プラットフォーム150は、縁部110に対応するサイズおよび形状を有するが、その形状は、例えば円形や四角形でも良い。プラットフォーム150は、膜98の反対側に1つ以上のチャネル152を形成するとともに、筺体52内部において、(図4Aで第1の流路Aにある)HM媒体54の近傍を流れる空気流およびその圧力に流体的に曝されている。このように、第1の流路Aを流れる空気流およびその圧力は、チャネル152を経由して第2のチャンバー104へと伝わり、膜98へと付与される。
【0030】
縁部110は、チャンバー102、104を(膜98に対して)互いに閉じるために、第1のチャンバー102の壁140、142および第2のチャンバー104のプラットフォーム150の間に取り付けられる。フラッグ100は、スライド可能な状態で第1のチャンバー102の内部に配置される。第1のチャンバー102における(通路144を経由した)空気流およびその圧力は、膜98の第1の面130に作用する一方で、第2のチャンバ−104における(チャネル152を経由した)空気流およびその圧力は、第2の面132に作用する。このような構造によれば、(チャンバー102、104を経由して)膜98にかかる圧力差はHMEユニット50、特に第1のポート58における圧力差を代表する。なぜなら、第1のポート58にて「入る」空気圧が第1のチャンバー102に伝わるとともに、HM媒体54の存在により発生する圧力(若しくは背圧)の増加も第2のチャンバー104に伝わるからである。HM媒体54に起因するあらゆる空気抵抗は効果的に抵抗測定器56へと反映され、その空気抵抗があるレベルを超えたときに、膜98の状態が変わる。
【0031】
特に図8A、8Bを参照すると、膜98/フラッグ100は、まず第1の状態若しくは「低い」状態にあるチャンバー102、104に取り付けられる。使用者や介護人は、第1の状態若しくは低い状態にある膜98/フラッグ100について、壁部/窓140を通して多少視認できるかもしれないが、先端部138については、窓140の外(例えば窓140の「下」)にあるため窓140を通してはっきりと視認することができない。HMEユニット50において、膜98/フラッグ100が第1の状態若しくは低い状態にあるとき、介護人は、窓140の中に色の付いたフラッグ100が「ない」こと、すなわちHMEユニット50内の圧力差が許容範囲であることを本質的に認識できる。
【0032】
HMEユニット50は、その使用中において、例えば図1の呼吸回路10や図2の呼吸回路40などの患者用呼吸回路に流体連結される。患者用チューブ20は、第2のポート60に流体連結され、第1のポート58は、人工呼吸器(図示せず)につながれたチューブに流体連結される。このように、第1のポート58は人工呼吸器側ポートとして機能し、第2のポート60は患者側ポートとして機能する。人工呼吸器からの空気流およびその圧力は、HMEユニット50を経由して患者に伝わる。抵抗測定器56は、この空気流およびその圧力を利用することにより、介護人に対し、HMEユニット50に潜在的な問題が生じている旨の警告を与える。例えば、筺体52内部の圧力差が所定の期間に所定の値超えた場合、結果として、膜98の第2の面132に(基準となる第1の面130における空気流および圧力に対して)圧力差が生じるため、偏向領域118が偏向するとともにボタン部116およびフラッグ100が上昇する。
【0033】
特に、膜98/フラッグ100が図8Aの初期状態から図5Aに示す第2の状態若しくは誘発状態へ移行するとき、パネル136は第1のチャンバー102の中に位置する。一旦、第2の状態になると、たとえ膜98にかかる圧力差が減少しても、膜98は元の第1の状態には戻らない。フラッグ100の明瞭な色および窓140の透明度の高さにより、介護人は、HMEユニット50内部に圧力差に関わる潜在的な問題が生じたことを抵抗測定器56が視覚的表示により示唆していることを容易に認識できる。このような構造によれば、介護人は、(例えばHM媒体54が詰まっているなどの)妥当な判断、および適切な行動をとることができる。さらに、介護人が、呼吸回路10、40に空気流および圧力に関わる望ましくない抵抗が発生していると認識しているにもかかわらず、抵抗測定器56は、HMEユニット50内部に過度の圧力差が発生しているという表示をしない(すなわちフラッグ100が図5Aの第2の状態若しくは誘発状態まで移行しない)場合、介護人は、その問題の原因が空気流の抵抗に関わる事項でないということをすぐに理解し、代わりに呼吸回路10、40の他の構成部材に注目することができる。
【0034】
図3−4Bに戻ると、ここにはバルブ機構64を備えるHMEユニットのいくつかの実施形態が示される。なお、本発明の範囲はこれらの実施形態に制限されない。ポート58およびポート60の間の空気が流路A若しくは流路Bのどちらに少なくとも主に流れるかは、バルブ機構64によって決まめられる。バルブ機構64は空気流に対する障害部材170を備え、障害部材170は、主に図4A、4Bに示されるように、中間体62の中に移動可能な状態で配置若しくは組み立てられる。さらに、障害部材170は、様々な形状をとることができ、一般的には空気流が通過できない固形物体である。図4A、4Bに記載の1つの形態において、障害部材170はプレート状であるが、代わりに、他のバルブ障害物体(例えばボールバルブ)を採用しても良い。一方で、障害部材170は、図4Aに示される第1の位置と図4Bに示される第2の位置との間を移動することができる。例えば、図4A、4Bに記載の1つの形態において、障害部材170は、先端部172および後端部174によって形成され、プレートに類似する。後端部174は、例えばピン106を経由して、回転可能な状態で筺体52の内部に設けられる。また、後端部174をリビングヒンジにするなど、他の移動可能な組立品構造を採用しても良い。このような構造によれば、障害部材170は、第1および第2の位置の間における先端部172の移動を伴いながら、後端部174にて回転することができる。この点を考慮して、先端部172は、図4Aに記載の第1の位置のように、例えば上方壁70など筺体52の対応する構造と係合若しくはシールするように設計されている。言い換えれば、障害部材170は、第1の位置にて第2の流路Bを閉じて全ての空気が第1の流路Aに沿って流れるようにそのサイズおよび形状が決められている。第1の流路AにはHM媒体54が含まれることから、障害部材170が第1の位置にあることを、「HME位置」若しくは「HMEモード」と呼ぶ。
【0035】
特に図4Bを参照すると、障害部材170が第2の位置にあるときは、先端部172は、(例えば後端部174周りで回転することにより)上方壁70から離れたところに配置されるため、第2の流路Bにとって、障害部材170は障害とならない。特に、第2の位置における障害部材170は、第1の流路Aを完全に塞ぐわけではない。例えば、障害部材170の先端部172とそれに対応する筺体52の側壁80との間には、隙間108が存在する。
【0036】
第2の位置にある障害部材170は、第2の流路Bを最大でも部分的にしか塞がないため、空気は、HM媒体54と密に接触することなく第1および第2のポート58、60の間を自由に流れることができる。このように障害部材170が第2の位置にあることを、「バイパス位置」、「バイパスモード」と呼ぶ。バイパス位置にあるときでも、いくつかの実施形態では、隙間178を経由することにより、第1の流路Aに沿って空気が流れることは可能である。しかしながら、HM媒体54は、隙間178を通過する空気を効果的に制限する役割を持つ。特に、空気は抵抗が最小である方へ流れる傾向があるため、障害部材170がバイパス位置にあるときは、空気の大部分が第2の流路Bに沿って流れる。この場合、実際に、95%以上の空気が第2の流路Bに沿って流れる。他の実施形態では、バルブ機構64は、バイパスモードのときのHME経路Aを閉じるように設計されている。
【0037】
バルブ機構64は、使用者が作動させることにより、障害部材170をHME位置およびバイパス位置の間で移動させるのを可能にする各種構成部材を備えても良い。例えば、障害部材170に連結するとともに筺体52の外部から延びるアクチュエータアーム180(図3)を用いても良い。使用者がアクチュエータアーム180を移動させることにより、障害部材170を所望の位置へ回転させることができる。さらに、実施形態によっては、アクチュエータアーム180を自由に固定および解放することができる選択的ロック装置182を用いても良い。あるいは、バルブ機構64は、その他の各種形状をとることができる。なお、HMEユニット50に分離したバイパス経路がない場合には、バルブ機構64を省略しても良い。
【0038】
HMEユニット50が上述のバルブ機構64だけでなくHME経路およびバイパス経路も提供する場合、患者用呼吸回路10、40(図1、2)を伴うHMEユニット50の使用に際し、介護人によって所望の動作モードを選択する作業が含まれても良い。呼吸回路10、40を通じて患者12に薬が投与されない場合(すなわち、ネブライザー18が、呼吸回路10、40につながれていない場合や操作可能でない場合)、HMEユニット50はHMEモード(図4A)にする。このように、HMEユニット50を通じて患者12が吸入若しくは排出する空気は、HM媒体54を必ず通過し(補助フィルター150がある場合は補助フィルター150も同様に通過し)、そのときに、HM媒体54は、排出された空気から熱および水分を吸収し、さらに、その吸収した熱および水分を患者の肺に送り込む空気へ受け渡す。
【0039】
上述の抵抗測定器56は、本発明によって実施可能な1つの構造である。例えば、抵抗測定器56を、上述と反対方向の過度の圧力差(すなわちP1がP2よりも過度に大きい場合)を視覚的表示で示すように設計しても良い。図9A、9Bには、別の実施形態としてHMEユニット50’が示されており、このHMEユニット50’は、別の抵抗測定器56’を備える。HMEユニット50’は、多くの点で、上述したHMEユニット50(図3)と類似し、第1および第2のポート58’、60’の間にあるHM媒体(図示されていないが上述のHM媒体54と類似のもの)を保持する筺体52’を備える。さらに、バルブ機構64’は、ポート58’、60’の間において空気が少なくとも主に流れる流路を決定するものとして機能する。また、抵抗測定器56’は、膜200と、フラッグ組立品202とを備える。膜200は、第1および第2のチャンバー204、206の間にフラッグ組立品202を保持するとともに、フラッグ組立品202による図9Aの初期状態と図9Cの誘発状態との間の移動を促進する。
【0040】
図10A、10Bは、抵抗測定器56’のさらなる詳細を示しており、図10Bは、第2のチャンバー206に取り付けられた膜200を示す。膜98(図6A−6C)と非常に類似する膜200は、偏向領域208と、容器212を有するボタン部210とを備える。フラッグ組立品202は、フラッグ214と、接続部材216とを備える。フラッグ214は、視認性若しくは明瞭な色彩(橙色、赤色、黒色、蛍光色など)を有する比較的固い物質(例えば熱可塑性樹脂)により形成される。フラッグ214は、(図9A、10Aに示すように)U字型であるとともに、図10Bによく示されるように開口218を形成する。
【0041】
接続部材216は、ベース220と、ネック222と、フランジ224と、突起226とを備える。ベース220が容器212に納まるようにサイズが決められているため、ネック222は、ボタン部210から離れるように突き出る。フランジ224は、ネック222から半径方向外側に延びるとともに、(例えば溶接や接着によって)フラッグ214へ組立てられるようにサイズが決められる。あるいは、フラッグ214および接続部材216は、構造的に一体的に形成されて均質的であっても良い。突起226は、ネック222から(図10Bにおける)上方に延びる。最終的な組立が終わると、突起226は、開口218の内部にて延びる。
【0042】
上述の構造により、抵抗測定器56’は、図10Bの初期状態から図10Cの誘発状態へと移行する。図10B、10Cをそれぞれ比較すると、初期状態(図10B)のとき、フラッグ214の大部分は膜200の縁部228の「下方」に位置し、逆に、図10Cの誘発状態のときは、上述のように膜200が偏向領域208で偏向するとともに、フラッグ214の大部分、実施形態によってはその全体が縁部228の「上方」に位置する。
【0043】
図9A−9Cに戻ると、上述の抵抗測定器56’は、筺体52’内部にて組み立てられるとともに前述の実施形態と同様に機能する。筺体52’は、筺体52’の外部からのフラッグ214の視認を可能とする窓部230(一般的なものとして図9A、9Cに示される)を有しても良い。したがって、チャンバー204、206に過度の圧力差が発生したとき(すなわち、第2のチャンバー206内の圧力が第1のチャンバー204内の圧力を所定のレベル超えたとき)、抵抗測定器56’は、図9Aの初期状態から図9Cの誘発状態へと移行する。
【0044】
いくつかの実施形態では、本発明のHMEユニットは、使用者が手動で抵抗測定器を誘発状態から初期状態へ「戻す」ことができるように設計される。例えば、HMEユニット50’はバルブ機構64’を備えても良く、バルブ機構64’は、前述のバルブ機構64(図3)に類似するとともに、図11A、11Bに良く示されるように筺体52’の内部に移動可能な状態で配置若しくは組み立てられる障害部材170’を備える。さらに、タブ232は、障害部材170’によって形成されるか、若しくは障害部材170’から延びる。なお、タブ232は、図9A、9C、11Bに部分的に示される。特に図9A、9Cを参照すると、タブ232は、フラッグ214の開口218の内部にて納まるようにサイズが決められている。さらに、図11Bに良く示されるように、タブ232は、フラッグ組立品202の突起206と選択的に接触するように配置される。使用中において、障害部材170’がHMEモード若しくはHME状態(すなわち図11Bの位置)にあるときに、過度の圧力差が生じた場合、抵抗測定器56’は、前述のように初期状態から(図9A)から誘発状態(9C)へと移行する。抵抗測定器56’が誘発状態のとき、突起226は、図11Bに示されるようにタブ232とごく接近するところまで上昇する。
【0045】
障害部材170’を図11BのHME位置から図11Aのバイパスモード・状態へと移行させることにより、抵抗測定器56’を「戻す」ことができる。例えば、バルブ機構64’は、障害部材170’に取り付けられたアクチュエータアーム234(図9A、9C)を備えても良い。使用者がアクチュエータアーム234を図9Cの位置から図9Aの位置まで回転させると、障害部材170’は、HMEモード(図11B)からバイパスモード(図11A)まで回転する。この動きに伴って、タブ232は、突起226と接触して、抵抗測定器56’に対し誘発状態から初期状態(すなわち図9Cの位置から図9Aの位置)に向かう方向へ力を加える。そして、HMEによる治療を提供する際には、障害部材170’は図11BのHMEモード・状態へと戻される。しかしながら、抵抗測定器56’は、初期状態のままである(すなわち、障害部材170’/タブ232が移動しても、抵抗測定器56’は自発的に誘発状態へと移行しない)。その代わりに、抵抗測定器56’は、過度の圧力差が生じたときだけ誘発状態へと戻る。
【0046】
さらに別の実施形態では、フラッグ100(図7A)、214を省略しても良い。例えば、図12A、12Bには、別の抵抗測定器56’’が示されている。抵抗測定器56’’は、前述のように膜240およびチャンバー102、104を備える。上述の膜98(図6A−6C)と類似のものである膜240は、縁部242と、環状壁244と、ボタン部246とを備える。環状壁244は偏向領域248を形成し、ボタン部246は環状壁244から縁部242とは反対側へ上方に延びるヘッド250を備える。
【0047】
膜240は、視認性および鮮やかな色を有し、上述のように過度の圧力差(すなわちP2がP1より大きい)を受けたときに初期状態(図12A)から誘発状態(図12B)へと移行するように設計されている。初期状態において、ヘッド250は実質的に縁部242の「下方」にある。このように、縁部242がチャンバー102、104の間に閉じられている場合、ヘッド250は第1のチャンバー102の「外部」にあり、介護人は容易にヘッド250を視認することができない。逆に誘発状態のとき、ヘッド250は、その位置がずれて実質的に縁部242の「上方」かつ第1のチャンバー102の「内部」にくる。このように、介護人は、ヘッド250を(例えば上述の窓140(図5A)を経由して)容易に視認することができる。前述の実施形態のうちのいくつかによると、膜240を誘発状態へ移行させるように働く圧力差が弱くなっても、膜240は誘発状態・位置を維持する。
【0048】
図13A、13Bには、別の実施形態として、本発明のHMEユニットと共に用いられる抵抗測定器260を示される。抵抗測定器260は通常、膜若しくはダイアフラム262と、ディスク264と、ラッチ266と、第1のチャンバー268と、第2のチャンバー270とを備える。膜262は、蛇腹模様を有し、前述した抵抗測定器56(図5A)のときと同じような方法によりチャンバー268、270の間に閉じられる。膜262は、縁部272と、縁部272から延びる蛇腹部274と、差圧変位部276とを形成する。このような構造によれば、差圧変位部276は、以下で示すように差圧変位部276にかかる力に反応して蛇腹部274が伸縮することにより、第1のチャンバー268の内部にて縦方向に移動する。
【0049】
ディスク264は、差圧変位部276に固定され、膜262の移動に伴ってチャンバー268に対して移動する。この点を考慮して、ディスク264の外径その他の外側寸法を対応するラッチ266の寸法よりも大きくしており、それによって、膜262がディスク264を図13Aの位置から図13Bの位置まで移動させたときに、ディスク264がラッチ266に接触するとともにラッチ266によって保持される。このような保持の関係によって、ディスク264/膜262は図13Bの位置から下方に移動しない。ディスク264は、比較的硬い各種材料(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート)でできていても良く、さらに、実施形態によっては視認性を向上させるために鮮やかな色(例えば赤色、橙色など)を有する。
【0050】
第1のチャンバー268は、膜262のサイズ/形状に対応するような形状であっても良く、また、通常は壁部278を備える。壁部278は、上述のように、第1のチャンバー268と空気流・空気圧との間に流体的な接続を確立する少なくとも1つの通路280を形成する。ラッチ266は、いくつかの実施形態では第1のチャンバーの壁部278から半径方向内側に形成されるが、他の構造(例えば、バネを搭載したものやその他解除式構造)を同様に採用することができる。さらに、ラッチ266に近接する壁部278の一部は、例えば上述のように透明若しくはよく研磨されたプラスチックを取り入れることにより、窓282を形成する。このように、図13Bの誘発状態のとき、使用者は、窓282を経由してディスク264を視認することができる。
【0051】
第2のチャンバー270も同様に、膜262と流体連結するのに適した各種形状をとることができる。例えば、第2のチャンバー270は、1つ以上のチャネル286を有するプラットフォーム284によって形成されても良く、チャネル286は、上述のように(例えば図5CのHM媒体54の近傍において)第2のチャンバー270と空気流・空気圧との間に流体的な接続を確立する。
【0052】
最終的な組立後、膜262はチャンバー268、270の間に閉じられるため、第1のチャンバー268内の圧力(図13AのP1)は、膜262/差圧変位部276の第1の面288に(ディスク264を経由して)作用し、第2のチャンバー270内の圧力(図13AのP2)は、膜262/差圧変位部276の第2の面289に作用する。膜262にかかる圧力差が増加する(すなわちP2がP1よりも大きくなる)と、差圧変位部276/ディスク264は、(図13A、13Bにおいて)上方に移動し、逆に、圧力差が減少する(すなわちP1がP2よりも大きくなる)と、差圧変位部276/ディスク264は、下方に移動する。
【0053】
抵抗測定器260に取り付けられるHMEユニット(図示せず)は、その使用中において上述のように機能するとともに、患者に対して空気流/空気圧の受け渡しを行う。通常の条件の下、膜262は、第1のチャンバー268と第2のチャンバー270の圧力差(すなわちP1およびP2の圧力差)の変化に応じて上下に移動する。過度の圧力差が発生した場合(すなわちP2がP1よりも所定の値大きくなった場合)、膜262はディスク264に対しラッチ266を越えるような力を付与し、ラッチ266はディスク264を保持する。保持された状態のディスク264は、介護人によって窓282を経由して視覚的に認識されて、これにより、HMEユニットの機能に潜在的な問題が発生したことを警告する。逆に、ディスク264が窓282から視認できない場合、介護人は、ディスク264の不在を視認して、HMEユニットが(抵抗に関して)適切に機能していることを容易に認識できる。前述の実施形態において、図13Bの「保持」位置を、抵抗測定器260の第2の状態若しくは誘発状態とし、膜262/ディスク264がラッチ266から離れた全ての状態を、第1の状態若しくは初期状態とする。
【0054】
図14A、14Bには、別の実施形態として、本発明の抵抗測定器290が示される。抵抗測定器290は、膜若しくはダイアフラム292と、接着剤294と、第1のチャンバー296と、第2のチャンバー298とを備える。一般的に、膜292は、チャンバー296、298の間にて閉じられるとともに膜292にかかる圧力差に応じて偏向する。過度の圧力差が発生した場合、膜292は接着剤294を通じて所定の位置に固定され、潜在的に問題が発生したことを視覚的に示す。
【0055】
膜292は、前述のあらゆる形状(例えばシリコン、ポリウレタン)をとることができるとともに、中央領域300および外領域302によって形成される。図示されるように、外領域302は偏向するため、図14Aで示す第1の状態若しくは自然状態のときに波のような形状をとることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも中央領域300は、鮮やかな色を有する。チャンバー296、298は、いくつかの実施形態で、第1および第2のセグメント306、308を有する筺体304によって部分的に形成される。セグメント306、308は、通常同一のものであり、図14Aで示すように、それぞれ凸型の半球のような形状を有する。筺体セグメント306、308は、プラスチックなど幅広い種類の材料でできていても良い。しかしながら構造によっては、上述のように、窓310が、セグメント306およびセグメント308の片方若しくは両方においてそこの中心部に形成されている。さらに、第1のセグメント306は1つ以上の通路312を形成し、通路312は、上述のように第1のチャンバー296と空気流/空気圧との間(例えば図5Cの第1のポート58)に流体的な接続を確立する。同様に、第2のセグメント308は1つ以上のチャネル314を形成し、チャネル314は、上述のように第2のチャンバー298と空気流/空気圧との間(例えば図5AのHM媒体54の近傍)に流体的な接続を確立する。接着剤294は、幅広い各種形状をとることができ、実施形態によっては、感圧接着剤などの医学的に安全な接着剤である。接着剤294は、膜292の中央領域300や、窓310における第1の筺体セグメント306の内部や、第2の筺体セグメント308内部の窓310に対応する部分のうち、1つ以上に塗布される。以下で説明するように、そのように塗布された接着剤294は、膜292の中央領域300とそれに対応する筺体セグメント306若しくは筺体セグメント308とが接触したとき、その間に接着を確立する。
【0056】
最終的な組立後、膜292は筺体セグメント306、308の間に閉じられるため、第1および第2のチャンバー296、298を支持する。よって、第1のチャンバー296内の圧力(図14AのP1)は膜292の第1の面316に作用し、第2のチャンバー298内の圧力(図14AのP2)は膜292の第2の面318に作用に作用する。
【0057】
抵抗測定器290に取り付けられるHMEユニット(図示せず)は、その使用中において上述のように機能するとともに、患者に対して空気流/空気圧の受け渡しを行う。通常の条件の下では、膜292は、筺体セグメント306、308に対して前後に移動するように偏向し、そのとき、窓310の間には隙間が確立された状態となる。この隙間は、膜292の中央領域300が許容範囲の圧力差においてはセグメント306、308と接触しないように設計されている。このように膜292が接触しない位置を、抵抗測定器290の第1の状態とする。過度の圧力差が発生した場合(例えば、圧力差が所定の値を超えた場合)、膜292は大幅に偏向し、中央領域300が筺体セグメント306および筺体セグメント308のうちのどちらかの窓310と接触する。例えば、P2がP1を大きく上回った場合、膜292は、中央領域300が第1の筺体セグメント306と接触する位置まで偏向する。接着剤294が、膜292を筺体セグメント306若しくは筺体308の対応する部分に保持することにより、抵抗測定器290の第2の状態若しくは誘発状態が確立される。窓310は半透明であるため、介護人は、このように膜292が保持されていることを視認し、HMEユニットの機能に潜在的な問題が発生したことを認識することができる。逆に、第1の状態にあるときは中央領域300を見ることができないが、このことによって、介護人に対し、HMEユニットに顕著な空気抵抗が発生していないことが示される。
【0058】
図15には、さらに別の実施形態として、本発明による抵抗測定器320を示される。抵抗測定器320は、チューブ322と、染色流体324と、フィルターディスク326、328とを備える。チューブ322の対向する脚部330、332は、前述の実施形態と同様の方法により、対応するHMEユニット(図示せず)の圧力領域と流体連結/露出する。チューブの脚部330、332は、チューブ322内の染色流体324を逃がさないようにする適切な膜334(例えば、疎水性/疎油性の膜)を備えても良い。チューブ322は、U字型の形状を有し(圧力計に類似する)、染色流体324は、チューブ322の容積に応じて図15で示すような体積を有する。このように、最終的な組立後、脚部330、332は、染色流体324によって第1および第2のチャンバー336、338に分けられ、染色流体324は、前述の実施形態の膜もしくはダイアフラムに類似する。
【0059】
図示されるように、フィルターディスク326、328はチューブ322の内部に接着され、チューブの脚部330、332はそれぞれ、フィルターディスク326、328の対応する領域に窓340(前述の窓に類似する)を形成する。このように、フィルターディスク326、328は、チューブ322を通して視認することができる。フィルターディスク326、328は、染色流体324に合うように化学的に生成されており、染色流体324がフィルターディスク326、328のどちらかに接触したときに、その接触したフィルターディスクは色が変化する(例えば白から異なる鮮やかな色へ)。
【0060】
抵抗測定器320に取り付けられるHMEユニット(図示せず)は、その使用中において上述のように機能するとともに、患者に対して空気流/空気圧の受け渡しを行う。例えば、第1の脚部330は、図15の「P1」で示されるように人工呼吸器側ポート58(図5A)などにおける圧力と流体連結する。第2の脚部332も、図15の「P2」で示されるようにHM媒体54(図5C)の近傍などにおける圧力と流体連結する。通常の条件であれば、チューブ322にかかる圧力差によって、染色流体324が脚部330、332に対してわずかに上昇若しくは下降する可能性はあるもののフィルターディスク326、328までは届かない。過度の圧力差がかかる場合、チューブ322にかかる圧力差によって、染色流体324は、対応するフィルターディスク326、328に届くレベルまで脚部330若しくは脚部332に沿って上昇する。染色流体324とフィルターディスク326、328が接触すると、フィルターディスク326、328の色が変化する。介護人は、このような色の変化を、対応する窓340から視認することにより、HMEユニットの機能に潜在的な問題が生じていることを認識することができる。逆に、フィルターディスク326、328が元々の色若しくは透明であるとき、介護人は、HMEユニットに過度の抵抗が生じていないことを認識できる。
【0061】
実際の設計にかかわらず、本発明によるHMEユニットは、従来の設計に対して著しい進歩性を示す。「搭載型」の抵抗測定器を提供することにより、介護人は、空気流/微分抵抗に関してHMEユニットの機能に潜在的な問題が生じていること(若しくは適切に機能していること)を早く認識できる。また、HMEユニットは、その製造コストが比較的安価であり、フィルターなどの付加的特徴も容易に備えることができる。
【0062】
本明細書では本発明の好ましい実施形態について説明したが、本明細書の形式および詳細について、本発明の範囲を超えない範囲で当業者が想定可能な修正を加えても良い。例えば、本発明の抵抗測定器は、機械的若しくは電気機械的な構造を備える他の形状をとることも可能である。さらに、抵抗測定器が、流体的に人工呼吸器側ポートおよびHM媒体の間に配置される場合について説明したが、それ以外の配置(例えば患者側ポートの近傍)をとっても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポートと、第2のポートと、第1および第2のポートの間に延びるとともに第1および第2のポートを流体連結する第1および第2の流路を形成する中間体とを有する筺体と、
中間体の内部にて第1の流路に保持されるHM媒体と、
筺体によって支持されるとともに第1のポートと流体連結する抵抗測定器とを備え、
抵抗測定器の外観が筺体内部の圧力差に応じて変化する、HMEユニット。
【請求項2】
抵抗測定器は筐体内部の圧力差の増加に反応して外観を変化させる、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項3】
抵抗測定器は筐体内部の圧力差が所定の値を超えたときに外観を変化させる、請求項2に記載のHMEユニット。
【請求項4】
抵抗測定器の外観は筐体内部の圧力差が所定の期間に所定の値を超えたときに変化する、請求項3に記載のHMEユニット。
【請求項5】
所定の値が5cmHOで、所定の期間が0.5秒である、請求項4に記載のHMEユニット。
【請求項6】
抵抗測定器には第1および第2の状態が存在し、第1の状態の抵抗測定器の外観と第2の状態の抵抗測定器の外観は異なり、抵抗測定器は筐体内部の圧力差の増加に応じて第1の状態から第2の状態へと移行する、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項7】
第2の状態へ移行した抵抗測定器は筐体内部の圧力差にかかわらず第2の状態のままである、請求項6に記載のHMEユニット。
【請求項8】
抵抗測定器は第1の流路と流体連結する、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項9】
抵抗測定器はHM媒体と第1のポートとの間に配置される、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項10】
第1のポートは人工呼吸器側のポートで、第2のポートは患者側のポートである、請求項9に記載のHMEユニット。
【請求項11】
抵抗測定器は、第1および第2の面を有する膜と、筐体内部に形成される第1のチャンバーとを備え、
膜は、第1の面が第1のチャンバーに解放されるとともに第2の面がHM媒体によって生じた空気抵抗を示す圧力に解放されるように筺体の内部に閉じられる、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項12】
膜は縁部と中央部とを備え、中央部は縁部に対して偏向する、請求項11に記載のHMEユニット。
【請求項13】
筐体の中間体は第1の流路と流体連結する第2のチャンバーを備え、縁部は第1および第2のチャンバーの間に閉じられる、請求項12に記載のHMEユニット。
【請求項14】
中央部と第1のチャンバーとの間の隙間は抵抗測定器が第1の状態にあるときと第2の状態にあるときで異なる、請求項12に記載のHMEユニット。
【請求項15】
中央部は、縁部から延びる環状壁と環状壁から延びるボタン部とを備え、抵抗測定器はボタン部に取り付けられるフラッグを備え、縁部に対するフラッグの縦方向位置は環状壁の偏向によって変化する、請求項14に記載のHMEユニット。
【請求項16】
抵抗測定器の外側は筐体の壁部によって少なくとも部分的に被覆し、その壁部はHMEユニットの外部から抵抗測定器を視認できるように十分透明である、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項17】
中間体はHM媒体から離れた第2の流路を形成し、HMEユニットは選択的に第2の流路を閉じるように配置された障害部材を備えるバルブ機構を備える、請求項1に記載のHMEユニット。
【請求項18】
バルブ機構は、選択的に抵抗測定器に接触して抵抗測定器を誘発状態から初期状態へ移行させるタブを備える、請求項17に記載のHMEユニット。
【請求項19】
患者に対して呼吸補助を提供する方法であって、
人工呼吸器側ポートと、患者側ポートと、両ポート間に延びるとともに両ポートを流体連結する流路を形成する中間体とを有する筺体と、中間体の内部にて流路に保持されるHM媒体と、筺体によって支持されるとともに第1のポートと流体連結する抵抗測定器とを備え、抵抗測定器の外観が筺体内部の圧力差に応じて変化するHMEユニットを提供する工程と、
人工呼吸器側ポートを加圧ガス源に接続する工程と、
患者側ポートを患者に接続する工程と、
加圧ガス源を操作することにより空気流をHMEユニットへ運ぶ工程と、
抵抗測定器を経由して、介護人に対してHMEユニットに過度の圧力差が生じていることを警告する工程とを含む、方法。
【請求項20】
介護人に対して警告する工程は、HMEユニット内の圧力差が所定の値を超えたときに抵抗測定器の外観が変化する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
介護人に対して警告する工程は、HMEユニット内の圧力差が所定の期間で所定の値を超えたときに抵抗測定器の外観が変化する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
外観が変化する工程は、抵抗測定器が第1の状態から第2の状態へ移行する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
抵抗測定器は筐体内部に閉じられる膜を備え、膜は縁部と中央部とを備え、第1の状態から第2の状態への移行する工程は中央部が縁部に対して偏向する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
HMEユニットの製造方法であって、
第1のポートと、第2のポートと、中間体とを有する筺体を提供する工程と、
HM媒体を、筺体の中において第1および第2のポートを流体連結する流路に取り付ける工程と、
抵抗測定器を第1のポートと流体連結するようにして筺体に取り付ける工程とを含み、
抵抗測定器は筺体内部の圧力差に応じて外観が変化する、方法。
【請求項25】
筐体はプラスチック材料で構成され、
HMEユニットの外部から抵抗測定器を視認できるように壁部を十分に透明とするために抵抗測定器の近傍にある筺体の壁の一部を研磨する工程を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
抵抗測定器を取り付ける工程は、フラッグを膜に接続する工程と膜を筐体内部に取り付ける工程とを含む、請求項24に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2011−523578(P2011−523578A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512661(P2011−512661)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/046297
【国際公開番号】WO2009/149284
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510003324)ケアフュージョン2200、インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】