説明

抹消遮断の監視

中心から末梢までの動脈圧遮断、すなわち、高心拍出量状態を監視するための方法を説明する。これらの方法は、正常な血液動態状態を経験している被検者と、中心から末梢までの遮断が発生する場合がある、高心拍出量状態を経験している被検者との両方について確立される、多変量統計モデルから計算されるパラメータの比較を伴う。2つの多変量統計モデルを使用して計算されるパラメータ間の差または比は、遮断のレベルの継続的指示を提供するとともに、閾値を超えた時に末梢遮断を示す。これらの方法は、被検者が末梢遮断を経験しているという事実をユーザに警告するとともに、1回拍出量および心拍出量等の他のパラメータの正確な値の計算を可能にする、正確な動脈緊張の測定値を提供するために、使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1回拍出量(SV)、心拍出量(CO)、拡張末期容量、駆出分画、1回拍出量変動(SVV)、脈圧変動(PPV)、および収縮期圧変動(SPV)等の指標は、とりわけ、疾患の診断だけでなく、被検者における臨床的に有意な変化の「リアルタイム」、すなわち、継続的監視にも重要である。例えば、医療介護提供者は、人間および動物被検体の両方における前負荷依存、流体反応性、または容量反応性の変化に関心がある。したがって、示された変化のうちの1つ以上が被検者で発生しているという警告を提供しようとして、1つ以上の心臓指標を監視するための何らかの形態の機器がない病院は少ない。侵襲性技法、非侵襲性技法、およびそれらの組み合わせを含む、多くの技法が使用されており、さらには文献で提案されてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
被検者における中心から末梢までの動脈圧遮断を監視するための方法を説明する。これらの方法は、被検者からの動脈圧波形データを提供することと、被検者の遮断した動脈緊張の値を決定し、提供するように、第1の(遮断した)多変量統計モデルを動脈圧波形データに適用することとを伴う。第1の(遮断した)多変量統計モデルは、中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していた一群の被験者からの一組の動脈圧波形データから作成される。次いで、第2の(正常な)多変量統計モデルは、被検者の正常な動脈緊張を決定し、提供するように、動脈圧波形データに適用される。第2の(正常な)多変量統計モデルは、正常な血液動態状態を伴う一群の被験者からの一組の動脈圧波形データから作成される。いったん被検者の遮断および正常動脈緊張が計算されると、値が比較される。閾値よりも大きい、被検者の第1の動脈緊張と被検者の第2の動脈緊張との間の差は、被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す。同様に、閾値よりも大きい、被検者の第2の動脈緊張に対する被検者の第1の動脈緊張の比は、被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】図1は、正常血液動態状態中のブタ動物モデルの上行大動脈(大動脈)、大腿動脈(大腿)、および橈骨動脈(橈骨)における同時記録された圧力波形を示す。
【図2】図2は、大量の流体および昇圧剤で蘇生させられた、内毒素性ショック(敗血症性ショック)中のブタ動物モデルの上行大動脈(大動脈)、大腿動脈(大腿)、および橈骨動脈(橈骨)における同時記録された圧力波形を示す。
【図3】図3は、心拍間隔心臓サイクルにわたる複素血圧曲線の実施例を示す。
【図4】図4は、図3の圧力波形の離散時間表現を示す。
【図5】図5は、動脈圧波形の収縮期部分の下の領域を示す。
【図6】図6は、正常被検者および高心拍出量被検者についての動脈圧波形の収縮期の下の領域の統計的分布を示す。
【図7】図7は、動脈圧波形についての収縮期の継続時間を示す。
【図8】図8は、正常被検者および高心拍出量被検者についての動脈圧波形の収縮期の継続時間の統計的分布を示す。
【図9】図9は、動脈圧波形についての収縮期の継続時間および拡張期の継続時間を示す。
【図10】図10は、正常な血液動態状態(鎖線)および高心拍出量状態(太線)の高心拍数被検者の拡張期の継続時間の統計的分布であり、全ての患者が組み合わされた分布も示されている(細線)。
【図11】図11は、正常な血液動態状態(鎖線)および高心拍出量状態(太線)の高心拍数被検者の収縮期の継続時間の統計的分布であり、全ての患者が組み合わされた分布も示されている(細線)。
【図12】図12は、本明細書で説明される方法を実装するシステムの主要構成要素を示す、ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
中心から末梢までの動脈圧遮断、すなわち、高心拍出量状態を監視する方法を説明する。これらの方法は、正常な血液動態状態を経験している被検者と、その間に中心から末梢までの遮断が発生する場合がある、高心拍出量状態を経験している被検者との両方について確立される多変量統計モデルから計算されるパラメータの比較を伴う。2つの多変量統計モデルを使用して計算される動脈緊張間の差は、閾値を超えた時に末梢圧力遮断を示すために使用することができる。これらの方法は、被検者が末梢遮断を経験しているという事実をユーザに警告するとともに、1回拍出量および心拍出量等の他のパラメータの正確な値の計算を可能にする、正確な動脈緊張の測定値を提供し、それは順に、臨床医が被検者に治療を適切に提供することを可能にする。
【0005】
本明細書で使用されるように、高心拍出量および血管拡張という用語は、動脈末梢圧力および流量が中心大動脈圧および流量から遮断される状態を意味し、末梢動脈という用語は、心臓から離れて位置する動脈、例えば、橈骨、大腿、または上腕動脈を意味することを目的としている。遮断された動脈圧とは、動脈末梢圧力と中心大動脈圧との間の正常な関係が有効ではなく、中心動脈圧を決定するために末梢動脈圧を使用することができないことを意味する。これはまた、末梢動脈圧が比例していないか、または中心大動脈圧の関数ではない状態も含む。正常な血液動態条件下では、心臓からさらに遠く離れて測定が得られると、血圧が増加する。そのような圧力増加が図1に示されており、すなわち、橈骨動脈で測定される圧力波の振幅は、大腿動脈で測定される圧力よりも大きく、それは順に大動脈圧よりも大きい。これらの圧力の差は波反射に関係付けられ、すなわち、圧力は末梢に向かって増幅される。
【0006】
この圧力の正常な血液動態関係、すなわち、心臓から離れた圧力の増加は、しばしば、医学的診断で頼られる。しかしながら、高心拍出量/血管拡張条件下では、この関係は、中心大動脈圧よりも低くなる動脈圧と逆転され得る。この逆転は、例えば、上記で論議される波反射に影響を及ぼすことが示唆されている、末梢血管における動脈緊張に起因している。そのような高心拍出量状態が図2に示されており、すなわち、橈骨動脈で測定される圧力波の振幅は、大腿動脈で測定される圧力よりも低く、それは順に大動脈圧よりも低い。小末梢動脈を拡張させる薬剤(例えば、硝酸塩、ACE阻害剤、およびカルシウム阻害剤)が、高心拍出量状態の一因となると考えられている。これらの種類の重度血管拡張状態はまた、橈骨動脈圧が大動脈における圧力を過小評価する心肺バイパス(冠状動脈バイパス)の直後の状況で、しばしば観察される。末梢動脈圧が中心大動脈圧を過小評価する、大幅な中心から末梢までの圧力差は、通常、重度の血管拡張につながる、大量の流体および高用量昇圧剤で治療されている重度敗血症の患者で観察される。非常に同様の状態は、末期肝疾患の患者でも観察される。当業者によって十分理解されるように、正常な血液動態状態の患者に対する、ある治療は、高心拍出量状態の被検者とは異なって着手される。したがって、本開示方法は、もしあれば、被検者における血管拡張を検出し、また、適切な動脈緊張に基づく計算を提供する。
【0007】
本明細書で説明される、高心拍出量および非高心拍出量被検者における動脈緊張を測定するための方法は、概して、被検者からの動脈圧波形データを提供すること、次いで、データが分析されることを含む。第1に、被検者の遮断した動脈緊張を決定するように、被検者の動脈圧波形が分析される。次に、被検者の正常な動脈緊張を決定するように、被検者の動脈圧波形が分析される。これらのことは、連続して(任意の順序で)、または並行して行うことができる。次いで、被検者の遮断した動脈緊張および正常な動脈緊張が比較される。閾値よりも大きい、被検者の遮断した動脈緊張と正常な動脈緊張との間の差は、被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す。同様に、閾値よりも大きい、被検者の正常な動脈緊張に対する被検者の遮断した動脈緊張の比は、被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す。
【0008】
これらの方法では、被検者の末梢動脈圧が被検者の中心大動脈圧から遮断されているかどうかを決定することは、多変量統計モデルを動脈圧波形データに適用することを伴う。第1の(遮断した)多変量統計モデルは、末梢動脈圧と中心大動脈圧との間の遮断を経験していた第1群の被験者からの第1の一組の動脈圧波形データから作成される。第2の(正常な)多変量統計モデルは、末梢動脈圧と中心大動脈圧との間の遮断を経験していなかった第2群の被験者からの第2の一組の動脈圧波形データから作成される。各多変量統計モデルは、2つの被験者群に対して動脈緊張値を提供する。
【0009】
本明細書で使用される多変量統計モデルは、被検者の血管症状の影響を受ける1つ以上のパラメータを含む、複数組の係数に基づく。使用される各種類の係数、例えば、脈動標準偏差は、典型的には、特定の血管症状を経験している被検者と症状を経験していない被検者との間の差の見当を合わせる。しかしながら、この差はしばしば、連続体に沿って位置し、特定の被検者が、確定遮断指示と確定正常指示との間の値を有してもよく、または何らかの理由で、その被検者において、たとえ被検者が血管症状を経験していても、特定の係数が正常範囲内にあると思われてもよい。しかしながら、複数の係数、すなわち、血管症状の影響を受ける複数の係数を使用することによって、典型的には、症状が存在することを示すのに十分な陽性指示(または症状が存在しないことを示すのに十分な陰性指示)が存在するであろう。本明細書で説明されるような多変量統計モデルは、2つの状態、すなわち、末梢遮断を経験している、または経験していない状態について、動脈緊張を正確に計算する能力を増大させるために複数の係数を使用する能力を提供する。
【0010】
多変量統計モデルで使用される係数の具体的な数は、特定の症状を経験している被検者と、特定の症状を経験していない被検者とを区別する、個々の係数の能力に依存する。係数の数はまた、より大きいレベルの精度をモデルに提供するように増加させることもできる。したがって、特定の状況で必要に応じて、モデルの精密性、精度、および/または再現性に役立つために、より多数の係数を使用することができる。本明細書で説明されるモデルで使用することができる係数の実施例は、(a)動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する収縮期の継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)被検者の体表面積に基づくパラメータを含む。本明細書で説明される多変量統計モデルとともに使用することができる付加的な係数は、(o)心拍間隔動脈血圧信号の形状、および1以上の位数を有する動脈血圧信号の少なくとも1つの統計学的モーメントに基づくパラメータ、および(p)被検者の一組の身体計測パラメータを含む。これらの係数のうちの1つ以上(またはこれらの係数の全て)を、本明細書で説明される多変量統計モデルで使用することができる。
【0011】
本明細書で説明される多変量統計モデルで使用される係数は、動脈血圧に基づく信号または動脈血圧に比例する信号から計算される。動脈コンプライアンス(動脈緊張)等の心臓血管パラメータの計算は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2004年7月14日出願の米国特許出願第10/890,887号で説明されている。米国特許出願第10/890,887号で論議されているパラメータを含む、本明細書で開示される方法とともに使用するための心臓血管パラメータを計算する際に使用される、係数およびデータの実施例を以下で説明する。
【0012】
図3は、単一の心臓サイクルにわたって得られた、動脈圧波形P(t)の実施例である。この心臓サイクルは、時間tdia0における拡張期圧Pdiaの点から始まり、収縮期圧Psysまでの時間tsysを通って、血圧がもう一度Pdiaに達する時間tdia1までである。
【0013】
本方法で有用な信号は、動脈樹、例えば、橈骨、大腿、または上腕動脈の中の任意の点で侵襲的または非侵襲的に測定される、動脈血圧に基づく心臓血管パラメータまたは動脈血圧に比例する任意の信号を含む。本明細書で使用されるように、動脈圧波形データという用語は、動脈血圧に基づくデータまたは動脈血圧に比例する任意の信号を意味することを目的としている。侵襲性器具、特に、カテーテル載置圧力トランスデューサが使用される場合には、任意の動脈が可能な測定点である。非侵襲性トランスデューサの配置は、典型的には、器具自体、例えば、指カフ、上腕圧力カフ、および耳朶クランプによって決定付けられる。使用される具体的な器具にかかわらず、取得されるデータは、最終的に、動脈血圧に対応する(例えば、比例する)電気信号を生じる。
【0014】
図4に図示唆入れるように、任意の標準アナログ・デジタル変換器(ADC)を使用して、動脈血圧等のアナログ信号を一連のデジタル値にデジタル化することができる。言い換えれば、既知の方法および回路を使用して、動脈血圧t≦t≦tをデジタル形式のP(k)、k=0、(n−1)に変換することができ、ここで、tおよびtは、測定間隔の初期および最終の時間であり、nは、測定間隔にわたって通常は一様に分布する、計算に含まれる動脈血圧のサンプルの数である。
【0015】
そのようなデジタルまたはデジタル化信号から関連データを捕捉するために、m個の値の順序付けられた集合、つまり、i=1,...,(m−1)であるシーケンスY(i)を考慮する。統計学の分野から周知であるように、既知の式を使用して、Y(i)の最初の4つのモーメントμ、μ、μ、およびμを計算することができ、ここで、μは、平均値(すなわち、算術平均)であり、μ=σは、変動(すなわち、標準偏差σの二乗)であり、μは、歪度であり、μは、尖度である。したがって、
μ=Yavg=1/m*Σ(Y(i)) (式1)
μ=σ=1/(m−1)*Σ(Y(i)−Yavg (式2)
μ=1/(m−1)*Σ[(Y(i)−Yavg)/σ] (式3)
μ=σ/(m−1)*Σ[(Y(i)−Yavg)/σ] (式4)
一般に、β番目のモーメントμは、以下のように表すことができ、
μβ=1(m−1)*1/σβ*Σ[(Y)(i)−Yavg]]β (式5)
ここで、i=0,...,(m−1)である。第2から第4のモーメントに対する離散値の式は、通常、周知の統計的理由により、1/mの代わりに1/(m−1)でスケーリングする。
【0016】
本明細書で説明される方法は、圧力波形P(k)の4つのモーメントだけでなく、圧力加重時間ベクトルの関数でもある係数を利用してもよい。標準偏差σは、σが大きくなるほど、関数Y(i)がより「広がる」、すなわち、より平均値から逸脱する携行があるという点で、1つのレベルの形状情報を提供する。標準偏差は何らかの形状情報を提供するが、値がシーケンスY(i)を構成する順番が「逆転」される、すなわち、Y(i)がi=0軸の周囲で反映され、値Y(m−1)がやがて第1の値になるように偏移される場合に、平均値および標準偏差が変化しないことを考慮することによって、その欠点を容易に理解することができる。
【0017】
歪度は、対称性の欠如の尺度であり、統計モードに対する関数Y(i)の左側または右側が他方より重いかどうかを示す。正に歪曲された関数は、急速に上昇し、そのピークに到達し、次いで、ゆっくり下降する。反対のことが、負に歪曲された関数に当てはまる。要点としては、歪度値が、平均値または標準偏差値で見出されない形状情報を含み、具体的には、どれだけ急速に関数が最初にそのピークまで上昇し、次いで、どれだけゆっくりと減衰するかを示す。2つの異なる関数は、同じ平均値および標準偏差を有してもよいが、次いで、稀にしか同じ歪度を持たない。
【0018】
尖度は、関数Y(i)が正規分布よりも尖頂があるか、または平坦であるかという尺度である。したがって、高い尖度値は、平均値付近で明確なピークを示し、その後減少し、その後に重い「後尾部」が続く。低い尖度値は、関数がそのピーク領域で比較的平坦であることを示す傾向がある。正規分布は、3.0の尖度を有し、したがって、尖度値はしばしば、代わりに値が始点に対するように、3.0で調整される。
【0019】
心拍間隔動脈圧波形の4つの統計学的モーメントを使用することの利点としては、モーメントが心拍間隔動脈圧波形の形状の正確かつ高感度な数学的尺度である。動脈コンプライアンスおよび末梢抵抗が動脈圧波形の形状に直接影響を及ぼすため、動脈コンプライアンスおよび末梢抵抗の効果は、心拍間隔動脈圧波形の形状を測定することによって直接評価することができる。血管コンプライアンスおよび末梢抵抗の複合効果、すなわち、動脈緊張を測定するために、本明細書で説明される他の動脈圧パラメータとともに、心拍間隔動脈圧波形の形状感受性統計学的モーメントを効果的に使用することができる。動脈緊張は、動脈コンプライアンスおよび末梢抵抗の複合効果を表し、静電容量および抵抗成分から成る、ウィンドケッセル血液動態モデルの周知の2要素電気アナログ同等モデルのイピーダンスに対応する。動脈緊張を測定することによって、動脈弾性、1回拍出量、および心拍出量等の、動脈緊張に基づくいくつかの他のパラメータも直接測定することができる。これらのパラメータのうちのいずれかを、本明細書で説明される方法で係数として使用することができる。
【0020】
圧力波形P(k)の最初の4つのモーメントμ1P、μ2P、μ3P、およびμ4Pが計算され、多変量ブールまたは多変量統計モデルで使用される時、μ1Pは、平均値であり、μ2PP=σは、変動、すなわち、標準偏差σの二乗であり、μ3Pは、歪度であり、σ4Pは、尖度であり、これらのモーメントの全ては圧力波形P(k)に基づく。上記の式1−4は、PをYに、kをiに、nをmに代入した後、これらの値を計算するために使用されてもよい。
【0021】
上記の式2は、標準偏差を算出するための「模範的」方法を提供する。他のより近似の方法も使用されてもよい。例えば、少なくとも血圧に基づく測定との関連で、σへの概算は、最大および最小の測定された圧力値の間の差を3で割ることであり、時間に対するP(t)の一次導関数の最小値の最大値または絶対値は、概して、σに比例する。
【0022】
図4が図示するように、各離散時間kにおいて、対応する測定された圧力はP(k)となる。値kおよびP(k)は、ヒストグラムに対応するシーケンスT(j)に形成することができ、各P(k)値が対応するk値の「カウント」として使用されることを意味する。多大に単純化された一例として、圧力波形全体が、4つだけの測定値P(1)=25、P(2)=50、P(3)=55、およびP(4)=35から成ると仮定する。次いで、これは、25個の1、50個の2、55個の3、および35個の4を伴うシーケンスT(j)として表すことができる。
【0023】
T(j)=1,1,...,1,2,2,...,2,3,3,...,3,4,4,...,4
したがって、このシーケンスは、25+50+55+35=165個の項を有する。
【0024】
モーメントが、他のどれかと同様に、このシーケンスについて算出されてもよい。例えば、平均値(第1のモーメントは)、
μ1T=(1*25+2*50+3*55+4*35)/165=430/165=2.606 (式6)
であり、標準偏差σは、変動μ2Tの平方根である。
【0025】
SQRT[1/164*25(1−2.61)+50(2−2.61)+55(3−2.61)+35(4−2.61)]=0.985
歪度μ3Tおよび尖度μ4Tは、式3および4における同様の代入によって算出することができる。
【0026】
μ3T={1/(164)*(1/σ)Σ[P(k)*(k−μ1T]}
(式7)
μ4T={1/(164)*(1/σ)Σ[P(k)*(k−μ1T]}
(式8)
ここで、k=1,...,(m−1)である。
【0027】
これらの式が示すように、この過程は事実上、時間のモーメントを計算する前に、その対応する圧力値P(k)によって各離散時間値kを「加重」する。シーケンスT(j)は、圧力波形のタイミング分布を確実に特徴付けるという非常に有用な性質を有する。圧力値P(k)の位数を逆転させることは、ほとんど全ての場合において、T(j)の平均値、ならびに高次モーメントの全ての平均値さえも変化させる。また、重拍圧Pdicroticにおいて通常発生する2次「突起」も、尖度μ4Tの値に顕著に影響を及ぼし、対照的に、ロマーノ方法等の従来技術で重複隆起を単純に識別することは、少なくとも1つの導関数の騒音的計算を必要とする。
【0028】
圧力加重モーメントは、心拍間隔動脈圧信号の振幅および時間情報の両方の非常に正確な尺度であるため、心拍間隔動脈圧信号の別のレベルの形状情報を提供する。圧力波形モーメントに加えた、圧力加重モーメントの使用は、本明細書で説明されるモデルの精度を増加させることができる。
【0029】
本明細書で説明される方法で有用な1つの心臓血管パラメータは、単独で心臓血管パラメータとして、または1回拍出量あるいは心拍出量等の他の心臓血管パラメータの計算で使用することができる、動脈緊張係数χである。動脈緊張χの計算は、例えば、圧力波形および圧力加重時間モーメントのうちの4つ全てを使用してもよい。他の既知の特性、例えば、血管分岐の患者特有の複雑なパターンを考慮するように、付加的なパラメータが計算に含まれる。付加的な値の実施例は、心拍数HR(またはR波の期間)、体表面積BSA、または被検者の他の身体計測パラメータ、圧力波形ならびに患者の年齢および性別の多項式関数としてコンプライアンスを算出する、Langewoutersら(“The Static Elastic Properties of 45 Human Thoracic and 20 Abnormal Aortas in vitro and the Parameters of a New Model,” J.Biomechanics,17(6):425−435(1984))によって説明された方法等の既知の方法を使用して計算される、コンプライアンス値C(P)、動脈血圧信号の形状、および1以上の位数を有する動脈血圧信号の少なくとも1つの統計学的モーメントに基づくパラメータ、動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、収縮期の継続時間に基づくパラメータ、および拡張期の継続時間に対する収縮期の継続時間の比に基づくパラメータを含む。
【0030】
これら最後の3つの心臓血管パラメータ、すなわち、動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域、収縮期の継続時間、および拡張期の継続時間に対する収縮期の継続時間の比は、動脈緊張および血管コンプライアンスの影響を受け、したがって、例えば、正常な血液動態状態の被検者と高心拍出量状態の被検者との間で変化する。これら3つの心臓血管パラメータが正常被検者と高心拍出量被検者との間で変化するため、本明細書で説明される方法は、被検者の末梢動脈における血管拡張または血管収縮を検出するために、これらの心臓血管パラメータを使用することができる。
【0031】
動脈圧波形の収縮期部分の下の領域(Asys)が、図5で図式的に示されている。動脈圧信号における動脈圧波形の収縮期部分の下の領域は、拍動の開始から始まり、重複隆起(図5の点bから点dまで)で終了する波形の部分の下の領域として画定される。収縮期の下の領域は、1回拍出量に正比例し、動脈コンプライアンスに反比例する、収縮期中の動脈圧信号のエネルギーを表す。正常および高心拍出量患者群にわたって測定されると、Asysの偏移を検出することができる。図6に示されるように、例えば、高心拍出量状態の一部の被検者において、収縮期中の動脈圧信号のエネルギーはより高い。より高いAsysを伴う被検者は、典型的には、高い心拍出量(CO)、および低または正常HRを伴う被検者であり、上昇したCOは、主に上昇した心収縮性によって引き起こされ、これらの被検者が、収縮期中の動脈圧信号のエネルギーで直接反映される、増加した1回拍出量および減少した動脈コンプライアンスを有することを意味する。多くの高心拍出量状態中に通常は非常に強力である、反射波も、収縮期中の信号の増加したエネルギーに有意な貢献をしてもよい。
【0032】
収縮期(tsys)の継続時間が、図7で図式的に示されている。動脈圧波形における収縮期の継続時間は、拍動の開始から重複隆起(図7の点bから点dまで)での継続時間として画定される。収縮期の継続時間は、動脈コンプライアンスによる影響を直接受け、大きな反射波が存在する時を除いて、末梢動脈緊張の変化とは比較的無関係である。図8で示されるように、例えば、一部の高心拍出量被検者における収縮期の継続時間は、正常被検者における収縮期の継続時間よりも高い(データがより高いtsys値に向かって偏移している)。収縮期エネルギーについて見られるように、収縮期の継続時間は、典型的に、低または正常HRも有する、高COを伴う患者でより高く、上昇したCOは、主に上昇した心収縮性によって引き起こされ、収縮性は、収縮期エネルギーを増加させるほど十分に高くなっていない場合がある。これらの患者における増加した1回拍出量は、部分的には増加した収縮性によるものであり、かつ部分的には収縮期の増加した継続時間によるものである。反射波もここで役割を果たす。
【0033】
例えば、正常被検者と高心拍出量被検者との間で変化する、さらなるパラメータは、図9で図式的に示されるような、収縮期(tsys)の継続時間および拡張期(tdia)の継続時間の比である。動脈圧波形における拡張期の継続時間は、重複隆起から心周期の終了まで(図9の点dから点eまで)の継続時間として画定される。いくつかの高心拍出量状態では、収縮期および拡張期の継続時間の比は、正常な血液動態状態で観察されるものよりも有意に高い。これは、典型的には、HRも高い、上昇したCOを伴う敗血症性ショック患者で観察される。これらの種類の状態では、収縮期が心周期のほとんど全体を占有し、次の心周期が始まる前の拡張期のための時間をほとんど残さない。これは、敗血症性ショック患者および正常患者における高HR状態中の拡張期の継続時間(図10)および収縮期の継続時間(図11)を示す、図10および11で示されている。図に示されるように、正常な血液動態状態の高HR患者(鎖線)が、収縮期および拡張期の両方の低い継続時間を有する傾向がある一方で、敗血症性ショックを受けている高HR患者(太線)は、拡張期の低い継続時間を有するが、収縮期の正常または高い継続時間を有する。
【0034】
例えば、1回拍出量(SV)、心拍出量(CO)、動脈流、または動脈弾性等の動脈緊張係数に基づく他のパラメータを、本明細書で説明される方法で係数として使用することができる。実施例として、1回拍出量(SV)は、動脈緊張および動脈圧信号の標準偏差の積として計算することができる。
【0035】
【数1】

ここで、
SVは、1回拍出量であり、
χは、動脈緊張であり、
σは、動脈圧の標準偏差である。
【0036】
アナログ測定間隔、つまり、時間窓[t,t]、したがって、各計算期間が実施される離散サンプリング間隔k=0,...,(n−1)は、圧力および/または時間モーメントの大幅な偏移を包含しないように、十分小さくなるべきである。しかしながら、1つの心周期よりも長く延在する時間窓が、好適なデータを提供するであろう。好ましくは、測定間隔は、異なる心周期中の同じ点で始まり、終了する、複数の心周期である。複数の心周期を使用することにより、種々の高次モーメントの計算で使用される平均圧力値が、周期の不完全な測定によりバイアスされない平均圧力値Pavgを使用することを確実にする。
【0037】
より大きいサンプリングウィンドウは、反射によって引き起こされるもの等の摂動の効果が、典型的には低減されるという利点を有する。当業者に周知である通常の実験および臨床的方法を使用して、適切な時間窓を決定することができる。時間窓は単一の心周期と一致することが可能であり、その場合、平均圧力偏移は懸念されないことに留意されたい。
【0038】
時間窓[t,t]はまた、Pavgの偏流に従って調整可能である。例えば、所与の時間窓にわたるPavgが、以前の時間窓のPavgとは閾値量以上に絶対的または比例的に異なる場合には、時間窓を低減することができ、この場合、次いで、時間窓を拡張できることを示すために、Pavgの安定性が使用される。時間窓はまた、雑音源、または信号対雑音比あるいは変動に基づいて、拡張および収縮することもできる。好ましくは、どれだけ時間窓が拡張または収縮することを許可されるかに制限が置かれ、そのような拡張または収縮が全く許可されない場合には、好ましくは、時間間隔の指示がユーザに表示される。
【0039】
時間窓は、心周期中の特定の点で始まる必要はない。したがって、tはtdia0と同じである必要はないが、これは多くの実装において便利な選択肢であってもよい。したがって、各測定間隔の開始および終了(すなわち、tおよびt)は、時間tdia0またはtsys等の心周期のほとんどあらゆる特性で、またはR波等の非圧力特性で誘起されてもよい。
【0040】
血圧を直接測定するよりもむしろ、血圧に比例する任意の他の入力信号が使用されてもよい。これは、計算中のいくつかの点のうちのいずれかまたは全てにおいて、較正が行われてもよいことを意味する。例えば、動脈血圧自体以外の信号が入力として使用される場合には、種々の成分モーメントを計算するためにその値が使用される前に、またはその後で、血圧に較正されてもよく、その場合、いずれか一方の結果として生じるモーメント値をスケーリングすることができる。手短に言えば、場合によっては、心臓血管パラメータが動脈血圧の直接測定値以外の異なる入力信号を使用するという事実が、正確なコンプライアンス推定値を生成する能力を妨げない。
【0041】
動脈緊張を計算するように多変量統計モデルを作成することは、いくつかのことを伴う。例えば、モデルを確立するために、多重線形回帰応答曲面法を使用することができる。モデルで使用される項の数は、モデルが強制される代替方法によって決定される、モデル出力値と動脈緊張値との間の平均二乗誤差を最小化するように、いくつかの数値的アプローチを使用して決定することができる。具体的には、以下のように、各一組の動脈圧波形パラメータに対するχの値を生じる多項式の係数を生成するために、多項式多変量適合関数が使用される。
【0042】
【数2】

ここで、a…aは、多項式多重回帰モデルの係数であり、x…xは、モデルの予測変数である。予測変数は、動脈圧波形から導出される、上記で論議される係数から選択される。
【0043】
モデルの予測変数χのそれぞれは、動脈圧波形パラメータvの所定の組み合わせであり、以下のように算出することができる。
【0044】
【数3】

係数vは、動脈圧波形の異なる時間および周波数領域パラメータである。
【0045】
一例として、11個の動脈圧波形パラメータを使用して、多変量統計モデルが作成された。これらのパラメータは、ν(動脈拍動圧の標準偏差(σ))、ν(心拍数)、ν(平均動脈圧(Pavg))、ν(圧力加重標準偏差(σ))、ν(圧力加重MAP(μ1T))、ν(動脈拍動圧の歪度(μ3P))、ν(動脈拍動圧の尖度(μ4P))、ν(圧力加重歪度(μ3T))、ν(圧力加重尖度(μ4T))、ν10(圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンス(C))、およびν11(患者体表面積(BSA))であった。係数aおよび指数マトリクス「P」は、被検者から収集された係数データを使用する多変量最小二乗回帰によって決定することができる。係数および指数係数は、参照被検者集団について熱希釈法を通して決定される、「真の」1回拍出量に関係付けられる。このモデルでは、AおよびPは、以下のように確立された。
【0046】
【数4】

回帰は、回帰変数あたりのパラメータの数を3未満に抑える方法で行われ、各パラメータは2を超えない位数を有した。したがって、マトリクスPの各横列は、多くても3つのゼロ以外の項を有し、Pの各要素の絶対値は多くても2である。これらの制約は、数値的安定性および精度を確立するために使用された。したがって、χの式は、11次元パラメータ空間の中の二次曲線になる。χについて決定される多項式は、以下のように書くことができる。
【0047】
【数5】

したがって、被検者の動脈緊張は、最初に既述のようなモデルを作成することによって決定することができる(すなわち、動脈緊張に依存する血圧パラメータを表す、一組の臨床的に導出された参照測定値に関する近似関数であって、上記で説明されるパラメータのうちの1つ以上の関数である近似関数と、(モデルに応じて)正常な血液動態状態を伴う被検者または中心から末梢までの動脈圧遮断を経験している被検者からの動脈緊張に依存する血圧パラメータを表す、一組の臨床的に決定された参照測定値とを決定する)。次に、動脈血圧波形データから一組の動脈血圧パラメータを決定し、一組の動脈血圧パラメータは、多変量統計モデルを作成するために使用される同じパラメータを含む。次いで、一組の動脈血圧パラメータで近似関数を評価することによって、被検者の正常な動脈緊張を推定する。
【0048】
いったん遮断および正常状態に対する多変量統計モデルが上記で説明されるように確立されると、被検者の遮断および正常動脈緊張を継続的に計算し、経時的に差または比の変化を監視するために、本明細書で説明されるモデルおよび方法を使用することができる。差は、動脈緊張間の単純デルタ(Δ)値となり得るか、または、例えば、差あるいは変化率として表すことができる。同様に、比は、被検者の正常な動脈緊張に対する遮断した動脈緊張の比となり得る。2つの動脈緊張間の差または比の見当を合わせるように計算される数値にかかわらず、被検者が中心から末梢までの動脈遮断を経験していることを示すために、所定の閾値を超える、この値の変化を使用することができる。さらに、動脈緊張から計算される値、例えば、心拍出量も計算することができ、これらの差を監視することができる。具体的実施例として、被検者の第1の動脈緊張と被検者の第2の動脈緊張との間の差は、被検者の第2の動脈緊張と比較した被検者の第1の動脈緊張の変化率として計算することができる。変化率を使用した閾値の実施例は、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、40%以上、および50%以上を含む。同様に、被検者の正常な動脈緊張に対する被検者の遮断した動脈緊張の比を使用した閾値の実施例は、1.01以上、1.02以上、1.03以上、1.04以上、1.05以上、1.06以上、1.07以上、1.08以上、1.09以上、1.10以上、1.15以上、1.20以上、1.30以上、1.40以上、および1.50以上を含む。方法はさらに、遮断または高心拍出量状態が決定された時にユーザに警告することができる。そのような警告は、グラフィカルユーザインターフェース上で公表される通知または音となり得る。
【0049】
図12は、被検者における中心から末梢までの遮断を監視するための本明細書で説明される方法を実装するシステムの主要構成要素を示す。方法は、既存の患者監視デバイス内で実装されてもよく、または専用モニタとして実装されてもよい。上述のように、圧力、または圧力に比例する何らかの他の入力信号が、侵襲的または非侵襲的といった2つの方法のうちのいずれか一方、または実際には両方で感知されてもよい。便宜上、システムは、圧力に変換される何らかの他の入力信号とはとは対照的に、動脈血圧を測定するものとして説明されている。
【0050】
図12は、完全を期して両方の種類の圧力感知を示す。本明細書で説明される方法の最も実用的な用途では、いずれか一方またはいくつかの変化例が、典型的には実装される。本明細書で説明される方法の侵襲的用途では、従来の圧力センサ100が、人間または動物の患者の身体の一部分130の動脈120に挿入される、カテーテル110の上に載置される。動脈120は、例えば、大腿、橈骨、または上腕動脈等の動脈系の中の任意の動脈である。本明細書で説明される方法の非侵襲的用途では、フォトプレチィスモグラフィ血圧プローブ等の従来の圧力センサ200が、任意の従来の方式で、例えば、指の周囲のカフ230または患者の手首の上に載置されたトランスデューサを使用して、外部に載置される。図12は、両方の種類を概略的に示す。
【0051】
センサ100、200からの信号は、通常は信号を処理し、コードを実行するように含まれる、1つ以上のプロセッサと、他の支援ハードウェアおよびシステムソフトウェア(図示せず)とを含む、処理システム300に、入力として任意の既知のコネクタを介して渡される。本明細書で説明される方法は、修正された標準パーソナルコンピュータを使用して実装されてもよく、またはより大きい特殊監視システムに組み込まれてもよい。本明細書で説明される方法とともに使用するために、処理システム300はまた、必要に応じて、増幅、フィルタリング、または測距等の通常の信号処理タスクを行う、調整回路302を含んでもよく、またはそれに接続される。次いで、調整された感知入力圧力信号P(t)は、クロック回路305からの時間参照を有するか、または得る、従来のアナログ・デジタル変換器ADC304によって、デジタル形態に変換される。十分理解されるように、ADC304のサンプリング周波数は、圧力信号のエイリアシングを回避するよう、ナイキスト基準に関して選択されるべきである(この手順はデジタル信号処理の技術分野で非常に良く知られている)。ADC304からの出力は、その値が従来のメモリ回路(図示せず)に記憶されてもよい、離散圧力信号P(k)となる。
【0052】
値P(k)は、被検者の遮断および血液動態動脈緊張を決定するように多変量統計モデルを実装するためのコンピュータ実行可能コードを備える、ソフトウェアモジュール310によって、メモリに渡されるか、またはメモリからアクセスされる。そのようなソフトウェアモジュール310の設計は、コンピュータプログラミングの当業者にとって単純明快である。
【0053】
使用される場合、年齢、身長、体重、BSA等の患者特有のデータが、閾値または閾値範囲値等の他の所定のパラメータも記憶してもよい、メモリ領域315に記憶される。これらの値は、従来の方式で任意の既知の入力デバイス400を使用して入力されてもよい。
【0054】
動脈緊張の比較は、モジュール320で行われる。計算モジュール320は、コンピュータ実行可能コードを含み、モジュール310の出力を入力として取り、次いで、選択された動脈緊張の計算を行う。
【0055】
図12によって図示されるように、結果は、付加的な処理のためにさらなるモジュール(330)に渡され、最終的に、ユーザへの表示およびユーザによる解釈のために、従来のディスプレイまたは記録デバイス500上で表示されてもよい。入力デバイス400と同様に、ディスプレイ500は、典型的には、他の目的で処理システムによって使用されるのと同じとなる。
【0056】
本明細書で説明される方法のそれぞれについて、遮断が検出されると、ユーザに通知することができる。ユーザには、ディスプレイ500または別のグラフィカルユーザインターフェース上で通知を公表することによって遮断を通知することができる。さらに、遮断をユーザに通知するために、音を使用することができる。視覚および聴覚信号の両方を使用することができる。
【0057】
方法、装置、およびコンピュータプログラム製品のブロック図を参照して、本発明の例示的実施形態を上記で説明してきた。当業者であれば、ブロック図の各ブロック、およびブロック図のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令を含む種々の手段によって実装することができると理解するであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行する命令が、ブロックで特定される機能を実装するための手段を作成するように、機械を生産するよう、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置上にロードされてもよい。
【0058】
本明細書で説明される方法はさらに、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、図12に図示されたブロックで特定される機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む、製造品を生産するように、コンピュータ、またはプロセッサあるいは処理システム等の他のプログラム可能なデータ処理装置(図12で300として示される)に特定の方式で機能するように指図することができる、コンピュータ可読メモリに記憶されてもよいコンピュータプログラム命令に関する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令が、ブロックで特定される機能を実装するためのことを提供するように、一連の動作ことをコンピュータ、処理システム300、または他のプログラム可能な装置上で行わせて、コンピュータ実装過程を生産するよう、コンピュータ、処理システム300、または他のプログラム可能なデータ処理装置上にロードされてもよい。また、種々の計算を行い、本明細書で説明される関連方法ことを行うために使用される、種々のソフトウェアモジュール310、320、および330も、方法が異なる処理システムにロードされ、それによって実行されることを可能にするために、コンピュータ可読媒体上にコンピュータ実行可能命令として記憶することができる。
【0059】
したがって、ブロック図のブロックは、特定された機能を果たすための手段の組み合わせ、特定された機能を果たすためのことの組み合わせ、および特定された機能を果たすためのプログラム命令手段を支援する。当業者であれば、ブロック図の各ブロック、およびブロック図のブロックの組み合わせは、特定された機能またはことを果たす特殊用途ハードウェアベースのコンピュータシステム、または特殊用途ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実装することができると理解するであろう。
【0060】
本発明は、本発明のいくつかの側面の例証として意図される、本明細書で開示される実施形態によって範囲を限定されず、機能的に同等である任意の実施形態は、本発明の範囲内である。本明細書で示され、説明されるものに加えて、方法の種々の修正が、当業者に明白となり、添付の請求項の範囲内に入ることを目的としている。さらに、本明細書で開示される方法ことのある代表的な組み合わせのみが、上記の実施形態で具体的に論議されているが、方法ことの他の組み合わせが、当業者に明白となり、また、添付の請求項の範囲内に入ることを目的としている。したがって、ことの組み合わせが、本明細書で明示的に記述されてもよい一方で、たとえ明示的に記載されなくても、ことの他の組み合わせが含まれる。本明細書で使用されるような「備える」という用語およびその変化例は、「含む」という用語およびその変化例と同意語として使用され、制約のない非限定的用語である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者における中心から末梢までの動脈圧遮断を監視する方法であって、
該被検者からの動脈圧波形データを提供することと、
該被検者の第1の動脈緊張を決定するために、第1の多変量統計モデルを該動脈圧波形データに適用することであって、該第1の多変量統計モデルは、中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していた一群の被験者からの一組の動脈圧波形データから作成され、該第1の多変量統計モデルは、該被検者の第1の動脈緊張の値を提供する、ことと、
該被検者の正常な動脈緊張を決定するために、第2の多変量統計モデルを該動脈圧波形データに適用することであって、該第2の多変量統計モデルは、正常な血液動態状態を有する一群の被験者からの一組の動脈圧波形データから作成され、該第2の多変量統計モデルは、該被検者の第2の動脈緊張の値を提供する、ことと、
該被検者の第1の動脈緊張を該被検者の第2の動脈緊張と比較することと
を含み、閾値よりも大きい、該被検者の第1の動脈緊張と該被検者の第2の動脈緊張との間の差は、該被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す、方法。
【請求項2】
被検者における中心から末梢までの動脈圧遮断を監視する方法であって、
該被検者からの動脈圧波形データを提供することと、
該被検者の第1の動脈緊張を決定するために、第1の多変量統計モデルを該動脈圧波形データに適用することであって、該第1の多変量統計モデルは、中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していた一群の被験者からの一組の動脈圧波形データから作成され、該第1の多変量統計モデルは、該被検者の第1の動脈緊張の値を提供する、ことと、
該被検者の正常な動脈緊張を決定するために、第2の多変量統計モデルを該動脈圧波形データに適用することであって、該第2の多変量統計モデルは、正常な血液動態状態を有する一群の被験者からの一組の動脈圧波形データから作成され、該第2の多変量統計モデルは、該被検者の第2の動脈緊張の値を提供する、ことと、
該被検者の第1の動脈緊張を該被検者の第2の動脈緊張と比較することと
を含み、閾値よりも大きい、該被検者の第2の動脈緊張に対する該被検者の第1の動脈緊張の比は、該被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す、方法。
【請求項3】
被検者の第1の心拍出量および被検者の第2の心拍出量を計算するために、該被検者の第1の動脈緊張および該被検者の第2の動脈緊張を使用することをさらに含み、閾値よりも大きい、該被検者の第1の心拍出量と該被検者の第2の心拍出量との間の差は、該被検者が中心から末梢までの動脈圧遮断を経験していることを示す、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。
【請求項4】
前記被検者の第1の動脈緊張と該被検者の第2の動脈緊張との間の前記差は、該被検者の第2の動脈緊張と比較した該被検者の第1の動脈緊張の変化率として計算される、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。
【請求項5】
前記多変量統計モデルは、血管症状の影響を受ける1つ以上のパラメータを含む、一組の係数に基づいている、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。
【請求項6】
前記多変量統計モデルは、(a)前記動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)前記被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する該収縮期の該継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)該被検者の体表面積に基づくパラメータから成る群より選択される1つ以上のパラメータを含む一組の係数に基づく、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。
【請求項7】
前記多変量統計モデルは、(a)前記動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)前記被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する該収縮期の該継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)該被検者の体表面積に基づくパラメータを含む一組の係数に基づく、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。
【請求項8】
前記閾値は、1%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記閾値は、5%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値は、10%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値は、20%以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記閾値比は、1.01以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記閾値比は、1.05以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記閾値比は、1.10以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記閾値比は、1.20以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記被検者の第1の動脈緊張と該被検者の第2の動脈緊張との間の前記差は、継続的に分析される、請求項1または2のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記閾値よりも大きい、前記被検者の第1の動脈緊張と該被検者の第2の動脈緊張との間の前記差は、グラフィカルユーザインターフェース上に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記閾値よりも大きい、前記被検者の第1の動脈緊張と該被検者の第2の動脈緊張との間の前記差は、棒グラフまたは動向グラフとして表示される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記閾値よりも大きい、前記被検者の第2の動脈緊張に対する該被検者の第1の動脈緊張の前記比は、グラフィカルユーザインターフェース上に表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記閾値よりも大きい、前記被検者の第2の動脈緊張に対する該被検者の第1の動脈緊張の前記比は、棒グラフまたは動向グラフとして表示される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記被検者の第1の動脈緊張と該被検者の第2の動脈緊張との間の前記差が、前記閾値よりも大きいときに、ユーザに警告することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記被検者の第1の動脈緊張の該被検者の第2の動脈緊張に対する前記比が、前記閾値よりも大きいときに、ユーザに警告することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
前記ユーザは、グラフィカルユーザインターフェース上で通知を公表することによって警告される、請求項21または22のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ユーザは、音を発することによって警告される、請求項21または22のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記被検者の第1の動脈緊張は、
動脈緊張に依存する血圧パラメータを表す一組の臨床的に導出された参照測定値に関する近似関数を決定するステップであって、該近似関数は、少なくとも、(a)前記動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)該被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する該収縮期の該継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)該被検者の体表面積に基づくパラメータの関数であり、一組の臨床的に決定された参照測定値は、中心から末梢までの動脈圧遮断を経験している被検者からの動脈緊張に依存する血圧パラメータを表す、ステップと、
該動脈血圧波形データから一組の動脈血圧パラメータを決定するステップであって、該一組の動脈血圧パラメータは、少なくとも、(a)該動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)外被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する該収縮期の該継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)該被検者の体表面積に基づくパラメータを含む、ステップと、
該一組の動脈血圧パラメータによって近似関数を評価するステップと
以下のステップを使用して作成される前記第1の多変量統計モデルを適用することによって決定される、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。
【請求項26】
前記被検者の正常な動脈緊張は、
動脈緊張に依存する血圧パラメータを表す、一組の臨床的に導出された参照測定値に関する近似関数を決定するステップであって、該近似関数は、少なくとも、(a)前記動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)前記被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する該収縮期の該継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)該被検者の体表面積に基づくパラメータの関数であり、一組の臨床的に決定された参照測定値は、正常な血液動態状態を伴う被検者からの動脈緊張に依存する血圧パラメータを表す、ステップと、
該動脈血圧波形データから一組の動脈血圧パラメータを決定するステップであって、該一組の動脈血圧パラメータは、少なくとも、(a)該動脈圧波形データの標準偏差に基づくパラメータ、(b)該被検者の心拍数に基づくパラメータ、(c)動脈血圧信号の収縮期部分の下の領域に基づくパラメータ、(d)収縮期の継続時間に基づくパラメータ、(e)拡張期の継続時間に対する該収縮期の該継続時間の比に基づくパラメータ、(f)一組の動脈圧波形データの平均動脈圧に基づくパラメータ、(g)一組の動脈圧波形データの圧力加重標準偏差に基づくパラメータ、(h)一組の動脈圧波形データの圧力加重平均に基づくパラメータ、(i)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動歪度値に基づくパラメータ、(j)一組の動脈圧波形データの動脈拍動の脈動尖度値に基づくパラメータ、(k)一組の動脈圧波形データの圧力加重歪度に基づくパラメータ、(l)一組の動脈圧波形データの圧力加重尖度に基づくパラメータ、(m)一組の動脈圧波形データの圧力依存性ウィンドケッセルコンプライアンスに基づくパラメータ、および(n)該被検者の体表面積に基づくパラメータを含む、ステップと、
該一組の動脈血圧パラメータを用いて該近似関数を評価することによって、該被検者の正常な動脈緊張を推定するステップと
を使用して作成される前記第2の多変量統計モデルを適用することによって決定される、請求項1または2のうちの一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−521223(P2012−521223A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500999(P2012−500999)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/028004
【国際公開番号】WO2010/108110
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500218127)エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション (93)
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
【Fターム(参考)】