説明

押えつけカバーレール

【課題】
リング式紡績機が押えつけ装置の機能をカバーと一致させることによってリング式紡績機の構成を簡略化すること。
【解決手段】
構成部材を備えるリング式紡績機では軸受ケーシング(3)からの意図的でない引き抜きに対する複数のスピンドル(4)の確保並びに回転する接線ベルト(6)の意図的でない接触に対する保護を達成するために、水平脚(10)と垂直脚(11)とを備えるアングル(9)が提案されている。アングル(9)の垂直脚(11)はスピンドルによって貫通突き出され、水平脚にまで延びている隙間(12)を有する。水平脚に延びる隙間はスピンドルの周辺溝(14)に突き出し、意図的でない引き抜きに対するスピンドルを確保する。垂直脚の隙間間に延びるタブ(13)が接線ベルトの前に存在し、その意図的でない接触を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、軸受ケーシングから取り出しできるスピンドルとスピンドルの接線ベルト駆動部とを備えるリング式紡績機に関する。
【背景技術】
【0002】
リング式紡績スピンドルは、あらゆる場合に所謂押えつけ装置を必要であり、その装置によって、スピンドル上部材がおよそ完全紡錘状巻糸の引き抜きの際に軸受ケーシングから引き出されることが阻止されている。しかし、この押えつけ装置は、分解できなければならない、それ故に、これが必要であるときにスピンドル上部材が取り出され得る。
【0003】
この種の押えつけ装置としては、多数の実施態様が知られており、オー・ハイメラン(O.Heimeran)著、テキスタイル・プラスチス(TEXTIL-PRAXIS)の「紡績撚糸機におけるスピンドル上部材の意図的でない引き上げに対する安全性の開発」、1962年、769−773頁と899−904頁(非特許文献1)を参照。
【0004】
ドイツ特許第4414450号明細書(特許文献1)の新たな押えつけ装置は、殆どはスピンドル列に沿って移動できる押えつけレールを有し、その際にそのスピンドルの周辺溝に係合する押えつけ輪郭が周辺溝と噛み合わない。ドイツ特許出願公開第3839025号明細書(特許文献2)では、押えつけ装置が公示されており、スピンドルに個別の押えつけ体が付属されていて、個々の押えつけ体が個々に並びに多数のスピンドルにも同時にスピンドル上部材と噛み合わされ得ない。
【0005】
特にリング式紡績機における接線ベルト駆動部は接線ベルトの回転部にはカバーを必要とし、その接線ベルトによって回転する接線ベルトの間違いによる接触とそれにより起こる損傷が阻止される。このために、接線ベルトを受けるスピンドルバンクに固定的に或いは分離可能に配置されているカバー薄板が周知である。それで、ドイツ特許第2708554号明細書(特許文献3)とドイツ特許第3827899号明細書(特許文献4)はスピンドルバンクに固定されたカバーを示し、ドイツ実用新案第7433508号明細書(特許文献5)は分離可能にスピンドルバンクに連接されたカバーを示す。
【特許文献1】ドイツ特許第4414450号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第3839025号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第2708554号明細書
【特許文献4】ドイツ特許第3827899号明細書
【特許文献5】ドイツ実用新案第7433508号明細書
【非特許文献1】O.Heimeran 著、TEXTIL-PRAXIS の「紡績撚糸機におけるスピンドル上部材の意図的でない引き上げに対する安全性の開発」、1962年、769−773頁と899−904頁。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、リング式紡績機が押えつけ装置の機能をカバーと一致させることによってリング式紡績機の構成を簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それ故に、両課題は構成部材のみによって解決され得る。
【0008】
この発明のアングルは分解可能にリング式紡績機の固定構成部材と連結されている。好ましくは、このアングルは長孔を通して係合する締付けボルトによって構成部材に固定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面の図には、この発明の実施例が例として図示されている。
【0010】
リング式紡績機の両長さ側面では、管状スピンドル長手支持体1と2にはスピンドル4の軸受ケーシング3が固定されている。スピンドルの紡錘状巻糸を支持する上部材はここでは図示されていない。スピンドル4は紡ぎ車5にて共通接線ベルト6によって駆動される。この接線ベルトは押圧ロール7によって紡ぎ車5に押圧されている。押圧ロールの支持と固定はここでは再生されない。
【0011】
リング式紡績機の8で示された構成部材には、およそ中間支柱の一部には薄板アングル9が固定されており、このアングルは水平脚10と垂直脚11とを有する。薄板アングルは目的に適った形式に中間支柱から中間支柱まで延びている。垂直脚11はスピンドルの領域に位置し、それ故に隙間12を有し、その隙間を通してスピンドルが延びている。隙間12間に残るタブ13は接線ベルト6の前に位置する。
【0012】
隙間12は、図2から認識できるように、スピンドル4を半円状に包囲して水平脚10にも延びている。この隙間12がスピンドルの周辺溝14に係合し、このために、隙間12が垂直脚11にセットバック15を有する。
【0013】
水平脚10の隙間12がスピンドル4の周辺溝14に係合することによって、この隙間がその軸受ケーシング3からのスピンドルの引き出しを阻止する。垂直脚11のタブ13が接線ベルト6の前に位置することによって、タブは線接ベルトの意図的でない接触を阻止する。
【0014】
薄板アングル9が構成部材に固定されている一本或いは複数本のボルトの解放後に、長孔17内のこのボルトが戻して移動され得るので、この領域におけるスピンドルが取り出され得る。この長孔17は、水平脚10の隙間12が周辺溝14から突き出すように、長い。タブ13と接線ベルト6の間の間隔は、この間隔が薄板アングル9の戻し移動を許容するように、大きい。
【0015】
薄板アングル9は好ましくは鋼薄板から成る。けれども、この薄板アングルは合成樹脂からも製造され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】スピンドルバンクの部分の正面図を示す。
【図2】スピンドルバンクの部分の平面図を示す。
【符号の説明】
【0017】
1、2....スピンドル長手支持体
3.....軸受ケーシング
4.....スピンドル
5.....紡ぎ車
6.....接線ベルト
7.....押圧ロール
8.....構成部材
9.....薄板アングル
10....水平脚
11....垂直脚
12....隙間
13....タブ
14....周辺溝
15....セットバック
16....ボルト
17....長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受ケーシングから取り出しできるスピンドルとスピンドルの接線ベルト駆動部とを備えるリング式紡績機において、複数のスピンドル(4)に延びているアングル(9)は水平脚(10)と垂直脚(11)を備えていて、その垂直脚は各スピンドルにおける垂直脚に隙間(12)を有し、その隙間はスピンドルを半円状に包囲して、各スピンドルの周辺溝(14)に係合して水平アングル(10)に延びており、垂直脚の残留タブ(13)が正接ベルトの前に位置することを特徴とするリング式紡績機。
【請求項2】
アングル(9)はリング式紡績機の固定構成部材(8)に分解可能に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のリング式紡績機。
【請求項3】
アングル(9)は少なくとも一つの長孔(17)を介して少なくとも一本のボルト(16)によってリング式紡績機の固定構成部材(8)に固定されていることを特徴とする請求項2に記載のリング式紡績機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−513610(P2008−513610A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530661(P2007−530661)
【出願日】平成17年9月10日(2005.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009750
【国際公開番号】WO2006/029779
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(504011069)ザウラー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト (17)
【Fターム(参考)】