説明

押しボタン、及び車載用音響装置

【課題】コスト負荷を抑え歩留まりを良く、なおかつパーティングラインによるデザイン性を損なうことがない押しボタンを提供すること。
【解決手段】エスカッション4の組付孔12に設けられ、前記エスカッション4の裏側から光が照射されて照明される押しボタン6において、前記組付孔12に組み付けられたときに前記組付孔12から露出し裏側から光が照射される導光性材料から形成された板状の操作部30と、前記操作部30から裏側に延びて前記組付孔12に挿入される遮光性材料から形成された筒状の胴部31と、を備え、前記操作部30側の前記胴部31の先端40は、前記操作部30の縁部30Cから内側に入った箇所で前記操作部30の裏面30Bに繋がり、なおかつ、当該胴部31の先端40には前記操作部30の内部に進入して前記操作部30の中央から縁部30Cに至る光の通路を狭めるリブ41を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュ式の押しボタン、及び当該押しボタンを備えた車載用音響装置に係り、特に、押しボタンの裏側から光を照射して、この押しボタンに設けた文字等からなる光透過式表示部を照明する際の光漏れを防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車載用音響装置では、記録媒体としてのCD−ROM等を再生するものが知られている。この種のものでは、再生装置本体と、その前面に設けたパネル(「エスカッション」とも称される)とを備え、このパネルの組付孔に、いわゆる前入れ式の押しボタンを押込み、及び復帰可能に設けたものが広く知られている。
さらに、押しボタンに裏側から光を照射し、この押しボタンの表面に設けた文字等からなる光透過式表示部を照明したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−35575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、押しボタンの照明構造としては、例えば図5に示すように、押しボタン70を透明樹脂の導光材料で単色成形し、パネル71の組付孔72に挿入し、押しボタン70の操作部73を組付孔72から露出させ、操作部73の表面に遮光性の塗料を塗布して遮光塗装面74を形成し、この遮光塗装面74の塗装をレーザ加工等で適宜に除去して光透過式表示部75を形成し、パネル71の裏側に配置した光源76によって操作部73の光透過式表示部75を裏側から照明する構造が考えられる。
【0005】
しかしながら、押しボタン70の全体を導光材料で形成した場合、操作部73の表面に施した塗装を裏面まで施さないと裏面から光が漏れ出し、この漏れ出した光がパネル71と操作部73の間から漏れる、といった問題がある。
この問題を解消するには、押しボタン70の少なくとも操作部73の表から裏面までを覆うように塗装を施せば良いが、この場合、コストが増加し、また歩留まり悪化の要因となる。
【0006】
そこで、例えば図6に示すように、導光材料から成る操作部73の縁に面一に遮光性材料から成る胴部81を裏側に延ばすように押しボタン80を二色成形することで、操作部73の縁の裏面を胴部81によって塞ぎ、当該裏面からの光の漏れ出しを防止できる。
しかしながら、この押しボタン80では、操作部73と胴部81の連結部82にパーティングライン83が発生する。したがって、連結部82がパネル71の組付孔72よりも上に位置するような押しボタン80の組付構造においては、パーティングライン83が露出してしまいデザイン性を損なう、といった問題がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、コスト負荷を抑え歩留まりを良く、なおかつパーティングラインによるデザイン性を損なうことがない押しボタン、及び車載用音響装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、パネルの組付孔に設けられ、前記パネルの裏側から光が照射されて照明される押しボタンにおいて、前記組付孔に組み付けられたときに前記組付孔から露出し裏側から光が照射される導光性材料から形成された板状の操作部と、前記操作部から裏側に延びて前記組付孔に挿入される遮光性材料から形成された筒状の胴部と、を備え、前記操作部側の前記胴部の先端は、前記操作部の縁から内側に入った箇所で前記操作部の裏面に繋がり、なおかつ、当該胴部の先端には前記操作部の内部に進入して前記操作部の中央から縁に至る光の通路を狭めるリブが設けられたことを特徴とする。
【0009】
また上記目的を達成するために、第2の発明は、パネルの組付孔に設けられ、前記パネルの裏側から光が照射されて照明される押しボタンにおいて、前記組付孔に組み付けられたときに前記組付孔から露出し裏側から光が照射される板状の操作部と、前記操作部の縁から裏側に延びて前記組付孔に挿入される筒状の胴部と、を備え、前記操作部と前記胴部が導光性材料から単色成形により一体に構成され、前記胴部の端部には、前記胴部の端面の面積を縮小する絞り形状を有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記第2の発明において、前記胴部の端部には、前記胴部の厚みが前記操作部側から前記端面側にかけて薄くなるように傾斜し前記絞り形状に繋がる傾斜面を設けた、ことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記第2の発明において、前記操作部の裏面から略垂直に裏側に延びる筒状の遮光リブが前記単色成形により一体に設けられ、前記操作部と前記遮光リブの接続箇所に、前記操作部内の前記遮光リブの内側から外側へ至る光の通路を狭める凹部を設けた、ことを特徴とする。
【0012】
また上記目的を達成するために、本発明は、車両に搭載される車載用音響装置本体と、前記車載用音響装置本体の車室内に露出する面に設けられたパネルとを備えた車載用音響装置において、前記パネルに組付孔を設け、前記組付孔の開口に向けて光を照射する光源を前記パネルの裏側に配設し、上記発明のいずれかに記載の押しボタンを前記組付孔に設けた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、操作部側の胴部の先端は、操作部の縁から内側に入った箇所で操作部の裏面に繋がるため、胴部と操作部の連結部が操作部の裏面に位置することとなり、この連結部によってデザイン性が損なわれることがない。これに加え、胴部の先端には操作部の内部に進入して操作部の中央から縁に至る光の通路を狭めるリブが設けられているため、操作部の中央から胴部のリブを超えて外側の縁に向かう光の光量を減らし、操作部の縁から漏れ出す光を抑えることができる。
第2の発明によれば、操作部と胴部が導光性材料から単色成形により一体に構成されているため、これらの連結箇所にパーティングラインが発生することがない。これに加え、胴部の端部には、当該胴部の端面の面積を縮小する絞り形状を有しているため、端面から漏れ出る光を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載用音響装置の要部拡大図である。
【図2】エスカッションの押しボタン部分の断面を示す斜視図である。
【図3】エスカッションの押しボタン部分の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る押しボタンの断面図である。
【図5】本発明の理解を容易にするための参考構成図である。
【図6】その他の参考構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る車載用音響装置1の要部拡大図である。
車載用音響装置1は、車両に搭載される車載機器の一種であり、楽曲や映像、音声等のマルチメディアを車室内で再生する。同図に示すように、車載用音響装置1は、マルチメディアを再生する車載用音響装置本体としての再生装置本体2と、この再生装置本体2の車室内に露出する前面を覆うパネルとしてのエスカッション4とを備えている。
エスカッション4の表面には、操作ボタンとしての複数の押しボタン6や表示ディスプレイ8が設けられており操作パネルとして機能し、この他にもCDやDVD等の光ディスクを挿入するディスク挿入口等が配設されている。
【0016】
車載用音響装置1は、再生装置本体2を車両のインストルメントパネルに挿入し、車室内にエスカッション4を露出させて取り付けられることから、当該エスカッション4にはデザイン性を高めるための各種の創作が施されている。デザイン性向上の工夫の一つとして、本実施形態では、それぞれの押しボタン6の表面に操作対象を明示する文字10を刻設し、押しボタン6の裏側(エスカッション4の内側)から文字10を照明し、文字10の部分から光を透過させることで文字10を発光させる構成としている。この構成により、車室内が暗いときでも、押しボタン6の文字10を鮮明に浮かび上がらせて見せることができ、操作性とデザイン性の向上が得られる。
なお、押しボタン6の表面に設ける文字10は、操作対象や操作内容をユーザに示唆するものであれば、言語に結びついて意味を表す符号や記号(仮名や漢字、アルファベット、数字、句読点など)の他に、図形等を用いることもできる。
【0017】
次いで、押しボタン6の構成について詳細に説明する。
図2はエスカッション4の押しボタン6部分の断面を示す斜視図であり、図3はエスカッション4の押しボタン6部分の断面図である。
これらの図に示すように、押しボタン6は、全体として裏側の底面が開口した平面視略矩形の概略筒状を成し、エスカッション4の表面に設けられた組付孔12に押込み、及び復帰可能に嵌め込まれた、いわゆる前入れ式のボタンとして構成されている。
具体的には、押しボタン6は、図3に示すように、押し操作を受け付けるキートップとしての略板状の操作部30と、この操作部30の裏面から裏側に向かって垂直に延びる筒状の胴部31とを備え、胴部31の先端32には引掛爪33が形成されている。
一方、エスカッション4には、平面視矩形の筒状を成した収容壁14が組付孔12から裏側に向けて略垂直に延設されており、この収容壁14の内側面14Aには、内側に突出した凸部16が一体に設けられている。
【0018】
押しボタン6を組付孔12に挿入すると、胴部31の引掛爪33が凸部16に引っ掛かって抜けが規制され、これにより、この引っ掛かった位置が押しボタン6の押込みからの復帰時の復帰限界位置として規定される。
また、押しボタン6の胴部31には、先端32から操作部30側に離れた位置に、凸部16に引っ掛かることで落下を規制する肩部35が形成されており、肩部35に凸部16が引っ掛かった位置が押しボタン6の押込み時の押込み限界位置として規定される。
この押しボタン6は、図示を省略した例えばバネ等の付勢手段によって、エスカッション4の裏側から表側に向けて常時付勢されており、非操作時には復帰限界位置に配置され、操作部30の表面30Aがエスカッション4の表面から突出して配置される。また押し操作時には、押しボタン6が押込み限界位置まで押し込まれ、エスカッション4の裏側に配設された図示省略のスイッチが押しボタン6に押されてオンすることとなる。
【0019】
またエスカッション4の裏側には、図2、及び図3に示すように、組付孔12を臨む位置にLED20と、LED20を実装したLED基板22とが配置されている。LED20は、組付孔12の開口に向けて照明光を放射する光源であり、この照明光によって押しボタン6の操作部30の裏面30B(図3)が照らされる。また、LED20の照明光が照射する箇所を操作部30の裏面30Bに制限して押しボタン6と組付孔12の隙間からの光漏れを防止するために、LED20を包囲しLED基板22から操作部30の裏面30Bの近くまで延びる筒状の遮光枠体24がLED基板22に設けられている。
【0020】
押しボタン6の操作部30は透明樹脂等の導光性材料から形成され、組付孔12から露出する表面30Aは、遮光性塗料を塗った遮光塗装面37とされている。この遮光塗装面37のうち、遮光枠体24の上端開口に対応する範囲がLED20によって照明される照明範囲Wとして規定される。この照明範囲Wには、遮光塗装面37を文字10の形状に沿ってレーザ加工等により削り落とし表面30Aを露出させることで上述の文字10が刻設され、この文字10の部分により、光透過によって文字10を表示する光透過式表示部が形成されている。
操作部30の裏面30Bからエスカッション4の裏側(内側)に略垂直に延びる上記胴部31は着色した樹脂等の遮光性材料から形成されており、胴部31への導光による発光が抑えられている。
【0021】
かかる押しボタン6の製造手順について概説すると、先ず、遮光性材料から胴部31を成形し、この胴部31をコアとして導光性材料から成る操作部30を成形する、いわゆる二色成形で基体を形成する。次いで、操作部30の表面30Aを遮光性塗料で塗装して遮光塗装面37を設け、この遮光塗装面37の照明範囲Wの中で、文字10の形状に沿って削り落として光透過性の文字10を刻設して押しボタン6を製造する。
上記のように製造された押しボタン6は、エスカッション4の組付孔12に挿入し嵌合させることで組み付けられる。
【0022】
図1〜図3に示すように、組付孔12の開口縁には段差があり、押しボタン6の操作部30と胴部31が繋がる連結部39よりも低位まで落ち込む凹部18が形成されており、押しボタン6の操作部30の縁部30Cは、凹部18の上側を覆うように延出する。
このとき、押しボタン6の操作部30に対して胴部31が縁部30Cにおいて面一に構成されていると、操作部30と胴部31の連結部39に二色成形時のパーティングラインが発生し、かかるパーティングラインが組付孔12の凹部18から視認できてしまいデザイン性が損なわれてしまう。
【0023】
そこで本実施形態の押しボタン6では、図3に示すように、組付孔12の凹部18に面する縁部30Cにおいては、操作部30の縁から内側に入り込んだ位置で操作部30側の胴部31の先端40を当該操作部30の裏面30Bに繋ぐ構成としている。これにより、操作部30と胴部31の連結部39が操作部30の裏面30Bに位置することとなるので、連結部39にパーティングラインが発生したとしても凹部18から露出することはなく、デザイン性が損なわれることはない。
【0024】
ただし、この押しボタン6では、操作部30の裏面30Bに上記遮光塗装面37を設けていないため、胴部31の外側に位置する箇所から光りが漏れて発光し、凹部18の隙間からの光漏れが生じる。
そこで本実施形態では、図3に示すように、操作部30側の胴部31の先端40に、当該操作部30の裏面30Bから内部に進入して当該操作部30の中央部から縁部30Cに至る光の通路を狭めるリブ41を一体に設けている。
これにより、操作部30にあっては、胴部31の外側に届く光が減るため、操作部30の裏面30Bでの発光が非常に弱くなり、凹部18からの光漏れが抑制される。
また係る構成においては、リブ41が操作部30に進入して嵌合構造が構成されるため、胴部31と操作部30の接合強度が高められる、という効果も得られる。
【0025】
このように、本実施形態によれば、操作部30側の胴部31の先端40は、操作部30の縁部30Cから内側に入った箇所で操作部30の裏面30Bに繋がるため、胴部31と操作部30の連結部39が操作部30の裏面30Bに位置することとなり、この連結部39によってデザイン性が損なわれることがない。
これに加え、胴部31の先端には操作部30の内部に進入して操作部30の中央から縁部30Cに至る光の通路を狭めるリブ41が設けられているため、操作部30の中央から胴部31のリブ41を超えて外側の縁部30Cに向かう光の光量を減らし、操作部30の縁部30Cから漏れ出す光を抑えることができる。
【0026】
<第2実施形態>
上述した実施形態では、操作部30と胴部31とを二色成形した押しボタン6について説明したが、本実施形態では、導光性材料で単色成形した押しボタンについて説明する。
【0027】
図4は本実施形態に係る押しボタン106の構成を示す断面図である。なお、同図において、第1実施形態で説明した部材については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の押しボタン106は、第1実施形態と同様に、操作部130と、胴部131とを有する。
操作部130は、キートップを構成する略板状を成し、この操作部130の縁部130Cを略垂直に折り曲げ裏側に延びるように胴部131が設けられている。これら操作部130と胴部131とは透明樹脂等の導光性材料から単色成形されている。また、これら操作部130の表面130Aと胴部131の表面131Aには、第1実施形態と同様に遮光性の遮光塗装面37が設けられている。
【0028】
操作部130の裏面130Bからは筒状の遮光リブ190が裏側に向かって延び、この遮光リブ190の中に光源たるLED20が配置され、このLED20によって操作部130の裏面130Bが照射されている。
遮光リブ190は、第1実施形態の遮光枠体24(図3)と同様に、LED20による照射範囲を操作部130の裏面130Bに制限することで漏れ光の発生を抑えるものである。本実施形態では、遮光リブ190は、導光性材料で操作部130と一体に形成されており、遮光リブ190に入射(浸透)した光を遮光リブ190で導光することで遮光リブ190の外側への光の漏れ出しを抑えている。
操作部130の遮光塗装面37にあっては、遮光リブ190の上端開口に対応する範囲がLED20によって照明される照明範囲Wとして規定されることとなる。
【0029】
導光材料で単色成形した押しボタン106にあっては、押しボタン106の内部全体に光が浸透、拡散するため、遮光塗装面37を表面だけに施すと、胴部131の端部131Bから光が漏れ出してしまう。
そこで本実施形態では、胴部131の端部131Bには、内周面131Dの側から厚みTを縮小して端面131Cの面積を減じる絞り形状191を有することとしている。更に、胴部131の端部131Bの内周面131Dには、操作部130の側から端面131Cの側にかけて厚みTが次第に薄くなるように傾斜して絞り191に至る傾斜面192が設けられている。
【0030】
これにより、胴部131の端部131Bにおいては、絞り191によって端面131Cから漏れ出す光量が抑えられる。さらに押しボタン106にあっては、操作部130の裏面130B内の遮光リブ190との連結箇所に、当該遮光リブ190の内周縁190Aに沿って凹部を形成して成る絞り193が設けられている。これにより、操作部130においては、遮光リブ190の内側である中央部から外側である縁部130Cへの光の通路が狭められるため、縁部130Cを経て胴部131の端部131Bに導光(浸透)する光が減少することから、当該端部131Bからの光の漏れ出しを更に抑えることができる。
【0031】
また、胴部131を導光(浸透)して端部131Bに至るまでの間、上記傾斜面192が設けられているため、光の屈折により、胴部131の外への拡散が抑えられ、当該端部131Bでの光の漏れ出しが、より効果的に抑えられる。
【0032】
このように、本実施形態によれば、操作部130と胴部131が導光性材料から単色成形により一体に構成されているため、これらの連結箇所にパーティングラインが発生することがない。これに加え、胴部131の端部131Bには、当該端部131Bの端面131Cの面積を縮小する絞り形状191を設けているため、端面131Cから漏れ出る光が抑えられる。
さらに、操作部130と胴部131を単色成形することで、金型も1つで済むため、コストダウンを図ることができる。
【0033】
また本実施形態によれば、胴部131の中を浸透して端部131Bの絞り形状191に至るまでの間に、上記傾斜面192が設けられているため、光の屈折により、胴部131の外への拡散が抑えられ、当該端部131Bでの光の漏れ出しが、より効果的に抑えられる。
【0034】
また本実施形態によれば、操作部130の裏面130Bから略垂直に裏側に延びる筒状の遮光リブ190が単色成形により操作部130に一体に設けられ、操作部130と遮光リブ190の接続箇所に、操作部130内の遮光リブ190の内側から外側へ至る光の通路を狭める凹部により絞り193を設けた。この構成により、操作部130の縁部130Cを経て胴部131の端部131Bに導光(浸透)する光が減少することから、当該端部131Bからの光の漏れ出しを更に抑えることができる。
【0035】
なお、上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意に変形、及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 車載用音響装置
2 再生装置本体(車載用音響装置本体)
4 エスカッション(パネル)
6、70、80、106 押しボタン
10 文字
12、72 組付孔
20 LED(光源)
24 遮光枠体
30、73、130 操作部
30B 操作部の裏面
30C 操作部の縁部(縁)
31、81、131 胴部
32 操作部の先端
37 遮光塗装面
39、82 連結部
40 胴部の先端
41 リブ
83 パーティングライン
131B 胴部の端部
131C 胴部の端面
131D 胴部の内周面
190 遮光リブ
190A 内周縁
191 絞り形状
192 傾斜面
193 絞り
W 照明範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの組付孔に設けられ、前記パネルの裏側から光が照射されて照明される押しボタンにおいて、
前記組付孔に組み付けられたときに前記組付孔から露出し裏側から光が照射される導光性材料から形成された板状の操作部と、
前記操作部から裏側に延びて前記組付孔に挿入される遮光性材料から形成された筒状の胴部と、を備え、
前記操作部側の前記胴部の先端は、前記操作部の縁から内側に入った箇所で前記操作部の裏面に繋がり、なおかつ、当該胴部の先端には前記操作部の内部に進入して前記操作部の中央から縁に至る光の通路を狭めるリブが設けられた
ことを特徴とする押しボタン。
【請求項2】
パネルの組付孔に設けられ、前記パネルの裏側から光が照射されて照明される押しボタンにおいて、
前記組付孔に組み付けられたときに前記組付孔から露出し裏側から光が照射される板状の操作部と、
前記操作部の縁から裏側に延びて前記組付孔に挿入される筒状の胴部と、を備え、
前記操作部と前記胴部が導光性材料から単色成形により一体に構成され、
前記胴部の端部には、当該端部の端面の面積を縮小する絞り形状を有する
ことを特徴とする押しボタン。
【請求項3】
前記胴部の端部には、前記胴部の厚みが前記操作部側から前記端面側にかけて薄くなるように傾斜し前記絞り形状に繋がる傾斜面を設けた、ことを特徴とする請求項2に記載の押しボタン。
【請求項4】
前記操作部の裏面から略垂直に裏側に延びる筒状の遮光リブが前記単色成形により一体に設けられ、前記操作部と前記遮光リブの接続箇所に、前記操作部内の前記遮光リブの内側から外側へ至る光の通路を狭める凹部を設けた、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の押しボタン。
【請求項5】
車両に搭載される車載用音響装置本体と、前記車載用音響装置本体の車室内に露出する面に設けられたパネルとを備えた車載用音響装置において、
前記パネルに組付孔を設け、前記組付孔の開口に向けて光を照射する光源を前記パネルの裏側に配設し、請求項1乃至4のいずれかに記載の押しボタンを前記組付孔に設けた、
ことを特徴とする車載用音響装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−62124(P2013−62124A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199562(P2011−199562)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】