説明

押しボタンスイッチ

【課題】操作部とスイッチ部が分離可能に結合された押しボタンスイッチにおいて、スイッチ部が操作部から離脱した際に、常閉接点構成の開閉接点ユニットの開閉接点が確実に開離されてオフ状態となり、構成が簡単で製作が容易押しボタンスイッチを提供することを課題とする。
【解決手段】スイッチ部内に、回動可能に支持され一端がスイッチ部に結合された操作部の一部に作用し、他端がスイッチ部内の開閉接点ユニットの接点開閉機構に作用して接点の開閉を操作するレバーと、このレバーを一定の回転方向に付勢するばねとで構成した接点開離機構を設け、この接点開離機構により前記スイッチ部が操作部から分離されたときは前記開閉接点ユニットの接点開閉機構を可動接点が待機状態位置から操作状態位置方向へ移動させるように付勢し、前記スイッチ部が操作部に結合されたときは前記接点ユニットの接点開閉機構への前記付勢を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械の制御盤等に取り付けられ、機器に非常停止を指令する等のために使用される押しボタンスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
このような非常停止用の押しボタンスイッチは、一般に固定接点とこれに開閉される可動接点とで構成した開閉接点ユニットを備えたスイッチ部と、前記開閉接点ユニットを開閉操作する押しボタン操作機構を備えた操作部とを連結結合して構成される。
【0003】
このような構成の押しボタンスイッチの従来例を図28ないし図36に示す。
【0004】
図28は、押しボタンスイッチの外観を示す斜視図、図29ないし図32は、図28に示す押ボタンスイッチのそれぞれ異なる切断位置の断面図である。これらの図において、1は、操作部ケース11に、押し込み操作可能な押しボタン12およびこれに連繋し連動する押棒13等からなる操作機構を収容した操作部である。2は、常態で開離された固定接点22aと可動接点23aとからなる常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aおよび、常態で閉合された固定接点22bと可動接点23bとからなる常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bを収容するスイッチ部である。各開閉接点ユニットは可動接点22a,22bをそれぞれ支持して滑動する可動枠25a、25bを備える。
【0005】
操作部1とスイッチ部2とは、図29に示すように分離可能に構成される。スイッチ部のケース21には嵌合穴21aが設けられ、この中に、操作部1の筒状ケース11の先端の胴体部11aを嵌入し、スイッチ部ケース21の嵌合穴21aの内周に設けられたフック21cを胴体部11aの外周に設けられた係合凹所11cに係合することにより操作部1とスイッチ部2とを一体に連結結合する。操作部1とスイッチ部2との連結を外す場合は、スイッチ部2に設けられたスライダ29を操作して、前記の係合凹所11cに係合されたフック21cの係合を外すようにする。
【0006】
なお、図28(b)に示した切断線XIXないしXXIIで切断した断面を示す図29ないし図32において、それぞれ(a)は、押しボタンスイッチの押しボタン12が押し込まれないで初期の復帰位置に置かれた待機状態を示し、(b)は押しボタン12が図において下方の操作位置まで押し込まれた操作状態を示す。
【0007】
操作部1には、押しボタン12の押し込み状態を保持するために、押し棒13の外周に設けた突起13cと、ケース11の胴体部11a内周に設けられたロック板11cとにより構成されたロック機構が設けられている。押しボタン12が押し込まれる前の待機位置から押しボタン12を押し込み操作すると、これに連繋れた押し棒13がこれと連動して下降し、その突起13cが、ロック板11cを乗り越えて押し込み位置に達すると、突起13がロック板11cの下端と係合し、押しボタン12の復帰を阻止する。これにより、押しボタン12は操作解除後も押し込み位置に保持される。押し込み位置から押しボタン12を待機位置へ復帰するには、押しボタン12を所定角度回転させてロック板11cと押し棒13の突起13cとの係合を外してロックを解除することにより行う。回転された押しボタン12は、捩じりコイルばねよりなる復帰ばね14により回転前の復帰位置にも戻される。
【0008】
操作部1とスイッチ部2とを連結した状態では、図29(a)に示すように、スイッチ部2の開閉接点ユニットの可動接点を支持する可動枠25a,25bがそれぞれ復帰ばね26a,26bにより押し上げられることにより、その上端が操作部1の押しボタン12と連繋された押し棒13の下端に当接される。押しボタン12が待機位置にあるときは、常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aは、図31(a)に示すように可動接点23aが固定接点22aから開離しオフ状態となる。また、常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bは、図32(a)に示すように可動接点23bが固定接点22bに閉合しオン状態となる。
【0009】
ここで、押しボタン12を復帰ばね14に抗して下方へ押し込み操作すると、これに連動する押し棒13により、スイッチ部2の可動枠25a、25bが押し下げられ、これと一緒に可動接点23a,23bが下方へ移動する。このため、常開接点構成の開閉接点ユニット24aは、図31(b)に示すように、可動接点23aが固定接点22aも閉合し、オン状態となる。また、常閉接点構成の開閉接点ユニット24bは、図32(b)に示すように可動接点23bが固定接点22bから開離しオフ状態となる。
【0010】
このような押しボタンスイッチは制御盤等のパネルに取り付けて使用する。その取付け手順は次のとおりである。まず、図33に示すように、スイッチ部2の外された操作部1から固定ナット19を外して、パネルの表側からパネルの取付け穴に胴体部11aを挿入する。次いでパネルの裏側から、挿入された操作部1胴体部11aに固定ナット19をねじ込んでパネルに締め付け、固定する。このパネルに取り付けた操作部1の胴体部11aにスイッチ部2の嵌合穴21aを嵌め合わせて、スイッチ部2を操作部1に連結結合する。
【0011】
このように制御盤等に取り付けて使用される押しボタンスイッチは、使用中に何らかの原因でスイッチ部2が操作部1から外れて脱落するような事故が発生することがある。押しボタンスイッチの押し込み操作状態においてこのようなスイッチ部2が操作部1から外れるような事故が発生すると、スイッチ部2において操作部1の押し棒13による押し込み状態が解除されるため、スイッチ部2の可動枠25a、25bが復帰ばね26a、26bにより復帰位置に戻され、図36および図37に示すように常開接点ユニット24aはオフ状態に、常閉接点ユニット24bはオン状態に戻される。
【0012】
常閉接点ユニット24bを非常停止指令のために使用している場合には、このようなスイッチ部2が操作部1から離脱する事故により、常閉接点ユニットがオン状態に戻って非常停止指令が解除されるため、非常停止した機器の運転が再開されて重大な事故が引き起こされる危険がある。
【0013】
このような危険を回避するためには、押しボタンスイッチのスイッチ部2が操作部から外れたときに、特に非常停止指令用開閉接点ユニットとして使用される常閉接点構成の開閉接点ユニットの開離された可動接点が固定接点に閉合する位置に戻らないようにする必要がある。
【0014】
このような課題を解決するための押しボタンスイッチとして、従来から特許文献1および2に示されるような押しボタンスイッチが知られている。
【0015】
特許文献件1に示された従来の押しボタンスイッチの構成を図38ないし図40に示す。この従来の押しボタンスイッチは、押ボタン12と、これを滑動自在に支持する操作部ケース11と、操作部ケース11内に設けられ、押ボタン12の動きに連動する押し棒13とから構成された操作部1と操作部1の操作部ケース11の下部に着脱自在に取り付けられるスイッチ部2とを備える。
【0016】
スイッチ部2は、上下方向の弾性を有する折曲げ部分を備えかつスイッチ部ケース21に固定された変位可能な固定接触子22cと、この折曲げ部分の先端に配置された固定接点22bを備える。また、第1のばね27により固定接点22bの側に付勢されかつ第2のばね28により前記固定接点から離反する側に付勢された可動枠25bにより支持された可動接触子23cと、この可動接触子23cの先端に配置された可動接点23bを備える。
【0017】
このような操作部1とスイッチ部2とが結合されることにより、スイッチ部2の固定接点22bおよび可動接点23bとが互いに接触して初期のオン状態を形成する(図38参照)。
【0018】
この初期のオン状態から押ボタン12を押し込むと、ロック機構18により押し込み位置に保持された押し棒13からの押付力が第2の可動枠25cを介して固定接触子22cの折曲げ部分に作用することにより、固定接点22bが可動接点23bから離反されてオフ状態に移行する(図39参照)。
【0019】
結合が外れ、スイッチ部2が操作部か1ら分離された際には、可動接点23bを支持する可動枠25bおよび第2の可動枠25cが第2のばね28の弾性反発力の作用により押し上げられることにより、可動接点23を固定接点22bから離反させてオフ状態とすることができる(図40参照)。
【0020】
特許文献2に示された従来の押しボタンスイッチは、図41および図42に示すように構成されている。
【0021】
操作部1は、操作部ケース11によりスライド自在に支持された押しボタン12と、この押しボタン12と連繋された押し棒13と押しボタン12を復帰させるための復帰ばね14、押しボタン12を押し込み位置に保持するためのロック機構18等を備える。スイッチ部2は、操作部1の操作部ケース11の下端部に着脱自在に結合されるスイッチ部ケース21内に固定接点22bおよび可動接点23bとからなる常閉接点構成の開閉接点機構を収容してなる。可動接点23bの取り付けられた可動接触子23cは、可動枠25bによって支持されている。この可動枠25bとスイッチ部ケース21との間に可動接点23bを固定接点22bから開離する方向に付勢するばね28が設けられている。
【0022】
スイッチ部2が操作部1に結合されると、可動枠25bは、操作部1の押しボタン12と連動する押し棒13に連繋される。そして、スイッチ部2の可動接点23bを開離方向に付勢するばね28のばね力を、操作部1押しボタンを押し上げる復帰用のばね14のばね力より小さくして、押しボタン12の押し込み操作を行う前に可動接点23bが固定接点22bから開離しないように各ばねのばね力のバランスを図っている。
【0023】
この押しボタンスイッチは、押しボタンが押し込まれていない復帰(初期)位置にある状態では、図41に示すように、スイッチ部2の可動枠25bが開離ばね28のばね力に抗して操作部1押し棒13により引き上げられ、可動接点23bは固定接点22bと接触し、オン状態を形成する。そして、押しボタン12を図42に示すように押し込み操作すると、押し棒13は、ロック機構18により押し込み位置に保持される。そして押し棒13の押し込みとともに可動枠25bが下方へ押し込まれ、可動接点23bが固定接点22bから開離し、オフ状態となる。
【0024】
また、操作部1とスイッチ部2との結合が外れて、スイッチ部2が操作部1から分離すると、可動枠25bが自由となるため、開離ばね28のばね力によりにより可動枠25bが可動接点23bを固定接点22bから開離する方向に押し下げて、スイッチ部2をオフ状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2001‐035302号公報
【特許文献2】特開2003‐303527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
このように特許文献1および2に示された従来の押しボタンスイッチによれば、操作部とスイッチ部が着脱自在に結合された押しボタンスイッチにおいて、スイッチ部が操作部から外れ離脱する事故が発生した際、開離用ばねにより、常閉接点構成の開閉接点ユニットの閉合した2つの接点の何れか一方を離間する方向に駆動して2つの接点を確実に開離させ、オフ状態にすることができる。
【0027】
しかしながら、従来の押しボタンスイッチにおけるスイッチ部が操作部から離脱したとき、常閉接構成の開閉接点ユニットの開閉接点を開離させてオフ状態にする機構は、両方の接点を共に可動にしたり、開離用ばねと操作部の復帰ばねとのばね力のバランスを図ったりする必要があるため、構成が複雑で製作が困難となる問題がある。
【0028】
この発明は、前記のような問題を解決するため、操作部とスイッチ部が着脱自在に結合された押しボタンスイッチにおいて、スイッチ部が操作部から離脱した際に、常閉接点構成の開閉接点ユニットの開閉接点が確実に開離されてオフ状態となり、構成が簡単で製作が容易な押しボタンスイッチを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記の課題を解決するため、この発明は、押し込み操作される押しボタンを有する操作部と、この操作部の押しボタンの押し込み操作に連動して開閉される開閉接点ユニットを備えたスイッチ部とを相互に着脱自在に結合してなる押しボタンスイッチにおいて、前記スイッチ部内に、回動可能に支持され一端がスイッチ部に結合された操作部の一部に作用し、他端がスイッチ部内の開閉接点ユニットの接点開閉機構に作用して接点の開閉を操作するレバーと、このレバーを一定の回転方向に付勢するばねとで構成した接点開離機構を設け、この接点開離機構により前記スイッチ部が操作部から分離されたときは前記開閉接点ユニットの接点開閉機構を可動接点が待機状態位置から操作状態位置方向へ移動させるように付勢し、前記スイッチ部が操作部に結合されたときは前記接点ユニットの接点開閉機構への前記付勢を解除することを特徴とするものである。
【0030】
この発明においては、前記接点開離機構におけるレバーは中間部に回動支点を有し、一端の付勢力が操作部側にそして他端の付勢力が接点部側に作用し、前記スイッチ部が操作部に結合されているときは前記操作部で前記レバーの付勢力を支持し、スイッチ部側への付勢力が作用しないようにすることができる。
【0031】
また、前記接点開離機構のレバーを一定の回転方向に付勢するばねとして、捩じりコイルばね,あるいは圧縮コイルばねを採用して構成することができる。
【0032】
また、この発明においては、操作部とスイッチ部が結合された状態で、操作部における押しボタンと連動する押し棒とスイッチ部の接点ユニットの開閉機構を構成する可動接点を支持する可動枠とは互いの対向端部を接触さることにより操作力の伝達を行うようにするのがよい。
【0033】
さらに、この発明においては、前記開閉接点ユニットが常開接点を備えるものである場合は、スイッチ部が操作部から分離したとき前記接点開離機構による接点ユニットの開閉機構が常開の接点を閉合する方向への付勢に伴う接点の移動量を可動接点が固定接点に接触しない量に制限するようにするのがよい。
【0034】
この発明においては、スイッチ部に設ける開閉接点ユニットは1個または複数個とし、各開閉接点ユニットに前記接点開離機構を設けるようにすることができる。
【0035】
また、スイッチ部に設ける開閉接点ユニットは、複数組の開閉接点と各組の開閉接点の可動接点を一括保持した共有の可動枠を備えた構成とし、この開閉接点ユニットに前記接点開離機構を連係して設けるようにすることもできる。
【0036】
さらにまた、この発明の押しボタンスイッチは、ベースとカバーに分割されたボックスに収容してボックス組込み型押しボタンスイッチを構築する際に、前記ベースに前記スイッチ部を固定し、前記カバーに前記操作部を取付け、カバーをベースに被せて一体に結合することにより前記操作部とスイッチ部とを結合することもできる。
【0037】
また、この発明の押しボタンスイッチは、前記ボックスに前記スイッチ部を収容する際に、スイッチ部を前記ベースに嵌め込んで所定の収容位置に仮保持した上で、カバーをベースに被せて一体に結合ことにより前記スイッチ部を前記カバーとベースとで上下から挟持固定するようにし、具体的には次記のような態様で構成することができる。
(1)前記スイッチ部の開閉接点ユニットに設けた引出し端子に一端を接続してボックスのベース上面側に引き出した端子ねじ付きの中継端子金具を設け、前記ボックスのカバーをベースに被せて一体に結合した状態で、前記中継端子金具をベースに形成した端子台と
カバーの内側に形成した押え込みリブとの間に挟み込んでスイッチ部を挟持固定するようにする。
(2)前記端子金具をボックスのベースに形成した端子台の溝に圧入して仮固定するようにする。
(3)前記ボックスのベース底部にスイッチ部の取付けフレームを設け、該取付けフレームにスイッチ部を嵌入してスナップフィット結合するようにする。
【発明の効果】
【0038】
この発明によれば、操作部とスイッチ部を着脱自在に結合してなる押しボタンスイッチにおいて、スイッチ部が操作部から離脱する事故が生じた場合、常閉接点を有する接点ユニットの常閉接点が自動的に開離されるので、スイッチ部の操作部から離脱する事故によって非常停止操作が解除される危険を防止することができ、押しボタンスイッチの安全性を高めることができる。
【0039】
この発明に使用する接点開離機構は、操作部の操作機構とは独立して構成されるので、操作部のばね系と関係なしに接点開離機構のばね系を設計、製作することができるので押しボタンスイッチの設計、製造が容易となる。
【0040】
ベースとカバーに分割構成されたボックスに押しボタンスイッチを収容して使用する場合、このケースのカバーとベースの締め付けが不十分で、カバーがベースから外れるような事故が発生した場合にもこれを検知し、常閉接点を開離させ、安全な状態にすることができる。
【0041】
さらに、この押しボタンスイッチをベースとカバーに分割された操作ボックス(オプション品)に組み込んで外部配線と接続するボックス組込み型の押しボタンスイッチを構築する場合に、この発明の組立構造によれば、制御盤パネルなどに装着して使用する前記構造の操作部およびスイッチ部を共用部品とし、そのスイッチ部の開閉接点ユニットに簡易な引出し端子部品を追加するだけで、スイッチ部をボックスのベースにねじ止め固定する面倒な作業を必要とせずに、ボックス内の所定位置に固定支持上で外部配線の接続作業も簡単な行うことができる。これによりユーザーへのサービス性,およびメンテナンス性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの外観を示すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図2】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図1(b)の切断線II-IIに沿う断面により示す図である。
【図3】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図1(b)の切断線III-IIIに沿う断面により示す図である。
【図4】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図1(b)の切断線IV-IVに沿う断面により示す図である。
【図5】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図1(b)の切断線V-Vに沿う断面により示す図である。
【図6】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図1(b)の切断線II-IIに沿う断面図である。
【図8】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図1(b)の切断線III-IIIに沿う断面図である。
【図9】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図1(b)の切断線IV-IVに沿う断面図である。
【図10】この発明の実施例1による押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図1(b)の切断線V-Vに沿う断面図である。
【図11】この発明に使用する接点開離機構を備えた開閉接点ユニットの外観を示す斜視図である。
【図12】この発明に使用する接点開離機構を備えた開閉接点ユニットを分解して示す斜視図である。
【図13】この発明に使用する接点開離機構を備えた常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニットの動作状態を図11における切断線a‐a線ないしc‐c線に沿う断面により示す図である。
【図14】この発明に使用する接点開離機構を備えた常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニットの動作状態を図11における切断線a‐a線ないしc‐c線に沿う断面により示す図である。
【図15】この発明の実施例2に使用する接点開離機構を備えた開閉接点ユニットの外観を示す斜視図である。
【図16】この発明の実施例2に使用する接点開離機構を備えた開閉接点ユニットを分解して示す斜視図である。
【図17】この発明の実施例2に使用する接点開離機構を備えた常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニットの動作状態を図15における切断線a‐a線ないしc‐c線に沿う断面により示す図である。
【図18】この発明の実施例3を示す斜視図である。
【図19】この発明の実施例4を示す斜視図である。
【図20】この発明の実施例4に使用するスイッチ部の一部切欠の斜視図である。
【図21】この発明の実施例4に使用するスイッチ部の主要部を分解して示す斜視図である。
【図22】この発明の実施例5によるボックス組込み型押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【図23】この発明の実施例5に使用する端子台を示すもので、(a)はその斜視図、(b)は(a)における切断線b-bに沿う断面図である。
【図24】この発明の実施例6によるボックス組込み型押しボタンスイッチの組立構造を表す側視断面図である。
【図25】この発明の実施例6の構造を示す分解図で、(a)は押しボタンスイッチの操作部をボックスのカバーに組み付けた状態の斜視図、(b)はスイッチ部組立体の斜視図、(c)は(b)のスイッチ部組立体をボックスのベースに収容した仮組立状態の斜視図である。
【図26】この発明の実施例6に使用するスイッチ部の詳細構造図で、(a)は引出し端子部の分解斜視図、(b)は(a)における中継端子金具の斜視図、(c)はスイッチ部をボックスのベースに収容した仮組立状態の断面図である。
【図27】この発明の実施例7によるボックス組込み型押しボタンスイッチの要部組立構造を示す分解図で、(a)はスイッチ部組立体の斜視図、(b)は(a)のスイッチ部組立体をボックスのベース内底部に掛止保持する取付けフレームの斜視図、(c)はボックスのベースの斜視図である。
【図28】従来の押しボタンスイッチの構成を示すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図29】従来の押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図28(b)の切断線XIX-XIXに沿う断面により示す図である。
【図30】従来の押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図28(b)の切断線XX-XXに沿う断面により示す図である。
【図31】従来の押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図28(b)の切断線XXI-XXIに沿う断面により示す図である。
【図32】従来の押しボタンスイッチの待機状態(a)および操作状態(b)を図28(b)の切断線XXII-XXIIに沿う断面により示す図である。
【図33】従来の押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態を示す斜視図である。
【図34】従来の押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図28(b)の切断線XIX-XIXに沿う断面図である。
【図35】従来の押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図28(b)の切断線XX-XXに沿う断面図である。
【図36】従来の押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図28(b)の切断線XXI-XXIに沿う断面図である。
【図37】従来の押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離した状態での図28(b)の切断線XXII-XXIIに沿う断面図である。
【図38】異なる従来の押しボタンスイッチの待機状態を示す縦断面図である、
【図39】異なる従来の押しボタンスイッチの操作状態を示す縦断面図である。
【図40】異なる従来の押しボタンスイッチの操作部から離脱した状態のスイッチ部を示す縦断面図である。
【図41】さらに異なる従来の押しボタンスイッチの待機状態を示す縦断面図である。
【図42】さらに異なる従来の押しボタンスイッチの操作状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
この発明の実施の形態を図に示す実施例について説明する。
【実施例1】
【0044】
図1ないし図14にこの発明の実施例1を示す。
【0045】
図1は、この発明の実施例1の押しボタンスイッチの外観を示す斜視図および平面図である。図2ないし図5は、この発明の動作状態を示すもので、それぞれ図1(b)におけるII−II線ないしV−V線で示す切断線の断面図であり、各図の(a)は押しボタンの押し込め前の待機状態を示し、(b)は押しボタンを押し込み位置まで押し込んだ操作状態を示す。
【0046】
図6は、この発明の押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部が分離された状態を示す斜視図である。また、図7ないし図10は、それぞれ図6に示す押しボタンスイッチを図1(b)に示す切断線と同じ切断位置で切断した断面図である。
【0047】
図11ないし図14は、この発明に使用するスイッチ部の開閉接点ユニットの構成例を示すもので、図11は接点ユニットの外観の構成を示す斜視図、接点ユニットの構成を分解して示す斜視図、図13は常開接点構成を有する開閉接点ユニットの動作状態を示すもので、(a1)、(a2)ないし(c1)、(c2)はそれぞれ図11におけるa−a線ないしc−c線の断面図、図14は常閉接点構成を有する開閉接点ユニットの動作状態を示すもので、(a1)、(a2)ないし(c1)、(c2)はそれぞれ図11におけるa−a線ないしc−c線の断面図である。
【0048】
これらの図に示すこの発明の実施例の押しボタンスイッチの主要な構成は、図28ないし図37に示す従来の押しボタンスイッチの構成と同じであるので、同一の構成部分については、同一の符号で示すとともに、簡略に説明し、異なる構成部分ついての説明を詳しく行う。
【0049】
この発明の押しボタンスイッチは、従来の押しボタンスイッチと同様に、図6に示すように分離構成された操作部ケース11に上下動可能に挿入支持された押しボタン12を備えた操作部1と、スイッチ部ケース21に常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aおよび常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bを収容して構成したスイッチ部2とを図1に示すように連結結合して使用される。
【0050】
このような押しボタンスイッチの押しボタン12が押し込み前の待機位置にある待機状態を図2ないし図5のそれぞれ(a)に示す。この状態では、スイッチ部2の開閉接点ユニット24aおよび24bのそれぞれの可動接点23aおよび23bの固着された可動接触子を27aおよび27bを支持する可動枠25aおよび25bが復帰ばね26aおよび26bにより押し上げられて先端が操作部1の押ボタン12に連繋されこれと連動する押し棒13の下端に当接される。この状態では図4(a)に示すように、常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aは、可動接点23aが固定接点22aから開離してオフ状態となっている。また、常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bは、図5(a)に示すように、可動接点23bが固定接点22bに閉合してオン状態となっている。
【0051】
ここで、押しボタン12を押し込み位置まで押し込むとこれに伴って押し棒13が下降し、ロック機構18により押し込み位置に保持される。押し棒13の下降により、スイッチ部2の開閉接点ユニット24aおよび24bの可動枠25aおよび25bが押し下げられるので、開閉接点ユニット24aでは、可動接点23aが固定接点22aに閉合してオン状態に、そして閉閉接点ユニット24bでは、可動接点23bが固定接点22bから開離してオフ状態になる。
【0052】
この押し込み状態において、押しボタン12を所定角度回転させてロック機構18による押し棒13のロックを解除すると押しボタン12および押し棒13が、捩じりコイルばねからなる復帰ばね14により押し上げられともに回転前の位置に戻され、初期の復帰位置に復帰されて待機状態となる。これによってスイッチ部2の開閉接点ユニット24aおよび24bの接点の開閉状態も初期の状態に復帰する。
【0053】
このような、操作部1の押しボタン12の押し込み操作および復帰操作により、スイッチ部2の開閉接点ユニット24a,24bの接点を開閉する動作は前記した従来の押しボタンスイッチと変わらない。
【0054】
この発明の押しボタンスイッチにおいては、断面を示す図2ないし図5から明らかなように、スイッチ部2の開閉接点ユニット24aおよび24b内に、それぞれ回動可能に構成されたレバー31とこのレバーを所定方向に付勢する開離ばね32とで構成された接点開離機構3が設けられている。これは、従来の押しボタンスイッチにはない機構である。
【0055】
この接点開離機構3を設けた開閉接点ユニット24の詳細な構成を図11ないし図14を参照して説明する。開閉接点ユニット24は、内部に納める開閉接点機構を選択することによって常開接点(a接点)構成にも常閉接点(b接点)構成にもすることができる。
【0056】
開閉接点ユニット24は、図12に示すようにユニット全体を支持するユニットフレーム24fと、これに納められる開閉接点機構24cおよび接点開離機構3とから構成される。
【0057】
ここで、前記の開閉接点機構24cは、内部に納めた固定接点22(図4、図5参照)から引き出された引出端子24tの設けられたケース24dに上下動可能に支持された可動枠25を備える。この可動枠25の側面に突出してばね受け片25cが設けられ、これによって下端がケース24dによって支持された復帰ばね26の上端の上方向へ作用する復帰ばね力を受ける。このため、可動枠25はこの復帰ばね26によって上方へ付勢される。可動枠25は、ここには図示されない可動接点23aまたは23bを有する可動接触子片27aまたは27bを支持している。そしてケース24d内には、前記可動接点23aまたは23bと対向して固定接点22aまたは22bが配設され、両方の接点が開閉接点対を構成する。この開閉接点対は、可動接点の種類を選択することにより図13(a1)に示すような常開接点(a接点)構成または図14(a1)に示すような常閉接点(b接点)構成の接点対とすることができる。
【0058】
接点開離機構3のレバー31は、平行する1対の回動アーム31a、31aとこの回動アーム31a、31aの先端間を連結する連結アーム31bとによりU字形に形成される。回動アーム31aの中間部に回動軸31cが形成され、連結アーム31bの中間部に下方に突出する押圧片31dが設けられている。このように構成されたレバー31は、外側に突出した回動軸31cをそれぞれ開閉接点機構24cのケース24dの上面に突出形成した軸受片24eの溝内に挿入することによりケース24dにより回動可能に支持される。回動アームの内側のもう1つの回動軸31gと開閉接点機構24cに設けられた支持軸24gとは捩じりコイルばね(トーションばね)よりなる開離ばね32を介して連結される。レバー31の押圧片31dは、開閉接点機構24cのケース24dの可動枠25のばね受け片25cの案内される溝24h内に挿入される。このため、押圧片31dは、レバー31の回動にしたがってばね受け片25cと接離可能となる。
【0059】
このような接点開離機構3の組み込まれた開閉接点機構24cは、その嵌合用凸条24pをユニットフレーム24fの嵌合用溝24qに嵌め込んでフレーム24fに装着し、図11に示すような開閉接点ユニット24を構成する。
【0060】
このように構成された開閉接点ユニット24を、常開接点構成の開閉接点ユニット24aまたは常閉接点構成の開閉接点ユニット24bとしてスイッチ部ケース21に組み込むことによりスイッチ部2が構成され、このスイッチ部2と操作部1とを連結結合して押しボタンスイッチが完成する。
【0061】
開閉接点ユニット24に組み込まれた接点開離機構3の開離ばね32は、一端が開閉接点機構のケース24dに固定され、他端がレバー31の回動アーム31aに固定されるため、レバー31は、この開離ばね32から常に反時計方向の付勢力を受ける。
【0062】
しかしながら、開閉接点ユニット24は、スイッチ部2を、押しボタン12を有する操作部1に連結したとき、図3によく示されているように、スイッチ部2内に挿入された操作部1のケース11の先端の胴体部11aの下端がレバー31の基端側(反連結アーム側)端部に当接し、開離ばね32の付勢力に抗してこれを僅かに押し下げるように構成されている。このため、スイッチ部2が操作部1に結合された状態では、レバー31は、その回動軸31cを支点にして時計方向へ回動される。これによりレバー31の先端側(連結アーム31b側)の押圧片31dが上方へ移動し、開閉接点機構の可動枠25のばね受け片25cから離間し、可動枠25への開離ばね32による付勢力が解除される。
【0063】
したがって、スイッチ部2が操作部1に連結、結合された完全な状態においては、常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aの開閉接点機構は、図13の(a1)ないし(c1)および図4(a)に示すように、可動接点23aが固定接点22aから離間し、オフ状態となる。また、常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bの開閉接点機構は、図14の(a1)ないし(c1)および図5(a)に示すように、可動接点23bが固定接点23bに閉合し、オン状態となる。
【0064】
ここで押しボタン12を押し込んで、操作状態にすると、これと連動する押し棒13により開閉接点ユニット24a、24bの可動枠25a、25bが押し下げられることにより、常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aは、図4(b)に示すよう可動接点23aが固定接点22aに閉合し、オン状態となり、そして常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bは、図5(b)に示すよう可動接点23bが固定接点22bから開離し、オフ状態となる。
【0065】
スイッチ部2が操作部1に完全に結合された状態では、接点開離機構3のレバー31は、開離ばね32の付勢力が操作部1の胴体部11aと接合するレバー31の基端側端部で受け止められるため、開離ばね32の付勢力はレバー31の先端側の押圧片31dから開閉接点機構の可動枠25へは伝達されない。このため、この状態での押しボタン12による開閉操作においては、接点開離機構3の開離ばね32のばね力の影響をまったく受けることがなく、操作を円滑に行うことができる。
【0066】
次に、このような押しボタンスイッチにおいて、何らかの原因により操作部1とスイッチ部2との結合が外れてスイッチ部2が操作部1から離脱して操作部1とスイッチ部2とが不完全な結合状態となった場合について説明する。
【0067】
スイッチ部2が操作部から外れると、それまでレバー31の基端側端部と接触しこれを押圧していた操作部ケース11の胴体部11aの先端がこれから離間するため、このレバー31の基端側端部に対する規制が解除され、これが自由な状態となる。
【0068】
この状態における常開接点(a接点)構成および常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24aおよび24bの状態をそれぞれ図13の(a2)ないし(c2)および図14の(a2)ないし(c2)に示す。
【0069】
これらの図から明らかなように、スイッチ部2が操作部1から外れると、操作部ケース11の胴体部11aの先端がレバー31の基端側端部から離れることにより自由となったレバー31は、開離ばね32の付勢力により反時計方向に回動される。レバー31の回動に伴ってその先端側端部の押圧片31dが下方へ移動し、開閉接点機構24cの可動枠25のばね受け片25cに当接してこれを押し下げるので、可動枠25が復帰ばね26に抗して下降し、これとともに可動接点を支持した可動接触子27a,27bも下降する。これにより、常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bの場合は、可動接点23bが固定接点22bから離間しオフ状態となる(図14(a2)、図10参照)。また、常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aの場合は、可動接点23aが下降し、固定接点22aに接近するが、レバー31による押し下げ量が閉合する位置に達しないように制限されていることにより、固定接点22aと閉合するまでに至らずオフ状態を維持する(図13(a2)、図9参照)。
【0070】
このように構成された特に常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニットを組み込んだスイッチ部を操作部に結合して構成した押しボタンスイッチは、機器の非常停止用押しボタンスイッチSとして使用した際、押しボタンを押しこみ操作して接点をオフにして非常停止を指令している状態で、スイッチ部2が操作部1から外れて離脱するような異常(結合不良)状態が生じると、接点開離機構3により閉合状態に戻される可動接点を強制的に固定接点から開離させてオフ状態にすることができるので、非常停止指令が解除される危険を防止することができる。
【0071】
なお、この実施例では、開閉接点ユニットとして、それぞれ1組の開閉接点を備えたものを示したが、この発明においては、これに限るものでなく、スイッチ部の開閉接点ユニットとして、複数組の開閉接点を有する開閉接点ユニットを使用することができ、その実施例を後述する。
【実施例2】
【0072】
次に、先記実施例1の開閉接点ユニット24(図11,図12参照)に設けた接点開離機構3について、そのレバー31に付設した開離ばね(捩じりコイルばね)32に代えて、圧縮コイルばねの開離ばねを採用した応用実施例を図15ないし図17で説明する。
【0073】
なお、図15は開閉接点ユニットの組立状態の外観を示す斜視図、図16は図15の分解斜視図、図17は開閉接点ユニットに搭載した常閉接点(b接点)構成の動作を表す図であり、図11,図12,図14に対応する部材には同じ符号を付している。
【0074】
すなわち、この実施例においては、前記レバー31の回動アーム31aに対して、その回転軸31cを挟んで連結アーム31bと反対側の端部31eと開閉接点機構24cのケース24dとの間には圧縮コイルばねの開離ばね33が介装されている。なお、この開離ばね33は前記ケース24dに形成した凹部24i(図16参照)に挿入して所定位置に保持している。
【0075】
上記構成により、レバー31は回転軸31を支点にして前記の開離ばね(圧縮コイルばね)33から常に反時計方向の付勢力を受けることになる。また、このスイッチ部2を操作部1に連結した状態では、先記の実施例1と同様にスイッチ部2内に挿入された操作部1のケース11の先端の胴体部11a(図3参照)の下端が前記レバー31の端部31eの上に当接し、開離ばね33の付勢力に抗してこれを僅かに押し下げる。したがって、スイッチ部2が操作部1に結合された状態では、レバー31は、その回動軸31cを支点にして時計方向へ回動される。これにより、レバー31の連結アーム31bに設けた押圧片31dが上方へ移動し、開閉接点機構24cに組み込んだ可動枠25のばね受け片25cから離間して可動枠25に作用する開離ばね33のばね付勢力が解除される。
【0076】
したがって、スイッチ部2が操作部1に結合された状態では、図17の(a1)ないし(c1)で示すよう常閉接点(b接点)構成の開閉接点機構24bでは、可動接点23bが固定接点23bに閉合してオン状態となる。
【0077】
ここで、操作部1の押しボタン12を押し込んで操作状態にすると、これと連動する押し棒13により開閉接点ユニットの可動枠25が押し下げられることにより、常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24では、図17の(a2)ないし(c2)で示すよう可動接点23bが固定接点22bから開離してオフ状態となる。
【0078】
すなわち、スイッチ部2が操作部1に完全に結合された状態では、接点開離機構3のレバー31は、開離ばね33の付勢力が操作部1の胴体部11a(図3参照)と接合するレバー31の端部で受け止められて反時計方向に回動するため、開離ばね(圧縮コイルばね)33の付勢力はレバー31の押圧片31dから開閉接点機構の可動枠25へは伝達されない。したがって、この状態での押しボタン12による開閉操作においては、先記の実施例1と同様に、接点開離機構3の開離ばね33のばね力の影響をまったく受けることがなしに操作を円滑に行うことができる。
【0079】
一方、何らかの原因により操作部1とスイッチ部2との結合が外れてスイッチ部2が離脱すると、それまでレバー31の基端側端部31eに接触しこれを押し込んでいた操作部ケース11の胴体部11aの先端が離間するため、レバー31に対する規制が解除されて自由な状態となる。その結果、図17の(a2)ないし(c2)で示すように常閉接点(b接点)構成での可動接点23bが固定接点22bから強制開離し、オフ状態となって先記実施例1と同様な安全機能を発揮することができる。
【0080】
加えて、レバー31の開離ばねとして圧縮コイルばねをレバー31の後端部31eと開閉接点機構のケース24dとの間に介装したことにより、レバー31の回転軸31cに捩じりコイルばねの開離ばねを付設した先記実施例1の構成と比べて開離ばねの組み付けが簡単となり、ロボットによる機械組立方式でも容易に対応できる。
【実施例3】
【0081】
次に図18に示すこの発明の実施例3について説明する。
【0082】
図18はこの実施例の外観を示す斜視図である。この実施例における操作部1に結合されたスイッチ部2は、4個の開閉接点ユニット24−1〜24−4を備える。各開閉接点ユニットは前記の実施例1に示した常開接点(a接点)構成の開閉接点ユニット24aまたは常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニット24bを選択的に用いるもので、相互に並列および直列に連結結合して共通のスイッチ部ケース21により支持されている。直列に2段に結合された開閉接点ユニットは、内部の可動接点を支持して、操作部1の内部の押し棒と連動する可動枠が相互に連動可能に連接されている。これにより、多数の開閉接点回路を操作できる押しボタンスイッチとすることができ、複数の非常停止指令が必要な場合等に使用することができる。なお、開閉接点ユニット24は2段以上の多段に連結することもできる。
【実施例4】
【0083】
次に、押しボタンスイッチの小形,コンパクト化を狙いに、スイッチ部の組立構造を改良した実施例4を図19ないし図21を参照して説明する。
【0084】
先記の実施例3では、スイッチ部2に各独立構造になる複数個の開閉接点ユニット24−1ないし24−4を組合せて設け、この開閉接点ユニットごとに接点開閉機構の可動枠25、および接点開離機構3を設けて操作部1と連係させたものを示したが、この実施例4においては、単体構造になる開閉接点ユニットに複数組の開閉接点(常開接点(a接点)ないし常閉接点(b接点)構成の接点対)を組み込むとともに、各組の開閉接点の可動接点を全て共有の可動枠に一括保持した構成とし、かつこの共有可動枠に接点開離機構を組合せて操作部と連係させるようにしている。
【0085】
すなわち、この実施例では、箱形のスイッチ部ケース21に対して、前後列に分けて片側に3組ずつ合計6組の開閉接点が組み込まれている。なお、図示構造では、スイッチ部ケース21の前列側に3組の常閉接点対(b接点)が、後列側には常開接点対(a接点)が左右に配列されている。ここで、各組の開閉接点は左右に並べてスイッチ部ケース21に嵌合保持した引出し端子24t付きの固定接触子22cのうち、隣り合う2本の固定接触子22cを対として、この固定接触子22cと直交する向きに橋絡型の可動接触子27aを配した組合せからなり、かつ各組の可動接触子27が共有の可動枠25から前後に突き出し形成した接触子ホルダ25−1に接触ばねと組合せて嵌入保持されている。
【0086】
また、前記の共有可動枠25は、その中央部位から上方に突き出した筒形の凸部をスイッチ部ケース21の上面に開口した嵌合穴21aに臨ませて配置されている。さらに、可動枠25の左右両側には、接点開離機構として2組のシーソー式レバー31が圧縮コイルばねの開離ばね33と組み合わせて配備されている。
【0087】
そして、スイッチ部2を操作部1に結合した状態(図19参照)では、操作部1の胴体部11aが上側からレバー31の端部31eに当接し、開離ばね33に抗して2組のレバー31の端部を同時に押し込む。これにより、レバー31は回転軸31cを支点に回動し、レバー31の押圧片31dが可動枠25の左右両端に突き出たばね受け片25cから離間して可動枠25に作用する開離ばね33のばね付勢力を解除する。その結果、可動枠25,および可動枠25に保持した各組の可動接触子22cが復帰ばね26のばね付勢力を受けて押し上げられて常閉の開閉接点(a接点)がオン,常開の開閉接点(b接点)がオフとなる。また、この状態から操作部1の押しボタン12を押込むと、押しボタン12に連繋した押棒が可動枠25を直接押し込んで各組の開閉接点が切り換わる。
【0088】
一方、操作部1とスイッチ部2との結合が外れてスイッチ部2が脱落した状態になると、レバー31は開離ばね33のばね付勢力を受けて揺動復帰し、先端の押圧片31dが可動枠のばね受け片25cを押し込む。これにより、可動枠25は復帰ばね26に抗して下降し、各組の開閉接点を全てオフに切り換える。この動作機能は先記の実施例1,2で述べたと同様である。
【0089】
つまり、操作部1にスイッチ部2を結合した状態で、押しボタン12が押されてないときは常閉接点(b接点)がオン,常開接点(a接点)がオフであり、押しボタン12を押し込むと常閉接点はオフ,常開接点はオンに切り換わる。また、操作部1とスイッチ部2との結合が不測に外れてスイッチ部が脱落した状態になると、図13,図14で述べたように常開接点,常閉接点は共にオフとなる。これにより、スイッチ部2に装備した複数組の開閉接点(常開接点,および常閉接点)のオン,オフ信号から操作部1とスイッチ部2の結合状態と脱落状態を識別して検知することができる。
【0090】
また、この実施例によるスイッチ部は、1個の開閉接点ユニットに複数組の開閉接点,および各組の開閉接点に共有な可動枠を搭載して構成したので、スイッチ部にそれぞれ独立した複数個の開閉接点ユニットを組合せて結合した先記実施例3と比べて、スイッチ部を小形,コンパクトに構成することができる。
【0091】
なお、図示実施例ではスイッチ部ケース21に対して、前列側に3組の常閉接点,後列側に3組の常開設定を配列しているが、開閉接点の設置組数、および常開,常閉接点の組合せはこれに限定されることなく自由に選択できる。
【実施例5】
【0092】
先記した実施例1〜4の押しボタンスイッチは、いずれも押しボタンの操作部を制御盤などのパネルに装着し、この操作部の背後にスイッチ部を連結して盤内の配線(リード線)と接続して使用している。一方、これとは別に、押しボタンスイッチの操作部とスイッチ部を独立した操作ボックスに組み込み、この操作ボックスを制御盤のパネル前面などに取り付けた上で、スイッチ部に接続した電線を操作ボックスから引き出して外部配線するようにしたボックス組込み型の押しボタンスイッチも知られている。
【0093】
このボックス押込み型の押しボタンスイッチは、ベースとカバーとの分割構造になる樹脂成形品の操作ボックス(この操作ボックスは、オプション品としてユーザーに提供される)に対して、操作部をボックスのカバーに取付け、スイッチ部の組立体をベース内部に組み込んだ上で、スイッチ部の端子に接続した外部配線をベースから側方に引き出すようにしている。
【0094】
次に、前記のボックス組込み型押しボタンスイッチに適用するこの発明の実施例5を図22および図23に示す。
【0095】
この実施例5においては、押しボタンスイッチの操作部1,およびスイッチ部2を樹脂成形品になる操作ボックス4に収容してボックス組込み型の押しボタンスイッチを構成している。ここで、操作ボックス4は、図22に示すように、カバー41とベース42に分割構成されている。カバー41とベース42とは、互いに重ね合わせて、カバー41に挿通した締め付けねじ41aをケース42のねじ穴42aにねじ込んで一体に結合される。
【0096】
カバー41には、押しボタンスイッチの押しボタン12を備えた操作部1が取り付けられる。ベース42には、スイッチ部2を取り付けるが、前記の実施例1で述べたスイッチ部2は、そのままでは取り付けることができないので、この実施例では端子台43を使用している。
【0097】
この端子台43は、ねじ穴42bにねじ込まれる取り付けねじ43aによりベース42に固定される。また、端子台43は、詳細を図23に示すように、四隅にねじ接続端子43dを設け、その中間部に開閉接点ユニット24を装着するための空所を備える。接続端子部には、図23(b)に示すように、ねじ接続端子43dに電気的に接続されたL字型の弾性導電板により構成された接触片43eが設けられている。この接触片43eは、端子台43に図22に示すように開閉接点ユニット24が装着されると、その引き出し端子24t(図11参照)に接触して開閉接点ユニット24の引き出し端子24tをねじ接続端子43dに導電接続する。なお、外部接続する電線はカバー41を外した状態でベース42に側壁に開口したリードホール42cを通してベース内に引き回した上で、前記のねじ接続端子43に接続する。
【0098】
また、ここで使用する開閉接点ユニット24は、実施例1に示したスイッチ部2に使用された開閉接点ユニット24をそのまま使用できる。端子台43に装着された開閉接点ユニット24は、その側面に設けた嵌合凹所24vに端子台43の側面に設けた係合フック43fを係合することにより端子台43に固定される。この実施例では、開閉接点ユニット24が2個装着可能に構成されているが、2個以上装着の構成にすることもできる。また、先記の実施例4で述べたように1個の開閉接点ユニットに複数組の開閉接点を備えた開閉接点ユニットを採用することもできる。
【0099】
予め所要数の開閉接点ユニット24を端子台43に装着して構成したスイッチ部2を操作ボックス4のベース42内に取付け固定し、このベース42に操作部1を取り付けたカバー41を被せて、これを締め付けねじ41aによりベース42に締め付け結合することにより操作ボックス4が完成する。カバー41をベース42に被せて結合した際に押しボタンスイッチの操作部1とスイッチ部2との結合も行われる。
【0100】
このため、操作ボックス4のカバー41とベース2の締め付け不十分な場合や、非常停止操作状態にも拘らず、メンテナンスなどのために、不用意にカバー41を外した場合には、押しボタンスイッチの操作部1とスイッチ部2との結合が不完全な状態となる。このように押しボタンスイッチの操作部1とスイッチ部2との結合が不完全な常態になると、スイッチ部2内の開閉接点ユニット24には、実施例1の場合と同様に接点開離機構3が設けられているので、この接点開離機構3が、操作部1とスイッチ部2の結合不良を検知し、常閉接点(b接点)構成の開閉接点ユニットの常時閉合されている接点を強制的に開離させることができる。したがって、この操作ボックスに収めた押しボタンスイッチを非常停止用スイッチとして使用した場合、スイッチ部が操作部から外れるような事故が生じても、不用意に非常停止指令が解除されることがないので、安全性を確保できる。
【実施例6】
【0101】
次に、先記実施例5のボックス組込み型押しボタンスイッチの組立構造をさらに改良したこの発明による実施例6を図24〜図26に示す。
【0102】
すなわち、先記実施例5(図22,図23参照)の構成では、操作ボックス4のベース42に独立部品になる端子台43を設置し、この端子台43を取り付けねじ43aでベース42の底部にねじ止めしている。また、この端子台43には外部配線の接続用ねじ接続端子43d,および開閉接点ユニット24の引出し端子24tと電気的に接続する接触片43eを設けた上で、スイッチ部2の組立体を端子台43の中間空所に嵌合して固定するようにしている。このために、実施例5の組立構造ではスイッチ部2を操作ボックス4に組み込むのに用いる端子台43の構造が複雑化し、その部品点数,組立工数が多くなる課題が残る。
【0103】
そこで、この課題を改良したのがこの実施例6であり、この実施例では実施例5でベース42に取付けた別部品の端子台43(図22参照)使わずに、スイッチ部2の組立体を操作ボックス4に組み込んだ上で、操作ボックス4に引き込んだ外部配線をスイッチ部2の端子に接続するようにしている。なお、この実施例では先記実施例1と同様に2個の開閉接点ユニット24を組み合わせてスイッチ部2を構成している。
【0104】
すなわち、この実施例6においては、操作ボックス4のベース42の内部にスイッチ部2の組立体を落し込み式に嵌合する凹状の空所を画成するとともに、この空所を挟んでその左右両側には後記の中継端子金具を担持する端子台部42dが一体に成形されている。また、スイッチ部2の組立体を構築する開閉接点ユニット24には、そのユニット下面側に配した引出し端子24tに一端を接続して他端をベース42の上面側に引き出したZ字状の中継端子金具44(図26参照)を取付け、この中継端子金具44の先端には外部配線接続用の端子ねじ45を螺設している。なお、この中継端子金具44は銅板をプレス加工して打ち抜き、その両端をL形に屈曲してZ形状に成形したもので、44aは前記端子ねじ45を螺合するねじ穴、44bは開閉接点ユニット24の引出し端子24t(端子ねじ)を通すねじ通し穴である。
【0105】
そして、前記の中継端子金具44を図示のように開閉接点ユニット42に組み付けた状態で、スイッチ部2の組立体を操作ボックス4のベース42の中央に上方から落し込んで嵌め込むと、中継端子金具44の先端部がベース42の内部に形成した端子台42dの上に担持されてスイッチ部2がベース内の所定位置に仮保持されるようになる(図26(c)参照)。一方、操作ボックス4のカバー41には、先記実施例5と同様に押しボタン12を備えた操作部1を取付けておく。また、この実施例では、カバー41の内側にベース42の端子台42dと対向するように壁状の押え込みリブ41bを一体に成形しておく。
【0106】
上記の仮組立状態で操作ボックス4のベース42にカバー41を被せ、カバー41に挿通した締め付けねじ41aをケース42のねじ穴42aにねじ込んで一体に結合すると、図24で表すように前記中継端子金具44の上端部がベース42の端子台42dとカバー41の押え込みリブ41bとの間に上下から挟み込まれてこの位置に挟持固定される。同時に操作部1とスイッチ部2とが結合状態にセットされてボックス組込み型押しボタンスイッチが完成する。また、この押しボタンスイッチに電線を外部配線するには、実施例5と同様にカバー41を外した状態で、ベース42の側壁に開口したリードホール42c通して電線をベース内に引き込んで前記の端子ねじ45に接続する。この場合に、端子ねじ45はベース42の上面側に配置されているので配線作業を簡単に行うことができる。
【0107】
上記した実施例6の構成により、先記実施例5で述べたように操作ボックス4のベース42側に独立部品の端子台43(図22参照)を追加設置することなしに、盤パネルに取付けて使用する先記の実施例1の押しボタンスイッチと同じ構造の操作部1,およびスイッチ部2の開閉接点ユニット24を共用部品として、ねじレス方式で操作ボックス4の中に組み込むことができて部品点数,組立工数の削減化が図れる。したがって、例えばユーザーサイドで既存の操作部,スイッチ部を利用し、これに新たに購入して操作ボックス(オプション品)を組み合わせてボックス組込み型押しボタンスイッチを構築する場合でも、簡単な作業で対応できる。
【0108】
また、この実施例では、操作ボックス4のベース42にスイッチ部2を組み込む際の組立作業の便宜性を高めるために、次記のような構造を採用している。すなわち、前記した中継端子金具44の立ち上り部分にはその左右側縁に鋸歯状の係合突起44c(図26(b)参照)を形成しておくとともに、ベース42の端子台42dには前記係合突起44cを圧入する縦溝を形成しておく。これにより、スイッチ部2の組立体を操作ボックス2のベース42に組み込む際に、中継端子金具4の係合突起44cを端子台42dの溝に圧入することで、スイッチ部2を簡単に仮組立位置に掛止保持させることができる。
【0109】
そのほか、この実施例5の押しボタンスイッチでは、開閉接点ユニット24を2個使用してスイッチ部2を構成しているが、2個以上の開閉接点ユニット24を組み合わせて構成にすることもできる。また、先記の実施例4で述べたように、1個の開閉接点ユニットに複数組の開閉接点を備えた開閉接点ユニットを採用することもできる。そのほか、スイッチ部2の開閉接点ユニット24には先記の実施例1で述べた接点開離機構3が装備されているので、このボックス組込み型押しボタンスイッチを非常停止用スイッチとして使用する場合に、操作ボックス4のカバー42が不測に緩んだり,外れたりして操作部1とスイッチ部2との結合が外れるような事態が生じても、不用意に非常停止指令が解除されることがないので高い安全性を確保できる。
【0110】
なお、前記の接点開離機構3について、先記の実施例1では接点開離機構3がスイッチ部2の内部に組み込まれているが、スイッチ部2を操作ボックス4に収容したボックス組込み型押しボタンスイッチでは、操作ボックス4の内部空間を利用して接点開離機構をスイッチ部2の外側に設けて構成することも可能である。
【実施例7】
【0111】
次に、先記実施例5の構造一部を変更したこの発明の実施例7を図27(a)〜(c)に示す。
【0112】
先記実施例6ではスイッチ部2の開閉接点ユニット24に付設した中継端子金具44に係合突起44cを形成しておき、スイッチ部2を操作ボックス4のベース4に組み込む際にこの係合突起44cをベースの端子台42dの溝に圧入して開閉接点ユニット24を仮組立位置に掛止保持するようにしている。これに対して、実施例7ではベース42の底部に簡易な構造のスイッチ部取付けフレーム(樹脂成形品)46を設置し、この取付けフレーム46に嵌め込んだ各個の開閉接点ユニット24を取付けフレーム46にスナップフィット結合して組立位置に掛止固定するようにしている。
【0113】
すなわち、先記の実施例1(図1参照)、および実施例5(図22参照)で示すように、スイッチ部2の開閉接点ユニット24には、その外枠の左右側面に掛止用の嵌合凹所24vを備えている。そこで、この実施例においては、図27(b)で示すように取付けフレーム46にねじ座46aを形成し、ここに挿通した取付けねじ46bを介してベース42の底部中央に固定するようにしている。また、取付けフレーム46を挟んでベース42の内部には、先記実施例5と同様に開閉接点ユニット24に付設した中継端子金具44の先端部を支える端子台42dが一体に形成されている。なお、42d−1は中継端子金具44を嵌入する縦溝である。そして、この取付けフレーム46の左右側縁には、開閉接点ユニット24に設けた嵌合凹所24v(図27(a)参照)に対応する係合突起46cを形成している。
【0114】
上記の構成で、スイッチ部2の組立体を上方から前記取付けフレーム46に押し込むと、各個の開閉接点ユニット24に設けた掛止用嵌合凹所24vが取付けフレーム46の係合突起46cに嵌まり合って両者の間がスナップフィット結合されて、スイッチ部2が所定位置に掛止固定される。しかも、前記取付けフレーム46は先記実施例5の端子台43に比べて構造が簡単で、安価に製作できる。
【符号の説明】
【0115】
1:押しボタンスイッチの操作部
11:操作部ケース
12:押しボタン
13:押し棒
2:押しボタンスイッチのスイッチ部
21:スイッチ部ケース
24、24a、24b:開閉接点ユニット
3:接点開離機構
31:レバー
32:開離ばね(捩じりコイルばね)
33:開離ばね(圧縮コイルばね)
4:操作ボックス
41:カバー
42:ベース
44:中継端子金具
45:端子ねじ
46:スイッチ部取付けフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押し込み操作される押しボタンを有する操作部と、この操作部の押しボタンの押し込み操作に連動して開閉される開閉接点ユニットを備えたスイッチ部とを相互に分離可能に結合してなる押しボタンスイッチにおいて、前記スイッチ部内に、回動可能に支持され一端がスイッチ部に結合された操作部の一部に作用し、他端がスイッチ部内の開閉接点ユニットの接点開閉機構に作用して接点の開閉を操作するレバーと、このレバーを一定の回転方向に付勢するばねとで構成した接点開離機構を設け、この接点開離機構により前記スイッチ部が操作部から分離されたときは前記開閉接点ユニットの接点開閉機構を可動接点が待機状態位置から操作状態位置方向へ移動させるように付勢し、前記スイッチ部が操作部に結合されたときは前記接点ユニットの接点開閉機構への前記付勢を解除することを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のものにおいては、前記接点開離機構におけるレバーは中間部に回動支点を有し、一端の付勢力が操作部側にそして他端の付勢力が接点部側に作用し、前記スイッチ部が操作部に結合されているときは前記操作部で前記レバーの付勢力を支持し、スイッチ部側への付勢力が作用しないようにすることを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のものにおいては、前記接点開離機構のレバーを一定の回転方向に付勢するばねが捩じりコイルばねであることを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のものにおいては、前記接点開離機構のレバーを一定の回転方向に付勢するばねが圧縮コイルばねであることを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項5】
請求項1または2に記載のものにおいては、操作部とスイッチ部が結合された状態で、操作部における押しボタンと連動する押し棒とスイッチ部の接点ユニットの開閉機構を構成する可動接点を支持する可動枠とは互いの対向端部を接触させることにより操作力の伝達を行うようにしたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1項に記載のものにおいては、前記開閉接点ユニットが常開接点を備えるものである場合は、スイッチ部が操作部から分離したとき前記接点開離機構による接点ユニットの開閉機構が常開の接点を閉合する方向への付勢に伴う接点の移動量を可動接点が固定接点に接触しない量に制限するようにしたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1項に記載のものにおいては、スイッチ部に設ける開閉接点ユニットは1個または複数個とし、各開閉接点ユニットに前記接点開離機構を設けたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項8】
請求項1ないし6の何れか1項に記載のものにおいては、スイッチ部に設ける開閉接点ユニットは複数組の開閉接点と各組の開閉接点の可動接点を一括保持した共有の可動枠を備えた構成とし、該可動枠に前記接点開離機構を設けたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか1項に記載の押しボタンスイッチを、ベースとカバーに分割されたボックスに収容する際に、前記ベースに前記スイッチ部を固定し、前記カバーに前記操作部を取付け、カバーをベースに被せて一体に結合することにより前記操作部とスイッチ部とを結合するようにしたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項10】
請求項1ないし8の何れか1項に記載の押しボタンスイッチを、ベースとカバーに分割されたボックスに収容してボックス組込み型の押しボタンスイッチを構築する際に、前記カバーに前記操作部を取付け、前記ベースには前記スイッチ部を嵌め込んで所定の収容位置に仮保持した上で、カバーをベースに被せて一体に結合ことにより、前記操作部とスイッチ部とを結合するとともに、スイッチ部を前記カバーとベースとで上下から挟持固定するようにしたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項11】
請求項10に記載のものにおいては、スイッチ部の開閉接点ユニットに設けた引出し端子に一端を接続してボックスのベース上面側に引き出した端子ねじ付きの中継端子金具を設け、前記ボックスのカバーをベースに被せて一体に結合した状態で、前記中継端子金具をベースに形成した端子台とカバーの内側に形成した押え込みリブとの間に挟み込んでスイッチ部を挟持固定するようにしたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項12】
請求項11に記載のものにおいては、端子金具をボックスのベースに形成した端子台の溝に圧入して仮固定するようにしたことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項13】
請求項10に記載のものにおいては、ボックスのベース底部にスイッチ部の取付けフレームを設け、該取付けフレームにスイッチ部を嵌入してスナップフィット結合したことを特徴とする押しボタンスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2010−232157(P2010−232157A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198859(P2009−198859)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(508296738)富士電機機器制御株式会社 (299)
【出願人】(390021186)株式会社秩父富士 (54)
【Fターム(参考)】