説明

押圧操作装置

【課題】 本発明は、防水効果を高めることが可能な押圧操作装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ケース1の上面側を覆う前面板5と、ケース1内に収納される回路基板2と、この回路基板2上に取り付けられる押釦スイッチ4と、この押釦スイッチ4と対向して前面板5箇所に設けられる装着孔部7と、この装着孔部7に挿通され回路基板2上の押釦スイッチ4に伝達する操作軸部9を備えた柔軟性を有する押釦操作部材8と、押釦操作部材8の押圧操作側である操作軸部9の周縁から一体に設けられた第1のフランジ部10と、第1のフランジ部10より押釦スイッチ4側である操作軸部9の周縁から一体に設けられた第2のフランジ部11と、第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所を前面板5に押し付けて挟持する抑え部材12と、からなることを特徴とする押圧操作装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械などの特殊車輌や水上バイク,スノーモービル,船舶、あるいはオートバイなどの計器装置などに装備され、計器装置のケースなどに設けられた押釦操作部材を指先にて押し圧操作することによって機器を操作するようにした押圧操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の押圧操作装置として、たとえば特許文献1などが知られている。この場合、図7に示すように、ケースa内の回路基板b上に組み付けられた押釦スイッチcたとえば時計のリセット時や時間調整時に押圧操作される押釦スイッチcが配設され、この押釦スイッチcと対峙するようにケースaたとえば前面パネルaに操作孔dを形成し、この操作孔dに弾性変形可能なたとえばゴム製の防塵部材からなる押圧操作部材eを配置して前記押釦スイッチcを押圧操作可能に構成している。この押圧操作部材eには前面パネルaの操作孔dに対して水密に保つためのフランジ部fが形成され、このフランジ部fと前面パネルaの裏面側との間を接着剤gにて塗布することによって密封するようにしている。
【0003】
ところで、前記押圧操作装置は、使用条件によっては雨水などに晒される箇所に設置されることもあり、時として、前面パネルaの操作孔dと押圧操作部材eのフランジ部fとの間に塗布した接着剤gが剥離することがあり、前面パネルaの操作孔dと防塵部材である押圧操作部材eとの間にて水密に保てなくなることがある。
【0004】
この点を考慮するものとして、たとえば特許文献2などが知られている。この場合、図8に示すように、前面パネルaと、この前面パネルaの背面側に配置される環状の抑え部材である下部パネルhとの間に押圧操作部材eに設けたフランジ部fの周縁部箇所を挟み込むことによって密封保持するようにしている。従って、前面パネルaと下部パネルhとの間に押圧操作部材eに設けたフランジ部fの周縁部箇所が密着挟持されているため雨水などの液体が浸入することを防ぐことができるとともに、フランジ部fの周縁部箇所を挟み付けて密封保持するようにしているため組み付け作業性も簡易化されるというメリットもある。
【特許文献1】実開平7−41895号公報
【特許文献2】実公平4−33614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1や特許文献2などからなるこの種の押圧操作装置にあっては、ゴム製のフランジ部fが直接外部側に晒されているため徐々に劣化して亀裂が入ってしまうことがある。一旦、フランジ部f箇所に亀裂が生じてしまうと水密状態を保つことができなくなってしまい、雨水などの液体が浸入してしまうという虞があり、この場合にあっては防塵・防水用の合成ゴムからなる押圧操作部材eの部品交換を行う必要がある。
【0006】
本発明は前述した問題点に着目し、防水効果を高めることが可能な押圧操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前述した課題を解決するため、請求項1では、ケースと、このケースの上面側を覆う前面板と、前記ケース内に収納される回路基板と、この回路基板上に取り付けられる押釦スイッチと、この押釦スイッチと対向して前記前面板箇所に設けられる装着孔部と、この装着孔部に挿通され前記回路基板上の前記押釦スイッチに伝達する操作軸部を備えた柔軟性を有する押釦操作部材と、前記押釦操作部材の押圧操作側である前記操作軸部の周縁から一体に設けられた第1のフランジ部と、前記第1のフランジ部より前記押釦スイッチ側である前記操作軸部の周縁から一体に設けられた第2のフランジ部と、前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所を前記前面板に押し付けて挟持する抑え部材と、からなることを特徴とする押圧操作装置である。
【0008】
このように構成することにより、雨水などが晒されるという厳しい環境条件化にあったとしても、外部に晒されやすい第1のフランジ部(第1の障壁部)にクラックが生じたとしても、第2のフランジ部(第2の障壁部)が設けられているため、ケース内に雨水などの液体が浸入することを防ぐことができるものであり、第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所が抑え部材を介して前面板との間にて水密状態を保ちながら挟着保持することによって簡単に組み付け保持されるものであり、組み付け作業効率を維持しつつ、耐防水性の効果を従来に比して高めることが可能となる。
【0009】
また請求項2では、請求項1に記載の押圧操作装置において、前記第1のフランジ部と前記第2のフランジ部とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部箇所の外周を取り巻くように、環状からなる押圧規整部を配設してなることを特徴とするものである。
【0010】
このように構成することにより、第1のフランジ部と第2のフランジ部とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部箇所の圧縮度合いを環状からなる押圧規整部によって設定することができ、防水効果を良好に保つことが可能となる。
【0011】
また請求項3では、請求項2に記載の押圧操作装置において、前記押圧規整部は、前記前面板または前記抑え部材の少なくとも一方に設けてなることを特徴とするものである。
【0012】
このように構成することにより、第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所を抑え部材によって前面板に挟着保持すると同時に、押圧規整部によって所定の圧縮度合いを設定することができ、防水性を維持することができる。
【0013】
また請求項4では、請求項1から請求項3のいずれかに記載の押圧操作装置において、前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部を挟持する前記前面板箇所および前記抑え部材箇所とにそれぞれ環状突部を設けてなることを特徴とするものである。
【0014】
このように構成することにより、各フランジ部の外郭周縁挟着部箇所に環状突部が部分的に食い込んで押圧するため、さらなる耐防水性の効果を期待することができる。
【0015】
また請求項5では、請求項1から請求項3のいずれかに記載の押圧操作装置において、前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所にそれぞれ環状リブを設けてなることを特徴とするものである。
【0016】
このように構成することにより、環状リブによって圧縮状態を部分的に高めることが可能となり、密封性を良好に保つことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、ケースと、このケースの上面側を覆う前面板と、前記ケース内に収納される回路基板と、この回路基板上に取り付けられる押釦スイッチと、この押釦スイッチと対向して前記前面板箇所に設けられる装着孔部と、この装着孔部に挿通され前記回路基板上の前記押釦スイッチに伝達する操作軸部を備えた柔軟性を有する押釦操作部材と、前記押釦操作部材の押圧操作側である前記操作軸部の周縁から一体に設けられた第1のフランジ部と、前記第1のフランジ部より前記押釦スイッチ側である前記操作軸部の周縁から一体に設けられた第2のフランジ部と、前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所を前記前面板に押し付けて水密に挟持する抑え部材と、からなることを特徴とする押圧操作装置であるため、雨水などが晒されるという厳しい環境条件化にあったとしても、外部に晒されやすい第1のフランジ部(第1の障壁部)にクラックが生じたとしても、第2のフランジ部(第2の障壁部)が設けられているために、ケース内に雨水などの液体が浸入することを防ぐことができるものであり、第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所を抑え部材を介して前面板との間にて水密状態を保ちながら挟着保持することによって簡単に組み付け保持することができ、組み付け作業効率を維持しつつ、耐防水性の効果を高めることが可能となるものであり、これにより初期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の対象とする押圧操作装置として、外部雰囲気に晒されるオートバイ用の計器装置などにおいて、計器装置のメータケース内に組み付けられる表示器、たとえば時計や走行距離を表示するオドメータ、トリップメータなどの表示器の表示状態である時計の表示修正やオド・トリップなどの切り換え表示などを行う押圧操作装置を例にして詳述する。以下本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1から図4は本発明の第1実施形態を示すもので、オートバイのメータなどを収容するケース1内に回路基板2が配設され、この回路基板2に液晶などからなる表示器3や図示しない回路部品などが組み付けられており、この回路基板2にはさらに前記表示器3の表示切り替え、表示器3の表示値の修正などを行う押釦スイッチ4が組み付けられている。
【0019】
また、合成樹脂製のケース1の上面側を覆って合成樹脂からなる上ケースを兼ねた前面板5が設けられており、この前面板5には、前記表示器3などを視認するために透明な樹脂板からなるカバーガラス6がインサート成型などの手段によって一体成形されて設けられているとともに、前記押釦スイッチ4と対向する不透光性の前面板5箇所には開口部(装着孔部)7が設けられている。
【0020】
また、前記前面板5の開口部7には合成ゴムなどの弾性部材からなる押釦操作部材8が設けられており、押釦操作部材8を押圧操作することによって回路基板2上に取り付け固定された前記押釦スイッチ4が押釦操作部材8に備え付けられた操作軸部9を介して押圧作動されるように形成されている。
【0021】
この場合、前記押釦操作部材8には、前記押釦スイッチ4を押圧作動するための前記操作軸部9が設けられるとともに、この操作軸部9の周縁から一体に取付固定のための第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とがそれぞれ設けられている。前記第1のフランジ部10は、前記押釦操作部材8の押圧操作側である前記操作軸部9の周縁から一体に設けられており、また第2のフランジ部11は、前記第1のフランジ部10より押釦スイッチ4側に位置して所定の間隔を隔てて前記操作軸部9の周縁から一体に設けられている。
【0022】
また前記押釦操作部材8の背後側に位置して、合成樹脂材料からなる抑え部材12が配設されており、この抑え部材12は前記操作軸部9を挿通可能とし、かつ押さえ部材12の外周部分にて前記第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所を前記前面板5に押し付けて水密に挟持するように構成しており、加えて押釦操作部材8の背後側に位置するように抑え部材12を配設することによって押釦操作部材8の押動ストロークが設定されるものであり、押釦スイッチ4へ加わりやすい過大な負荷を軽減することができるように設けられている。
【0023】
また、前記押釦操作部材8の操作軸部9の周縁から一体に設けられた第1のフランジ部10と第2のフランジ部11との外郭周縁挟着部10A,11A箇所を同時に前面板5と抑え部材12との間に挟み付けて保持することにより、押釦操作部材8が前面板5側に確実に固定保持されるものであり、この第1の実施形態では前面板5の開口部7位置に押釦操作部材8をセットし、次いで抑え部材12を宛ってその抑え部材12と前面板5とを超音波溶着によって固定保持すると同時に、押釦操作部材8の各フランジ部10,11に設けられた外郭周縁挟着部10A,11A箇所が前面板5と抑え部材12との間に水密状態を保ちながら挟着保持される。
【0024】
この際、前記第1のフランジ部10と前記第2のフランジ部11とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部10A、11A箇所の外周を取り巻くように、環状からなる押圧規整部13を前面板5から一体に配設し、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持されるそれぞれの外郭周縁挟着部10A,11A箇所の圧縮度合いを環状からなる押圧規整部13の高さ寸法を設定することによって防水効果が良好に保つように設けている。
【0025】
また前記第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11Aを挟持する前記前面板5箇所および前記抑え部材12箇所とにそれぞれ環状突部14,15を設けている。
【0026】
このように構成された第1の実施形態における押圧操作装置においては、押釦操作部材8の操作軸部9を押圧操作することによって、回路基板2上に取り付け固定された押釦スイッチ4が押釦操作部材8に備え付けられた操作軸部9を介して押圧作動され、たとえば時計や走行距離を表示するオドメータ、トリップメータなどの表示器3の表示状態である時計の表示修正やオド・トリップなどの切り換え表示が行われる。
【0027】
また上述した構成からなる第1の実施形態による押圧操作装置にあっては、押釦操作部材8の操作軸部9の周縁から一体に設けられた第1のフランジ部10と第2のフランジ部11との外郭周縁挟着部10A,11A箇所を同時に前面板5と抑え部材12との間に挟み付けて保持することにより、押釦操作部材8が前面板5側に簡単にかつ確実に固定保持することができるものであり、この固定保持と同時に、押釦操作部材8の各フランジ部10,11に設けられた外郭周縁挟着部10A,11A箇所が前面板5と抑え部材12との間に水密状態を保ちながら挟着保持される。
【0028】
この際、雨水などが晒されるという厳しい環境条件化にあったとしても、外部に晒されやすい前面板5側に配設される第1の障壁部である第1のフランジ部10にクラック(亀裂)が生じたとしても、第2の障壁部となる第2のフランジ部11が設けられているため、ケース1内に雨水などの液体が浸入することを未然に防ぐことができるものであり、耐防水性の効果を従来に比して高めることが可能となる。
【0029】
また、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部10A、11A箇所の外周を取り巻くように、環状からなる押圧規整部13を前面板5から一体に配設してなることにより、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持されるそれぞれの外郭周縁挟着部10A,11A箇所の圧縮度合いを環状からなる押圧規整部13の高さ寸法を設定することによって簡単に設定することができ、防水効果を良好に保つことができる。この場合、押釦操作部材8の材料や硬さあるいは各フランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所の幅寸法や高さ寸法などによって圧縮度合いを設定すればよいものである。
【0030】
また第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11Aを挟持する前面板5箇所および抑え部材12箇所とにそれぞれ環状突部14,15を設けてなることにより、各フランジ部10,11の上下に面した外郭周縁挟着部10A,11A箇所に環状突部14,15が部分的に食い込んで押圧するため、水密状態を良好に保つことができ、さらなる耐防水性の効果を期待することができる。
【0031】
また、図5および図6は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、図5は、計器装置における押圧操作装置を示す要部の断面図であり、図6は、図5の分解状態を示す要部の断面図である。
【0032】
ここでは、前述した第1の実施形態と同様にして、オートバイのメータなどを収容するケース1内に回路基板2が配設され、この回路基板2に液晶などからなる表示器3や図示しない回路部品などが組み付けられており、この回路基板2にはさらに前記表示器3の表示切り替え、表示器3の表示値の修正などを行う押釦スイッチ4が組み付けられている。
【0033】
また、合成樹脂製のケース1の上面側を覆って合成樹脂からなる上ケースを兼ねた前面板5が設けられており、この前面板5には、前記表示器3などを視認するために透明な樹脂板からなるカバーガラス6がインサート成型などの手段によって一体成形されており、前記押釦スイッチ4と対向する不透光性の前面板5箇所には後述する押釦操作部材8を組み付け保持するための装着孔部である開口部7が設けられている。
【0034】
また、前記前面板5の開口部7には合成ゴムなどの弾性部材からなる押釦操作部材8が設けられており、押釦操作部材8を押圧操作することによって回路基板2上に取り付け固定された前記押釦スイッチ4が押釦操作部材8に備え付けられた操作軸部9を介して押圧作動されるように形成されている。
【0035】
この場合、前記押釦操作部材8には、前記押釦スイッチ4を押圧作動するための前記操作軸部9が設けられるとともに、前述した第1の実施形態と同様にして操作軸部9の周縁から一体に取付固定のための第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とがそれぞれ設けられている。前記第1のフランジ部10は、前記押釦操作部材8の押圧操作側である前記操作軸部9の周縁から一体に設けられており、また第2のフランジ部11は、前記第1のフランジ部10より押釦スイッチ4側に位置して所定の間隔を隔てて前記操作軸部9の周縁から一体に設けられている。
【0036】
また前記押釦操作部材8の背後側に位置して、合成樹脂材料からなる抑え部材12が配設されており、この抑え部材12は前記操作軸部9を挿通可能とし、かつ押さえ部材12の外周部分にて前記第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所を前記前面板5に押し付けて水密に挟持するように構成しており、加えて押釦操作部材8の背後側に位置するように抑え部材12を配設することによって押釦操作部材8の押動ストロークが設定されるものであり、押釦スイッチ4へ加わりやすい過大な負荷を軽減することができるように設けられている。
【0037】
また、前記第1のフランジ部10と前記第2のフランジ部11とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部10A、11A箇所の外周を取り巻くように、環状からなる押圧規整部13A、13Bが前面板5と抑え部材12とに一体に設けられ、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持されるそれぞれの外郭周縁挟着部10A,11A箇所の圧縮度合いを環状からなる押圧規整部13A,13Bの高さ寸法を設定することによって防水効果を良好に保つことができるように設けている。
【0038】
また、この第2の実施形態にあっては、前記第1のフランジ部10の外郭周縁挟着部10A箇所の上面側に環状リブ10Bが一体に隆起して設けられており、また第2のフランジ部11の外郭周縁挟着部11A箇所の下面側に環状リブ11Bが一体に隆起して設けられている。
【0039】
上記構成からなる第2の実施形態による押圧操作装置にあっては、前述した第1の実施形態と同様にして、雨水などが晒されるという厳しい環境条件化にあったとしても、外部に晒されやすい前面板5側に配設される第1の障壁部である第1のフランジ部10にクラック(亀裂)が生じたとしても、第2の障壁部となる第2のフランジ部11が設けられているため、ケース1内に雨水などの液体が浸入することを未然に防ぐことができるものであり、耐防水性の効果を従来に比して高めることが可能となる。
【0040】
また、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部10A、11A箇所の外周を取り巻くように、環状からなる押圧規整部13A,13Bが前面板5と抑え部材12とからそれぞれ一体に突き合わせ状態にて設けられ、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持されるそれぞれの外郭周縁挟着部10A,11A箇所の圧縮度合いを前面板5と抑え部材12とに設けられた環状からなる押圧規整部13A,13Bの高さ寸法を設定することによって簡単に設定することができ、防水効果を良好に保つことができる。この場合、合成ゴムなどの材料からなる押釦操作部材8の硬さや成分あるいは各フランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所の幅寸法や高さ寸法などによって圧縮度合いを設定すればよいものである。
【0041】
また第1のフランジ部10の外郭周縁挟着部10A箇所の上面側に環状リブ10Bを一体に隆起して設け、また第2のフランジ部11の外郭周縁挟着部11A箇所の下面側に環状リブ11Bを一体に隆起して設けてなることにより、前面板5と抑え部材12とによって挟着保持されるそれぞれのフランジ部10,11の圧縮状態を前記環状リブ10B,11Bによって部分的に圧縮状態を高めることができ、密封性を良好に保つことができる。
【0042】
なお本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。たとえば、各実施形態においては、押釦操作部材8の背後側に位置して、合成樹脂材料からなる抑え部材12を配設し、この抑え部材12は操作軸部9を挿通可能とし、かつ押さえ部材12の外周部分にて第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所を上ケースを兼ねた前記前面板5に押し付けて水密に挟持するように構成していたが、抑え部材12として上ケースを兼ねた前面板5の背後に配設される計器ケースの見返し板によって形成しても良いものであり、この場合、見返し板によって第1,第2のフランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所を前面板5側に押し付けて保持することによって水密に保ちながら挟着保持することができるものであれば良い。
【0043】
また、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部10A、11A箇所の外周を取り巻くように、前面板5や抑え部材12の少なくとの一方に、環状からなる押圧規整部13,13A,13Bを設けてなることにより、第1のフランジ部10と第2のフランジ部11とが重ねて挟持されるそれぞれの外郭周縁挟着部10A,11A箇所の圧縮度合いを環状からなる押圧規整部13の高さ寸法を設定することによって簡単に設定することができ、防水効果を良好に保つことができるものであり、この場合、押釦操作部材8の材料や硬さあるいは各フランジ部10,11の外郭周縁挟着部10A,11A箇所の幅寸法や高さ寸法などによって圧縮度合いを設定すれば良いものである。なお、押釦スイッチ4構造としてタクトスイッチを例にして説明したが、導電ゴムからなる押釦スイッチ構造であっても同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である計器装置における押圧操作装置を示す断面図。
【図2】図2は、図1の押圧操作装置を示す要部の断面図。
【図3】図3は、図2の押圧操作装置の作動状態を示した断面図。
【図4】図4は、図2の押圧操作装置の分解状態を示した断面図。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態である押圧操作装置を示す断面図。
【図6】図6は、図5の押圧操作装置の分解状態を示した断面図。
【図7】図7は、従来例の押圧操作装置を示す断面図。
【図8】図8は、他の従来例の押圧操作装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0045】
1 ケース
2 回路基板
3 表示器
4 押釦スイッチ
5 前面板
6 カバーガラス
7 開口部(装着孔部)
8 押釦操作部材
9 操作軸部
10 第1のフランジ部
10A 外郭周縁挟着部
10B 環状リブ
11 第2のフランジ部
11A 外郭周縁挟着部
11B 環状リブ
12 抑え部材
13,13A,13B 押圧規整部
14,15 環状突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、このケースの上面側を覆う前面板と、前記ケース内に収納される回路基板と、この回路基板上に取り付けられる押釦スイッチと、この押釦スイッチと対向して前記前面板箇所に設けられる装着孔部と、この装着孔部に挿通され前記回路基板上の前記押釦スイッチに伝達する操作軸部を備えた柔軟性を有する押釦操作部材と、前記押釦操作部材の押圧操作側である前記操作軸部の周縁から一体に設けられた第1のフランジ部と、前記第1のフランジ部より前記押釦スイッチ側である前記操作軸部の周縁から一体に設けられた第2のフランジ部と、前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所を前記前面板に押し付けて挟持する抑え部材と、からなることを特徴とする押圧操作装置。
【請求項2】
前記第1のフランジ部と前記第2のフランジ部とが重ねて挟持される外郭周縁挟着部箇所の外周を取り巻くように、環状からなる押圧規整部を配設してなることを特徴とする請求項1に記載の押圧操作装置。
【請求項3】
前記押圧規整部は、前記前面板または前記抑え部材の少なくとも一方に設けてなることを特徴とする請求項2に記載の押圧操作装置。
【請求項4】
前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部を挟持する前記前面板箇所および前記抑え部材箇所とにそれぞれ環状突部を設けてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の押圧操作装置。
【請求項5】
前記第1,第2のフランジ部の外郭周縁挟着部箇所にそれぞれ環状リブを設けてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の押圧操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−226469(P2008−226469A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58406(P2007−58406)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】