説明

押釦スイッチ及び押釦スイッチ用可動接点体

【課題】 2段動作が可能であると共に、小型化が可能な押釦スイッチ及び押釦スイッチ用可動接点体を提供する。
【解決手段】 第1のクリックばね5及び第2のクリックばね6の反転動作によって押圧操作時の2段動作を可能となし、第2のクリックばね6の片側に第1のクリックばね5を設け、第1のクリックばね5のばね性により第2のクリックばね6を傾動動作及び復帰動作可能に付勢し、第2のクリックばね6の一端を共通固定接点2と接触させ、押圧操作に伴って第2のクリックばね6が傾動して第1のクリックばね5を反転させて第1及び第2のクリックばね5、6と第1の個別固定接点3とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより第2のクリックばね6を反転させて第2のクリックばね6と第2の個別固定接点4とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオやカメラ、携帯電話等の各種電子機器に使用され、押圧操作時に2段動作(ダブルアクション)が可能な押釦スイッチ及び押釦スイッチ用可動接点体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の2段動作が可能な押釦スイッチの構造としては、円形の中央円板部と、この中央円板部の周囲に同心円上に配置されたリング状枠部とが、中央円板部の中心を通る直線上に形成された一対の連結片により一体に連結され、全体で湾曲する皿バネ状に形成された導電性タクト板(クリックばね)を用いた構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の導電性タクト板を用いた押釦スイッチの構造を図16〜図19に示す。図16は従来の押釦スイッチに用いられる導電性タクト板の平面図、図17は押釦スイッチの縦断面図、図18は1段目動作状態を示す縦断面図、図19は2段目動作状態を示す縦断面図である。
【0004】
従来の押釦スイッチ100に用いられる導電性タクト板101は、図16 に示すように、円形の中央円板部102と、中央円板部102の周囲に同心円上に配置されるリング状枠部103とが、中央円板部102の中心を通る直線上に形成された一対の連結片104、104により一体に連結され、全体で、上方に湾曲する皿バネ状に形成されている。また、リング状枠部103の左右の円弧状片103b、103cの中間には、上方に屈曲させた絞り部105が形成されている。
【0005】
図17に示すように、円弧状片103b、103cの各中間は、接点収容凹部106内で導電性タクト板101全体を支持する支持部となり、一方の支持部は、接点収容凹部106に露出するコモン接点107上に載置され、コモン接点107と常時接触している。また、絶縁ハウジング111には、コモン端子と第1選択接点108を有する第1切換端子及び第2選択接点109を有する第2切換端子が相互に絶縁された状態で、インサート成形により一体に取り付けられている。
【0006】
第1切換端子が二股状に分岐され、その先端に形成される第1選択接点108は、図18、図19に示すように、接点収容凹部106に収容される導電性タクト板101の各連結片104、104に対向する接点収容凹部106の内底面に露出し、また、第2選択接点109は、導電性タクト板101の中心に対向する接点収容凹部106の内底面に露出している。また、接点収容凹部106の上面は、カバー112により覆われている。
【0007】
カバー112の挿通孔に、操作部110が挿通自在となっており、操作部110によって導電性タクト板101が押圧操作されていない状態では、導電性タクト板101は、皿バネ状に上方に湾曲しているので、コモン接点107のみに接触し、第1、第2選択接点108、109と、所定の間隙が隔てられている。
【0008】
この状態から、操作部110で導電性タクト板101の中心を押圧操作すると、円弧状片103b、103cに捻りモーメントが発生し、一定の捻り応力を越えると円弧状片103b、103cは、図18に示すように、下向きに反転する。この反転により、連結片104、104が下降し、対向部位に露出する第1選択接点108、108に接触し、導電性タクト板101を介して、コモン接点107と第1選択接点108が橋絡して、押釦スイッチ100の第1スイッチ回路が閉じる。
【0009】
更に、操作部110で導電性タクト板101の中心を押圧すると、連結片104、104から反力を受ける中央円板部102が、下向きに湾曲するように反転し、その中心が対向部位に露出する第2選択接点109に接触し、導電性タクト板101を介して、コモン接点107と第2選択接点109が橋絡し、押釦スイッチ100の第2スイッチ回路が閉じる。
【0010】
この従来の押釦スイッチ100は、可動接点板として上方に湾曲形成した導電性タクト板101を用いるので、僅かな操作ストロークで2種類のスイッチ回路を閉じ操作することができ、しかも、各段階の操作において、円弧状片103b、103cと中央円板部102が反転するので、その都度クリック感が操作者に伝わり操作感覚が得られるものである。
【0011】
【特許文献1】特開2002−352664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した従来の押釦スイッチにおいては、2段動作が可能な導電性タクト板は、円形の中央円板部と、この中央円板部の周囲に同心円上に配置されたリング状枠部とが、中央円板部の中心を通る直線上に形成された一対の連結片により一体に連結され、全体で湾曲する皿バネ状に形成されているので、可動接点板の外形の大きさが大きくなり、押釦スイッチ全体の小型化を図るのが難しいという問題があった。
【0013】
従って、本発明は上記した問題点を解決し、2段動作が可能であると共に、小型化が可能な押釦スイッチ及び押釦スイッチ用可動接点体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、共通固定接点及び第1と第2の個別固定接点が配設された基台と、この基台上に載置され、前記共通固定接点及び第1と第2の個別固定接点と接離する第1のクリックばね及びこの第1のクリックばねよりもばね力の大きな第2のクリックばねとを備え、前記第1のクリックばね及び前記第2のクリックばねの反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能となし、前記第2のクリックばねの片側に前記第1のクリックばねを設け、前記第1のクリックばねのばね性により前記第2のクリックばねを傾動動作及び復帰動作可能に付勢し、前記第2のクリックばねの一端を前記共通固定接点と接触させ、押圧操作に伴って前記第2のクリックばねが傾動して前記第1のクリックばねを反転させて前記第1及び第2のクリックばねと前記第1の個別固定接点とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより前記第2のクリックばねを反転させて前記第2のクリックばねと前記第2の個別固定接点とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行う構成とした。
【0015】
また、第2の解決手段として、前記第1のクリックばねと、前記第2のクリックばねとを分離して別体で形成し、前記第1のクリックばねの上面に前記第2のクリックばねの前記共通固定接点と接触しない他端を重ねて電気的に接続した状態で載置し、前記第1のクリックばねに前記第1の個別固定接点と接触可能な接点部を設けた構成とした。
また、第3の解決手段として、前記第1のクリックばねと、前記第2のクリックばねとを連結部で接続して一体に形成し、前記連結部または前記第2のクリックばねの周縁部のどちらか一方に前記第1の個別固定接点と接触可能な接点部を設けた構成とした。
また、第4の解決手段として、前記第1のクリックばね及び前記第2のクリックばねは、板ばねをプレス加工して形成し、前記第1のクリックばねには、プレス加工時の変形を防止する逃げ孔を設けた構成とした。
また、第5の解決手段として、前記連結部は、前記第1及び第2のクリックばねの非動作時において、前記基台の前記共通固定接点及び前記第1の個別固定接点の配設位置よりも上方に位置するように上方に膨出して形成した構成とした。
また、第6の解決手段として、前記連結部は、前記第1及び第2のクリックばねの非動作時において、前記第2のクリックばねの周縁部が形成する平面と同じ平坦状に形成され、前記基台の前記第1の個別固定接点の配設位置を前記共通固定接点の配設位置よりも低く形成した構成とした。
【0016】
また、第7の解決手段として、第1のクリックばね及びこの第1のクリックばねよりもばね力の大きな第2のクリックばねを備え、前記第1のクリックばね及び前記第2のクリックばねの反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能な押釦スイッチ用可動接点体であって、第1乃至第5の解決手段の何れかに記載の第1及び第2のクリックばねを、可撓性を有する粘着シートの下面側に貼着し、この粘着シートと前記第1及び第2のクリックばねとを一体に剥離可能な剥離シートに積層させた構成とした。
また、第8の解決手段として、前記粘着シートの下面には、前記第1のクリックばねの上面に非粘着部を形成し、前記第2のクリックばねの上面に粘着部を形成した構成とした。
また、第9の解決手段として、前記粘着シートに、前記第1及び第2のクリックばねと一緒に、1段動作用の押釦スイッチ用可動接点を貼着して混載した構成とした。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明の押釦スイッチは、共通固定接点及び第1と第2の個別固定接点が配設された基台と、基台上に載置され、共通固定接点及び第1と第2の個別固定接点と接離する第1のクリックばね及び第1のクリックばねよりもばね力の大きな第2のクリックばねとを備え、第1のクリックばね及び第2のクリックばねの反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能となし、第2のクリックばねの片側に第1のクリックばねを設け、第1のクリックばねのばね性により第2のクリックばねを傾動動作及び復帰動作可能に付勢し、第2のクリックばねの一端を共通固定接点と接触させ、押圧操作に伴って第2のクリックばねが傾動して第1のクリックばねを反転させて第1及び第2のクリックばねと第1の個別固定接点とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより第2のクリックばねを反転させて第2のクリックばねと第2の個別固定接点とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行うことから、2段目のスイッチの切り換えを行う第2のクリックばねの片側に1段目のスイッチの切り換えを行う第1のクリックばねを設けたので、第2のクリックばねの周囲全体が第1のクリックばねで囲まれることがないため、押釦スイッチの小型化が可能となる。また、第2のクリックばねが一端を支点として傾動動作するので、3段クリックの発生が防止され第1の個別固定接点との安定した接触が得られる。
【0018】
また、第1のクリックばねと、第2のクリックばねとを分離して別体で形成し、第1のクリックばねの上面に第2のクリックばねの共通固定接点と接触しない他端を重ねて電気的に接続した状態で載置し、第1のクリックばねに第1の個別固定接点と接触可能な接点部を設けたことから、第1のクリックばねと第2のクリックばねの特性を個々に適宜選択して形成できるので、クリックばねの製造が容易となり、種々のばね応力に対応したバラエティー対応が可能となる。
また、第1のクリックばねと、第2のクリックばねとを連結部で接続して一体に形成し、連結部または第2のクリックばねの周縁部のどちらか一方に第1の個別固定接点と接触可能な接点部を設けたことから、第1のクリックばねと第2のクリックばねとを一体に取り扱えるので、作業性が良好でスイッチの組立てが容易となる。
また、第1のクリックばね及び第2のクリックばねは、板ばねをプレス加工して形成し、第1のクリックばねには、プレス加工時の変形を防止する逃げ孔を設けたことから、絞りを大きくして第2のクリックばねのばね力を大きくする場合においても、逃げ孔を設けることにより第1のクリックばねの変形を防止できる。
また、連結部は、第1及び第2のクリックばねの非動作時において、基台の共通固定接点及び第1の個別固定接点の配設位置よりも上方に位置するように上方に膨出して形成したことから、連結部または第2のクリックばねの周縁部に設けられた接点部を第1の個別固定接点から離間して配置することができるので、プリント基板等のように表面に各固定接点を設けて各固定接点間の段差を設けにくいスイッチ基板にも適用できる。
また、連結部は、第1及び第2のクリックばねの非動作時において、第2のクリックばねの周縁部が形成する平面と同じ平坦状に形成され、基台の第1の個別固定接点の配設位置を共通固定接点の配設位置よりも低く形成したことから、基台の各固定接点の形成位置に段差を設けることにより、連結部または第2のクリックばねの周縁部に設けられた接点部を第1の個別固定接点から離間して配置することができるので、より第1の個別固定接点との接触を安定させることができる。
【0019】
また、本発明の押釦スイッチ用可動接点体は、第1のクリックばね及び第1のクリックばねよりもばね力の大きな第2のクリックばねを備え、第1のクリックばね及び第2のクリックばねの反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能な押釦スイッチ用可動接点体であって、第1乃至第5の解決手段の何れかに記載の第1及び第2のクリックばねを、可撓性を有する粘着シートの下面側に貼着し、粘着シートと第1及び第2のクリックばねとを一体に剥離可能な剥離シートに積層させたことから、可動接点体の搬送時やスイッチの組立時に、接点部にゴミや異物などが付着するのを防止できると共に、組立時には可動接点体の剥離シートを剥がして固定接点が配設された基台上に積層するだけでいいので、作業性が容易となる。
また、粘着シートの下面には、第1のクリックばねの上面に非粘着部を形成し、第2のクリックばねの上面に粘着部を形成したことから、第1のクリックばねの反転を阻害することがなく、明瞭なクリック感が得られる。
また、粘着シートに、第1及び第2のクリックばねと一緒に、1段動作用の押釦スイッチ用可動接点を貼着して混載したことから、2段動作用スイッチと1段動作用スイッチを混載した多キー押釦スイッチの組立てを容易に行え、種々のバラエティーに対応した押釦スイッチが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図15に示す。図1は本発明の押釦スイッチに用いられるクリックばねの平面図、図2は本発明の押釦スイッチの要部断面図、図3は本発明の押釦スイッチの1段目動作状態を示す要部断面図、図4は本発明の押釦スイッチの2段目動作状態を示す要部断面図、図5は本発明の押釦スイッチに用いられるクリックばねの他の実施例を示す平面図、図6は押釦スイッチの他の実施例を示す要部断面図、図7は同じく押釦スイッチの1段目動作状態を示す要部断面図、図8は同じく押釦スイッチの2段目動作状態を示す要部断面図、図9は本発明の押釦スイッチに用いられるクリックばねの更に他の実施例を示す平面図、図10は押釦スイッチの更に他の実施例を示す要部断面図、図11は同じく押釦スイッチの1段目動作状態を示す要部断面図、図12は同じく押釦スイッチの2段目動作状態を示す要部断面図、図13は本発明のクリックばねを粘着シートに貼着した可動接点体を示す平面図、図14は本発明の可動接点体を用いた押釦スイッチを示す断面図、図15は粘着シートに本発明の2段動作用クリックばねと1段動作用の押釦スイッチ用可動接点とを混載した多キー押釦スイッチを示す平面図である。
【0021】
図1及び図2において、本発明の押釦スイッチは、導電性の金属板からなる共通固定接点2及び第1と第2の個別固定接点3、4が平坦状の表面にそれぞれ対向して配設された絶縁性の樹脂積層板等からなる基台1と、この基台1上に載置され、前記共通固定接点2及び第1と第2の個別固定接点3、4と接離する第1のクリックばね5、及びこの第1のクリックばね5よりもばね力の大きな第2のクリックばね6とからなる可動接点ばね7とを備えている。
【0022】
前記可動接点ばね7は、弾性を有する導電性の金属薄板からなり、中央に反転可能なドーム状の膨出部6aを有する略円形状の第2のクリックばね6と、この第2のクリックばね6の片側に連結部5bで接続して一体に形成され、同じく反転可能な反転部5aを有する略U字状の第1のクリックばね5とから形成されている。そして、この可動接点ばね7は、第1のクリックばね5及び第2のクリックばね6が反転動作することによって押圧操作時に2段動作が得られるものとなっている。
【0023】
また、第1のクリックばね5と第2のクリックばね6との間には、一対の連結部5bを挟んだ中央位置に、細長状の逃げ孔5cが設けられている。この逃げ孔5cを設けることにより、第2のクリックばね6の膨出部6aが比較的大きく絞り加工されたとしても、この絞り加工による第1のクリックばね5に及ぼす応力を抑え変形を防止することができる。また、この逃げ孔5cを設けることにより、第1のクリックばね5と第2のクリックばね6との間に(逃げ孔5cに臨むように)第2のクリックばね6の周縁部6bの一部を露出させている。
【0024】
また、第1のクリックばね5の反転部5aには、外周部から逃げ孔5cに至る山形に突き出された一対の屈曲部5dが設けられており、この屈曲部5dを設けることにより連結部5bに接続された反転部5aを湾曲させている。そして、第2のクリックばね6が押圧された際には、連結部5bを介してこの屈曲部5dに応力が加わることにより湾曲部に反り力が作用し、第1のクリックばね5の反転部5aが上方に反転するものとなっている。
【0025】
可動接点ばね7は、基台1上に載置されるものとなり、この時、前記第2のクリックばね6の周縁部6bの一端(図2の左端)が、前記共通固定接点2と常時接触した状態で載置され、一方、第2のクリックばね6の周縁部6bの他端(図2の右端)または第1のクリックばね5の連結部5bの一部が、前記第1の個別固定接点3と一定の間隔を保持して対峙されている。この第1のクリックばね5の連結部5bまたは第2のクリックばね6の周縁部6bのどちらか一方が第1の個別固定接点3と接触可能な接点部を構成している。
【0026】
また、第2のクリックばね6の膨出部6aの頂部下面が、第2の個別固定接点4と一定の間隔を保持して対峙されている。また、第2のクリックばね6の膨出部6aの頂部下面には、複数(例えば、本発明では3個)の突状のボッチからなる接点部6cが形成されており、この接点部6cが第2の個別固定接点4と接触可能な接点部を構成している。
【0027】
この時、前記可動接点ばね7は、第1のクリックばね5のばね性によって連結部5bを介して第2のクリックばね6の周縁部6bの他端(図2の右端)が上方に付勢されており、第2のクリックばね6の周縁部6bの一端(図2の左端)を支点として傾動動作及び復帰動作可能に配設されている。また、この場合、第1のクリックばね5の反転部5aの外周部の一端(図2の右端)が基台1の上面に当接した状態となっている。すなわち、第1のクリックばね5の連結部5bは、第1及び第2のクリックばね5、6の非動作時においては、基台1上の共通固定接点2、及び第1の個別固定接点3の配設位置よりも上方に位置するように上方に膨出して形成されている。
【0028】
上記構成の可動接点ばね7を用いた押釦スイッチの動作を、図3及び図4を用いて説明する。
非動作時においては、図2に示すように、可動接点ばね7は第2のクリックばね6の周縁部6bの一端(図2の左端)が共通固定接点2と接触しているが、第1及び第2のクリックばね5、6の各接点部は第1及び第2の個別固定接点3、4とは離間しており、スイッチはオフ状態となっている。
【0029】
次に、図3に示すように、図示しない電子機器等の操作部材により第2のクリックばね6の膨出部6a頂部上面が押圧されると、第2のクリックばね6が周縁部6bの一端(図3の左端)を支点として傾動され、これにより第1のクリックばね5の連結部5bを介して屈曲部5dに応力が加わることにより反転部5aの湾曲部に反り力が作用し、第1のクリックばね5の反転部5aが上方に反転する。この反転により第1のクリックばね5の連結部5b及び第2のクリックばね6の周縁部6bの他端(図3の右端)が下方へ移動し、第1のクリックばね5の連結部5bまたは第2のクリックばね6の周縁部6bの他端のどちらか一方が第1の個別固定接点3と接触して1段目のスイッチがオン状態となる。
【0030】
この状態から、図4に示すように、図示しない操作部材を更に押圧すると、1段目のスイッチがオンした状態のまま、今度は第2のクリックばね6の膨出部6aが反転し頂部下面に設けられた接点部6cが第2の個別固定接点4と接触して2段目のスイッチがオン状態となる。
【0031】
このように、本発明の押釦スイッチは、第1のクリックばね5及びこの第1のクリックばね5よりもばね力の大きな第2のクリックばね6とを備え、押圧操作に伴って第2のクリックばね6が傾動して第1のクリックばね5を反転させて第1及び第2のクリックばね5、6と第1の個別固定接点3とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより第2のクリックばね6を反転させて第2のクリックばね6と第2の個別固定接点4とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行うことにより、押圧操作時の2段動作が可能となっている。
【0032】
また、第1のクリックばね5と、第2のクリックばね6とを連結部5bで接続して一体に形成し、連結部5bまたは第2のクリックばね6の周縁部6bのどちらか一方に第1の個別固定接点3と接触可能な接点部を設けたことから、第1のクリックばね5と第2のクリックばね6とを一体に取り扱えるので、作業性が良好でスイッチの組立てが容易となっている。
【0033】
また、連結部5bは、第1及び第2のクリックばね5、6の非動作時において、基台1の共通固定接点2及び第1の個別固定接点3の配設位置よりも上方に位置するように上方に膨出して形成したことから、連結部5bまたは第2のクリックばね6の周縁部6bに設けられた接点部を、第1の個別固定接点3から離間して配置することができるので、平坦状のプリント基板等のように表面に各固定接点を設けて各固定接点間の段差を設けにくいスイッチ基板にも容易に適用することができる。
【0034】
尚、上記実施例では、第2のクリックばね6の押圧により、第1のクリックばね5が反転する際、連結部5bを介して屈曲部5dに応力が加わることにより湾曲部に反り力が作用し、第1のクリックばね5の反転部5aが上方に反転することにより連結部5bが下方へ移動するように形成したが、これに限らず、図示はしないが、連結部5bと屈曲部5dの先端側にハウジング等の係止部に当接するストッパー部を設け、このストッパー部を係止部に係止した状態で可動接点ばね7を各固定接点上に配設し、反転部5aが上方に反る時のストッパー部に作用する反力により連結部5bを下方へ反転移動させるようにしても良い。
【0035】
図5乃至図8は、本発明の押釦スイッチの他の実施例を示している。
この場合、上記実施例とは、可動接点ばねの構成が一部相違している。すなわち、本実施例の可動接点ばね17は、それぞれ分離して別体で形成された第1のクリックばね15と第2のクリックばね16とから形成されている。また、基台11には、第2のクリックばね16の周縁部16bと常時接触する共通固定接点12aの他に、第1のクリックばね15の周縁部15bと常時接触する共通固定接点12bが別途設けられている。
【0036】
図5、図6に示すように、第1のクリックばね15は、弾性を有する導電性の金属薄板からなり、中央に反転可能なドーム状の膨出部15aを有する円形状に形成され、第2のクリックばね16は、同じく弾性を有する導電性の金属薄板からなり、中央に反転可能なドーム状の膨出部16aを有する円形状に形成されており、第1のクリックばね15に比較して第2のクリックばね16は大径でばね力が大きくなるように形成されている。
【0037】
図6に示すように、第1のクリックばね15は周縁部15bの一端(図6左端)が基台11の共通固定接点12bに接触して載置され、膨出部15aの頂部下面に設けられた接点部15c(複数の突状のボッチ)が第1の個別固定接点13と一定の間隔を保持して対峙されている。また、第2のクリックばね16は周縁部16bの一端(図6左端)が基台11の共通固定接点12aに接触して載置され、対向する周縁部16bの他端(図6右端)が第1のクリックばね15の膨出部15a上面に重ねて電気的に接続した状態で載置されており、さらに、膨出部16aの頂部下面に設けられた接点部16c(複数の突状のボッチ)が第2の個別固定接点14と一定の間隔を保持して対峙されている。
【0038】
上記構成の可動接点ばね17を用いた押釦スイッチの動作を、図7及び図8を用いて説明する。
非動作時においては、図6に示すように、可動接点ばね17は第1のクリックばね15の周縁部15bの一端(図6の左端)が共通固定接点12bと接触し、また、第2のクリックばね16の周縁部16bの一端(図6の左端)が共通固定接点12aと接触しているが、第1及び第2のクリックばね15、16の各接点部15c、16cは第1及び第2の個別固定接点13、14とは離間しており、スイッチはオフ状態となっている。
【0039】
次に、図7に示すように、図示しない電子機器等の操作部材により第2のクリックばね16の膨出部16a頂部上面が押圧されると、第2のクリックばね16が周縁部16bの一端(図7の左端)を支点として傾動され、これにより第2のクリックばね16の周縁部16bの他端(図7の右端)を介して第1のクリックばね15の膨出部15aの上面に押圧力が加わることにより、第1のクリックばね15が下方に反転する。この反転により第1のクリックばね15の接点部15cが下方へ移動し、この接点部15cが第1の個別固定接点13と接触して1段目のスイッチがオン状態となる。
【0040】
この状態から、図8に示すように、図示しない操作部材を更に押圧すると、1段目のスイッチがオンした状態のまま、今度は第2のクリックばね16の膨出部16aが反転し頂部下面に設けられた接点部16cが第2の個別固定接点14と接触して2段目のスイッチがオン状態となる。
【0041】
このように、本発明の押釦スイッチは、第1のクリックばね15及びこの第1のクリックばね15よりもばね力の大きな第2のクリックばね16とを備え、押圧操作に伴って第2のクリックばね16が傾動して第1のクリックばね15を反転させて第1のクリックばね15と第1の個別固定接点13とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより第2のクリックばね16を反転させて第2のクリックばね16と第2の個別固定接点14とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行うことにより、押圧操作時の2段動作が可能となっている。
【0042】
また、第1のクリックばね15と、第2のクリックばね16とを分離して別体で形成し、第1のクリックばね15の上面に第2のクリックばね16の共通固定接点12と接触しない他端を重ねて電気的に接続した状態で載置し、第1のクリックばね15に第1の個別固定接点13と接触可能な接点部15cを設けたことから、第1のクリックばね15と第2のクリックばね16の特性を個々に適宜選択して形成できるので、クリックばねの製造が容易となり、種々のばね応力に対応したバラエティー対応が可能となっている。
【0043】
図9乃至図12は、本発明の押釦スイッチの更に他の実施例を示している。
この場合、可動接点ばねが搭載される基台の構成が一部相違している。すなわち、本実施例の基台21は、合成樹脂等の絶縁材で上面開口のハウジング状に形成されており、内底面が段差を有する2段状に形成され、外側に設けられた共通固定接点22の配設位置である第1底面21aに対して、内側に設けられた第1及び第2の個別固定接点23、24の配設位置である第2底面21bの方が1段低く形成されている。すなわち、共通固定接点22の接触面と第1及び第2の個別固定接点23、24の接触面との間には、一定の段差が形成されたものとなっている。
【0044】
また、図10に示すように可動接点ばね27は、第1のクリックばね25と第2のクリックばね26との間に設けられた連結部25bの位置が、第1及び第2のクリックばね25、26の非動作時において、第2のクリックばね26の周縁部26bが形成する平面と同じ平坦状に形成されている。
【0045】
図10に示すように、可動接点ばね27は、前記第2のクリックばね26の周縁部26bの一端(図10の左端)が、前記第1底面21aの共通固定接点22と常時接触した状態で載置され、前記第1のクリックばね25の反転部25aの外周部の一端(図10の右端)が第1底面21aの上面に当接した状態となっている。そして、第2のクリックばね26の周縁部26bの他端(図10の右端)または第1のクリックばね25の連結部25bの一部が、前記第2底面21bの第1の個別固定接点23と一定の間隔を保持して対峙されている。また、第2のクリックばね26の膨出部26aの頂部下面に設けられた接点部26c(複数の突状のボッチ)が、前記第2底面21bの第2の個別固定接点24と一定の間隔を保持して対峙されている。
【0046】
この時、前記可動接点ばね27は、第1のクリックばね25及び第2のクリックばね26のばね性によって連結部25bを介して第2のクリックばね26の周縁部26bの他端(図10の右端)及び連結部25bが上方に付勢されている。すなわち、第2のクリックばね26の周縁部26bの他端及び第1のクリックばね25の連結部25bは、第1及び第2のクリックばね5、6の非動作時においては、前記第2底面21b上の第1の個別固定接点23の配設位置よりも上方に位置するように形成されている。
【0047】
上記構成の可動接点ばね27を用いた押釦スイッチの動作を、図11及び図12を用いて説明する。
非動作時においては、図10に示すように、可動接点ばね27は第2のクリックばね26の周縁部26bの一端(図10の左端)が共通固定接点22と接触しているが、第1及び第2のクリックばね25、26の各接点部(連結部25bまたは周縁部26bの他端、及び接点部26c)は第1及び第2の個別固定接点23、24とは離間しており、スイッチはオフ状態となっている。
【0048】
次に、図11に示すように、図示しない電子機器等の操作部材により第2のクリックばね26の膨出部26a頂部上面が押圧されると、第2のクリックばね26が周縁部26bの一端(図11の左端)を支点として傾動され、これにより第1のクリックばね25の連結部25bを介して屈曲部25dに応力が加わることにより反転部25aの湾曲部に反り力が作用し、第1のクリックばね25の反転部25aが上方に反転する。この反転により第1のクリックばね25の連結部25b及び第2のクリックばね26の周縁部26bの他端(図11の右端)が下方へ移動し、第1のクリックばね25の連結部25bまたは第2のクリックばね26の周縁部26bの他端のどちらか一方が第1の個別固定接点23と接触して1段目のスイッチがオン状態となる。
【0049】
この状態から、図12に示すように、図示しない操作部材を更に押圧すると、1段目のスイッチがオンした状態のまま、今度は第2のクリックばね26の膨出部26aが反転し頂部下面に設けられた接点部26cが第2の個別固定接点24と接触して2段目のスイッチがオン状態となる。
【0050】
このように、本発明の押釦スイッチは、第1のクリックばね25及びこの第1のクリックばね25よりもばね力の大きな第2のクリックばね26とを備え、押圧操作に伴って第2のクリックばね26が傾動して第1のクリックばね25を反転させて第1及び第2のクリックばね25、26と第1の個別固定接点23とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより第2のクリックばね26を反転させて第2のクリックばね26と第2の個別固定接点24とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行うことにより、押圧操作時の2段動作が可能となっている。
【0051】
また、連結部25bは、第1及び第2のクリックばね25、26の非動作時において、第2のクリックばね26の周縁部26bが形成する平面と同じ平坦状に形成され、基台21の第1の個別固定接点23の配設位置を共通固定接点22の配設位置よりも低く形成したことから、基台21の各固定接点の形成位置に段差を設けることにより、連結部25bまたは第2のクリックばね26の周縁部26bに設けられた接点部を第1の個別固定接点23から離間して配置することができるので、より第1の個別固定接点23との接触を安定させることができるものとなっている。
【0052】
上記した本発明の実施例によれば、第1のクリックばね5、15、25、及び第2のクリックばね6、16、26のそれぞれの反転動作によって押圧操作時の2段動作を可能にすると共に、第2のクリックばね6、16、26の片側に第1のクリックばね5、15、25を設け、第1のクリックばね5、15、25のばね性により第2のクリックばね6、16、26を傾動動作及び復帰動作可能に付勢している。そして、第2のクリックばね6、16、26の一端を共通固定接点2、12、22と接触させ、押圧操作に伴って第2のクリックばね6、16、26が傾動して第1のクリックばね5、15、16を反転させて第1及び第2のクリックばね5、15、25及び6、16、26と第1の個別固定接点3、13、23とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行う。そして、更に押圧することにより第2のクリックばね6、16、26を反転させて第2のクリックばね6、16、26と第2の個別固定接点4、14、24とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行う。このように、2段目のスイッチの切り換えを行う第2のクリックばね6、16、26の片側に1段目のスイッチの切り換えを行う第1のクリックばね5、15、25を設けたので、第2のクリックばね6、16、26の周囲全体が第1のクリックばね5、15、25で囲まれることがないため、押釦スイッチの小型化が可能となる。また、第2のクリックばね6、16、26が一端を支点として傾動動作するので、3段クリックの発生が防止され第1の個別固定接点3、13、23との安定した接触が得られるものとなっている。
尚、前記実施例の説明では、第2のクリックばね6、16、26の一端を共通固定接点2、12、22で支持し常時接触したまま傾動動作させているが、必ずしも共通固定接点で支持させる必要はなく、基台やハウジングで直接支持するようにしても良い。また、摩耗粉の発生を抑制する受け部材で一端を支持させるようにしても良い。これらの場合は、第1または第2のクリックばねの上面に導電片を接触させて共通固定接点と導通させるようにすれば良い。
【0053】
図13及び図14は、本発明のクリックばねを粘着シートに貼着した可動接点体、及びこのシート状の可動接点体を用いた押釦スイッチを示している。尚、図1乃至図4で説明した同一部品については同一符号を付してその説明を省略する。
粘着シート31は、ポリエステル樹脂等の絶縁性のフィルム材からなり、可撓性を有するシート状に形成されている。この粘着シート31の下面には、部分的に接着剤32が塗布されており、この接着剤32により粘着シート31の下面側に第1及び第2のクリックばね5、6からなる可動接点ばね7が貼着されている。
【0054】
この場合、粘着シート31の下面には、第1のクリックばね5の上面側に対応して非粘着部(接着剤32の未塗布部)が形成され、第2のクリックばね6の上面側に対応して粘着部(接着剤32の塗布部)が形成されており、可動接点ばね7は第2のクリックばね6の上面側の部分でのみ粘着シート31に貼着されたものとなっている。このように、粘着シート31の下面には、第1のクリックばね5の上面に非粘着部を形成し、第2のクリックばね6の上面に粘着部を形成したことから、第1のクリックばね5の反転を阻害することがなく、明瞭なクリック感が得られるものとなっている。
【0055】
また、粘着シート31の下面には、同じくポリエステル樹脂等の絶縁性のフィルム材からなり、可動接点ばね7が収容される収容孔33aを有するスペーサシート33が貼着されている。そして、このスペーサーシート33を含む粘着シート31と第1及び第2のクリックばね5、6からなる可動接点ばね7とを一体に、搬送時及び組立て時等に可動接点ばね7にゴミや異物等が付着するのを防止する保護シートの役目を持つ剥離可能な剥離シート(図示せず)上に積層させることによりシート状の可動接点体が構成されている。
【0056】
図14は、本発明のシート状の可動接点体を用いた押釦スイッチを示しており、共通固定接点2と、第1及び第2の個別固定接点3、4が配設された基台1上に、剥離シートを剥離した後、シート状の可動接点体がスペーサーシート33の下面に塗布された接着剤34によって貼着され積層されている。
尚、本発明の押釦スイッチの動作については、図1乃至図4に示した押釦スイッチの構成で説明した内容と同様のためここではその説明は省略する。
【0057】
このように、本発明の押釦スイッチ用可動接点体は、第1のクリックばね5及び第2のクリックばね6の反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能であって、第1及び第2のクリックばね5、6を、可撓性を有する粘着シート31の下面側に貼着し、粘着シート31と第1及び第2のクリックばね5、6とを一体に剥離可能な剥離シートに積層させたことから、可動接点体の搬送時やスイッチの組立時に、接点部にゴミや異物などが付着するのを防止できると共に、組立時には可動接点体の剥離シートを剥がして各固定接点2、3、4が配設された基台1上に積層するだけでいいので、作業性が容易となっている。
【0058】
図15は、上述した本発明の2段動作用の第1及び第2のクリックばね5、6からなる可動接点ばね7と、1段動作用の可動接点ばね47とを、可撓性を有する共通の粘着シート41に粘着して混載した状態の多キー押釦スイッチの構成を示している。
【0059】
この場合、可動接点ばね47は、同じく弾性を有する導電性の金属薄板からなり、中央に反転可能なドーム状の膨出部を有する1枚の円形状のクリックばねで形成されている、また、粘着シート41は、同じくポリエステル樹脂等の絶縁性のフィルム材からなり、下面側には、2段動作用の可動接点ばね7、及び1段動作用の可動接点ばね47が収容される収容孔43a、43bを有するスペーサシート43が貼着されている。
【0060】
そして、このスペーサーシート43を含む粘着シート41と第1及び第2のクリックばね5、6からなる可動接点ばね7、及び可動接点ばね47とを一体に、剥離可能な剥離シート(図示せず)上に積層させることによりシート状の可動接点体が構成されている。1段動作用の可動接点ばね47の動作としては、中央のドーム状の膨出部の頂部上面が押圧された際に、膨出部が反転動作を行い、頂部下方に設けられた接点部が図示しない基台等に配設された各固定接点と接触してスイッチがオンするものとなっている。
【0061】
このように、本発明の実施例においては、粘着シート41に、2段動作用の第1及び第2のクリックばね5、6からなる可動接点ばね7と一緒に、1段動作用の押釦スイッチ用可動接点47を貼着して混載したことから、2段動作用スイッチと1段動作用スイッチを混載した多キー押釦スイッチの組立てを容易に行え、種々のバラエティーに対応した押釦スイッチが得られるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の押釦スイッチに用いられるクリックばねを示す平面図である。
【図2】本発明の押釦スイッチを示す要部断面図である。
【図3】本発明の押釦スイッチの1段目動作状態を示す要部断面図である。
【図4】本発明の押釦スイッチの2段目動作状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の押釦スイッチに用いられるクリックばねの他の実施例を示す平面図である。
【図6】本発明の押釦スイッチの他の実施例を示す要部断面図である。
【図7】本発明の押釦スイッチの他の実施例の1段目動作状態を示す要部断面図である。
【図8】本発明の押釦スイッチの他の実施例の2段目動作状態を示す要部断面図である。
【図9】本発明の押釦スイッチに用いられるクリックばねの更に他の実施例を示す平面図である。
【図10】本発明の押釦スイッチの更に他の実施例を示す要部断面図である。
【図11】本発明の押釦スイッチの更に他の実施例の1段目動作状態を示す要部断面図である。
【図12】本発明の押釦スイッチの更に他の実施例の2段目動作状態を示す要部断面図である。
【図13】本発明のクリックばねを粘着シートに貼着した可動接点体を示す平面図である。
【図14】本発明のシート状の可動接点体を用いた押釦スイッチを示す断面図である。
【図15】本発明の2段動作用クリックばねと1段動作用の押釦スイッチ用可動接点とを粘着シートに混載した多キー押釦スイッチを示す平面図である。
【図16】従来の押釦スイッチに用いられる導電性タクト板を示す平面図である。
【図17】従来の押釦スイッチを示す縦断面図である。
【図18】従来の押釦スイッチの1段目動作状態を示す縦断面図である。
【図19】従来の押釦スイッチの2段目動作状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1:基台
2:共通固定接点
3:第1の個別固定接点
4:第2の個別固定接点
5:第1のクリックばね
5a:反転部
5b:連結部
5c:逃げ孔
5d:屈曲部
6:第2のクリックばね
6a:膨出部
6b:周縁部
6c:接点部
7:可動接点ばね
11:基台
12a:共通固定接点
12b:共通固定接点
13:第1の個別固定接点
14:第2の個別固定接点
15:第1のクリックばね
15a:膨出部
15b:周縁部
15c:接点部
16:第2のクリックばね
16a:膨出部
16b:周縁部
16c:接点部
17:可動接点ばね
21:基台
21a:第1底面
21b:第2底面
22:共通固定接点
23:第1の個別固定接点
24:第2の個別固定接点
25:第1のクリックばね
25a:反転部
25b:連結部
25d:屈曲部
26:第2のクリックばね
26a:膨出部
26b:周縁部
26c:接点部
27:可動接点ばね
31:粘着シート
32:接着剤
33:スペーサシート
33a:収容孔
34:接着剤
41:粘着シート
43:スペーサシート
43a:収容孔
43b:収容孔
47:可動接点ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通固定接点及び第1と第2の個別固定接点が配設された基台と、この基台上に載置され、前記共通固定接点及び第1と第2の個別固定接点と接離する第1のクリックばね及びこの第1のクリックばねよりもばね力の大きな第2のクリックばねとを備え、前記第1のクリックばね及び前記第2のクリックばねの反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能となし、前記第2のクリックばねの片側に前記第1のクリックばねを設け、前記第1のクリックばねのばね性により前記第2のクリックばねを傾動動作及び復帰動作可能に付勢し、前記第2のクリックばねの一端を前記共通固定接点と接触させ、押圧操作に伴って前記第2のクリックばねが傾動して前記第1のクリックばねを反転させて前記第1及び第2のクリックばねと前記第1の個別固定接点とを接触させて1段目のスイッチの切り換えを行い、更に押圧することにより前記第2のクリックばねを反転させて前記第2のクリックばねと前記第2の個別固定接点とを接触させて2段目のスイッチの切り換えを行うことを特徴とする押釦スイッチ。
【請求項2】
前記第1のクリックばねと、前記第2のクリックばねとを分離して別体で形成し、前記第1のクリックばねの上面に前記第2のクリックばねの前記共通固定接点と接触しない他端を重ねて電気的に接続した状態で載置し、前記第1のクリックばねに前記第1の個別固定接点と接触可能な接点部を設けたことを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチ。
【請求項3】
前記第1のクリックばねと、前記第2のクリックばねとを連結部で接続して一体に形成し、前記連結部または前記第2のクリックばねの周縁部のどちらか一方に前記第1の個別固定接点と接触可能な接点部を設けたことを特徴とする請求項1記載の押釦スイッチ。
【請求項4】
前記第1のクリックばね及び前記第2のクリックばねは、板ばねをプレス加工して形成し、前記第1のクリックばねには、プレス加工時の変形を防止する逃げ孔を設けたことを特徴とする請求項3記載の押釦スイッチ。
【請求項5】
前記連結部は、前記第1及び第2のクリックばねの非動作時において、前記基台の前記共通固定接点及び前記第1の個別固定接点の配設位置よりも上方に位置するように上方に膨出して形成したことを特徴とする請求項3、又は4記載の押釦スイッチ。
【請求項6】
前記連結部は、前記第1及び第2のクリックばねの非動作時において、前記第2のクリックばねの周縁部が形成する平面と同じ平坦状に形成され、前記基台の前記第1の個別固定接点の配設位置を前記共通固定接点の配設位置よりも低く形成したことを特徴とする請求項3、又は4記載の押釦スイッチ。
【請求項7】
第1のクリックばね及びこの第1のクリックばねよりもばね力の大きな第2のクリックばねを備え、前記第1のクリックばね及び前記第2のクリックばねの反転動作によって押圧操作時の2段動作が可能な押釦スイッチ用可動接点体であって、請求項1乃至5の何れかに記載の第1及び第2のクリックばねを、可撓性を有する粘着シートの下面側に貼着し、この粘着シートと前記第1及び第2のクリックばねとを一体に剥離可能な剥離シートに積層させたことを特徴とする押釦スイッチ用可動接点体。
【請求項8】
前記粘着シートの下面には、前記第1のクリックばねの上面に非粘着部を形成し、前記第2のクリックばねの上面に粘着部を形成したことを特徴とする請求項7記載の押釦スイッチ用可動接点体。
【請求項9】
前記粘着シートに、前記第1及び第2のクリックばねと一緒に、1段動作用の押釦スイッチ用可動接点を貼着して混載したことを特徴とする請求項7、又は8記載の押釦スイッチ用可動接点体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−196308(P2006−196308A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6680(P2005−6680)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】