説明

拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き電子機器および視認性制御方法

【課題】表情の変化という個人の特性を考慮して、拡大鏡機能使用時の視認性を向上させることができる2台のカメラ付き携帯電子機器を提供することである。
【解決手段】提案する2台のカメラ付き携帯電子機器は、一面に設けられた第1のカメラと、第1のカメラが設けられた面の裏面に設けられた第2のカメラと、第2のカメラが設けられた面に設けられたライト部と、第1のカメラを制御する第1のカメラ制御部と、を有する。第1のカメラ制御部は、拡大鏡機能の起動に連動して起動され、機器操作者の表情を読み取って、制御の対象となる制御情報(ライト、感度)に対し必要な指示を発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2台のカメラとライト(照明)付きの携帯電子機器において、拡大鏡機能使用時(虫メガネのように使用するとき)における視認性制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯電子機器は、対象物、他の人などを撮影するときに使用するカメラ(これを、メインカメラという)を備えているとともに、ディスプレー(表示画面、メイン液晶画面ともいう)も備えている。そこで、特許文献1などに示すように、カメラで表示した画像を表示画面に拡大して表示し、携帯電子機器を拡大鏡(虫眼鏡)として利用することが行なわれている。
【0003】
このような携帯電話には、字が細かい印刷物など、字が小さくて見づらいものを見るために、メインカメラで撮影した画像を拡大してメイン液晶画面に表示する際に、周囲が暗く見づらい場合はライト(照明)を点灯して明るくしているが、現状では、ライトの点灯方法には以下の3つがある。
1.メインカメラの動作開始、もしくは拡大鏡機能開始と同時にライトを点灯する。
2.照度計を使用して周囲の明るさを測定し、明るさが閾値以下になったときにライトを点灯する。
3.携帯電話等の携帯電子機器の使用者がライト点灯ボタンを押下してライトを点灯する。
【0004】
しかし、上記1.では、周囲の明るさに関係なく、明るくてもライトを点灯してしまい、点灯のタイミングが不適切であるという問題がある。
また、明るさに対する感じ方には個人差があるが、上記2.の方法ではこの個人差が考慮されていないという問題がある。例えば、使用者が暗く感じていなくてもライトが点灯されてしまったり、または、使用者が暗く感じていてもライトが点灯されない。
【0005】
また、使用者がボタン押下によりライト点灯を行う上記3.の場合は、ライト点灯中に周囲が明るくなってライトを点灯する必要がなくなっても、使用者がライト消灯操作をしない限り点灯し続けてしまう。
【0006】
上記いずれのケースでも、メイン液晶画面に表示する画像を利用者に見やすくするように担保することは行われていない。すなわち、従来の携帯電子機器において拡大鏡機能使用時に利用者(操作者)の視認性を向上させることは行なわれていない。
【0007】
関連技術として、特許文献2には、周囲が暗いと自動的に照明を点灯する電子カメラが示されている。
しかし、特許文献2の技術では、ライト点灯制御を外部環境に従って行うのみであり、利用者の状態をライト点灯制御に使用していないため、個人差を考慮した運用を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−153407号公報
【特許文献2】特開2008−258732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、表情の変化という個人の特性を考慮して、拡大鏡機能使用時の視認性を向上させることができる2台のカメラ付き携帯電子機器および視認性制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
提案する拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き携帯電子機器は、一面に設けられた第1のカメラと、前記第1のカメラが設けられた面の裏面に設けられた第2のカメラと、前記第2のカメラが設けられた面に設けられたライト部と、前記第1のカメラを制御する第1のカメラ制御部と、を有する。
【0011】
前記第1のカメラ制御部は、拡大鏡機能の起動に連動して、前記第1のカメラが撮影した画像から人の顔に該当する画像を検出する顔検出処理部と、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像とその画像の制御情報と顔の基準特徴データとを有する表情情報を記憶した表情情報記憶部と、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記表情情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定し、一致した場合に、前記表情情報記憶部の対応する顔の基準特徴データに対し、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像の特徴データに変化があった場合に、前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理を行なう視認性情報設定部と、を有する。
【0012】
そして、前記画像を見やすくする第1処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の制御情報とを有する視認性情報を視認性情報記憶部に記憶する。
【0013】
また、前記第1のカメラ制御部は、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記視認性情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定する視認性情報設定有無判定部と、前記視認性情報設定有無判定部により一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の制御情報と、前記ライト点灯情報記憶部の対応する画像の制御情報との比較結果に応じて、画像を見やすくする第2処理を行なう視認性向上部と、をさらに有する。
【0014】
例えば、前記画像の制御情報とは、画像の明るさであり、前記視認性情報設定部が行なう前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理とは、前記ライト部を点灯させるライト点灯処理であり、該ライト点灯処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の明るさとを有するライト点灯情報を視認性情報として前記視認性情報記憶部に記憶する。
【0015】
そして、前記第1のカメラ制御部の視認性情報設定有無判定部は、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記ライト点灯情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定し、前記視認性向上部は、前記視認性情報設定有無判定部により一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の明るさが、前記ライト点灯情報記憶部の対応する画像の明るさより暗い場合に、ライト部を点灯する。
【0016】
また、例えば、前記画像の制御情報とは、画像の感度であり、前記視認性情報設定部が行なう前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理とは、前記第2のカメラが撮影する画像の感度を上げる感度上げ処理であり、該感度上げ処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の感度とを有する感度上げ情報を視認性情報として前記視認性情報記憶部に記憶する。
【0017】
そして、前記第1のカメラ制御部の視認性情報設定有無判定部は、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記感度上げ情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定し、前記視認性向上部は、前記視認性情報設定有無判定部により一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の感度が、前記感度上げ情報記憶部の対応する画像の感度より下がっていた場合に、そのときの画像の感度を上げる。
【発明の効果】
【0018】
提案する拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き携帯電子機器では、例えば、個人の表情の変化から視認性を推定し、ライトを点灯させる明るさの閾値を、明るさ情報として、個人識別情報(その人の顔に該当する画像)と関連付けてライト点灯情報記憶部に記憶している。そして、一旦その個人に対し、個人識別情報および明るさ情報をライト点灯情報記憶部に登録すると、視認性情報設定有無判定部により視認性情報設定有り(ライト点灯情報有り)とされ、視認性向上部により、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の明るさが、前記ライト点灯情報記憶部の対応する画像の明るさ(その個人固有の明るさの閾値)より暗い場合に、ライト部を点灯する。よって、表情の変化という個人の特性を考慮して、その個人固有の閾値に基づいてライトの点灯/消灯を行なうことができ、拡大鏡機能使用時の視認性を向上させることができる。
【0019】
提案する拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き携帯電子機器では、例えば、個人の表情の変化から視認性を推定し、対象を撮影する前記第2のカメラの感度の閾値を、感度上げ情報として、個人識別情報(その人の顔に該当する画像)と関連付けて感度上げ情報記憶部に記憶している。そして、一旦その個人に対し、個人識別情報および感度上げ情報を感度上げ情報記憶部に登録すると、視認性情報設定有無判定部により視認性情報設定有り(感度上げ情報有り)とされ、視認性向上部により、そのときの前記第2のカメラの感度が、感度上げ情報記憶部の感度上げ情報(その操作者固有の閾値)以下のときに、メインカメラ3の感度を上げる感度上げ指示が発行される。よって、表情の変化という個人の特性を考慮して、その個人固有の閾値に基づいて感度を上げることができ、拡大鏡機能使用時の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電子機器のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本実施形態の携帯電子機器の機能ブロック図である。
【図3】メインカメラ処理のフローチャートである。
【図4】明るさチェック処理のフローチャートである。
【図5A】サブカメラ処理のフローチャート(その1)である。
【図5B】サブカメラ処理のフローチャート(その2)である。
【図6】ライト制御処理のフローチャートである。
【図7】本実施形態の第1変形例の携帯電子機器の機能ブロック図である。
【図8】感度制御処理のフローチャートである。
【図9】本実施形態の第2変形例の携帯電子機器の機能ブロック図である。
【図10】ズーム制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
携帯電話機などのように、テレビ電話による通話機能が付いている携帯電子機器がある。このような機器には、一面に自分自身(例えば、携帯電話機の操作者)を写すための第1のカメラ(以下、サブカメラということがある)があり、裏面には、テレビ電話とは関係なく、別途、対象物、他の人などを撮影するときに使用する第2のカメラ(以下、メインカメラということがある)が設けられている。
【0022】
このように、2台のカメラを備えていることから、携帯電話機などの携帯電子機器には、拡大鏡機能が付いていることが多い。拡大鏡機能が起動されると、メインカメラで撮影した画像がメインカメラが設けられた面の裏面のメインディスプレーに拡大して表示され、携帯電話機などを虫メガネのように使用できる。本発明の要点は、携帯電子機器において、拡大鏡機能使用時に、サブカメラにより操作者の表情の変化を検出し、それを、メインカメラで撮影した画像の視認性向上に役立てようというものである。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯電子機器のハードウェアを示す図である。
本実施形態の携帯電子機器は、図1に示す通り、携帯電子機器の使用者(操作者)を撮影するサブカメラ1と、メインディスプレー2、とを有する面(メインディスプレー側)と、対象(人、物など)を撮影するメインカメラ3と、ライト(照明)4とを有する裏面(メインディスプレー反対側)とを有する。
【0024】
携帯電子機器としては、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant )等が考えられるが、二つ折りの形をした携帯電話では、メインディスプレー側の下部に、ボタン部があり、例えばそのボタン部の裏面に、メインカメラ3がある。図1には、携帯電話、スマートフォン、PDAに共通する構成が示されている。
【0025】
図2は、本実施形態の携帯電子機器の機能ブロック図である。
図2に示すように、携帯電子機器は、メインカメラ処理部11、サブカメラ処理部12、顔検出処理部13、明るさチェック処理部14、ライト制御処理部15、表情情報記憶部16、ライト点灯情報記憶部17、を有する。
【0026】
メインカメラ処理部11は、メインカメラ3が撮影した画像をメインディスプレー2に表示する処理を行う。また、拡大鏡機能利用開始指示があった場合は、更にサブカメラ1を起動し、拡大鏡機能の利用を開始する(携帯電子機器を虫メガネのように使う)。
【0027】
サブカメラ処理部12は、サブカメラ1が撮影した画像から、顔検出処理部13を起動して、人の顔に該当する部分を検出し、検出した顔(目、瞳)の表情変化を判断し、必要に応じて、ライト点灯指示を発行する。
【0028】
また、サブカメラ処理部12は、サブカメラ1に現在写っている人の顔に該当する画像が、個人情報として、ライト点灯情報記憶部17に記憶されていない場合、個人識別情報(そのとき、サブカメラ1に写っている人の顔)と、その写っている人の顔における、黒目/瞳孔面積比、顔/目面積比、そのときの画像の明るさとを関連付けて表情情報記憶部16に記憶する。
【0029】
顔検出処理部13は、サブカメラ1が撮影した画像から、個人識別(その人の顔に該当する画像により、その人の個人識別情報、とする)を行う。また、顔部分の検出と、その顔部分の面積算出を行う。目の検出と、その目の部分の面積の算出を行う。黒目の検出と、その黒目部分の面積算出を行う。瞳孔の検出と、その瞳孔部分の面積算出を行う。そして、これらの情報(顔部分に該当する画像、その面積、目の部分に該当する画像、その面積、黒目の部分に該当する画像、その面積、瞳孔の部分に該当する画像、その面積)をメモリ(不図示)に記憶する。また、サブカメラ1が画像を取り込んだときの明るさ情報もメモリ(不図示)に記憶する。
【0030】
なお、顔検出処理部13は、サブカメラ処理部12の一部として設けてもよいし、サブカメラ処理部12とは独立に設けてもよい。
明るさチェック処理部14は、一定時間毎にメインカメラ3が撮影した画像の明るさをチェックする(別途、照度計を設け、その照度計の明るさをチェックしてもよい)。明るさに変化があった場合、サブカメラ1を起動する。
【0031】
ライト制御処理部15は、ライト点灯指示、または、ライト消灯指示に従って、ライト4の点灯、消灯を制御する。サブカメラ1が人の顔に該当する画像を撮影している場合に、ライト点灯指示が発行された場合は、ライト制御処理部15は、個人識別情報(そのとき、サブカメラ1に写っている人の顔)と、そのときの画像の明るさとを関連付けてライト点灯情報記憶部17に記憶する。
【0032】
図3は、メインカメラ処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図2のメインカメラ処理部11により実行される。
携帯電話機器の使用者の操作(メインカメラ起動のためのボタンの押下等)により一連の処理が起動する。
【0033】
図3のステップS1で、メインカメラ3の撮影結果の画像をメインディスプレー2に表示する。そして、続く、ステップS2で操作入力待ち状態となる。
このステップS2の状態において、何らかの指示が入力されると、ステップS3で、その入力された指示が拡大鏡機能開始指示であるかどうかが判定される。
【0034】
ステップS3で入力された指示が拡大鏡機能開始指示でないと判定された場合(無効な入力などであった場合、ステップS3の判定結果がNoの場合)、ステップS2に戻る。
ステップS3で入力された指示が拡大鏡機能開始指示であると判定された場合(ステップS3の判定結果がYesの場合)、ステップS4で、サブカメラ1が起動され、図5Aおよび図5Bで後述される処理が実行される。
【0035】
続くステップS5では、拡大鏡機能が開始される。すなわち、メインカメラ3で撮像(撮影)した画像を拡大してメインディスプレー2に表示する動作モードになる。そして、ステップS2に戻る。
【0036】
図4は、明るさチェック処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図2の明るさチェック処理部14により実行される。
この明るさチェック処理は、メインカメラ3起動時に同時に起動するか、または、図3のメインカメラ処理のフローチャート内の1ステップとして起動する。どちらでもよい。
【0037】
図4のステップS11で、一定時間毎に、撮影対象の明るさ(情報)をチェックする。この明るさ情報はメインカメラ3から取得することを想定しているが、別途、照度計等を設け、そこから取得してもよい。なお、取得した明るさにつき、少なくとも最新のデータと、前回のデータの2つをメモリ(不図示)に保持しておくものとする。
【0038】
続くステップS12では、前回取得した明るさと比較して、今回取得した明るさに変化があったかどうかを判定する。
ステップS12で明るさに変化がなかったと判定された場合(ステップS12の判定結果がNoの場合)、ステップS11に戻る。
【0039】
ステップS12で明るさに変化があったと判定された場合(ステップS12の判定結果がYesの場合)、ステップS13で、拡大鏡機能実行中かどうかを判定する。
ステップS13で拡大鏡機能実行中ではないと判定された場合(ステップS13の判定結果がNoの場合)、ステップS11に戻る。
【0040】
ステップS13で拡大鏡機能実行中であると判定された場合(ステップS13の判定結果がYesの場合)、ステップS14で、サブカメラ1を起動中かどうかを判定する。
ステップS14でサブカメラ1起動中であると判定された場合(ステップS14の判定結果がYesの場合)、ステップS11に戻る。
【0041】
ステップS14でサブカメラ1起動中でないと判定された場合(ステップS14の判定結果がNoの場合)、ステップS15で、サブカメラ1を起動し、ステップS11に戻る。
【0042】
図5Aおよび図5Bは、サブカメラ処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図3のメインカメラ処理、あるいは、図4の明るさチェック処理から起動され、図2のサブカメラ処理部12、顔検出処理部13により実行される。
【0043】
図5AのステップS21で、サブカメラ処理部12は、ライト4の点灯状態を検出して、ライト4が点灯済みであるかどうかを判定する。
ステップS21でライト4が点灯済みであると判定された場合(ステップS21の判定結果がYesの場合)、一連の処理を終了する。
【0044】
ステップS21でライト4が点灯済みでないと判定された場合(ステップS21の判定結果がNoの場合)、ステップS22で、メインカメラ3が検出したそのときの明るさをメモ(メモリ(不図示)に記憶)する。
【0045】
続く、ステップS23では、サブカメラ処理部12は、十分に暗いかどうかを判定する。すなわち、ステップS22で検出したそのときの明るさが、(個人差がない)十分に暗い明るさの閾値以下であるかを判定する。
【0046】
ステップS23で十分に暗いと判定された場合(ステップS23の判定結果がYesの場合)、ステップS24でライト点灯指示(1)を図2のライト制御処理部15に対して発行し、一連の処理を終了する。
【0047】
ステップS23で十分に暗くはないと判定された場合(ステップS23の判定結果がNoの場合)、ステップS25で、サブカメラ1による撮影が開始される。ここで、メインカメラ3は撮影対象(他の人や者)に向けられているので、サブカメラ1は携帯電子機器の操作者の方を向くことになる。
【0048】
サブカメラ1による撮影が開始されると、続く、ステップS26で、顔検出処理部13は、サブカメラ1が撮像(撮影)した画像から、人の顔を探す。具体的には、個人識別(その人の顔に該当する画像により、その人の個人識別情報、とする)を行う。また、顔部分の検出と、その顔部分の面積算出を行う。目の検出と、その目の部分の面積の算出を行う。黒目の検出と、その黒目部分の面積算出を行う。瞳孔の検出と、その瞳孔部分の面積算出を行う。そして、これらの情報(顔部分に該当する画像、その面積、目の部分に該当する画像、その面積、黒目の部分に該当する画像、その面積、瞳孔の部分に該当する画像、その面積)をメモリ(不図示)に記憶する。また、サブカメラ1が画像を取り込んだときの明るさ情報もメモリ(不図示)に記憶する。
【0049】
続く、ステップS27は、オプション処理を実行する。詳細は後述する(オプション処理を実行しない場合、このステップは省略される)。
ステップS28では、顔検出処理部13は、サブカメラ1が撮影した画像に人の顔があるかどうかを判定する。
【0050】
ステップS28でサブカメラ1が撮影した画像に人の顔がないと判定された場合(ステップS28の判定結果がNoの場合)、ステップS21に戻る。
ステップS28でサブカメラ1が撮影した画像に人の顔があると判定された場合(ステップS28の判定結果がYesの場合)、ステップS29で、サブカメラ処理部12は、検出された人の顔について、ライト点灯情報テーブルが既にメモされている(メモリ(ライト点灯情報記憶部17)に記憶されている)かどうかを判定する。
【0051】
ステップS29で検出された人の顔について、ライト点灯情報テーブル(後述)が既にメモリに記憶されていると判定された場合(ステップS29の判定結果がYesの場合)、ステップS30で、そのときのメインカメラ3が撮影している画像の明るさをチェックする。そして、そのときの明るさが点灯を必要とする明るさであれば、ライト点灯指示(2)を発行する。そのときの明るさが点灯を必要とする明るさでなければ、ライト消灯指示(2)を発行する。そして、一連の処理を終了する。
【0052】
ステップS29で検出された人の顔について、ライト点灯情報テーブルがメモリに記憶されていないと判定された場合(ステップS29の判定結果がNoの場合)、図5Bに移り、ステップS31で、ステップS26で顔検出処理部13が検出した人の顔について、個人識別情報(その人の顔の画像)と関連付けて、目の面積と、顔の面積との比、黒目と瞳孔が検出されていれば、黒目(虹彩)の面積と、瞳孔の面積との比、を求めてメモリ(不図示)に記憶する(メモする)。なお、顔の面積を求めるとき、顔全体の面積である必要はない。例えば、目の上端から鼻まで、目の上端から口までの範囲をもって顔の面積としてもよい。この結果として、表情情報テーブル18が表情情報記憶部16に記憶されることになる。
【0053】
この表情情報テーブル18は、図5Bに示すように、その携帯電子機器のユーザ(操作者、利用者)毎に、個人識別情報(本データの持ち主を識別する情報、ここでは、サブカメラ1が撮影したその人の顔の画像)、黒目(虹彩)/瞳孔面積比、顔/目面積比、明るさ情報(ステップS26で本データ取得時の明るさ)、を有する。これは、1台の携帯電子機器を複数のユーザが兼用で使用することを考えているためである。
【0054】
続く、ステップS32では、サブカメラ処理部12は、表情情報テーブル18中に、そのとき、サブカメラ1に写っている人の顔と、同じ人の情報があるかどうかを判定する。
ステップS32で表情情報テーブル18中に、そのときサブカメラ1に写っている人の顔と同じ人の情報がないと判定した場合(ステップS32の判定結果がNoの場合)、ステップS21に戻る。表情情報テーブル18への初回登録時がこの場合に相当する。
【0055】
ステップS32で表情情報テーブル18中に、そのときサブカメラ1に写っている人の顔と同じ人の情報があると判定した場合(ステップS32の判定結果がYesの場合)、ステップS33で、サブカメラ処理部12は、そのときサブカメラ1に写っている人の瞳孔が大きくなったかどうか(そのときの黒目(虹彩)/瞳孔面積比が、表情情報テーブル18中の、同じ人の黒目(虹彩)/瞳孔面積比以下であるかどうか)を判定する。
【0056】
ステップS33で瞳孔が大きくなったと判定された場合(そのときの黒目(虹彩)/瞳孔面積比が、登録された黒目(虹彩)/瞳孔面積比以下であった場合)、ステップS34で、ライト点灯指示(2)を発行し、一連の処理を終了する。
【0057】
ステップS33で瞳孔が大きくなっていないと判定された場合(そのときの黒目(虹彩)/瞳孔面積比が、登録された黒目(虹彩)/瞳孔面積比より大きかった場合)、ステップS35で、サブカメラ処理部12は、そのときサブカメラ1に写っている人の目の大きさが変わったかどうか(そのときの顔/目面積比が、表情情報テーブル18中の、同じ人の顔/目面積比と一致するかどうか)を判定する。
【0058】
ステップS35で目の大きさが変わっていないと判定された場合(そのときの顔/目面積比が、表情情報テーブル18中の、同じ人の顔/目面積比と一致すると判定された場合)、ステップS21に戻る。
【0059】
ステップS35で目の大きさが変わったと判定された場合(そのときの顔/目面積比が、表情情報テーブル18中の、同じ人の顔/目面積比と一致しないと判定された場合)、ステップS36で、目の大きさが変わる前後の明るさを比較し(そのときのメインカメラ3に写っている人の画像の明るさと、表情情報テーブル18中の、同じ人の明るさ(情報)とを比較し)、暗くなっていたら、ライト点灯指示(2)を発行する。明るくなっていたら何もしない。そして、一連の処理を終了する。
【0060】
図6は、ライト制御処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図2のライト制御処理部15により実行される。
このライト制御処理は、メインカメラ3起動時に同時に起動するか、または、図3のメインカメラ処理のフローチャート内の1ステップとして起動する。どちらでもよい。
【0061】
図6のステップS41で、何らかの指示の入力待ち状態となる。ここでは、ライト点灯指示(1)、ライト点灯指示(2)、ライト消灯指示(2)、の3つを想定している。ライト点灯指示(1)は、メインカメラ3が撮影する画像の明るさが、(個人差がない)十分に暗い明るさの閾値以下であった場合に出される指示である。ライト点灯指示(2)は、メインカメラ3が撮影する画像の明るさが、(個人毎に設定された)明るさの閾値以下であった(暗かった)場合に出される指示である。ライト消灯指示(2)は、メインカメラ3が撮影する画像の明るさが、(個人毎に設定された)明るさの閾値より大きい(明るい)場合に出される指示である。
【0062】
上記3つの指示のいずれかが入力されると、続く、ステップS42で、ライト制御処理部15は、入力された指示がライト点灯指示(1)かどうかを判定する。
ステップS42で入力された指示がライト点灯指示(1)であると判定された場合(ステップS42の判定結果がYesの場合)、ステップS43で、ライト(照明)4を点灯し、ステップS41に戻る。
【0063】
ステップS42で入力された指示がライト点灯指示(1)ではないと判定された場合(ステップS42の判定結果がNoの場合)、ステップS44で、ライト制御処理部15は、入力された指示がライト点灯指示(2)かどうかを判定する。
【0064】
ステップS44で入力された指示がライト点灯指示(2)ではないと判定された場合(ステップS42の判定結果がNoの場合)、ステップS45で、ライト(照明)4を消灯し、ステップS41に戻る。
【0065】
ステップS44で入力された指示がライト点灯指示(2)であると判定された場合(ステップS44の判定結果がYesの場合)、ステップS46で、ライト点灯情報テーブル19に個人識別情報(その人の顔に該当する画像)と明るさ情報(そのときのメインカメラ3が撮影している画像の明るさ情報)とを関連付けてメモ(ライト点灯情報記憶部17に記憶)する。そして、ステップS41に戻る。
【0066】
このように、個人の表情の変化から視認性を推定し、ライトを点灯させる明るさの閾値を、明るさ情報として、個人識別情報(その人の顔に該当する画像)と関連付けてライト点灯情報テーブル19に記憶している。そして、一旦その個人に対し、個人識別情報および明るさ情報をライト点灯情報テーブル19に登録すると、次回以降の処理では、図5AのステップS29において、操作者に対するライト点灯情報テーブル19がライト点灯情報記憶部17に既に記憶されていると判定され、ステップS30の処理が実行されて、そこで、その操作者固有の閾値(ライト点灯情報テーブル19の明るさ情報)との比較でライト4を点灯するか消灯するかの指示が発行される。よって、表情の変化という個人の特性を考慮して、その個人固有の閾値に基づいてライトの点灯/消灯を行なうことができ、拡大鏡機能使用時の視認性を向上させることができる。
【0067】
以上の説明では、個人の表情の変化に応じて、拡大鏡機能使用時のメインカメラ3が撮影する対象を照射するライト4の点灯/消灯を切り替えることで、拡大鏡機能使用時の視認性向上を行なっていたが、ライト点灯制御以外の方法を採用することもできる。
【0068】
具体的には、ライト4の点灯を制御する代わりに、メインカメラ3の感度を上げる、メインカメラ3をズームする、という2つの方法が考えられる。
以下に、メインカメラ3の感度を上げる場合(本実施形態の第1変形例)について説明する。
【0069】
図7は、本実施形態の第1変形例の携帯電子機器の機能ブロック図である。
図7の第1変形例の携帯電子機器では、図2の携帯電子機器と比較し、ライト制御処理部15、ライト点灯情報記憶部17の代わりに、感度制御処理部21、感度上げ情報記憶部22を有している。
【0070】
感度制御処理部21は、感度上げ指示に従って、メインカメラ3の感度を上げる制御を行なう。感度を上げるときには、そのときの(感度を上げる前の時点での)メインカメラ3の感度を、個人識別情報(そのときの、携帯電子機器の操作者の顔に該当する画像)に関連付けてメモする。すなわち、感度上げ情報記憶部22に、個人識別情報と感度上げ情報(感度を上げる前の時点でのメインカメラ3の感度)を有する感度上げ情報テーブル24を記憶する。
【0071】
本実施形態の第1変形例では、図5Aおよび図5Bのサブカメラ処理の以下の部分が変更される。
ステップS22、S23、S24、S35、S36がなくなる。そして、ステップS21では、ライト点灯済みかどうかを判定する代わりに、感度上げ済みかどうかを判定する。
【0072】
また、ステップS29において、検出された人の顔について、ライト点灯情報が既にメモされているかどうかを判定する代わりに、感度上げ情報が既にメモされているかどうかを判定する。そして、感度上げ情報が既にメモされていた場合は、ステップS30において、現在メインカメラ3に対して設定されている感度をチェックし、それが、感度上げ情報テーブル24の感度上げ情報に設定される閾値以下であった場合に、感度上げ指示を発行する。閾値より大きい場合は何もしない。
【0073】
また、ステップS33で、瞳孔が大きくなったと判定された場合は、ステップS34で、ライト点灯指示(2)を発行する代わりに、感度上げ指示を発行する。
【0074】
図8は、感度制御処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図7の感度制御処理部21により実行される。
この感度制御処理は、メインカメラ3起動時に同時に起動するか、または、図3のメインカメラ処理のフローチャート内の1ステップとして起動する。どちらでもよい。
【0075】
図8のステップS71で、何らかの指示の入力待ち状態となる。ここでは、感度上げ指示が入力として想定されている。
感度上げ指示が入力されると、続く、ステップS72で、感度制御処理部21は、入力された指示が感度上げ指示かどうかを判定する。
【0076】
ステップS72で入力された指示が感度上げ指示ではないと判定された場合(ステップS72の判定結果がNo場合)、ステップS71に戻る。
ステップS72で入力された指示が感度上げ指示であると判定された場合(ステップS72の判定結果がYes場合)、ステップS73で、感度制御処理部21は、感度上げ情報記憶部22に、個人識別情報と感度上げ情報(感度を上げる前の時点でのメインカメラ3の感度)を有する感度上げ情報テーブル24を記憶し、その後、メインカメラ3の感度を上げる。そして、ステップS71に戻る。
【0077】
このように、本実施形態の第1変形例では、個人の表情の変化から視認性を推定し、対象を撮影するメインカメラ3の感度の閾値を、感度上げ情報として、個人識別情報(その人の顔に該当する画像)と関連付けて感度上げ情報テーブル24に記憶している。そして、一旦その個人に対し、個人識別情報および感度上げ情報を感度上げ情報テーブル24に登録すると、次回以降の処理では、図5AのステップS29において、操作者に対する感度上げ情報テーブル24が感度上げ情報記憶部22に既に記憶されていると判定され、ステップS30の処理が実行されて、そこで、その操作者固有の閾値(感度上げ情報テーブル24の感度上げ情報)との比較でメインカメラ3の感度を上げる場合は感度上げ指示が発行される。よって、表情の変化という個人の特性を考慮して、その個人固有の閾値に基づいて感度を上げることができ、拡大鏡機能使用時の視認性を向上させることができる。
【0078】
なお、この他に、ライト点灯制御と、メインカメラ3の感度制御とを組み合わせることで、メインカメラ3が撮影した画像を見やすくする(視認性を向上させる)ことも可能である。
【0079】
この場合、図5BのステップS34およびステップS36において、メインカメラ3の感度を上げているかどうかを最初に判断するようにし、メインカメラ3の感度を上げていない場合は、ライト4の点灯を指示する代わりに、メインカメラ3の感度を上げる。メインカメラ3の感度が上がっている場合には、ライト4の点灯を指示する(ステップS34)、あるいは、 ライト4の点灯を指示するための処理を行なう(ステップS36)。
【0080】
続いて、メインカメラ3をズームする、場合について説明する。
図9は、本実施形態の第2変形例の携帯電子機器の機能ブロック図である。
図9の第2変形例の携帯電子機器では、図2の携帯電子機器に対し、ズーム制御処理部25、ズーム判断基準情報記憶部26が追加されている。
【0081】
ズーム制御処理部25は、ズーム指示に従って、ズーム判断基準情報記憶部26を用いて、メインカメラ3のズーム制御(ズームインまたはズームアウト)を行なう。
ズーム判断基準情報記憶部26は、図10に示すように、ズーム判断基準情報テーブル28を記憶する。メインカメラ3が撮影した画像に文字が写っている場合に、この第2変形例の処理が有効となる。すなわち、画像内の文字数と文字サイズにそれぞれ閾値を設け、文字数と文字サイズの組み合わせでメインカメラ3のズームイン、ズームアウトを決める。
【0082】
本実施形態の第2変形例では、図5Aおよび図5Bのサブカメラ処理の以下の部分が追加される。
まず、図5Aにおいて、ステップS27のオプション処理が追加される。このステップS27では、メインカメラ3が撮影した画像に文字が写っている場合に、その画像内の文字数と文字サイズ(平均値)をそれぞれ求める。そして、その求めた文字数と文字サイズの組み合わせとともに、ズーム指示をズーム制御処理部25に発行する。
【0083】
また、図5BのステップS34およびステップS36において、メインカメラ3をズームしているかどうかを最初に判断するようにし、メインカメラ3をズーム済みでない場合は、ライト4の点灯を指示する代わりに、メインカメラ3をズームする。メインカメラ3をズーム済みの場合には、ライト4の点灯を指示する(ステップS34)、あるいは、 ライト4の点灯を指示するための処理を行なう(ステップS36)。
【0084】
図10は、ズーム制御処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図9のズーム制御処理部25により実行される。
このズーム制御処理は、メインカメラ3起動時に同時に起動するか、または、図3のメインカメラ処理のフローチャート内の1ステップとして起動する。どちらでもよい。
【0085】
図10のステップS101で、何らかの指示の入力待ち状態となる。ここでは、ズーム指示(求めた文字数と文字サイズの組み合わせ付き)が入力として想定されている。
ズーム指示(求めた文字数と文字サイズの組み合わせ付き)が入力されると、続く、ステップS102で、ズーム制御処理部25は、入力された指示がズーム指示かどうかを判定する。
【0086】
ステップS102で入力された指示がズーム指示ではないと判定された場合(ステップS102の判定結果がNo場合)、ステップS101に戻る。
ステップS102で入力された指示がズーム指示であると判定された場合(ステップS102の判定結果がYes場合)、ステップS103で、ズーム制御処理部25は、ズーム指示とともに入力された文字数と文字サイズの組み合わせから、ズームインかズームアウトかを決定し、決定内容に従って、メインカメラ3をズームイン(またはズームアウト)する。そして、ステップS101に戻る。
【0087】
このように、本実施形態の第2変形例では、拡大鏡機能使用時に、視認性制御に、ライトの点灯制御の他に、ズームも考慮しているので、一層きめ細かく視認性を向上させるための制御を行なうことができる。
【符号の説明】
【0088】
1 サブカメラ
2 メインディスプレー
3 メインカメラ
4 ライト(照明)
11 メインカメラ処理部
12 サブカメラ処理部
13 顔検出処理部
14 明るさチェック処理部
15 ライト制御処理部
16 表情情報記憶部
17 ライト点灯情報記憶部
18 表情情報テーブル
19 ライト点灯情報テーブル
21 感度制御処理部
22 感度上げ情報記憶部
24 感度上げ情報テーブル
25 ズーム制御処理部
26 ズーム判断基準情報記憶部
28 ズーム判断基準情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に設けられた第1のカメラと、
前記第1のカメラが設けられた面の裏面に設けられた第2のカメラと、
前記第2のカメラが設けられた面に設けられたライト部と、

前記第1のカメラを制御する第1のカメラ制御部と、を有し、
前記第1のカメラ制御部は、
拡大鏡機能の起動に連動して、前記第1のカメラが撮影した画像から人の顔に該当する画像を検出する顔検出処理部と、
前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像とその画像の制御情報と顔の基準特徴データとを有する表情情報を記憶した表情情報記憶部と、
前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記表情情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定し、一致した場合に、前記表情情報記憶部の対応する顔の基準特徴データに対し、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像の特徴データに変化があった場合に、前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理を行なう視認性情報設定部と、を有し、
前記画像を見やすくする第1処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の制御情報とを有する視認性情報を視認性情報記憶部に記憶し、
前記第1のカメラ制御部は、
前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記視認性情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定する視認性情報設定有無判定部と、
前記視認性情報設定有無判定部により一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の制御情報と、前記ライト点灯情報記憶部の対応する画像の制御情報との比較結果に応じて、画像を見やすくする第2処理を行なう視認性向上部と、をさらに有することを特徴とする拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き携帯電子機器。
【請求項2】
前記画像の制御情報とは、画像の明るさであり、
前記視認性情報設定部が行なう前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理とは、前記ライト部を点灯させるライト点灯処理であり、
該ライト点灯処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の明るさとを有するライト点灯情報を視認性情報として前記視認性情報記憶部に記憶し、
前記第1のカメラ制御部の視認性情報設定有無判定部は、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記ライト点灯情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定し、
前記視認性向上部は、前記視認性情報設定有無判定部により一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の明るさが、前記ライト点灯情報記憶部の対応する画像の明るさより暗い場合に、ライト部を点灯する、ことを特徴とする請求項1記載の拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き携帯電子機器。
【請求項3】
前記画像の制御情報とは、画像の感度であり、
前記視認性情報設定部が行なう前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理とは、前記第2のカメラが撮影する画像の感度を上げる感度上げ処理であり、
該感度上げ処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の感度とを有する感度上げ情報を視認性情報として前記視認性情報記憶部に記憶し、
前記第1のカメラ制御部の視認性情報設定有無判定部は、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記感度上げ情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定し、
前記視認性向上部は、前記視認性情報設定有無判定部により一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の感度が、前記感度上げ情報記憶部の対応する画像の感度より下がっていた場合に、そのときの画像の感度を上げる、ことを特徴とする請求項1記載の拡大鏡機能が使用可能な2台のカメラ付き携帯電子機器。
【請求項4】
一面に設けられた第1のカメラと、
前記第1のカメラが設けられた面の裏面に設けられた第2のカメラと、
前記第2のカメラが設けられた面に設けられたライト部と、
前記顔に該当する画像とその画像の制御情報と顔の基準特徴データとを有する表情情報を記憶した表情情報記憶部と、
前記第1のカメラを制御する第1のカメラ制御部と、を有する2台のカメラ付き携帯電子機器が拡大鏡機能実行時に実行する視認性制御方法において、
拡大鏡機能の起動に連動して、前記第1のカメラ制御部が、前記第1のカメラが撮影した画像から人の顔に該当する画像を検出する顔検出ステップと、
前記第1のカメラ制御部が、前記顔検出ステップで検出した顔に該当する画像が前記表情情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定する判定ステップと、
前記第1のカメラ制御部が、前記判定ステップで一致すると判定された場合に、前記表情情報記憶部の対応する顔の基準特徴データに対し、前記顔検出ステップで検出した顔に該当する画像の特徴データに変化があった場合に、前記第2のカメラが撮影する画像を見やすくする第1処理を行なう視認性情報設定ステップと、
該視認性情報設定ステップにおいて、前記画像を見やすくする第1処理に連動して、前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像と、その画像の制御情報とを有する視認性情報を視認性情報記憶部に記憶するステップと、
前記顔検出処理部が検出した顔に該当する画像が前記視認性情報記憶部に記憶された顔に該当する画像に一致するかどうかを判定する視認性情報設定有無判定ステップと、
前記視認性情報設定有無判定ステップにおいて一致すると判定された場合、そのときの前記第2のカメラが撮影する画像の制御情報と、前記ライト点灯情報記憶部の対応する画像の制御情報との比較結果に応じて、画像を見やすくする第2処理を行なう視認性向上ステップと、を有することを特徴とする2台のカメラ付き携帯電子機器による視認性制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−216949(P2012−216949A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80047(P2011−80047)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】