説明

拡散シミュレーション方法および拡散シミュレーション装置

【課題】シリコン基板中に注入したホウ素の拡散を、広い範囲の活性化熱処理条件に対して高い精度で予測する方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板に注入したホウ素原子の注入直後の濃度分布を設定する第1のステップと、単独で存在するホウ素原子(Bs)と単独で存在する格子間シリコン原子(I)の拡散速度と、クラスタBspBiqrの分解速度と拡散速度と、を設定する第2のステップと、活性化熱処理によるBs、I、BspBiqrの拡散を計算する第3のステップと、各zにおけるBsとBspBiqrの濃度から活性化熱処理後のホウ素原子の濃度分布を求める第4のステップと、を含む拡散シミュレーション方法であって、第3のステップの前に予備熱処理による拡散を計算することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体のプロセスシミュレータに関し、特に、シリコン基板に注入した不純物原子の活性化熱処理による拡散を予測するための拡散シミュレーション方法および拡散シミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコン基板に注入した不純物原子の活性化熱処理後の濃度分布B(z)をシミュレーションによって予測する方法として、シリコン基板内に存在する種々のクラスタ等の拡散を計算することによって予測する方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6)。
【0003】
特許文献1と特許文献2においては、活性化熱処理前の初期条件として下記の式で表される条件を用いている。ただし、C_BsI(z)、C_BsI2(z)、C_I3(z)はそれぞれ、BsI、BsI2、I3の濃度である。
C_BsI(z)=0.5×B0(z)
C_BsI2(z)=0.5×B0(z)
C_I3(z)=0.2×C_BsI(z) または C_I3(z)=0.1×B0(z)
【0004】
特許文献3、特許文献4、特許文献5においては、活性化熱処理前の初期条件として下記の式で表される条件を用いている。ただし、C_Bs2Bi2(z)、C_BsI(z)、C_BsI2(z)はそれぞれ、Bs2Bi2、BsI、BsI2の濃度、S(z)=1.0×1020/cm3である。
0(z)≧S(z)の領域においては、
C_Bs2Bi2(z)={B0(z)−S(z)}/4
C_BsI(z)=S(z)/2
C_BsI2(z)=S(z)/2
0(z)<S(z)の領域においては、
C_Bs2Bi2(z)=1.0
C_BsI(z)=B0(z)/2
C_BsI2(z)=B0(z)/2
また、特許文献6においては、モンテカルロ法に基づく不純物注入シミュレーションの結果を初期状態として用いている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6685772号明細書(USPNo.6685772 B2)
【特許文献2】特開2004−312015号公報
【特許文献3】特開2004−327596号公報
【特許文献4】特開2005−216919号公報
【特許文献5】特開2005−216920号公報
【特許文献6】特開平10−242071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の方法においては下記のような問題点を有していた。
特許文献1と特許文献2に開示されている初期条件やパラメータは次のように決定されている。すなわち、実際の活性化熱処理では図3に示したようにシリコン基板は有限の速度で加熱され、その後規定の温度(Tp2℃)において規定の時間(Ht秒)保持され、その後有限の速度で冷却されるのであるが、過熱冷却過程を省略して、温度を一定値Tp2に設定してHt秒間の計算を行って実験値を再現できるように初期条件と拡散パラメータが最適化されている。したがって、そこに開示されている初期条件等はそれらを最適化するために利用したTp2とHtの組に対してのみ適用できるものであり、異なるTp2やHtに対してはB(z)を高い精度で予測することは困難である。異なるTp2やHtに対してのB(z)の予測精度が低いため、シート抵抗の予測精度も低いものとなる。
【0007】
特許文献3、特許文献4、特許文献5で用いられている初期条件を用いれば特許文献1と特許文献2よりも広い範囲の活性化熱処理条件に対して高い精度でB(z)を予測することができるが、比較的低いTp2の活性化熱処理を行った後のシート抵抗の予測精度は不十分である。
【0008】
また、特許文献6に開示されている初期条件はモンテカルロ法に基づく不純物注入シミュレーションの結果を初期状態として用いている。モンテカルロ法を用いれば注入直後の不純物原子の濃度分布B0(z)をある程度の精度で求めることはできるが、格子間シリコン原子および/または不純物原子からなるクラスタや単独で存在する不純物原子や単独で存在する格子間シリコン原子の濃度分布の信頼性は極めて低いものである。そのため、この先行資料に開示されている初期条件を用いたのでは、広い範囲の活性化熱処理条件に対して高い精度でB(z)やシート抵抗を予測することはできない。
そこで本発明は上記課題を解決し、広い範囲の活性化熱処理条件に対して高い精度でシート抵抗を予測することができる拡散シミュレーション方法および拡散シミュレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の拡散シミュレーション方法は、シリコン基板に注入された不純物原子の注入直後の濃度B0(z)(ただし、z軸は前記シリコン基板の厚さ方向)を入力装置または記録装置または記憶装置から読み取り設定する第1のステップと、前記不純物原子を注入することによって生成される格子間シリコン原子および/または前記不純物原子からなるクラスタの分解速度と、単独で存在する不純物原子の拡散速度と、単独で存在する格子間シリコン原子の拡散速度と前記クラスタの拡散速度と、を演算装置によって設定する第2のステップと、活性化熱処理による前記単独で存在する不純物原子、前記単独で存在する格子間シリコン原子および前記クラスタ各々の拡散を演算装置によって計算する第3のステップと、各zにおける前記単独で存在する不純物原子と前記クラスタの濃度から前記活性化熱処理後の前記不純物原子の濃度分布B(z)を求める第4のステップと、を含む拡散シミュレーション方法であって、前記活性化熱処理による拡散を計算する前に予備熱処理による拡散を計算することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、単独で存在する不純物原子、単独で存在する格子間シリコン原子および種々のクラスタの予備熱処理後の分布が活性化熱処理直前の状態(従来技術において初期状態として指定されている状態)として利用されるため、従来よりも広い範囲の活性化熱処理条件に対して高い精度でシート抵抗を予測することができるという効果を有する。その理由は、このようにして求めた活性化熱処理直前の状態は従来技術において用いられているそれよりも信頼性が高いためである。
【0011】
本発明の拡散シミュレーション装置は、シリコン基板に注入された不純物原子の注入直後の濃度B0(z)(ただし、z軸は前記シリコン基板の厚さ方向)を入力装置または記録装置または記憶装置から読み取り設定する第1のステップと、前記不純物原子を注入することによって生成される格子間シリコン原子および/または前記不純物原子からなるクラスタの分解速度と、単独で存在する不純物原子の拡散速度と、単独で存在する格子間シリコン原子の拡散速度と前記クラスタの拡散速度と、を演算装置によって設定する第2のステップと、活性化熱処理による前記単独で存在する不純物原子、前記単独で存在する格子間シリコン原子および前記クラスタ各々の拡散を演算装置によって計算する第3のステップと、各zにおける前記単独で存在する不純物原子と前記クラスタの濃度から前記活性化熱処理後の前記不純物原子の濃度分布B(z)を求める第4のステップと、を含む拡散シミュレーション装置であって、前記活性化熱処理による拡散を計算する前に予備熱処理による拡散を計算することを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、単独で存在する不純物原子、単独で存在する格子間シリコン原子および種々のクラスタの予備熱処理後の分布が活性化熱処理直前の状態(従来技術において初期状態として指定されている状態)として利用されるため、従来よりも広い範囲の活性化熱処理条件に対して高い精度でシート抵抗を予測することができるという効果を有する。その理由は、このようにして求めた活性化熱処理直前の状態は従来技術において用いられているそれよりも信頼性が高いためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
まず始めに、本発明による拡散シミュレーション方法の概念を、図1を用いて説明する。ここではシリコン基板に注入する不純物はホウ素であり、シリコン基板の格子間にあるシリコン原子をI、格子位置にあるホウ素原子をBs、格子間にあるホウ素原子をBiと略記することにする。
【0014】
第1のステップとしてのステップS11において注入直後のホウ素の濃度分布B0(z)を設定する。B0(z)は実験で求めることができるが、モンテカルロ計算による一般的な注入シミュレータを用いて求めることもできる。次に、ステップS12において初期条件を設定する。初期条件は例えば入力装置から読み取ることができるが、ステップS11において設定されたB0(z)を用いて一定の条件に従って演算して設定することもできる。その一定の条件の一例を下記に示す。
C_BsI(z)=B0(z)
ただし、C_BsIはクラスタBsIの濃度である。
【0015】
次に、ステップS13において予備熱処理条件を設定する。そしてステップS14において予備熱処理によるI、Bs、クラスタBspBiqr(p,q,rは0以上の整数)の拡散を計算する。このステップS14には、各温度におけるI、Bs、クラスタBspBiqrの拡散速度と分解速度を設定する第2のステップが含まれる。
【0016】
次に、ステップS15において、例えば、図3に示したような活性化熱処理条件を設定する。そして第3のステップとしてのステップS16において活性化熱処理によるI、Bs、クラスタBspBiqrの拡散を計算する。このステップS16には、各温度におけるI、Bs、クラスタBspBiqrの拡散速度と分解速度を設定する第2のステップが含まれる。
【0017】
次に、第4のステップとしてのステップS17において、各zにおけるBsとクラスタBspBiqrの濃度を用いて活性化熱処理後のホウ素の濃度分布B(z)が算出される。そしてステップS18においてB(z)が出力または記録される。
【0018】
必ずしもステップS11からステップS18まで全てのステップを連続して実行する必要はない。例えば、同一の条件で注入されたホウ素に対して2種類の活性化熱処理条件による拡散を計算する場合、最初の活性化熱処理条件に対するシミュレーションでは全てのステップを実行しなければならないが、予備熱処理後の全てのデータを記録しておき、次の活性化熱処理条件に対するシミュレーションを行う時には記録しておいたそのデータを読み込むようにすれば、ステップS15から開始すればよい。このように予備熱処理に対する計算を省略することで計算時間を節約することができる。
【0019】
本発明による拡散シミュレーション装置を図2に示す。拡散シミュレーション装置は、大きく分けて入力装置21、演算装置22、出力装置23、記録装置24、記憶装置30から構成されるコンピュータシステムである。入力装置21としては一般に用いられるキーボードを利用することができる。演算装置22としては一般に用いられるCPU(Central Processing Unit)、出力装置23としては一般に用いられる表示装置または印刷装置、記録装置24としては一般に用いられる磁気記録装置やフラッシュメモリー、記憶装置30としては一般に用いられるDRAM(Dynamic Random Access Memory)などを利用することができる。拡散シミュレーション方法が記述されたプログラムは記録装置24に記録されている。
【0020】
注入直後のホウ素の濃度分布B0(z)は入力装置21から入力されるか、記録装置24から読み取られるか、あるいはプログラム内に記述されている。プログラム内に記述されている場合は、記憶装置30に一旦記憶された後、読み取られる。図2は、B0(z)を用いて一定の条件に従って初期条件が設定される場合の例であるため、初期条件設定部25が演算装置22の中に含まれる。しかし、初期条件はB0(z)と同様に入力装置21から入力するか、記録装置24から読み取るか、あるいはプログラム内に記述しておくことも可能である。
【0021】
演算装置22には、さらに熱処理条件設定部26、温度・拡散速度・分解速度設定部27、クラスタ等の拡散計算部28が含まれる。これらは、予備熱処理と活性化熱処理の両方に対して共用される。演算装置22にはさらに、単独で存在する不純物原子とクラスタの濃度から活性化熱処理後の不純物原子の濃度分布B(z)を求めるための、活性化熱処理後のホウ素の濃度算出部29が含まれる。最後に、その結果は必要に応じて出力装置23に出力されるか、記録装置24に記録される。
【0022】
以下、実施例を用いて本発明について詳しく説明する。
(実施例1)
本実施例では、600eVでシリコン基板に注入したホウ素の活性化熱処理後のB(z)を、下記の計算条件を用いて求めた。
[計算条件]
初期条件として、実験によって求めたB0(z)を用いてクラスタBsIの濃度C_BsIを下記の式で設定した。
C_BsI(z)=B0(z)
また、BsI以外のクラスタとBsおよびIの濃度はC_BsI(z)と比較して十分小さい値、例えば1.0cm-3とした。
I、BsI、Bs、BsBiの拡散速度は、kbをボルツマン定数、Tを絶対温度とすれば、
D_I=4.25×10-3EXP(−0.4/kbT)
D_BsI=8.5×10-4EXP(−0.68/kbT)
D_Bs=8.5×10-2EXP(−3.46/kbT)
D_BsBi=2.125EXP(−2.45/kbT)
とした。
また、例えば、BsI、BsBiの分解速度は、
K_BsI=1.0×1013×EXP(−1.1/kbT)
K_BsBi=5.0×1013×EXP(−2.2/kbT)
とした。ただし、初期条件やこれらのパラメータの値はここに記載した値に厳密に限定されるものではない。例えば、Bsの拡散速度を5%変化させても得られる結果に重大な影響を及ぼさない。
予備熱処理条件は200℃15分とし、活性化熱処理条件は図3においてTp1=300℃、Tp2=1030℃、Tm1=7秒、Ht=10秒、昇温速度は毎秒50℃とした。
【0023】
以上のような計算条件を用いて、最初に予備熱処理によるI、Bs、クラスタBspBiqrの拡散を計算し、続いて活性化熱処理による拡散を計算し、最後にBsとクラスタBspBiqrの濃度からB(z)を求めた。その結果を図4に示す。破線のプロットがB(z)である。各zにおけるBsの濃度C_Bs(z)も併せて示してある。図において、(a)と(b)はそれぞれ、SIMS(二次イオン質量分析)測定によって得られた注入直後と活性化熱処理後のホウ素の濃度分布である。実験値(b)と計算値(B(z))を比較すれば、非常に高い精度で実験値を再現できていることがわかる。接合深さXjをホウ素の濃度が1.0×1018となる深さとして定義すれば、Xjの予測誤差は1.7%となる。
【0024】
C_Bs(z)とホールの移動度を用いてシート抵抗を見積もることができる。シート抵抗の実験値は288Ω/□、シミュレーションによる推定値は263Ω/□であり、その予測誤差は−8.7%となった。シート抵抗も高い精度で再現できている。
【0025】
(実施例2)
本実施例では、Tp2=950℃という条件の活性化熱処理後のシート抵抗をシミュレーションによって求めた。実施例1と異なる点はTp2のみであり、その他の計算条件は実施例1と同一である。Xjの予測誤差は3.5%であった。シート抵抗の実験値は1010Ω/□、シミュレーションによる推定値は940Ω/□であり、その予測誤差は−6.9%となった。本実施例でもシート抵抗を高い精度で再現できた。
【0026】
(実施例3)
本実施例では、Tp2=860℃という条件の活性化熱処理後のシート抵抗をシミュレーションによって求めた。実施例1と異なる点はTp2のみであり、その他の計算条件は実施例1と同一である。Xjの予測誤差は2.5%であった。シート抵抗の実験値は2612Ω/□、シミュレーションによる推定値は2740Ω/□であり、その予測誤差は4.9%となった。本実施例でもシート抵抗を高い精度で再現できた。
【0027】
(実施例4)
本実施例では、予備熱処理条件を300℃10分、活性化熱処理条件をTp2=1030℃として、その他の計算条件は実施例1と同一としてシート抵抗をシミュレーションによって求めた。Xjの予測誤差は4.8%であった。シート抵抗の実験値は288Ω/□、シミュレーションによる推定値は258Ω/□であり、その予測誤差は−10.4%となった。本実施例でもシート抵抗を高い精度で再現できた。
【0028】
(実施例5)
本実施例では、予備熱処理条件は実施例4と同様に300℃10分、活性化熱処理条件はTp2=860℃として、活性化熱処理後のシート抵抗をシミュレーションによって求めた。実施例4と異なる点はTp2のみであり、その他の計算条件は実施例3と同一である。Xjの予測誤差は3.7%であった。シート抵抗の実験値は2612Ω/□、シミュレーションによる推定値は2780Ω/□であり、その予測誤差は6.4%となった。本実施例でもシート抵抗を高い精度で再現できた。
【0029】
これらの実施例の結果をまとめると表1のようになる。5種類の実験に対してXjの予測誤差は約5%以内、シート抵抗の予測誤差は約10%以内であることがわかる。
【0030】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による拡散シミュレーション方法の概念を示す図。
【図2】本発明による拡散シミュレーション装置のブロック図。
【図3】活性化熱処理条件を示す図。
【図4】本発明によるシミュレーション結果を示す図。
【符号の説明】
【0032】
21…入力装置、22…演算装置、23…出力装置、24…記録装置、25…初期条件設定部、26…熱処理条件設定部、27…温度・拡散速度・分解速度設定部、28…クラスタ等濃度の拡散計算部、29…活性化熱処理後のホウ素の濃度算出部、30…記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板に注入された不純物原子の注入直後の濃度B0(z)(ただし、z軸は前記シリコン基板の厚さ方向)を入力装置または記録装置または記憶装置から読み取り設定する第1のステップと、
前記不純物原子を注入することによって生成される格子間シリコン原子および/または前記不純物原子からなるクラスタの分解速度と、単独で存在する不純物原子の拡散速度と、単独で存在する格子間シリコン原子の拡散速度と前記クラスタの拡散速度と、を演算装置によって設定する第2のステップと、
活性化熱処理による前記単独で存在する不純物原子、前記単独で存在する格子間シリコン原子および前記クラスタ各々の拡散を演算装置によって計算する第3のステップと、
各zにおける前記単独で存在する不純物原子と前記クラスタの濃度から前記活性化熱処理後の前記不純物原子の濃度分布B(z)を求める第4のステップと、
を含む拡散シミュレーション方法であって、
前記活性化熱処理による拡散を計算する前に予備熱処理による拡散を計算することを特徴とする拡散シミュレーション方法。
【請求項2】
シリコン基板に注入された不純物原子の注入直後の濃度B0(z)(ただし、z軸は前記シリコン基板の厚さ方向)を入力装置または記録装置または記憶装置から読み取り設定する第1のステップと、
前記不純物原子を注入することによって生成される格子間シリコン原子および/または前記不純物原子からなるクラスタの分解速度と、単独で存在する不純物原子の拡散速度と、単独で存在する格子間シリコン原子の拡散速度と前記クラスタの拡散速度と、を演算装置によって設定する第2のステップと、
活性化熱処理による前記単独で存在する不純物原子、前記単独で存在する格子間シリコン原子および前記クラスタ各々の拡散を演算装置によって計算する第3のステップと、
各zにおける前記単独で存在する不純物原子と前記クラスタの濃度から前記活性化熱処理後の前記不純物原子の濃度分布B(z)を求める第4のステップと、
を含む拡散シミュレーション装置であって、
前記活性化熱処理による拡散を計算する前に予備熱処理による拡散を計算することを特徴とする拡散シミュレーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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