説明

持続性可変負圧創傷治療法およびその制御法

創傷治療のために、特に周期的低減圧力(負圧)を提供するためのシステム。システム(20,120,220)は、創傷ドレッシング(24,124,224)、流体収集コンテナ(38,138,238)、吸引源(30,130,230)、フィルター(34,234)、管路(36,46,136,146,163,166,236,246,248,263)を備える。システム(20,120,220)はまた、制御デバイス(32,132,232)とセンサー(84)を備える。センサー(84)は、温度、圧力、血流量、血液酸素飽和度、脈、心周期などの患者の生理学的状態をモニターする。大気圧下の二つ以上の値間での周期的低減圧力の適用は、センサー(84)によってモニターされた生理学的状態と同期させることができる。システム(20,120,220)は、二つ以上の低減圧力値間での創傷ドレッシング(24,124,224)内の低減圧力レベルの急速サイクリングを可能とするために、エアリザーバ(160,260)、一つ以上のバルブ(33,162,164,167,168,267,268,270)、圧力センサー(137,165,265)を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のある実施形態は、創傷に対して低減されたすなわち負の圧力を作用させることによる創傷の治療に関する。
【0002】
本願は、2008年1月8日付けで出願された米国仮特許出願第61/019,819号に関連し、かつ、その利益を主張する(その全体は、この引用によって本明細書に組み込まれ、本開示の一部分をなす)。
【背景技術】
【0003】
自然に閉塞するには大きすぎるかあるいは治癒しない口の開いたあるいは慢性的創傷の治療は、医療に関する困難な分野であった。口の開いた創傷の閉塞には、周囲の上皮および皮下組織の内部移動が必要である。だが、ある創傷は、自然に治癒できないほどに大きく、あるいは感染していることがある。そうした状況では、局所的水腫が上皮および皮下組織への血液の流れを制限する鬱血領域が、創傷の表面付近に生じる。十分な血流がない場合には、創傷は細菌感染と満足に戦うことができず、したがって自然に閉塞することができない。
【0004】
創傷治療の初期段階は、肉芽組織の形成によって特徴付けられるが、これは、コラーゲン、フィブロネクチン、およびヒアルロン酸担持マクロファージ、線維芽細胞および創傷のその後の上皮化のための基礎を形成する新生血管のマトリックスである。感染および劣った血管新生は、傷付いた組織内での肉芽組織の形成を妨げ、創傷治癒を抑制する。したがって、自然な治癒を促進しかつ感染を低減するために傷付いた組織内の血液循環を促進するための技術を提供することが望まれている。
【0005】
創傷治療中に生じる他の問題は、治癒プロセス中の創傷クロージャのための適切な技術の選択である。縫合糸が、創傷の縁部を一緒に移動させかつ治すために、隣接する生存組織に対して力を加えるために、しばしば使用される。だが、縫合糸は、創傷の周囲の領域の非常に小さいパーセンテージしか閉塞力を作用させない。瘢痕、水腫、あるいは不十分な組織が存在する場合、縫合糸によって生じる張力は大きなものとなり、各縫合糸に隣接する組織に対して縫合糸によって過大な圧力が加えられる。この結果、隣接組織はたいてい乏血状態となり、これによって大きな創傷の縫合は望ましくない結果を生じる。単一の縫合糸の必要張力を低減するために、縫合糸の嵩すなわちサイズを大きくした場合、創傷内の異物質の量が同時に増加し、創傷はより感染しやすくなる。さらに、特定の創傷のサイズあるいは種類は、創傷閉塞を促進するための縫合糸の使用を妨げることがある。それゆえ、創傷の周縁付近に均一に閉塞力を配分する、大きな創傷を閉塞するための装置および方法を提供することが望まれている。
【0006】
乏血あるいは血流不足から生じる創傷もまた、たいてい治癒困難である。というのは、創傷に対する減少血流は、感染と戦うための正常免疫反応を妨げるからである。寝たきりあるいは歩行できない患者には、褥瘡性潰瘍あるいはとこずれとして、そうした乏血創傷が生じやすい。褥瘡性潰瘍は、皮膚表面およびその下にある組織の絶え間ない押圧の、したがって循環の制限の結果として生じる。患者は、しばしば、創傷を感じることができず、あるいは圧力を軽減するのに十分なほど動くことができないので、そうした創傷は自己永続化し得る。そうした創傷はフラップを用いて治療するのが一般的であるが、初めに創傷を引き起こした状況はまた、十分なフラップの取り付けを阻止するように作用し得る。たとえば、車椅子束縛対麻痺は、骨盤とこずれの処置の後も、依然として座ったままでなければならない。それゆえ、動けないかあるいは部分的にしか動けない患者に現場で実施できる乏血創傷のための治療処置を提供することが望まれている。
【0007】
乏血が進行性悪化につながるある種の創傷としては、部分厚熱傷が挙げられる。部分厚熱傷は、熱的外傷によるが細胞の死が、毛嚢、汗腺あるいは脂腺などの最深上皮組織の下方には及ばない熱傷である。より深い熱傷への部分厚熱傷の進行は、熱傷治療における主要な課題である。熱傷の深さを抑制するか減じる機能は、熱傷患者にとっての予後を著しく改善し、かつ、熱傷に起因する罹患率を低減する。部分厚熱傷は血液凝固の領域から形成されるが、これは、熱的損傷によって死んだ組織および鬱血の領域を取り囲む。鬱血の領域は、血液凝固の領域の直ぐ下方の組織からなる層である。鬱血の領域内の細胞は生存可能であるが、血流が、局所的水腫による血管組織の潰れによって停止状態である。損傷後直ちに鬱血の領域内で血流が確立されなければ、鬱血の領域内の組織もまた死ぬ。鬱血の領域内の組織の死は、酸素および栄養分の欠乏、再灌流傷害(長期間の乏血の後の血流の再確立)、および細菌繁殖領域への白血球の移動減退によって生じる。繰り返すが、熱傷の侵入を阻止するために傷付いた組織に対する血液の循環を促進することによって熱傷を治療するための技術を提供することが望まれている。負圧創傷治療は長年にわたって活用されており、しかも創傷の治癒を助けることが判明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態では、低減されたすなわち負の圧力(たとえば大気圧未満)を創傷の治癒を助けるために使用でき、そして三つの一般モードで使用するために使用できる。第1の一般モードは連続モードであり、この場合、負圧は、所定圧力(負圧はこのレベルで保持される)まで一定の様式で加えられる。第2の一般モードは間欠的なものとして特徴付けることができる。間欠モードにおいては、負圧が、好ましくは、概して、創傷に加えられ、続いて解放されるか無効にされ、大気圧へと戻る穏やかなあるいは急激な圧力の解放を可能とする。間欠モードのある変形例は、第1の度合いで創傷に対して負圧を加え、続いて、負圧が第2の程度に達するように圧力を解放するか無効にすることを具備してなる。創傷への間欠圧力の適用は、迅速かつ効果的な様式で、慢性、外傷性、およびその他の種類の創傷を治癒することによって、そうした創傷を抱えた患者を支援できる。
【0009】
ある実施形態では、そうした創傷は、負圧創傷治療装置を用いて治療されるが、そうした装置は好ましくは、創傷ドレッシングと、流体収集デバイスと、一つ以上の管路と、フィルターと、創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成された吸引源(たとえば真空ポンプ)と、吸引源を制御するよう構成された制御デバイスとを具備してなる。ある実施形態では、周期的な低減圧力を、二つ以上の大きさの大気圧下圧力間で、かつ、一つ以上のサイクリング頻度で、創傷に対して作用させることができる。
【0010】
ある実施形態では、本装置は、温度、圧力、血流量、血液酸素飽和度、脈、心周期などの患者の生理学的状態をモニターするよう構成された一つ以上のセンサーを備えることができる。ある実施形態では、制御デバイスは、この一つ以上のセンサーによってモニターされたコンディションを受け取り、そしてこのモニターされたコンディションに基づいて吸引源を制御することができる。
【0011】
ある実施形態では、本装置は、一つ以上のセンサーから受け取った、患者のモニターされた心臓活動性と同期して、創傷に対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成できる。ある実施形態では、制御デバイスは、収縮期の持続時間の間、第1の大きさで低減圧力を作用させ、そして拡張期の持続時間の間、第2の大きさで低減圧力を作用させるために第1の大きさでの低減圧力を解放するよう吸引源を制御できる。ある実施形態では、制御デバイスは、拡張期の持続時間の間、第1の大きさで低減圧力を作用させ、そして収縮期の持続時間の間、第2の大きさで低減圧力を作用させるために第1の大きさでの低減圧力を解放するよう吸引源を制御できる。ある実施形態では、第1の大きさでの低減圧力は収縮期の全部および拡張期の一部の間、加えることができる。ある実施形態では、第1の大きさでの低減圧力は拡張期の全部および収縮期の一部の間、加えることができる。ある実施形態では、第1の大きさでの低減圧力と第2の大きさでの低減圧力との間でのサイクリングは、時間変化波形、たとえば、方形、半波整流台形、および三角形波形および対称、半波整流、非対称、および一部整流非対称正弦波形などに基づいて低減圧力を変化させることからなっていてもよい。
【0012】
ある実施形態では、本装置は、一つ以上のセンサーから受け取った、創傷を通過するモニターされた血流量と同期して、創傷に対して周期的な低減圧力を加えるよう構成できる。ある実施形態では、本装置は、大気圧下概ね10〜12mmHgのベースライン負圧を提供するよう、そして毎分概ね20〜60サイクルの頻度で、概ね20〜150mmHgだけ、創傷に対して加えられる負圧を増大させることによって、負圧をサイクルさせるよう構成できる。ある実施形態では、短い持続レベルの高い負圧を実現するために、本装置は、大気圧下概ね20mmHgのベースライン負圧のために、そして毎分概ね120サイクルの頻度で、大気圧下概ね200mmHgまでそれを増大させることによって負圧をサイクルさせるために構成できる。
【0013】
ある実施形態では、本装置は、第2の大きさでの低減圧力が第1の大きさでの低減圧力を5ないし85mmHg上回るように創傷に対して周期的な低減圧力を加えるよう構成できる。ある実施形態では、本装置は、毎分200ないし400の頻度で第1および第2の圧力での低減圧力をサイクルせるよう構成できる。
【0014】
ある実施形態では、本装置は、エアリザーバと、一つ以上のバルブと、二つ以上の低減圧力値間で創傷ドレッシング内の低減圧力のレベルの急速な循環を可能とする圧力センサーあるいはゲージを備えることができる。エアリザーバ、バルブおよび圧力センサーあるいはゲージは、エアリザーバから創傷ドレッシングへと正圧を、かつ、吸引源から創傷ドレッシングへと低減圧力を供給するよう構成できる。ある実施形態では、本装置は、吸引源およびエアリザーバを創傷ドレッシングに対して接続する一つ以上の管路を備えるよう構成できる。ある実施形態では、本装置は一つ以上の安全バルブを備えていてもよい。
【0015】
ある実施形態では、エアリザーバは、吸引源および創傷ドレッシングに対して接続することができ、そしてそれは創傷ドレッシングに対して正圧を供給するよう構成できる。制御バルブは、エアリザーバおよび創傷ドレッシングに対して接続することができ、制御バルブはエアリザーバから創傷ドレッシング内へとエアを循環させるよう構成できる。ある実施形態では、本装置は、制御バルブを開放することでエアリザーバから創傷ドレッシング内へとエアが循環するように、第1の大きさでの低減圧力の適用の間、制御バルブを閉鎖し、そして第2の大きさでの低減圧力の適用の間、制御バルブを開放することによって、創傷に対して周期的な低減圧力を加えるよう構成できる。
【0016】
本発明の他の実施形態は、上記装置を利用するための方法、および上記装置のサブコンポーネントに関する。ある実施形態では、患者の創傷を治療するための方法が提供される。創傷ドレッシングは、創傷の上にそれを取り囲むように配置され、ドレッシングは、ドレッシングと創傷との間に低減圧力を維持するよう構成される。創傷に対して低減圧力が加えられるが、加えられる低減圧力は、低減圧力の少なくとも二つの異なる大きさ間でサイクルさせられる。ある実施形態では、患者の心臓活動性がモニターされ、そしてサイクリングはモニターされた心臓活動性と同期させられる。他の実施形態では、正圧がエアリザーバから創傷ドレッシングに対して供給されてもよい。制御バルブは、第1の大きさでの低減圧力の適用の間、エアリザーバとドレッシングとの間で閉鎖されてもよく、かつ、制御バルブは、第2の大きさでの低減圧力の適用の間、開放されてもよく、この場合、制御バルブの開放は、エアリザーバから創傷ドレッシング内へとエアを循環させる。
【0017】
以下、上記およびその他の特徴、態様ならびに利点について、図面を参照して、ある実施形態に関連付けて説明する。だが、図示する実施形態は単なる実例であり、限定を意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】連続低減圧力プログラムの概略図である。
【図2】持続性可変低減圧力プログラムの概略図である。
【図3】持続性可変負圧創傷治療装置の実施形態の概略図である。
【図4A】持続性可変負圧創傷治療装置の他の実施形態の概略図である。
【図4B】持続性可変負圧創傷治療装置の他の実施形態の概略図である。
【図5】持続性可変負圧創傷治療装置の他の実施形態の概略図であり、創傷内に埋め込まれたセンサーを示している。
【図6】持続性負圧創傷治療装置の他の実施形態の概略図であり、ドレッシングに隣接して配置されたセンサーを示している。
【図7A】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図7B】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図7C】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図7D】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図7E】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図7F】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図7G】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングは患者の心拍と同期させられている。
【図8】持続性可変負圧プログラムの概略図であり、負圧サイクリングはパルスを含んでいる。
【図9】持続性可変負圧創傷治療装置の他の実施形態の概略図であり、制御、記録およびアラームデバイスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
創傷の治癒を助けるために負圧が利用でき、本発明のある実施形態では、三つの一般モードで利用できる。第1の一般モードは連続モードであり、負圧は所定の圧力(負圧はこのレベルで保持される)まで一定の様式で作用させられる。たとえば、図1は、大気圧下80mmHgの負圧の創傷位置への連続適用を示している。
【0020】
第2の一般モードは、間欠的なものとして特徴付けられる。間欠モードでは、負圧は好ましくは概して、創傷に作用させられ、その後、解放されるか無効にされ、これによって圧力を大気圧へと戻るように穏やかに解放することが可能となる。間欠モードの変形例(本明細書では、持続性可変負圧あるいは低減圧力と呼ぶ)は、第1の大きさで創傷に対して負圧を作用させること、および、続いて、負圧が第2の大きさ達するように圧力を解放するか無効にすることを具備してなる。たとえば、図2は、大気圧下概ね85mmHgと10mmHgとの間の負圧大きさ間でのサイクリングによる創傷に対する持続性可変負圧の適用を示している。図2に示すように、大気圧下約10mmHgの負圧がまず創傷に対して加えられる。続いて、短時間だけ、負圧が大気圧下85mmHgまで増大させられ(たとえば急上昇させられ)、そしてその後、大気圧下約10mmHgへと戻るように解放される。そうした治療は、創傷が甚大な痛みを生じる場合あるいは治癒が安定期に達したときには有益であろう。
【0021】
ある実施形態では、本装置は、好ましくは、持続性可変負圧を供給するが、これは、負圧創傷治療の適用に、より高い融通性をもたらす。本装置の少なくともある実施形態は、好ましくは、医師または患者が上記三つの一般モードのいずれかで負圧を作用させることを、あるいは使用中に一つのモードから他のモードへと切り換えることを可能とするよう構成される。ある実施形態では、装置が提供できる持続性可変負圧のサイクル頻度および大きさは、患者あるいは医師によって調整可能であってもよく、あるいは装置内に予めプログラムされていてもよい。
【0022】
持続性可変負圧創傷治療は、慢性、外傷性およびその他の種類の創傷を抱えた患者を、迅速かつ効果的な様式で、こうした創傷を治癒することによって助けることができる、今までにない新規なコンセプトである。たとえば、持続性可変負圧の供給は、創傷を通る良好な血流を維持すると共に治癒を促進するために患者の鼓動と同期させることができる。他の例として、持続性可変負圧の供給は毛細管閉鎖圧力下に圧力の大きさを低下させることができ、これによって、創傷を通る高いレベルの血流量が維持される。
【0023】
図3は、持続性可変負圧創傷治療装置20の一実施形態の概略図である。本明細書中で説明するように、持続性可変負圧創傷治療装置は、選択された時間の間、制御された様式で、創傷位置22に対して持続性可変負圧を供給するために、異なる大きさで創傷位置22に低減圧力(たとえば大気圧以下)を加えることによって創傷を治療するよう構成可能である。
【0024】
図3に示すように、負圧創傷治療装置20は、持続性可変負圧を用いた創傷位置22の治療を実現するために、創傷位置22を取り囲みかつ創傷位置22の上に液密あるいは気密覆いをもたらすための創傷カバーすなわち創傷ドレッシング24を具備してなる。創傷ドレッシング24内にセクションを形成するために、創傷ドレッシング24は、創傷位置22における密封された創傷ドレッシング24のための吸引源すなわち低減圧力源を提供するための真空システム26に対して接続される。吸引源26は、好ましくは少なくとも二つの所定の負圧レベルの間でサイクル動作する真空ポンプ30を備えていてもよく、負圧は創傷あるいは創傷ドレッシングに対して作用させられ、この場合、負圧の所定のレベルは、負圧が常に創傷または創傷ドレッシングに対して作用させられるようにゼロよりも大きなものである。吸引源26はさらに、制御デバイス32、フィルター34、および真空ポンプ30を流体収集システム28に対して接続するチューブ36を備えていてもよい。所定の大きさの吸引すなわち低減された圧力は真空ポンプ30によって形成される。真空ポンプ30は、好ましくは、以下で詳しく説明する制御デバイス32によって制御される。フィルター34、たとえば微細孔フィルターが真空ポンプ30の排気部に取り付けられるが、これは、創傷位置22からの潜在的に病原性の細菌あるいはエアロゾルが真空ポンプ30によって大気中に放出されるのを阻止する。ある実施形態(図示せず)では、フィルターは、好ましくは、ポンプを汚染された流体から保護できるように、チューブ36に沿って流体収集システム28とポンプ30との間に配置されてもよい。ある実施形態では、吸引源26は、好ましくは平行に配置された、チューブ36と接続された二つ以上の真空ポンプ30(一次および二次ポンプ)からなることができる。以下で説明するように、付加的ポンプは、単一のポンプが故障した場合の吸引源の不全を阻止するためのポンプ冗長性を提供することによって、低減圧力サイクルのより素早い切り換え、増大吸引力、およびより高いレベルの安全性ならびに製品品質を実現する。ある実施形態では、装置が提供できるサイクル頻度および持続性可変負圧の大きさは、患者あるいは医師によって調整可能であり、あるいは装置内に予めプログラムすることができる。安全上の理由から、どの程度低くあるいは高く周波数および大きさを調整あるいは事前プログラム可能であるかに関する制限が存在してもよい。
【0025】
創傷ドレッシング24と吸引源26との間には、創傷位置22から吸引された浸出液を遮断しかつ保持するための流体収集システム28が存在する。流体収集システム28は、好ましくは、創傷ドレッシング24によって創傷位置22から吸引される浸出液を除去しかつ収集するために、吸引真空ポンプ30と創傷ドレッシング24との間に相互接続される。創傷ドレッシング24は、好ましくは、創傷位置22から流体あるいは浸出液を積極的に取り出すよう機能する。真空ポンプ30と創傷ドレッシング24との間の流体収集システム28における浸出液の収集は、真空ポンプ30の目詰まりを防止するために好ましい。
【0026】
図3に示すように、流体収集システム28は、流体不浸透性収集コンテナ38およびシャットオフ機構40とからなっていてもよい。コンテナ38は、所定量の浸出液を遮断しかつ保持するのに適した、いかなるサイズおよび形状を有していてもよい。そうしたコンテナのさまざまな例が関連技術において使用可能である。図示するコンテナ38は、好ましくは、当該コンテナ38の上端に配置された第1のポート42と第2のポート44とを有する。第1のポート42は、好ましくは、チューブ46を経て創傷ドレッシング24へと吸引力が作用することを可能とし、かつ、創傷ドレッシング24によって覆われた創傷位置22からの浸出液がコンテナ38内に排出されることをも可能とする。ある実施形態では、チューブ46は二つ以上のチューブからなっていてもよく、この場合、一定レベルの負圧およびサイクル負圧は、創傷あるいは創傷ドレッシングに対して、異なるチューブを介して作用させられる。ある実施形態では、チューブ36,46は、装置が二つ以上の低減圧力値間でドレッシング124内の低減圧力のレベルを急速にサイクルさせるのに十分なエアを導くようなサイズおよび形状とすることができる。コンテナ38は、収集された浸出液を収容しかつ一時的に蓄えるための手段を提供する。コンテナ38に対して真空ポンプ30からの吸引力を作用させることを可能とするために、第2のポート44がさらにコンテナ38の上端に設けられている。上述したように、収集システム28の第2のポート44は、真空ライン36によって真空ポンプ30に接続される。収集システム28は、好ましくは、吸引真空ポンプ30が、収集システム28を介して創傷ドレッシング24に対して吸引力を供給することを可能とするように概ね気密状態でシールされる。
【0027】
図3に示す創傷ドレッシング24の実施形態における流体不透過性創傷カバー50は、実質的に(周期的な負圧の適用を良好にサポートするために)剛体の、あるいはフレキシブルなシートであってもよい。シートはまた、粘着材を含んでいてもよく、しかも(その中に任意の吸収性マトリックス48を含む)創傷位置22、ならびに創傷位置22を取り囲む周囲の正常な皮膚50を覆いかつ取り囲むための流体不透過性ポリマーシートであってもよい。ある実施形態では、創傷カバー50は、人工成長皮膚などの、生物学的に作り出された素材からなっていてもよい。さらなる実施形態では、マトリックス48は、従来公知であるように、非生体吸収性であってもよい。創傷カバー50は、好ましくは、粘着性基材54を備えるが、これは、創傷位置22上に概して気密あるいは液密性エンクロージャを提供するために、創傷位置22の周縁を取り囲む正常な皮膚52に対して創傷カバー50をシールするよう機能する。粘着性カバー50は、好ましくは、創傷位置22の周縁を取り囲むように液密あるいは気密シールを形成するのに、そして、吸引力、低減されたすなわち負の圧力あるいは周期的な負圧の適用の間、皮膚52と密着接触状態でカバー50を保持するのに十分な粘着性を有する。創傷カバー50はまた、好ましくは、フィードスルー位置56(ここで、チューブ46は創傷カバー50の下から現れる)においてチューブ46周りに気密シールを提供する。吸収性マトリックス48に埋め込まれたチューブセグメント46aは、好ましくは、エンクロージャを経て低減圧力を実質的に均一に作用させることを可能とするために、吸収性マトリックス48の内部に配置された少なくとも一つの側方ポート58を有する。ある実施形態(図示せず)では、チューブ46は、ドレッシングの上部に配置されたポートを経て、創傷ドレッシング24に接続可能であってもよい。
【0028】
ある実施形態では、創傷ドレッシング24はまた、創傷上に吸引力を均等に配分するよう構成された断続層(図示せず)を備えていてもよい。断続層は、負圧を作用させることで部分的に潰れる、さまざまな素材、たとえばガーゼおよびガーゼ状素材、開放セルフォーム、スポンジ、マトリックス状素材などを含んでいてもよい。
【0029】
吸収性マトリックス48は、創傷が治癒するとき、マトリックス48内への創傷位置22の領域内の組織の成長を促進するために実質的に創傷位置22の広がり上に配置することができる。吸収性マトリックス48のサイズおよび形状は、個々の創傷位置22に適合するよう調整できる。それは、さまざまな吸収性素材、好ましくはやはり多孔性の素材から形成できる。マトリックス48は、それが、酸素が創傷位置22に達することを可能とするのに十分なほど多孔状であるように構成されるべきである。吸収性マトリックス48は、好ましくは、創傷位置22の領域内の上皮および皮下組織によって吸収可能な、健康な哺乳類から得られたコラーゲン、吸収性合成ポリマー、あるいは吸収性ドレッシングのために使用されるものと類似のその他の素材などの無毒物質から構成される。だが、米国特許出願公開第2004/0073151号明細書(この引用によって全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるように、吸収性マトリックス48用のその他の素材および吸収性マトリックス48の他の形状も、本明細書中に開示した負圧創傷治療装置20と共に使用できる。
【0030】
ある実施形態では、装置は、創傷の全ての部分に対して概ね均等に負圧を分配するよう構成されたドレッシング24を備えていてもよい。これに代えて、ある実施形態では、装置は、創傷の異なる部分に対して異なるレベルで負圧を分配するよう構成されたドレッシング24を備えていてもよい。たとえば、ある実施形態では、(以下で説明するような)センサーが、創傷の一部分内に流入する血液酸素レベルが最適値よりも低いと判定する場合、ドレッシングは、好ましくは、創傷の当該特定の部分に対して増大したレベルの負圧を供給するよう構成されるであろう。さらに、上述したように、ドレッシングは、負圧の周期的なローディングの間、ドレッシングにおける漏れの発生を最小限に抑えるために、より強力なシールあるいはシーリング形態を有していてもよい。
【0031】
吸引源26は、これに限定されるわけではないが、ポータブル吸引ポンプ装置、ピストン型デバイス、組み合われたいくつかのピストン、ダイアフラム型ポンプ、ロータリーベーンポンプなどの好適なデバイスによって実現できる。吸引源はまた、(病院に設けられているような)壁面吸引口からなっていてもよく、調整器を壁の吸引源に対して取り付けることができる。上述したように、吸引源は真空ポンプによって実現できる。第2のポンプは、単一のポンプが故障した場合の吸引源の不全を阻止するためのポンプ冗長性を提供することによって、低減圧力サイクルのより素早い切り換え、増大吸引力、およびより高いレベルの安全性ならびに製品品質を実現するために使用できる。これに代えて、単一の大型真空ポンプを、低減圧力サイクルの切り換えおよび増大吸引力を実現するために使用してもよい。これに代えて、真空ポンプは、低減圧力サイクルの迅速な切り換え、増加吸引力、ならびに高いレベルの安全性および製品品質を実現する二次ピストンあるいはダイアフラムを有していてもよい。
【0032】
真空ポンプは、ポンプのあるいはドレッシングのポートあるいはバルブを経て圧力を解放することによって、あるいはポンプ源を停止させると共にドレッシング内の固有を漏れ許容することによって、負圧のサイクル中に作用させられる負圧を低減しあるいは解放することができる。図3に示すように、バルブ33が、サイクル中に作用させられる負圧を解放するためにチューブ36に沿って配置されてもよい。微細孔フィルターなどのフィルター(図示せず)が、創傷位置22からの潜在的に病原性の細菌あるいはエアロゾルが大気中へと放出されるのを阻止するために、ポートあるいはバルブに対して取り付けられてもよい。
【0033】
制御デバイス32は、ドレッシング24および創傷位置に提供される吸引力の大きさを制御するために真空ポンプを制御できる。制御デバイス32は、好ましくは、センサーからの信号を受け、そして、真空ポンプによって認識可能な電子あるいはその他の好適な形態へと、この信号を変換する。ある実施形態では、制御デバイス32は、プロセッサーなしで作動するように構成できる。たとえば、国際特許出願公開第2008/048481号に開示された制御回路および他の態様の装置が、本明細書中で開示したポンプモーターあるいはポンプを制御するために使用できる。さらに、圧力センサーに関する上記出願公開第2008/048481号に開示された形態、そうした圧力センサーの制御装置、および/または本明細書に開示された装置の他の態様のいずれかは、本明細書に開示された装置と共に使用でき、そして国際特許出願公開第2008/048481号は、この引用によって、本明細書中で完全な形で言及されているかのように本明細書中に組み込まれる。
【0034】
ある実施形態では、制御デバイス32はプロセッサーを備えることができるが、これは、好ましくは、制御デバイスが、真空ポンプ30を、あるいは以下で説明するように、創傷ドレッシング、バルブ、圧力センサー、あるいは装置を構成するその他のコンポーネントを制御することを可能とする。さらに制御デバイス32は、コンピューター、データプロセッサー、あるいは、これに限定されるわけではないが、ポンプモーターおよび/または本明細書中で説明したその他のコンポーネントを制御するための、あるいはデータを受け取るかそれを変化させるための、あるいは装置にとって好適なその他の機能のためのプロセッサーなどの好適なデバイスを有する、その他のコントローラであってもよい。ある実施形態では、デジタル部品を具備してなる、すなわちデジタル電子器機およびマイクロプロセッサーを具備してなる制御デバイスは、持続性可変圧力モードでのポンプのロバストネスを改善する。
【0035】
図4Aは、持続性可変負圧創傷治療装置120の他の実施形態の概略図である。図4Aに示すように、持続性可変負圧創傷治療装置120のある実施形態は、これに限定されるわけではないが、本明細書中に開示されるか、あるいはこの分野で公知であるか最近開発された、その他の負圧創傷治療装置におけるような、流体収集システム、創傷カバー、創傷フィルターおよび/または圧力センサーを含む、同一のコンポーネント、機構、素材あるいはその他の細部のいずれかを有することができる。
【0036】
以下で詳しく説明するように、負圧創傷治療装置120は、創傷位置122を覆うよう構成された創傷ドレッシング124と、吸引源126と、収集コンテナ138を有することができる流体収集システム128と、遮断機構140と、第1のポート142と、コンテナ138の上端に配置された第2のポート144と、エアリザーバ160とを具備してなることができる。以下で詳しく説明するように、エアリザーバ160は、創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルの素早いサイクルを可能とするために、負圧創傷治療装置120が、創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルを急速に変化させることを可能とする。管路すなわちチューブ136は、真空ポンプ130から収集コンテナ138へと低減圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用でき、かつ、管路すなわちチューブ146は、創傷ドレッシング124の下方での経路を定めることによって、収集コンテナ138から創傷位置122まで低減圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用できる。さらに、管路すなわちチューブ163は、真空ポンプ130からエアリザーバ160へと増大圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用でき、かつ、管路すなわちチューブ166は、創傷ドレッシング124の下方での経路を定めることによって、エアリザーバ160から創傷位置122まで増大圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用できる。
【0037】
本明細書で用いているように、増大圧力との用語は、真空ポンプ130が管路136のエア圧を低下させるとき真空ポンプ130によって排気された空気を呼称するのに用いられる。ある従来システムあるいは装置では、真空ポンプからの増大圧力あるいは排気エアは、通常、大気へと排出される。だが、装置120においては、真空ポンプ130からの増大圧力あるいは排気エアは、創傷ドレッシング124内でエア圧を急速に増大させるために使用されるエアリザーバ160内に導入でき、これによって、創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルは、本明細書中で説明するように、二つ以上の低減圧力値間でサイクルさせることができる。
【0038】
ある実施形態では、吸引源126は真空ポンプ130および制御デバイス132を具備してなることができる。フィルター、たとえば微細孔あるいはその他の好適なフィルター(図示せず)は、真空ポンプ130とエアリザーバ160との間に配置することができる。フィルターは、エアがエアリザーバ160内に運ばれる前に真空ポンプ130の排出エアからの細菌、潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾル、あるいはその他の汚染因子を阻止するか、あるいはその量を低減するために、真空ポンプ130から流れてくる排出エアを浄化できる。さらに、真空ポンプ130は、大気へと管路136から取り出されたエアの一部を放出するよう構成できる。この形態では、フィルター(図示せず)、たとえば微細孔あるいはその他の好適なフィルターは、真空ポンプ130と大気との間に配置できる。フィルターは、潜在的に有害な細菌あるいは微生物が大気中に流入するのを阻止するか、あるいはその程度を低減するために、真空ポンプ130から流れてくる排出エアを浄化できる。
【0039】
吸引源126を具備してなるコンポーネントのそれぞれは、本明細書中で開示する他の装置の、あるいはこの分野で公知であるか最近開発された吸引源を具備してなるコンポーネントのいずれかと同一であっても、あるいはそれに類似していてもよい。ある実施形態では、以下で詳しく説明するように、制御デバイス132は、真空ポンプ130および装置120において使用されるバルブのいずれかを制御するよう構成できる。さらに、制御デバイス132は、装置120内に配置された圧力センサーのそれぞれからの信号入力を受けかつそれを処理するように、そして、これに限定されるわけではないが、圧力センサー示度および所定の低減圧力ローディングプログラムに基づいてバルブおよび真空ポンプのそれぞれを制御するように構成できる。
【0040】
圧力センサーすなわちゲージ137は、吸引源126を収集コンテナ136につなぐチューブ136に沿って配置できる。圧力センサー137は、管路136内の圧力をモニターするために使用できる。この形態では、圧力センサー137は、創傷ドレッシング124内のおおよそのエア圧力を判定するために使用できる。さらなるバルブおよび圧力センサーを、装置120の所望の場所内での圧力をさらにモニターし、かつ、それを制御するために、装置120内の所望の位置に配置できる。たとえば、もし望むならば、さらなる圧力センサーを、これに限定されるわけではないが、流体収集システム128を創傷ドレッシング124に接続するチューブ146内など、装置120内のさまざまな位置に配置できる。
【0041】
バルブ168は、図示のように、チューブ146に沿って配置できる。本明細書で説明するバルブはいずれも、制御デバイス132によって制御でき、かつ、バルブが配置される管路を通るエア流の量を制御するために使用できる。これに関して、バルブ168は、管路146を通るエア流を実質的に妨げ、許容し、さもなければそのレベルを制御するために、制御デバイス132によって制御できる。この形態では、バルブ168は、流体収集システム128と創傷ドレッシング124との間に近似的シールをもたらすために使用できる。
【0042】
上記のとおり、エアリザーバ160は、チューブ163を用いて吸引源126に対して接続できる。リザーバ160は、好適な所望のサイズ、容積あるいは形状を有するように構成可能である。ある実施形態では、エアリザーバ160は、装置120が、二つ以上の低減圧力値間でドレッシング124内の低減圧力のレベルを急速にサイクルさせることを可能とするのに十分なエアを保持するためのサイズおよび形状とすることができる。リザーバ160はバルブ167を有することができるが、これは、エアリザーバ160からの空気を大気中へと放出できる。バルブ167は、エアリザーバ160あるいは装置120内のその他のコンポーネントが過大なエア圧力によって破損するのを阻止するよう構成された安全リリースバルブであってもよい。ある実施形態では、フィルター(図示せず)、たとえば微細孔フィルターが、創傷位置122からの潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾルが大気中に放出されるのを阻止するために、バルブ167に対して取り付けられてもよい。
【0043】
バルブ162は図示のとおりチューブ166に沿って配置できる。上記のとおり、バルブ162は、管路166を通って流れるエアの量を制御するよう構成できる。これに関して、バルブ162は、エアリザーバ160と創傷ドレッシング124との間の近似的シールを提供するために、制御デバイス132によって閉鎖することができる。さらに、バルブ164を、図4Aに示すようにチューブ166に沿って配置でき、かつ、創傷ドレッシング124およびチューブ166からの圧力を解放するために使用できる。圧力センサーすなわちゲージ165は、チューブ166内の、したがって創傷ドレッシング124内の圧力をモニターするためにチューブ166に沿って配置できる。
【0044】
さらなる圧力センサー(図示せず)は、真空ポンプ130とバルブ162との間のエア圧力レベルをモニターするために管路内にあるいはエアリザーバ160内に配置できる。このさらなる圧力センサー(図示せず)は、バルブ162が閉鎖されたとき、エアリザーバ160内の圧力のレベルをモニターするために有用となり得る。同様に、さらなる圧力センサー(図示せず)は、バルブ168が閉塞されたとき、チューブ146内の、したがって創傷ドレッシング124内の圧力のレベルをモニターするために、創傷ドレッシング124とバルブ168との間でチューブ146内に配置できる。
【0045】
図4Aに示す創傷ドレッシング124の実施形態における流体不透過性創傷カバー150は、好ましくは、チューブ146および166周りの近似的気密シールを提供するが、この場所において、チューブ146および166が創傷カバー150の下方から出現する。ある実施形態(図示せず)では、チューブ146および166の一つ以上が、創傷カバー15と一体的に形成されるかさもなければそれに対して取り付けられたポートを介して、創傷ドレッシング124に対して接続可能である。
【0046】
ある実施形態では、大気中から管路146内に空気が流入することを選択的に可能とするよう構成できるバルブが、バルブ168と収集コンテナ138との間でチューブ146に沿って配置できる。このバルブは、管路146および創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルを急速に低下させるために、装置120の作動中、管路146に、したがって創傷ドレッシング124に対して空気を素早く供給するために使用可能である。フィルター、たとえば微細孔フィルターが、外部空気からの細菌、微生物、病原菌あるいはその他の汚染因子がチューブ146および創傷ドレッシング124内に侵入するのを阻止するために、バルブに取り付けられてもよい。
【0047】
ある実施形態では、フィルター、たとえば微細孔あるいはその他の好適なフィルターが、創傷位置122からの浸出液、細菌、潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾル、あるいはその他の汚染因子が真空ポンプ130に侵入するのを阻止するために、あるいはその量を低減するために、真空ポンプ130と収集コンテナ138との間(たとえば、これに限定されるわけではないが、ポート144に、あるいは収集コンテナ138によって支持されたその他のところ)に配置されてもよい。他のフィルター、たとえば微細孔あるいはその他の好適なフィルターが、創傷位置122からの浸出液、細菌、潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾル、あるいはその他の汚染因子が真空ポンプ130に侵入するのを阻止するために、あるいはその量を低減するために、そして、細菌、潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾル、あるいはその他の汚染因子が創傷位置122に侵入するのを阻止するために、あるいはその量を低減するために、チューブ166内に配置されてもよい。本明細書中で説明するフィルターはさらに、使い捨て式でかつ単一の患者用途を意図されたものであってもよい。
【0048】
ある実施形態では、装置120は、以下のとおり、持続性可変負圧を提供するために使用できる。図2を参照すると、ポイント2Aは、吸引システム126が作動させられる前の、したがってドレッシング125内の圧力が低下させられる前の、創傷ドレッシング内の低減圧力のレベルを示している。すなわち、ポイント2Aは大気圧を示している。創傷ドレッシング124内の低減されたすなわち負の圧力のレベルを増大させるために、ポンプ130が作動させられるとき、バルブ168を開放でき、そしてバルブ162を閉鎖できる。さらに、バルブ164および167は、増大圧力が大気中に放出されるのを阻止するために、このポイントにおいて閉鎖できる。したがって、この形態では、真空ポンプ130が作動させられたとき、ドレッシング124内の低減されたすなわち負の圧力は、(圧力センサー137によってモニターできるように)ポイント2Aからポイント2Bへと増大させることができるが、これは概ね85mmHgである。繰り返すが、本明細書で説明するバルブは大まかなかつ単なる例証である。これに関して、本明細書で言及するバルブは非限定的なものである。本明細書中で説明する装置120あるいはその他の装置は、好適なあるいは所望の頻度で負のあるいは低減された圧力の好適なあるいは所望のレベルを実現するように構成できる。
【0049】
ポンプ130が管路136,146から空気を引き込むとき、したがってポイント2Aからポイント2Bまで創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルを増大させるとき、管路136,146から引き込まれる空気をエアリザーバ160内に運ぶことができる。すなわち、創傷ドレッシング124内の負圧のレベルが増大させられている一方で、リザーバ160内の正圧のレベルは創傷ドレッシング124から引き込まれる空気と共に増大させることができる。創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルがポイント2Bに達すると、真空ポンプ130を停止させることができ、そしてバルブ168を閉鎖することができる。
【0050】
ある実施形態では、真空ポンプ130は、管路136内に真空ポンプ130を経てエアリザーバ160からエアが流れるのを実質的に阻止するために、エアが専ら一方向に真空ポンプ130を経て流れることができるように構成できる。さらに真空ポンプ130は、所望されるように素早く、低減圧力の増大を実現するようなサイズおよび形状とすることができる。装置120のある実施形態では、マルチ真空ポンプあるいはマルチピストンポンプ130が、装置120を通過するエア流量を増大させるために使用でき、これによって、創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルは、所望の大きさあるいは頻度でサイクルさせることができる。
【0051】
ドレッシング124内の低減圧力のレベルがポイント2Bに達した後、バルブ162は制御デバイス132によって開放でき、かつ、バルブ168は制御デバイス132によって閉鎖できあるいは閉鎖状態を維持できる。ある実施形態では、バルブ162,168は、同時に開放および閉鎖することがそれぞれ可能であり、あるいはバルブ162,168は、順次、開放および閉鎖することがそれぞれ可能である。バルブ162が開放されかつバルブ168が閉鎖された状態では、エアリザーバ160内の正圧すなわちエアは、ポイント2Bからポイント2Cへとドレッシング内の低減圧力のレベルを低下させるために、エアリザーバ160から創傷ドレッシング124の下方の容積へと伝達できる。したがって、エアによって管路146がバルブ168まで満たされて、管路146の当該部分内の低減圧力のレベルはポイント2Cまで低下させられる。(圧力センサー165によってモニターできるように)創傷ドレッシング124の下方の容積内の低減圧力のレベルがポイント2Cに達すると、バルブ162は制御デバイス132によって閉鎖でき、この結果、創傷ドレッシング124内の圧力のレベルは概ねポイント2Cにて維持される。
【0052】
その後、ドレッシング124内の低減圧力のレベルは、ある期間にわたって(すなわちポイント2Cからポイント2Dまで)一定レベルで維持でき、あるいは、たとえばポイント2Eで示すレベルまで概ね直ちに増大させることができる。ポイント2Cあるいはポイント2Dからポイント2Eまで低減圧力のレベルを増大させるために、バルブ162が閉鎖された状態で、真空ポンプ130を再び作動させることができ、かつ、バルブ168を開放することができ、これによって、創傷ドレッシング内の圧力レベルが所望のレベル(たとえばポイント2Eで示すレベル)に達するまで、真空ポンプは管路136,146および創傷ドレッシング124下方の容積からエアを再び引き込む。この期間が経過したとき、サイクルを上述したように繰り返すことができる。それゆえ、この形態では、上述したように装置120を経てエアを循環させることによって、創傷ドレッシング124の下方の容積内の低減圧力のレベルを急速にサイクルさせることができる。
【0053】
さらに、可能な限り創傷ドレッシング124の近くにバルブ168を配置することにより、かつ、管路のそれぞれ内の容積を低減することによって、増加あるいは減少させる必要がある負圧空域の容積を低減させることができ、これによって、装置120は、より高い頻度の持続性可変圧に適応可能となる。負圧のサイクリングが負圧の大きさに関する僅かな変化(たとえば10mmHg)からなる、ある実施形態では、エアリザーバ160は必要とされないであろう。そうした場合には、バルブ164が閉鎖されてもよく、あるいはサイクリングにリザーバ160を伴わないようにバルブ167が開放されてもよい。ある実施形態では、真空ポンプ130は、創傷ドレッシング124内の低減圧力のレベルが真空ポンプ130の運転によって増大あるいは減少させることができるように可逆的に構成されてもよい。
【0054】
図4Bは、持続性可変負圧創傷治療装置200の他の実施形態の概略図である。図4Bに示すように、持続性可変負圧創傷治療装置200のある実施形態は、これに限定されるわけではないが、本明細書中に開示するかこの分野において公知あるいは最近開発されたその他の負圧創傷治療装置におけるような、流体収集システム、創傷カバー、創傷フィルター、バルブおよび/または圧力センサーを含む、同一のコンポーネント、機構、素材あるいはその他の細部のいずれかを有することができる。
【0055】
以下で詳しく説明するように、負圧創傷治療装置200は、創傷位置222を覆うよう構成された創傷ドレッシング224と、真空ポンプ230と、制御デバイス232と、流体収集システム238と、エアリザーバ260とを具備してなることができる。上記エアリザーバ160と同様、エアリザーバ260は、創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルの急速なサイクリングを可能とするために、創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルを負圧創傷治療装置220が素早く変化させることを可能とすることができる。管路すなわちチューブ236は、真空ポンプ230から収集コンテナ238へと低減圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用でき、かつ、管路すなわちチューブ246は、創傷ドレッシング224の下方での経路を定めることによって、収集コンテナ238から創傷位置222へと低減圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用できる。ある実施形態では、管路246は、この管路246内の圧力を配分するために管路246の端部に開口247を有することができる。さらに、管路すなわちチューブ263は、真空ポンプ230からエアリザーバ260へと増大圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用でき、かつ、管路すなわちチューブ266は、創傷ドレッシング224の下方での経路を定めることによって、エアリザーバ260から創傷位置222まで増大圧力を伝えるために、すなわちそれを供給するために使用できる。図4Bに示すように、管路266は、管路248および266の接続部に配置されたバルブ268を用いることによって、管路248と接合できる。
【0056】
バルブ268は、制御デバイス232によって制御でき、かつ、管路246が管路248あるいは管路266のいずれかと独立的につながることを可能とするために使用できる。すなわち、バルブ268が第1のポジションにあるとき、管路246は、管路248とつながることが許されるが、管路266とつながることは許されない。この第1のポジションでは、エアおよび/または流体は管路246から管路248へと流れることは許されるが、エアおよび/または流体は管路246あるいは管路248から管路266へと流れることは許されない。バルブ268が第2のポジションにあるとき、管路246は、管路266とつながることが許されるが、管路248とつながることは許されない。この第2のポジションでは、エアおよび/または流体は管路266から管路246へと流れることは許されるが、エアおよび/または流体は管路266から管路246あるいは248へと流れることは許されない。バルブ270は、エアおよび/または流体が管路248を経て流れるのを可能とするかあるいはそれを阻止するために管路248内に配置できる。だが、バルブ270は、装置220の運用のためには必要とされない。
【0057】
上述したように、装置220においては、真空ポンプ230からの増大圧力すなわち排気エアは、創傷ドレッシング224内のエア圧を素早く増大させるために使用されるエアリザーバ260に対して導くことができ、この結果、創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルは、以下で説明するように、二つ以上の低減圧力値間で急速にサイクルさせることができる。
【0058】
ある実施形態では、フィルター234(これは微細孔あるいはその他の好適なフィルターであってもよい)を、真空ポンプ230とエアリザーバ260との間に配置できる。フィルターは、エアがエアリザーバ260内に運ばれる前に、細菌、潜在的に有害な微生物あるいはエアロゾル、あるいは真空ポンプ230の排出エアからのその他の汚染因子を阻止するためにあるいはその量を低減するために、真空ポンプ230から流れてくる排出エアを浄化できる。ある実施形態では、微細孔あるいはその他の好適なフィルターであってもよいフィルター(これに限定されるわけではないが、たとえばフィルター234)が、浸出液、細菌、潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾル、あるいはその他の創傷位置222からの汚染因子が真空ポンプ230に侵入するのを阻止するために、あるいはその量を低減するために、管路236内に配置されてもよい。ある実施形態では、微細孔あるいはその他の好適なフィルター(これに限定されるわけではないが、たとえばフィルター234)が、収集システム238の排出ポート内に配置されてもよく、あるいは収集システム238によって支持されてもよい。さらに、ある実施形態では、微細孔あるいはその他の好適なフィルターが、汚染因子が創傷位置222へと循環させられるのを、かつ/または真空ポンプ230内に侵入するのを阻止するために、バルブ268とリザーバ260との間に配置されてもよい。
【0059】
さらに、真空ポンプ230は、管路236から取り出したエアの一部を大気中へ放出するよう構成できる。この形態では、フィルター、たとえば微細孔あるいはその他の好適なフィルターを、真空ポンプ230と大気との間に配置できる。フィルターは、大気中に潜在的に有害な細菌あるいは微生物が流入するのを阻止するかあるいはその程度を低減するために、真空ポンプ230から流れてくる排出エアを浄化できる。
【0060】
ある実施形態では、以下で詳しく説明するように、制御デバイス232は、真空ポンプ230および装置220内で使用されるバルブのいずれかを制御するよう構成できる。さらに、制御デバイス232は、装置220内に配置された圧力センサーのそれぞれからの信号入力を受けかつそれを処理するように、そして、これに限定されるわけではないが、圧力センサー示度および所定の低減圧力ローディングプログラムに基づいてバルブおよび真空ポンプのそれぞれを制御するように構成できる。
【0061】
圧力センサーすなわちゲージ265は、創傷位置222に低減圧力を伝達すなわち供給するチューブ246と連通状態となるように配置できる。圧力センサー265は、管路246内の圧力を、したがって創傷ドレッシング224の下方の容積内の圧力をモニターするために使用できる。さらなるバルブおよび圧力センサーを、装置220の所望の場所内での圧力をさらにモニターし、かつ、それを制御するために、装置120内の所望の位置に配置できる。たとえば、もし望むならば、さらなる圧力センサーを、これに限定されるわけではないが、エアリザーバ260をバルブ268に接続するチューブ266内など、装置220内のさまざまな位置に配置できる。
【0062】
上記のとおり、エアリザーバ260は、チューブ263を用いて真空ポンプ230に対して接続できる。リザーバ260は、好適な所望のサイズ、容積あるいは形状を有するように構成可能である。ある実施形態では、エアリザーバ260は、装置220が、二つ以上の低減圧力値間でドレッシング224内の低減圧力のレベルを急速にサイクルさせることを可能とするのに十分なエアを保持するためのサイズおよび形状とすることができる。リザーバ260はバルブ267を有することができるが、これは、エアリザーバ260からの空気を大気中へと放出できる。バルブ267は、エアリザーバ260あるいは装置220内のその他のコンポーネントが過大なエア圧力によって破損するのを阻止するよう構成された安全リリースバルブであってもよい。ある実施形態では、フィルター(図示せず)、たとえば微細孔フィルターが、創傷位置222からの潜在的に病原性の微生物あるいはエアロゾルが大気中に放出されるのを阻止するために、バルブ267に対して取り付けられてもよい。
【0063】
図4Bに示す創傷ドレッシング224の実施形態における流体不透過性創傷カバー250は、好ましくは、チューブ246周りの近似的気密シールを提供するが、この場所において、チューブ246が創傷カバー250の下方から出現する。ある実施形態(図示せず)では、管路246が、創傷カバー250と一体的に形成されるかさもなければそれに対して取り付けられたポートを介して、創傷ドレッシング224に対して接続可能である。
【0064】
ある実施形態では、大気中から管路246内に空気が流入することを選択的に可能とするよう構成できるバルブが、バルブ268と創傷ドレッシング224との間でチューブ246に沿って配置できる。このバルブは、管路246および創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルを急速に低下させるために、装置220の作動中、管路246に、したがって創傷ドレッシング224に対して空気を素早く供給するために使用可能である。フィルター、たとえば微細孔フィルターが、外部空気からの細菌、微生物、病原菌あるいはその他の汚染因子がチューブ246および創傷ドレッシング224内に侵入するのを阻止するために、バルブに取り付けられてもよい。
【0065】
ある実施形態では、装置220は、以下のとおり、持続性可変負圧を提供するために使用できる。図2を参照すると、創傷ドレッシング224内の低減されたすなわち負の圧力のレベルを増大させるために、バルブ268を(制御デバイス232によって)第1のポジションにおくことができ、これによって、ポンプ230が作動させられるとき、エアは管路246から管路248内に流入できるが、管路266内には流入できなくなる。さらに、バルブ270はエアおよび/または流体が管路248を経て収集コンテナ238内に流入することを可能とするために開放でき、しかもバルブ267は増大圧力が大気中へ放出されるのを阻止するために閉鎖できる。したがって、この形態では、真空ポンプ130が作動させられたとき、ドレッシング224内の低減されたすなわち負の圧力は、ポイント2Aからポイント2Bへと増大させることができるが、これは概ね85mmHgである。繰り返すが、本明細書で説明するバルブは大まかなかつ単なる例証である。これに関して、本明細書で言及するバルブは非限定的なものである。本明細書中で説明する装置220あるいはその他の装置は、好適なあるいは所望の頻度で負のあるいは低減された圧力の好適なあるいは所望のレベルを実現するように構成できる。
【0066】
ポンプ230が管路246,248から空気を引き込むとき、したがってポイント2Aからポイント2Bまで創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルを増大させるとき、管路246,248から引き込まれる空気をエアリザーバ260内に運ぶことができる。すなわち、創傷ドレッシング224内の負圧のレベルが増大させられていながら、リザーバ260内の正圧のレベルを増大させることができる。創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルがポイント2Bに達すると、真空ポンプ230を停止させることができ、そしてバルブ270を閉鎖することができる。
【0067】
ある実施形態では、真空ポンプ230は、管路236内に真空ポンプ230を経てエアリザーバ260からエアが流れるのを実質的に阻止するために、エアが専ら一方向に真空ポンプ230を経て流れることができるように構成できる。さらに、真空ポンプ230は、所望されるように素早く、低減圧力の増大を実現するようなサイズおよび形状とすることができる。装置220のある実施形態では、マルチ真空ポンプあるいはマルチピストンポンプ230が、装置220を通過するエア流量を増大させるために使用でき、これによって、創傷ドレッシング224内の低減圧力のレベルは、所望の大きさあるいは頻度でサイクルさせることができる。
【0068】
ドレッシング224内の低減圧力のレベルがポイント2Bに達した後、バルブ268は制御デバイス232によって第1のポジションから第2のポジションへと切り換えることができ、かつ、バルブ270は制御デバイス232によって閉鎖するかあるいは閉鎖状態を維持できる。ある実施形態では、バルブ268,270は、同時に開放および閉鎖することがそれぞれ可能であり、あるいはバルブ268,270は、順次、開放および閉鎖することがそれぞれ可能である。バルブ268が管路266から管路246へエアが流れることができるが管路248へは流れることができない第2のポジションにありかつバルブ270が閉鎖された状態では、ポイント2Bからポイント2Cへとドレッシング内の低減圧力のレベルを低下させるために、エアリザーバ260内の正圧すなわちエアは、エアリザーバ260から創傷ドレッシング224の下方の容積へと伝達できる。圧力センサー265によってモニター可能であるように、創傷ドレッシング224の下方の容積内の低減圧力のレベルがポイント2Cに達すると、バルブ268は第1のポジションへと戻るように変更でき、この結果、創傷ドレッシング224内の圧力のレベルは概ねポイント2Cにて維持される。
【0069】
その後、ドレッシング224内の低減圧力のレベルは、ある期間にわたって(すなわちポイント2Cからポイント2Dまで)一定レベルで維持でき、あるいは、それは、たとえばポイント2Eで示すレベルまで、概ね直ちに増大させることができる。ポイント2Cあるいはポイント2Dからポイント2Eまで低減圧力のレベルを増大させるために、バルブ268が第1のポジションにある状態で、バルブ270を開放でき、真空ポンプ230を再び作動させることができ、そしてバルブ268を開放することができ、これによって、創傷ドレッシング内の圧力レベルが所望のレベル(たとえばポイント2Eで示すレベル)に達するまで、真空ポンプは管路246,248および創傷ドレッシング224下方の容積からエアを再び引き込む。この期間が経過したとき、サイクルを上述したように繰り返すことができる。それゆえ、この形態では、上述したように装置220を経てエアを循環させることによって、創傷ドレッシング224の下方の容積内の低減圧力のレベルを急速にサイクルさせることができる。
【0070】
さらに、管路のそれぞれ内の容積を減少させることによって、増加および減少させる必要がある負圧空域の容積を減少させることができ、これによって装置220は、より高い頻度の持続性可変圧力に適応可能となる。
【0071】
ある実施形態では、装置は、好ましくは、創傷に対して作用させられる負圧が常に存在するように、創傷ベッドへの負圧のベースレベルを医師あるいは患者が調整することを可能とするであろう。装置は、本明細書中で説明された特定の負圧範囲に限定されるものではないが、以下は、有利には創傷の治癒を促進するか、あるいは負圧創傷治療に関連するその他の利益を提供し得る、そして、創傷に対して加えられ得る、ベースレベルの負圧を、あるいは最大レベルの負圧を規定するために使用可能である、代表的な負圧範囲である。たとえば、ある実施形態では、装置は、大気レベル下概ね200mmHgの負圧までを提供するように、そしてドレッシングが、大気レベル下概ね200mmHgの負圧まで適合できるように構成可能である。ある実施形態では、ドレッシングおよび装置の他のコンポーネントは、創傷位置に概ね200mmHg超を提供するよう構成できるが、負圧のこのレベルは多くの患者にとって概ね好ましい範囲を超えるであろう。装置のある実施形態では、漏れあるいはその他の性能ベース欠陥あるいは特性に関して、ドレッシング、チューブ、ポンプシステムあるいは装置の他のコンポーネントを試験するために、ドレッシングに対して200mmHgを上回る負圧を提供することが望まれるであろう。
【0072】
ある実施形態では、ドレッシングを含む装置は創傷に対して概ね15〜80mmHgの負圧を供給するよう構成できる。このレベルの負圧、すなわち概ね15〜80mmHgは、通常、より優れた患者の快適性および従順性と関連付けられる。さらに、装置およびドレッシングのある実施形態は、創傷位置において、概ね15mmHg未満を提供しかつそれを維持するよう構成できるが、本装置によって処置されるほとんどの創傷は、より高いレベルの低減圧力から利益を得るであろう。本装置のある実施形態は、概ね80mmHgを上回る負圧レベルを、たとえば概ね150mmHgまでのレベルを提供するよう構成できる。
【0073】
上述したように、装置は好ましくは、創傷に対して、パルス状のあるいは変化する圧力を提供するよう構成される。ポンプは、好ましくは、ドレッシングおよび創傷に対して、チューブを経て、圧力を提供するであろう。ある実施形態では、装置は、創傷に対するパルス状あるいは変化する圧力の大きさあるいは頻度のいずれかを、あるいはその両方を医師あるいは患者が変更することを可能とするよう構成されてもよい。上述したように、負圧の大きさは、上述した範囲内の値間で変化できる。ある実施形態では、変化する圧力の大きさは、好ましくは、負圧が常に創傷に対して提供されるように、負圧の二つの値間で変化する。ある非限定的な例では、ポンプは、たとえば、概ね30mmHgで負圧の最小レベルを維持するよう、そして、負圧の高いレベルまで、たとえば概ね80mmHgまで負圧をサイクルさせるよう構成できる。この例では、ポンプは、好ましくは、装置あるいはドレッシングのポートあるいはバルブを経て圧力を解放することによって、あるいは単に吸引源を停止させると共にドレッシング内の固有漏れが圧力を降下させることを許容することによって、概ね30mmHgまで再び降下するように負圧をサイクルさせるよう構成されるであろう。
【0074】
上述したように、ある実施形態では、装置は、医師あるいは患者が、高および低圧力値間でのサイクリングの頻度を制御あるいは変更することを可能とするよう構成できる。ある非限定的な例では、サイクリングの頻度は、概ね5〜10分ごとに1サイクルから1分あたり概ね180サイクルのより高速なサイクルにわたっていてもよい。このサイクリング態様は、血流を刺激することによって、創傷の短期間での治癒を可能とするであろう。
【0075】
ある実施形態では、本装置は、これに限定されるわけではないが、温度、圧力、血流量、脈、心周期、血液酸素飽和度センサーなどのセンサーを備えることができる。さらに、ある実施形態では、センサーは、センサーから受け取ったデータ、ならびに真空ポンプを制御するために使用される制御ユニットにおける事前プログラムされたアルゴリズムに基づいて、制御デバイスが圧力サイクリングの大きさおよび頻度の変更を自動的に引き起こすために使用できる。したがって、ある実施形態では、血流センサーによって判定された血流量が最適なあるいは所定の値を上回るとき、負圧の大きさが低減するように装置を構成できる。さらに、ある実施形態では、血液酸素飽和度センサーによって判定された血液酸素飽和度レベルが最適なあるいは所定の値を下回るとき、創傷に対する血流を増加させるために、負圧の大きさが増加するように装置を構成できる。
【0076】
センサーは、リード線によって、制御デバイスに対して接続できる。このリード線は、好ましくは、導電性素材、光ファイバー、あるいはセンサーから制御デバイス、アラーム、記録デバイスおよび/または表示装置(図示せず)へのデータ伝送を可能とするよう構成されたその他の好適な媒体から構成されたケーブルあるいはワイヤである。リード線は、体に対する創傷ドレッシングのシールの気体および流体不透過特性を維持するために、チューブ46に関するそれと同じ様式で、創傷ドレッシングの下で封止可能に配置できる。ある実施形態では、センサーは、リード線を必要としないように、情報を無線伝送することができる。
【0077】
センサーおよびリード線は、好ましくは、創傷ドレッシングが半剛性形態から潰れた形態へと変化するとき、創傷ベッドの中あるいはその周囲の組織を刺激したり、さもなければそれにダメージを与えたりしないようなサイズおよび形状とされる。ある形態では、センサーおよびリード線は、コットンガーゼ、あるいは創傷ベッドからの所望の情報を収集するためのセンサー性能に影響を与えないが、センサーあるいはリード線が創傷ベッドに接触した場合に生じ得るダメージから創傷ベッドを保護する、その他の適当な素材によって覆うことができる。
【0078】
ある実施形態では、表面貼り付け用(たとえば真皮あるいは創傷ベッドに対する貼り付け用)センサーが使用できる。ある実施形態では、体内に埋め込み可能なあるいはさもなければ観血的に付加されるセンサーが使用できる。特に、ある実施形態では、センサーは、創傷ドレッシングと創傷との間に配置されるよう、創傷ドレッシングの内部に配置できる。ある実施形態では、センサーは創傷ドレッシング内に少なくとも部分的に配置でき、あるいは、ある実施形態では、創傷に隣接する正常な皮膚の好ましくは表面上で創傷ドレッシングの外側に配置でき、あるいは創傷に隣接する正常な皮膚内に移植できる。ある実施形態では、センサーは創傷ベッド内に配置できる。ある実施形態では、ただ一つのセンサーが創傷ベッド内に配置できる。本明細書中に開示したパラメータあるいは関連のある他のパラメータを測定するために使用できる、この分野において公知のセンサーが、本明細書中で開示した装置あるいは創傷ドレッシングの実施形態のいずれかと共に使用できる。
【0079】
図5は持続性可変負圧創傷治療装置20の一部の概略図であるが、この装置では、リード線86を介して制御デバイス32に接続された一対のセンサー84は創傷ベッド22内に配置できる。上述したように、創傷ドレッシング24は流体不透過性カバー50を具備してなり、かつ、接着剤(図示せず)を用いて、あるいはその他の好適な手段を用いて創傷の周囲の健全な皮膚に対して取り付けることができる。図5に示すセンサーの一方は、温度、圧力、血流量、脈、心周期、血液酸素飽和度レベルセンサー、あるいは現在利用可能であるかあるいは最近開発されたその他の好適なセンサーであってもよい。図5に示すように、センサー84はリード線86によって、制御デバイス32に対して接続できる。このリード線86は、好ましくは、導電性素材、光ファイバー、あるいはセンサーから制御デバイス32およびアラームデバイス、記録デバイスおよび/または表示装置(図示せず)へのデータ伝送を可能とするよう構成されたその他の好適な媒体から構成されたケーブルあるいはワイヤである。リード線86は、体に対する創傷ドレッシング24のシールの気体および流体不透過特性を維持するために、チューブ46に関するそれと同じ様式で、創傷ドレッシングの下で封止可能に配置できる。
【0080】
ある実施形態では、一つ以上のセンサーがドレッシングの外部にあるいはドレッシングに隣接して配置できる。図6は、持続性可変負圧創傷治療装置20の一部分の概略図であるが、この装置では、リード線86を介して制御デバイス32に接続された一対のセンサー84がドレッシング24に隣接して配置できる。図6に示すセンサーの一方は、温度、圧力、血流量、脈、心周期、血液酸素飽和度レベルセンサー、あるいは現在利用可能であるかあるいは最近開発されたその他の好適なセンサーであってもよい。図6に示すように、センサー84はリード線86によって、制御デバイス32に対して接続できる。このリード線86は、好ましくは、導電性素材、光ファイバー、あるいはセンサー84から制御デバイス32およびアラームデバイス、記録デバイスおよび/または表示装置(図示せず)へのデータ伝送を可能とするよう構成されたその他の好適な媒体から構成されたケーブルあるいはワイヤである。リード線は、体に対する創傷ドレッシング24のシールの気体および流体不透過特性を維持するために、チューブ46に関するそれと同じ様式で、創傷ドレッシングの下で封止可能に配置できる。リード線はまた、チューブ46を通って配置されてもよい。
【0081】
ある実施形態では、装置は、負圧あるいは正および負圧の二つ以上の間でのサイクリングの頻度が患者の心拍すなわち心周期と同期するように構成されてもよい。創傷の場所においてあるいはその付近で、あるいは患者の体のどこかで、患者の心拍すなわち心周期を測定するよう構成されたセンサーが同期を可能とするために使用可能である。患者の心拍あるいは心周期に対して負圧の大きさを同期させることによって、創傷を通る良好な血流が可能となり、そしてこれは治癒を助ける。ある患者に関して、サイクリングの頻度は、患者の脈拍と同期状態となるように、毎分概ね50〜120サイクルの間であってもよい。負圧は、大気圧下15〜200mmHgの範囲でサイクルさせることができる。ある実施形態では、サイクリングの頻度の同期は、測定された患者の心拍すなわち心周期(たとえば電気信号)に基づいて吸引源を調節することによって実施できる。
【0082】
上述したように、ある実施形態では、患者の脈拍は脈拍センサーによって特定できるが、これは、ドレッシングの内部に対して取り付けることが、あるいはドレッシングによって支持することが、あるいは創傷ベッド内に配置することができる。ある実施形態では、脈拍センサーは創傷位置に隣接して配置できる。ある実施形態では、脈拍センサーは、好ましくは創傷位置において患者の脈拍の正確な読み取りを実現するのに十分なほど創傷位置に近接して、患者の体の他の位置に配置できる。患者の脈拍を測定するために使用できる。この分野において現在知られているかあるいは最近開発されたセンサーが、本明細書中に開示された持続性可変負圧創傷治療装置あるいは創傷ドレッシングの実施形態のいずれかと共に使用可能である。そうしたセンサーは、これに限定されるわけではないが、圧力トランスデューサ、電極、フォトプレチスモグラフ、およびオキシメーター(たとえば、Nonin Medical Pulse Oximeters、http://www.nonin.com)などの観血的あるいは非観血的脈拍センサーを含む。患者の脈拍は創傷位置内であるいはそれに隣接して、あるいは体のどこででも測定可能である。他のデバイス、たとえばペースメーカー、埋め込み式電気除細動器(IDC)、脈拍オキシメーターなどが患者の脈拍を測定する場合、その情報はリード線を介してあるいは無線方式で装置に伝送可能である。
【0083】
図7は、患者の心周期と同期させられた負圧のサイクリングによる創傷位置に対する負圧の適用を示している。各プロットは、収縮期中のより高い負圧の適用および拡張期中の負圧の大きさの低減を示している。プロットは、方形(図7A)、半波整流台形(図7B)、および三角形(図7C)波形および対称(図7D)、半波整流(図7E)、非対称(図7F)および部分整流非対称(図7G)正弦波形を示している。図7Dに示すようなある実施形態では、より高い負圧の適用は収縮期の全体を占めなくてもよく、負圧は収縮期の一部の間、解放されてもよい。毛細管への血流を改善するために、ある実施形態では、より大きな負圧を拡張期の間作用させ、かつ、収縮期の間、負圧の大きさを低減すること(すなわち、X軸付近での図7のプロットを反映すること)は有利であろう。患者の心周期と同期した負圧の適用は、創傷を通る良好な血流を可能とするために通常の速度よりも速く開閉するように、創傷位置内での血液ポンピング作用をまね、かつ/または毛細管およびその他の血管を整えるであろう。
【0084】
ある実施形態では、装置は、毛細管閉鎖圧力下へと創傷への一定圧力を低下させることによって増大した血流を可能とするポンプを備えていてもよい。毛細管閉鎖圧力は、毛細管を通る血流が止まる圧力である。この範囲下で一定圧力を低下させることによって、毛細管を通る高いレベルの血流を維持できる。この後、増大振幅を伴う脈動が加えられ、創傷自体の中に、この増加した血流が引き込まれる。
【0085】
創傷を通る血液灌流を測定するよう構成された血量センサーが、毛細管閉鎖圧力下で負圧を付与するために使用可能である。創傷位置内へのあるいはその付近での血流あるいは赤血球の灌流を測定するために使用できる、この分野において公知のあるいは最近開発されたセンサーが、本明細書中に開示された持続性可変負圧創傷治療装置あるいは創傷ドレッシングの実施形態のいずれかと共に使用可能である。そうしたセンサーは、これに限定されるわけではないが、OxyFlo2000、OxyFlo4000、OxyLab LDFレーザードップラー組織血液灌流モニター、あるいはDiscovery Technology International, LLPによって開発されたレーザードップラー血液流プローブ(http://www.discovtech.com/PAGE1.htm)を含んでいてもよく、それは、本装置あるいは創傷ドレッシングの実施形態と共に使用するのに好適であってもよい。ある場合にはレーザードップラー技術に基づく超音波血流測定デバイスもまた、血液の流量を測定するために使用できる。創傷位置内にあるいは創傷位置に隣接して移植される毛細管レーザードップラーデバイスは、創傷位置内へのあるいはその付近での血流あるいは赤血球の灌流の最も正確な読み取りを実現できる。
【0086】
ある非限定的例では、装置は、大気圧下概ね10〜12mmHgのベースライン負圧を供給し、かつ、毎分概ね20〜60サイクルの頻度で、概ね20〜150mmHgだけ創傷に対して作用させられる負圧を増大させることによって、負圧をサイクルさせるよう構成されてもよい。これは図2に示されているが、ここでは、大気圧下約10mmHgのベースライン負圧が創傷に対して作用させられる。続いて、負圧は、短時間の間、大気圧下85mmHgまで増大させられ、続いて、ベースライン負圧に戻るよう解放される。このサイクルは、毎分概ね20〜60サイクルの間の頻度で繰り返される。他の非限定的な例では、より高い負圧の短時間の持続レベルを実現するために、装置は、大気圧下概ね20mmHgのベースライン負圧のために、そして毎分概ね120サイクルの頻度で大気圧下概ね200mmHgまでそれを増大させることによって負圧をサイクルさせるために構成されてもよい。
【0087】
ある実施形態では、装置は、大気圧下概ね5〜60mmHgのベースライン負圧を供給し、かつ、毎分概ね200〜400サイクルの頻度で、概ね5〜85mmHgだけ創傷に対して作用させられる負圧を増大させることによって、負圧をサイクルさせるよう構成されてもよい。この高頻度レベルは微脈動と呼ばれる。微脈動は、創傷を通る良好な血流を可能とするために、通常速度よりも素早く開閉するよう、毛細管およびその他の血管を調整できる。たとえば、図8は、大気圧下概ね85mmHgのベースライン付近の微脈動を示している。創傷に対して作用させられる負圧は、毎分200〜400サイクル間の頻度で、下概ね5mmHgだけ増大させられる。
【0088】
他の非限定的例では、装置は、大気圧下概ね120mmHgのベースライン負圧を供給し、かつ、毎分概ね10〜200サイクルの頻度で、あるいは5分間に概ね1〜2サイクルでより遅く、あるいは一日あたり概ね1〜2サイクルでより遅く、概ね10〜20mmHgの範囲内の値まで負圧をサイクルさせるよう構成されてもよい。
【0089】
大きさおよび頻度の最適値は患者に著しく依存すると考えられるので、ある実施形態では、装置は、維持あるいは患者が負圧の大きさおよび/またはサイクリングの頻度を調整できるように構成されてもよい。したがって、ある実施形態では、ポンプは、好ましくは、大きさ、サイクリング時間および持続時間をプログラムあるいは調整することを可能とする制御装置を有するであろう。
【0090】
ある実施形態では、ポンプは、さらに、好ましくは、装置内のセンサーのいずれかによって提供されるデータを記録するために、あるいは負圧のサイクリング特性を制御するプログラムを格納するためにメモリー機能を有するであろう。たとえば、ある実施形態では、ポンプは、好ましくは、さまざまなセンサーを介して、酸素レベル、血液温度、脈拍、心周期、あるいは血流量を検出する機能を有するであろう。ポンプはその場合、好ましくは、創傷ベッドに対する持続性可変負圧を可能とし、患者の状況にとって最適であろうものを特定し、そして続いて創傷に対して最適なプログラムを適用する、さまざまな標準的あるいは非標準的プログラムによってサイクルすることができるであろう。
【0091】
創傷治癒プロセスを最適化するために、体が他の種類のプログラムに適合し得ること、あるいは創傷が将来的にときどき他の種類のプログラムを必要とすることも極めて起こり得る。これを考慮するために、ある実施形態では、ポンプは、通常のプログラムによってサイクルし、かつ、酸素レベル、血液温度あるいは創傷内への血流量に基づいて最適なプログラムを特定する機能を有するであろう。だが、他のパラメータもまた、最適な負圧プログラムを決定するために利用可能である。
【0092】
上述したように、装置は、制御デバイス、アラームデバイス、および/または他の記録デバイスを具備してなることができる。だが、ある実施形態では、装置は、制御デバイスのみを具備してなることができる。制御デバイスは、好ましくは、センサーからの信号を受け、そして、アラームデバイスによって認識可能な電子的なあるいはその他の好適な形態へと、この信号を変換する。したがって、アラームデバイスも記録デバイスも、装置のある形態においては必要とされない。アラームデバイスおよび記録デバイスは、それぞれ、センサーによって測定された値がセンサーに関連付けられた所定の値を上回ったときにユーザーあるいは医師に警告するために、そして所定の時間にわたってセンサーから送信された値を記録するために、装置に対して付加されてもよい補助コンポーネントである。これに関して、本明細書中に開示した装置は、アラームデバイスおよび/または記録デバイスの付加を伴わずに作動することができる。
【0093】
図9を参照すると、装置20は、制御デバイス32、アラームデバイス88、および/またはその他の記録デバイス90を具備してなることができる。アラームデバイス88は、作動時に、さまざまな種類の可聴音を、たとえば呼び出し音、ブザー音、チーチー音、あるいはその他の一般的なアラーム雑音を発生させることができる。これに代えて、アラームデバイス88は、創傷位置22の領域における、さまざまな状況に対応する予め取り決められたメッセージを提供するデジタル生成可聴音声を伴ってもよい。アラームデバイス88は、好ましくは、センサー84から受け取った測定値の程度に依存して、異なるレベルのアラームを発生させる。たとえば、センサー84によって測定されるように、血流量、脈拍、心臓活動性、あるいは温度が、所定の値を下回って降下するかあるいはそれを上回って上昇する場合、アラームデバイス88は、一連のアラームピッチ、音、メッセージあるいは一連の音を鳴らすことができる。同様に、一つ以上のセンサー84のいずれかによって測定された血液酸素飽和レベルが、所定の値を下回って降下するかあるいはそれを上回って上昇するとき、装置20はユーザーに警告するよう構成できる。上述したように、制御デバイス32はまた、創傷ドレッシング24下の負圧を調整するために真空ポンプ30を制御でき、かつ、創傷ドレッシング24下の負圧は、センサー84によって収集されたデータに応答して調整可能である。
【0094】
記録デバイス90は、センサー84から受け取ったデータを記録するよう構成された、いかなるデバイスであってもよい。そうしたデバイスは、好ましくは、コンパクトディスク、DVDディスク、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ、集積回路、あるいはデジタル形態の他の類似のメディアにデータを記録することができる。これに代えて、記録デバイス90は、チャートレコーダー、あるいはたとえばLCDあるいはCRTモニターなどの視覚電子ディスプレイを経てデータを記録あるいは表示する「マニュアル」デバイスであってもよい。そうした情報は、リアルタイムデータ、あるいは所定の持続期間にわたる平均の形態、あるいはその他の好適な形態であってもよい。ある実施形態では、脈拍レベルに関する情報は、以下のようにして表示できる:(i)脈拍正常;(ii)脈拍増加;または(iii)脈拍減少。ある実施形態では、血流に関する情報は、以下のようにして表示できる:(i)血流正常;(ii)血流増加;または(iii)血流減少。したがって、装置20あるいはディスプレイは、創傷の治癒へのそうしたパラメータの作用を研究しているヘルスケア医師に重要な情報を提供するだけでなく、創傷の治癒を助けるために一つ以上のセンサー84によって収集されているこの情報を例示できる。
【0095】
上記の詳細な説明は、さまざまな実施形態に対して適用された新規な特徴を示し、記述し、そして指摘しているが、説明したデバイスあるいはプロセスの形態および細部における、さまざまな使途、置き換えおよび変形が、本開示の趣旨から逸脱することなく、なし得ることは明らかである。さらに、上述したさまざまな特徴およびプロセスは、互いに別個に利用されてもよく、あるいは、さまざまな様式で組み合わされてもよい。全ての可能な組み合わせおよび部分組み合わせも、本開示の範囲内に包含される。
【0096】
言うまでもなく、本明細書中で説明したある実施形態は、本明細書中で言及した特徴および利点の全てを提供しない形態で具現化できる。というのは、ある特徴は他のものとは別個に使用あるいは実施できるからである。本発明の範囲は、上記説明によってではなく、特許請求の範囲の記載によって規定される。それと等価な趣旨および範疇に収まる全ての変化は、その範囲内に包含される。
【符号の説明】
【0097】
20 持続性可変負圧創傷治療装置
22 創傷位置
24 創傷ドレッシング
26 吸引源
28 流体収集システム
30 真空ポンプ
32 制御デバイス
33 バルブ
34 フィルター
36 チューブ
38 流体不浸透性収集コンテナ
40 シャットオフ機構
42 第1のポート
44 第2のポート
46 チューブ
48 吸収性マトリックス
50 流体不透過性創傷カバー
52 皮膚
54 粘着性基材
56 フィードスルー位置
58 側方ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持続性可変負圧創傷治療装置であって、
創傷上に配置されかつそれを取り囲むようなサイズおよび形状とされた創傷ドレッシングであって、このドレッシングと前記創傷との間で低減圧力を維持するよう構成された創傷ドレッシングと、
前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成された吸引源と、
前記吸引源を制御するよう構成された制御デバイスと、
患者の心臓活動性をモニターするよう構成されたセンサーと、
前記吸引源によって前記創傷から吸引された流体および浸出液を除去しかつ収集するよう構成された流体収集デバイスと、を具備してなり、
前記制御デバイスは、前記センサーからのモニターされた心臓活動性を受け取り、前記モニターされた心臓活動性に基づいて前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする持続性可変負圧創傷治療装置。
【請求項2】
前記吸引源は真空ポンプからなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吸引源は、低減圧力の少なくとも二つの大きさの間で、前記創傷に対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記吸引源は、
第1の大きさで低減圧力を作用させ、かつ、
第2の大きさで低減圧力を作用させるために、前記第1の大きさでの低減圧力を解放することによって、
前記創傷に対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記吸引源は、第1の大きさでの低減圧力と第2の大きさでの低減圧力との間でのサイクリングによって、前記創傷に対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記制御デバイスは、前記センサーから受け取った前記モニターされた心臓活動性と同期して、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記制御デバイスは、
収縮期の持続時間および拡張期の持続時間を測定し、
前記収縮期の持続時間の間、第1の大きさで低減圧力を作用させ、
前記拡張期の持続時間の間、第2の大きさで低減圧力を作用させるために、前記第1の大きさでの低減圧力を解放することによって、
前記センサーから受け取った前記モニターされた心臓活動性と同期して、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記制御デバイスは、
収縮期の持続時間および拡張期の持続時間を測定し、
前記拡張期の持続時間の間、第1の大きさで低減圧力を作用させ、
前記収縮期の持続時間の間、第2の大きさで低減圧力を作用させるために、前記第1の大きさでの低減圧力を解放することによって、
前記センサーから受け取った前記モニターされた心臓活動性と同期して、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記制御デバイスは、第1の大きさでの低減圧力と第2の大きさでの低減圧力との間でのサイクリングによって、前記センサーから受け取った前記モニターされた心臓活動性と同期して、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
第1の大きさでの低減圧力と第2の大きさでの低減圧力との間でのサイクリングは、時間変化波形に従って低減圧力を変化させることを含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記時間変化波形は正弦波形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記時間変化波形は半波整流正弦波形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記時間変化波形は非対称正弦波形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記時間変化波形は方形波形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記時間変化波形は半波整流台形波形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記時間変化波形は三角形波形であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記センサーはパルスセンサーであることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記センサーはパルスオキシメーターであることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記センサーは圧力トランスデューサであることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記センサーは一つ以上の電極を具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記センサーは観血的センサーであることを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記センサーは非観血的センサーであることを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記第2の大きさでの前記低減圧力は、前記第1の大きさでの前記低減圧力を約5ないし85mmHg上回ることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項24】
前記サイクリングはさらに、毎分あたり約200ないし400サイクルの周波数での、前記第1の大きさでの前記低減圧力と前記第2の大きさでの前記低減圧力との間のサイクリングを含むことを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記創傷を通過する血流量をモニターするよう構成されたセンサーをさらに具備してなり、前記制御デバイスは、前記センサーからの前記モニターされた血流量を受け取り、かつ、前記モニターされた血流量に基づいて前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記制御デバイスは、
前記創傷を通過する血流量をモニターし、
前記創傷を通過する血流量を維持するために前記創傷ドレッシングに低減圧力を作用させることによって、
毛細管閉鎖圧力下で前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
持続性可変負圧創傷治療装置であって、
創傷上に配置されかつそれを取り囲むようなサイズおよび形状とされた創傷ドレッシングであって、このドレッシングと前記創傷との間で低減圧力を維持するよう構成された創傷ドレッシングと、
前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成された吸引源と、
前記吸引源によって前記創傷から吸引された流体および浸出液を除去しかつ収集するよう構成された流体収集デバイスと、
前記吸引源および前記創傷ドレッシングに対して接続されたエアリザーバであって、前記創傷ドレッシングに対して正圧を供給するよう構成されたエアリザーバと、
前記エアリザーバおよび前記創傷ドレッシングに対して接続された制御バルブであって、前記創傷ドレッシング内へ前記エアリザーバからの空気を循環させるよう構成された制御バルブと、
を具備してなることを特徴とする持続性可変負圧創傷治療装置。
【請求項28】
前記吸引源と前記エアリザーバと前記創傷ドレッシングとの間で接続された管路をさらに具備してなり、前記管路は前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を供給するよう構成されていることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記創傷ドレッシングと前記エアリザーバとの間で前記創傷ドレッシングと連通状態となった圧力センサーであって、前記創傷ドレッシング内の低減圧力を測定するよう構成された圧力センサーと、
前記制御バルブと前記流体収集デバイスとの間に接続されたバルブであって、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成されたバルブと、
をさらに具備してなることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記吸引源と前記創傷ドレッシングとの間に接続された第1の管路であって、前記創傷ドレッシングに対して低減圧力を供給するよう構成された第1の管路と、
前記エアリザーバと前記創傷ドレッシングとの間に接続された第2の管路であって、前記創傷ドレッシングに対して増大圧力を供給するよう構成された第2の管路と、
をさらに具備してなることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記創傷ドレッシングと前記吸引源との間で前記創傷ドレッシングとつながった第1の圧力センサーであって、前記創傷ドレッシング内の低減圧力を測定するよう構成された第1の圧力センサーと、
前記創傷ドレッシングと前記エアリザーバとの間で前記創傷ドレッシングとつながった第2の圧力センサーであって、前記創傷ドレッシング内の低減圧力を測定するよう構成された第2の圧力センサーと、
をさらに具備してなることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記制御バルブは前記第2の管路に沿って配置されることを特徴とする請求項30または請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記エアリザーバに対して接続された第1の安全バルブをさらに具備してなることを特徴とする請求項30ないし請求項32のいずれか1項に記載の装置。
【請求項34】
前記第2のチューブに沿って前記創傷ドレッシングに対して接続された第2の安全バルブをさらに具備してなることを特徴とする請求項30ないし請求項33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記第1のチューブに沿って前記創傷ドレッシングに対して接続されたバルブをさらに具備してなり、前記バルブは、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう構成されていることを特徴とする請求項30ないし請求項34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記吸引源を制御するよう構成された制御デバイスと、
患者の心臓活動性をモニターするよう構成されたセンサーと、をさらに具備してなり、
前記制御デバイスは、前記センサーからの前記モニターされた心臓活動性を受け取り、前記モニターされた心臓活動性に基づいて前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項27ないし請求項35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
前記制御デバイスは、前記センサーから受け取った前記モニターされた心臓活動性と同期して、前記創傷ドレッシングに対して周期的な低減圧力を作用させるよう前記吸引源を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
請求項1ないし請求項37のいずれか1項に記載の装置によって患者の創傷を治療するための方法。
【請求項39】
患者の創傷を治療するための方法であって、
前記創傷の上にそれを取り囲むように創傷ドレッシングを配置するステップであって、前記ドレッシングは、前記ドレッシングと前記創傷との間に低減圧力を維持するよう構成されたものであるステップと、
前記患者の心臓活動性をモニターするステップと、
前記創傷に対して低減圧力を作用させるステップと、を具備し、
前記作用させられる低減圧力は、少なくとも二つの異なる低減圧力の大きさ間でサイクルさせられ、かつ、前記サイクリングは前記モニターされた心臓活動性と同期させられることを特徴とする方法。
【請求項40】
エアリザーバから前記創傷ドレッシングに対して正圧を供給するステップをさらに具備することを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記創傷に対して低減圧力を作用させるステップは、
第1の大きさでの低減圧力の適用の間、前記エアリザーバと前記創傷ドレッシングとの間の制御バルブを閉鎖するステップと、
第2の大きさでの低減圧力の適用の間、前記制御バルブを開放するステップと、を具備し、
前記制御バルブを開放は、前記エアリザーバからのエアを前記創傷ドレッシング内へ循環させることを特徴とする請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−509160(P2011−509160A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542353(P2010−542353)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/030497
【国際公開番号】WO2009/089390
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(509024167)ブルースカイ・メディカル・グループ・インコーポレーテッド (3)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】