説明

指の強化器具

【課題】 手軽に指先部を5本同時に刺激しながら指の筋肉を強化できる手の指の強化器具を提供する。
【解決手段】 第1弾性パッド2のパッド支持部6A側を手のひらに当て、この第1弾性パッド2の弾性面2aを人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て得る握り状態において、第2弾性パッド3の弾性面3aが親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、互いの弾性面が内側に向けて配置されるとともに、第2弾性パッド3の弾性面を第1弾性パッド2の弾性面の横幅方向の一端部側にずらして配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手や足の指先部を刺激しながら指の筋肉を強化できる強化器具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、足の爪先部を強化できる足指強化履物を提案してある(特許文献1)。この足指強化履物は、靴の床部のつま先部分に、足の指が靴の床部分をつかむ様な形の段差をつけた構造である。この足指強化履物によれば、靴の床部のつま先部分に段差をつけた事により使用時に足の指の筋肉を強化できるものである。
【0003】
本発明者は、例えばウォーキングやジョギング中、又はサイクリング中に、この種の足指強化履物を用いると同時に、手の指先部(爪先部)を刺激しながら指の筋肉を同時に強化できるようにすれば、より効果的であることを着想した。
【0004】
手の強化具としては、握ったV字形状の器具をバネ弾性に抗して閉じることによって、手の握力を強化できるようにした強化具が知られているが、この強化具は、手の握力を強化できるようにしたものであって、手の指先部(爪先部)を刺激しながら指の筋肉を強化できるようにしたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−160061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような実情に鑑み、本発明は、例えばウォーキング中やジョギング中であっても、手軽に手の指先部(爪先部)を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら5本の指の筋肉を強化できる手の指の強化器具を提供することを課題(第一の課題)とするものである。
【0007】
また、本発明は、例えばサイクリング中や杖を携行した散歩中であっても、手軽に手の指先部(爪先部)を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら5本の指の筋肉を強化できる手の指の強化器具を提供することを課題(第二の課題)とするものである。
【0008】
また、公知(特許文献1)の足指強化履物では、足の指が靴の床部分をつかむ様な形の段差をつけた構造であるため、足の指の裏側に効果的な刺激を与えることができたが、足の指先部(爪先部)を刺激しながら足の指の筋肉を強化できるものではなかった。本発明は、足の指の裏側に効果的な刺激を与えると共に、足の指先部(爪先部)を刺激しながら足の指の筋肉を強化できる足の指の強化器具を提供することを課題(第三の課題)とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題(第一の課題)を解決するため、本発明(請求項1の発明)は、手の指の強化器具であり、この強化器具は、手の人差指、中指、薬指、小指の指先部を横幅方向に一列に並べた状態で突き立て可能な横幅長さの弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第1弾性パッドと、手の親指の指先部を突き立て可能な弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第2弾性パッドと、各弾性パッドの弾性面の反対面にそれぞれ固着された第1弾性パッド支持部及び第2弾性パッド支持部と、各パッド支持部を一体的に連結する連結部から成るパッド支持体によって構成され、前記第1弾性パッドと前記第2弾性パッドは、前記第1弾性パッド支持部側を手のひらに当て、前記第1弾性パッドの弾性面を人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て得る握り状態において、前記第2弾性パッドの弾性面が親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、互いの弾性面が内側に向けて配置されるとともに、前記第2弾性パッドの弾性面を前記第1弾性パッドの弾性面の横幅方向の一端部側にずらして配置したことを特徴とする指の強化器具を提供する。
【0010】
また、上記した課題(第二の課題)を解決するため、本発明(請求項2の発明)は、手の指の強化器具であり、この強化器具は、手の人差指、中指、薬指、小指の指先部を横幅方向に一列に並べた状態で突き立て可能な横幅長さの弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第1弾性パッドと、手の親指の指先部を突き立て可能な弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第2弾性パッドと、自転車のグリップ部分や杖のグリップ部分などの略円形の棒状体の外周に着脱可能に嵌合し得る弾性材から成る断面略C字状のグリップ部と、このグリップ部の外周から略半径方向に突出されると共に、このグリップ部のグリップ長さ方向に延ばした突出片から成る第1弾性パッド支持部と、この第1弾性パッド支持部の一端部側から延設された第2弾性パッド支持部から成るパッド支持体によって構成され、前記第1弾性パッド支持部の片面に前記第1弾性パッドの弾性面の反対面を固着して支持し、前記第2弾性パッド支持部の片面に前記第2弾性パッドの弾性面の反対面を固着して支持してあり、前記第1弾性パッドの弾性面を人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て可能な位置で前記グリップ部を手で握る握り状態において、前記第2弾性パッドの弾性面が親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、この第2弾性パッドの弾性面を、前記第1弾性パッドの弾性面の横幅方向の一端部側にずらして配置するとともに、前記グリップ部の周り方向において前記第1弾性パッドの弾性面とは反対の方向に向けて配置したことを特徴とする指の強化器具を提供する。
【0011】
また、上記した課題(第三の課題)を解決するため、本発明(請求項3の発明)は、足の指の強化器具であり、この強化器具は、樹脂又はゴム製のクッション性を有する弾性体で一体形成され、靴内部の先端部側の靴床面に敷設して装着できる形態を有し、この強化器具の上面に足の指を指先部から入れることができる凹部溝を形成し、この凹部溝の前方壁部と後方壁部を逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部の傾斜面に足の指先部(爪先部)を突き立てるようにしたことを特徴とする指の強化器具を提供する。
【0012】
また、上記した課題(第三の課題)を解決するため、本発明(請求項4の発明)は、足の指の強化器具であり、この強化器具は、靴内部の靴床面に敷設されるインソール部と、このインソール部の先端部側のインソール面に接着した、樹脂又はゴム製のクッション性を有する弾性体で形成された別体の前方強化部と後方強化部から成り、前記インソール面に接着された前方強化部と後方強化部の間に足の指を指先部から入れることができる凹部溝を形成し、この凹部溝の前方壁部と後方壁部を逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部の傾斜面に足の指先部(爪先部)を突き立てるようにしたことを特徴とする指の強化器具を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明(請求項1の発明)によれば、例えばウォーキング中やジョギング中であっても、第1弾性パッド支持部を手のひらに当て、この第1弾性パッドの弾性面を人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て得る手の握り状態で、第1弾性パッドの弾性面に親指を除いた4本の指(人差指、中指、薬指、小指)の指先部(爪先部)を突き立てると共に、第2弾性パッドの弾性面に親指の指先部を突き立てることによって、手軽に手の指先部(爪先部)を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら5本の指の筋肉を強化できる。しかも、手の指先部(爪先部)が5本同時に刺激を受けることによって、血行が良くなる効果もある。
【0014】
また、本発明(請求項2の発明)によれば、強化器具のグリップ部を自転車のハンドルのグリップ部分や杖のグリップ部分に装着して用いることができる。したがって、例えばサイクリング中や杖を携行した散歩中であっても、ハンドルや杖のグリップ部分に装着した強化器具のグリップ部を握った状態で、第1弾性パッドの弾性面に親指を除いた4本の指(人差指、中指、薬指、小指)の指先部(爪先部)を突き立てると共に、第2弾性パッドの弾性面に親指の指先部を突き立てることによって、手軽に手の指先部(爪先部)を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら5本の指の筋肉を強化できる。しかも、手の指先部(爪先部)が5本同時に刺激を受けることによって、血行が良くなる効果もある。
【0015】
また、本発明(請求項3,4の発明)によれば、強化器具に足の指を指先部から入れることができる凹部溝を形成し、この凹部溝の前方壁部と後方壁部を逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部の傾斜面に足の指先部(爪先部)を突き立てるようにしたことを特徴としたものであるため、後方壁部の傾斜面を足の指がつかむ様にして凹部溝内に指を入れて用いれば、足の指の裏側は凹部溝の後方壁部の傾斜面によって効果的な刺激を与えられると共に、足の指先部(爪先部)を凹部溝の前方壁部の傾斜面に突き立てることができる。これによって、手軽に足の指を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら指の筋肉を強化できる。
【0016】
本発明は、ウォーキング中やジョギング中、又はサイクリング中や杖を携行した散歩中に、手と足の指の強化器具を一緒に用いるようにすれば、手と足の指先部を刺激しながら手と足の指の筋肉を強化でき、全身運動となり、より効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】手の指の強化器具を示す斜面図である。
【図2】図1の強化器具の使用状態を示した正面図である。
【図3】手の指の強化器具の他の実施形態を示す斜面図である。
【図4】図3の強化器具の使用状態を示した斜面図である。
【図5】足の指の強化器具を示す平面図である。
【図6】図5の強化器具の使用状態を示した要部縦断面図である。
【図7】足の指の強化器具の他の実施形態を示す平面図である。
【図8】図7の強化器具の使用状態を示した要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び図2は手の指の強化器具の実施形態を示している。この強化器具1は、手の人差指、中指、薬指、小指の指先部を横幅方向に一列に並べた状態で突き立て可能な横幅長さの弾性面2aをもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第1弾性パッド2と、手の親指の指先部を突き立て可能な弾性面3aをもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第2弾性パッド3と、各弾性パッド2,3の弾性面2a,3aの反対面にそれぞれ固着された第1弾性パッド支持部6A及び第2弾性パッド支持部6Bと、各パッド支持部6A,6Bを一体的に連結する連結部7から成るパッド支持体5によって構成されている。
【0019】
前記第1弾性パッド2と前記第2弾性パッド3は、前記第1弾性パッド支持部6Aを手のひらに当て、前記第1弾性パッド2の弾性面2aを人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て得る手の握り状態において、前記第2弾性パッド3の弾性面3aが親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、互いの弾性面2a,3aが内側に向けて配置されるとともに、前記第2弾性パッド3の弾性面3aを前記第1弾性パッド2の弾性面2aの横幅方向の一端部側にずらして配置してある。
【0020】
第1弾性パッド2及び第2弾性パッド3は、これらの弾性面2a,3aに爪を立てるように指先部を強く突き立てると、この弾性面2a,3aは凹むが、この弾性面2a,3aから指先部を離せば元の弾性面に戻る、樹脂又はゴム製の弾性体から成っている。この弾性体としては、発泡ポリエチレンなどの発泡プラスチック(プラスチックフォーム)を採択できる。また、前記パッド支持体5は、比較的硬質のプラスチック材や金属材で形成されている。
【0021】
前記第2弾性パッド3のパッド支持部6Bは、前記第1弾性パッド2のパッド支持部6Aの一端部から略L字状に延設された連結部7を介して略平行にずらして連結されている。
【0022】
前記第2弾性パッド3は、前記第1弾性パッド2の弾性面2aの横幅方向の一端部より外側にずらして配置され、前記第1弾性パッド2の弾性面2aの端部より該弾性面と直交する方向に長く延ばした延長部3Aaをもつ略長方形の弾性面3aを有する主パッド部3Aと、この主パッド部3Aの前記延長部3Aaから横幅方向の内側に設けた補助パッド部3Bを含むものである。この補助パッド部3Bの弾性面3aは主パッド部3Aの延長部3Aaの弾性面3aから内側方向に向け傾斜させた傾斜面としても良い。
【0023】
なお、図1及び図2では左手用の強化器具を示した。右手用の強化器具は図2のA−A線を基線として左右対称に形成すれば良い。
【0024】
使用に際しては、図2に示したように、第1弾性パッド2のパッド支持部6Aを手のひらに当て、この第1弾性パッド2の弾性面2aを人差指F2、中指F3、薬指F4、小指F4の指先部で突き立て可能な状態に握り、この握り状態で第1弾性パッド2の弾性面2aに親指F1を除いた4本指(人差指F2、中指F3、薬指F4、小指F5)の指先部(爪先部)を突き立てると共に、第2弾性パッド3の弾性面3aに親指F1の指先部を突き立て、この突き立て動作を繰り返し行うことによって用いる。これによって、例えばウォーキング中やジョギング中であっても、手軽に手の指先部(爪先部)を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら5本の指の筋肉を強化できる。しかも、手の指先部(爪先部)が5本同時に刺激を受けることによって、血行が良くなる効果もある。
【0025】
また、図1、図2の実施形態によれば、前記第2弾性パッド3は、延長部3Aaをもつ略長方形の弾性面3aを有する主パッド部3Aと、補助パッド部3Bを含むものであるため、親指F1の指先部を突き立てる位置を変えながら突き立て動作を行うことが出来る。
【0026】
図3及び図4は手の指の強化器具の他の実施形態を示している。この強化器具1は、手の人差指、中指、薬指、小指の指先部を横幅方向に一列に並べた状態で突き立て可能な横幅長さの弾性面2aをもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第1弾性パッド2と、手の親指の指先部を突き立て可能な弾性面3aをもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第2弾性パッド3と、自転車のハンドルのグリップ部分Gなどの略円形の棒状体(杖のグリップ部分でも良い)の外周に着脱可能に嵌合し得る弾性材から成る断面略C字状のグリップ部8と、このグリップ部8の外周から略半径方向に突出されると共に、このグリップ部8のグリップ長さ方向に延ばした突出片から成る第1弾性パッド支持部6Aと、この第1弾性パッド支持部6Aの一端部側から略L字状に延設された第2弾性パッド支持部6Bから成るパッド支持体5によって構成され、前記第1弾性パッド支持部6Aの片面に前記第1弾性パッド2の弾性面2aの反対面を固着して支持し、前記第2弾性パッド支持部6Bの片面に前記第2弾性パッド3の弾性面3aの反対面を固着して支持してある。
【0027】
前記第1弾性パッド2の弾性面2aを人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て可能な位置で前記グリップ部8を手で握る握り状態において、前記第2弾性パッド3の弾性面3aが親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、この第2弾性パッド3の弾性面3aを、前記第1弾性パッド2の弾性面2aの横幅方向の一端部側にずらして配置するとともに、前記グリップ部8の周り方向において前記第1弾性パッド2の弾性面2aとは反対の方向に向けて配置してある。
【0028】
さらに、前記第2弾性パッド3として、前記第1弾性パッド2の背面位置において、前記第1弾性パッド2の弾性面2aの横幅方向の一端部側にずらして配置した第2弾性パッド3を更に設け、この第2弾性パッド3の弾性面3aを前記第1弾性パッド2の弾性面2aに対して直交する方向に向けて配置してある。すなわち、図3、図4に図示した実施形態では、第2弾性パッド3が離れた位置に複数(二箇所)形成されている。
【0029】
この実施形態の第1弾性パッド2及び第2弾性パッド3も、図1及び図2の実施形態と同様に、これらの弾性面2a,3aに爪を立てるように指先部を強く突き立てると、この弾性面2a,3aは凹むが、この弾性面2a,3aから指先部を離せば元の弾性面に戻る、樹脂又はゴム製の弾性体から成っている。この弾性体としては、発泡ポリエチレンなどの発泡プラスチック(プラスチックフォーム)を採択できる。また、前記パッド支持体5は、比較的硬質のプラスチック材や金属材で形成されている。
【0030】
なお、図3及び図4では左手用の強化器具を示した。右手用の強化器具は図示した強化器具の右端部を基準として左右対称に形成すれば良い。
【0031】
使用に際しては、図4に示したように、この強化器具1のグリップ部8を自転車のハンドルのグリップ部分Gに装着して用いる。また、この強化器具のグリップ部8を杖のグリップ部分に装着して用いても良い。ハンドルや杖のグリップ部分Gに装着した強化器具1のグリップ部8を手で握った状態で、第1弾性パッド2の弾性面2aに親指を除いた4本指(人差指F2、中指F3、薬指F4、小指F5)の指先部(爪先部)を突き立てると共に、第2弾性パッド3の弾性面3aに親指F1の指先部を突き立て、この突き立て動作を繰り返し行うことによって用いる。これによって、例えばサイクリング中や杖を携行した散歩中であっても、手軽に手の指先部(爪先部)を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら5本の指の筋肉を強化できる。しかも、手の指先部(爪先部)が5本同時に刺激を受けることによって、血行が良くなる効果もある。
【0032】
また、図3、図4の実施形態では、第2弾性パッド3が離れた位置に複数(二箇所)形成されている。したがって、親指の指先部を突き立てる位置を変えながら突き立て動作を行うことが出来る。
【0033】
図5及び図6は足の指の強化器具の実施形態を示している。この強化器具10は、樹脂又はゴム製のクッション性を有する弾性体で一体形成され、靴内部の先端部側の靴床面Wに敷設して装着できる形態を有し、この強化器具10の上面に足の指F(足の指の第一関節より先端部)を指先部(爪先部)から入れることができる凹部溝11を形成し、この凹部溝11の前方壁部11Aと後方壁部11Bを逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部11Aの傾斜面に足の指先部(爪先部)を突き立てるようにしたことを特徴としている。なお、図5に一点鎖線で示した輪郭は靴床面Fの輪郭線である。また図5の平面図におけるハッチングは前方壁部11Aの傾斜面と後方壁部11Bの傾斜面を分かりやすくするために便宜的に付したものである。
【0034】
図7及び図8は足の指の強化器具の他の実施形態を示している。この強化器具10は、靴内部の靴床面Wに敷設されるインソール部15と、このインソール部15の先端部側のインソール面15aに接着した、樹脂又はゴム製のクッション性を有する弾性体で形成された別体の前方強化部16と後方強化部17から成り、前記インソール面15aに接着された前方強化部16と後方強化部17の間に足の指F(足の指の第一関節より先端部)を指先部(爪先部)から入れることができる凹部溝11を形成し、この凹部溝11の前方壁部11Aと後方壁部11Bを逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部11Aの傾斜面に足の指先部(爪先部)を突き立てるようにしたことを特徴としている。なお、図7の平面図におけるハッチングは前方壁部11Aの傾斜面と後方壁部11Bの傾斜面を分かりやすくするために便宜的に付したものである。
【0035】
図5〜図8に示した足の指の強化器具によれば、強化器具10に足の指F(足の指の第一関節より先端部)を指先部(爪先部)から入れることができる凹部溝11を形成し、この凹部溝11の前方壁部11Aと後方壁部11Bを逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部11Aの傾斜面に足の指先部(爪先部)を突き立てるようにしたことを特徴としたものであるため、後方壁部11Bの傾斜面を足の指がつかむ様にして凹部溝11内に指を指先部(爪先部)から入れて用いれば、足の指の裏側は凹部溝11の後方壁部11Bの傾斜面によって効果的な刺激を与えられると共に、足の爪先部(先端部)を凹部溝11の前方壁部11Aの傾斜面に突き立てることができる。これによって、例えばウォーキング中やジョギング中、あるいはサイクリング中であっても、手軽に足の指を5本同時(親指、人差指、中指、薬指、小指の5本同時)に刺激しながら指の筋肉を強化できる。しかも、足の指先部(爪先部)が5本同時に刺激を受けることによって、血行が良くなる効果もある。
【0036】
例えばウォーキング中やジョギング中に、図1及び図2の手の指の強化器具1と、図5及び図6の足の指の強化器具10(図7及び図8の足の指の強化器具10でも良い)を一緒に用いるようにすれば、手と足の指先部を刺激しながら手と足の指の筋肉を同時に強化でき、全身運動となり、より効果的である。また、例えばサイクリング中に、図3及び図4の手の指の強化器具1と、図5及び図6の足の指の強化器具10(図7及び図8の足の指の強化器具10でも良い)を同時に用いるようにすれば、手と足の指先部を刺激しながら手と足の指の筋肉を同時に強化でき、全身運動となり、より効果的である。
【符号の説明】
【0037】
1 手の指の強化器具
2 第1弾性パッド
2a 第1弾性パッドの弾性面
3 第2弾性パッド
3a 第2弾性パッドの弾性面
3A 第2弾性パッドの主パッド部
3Aa 主パッド部の延長部
3B 第2弾性パッドの補助パッド部
5 パッド支持体
6A 第1弾性パッド支持部
6B 第2弾性パッド支持部
7 連結部
8 強化器具のグリップ部
G 自転車のハンドルのグリップ部分
10 足の指の強化器具
W 靴床面
11 凹部溝
11A 凹部溝の前方壁部
11B 凹部溝の後方壁部
15 インソール部
16 前方強化部
17 後方強化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手の指の強化器具であり、この強化器具は、手の人差指、中指、薬指、小指の指先部を横幅方向に一列に並べた状態で突き立て可能な横幅長さの弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第1弾性パッドと、手の親指の指先部を突き立て可能な弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第2弾性パッドと、各弾性パッドの弾性面の反対面にそれぞれ固着された第1弾性パッド支持部及び第2弾性パッド支持部と、各パッド支持部を一体的に連結する連結部から成るパッド支持体によって構成され、前記第1弾性パッドと前記第2弾性パッドは、前記第1弾性パッド支持部側を手のひらに当て、前記第1弾性パッドの弾性面を人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て得る握り状態において、前記第2弾性パッドの弾性面が親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、互いの弾性面が内側に向けて配置されるとともに、前記第2弾性パッドの弾性面を前記第1弾性パッドの弾性面の横幅方向の一端部側にずらして配置したことを特徴とする指の強化器具。
【請求項2】
手の指の強化器具であり、この強化器具は、手の人差指、中指、薬指、小指の指先部を横幅方向に一列に並べた状態で突き立て可能な横幅長さの弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第1弾性パッドと、手の親指の指先部を突き立て可能な弾性面をもつ樹脂又はゴム製の弾性体から成る第2弾性パッドと、自転車のグリップ部分や杖のグリップ部分などの略円形の棒状体の外周に着脱可能に嵌合し得る弾性材から成る断面略C字状のグリップ部と、このグリップ部の外周から略半径方向に突出されると共に、このグリップ部のグリップ長さ方向に延ばした突出片から成る第1弾性パッド支持部と、この第1弾性パッド支持部の一端部側から延設された第2弾性パッド支持部から成るパッド支持体によって構成され、前記第1弾性パッド支持部の片面に前記第1弾性パッドの弾性面の反対面を固着して支持し、前記第2弾性パッド支持部の片面に前記第2弾性パッドの弾性面の反対面を固着して支持してあり、前記第1弾性パッドの弾性面を人差指、中指、薬指、小指の指先部で突き立て可能な位置で前記グリップ部を手で握る握り状態において、前記第2弾性パッドの弾性面が親指の指先部を突き立て可能な位置に配置されるように、この第2弾性パッドの弾性面を、前記第1弾性パッドの弾性面の横幅方向の一端部側にずらして配置するとともに、前記グリップ部の周り方向において前記第1弾性パッドの弾性面とは反対の方向に向けて配置したことを特徴とする指の強化器具。
【請求項3】
足の指の強化器具であり、この強化器具は、樹脂又はゴム製のクッション性を有する弾性体で一体形成され、靴内部の先端部側の靴床面に敷設して装着できる形態を有し、この強化器具の上面に足の指を指先部から入れることができる凹部溝を形成し、この凹部溝の前方壁部と後方壁部を逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部の傾斜面に足の指先部を突き立てるようにしたことを特徴とする指の強化器具。
【請求項4】
足の指の強化器具であり、この強化器具は、靴内部の靴床面に敷設されるインソール部と、このインソール部の先端部側のインソール面に接着した、樹脂又はゴム製のクッション性を有する弾性体で形成された別体の前方強化部と後方強化部から成り、前記インソール面に接着された前方強化部と後方強化部の間に足の指を指先部から入れることができる凹部溝を形成し、この凹部溝の前方壁部と後方壁部を逆ハ字形状の傾斜面とし、前方壁部の傾斜面に足の指先部を突き立てるようにしたことを特徴とする指の強化器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−183254(P2012−183254A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50013(P2011−50013)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(506034282)
【Fターム(参考)】