説明

指示位置検出装置、指示位置検出方法及びプログラム

【課題】表示装置の表示特性を低下させることなく表示画面における指示位置を検出する。
【解決手段】表示画面1aの各辺にマイクロフォン2A〜2Dを配置する。表示画面1aの表面又は近傍で指示音が生じたとき、表示画面1aの双方の短辺における一対のマイクロフォン2A,2Cへの指示音の到達時間差(tAC)と、表示画面1aの双方の長辺における一対のマイクロフォン2B,2Dへの指示音の到達時間差(tBD)とを取得する。双方の到達時間差(tAC,tBD)に基づいて、一対のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする双曲線101,102と、一対のマイクロフォン2B,2Dを焦点とする双曲線201,202とが交差する点を指示位置Pとして、指示位置Pの座標位置(x,y)を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面における任意の指示位置を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LCM(Liquid Crystal panel Module:液晶パネルモジュール)やCRT(cathode-ray tube)等の表示装置に設けられ、表示装置の表示画面における任意の位置を指示するための装置として抵抗膜方式のタッチパネルが公知である。抵抗膜方式のタッチパネルは、例えばベースとなるガラス面の表面にスペーサをはさんでフィルムが貼り付けられ、ガラスとフィルムとの双方の対向面にITO(Indium Tin Oxide)と呼ばれる透明な電極格子が設けられた構造である。係るタッチパネルでは、フィルム側の表面をペンまたは指で押圧したときには、その位置に相当する場所でITOが導通するため、指示位置に相当する抵抗分の電圧を測定することによって指示位置が検出される(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−48653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、抵抗膜方式のタッチパネルにおいては、電極格子が設けられたフィルムによって表示装置の表示画面を覆うことが不可欠であるため、LCM等の表示特性を低下させてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、表示装置の表示特性を低下させることなく表示画面における指示位置を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、表示画面における指示位置を検出する指示位置検出装置であって、前記表示画面の外周部に配置されるとともに互いに離間する一組のマイクロフォンと、前記表示画面における任意の位置の指示に際して生じた指示音の前記一組のマイクロフォンの各々への到達時間差を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された到達時間差に基づいて前記指示位置を示す指示位置情報を取得する位置情報取得手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記一組のマイクロフォンは、前記表示画面の外周部に前記表示画面を挟むように配置されたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記表示画面の外周部に、前記一組のマイクロフォンとは異なる他の一組のマイクロフォンがさらに配置され、前記取得手段は、一方側の組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差、及び他方側の組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差をそれぞれ取得し、前記位置情報取得手段は、取得手段により取得された双方の組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて指示位置情報を取得することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記位置情報取得手段は、取得手段により取得された一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づき双曲線法を用いて位置情報を取得することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記位置情報取得手段は、一方側の到達時間差により表される一方側の一組のマイクロフォンにおける指示音の音源までの距離差によって特定される一方側の一組のマイクロフォンをそれぞれ焦点とする第1の双曲線と、他方側の到達時間差により表される他方側の一組のマイクロフォンにおける指示音の音源までの距離差によって特定される他方側の一組のマイクロフォンをそれぞれ焦点とする第2の双曲線との交点に対応する前記表示画面上の位置を指示位置とし、当該指示位置を示す位置情報を取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記一方側の一組のマイクロフォンと前記他方側の一組のマイクロフォンとは、直交する2つの直線の一方側の直線上と他方側の直線上とにそれぞれ組をなして配置されたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記2つの直線は、前記表示画面の中心において直交することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記表示画面は矩形であり、前記一方側の一組のマイクロフォンと前記他方側の一組のマイクロフォンとは、前記表示画面の一方の対角線を含む一方の直線上と他方の対角線を含む他方の直線上とにそれぞれ組をなして配置されたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項9記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記一方側の一組のマイクロフォンと前記他方側の一組のマイクロフォンとは、前記表示画面に平行な同一平面上に配置されたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項10記載の発明に係る指示位置検出方法にあっては、表示画面における指示位置を検出する指示位置検出方法であって、前記表示画面における任意の位置の指示に際して指示音が生じたとき、前記表示画面の外周部に配置されるとともに互いに離間する一組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差を取得する工程と、取得した到達時間差に基づいて前記指示位置を特定する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項11記載の発明に係るプログラムにあっては、コンピュータに、表示画面における任意の位置の指示に際して指示音が生じたとき、前記表示画面の外周部に配置されるとともに互いに離間する一組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差を取得する処理と、取得した到達時間差に基づいて前記指示位置を特定する処理とを実行させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項12記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、表示画面における指示位置を検出する指示位置検出装置であって、前記表示画面の外周部に互いに離間して配置された複数のマイクロフォンと、前記複数のマイクロフォンにより構成される各々が二つのマイクロフォンからなる二組のマイクロフォン毎に、前記表示画面における任意の位置の指示に際して生じた指示音の各マイクロフォンへの到達時間差をそれぞれ取得する取得手段と、前記取得手段により取得された二組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて前記指示位置を示す指示位置情報を取得する位置情報取得手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項13記載の発明に係る指示位置検出装置にあっては、前記取得手段に、各組の二つのマイクロフォンの組合せを第1の組合せとした二組のマイクロフォンについて、前記指示音の各マイクロフォンへの到達時間差をそれぞれ取得させるとともに、前記位置情報取得手段に、取得手段により取得された、各組の二つのマイクロフォンの組合せが第1の組合せである二組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて前記指示位置を示す第1の指示位置情報を取得させる一方、前記取得手段に、各組の二つのマイクロフォンの組合せを前記第1の組合せと異なる第2の組合せとした二組のマイクロフォンについて、前記指示音の各マイクロフォンへの到達時間差をそれぞれ取得させるとともに、前記位置情報取得手段に、取得手段により取得された、各組の二つのマイクロフォンの組合せが第2の組合せである二組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて前記指示位置を示す第2の指示位置情報を取得させる制御手段と、前記制御手段が前記位置情報取得手段に取得させた第1の指示位置情報を、前記制御手段が前記位置情報取得手段に取得させた第2の指示位置情報により補正し、補正後の第3の指示位置情報を、前記指示位置を示す最終的な指示位置情報として取得する補正手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、表示装置の表示特性を低下させることなく表示画面における指示位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る指示位置検出装置を示す構成図である。
【図2】各マイクロフォンの配置図である。
【図3】各マイクロフォンの座標位置を示す図である。
【図4】指示位置の取得方法を示す説明図である。
【図5】各マイクロフォンの他の配置例を示す配置図である。
【図6】双曲線の計算対象となる一対のマイクロフォンの他の組合せを示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る指示位置検出装置を示す構成図である。
【図8】偏光板の具体的な構造の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る指示位置検出装置の第1の実施形態を示す構成図である。
【0022】
本実施形態の指示位置検出装置は、文字や画像を表示するLCM1の表示画面における任意の指示位置を検出するものであり、LCM1の表示画面側に設けられた4つのマイクロフォン2A,2B,2C,2D(図2参照)と、増幅器3、A/D変換器4、位置取得部5とから構成される。
【0023】
図1に示したLCM1は透過型であって、表面側と裏面側との2枚の透明なガラス基板11,12と、双方のガラス基板11,12間に封入された液晶13と、ガラス基板11,12の外面にそれぞれ貼着された偏光板14,15とを有している。
【0024】
裏側のガラス基板12の内面には透明な画素電極16がパターン形成されており、画素電極16において画素に対応する部分にはTFT(Thin Film Transistor)17がそれぞれ形成されている。表面側のガラス基板11の内面には、所定の色配列を有するカラーフィルタ18と透明なコモン電極19とが順に層をなしてパターン形成されている。
【0025】
表面側の偏光板14の周囲は、表示窓20aが開口するフレームカバー20によって覆われている。以下の説明においては、LCM1の表示面(表面側の偏光板14の表面)において表示窓20aから視認可能な領域をLCM1の表示画面1aという。なお、LCM1の使用に際しては、裏面側の偏光板15の背面に、導光板やバックライトからなる面光源が設けられる。また、表示窓20aには必要に応じて透明な保護カバーが設けられる。
【0026】
一方、指示位置検出装置を構成する4つのマイクロフォン2A,2B,2C,2Dは表示窓20aの内側に配置されている。図2(a)は、LCM1の表示画面1aに対する各マイクロフォン2A,2B,2C,2Dの配置図である。なお、以下の説明では、各マイクロフォン2A,2B,2C,2Dを第1〜第4のマイクロフォンと呼ぶことにより各々を区別する。
【0027】
図2(a)に示したように第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dは表示画面1aの各辺に配置されている。具体的に説明すると第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dは、矩形の表示画面1aの中心Qにおいて直交するとともに、表示画面1aに平行な平面、つまり表示画面1aに対向する同一平面に存在する2本の直線L,M上に、それぞれ対をなして配置されている。すなわち第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cが、表示画面1aの長辺に平行する一方の直線L上に対をなして配置されており、また第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dが、表示画面1aの短辺に平行する他方の直線M上に対をなして配置されている。
【0028】
そして、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dは、図2(b)に例示した表示画面1aの任意の指示位置Pで生じた指示音を異なる位置で個別に検出し、アナログの音響信号として増幅器3へそれぞれ出力する。
【0029】
第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dが検出する指示音は、例えば図1に示した所定のスタイラスペン100が発する指示音や、ペン型の任意の指示具の先端や、指先等が当接したとき表示画面1aの表面において生じる音である。つまり第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dが検出する指示音は、指示者が表示画面1aの任意の位置を指示した際に表示画面1a、若しくは表示画面1aの近傍で発生する音である。
【0030】
なお、スタイラスペン100は、例えば表示画面1aに当接したことを検知するセンサやスイッチと、表示画面1aに当接する先端部側に設けられ、先端部が表示画面1aに当接したことを検知した時点で、指示音として周期的な発信音を発する小型のスピーカーやブザー等の放音手段とを含むものである。
【0031】
増幅器3は、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dが出力したアナログの音響信号を増幅し、A/D変換器4は、増幅器3による増幅後の音響信号をデジタル信号に変換する。
【0032】
位置取得部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、入出力インターフェイス等の周辺回路と、所定のプログラムが記憶されたメモリ、及び作業用のメモリとを含むマイクロコンピュータにより構成され、本発明の取得手段、及び位置情報取得手段として機能する。そして、位置取得部5は、A/D変換器4によってデジタル信号に変換された後の第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dの出力信号(音響信号)から、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dにより検出された指示音の発生源を示す指示位置情報を双曲線法を用いた後述する手順によって取得し、取得した指示位置情報を他の装置に供給する。
【0033】
位置取得部5が取得する指示位置情報は、図3に示したように、表示画面1aの特定の角(図3で左下の角)を原点O(0,0)とするXY座標系の座標位置(x,y)である。なお、位置取得部5が指示位置情報を供給する対象は任意であるが、例えばLCM1が表示する情報(文字や画像)を制御するパーソナルコンピュータである。
【0034】
次に、位置取得部5における座標位置(x,y)の取得手順について説明する。位置取得部5は、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dにおける出力信号における音圧レベルの変化を周期的に取得する(定常的に取得してもよい)。
【0035】
図4(a)は、指示音が検出されたときの第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dの出力信号における音圧レベルの変化を示した便宜的に示した図であり、横軸が時間、縦軸が音圧レベルである。また、音圧レベルは、予め想定されている指示音に応じた出力信号の特定の周波数帯域における音圧レベルである。
【0036】
そして、位置取得部5は、図4(a)に示したように、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dの各々における音圧レベルに僅かな時間差でピークが表れたとき、つまり指示音を検出したとき、先に説明した互いに対をなすマイクロフォン間における指示音の到達時間差を取得する。つまり第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cにおける指示音の到達時間差tACと、第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dにおける指示音の到達時間差tBDとを取得する。
【0037】
具体的に説明すると、位置取得部5は、任意の時点からの経過時間をカウントしており、第1及び第3のマイクロフォン2A,2C側の到達時間差tACを、第3のマイクロフォン2Cが指示音を検出した時点(音圧レベルにピークが表れた時点)の経過時間から、第1のマイクロフォン2Aが指示音を検出した時点の経過時間を減算することにより取得する。
【0038】
したがって、第1及び第3のマイクロフォン2A,2C側の到達時間差tACは、指示音の発信源(指示位置P)が、図3に例示したように第3のマイクロフォン2Cよりも第1のマイクロフォン2Aに近いときには正の値となり、逆に第1のマイクロフォン2Aよりも第3のマイクロフォン2Cに近いときには負の値となる。
【0039】
また、位置取得部5は、第2及び第4のマイクロフォン2B,2D側の到達時間差tBDを、第4のマイクロフォン2Dが指示音を検出した時点の経過時間から、第2のマイクロフォン2Bが指示音を検出した時点の経過時間を減算することにより取得する。
【0040】
したがって、第2及び第4のマイクロフォン2B,2D側の到達時間差tBDは、指示音の発信源(指示位置P)が、図3に例示したように第4のマイクロフォン2Dよりも第2のマイクロフォン2Bに近いときには正の値となり、逆に第2のマイクロフォン2Bよりも第4のマイクロフォン2Dに近いときには負の値となる。
【0041】
ここで、第1及び第3のマイクロフォン2A,2C側の到達時間差tACは、各々における指示位置Pまでの距離差を表し、同様に、第2及び第4のマイクロフォン2B,2D側の到達時間差tBDは、各々における指示位置Pまでの距離差を表す。すなわち一組のマイクロフォン間の指示音の到達時間差(tAC,tBD)に音速を乗じた値の絶対値が一組のマイクロフォン間における指示位置Pまでの距離差となる。
【0042】
第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cからの距離の差が一定である点は、双方のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする双曲線上に存在し、同様に第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dからの距離の差が一定である点は、双方のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする双曲線上に存在する。
【0043】
このため、図4(b)に示したように、第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする双曲線101,102のうちで指示位置Pに近い側の双曲線(以下、第1の双曲線という。)101と、第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dを焦点とする双曲線201,202のうちで指示位置Pに近い側の他方の双曲線(以下、第2の双曲線という。)201との交点が指示位置Pとなる。なお、図4(b)に示した一方の双曲線101,102と他方の双曲線201,202は便宜的に示したものに過ぎず、双曲線の形状や位置関係は実際のものとは異なる。
【0044】
XY座標系において2つの焦点がx軸上に存在する双曲線は、双方の焦点から双曲線上の点までの距離差を2aとし、双方の焦点間の距離を2cとすると、次式(1)によって表される。
【0045】
【数1】

【0046】
一方、第1及び第3のマイクロフォン2A,2C間の距離(LX)は既知であるため、上記の式(1)から、第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする双曲線101,102は、指示位置Pまでの距離差を2axとすれば、次式(2)により表すことができる。
【0047】
【数2】

【0048】
同様に、第2及び第4のマイクロフォン2B,2D間の距離(Ly)は既知であるため、上記の式(1)から、第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dを焦点とする双曲線201,202は、指示位置Pまでの距離差を2ayとすれば、次式(3)により表すことができる。
【0049】
【数3】

【0050】
したがって、指示音の発信源である指示位置Pのx軸上の位置(x)とy軸上の位置(y)とは、それぞれ下記の式(4)、式(5)を計算すれば求めることができる。
【0051】
【数4】

【0052】
【数5】

【0053】
また、上記式(4)においては、axが正の値つまり到達時間差tACが正の値のときには、右辺第1項の値が(Lx/2)よりも小さくなるため、計算結果として図4(b)に示した第1のマイクロフォン2Aに近い第1の双曲線101上の位置(x)を得ることができる。逆に、axが負の値つまり到達時間差tACが負の値のときには、右辺第1項の値が(Lx/2)よりも大きくなるため、計算結果として図4(b)に示した第3のマイクロフォン2Cに近い双曲線102上の位置(x)を得ることができる。
【0054】
同様に、上記式(5)においても、ayが正の値つまり到達時間差tBDが正の値のときには、右辺第1項の値が(Ly/2)よりも小さくなるため、計算結果として図4(b)に示した第2のマイクロフォン2Bに近い第2の双曲線201上の位置(y)を得ることができる。逆に、ayが負の値つまり到達時間差tBDが負の値のときには、右辺第1項の値が(Ly/2)よりも大きくなるため、計算結果として図4(b)に示した第4のマイクロフォン2Dに近い双曲線202上の位置(y)を得ることができる。
【0055】
したがって位置取得部5は、先に述べたように一組のマイクロフォン間の指示音の到達時間差(tAC,tBD)を取得した後には、式(4)、式(5)を計算することによって、図4(b)に示したような、第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする第1の双曲線101と、第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dを焦点とする第2の双曲線102との交点の座標位置(x,y)を取得する。つまり任意の指示位置Pの座標位置(x,y)を取得する。そして、位置取得部5は、取得した座標位置(x,y)を指示位置情報として他の装置に供給する。
【0056】
以上説明したように本実施形態の指示位置検出装置においては、LCM1の表示画面1aの任意の位置がスタイラスペン100等によって指示されたとき、指示位置Pにおいて生じる指示音を第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dによって検出し、互いに対をなすマイクロフォン間における指示音の到達時間差に基づいて指示位置Pを特定する。したがって、表示画面1aを他の部材で覆う必要がないことから、LCM1の表示特性を低下させることなく表示画面1aにおける指示位置を検出することができる。
【0057】
なお、本発明の実施に際しては、本実施形態で説明した指示位置検出装置の構成等を以下のように変更することができる。
【0058】
例えば、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dのうち互いに対をなすものがそれぞれ配置された直交する2本の直線L,Mは、必ずしも同一平面に存在するものでなくともよく、2本の直線L,Mは、互いに平行する異なる平面に存在するものでも構わない。さらに、2本の直線L,Mは、互いに平行していない異なる平面に存在するものでも構わない。
【0059】
また、2本の直線L,Mは、本実施形態のように直交するものである方が指示位置Pの座標位置(x,y)の計算には都合がよいが、少なくとも表示画面1aに投影したとき表示画面1a内において交差するものであればよい。
【0060】
また、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dは、図5に示したように、表示画面1aの各々の角部に配置してもよい。つまり第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dは、表示画面1aの一方の対角線を含む直線L1上と他方の対角線を含む直線M1上とにそれぞれ対をなして配置してもよい。
【0061】
また、LCM1における第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dの設置箇所は、指示者が表示画面1aの任意の位置を指示した際に表示画面1a、若しくは表示画面1aの近傍で発生する指示音が検知できれば適宜変更することができる。つまり第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dは互いに離間していればよく、表示画面1aの外周部分の任意の位置に配置することができる。
【0062】
また、本実施形態では、第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cを焦点とする双曲線(第1の双曲線101)と、第2及び第4のマイクロフォン2B,2Dを焦点とする双曲線(第2の双曲線102)との異なる2つの双曲線の交点を表示画面1aにおける指示位置として検出した。
【0063】
しかし、交点(指示位置P)の座標位置(x,y)の計算対象とする異なる2つの双曲線は、例えば図6に示したように、第1及び第4のマイクロフォン2A,2Dを焦点とする双曲線301,302と、第2及び第3のマイクロフォン2B,2Cを焦点とする双曲線401,402とであっても構わない。つまり双曲線の計算対象となる一組のマイクロフォンの組合せは適宜変更することができ、例えば第1及び第4のマイクロフォン2A,2Dにおける指示音の到達時間差と、第2及び第3のマイクロフォン2B,2Cにおける指示音の到達時間差とに基づいて指示位置Pを特定するようにしてもよい。なお、図6に示した一方の双曲線301,302と他方の双曲線401,402は、図4(b)に示したものと同様に便宜的に示したものに過ぎず、双曲線の形状や位置関係は実際のものとは異なる。
【0064】
また、双曲線の計算対象となる一組のマイクロフォンの組合せは、図5に示したように第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dを表示画面1aの各々の角部に配置する場合においても同様であり、任意の組合せを採用することができる。
【0065】
また、位置取得部5には、本発明における制御手段、及び補正手段としての機能を付加することにより、指示音を検出したとき本実施形態とは異なる以下の処理によって任意の指示位置Pの座標位置(x,y)を取得させてもよい。
【0066】
例えば位置取得部5に、本実施形態で説明した手順によって、図4(b)に示した異なる2つの双曲線の交点(指示位置P)の座標位置(x,y)を演算し、演算結果を第1の指示位置情報として取得する処理を行わせる。次に、位置取得部5に、双曲線の計算対象となる一組のマイクロフォンの組合せを例えば図6に示した他の組合せに変更した上で、本実施形態と同様の原理に従い、異なる2つの双曲線の交点(指示位置P)の座標位置(x,y)を演算させる。つまり位置取得部5に、第1及び第4のマイクロフォン2A,2Dにおける指示音の到達時間差と、第2及び第3のマイクロフォン2B,2Cにおける指示音の到達時間差とに基づき、異なる2つの双曲線の交点(指示位置P)の座標位置(x,y)を演算し、演算結果を第2の指示位置情報として取得する処理を行わせる。
【0067】
その後、位置取得部5に、第1の指示位置情報におけるx座標と、第2の指示位置情報におけるx座標との中間に位置する点のx座標を計算し、計算結果を補正後のx座標として取得させる。同時に、位置取得部5に、第1の指示位置情報におけるy座標と、第2の指示位置情報におけるy座標との中間に位置する点のy座標を計算し、計算結果を補正後のy座標として取得させる。言い換えると、位置取得部5に、第1の指示位置情報を第2の指示位置情報によって補正し、補正後のx座標と補正後のy座標とを第3の指示位置情報として取得する処理を行わせる。そして、位置取得部5に、第3の指示位置情報として取得した補正後の座標位置(x,y)を最終的な指示位置情報として他の装置に供給させる。
【0068】
上記のように、双曲線の計算対象となる一組のマイクロフォンの組合せを換えて第1の指示位置情報と第2の指示位置情報とを取得し、取得した第1の指示位置情報を第2の指示位置情報によって補正することにより、最終的な指示位置情報(第3の指示位置情報)を取得するようにすれば、表示画面1aにおける指示位置の検出精度を上げることができる。
【0069】
また、本実施形態においては、4つのマイクロフォンを用いて指示位置の検出を行う構成について説明したが、表示画面1aの外周部に設けるマイクロフォンの数は3つでもよい。3つのマイクロフォンを用いて指示位置の検出を行う場合には、例えば双曲線の計算対象となる二組のマイクロフォン対を、第1のマイクロフォンと第2のマイクロフォンとからなる第1の組と、第1のマイクロフォンと第3のマイクロフォンとからなる第2の組とによって構成すればよい。
【0070】
また、本実施形態においては、表示画面1aにおける任意の指示位置を示す指示位置情報として、XY座標系の座標位置(x,y)を取得するものについて説明した。しかし、本発明の実施に際しては、表示画面1aの外周部に互いに離間する一組のマイクロフォンのみを配置し、任意の指示位置を示す指示位置情報として、一組のマイクロフォンを焦点とする双曲線の情報に基づき判断可能な、表示画面1aにおける任意の指示位置の概略位置を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0071】
一組のマイクロフォンを焦点とする双曲線の情報に基づき判断可能な概略位置を示す情報としては、例えば任意の指示位置が表示画面1aの上半分の領域と下半分の領域とのいずれの領域にあるのかを示す情報や、任意の指示位置が表示画面1aの左半分の領域と右半分の領域とのいずれの領域にあるのかを示す情報である。
【0072】
また、一組のマイクロフォンを焦点とする双曲線の情報に基づき判断可能な概略位置を示す情報としては、例えば表示画面1aを縦横方向の複数ブロックに分割したとき、任意の指示位置が存在する可能性がある特定のブロック(複数のブロック)を示す情報である。
【0073】
また、本実施形態で説明した位置取得部5は、例えばLCM1を備えた任意の装置を構成するものであってもよく、任意の装置(パーソナルコンピュータを含む)が有するマイクロコンピュータ等によって実現しても構わない。
【0074】
また、第1〜第4のマイクロフォン2A〜2Dが検出する指示音は、可聴範囲の周波数帯域に特性を有するものであってもよいし、非可聴範囲の周波数帯域に特性を有するものであってもよい。
【0075】
また、本実施形態においては、LCM1の表示画面における任意の指示位置を検出する指示位置検出装置について説明したが、本発明は、LCM1以外にもCRT等の他の表示機器が有する表示画面における任意の指示位置の検出にも使用することができる。
【0076】
(実施形態2)
図7は、本発明に係る指示位置検出装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の形態は、表示画面が保護カバー60によって保護されたLCM51に、本発明に係る指示位置検出装置を適用する場合の一例に関するものである。
【0077】
図7に示したように、LCM51は透過型であって、液晶パネル52と、液晶パネル52の表面側と裏面側とにそれぞれ貼着された偏光板14,15と、裏側の偏光板15の貼着された輝度向上フィルム53とから構成されており、表面側の偏光板14の表面が保護カバー60によって覆われている。
【0078】
図7には示さないが、液晶パネル52は、第1の実施形態で説明した2枚の透明なガラス基板11,12と、双方のガラス基板11,12間に設けられた液晶13、画素電極16、TFT17、カラーフィルタ18、コモン電極19から構成されている。
【0079】
輝度向上フィルム53は、例えばアクリル樹脂を積層したPET(Poly Ethylene Terephtalate)フィルム等であり、図示しない導光板やバックライトからなる面光源が発する光を集光することにより、液晶パネル52の輝度を向上させる。
【0080】
液晶パネル52の表面側に貼着された偏光板14は、例えば図8(a)〜(c)に示した構造を有するものである。偏光板14は、例えば図8(a)に示したように、偏光性能を付与したPVA(Poly Vinyl Alcohol)フィルム141の上下にTAC(Tri Acetyl Cellulose)フィルム142,142を貼着して補強した3層構造を有し、透明接着剤145によって液晶パネル52及び保護カバー60と接着する構造である。また、偏光板14は、例えば図8(b)に示したように、偏光性能を付与したPVAフィルム141の裏面をTACフィルム142を貼着して補強した2層構造を有し、透明接着剤145によって晶パネル52及び保護カバー60と接着する構造である。また、偏光板14は、例えば図8(c)に示したように、位相差板143に、偏光性能を付与したPVAフィルム141、補強用のTACフィルム142を順に貼着した3層構造を有し、透明接着剤145によって液晶パネル52及び保護カバー60と接着する構造である。
【0081】
保護カバー60は、例えばガラス製やプラスチック製の透明な板材であり、表面側の偏光板14に貼着されている。また、保護カバー60は、LCM51が設けられる任意の装置の本体やハウジングに固着されるものであり、表面側の偏光板14よりも大きな面積を有している。
【0082】
そして、本実施形態においては、表面側の偏光板14の周縁よりも外側に位置する保護カバー60の周縁部60aの裏面に、図7に示した第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cと、図7に表れない第2及び第4のマイクロフォンとからなる4つのマイクロフォンが固着されている。
【0083】
4つのマイクロフォンの平面上の位置は、第1の実施形態と同様に、LCM51の表示画面(表面側の偏光板14の表面)の各辺の中央である(図2(a)参照)。但し、4つのマイクロフォンは、LCM51の表示画面(表面側の偏光板14の表面)の裏面側に対向する同一平面に存在する2本の直線上に、それぞれ対をなして配置されている。
【0084】
また、本実施形態においても、第1及び第3のマイクロフォン2A,2Cを含む4つのマイクロフォンと、4つのマイクロフォンが接続された増幅器3と、A/D変換器4と、位置取得部5とによって指示位置検出装置が構成されている。なお、増幅器3とA/D変換器4と位置取得部5とは、第1の実施形態と同一の構成、及び機能を有するものである。
【0085】
以上の構成からなる本実施形態においては、LCM51の表示画面の任意の位置がスタイラスペン等の指示具や指先によって指示されたときには、保護カバー60の周縁部60aの裏面に設けられた4つのマイクロフォンが指示音を検出する。そして、位置取得部5が、第1の実施形態と同様の方法によって、指示音の発生源を示す指示位置情報である座標位置(x,y)を演算する。よって、LCM51の表示画面を電極格子が設けられたフィルムで覆う必要がなく、LCM51の表示特性を低下させることなく表示画面における指示位置を検出することができる。
【0086】
なお、本実施形態のように、4つのマイクロフォンを保護カバー60の周縁部60aの裏面に設ける場合であっても、4つのマイクロフォンは、第1の実施形態と同様に、LCM51の表示画面の外周部分の任意の位置に配置することができる。例えば4つのマイクロフォンは、表示画面の各々の角部に配置してもよい(図5参照)。また、4つのマイクロフォンは必ずしも同一平面に配置しなくともよい。
【0087】
また、本実施形態のように、4つのマイクロフォンを保護カバー60の周縁部60aの裏面に設ける場合であっても、位置取得部5が指示音の発生源を示す座標位置(x,y)を演算する際の具体的な演算方法には、第1の実施形態で既説した種々の演算方法を採用することができる。さらに、位置取得部5には、指示音の発生源を示す指示位置情報として、第1の実施形態で述べた概略位置を取得させてもよい。
【0088】
また、保護カバー60の周縁部60aの裏面に設けるマイクロフォンの数は3つでもよい。
【0089】
一方、本実施形態に示したLCM51においては、保護カバー60によって、スタイラスペン等の指示具や指先による衝撃から液晶パネル52が保護されている。そのため、液晶パネル52を構成するガラス基板には、厚さが0.7mm〜0.5mm程度の薄いものを使用することができる。また、保護カバー60には0.20mm程度の厚さを確保すれば、LCM51を保護することができる。したがって、例えば偏光板14,15の厚さが0.17mm、輝度向上フィルム53が0.06mmである場合には、保護カバー60とLCM51とにおける全体の厚さは2.0mm〜1.60mm程度とすることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 LCM
1a 表示画面
2A 第1のマイクロフォン
2B 第2のマイクロフォン
2C 第3のマイクロフォン
2D 第4のマイクロフォン
3 増幅器
4 A/D変換器
5 位置取得部
20 フレームカバー
20a 表示窓
101 双曲線(第1の双曲線)
102 双曲線
201 双曲線(第2の双曲線)
202 双曲線
L 直線
M 直線
P 指示位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面における指示位置を検出する指示位置検出装置であって、
前記表示画面の外周部に配置されるとともに互いに離間する一組のマイクロフォンと、
前記表示画面における任意の位置の指示に際して生じた指示音の前記一組のマイクロフォンの各々への到達時間差を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された到達時間差に基づいて前記指示位置を示す指示位置情報を取得する位置情報取得手段と
を備えたことを特徴とする指示位置検出装置。
【請求項2】
前記一組のマイクロフォンは、前記表示画面の外周部に前記表示画面を挟むように配置されたことを特徴とする請求項1記載の指示位置検出装置。
【請求項3】
前記表示画面の外周部に、前記一組のマイクロフォンとは異なる他の一組のマイクロフォンがさらに配置され、
前記取得手段は、一方側の組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差、及び他方側の組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差をそれぞれ取得し、
前記位置情報取得手段は、取得手段により取得された双方の組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて指示位置情報を取得する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の指示位置検出装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段は、取得手段により取得された一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づき双曲線法を用いて位置情報を取得することを特徴とする請求項3記載の指示位置検出装置。
【請求項5】
前記位置情報取得手段は、一方側の到達時間差により表される一方側の一組のマイクロフォンにおける指示音の音源までの距離差によって特定される一方側の一組のマイクロフォンをそれぞれ焦点とする第1の双曲線と、他方側の到達時間差により表される他方側の一組のマイクロフォンにおける指示音の音源までの距離差によって特定される他方側の一組のマイクロフォンをそれぞれ焦点とする第2の双曲線との交点に対応する前記表示画面上の位置を指示位置とし、当該指示位置を示す位置情報を取得することを特徴とする請求項4記載の指示位置検出装置。
【請求項6】
前記一方側の一組のマイクロフォンと前記他方側の一組のマイクロフォンとは、直交する2つの直線の一方側の直線上と他方側の直線上とにそれぞれ組をなして配置されたことを特徴とする請求項3乃至5いずれか記載の指示位置検出装置。
【請求項7】
前記2つの直線は、前記表示画面の中心において直交することを特徴とする請求項6記載の指示位置検出装置。
【請求項8】
前記表示画面は矩形であり、
前記一方側の一組のマイクロフォンと前記他方側の一組のマイクロフォンとは、前記表示画面の一方の対角線を含む一方の直線上と他方の対角線を含む他方の直線上とにそれぞれ組をなして配置されたことを特徴とする請求項3乃至5いずれか記載の指示位置検出装置。
【請求項9】
前記一方側の一組のマイクロフォンと前記他方側の一組のマイクロフォンとは、前記表示画面に平行な同一平面上に配置されたことを特徴とする請求項3乃至7いずれか記載の指示位置検出装置。
【請求項10】
表示画面における指示位置を検出する指示位置検出方法であって、
前記表示画面における任意の位置の指示に際して指示音が生じたとき、前記表示画面の外周部に配置されるとともに互いに離間する一組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差を取得する工程と、
取得した到達時間差に基づいて前記指示位置を特定する工程と
を含むことを特徴とする指示位置検出方法。
【請求項11】
コンピュータに、
表示画面における任意の位置の指示に際して指示音が生じたとき、前記表示画面の外周部に配置されるとともに互いに離間する一組のマイクロフォンの各々への前記指示音の到達時間差を取得する処理と、
取得した到達時間差に基づいて前記指示位置を特定する処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
表示画面における指示位置を検出する指示位置検出装置であって、
前記表示画面の外周部に互いに離間して配置された複数のマイクロフォンと、
前記複数のマイクロフォンにより構成される各々が二つのマイクロフォンからなる二組のマイクロフォン毎に、前記表示画面における任意の位置の指示に際して生じた指示音の各マイクロフォンへの到達時間差をそれぞれ取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された二組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて前記指示位置を示す指示位置情報を取得する位置情報取得手段と
を備えたことを特徴とする指示位置検出装置。
【請求項13】
前記取得手段に、各組の二つのマイクロフォンの組合せを第1の組合せとした二組のマイクロフォンについて、前記指示音の各マイクロフォンへの到達時間差をそれぞれ取得させるとともに、前記位置情報取得手段に、取得手段により取得された、各組の二つのマイクロフォンの組合せが第1の組合せである二組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて前記指示位置を示す第1の指示位置情報を取得させる一方、前記取得手段に、各組の二つのマイクロフォンの組合せを前記第1の組合せと異なる第2の組合せとした二組のマイクロフォンについて、前記指示音の各マイクロフォンへの到達時間差をそれぞれ取得させるとともに、前記位置情報取得手段に、取得手段により取得された、各組の二つのマイクロフォンの組合せが第2の組合せである二組のマイクロフォンの一方側の到達時間差、及び他方側の到達時間差に基づいて前記指示位置を示す第2の指示位置情報を取得させる制御手段と、
前記制御手段が前記位置情報取得手段に取得させた第1の指示位置情報を、前記制御手段が前記位置情報取得手段に取得させた第2の指示位置情報により補正し、補正後の第3の指示位置情報を、前記指示位置を示す最終的な指示位置情報として取得する補正手段と
を備えたことを特徴とする請求項12記載の指示位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−103112(P2011−103112A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52456(P2010−52456)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】