説明

指示入力応答装置および指示入力応答プログラム

【課題】自動応答により提供する情報を切り替える指示が入力されたときの切り替え先を、容易に変更することが可能な指示入力応答装置および指示入力応答プログラムを提供する。
【解決手段】自動応答するための音声情報を記憶する音声情報記憶部211と、音声情報ごとのプッシュボタンのそれぞれに対応する切替先の音声情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを有する切替先アドレス情報格納部212と、切替先情報テーブルを参照して前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に入力されたプッシュボタンのPB信号とに基づいて該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部231と、取得された切替先アドレス情報の領域に記憶された音声情報を取得する音声情報取得部232と、取得された音声情報を電話機10に送信する音声情報送信部24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された指示に対し自動応答する指示入力応答装置および指示入力応答プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年普及している情報処理端末では、外部からの指示に応答して予め記憶している情報の中から特定の情報を抽出し提供する処理が多く行われている。
【0003】
例えば、道路情報等を提供するテレホンサービスに用いられる音声応答装置では、利用者が所望の路線や地域等の情報の種類を識別するコードを当該音声応答装置に接続された電話機のプッシュボタンを用いて選択すると、このプッシュボタンから発生するPB信号に応答して予め記憶された120秒程度の該当する道路の音声情報を抽出する。そして、抽出した音声情報を当該電話機に再生させることで、利用者に情報が提供される。
【0004】
ところでこの提供される音声情報には複数の路線の情報が含まれており、利用者が必要とする情報と必要としない情報とが混在している。そのため、必要としない情報が再生されている間、利用者は当該情報の再生が終了するまで通話状態のまま待たなければならず、利便性が悪いという問題があった。また、このような必要としない情報が再生されている間も通話料金が課金されてしまい、利用者にとって不都合であるという問題があった。
【0005】
これらの問題を解決する技術として、特許文献1および2には、音声情報の再生中に利用者がプッシュボタンを操作することにより情報の一部分を読み飛ばす機能(skip機能)を備えた音声応答装置が記載されている。また、これらの音声応答装置では、音声情報の再生中に利用者がプッシュボタンを操作することにより再生済みの情報に戻ってもう一度再生させる機能(back機能)も備えている。
【0006】
これらの機能を利用することにより、音声応答装置では再生している音声情報が切り替えられ、利用者は自分が必要としない情報についてはskip機能で読み飛ばし、再生されたときに聞き漏らした情報についてはback機能で再度再生させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−199992号公報
【特許文献2】特開平9−83652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、このような音声応答装置では、skip機能やback機能により切り替える切り替え先の音声情報を変更したい場合がある。
【0009】
例えば、再生する音声情報の中でskip機能やback機能の導入当初はこれらの操作方法を音声情報で詳細に提供し、操作方法が利用者に浸透した後は操作方法の提供を行わないようにしたり、キャンペーン情報などのように一定期間だけ提供する情報を組み込んだりする場合には、所定期間経過後に当該箇所のみについてskip機能による切り替え先を変更しなければばらない。
【0010】
しかし、上記の特許文献1および2に記載の音声応答装置では、電話機の各プッシュボタンにはそれぞれskip機能、back機能などが固定で割り振られており、これらのプッシュボタンが操作されたときには、記憶領域内の所定先または前のアドレス番号に格納された音声情報が再生されるため、該当箇所のみ切り替え先の音声情報を変更するには音声情報の格納場所を変更する等、実行するアプリケーションソフトを改修しなければならず、処理が煩雑であるという問題があった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、自動応答により提供する情報を切り替える指示が入力されたときの切り替え先を、容易に変更することが可能な指示入力応答装置および指示入力応答プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の指示入力応答装置は、複数の提供情報を記憶し、入力された所定の指示信号に応答して前記提供情報を切り替えて出力する指示入力応答装置であり、前記提供情報を識別する識別情報ごとに、前記所定の指示信号に対応して切替先の提供情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを参照し、前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に入力された指示信号とに基づき該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部と、前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された提供情報を、切り替え後に出力する提供情報として取得する提供情報取得部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の他の形態の指示入力応答装置は、入力された所定の指示信号に応答して提供情報を切り替えて出力する指示入力応答装置であり、複数の前記提供情報を記憶する提供情報記憶部と、前記提供情報記憶部に記憶された提供情報を識別する識別情報ごとの、前記所定の指示信号に対応して切替先の提供情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを有する切替先アドレス情報格納部と、前記所定の指示信号を入力する信号入力部と、前記切替先情報テーブルを参照して、前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に前記信号入力部から入力された指示信号とに基づいて、該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部と、前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された提供情報を、前記提供情報記憶部から取得する提供情報取得部と、前記提供情報取得部で取得された提供情報を、前記入力された指示信号への応答として出力する情報出力部とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、他の形態の指示入力応答装置は、接続されたプッシュボタン式の電話機でプッシュボタンが操作されたことにより入力されたPB信号に応答して音声情報を切り替えて前記電話機に送信する指示入力応答装置であり、複数の前記音声情報を記憶する音声情報記憶部と、前記音声情報記憶部に記憶された音声情報を識別する識別情報ごとの、前記プッシュボタンのそれぞれに対応して切替先の音声情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを有する切替先アドレス情報格納部と、操作されたプッシュボタンのPB信号を入力する信号入力部と、前記切替先情報テーブルを参照して、前記音声情報の識別情報と当該音声情報に関わる入力受付可能期間中に前記信号入力部から入力されたPB信号とに基づいて、該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部と、前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された音声情報を、前記音声情報記憶部から取得する音声情報取得部と、前記音声情報取得部で取得された音声情報を、前記入力されたPB信号への応答として前記電話機に送信する音声情報送信部とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の指示入力応答プログラムは、複数の提供情報を記憶し、入力された所定の指示信号に応答して前記提供情報を切り替えて出力する指示入力応答装置に、前記提供情報を識別する識別情報ごとに、前記所定の指示信号に対応して切替先の提供情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを参照し、前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に入力された指示信号とに基づき該当する切替先アドレス情報を取得する機能と、取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された提供情報を、切り替え後に出力する提供情報として取得する機能とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の指示入力応答装置および指示入力応答プログラムによれば、自動応答により提供する情報を切り替える指示が入力されたときの切り替え先を、容易に変更することが可能な指示入力応答装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による音声応答装置を利用した音声応答システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による音声応答装置の音声情報記憶部に音声情報が記憶されるときの状態を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による音声応答装置に接続される電話機に設置されたプッシュボタンの配置の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態による音声応答装置の切替先アドレス情報格納部に格納された切替先情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態による音声応答装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〈一実施形態による音声応答システムの構成〉
本発明の一実施形態による指示入力応答装置としての音声応答装置を利用した音声応答システム1の構成について、図1を参照して説明する。
【0019】
本実施形態による音声応答システム1は、利用者が操作するプッシュボタン式の電話機10と、この電話機10で操作された内容に基づいて音声情報で自動応答する音声応答装置20とが接続されることにより構成されている。
【0020】
電話機10は、利用者にプッシュボタンが操作されることにより当該プッシュボタンを識別するボタン識別情報を含む指示信号としてのPB信号を発生するPB信号発生部11と、このPB信号発生部11で発生したPB信号に基づいて音声応答装置20から提供された自動応答用の音声情報を受信して音声として出力する音声情報出力部12とを有する。
【0021】
音声応答装置20は、記憶部21と、PB信号入力部22と、制御部23と、提供情報部としての音声情報送信部24とを有する。
【0022】
記憶部21は、提供情報記憶部としての音声情報記憶部211と、切替先アドレス情報格納部212とを有する。音声情報記憶部211は、電話機10に対し自動応答により提供するための各種音声情報を音声情報の内容に基づいた項目ごとに分類し、各項目の中で内容に基づいた順序で配置されたアドレス領域に記憶する。切替先アドレス情報格納部212は、音声情報記憶部211に記憶された音声情報ごとの、電話機10の各プッシュボタンに対応する切替先の音声情報が記憶されている領域のアドレス情報である切替先アドレス情報を格納した切替先情報テーブルを有する。
【0023】
PB信号入力部22は、電話機10のPB信号発生部11で発生したPB信号を受信して入力する。
【0024】
制御部23は、切替先アドレス情報取得部231と、提供情報取得部としての音声情報取得部232とを有する。切替先アドレス情報取得部231は、現在再生中の音声情報の識別情報として当該音声情報が記憶されている領域のアドレス情報である再生中アドレス情報を保持しており、この再生中アドレス情報とPB信号入力部22で入力したPB信号に含まれるボタン識別情報とに基づいて、切替先アドレス情報格納部212の切替先情報テーブルを参照して現在再生中の音声情報に対する切替先アドレス情報を取得する。音声情報取得部232は、切替先アドレス情報取得部231で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された情報を、記憶部21の音声情報記憶部211から取得する。
【0025】
音声情報送信部24は、音声情報取得部232で取得された音声情報を電話機10に送信することで応答する。
【0026】
〈一実施形態による音声応答装置を利用した音声応答システムの動作〉
本実施形態において音声応答システムが動作するにあたり、音声情報記憶部211には、電話機10に対し自動応答により提供するための各種音声情報が、予め音声情報の内容に基づいた項目ごとに分類されさらに各項目の中で内容に基づいた順序で並べられて記憶されている。
【0027】
この音声情報記憶部211内のアドレス領域に音声情報が記憶された状態の一例を、図2を参照して説明する。
【0028】
図2に示すように、記憶される音声情報100は内容に基づいて複数の大項目110に分類され、さらにこの大項目110の中で複数の中項目120に分類される。そして中項目120ごとに予め用意された所定数のアドレス番号130の領域に、該当する音声情報100が内容に基づいて決められた順序で記憶される。それぞれの音声情報100は、短い音声ファイル(音片140)が接続されて構成され、各領域には各音片140に対応付けられた音片番号150が記憶されることで音声情報記憶部211に記憶されている。
【0029】
本実施形態においては音声情報100を記憶するための領域として中項目120ごとに20個の領域が予め用意されており、例えば、大項目110の「00#」内の中項目120の「前文」には、アドレス番号「01.01.01」〜「01.01.20」の領域が用意されている。そして、この「前文」に該当する1番目の音声情報「はい、こちらは東北ハイウェイテレホンです。」がアドレス番号「01.01.01」の領域に記憶され、2番目の音声情報「午後6時20分現在の道路情報をお知らせします。」がアドレス番号「01.01.02」の領域に記憶されている。同様にして、大項目110の「00#」内の中項目120の「通行止め」に該当する音声情報がアドレス番号「01.02.01」〜「01.02.20」の領域内に順に記憶され、大項目110の「01#」内の中項目120の「渋滞」に該当する音声情報がアドレス番号「02.01.01」〜「02.01.20」の領域内に順に記憶され、大項目110の「01#」内の中項目120の「所要時間」に該当する音声情報がアドレス番号「02.02.01」〜「02.02.20」の領域内に順に記憶され、大項目110の「98#」内の中項目120の「その他」に該当する音声情報がアドレス番号「99.01.01」〜「99.01.20」の領域内に順に記憶されている。
【0030】
また、切替先アドレス情報格納部212には、音声情報記憶部211に記憶された音声情報ごとの、電話機10の各プッシュボタンに対応する切替先アドレス情報を格納した切替先情報テーブルが記憶されている。この切替先アドレス情報とは、切替先の音声情報が記憶されている領域のアドレス情報である。
【0031】
一般的に電話機のプッシュボタンは図3のような配置で並べられており、本実施形態においては初期状態として、このプッシュボタンの並び順を利用して、中心とするプッシュボタン「5」が操作されたときには現在再生中の音声情報を先頭からリピートさせ、中心から見て上のプッシュボタン「2」が操作されたときには1つ前の項目中の1番目の情報にバックさせ、中心から見て左のプッシュボタン「4」が操作されたときには現在再生中の情報と同じ項目中の1つ前の情報にバックさせ、中心から見て右のプッシュボタン「6」が操作されたときには現在再生中の情報と同じ項目中の1つ後の情報にスキップさせ、中心から見て下のプッシュボタン「8」が操作されたときには1つ後の項目中の1番目の情報にスキップさせるように切替先アドレス情報が設定されている。
【0032】
この切替先アドレス情報格納部212に記憶された切替先情報テーブルの一例を、図4に示す。図4の切替先情報テーブルについて、図2における中項目120の「通行止め」中のアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報「高速1号線上り・・・通行止めになっています。」の切替先アドレス情報を例に説明する。
【0033】
図4において、図2で示した中項目120の「通行止め」中のアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報を再生中に、プッシュボタン「5」が操作されたときには、当該音声情報を先頭からリピートさせるためにアドレス領域「01.02.02」を切替先とすることを示している。また同様にアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報を再生中に、プッシュボタン「2」が操作されたときには1つ前の中項目「前文」中の1番目の音声情報にバックさせるためにアドレス領域「01.01.01」を切替先とすることを示している。また同様にアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報を再生中に、プッシュボタン「4」が操作されたときには現在再生中の情報と同じ中項目「通行止め」中の1つ前の音声情報にバックさせるためにアドレス領域「01.02.01」を切替先とすることを示している。また同様にアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報を再生中に、プッシュボタン「6」が操作されたときには現在再生中の情報と同じ項目「通行止め」中の1つ後の音声情報にスキップさせるためにアドレス領域「01.02.03」を切替先とすることを示している。また同様にアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報を再生中に、プッシュボタン「8」が操作されたときには1つ後の中項目「渋滞」中の1番目の音声情報にスキップさせるためにアドレス領域「01.03.01」を切替先とすることを示している。
【0034】
このように、プッシュボタン「2」または「8」が操作されたことにより異なる中項目に切り替えるときには切替後の項目の1番目の音声情報を切替先とすることで、内容に基づいた順序で並べられている各中項目内の情報の内容をユーザが把握しやすい状態で提供することができる。
【0035】
また、図4中の「N/A」(No Action)は「操作なし」の場合、つまり当該音声情報の再生中に電話機10のいずれのプッシュボタンも操作されなかったときに、当該音声情報の再生が終了するとこの「N/A」として設定された次のアドレス番号の領域の音声情報に切り替わり、スキップまたはバックされずに通常の再生が継続して行われることを示している。ユーザが意図しないプッシュボタンが操作されたことによるアドレス番号「99.01.01」の領域のエラーメッセージの再生中にいずれのプッシュボタンも操作されなかったとき(「99.01.01」の「N/A」)は、特定のアドレス番号は設定されず、このエラーメッセージの直前に再生されていた音声情報に戻るように「戻る」として設定されていることを示している。
【0036】
また、図4中の「Time」は「制限時間経過」の場合、つまり各音声情報の再生中に通話時間が一定以上になったときに、回線の占有を避けるためこの「Time」として設定されたアドレス番号「99.01.03」の領域の音声情報である切断文に切り替わり、この切断文の再生後(アドレス番号「99.01.03」の「N/A」)強制的に回線切断処理が実行されることを示している。
【0037】
上記のようにして音声情報記憶部211内に音声情報が記憶されるとともに、切替先アドレス情報格納部212内に切替先情報テーブルが記憶されている状態で、自動応答機能により音声情報を電話機10で再生中に、利用者により再生する音声情報を切り替えるための操作が行われたときの音声応答装置20の動作について図5のフローチャートを参照して説明する。ここでは、再生中の音声情報は図2の中項目120の「通行止め」中のアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報「高速1号線上り・・・通行止めになっています。」であり、この音声情報が格納されている音声情報記憶部211内の領域のアドレス番号「01.02.02」が再生中アドレス情報として制御部23の切替先アドレス情報取得部231に保持されているものとする。
【0038】
まず、利用者により電話機10のプッシュボタンが操作されると、PB信号発生部11において当該プッシュボタンを識別するボタン識別情報を含むPB信号が発生し、音声応答装置20のPB信号入力部22で受信され音声応答装置20に入力される(S1)。ここではプッシュボタン「6」が操作され、この操作により発生したPB信号にはボタン識別情報「6」が含まれているものとする。
【0039】
PB信号入力部22で入力されたPB信号は制御部23の切替先アドレス情報取得部231で取得され、このPB信号に含まれるボタン識別情報「6」と、既に保持している再生中アドレス情報としてのアドレス番号「01.02.02」とから、切替先アドレス情報格納部212の切替先情報テーブルが参照されて現在再生中の音声情報に対する切替先アドレス情報「01.02.03」が切替先アドレス情報取得部231で取得される(S2)。
【0040】
次に、切替先アドレス情報取得部231で取得された切替先アドレス情報「01.02.03」に基づいて、音声情報取得部232において音声情報記憶部211から該当するアドレス番号の領域に記憶されている音声情報「また高速2号線下り・・・通行止めになっています。」が音片番号150を基に取得される(S3)。
【0041】
音声情報取得部232で取得された音声情報は音声情報送信部24から電話機10に送信され(S4)、電話機10の音声情報出力部12から再生中の音声情報がこの新たな音声情報に切り替えられて出力され、ユーザに提供される。
【0042】
上述した音声応答システム1において、音声情報記憶部211に記憶した中の一の音声情報を出力させないようにするときは、アプリケーションの改修を必要とせず、切替先アドレス情報格納部212の切替先情報情報テーブルの情報を変更することのみで容易に対応するこができる。例えば中項目120の「通行止め」中のアドレス番号「01.02.02」の領域に格納された音声情報「高速1号線上り・・・通行止めになっています。」をある時点から出力しないようにするときには、当該音声情報のアドレス番号「01.02.02」を切替先とする情報を以下の(1)、(2)の様に変更するのみで、容易に出力させる情報を変更することが出来る。
【0043】
(1)アドレス番号「01.02.01」領域に格納された音声情報の再生中に、プッシュボタン「6」が操作されたとき、及び「N/A」(No Action)のときの切替先アドレス情報を、「01.02.02」から「01.02.03」に変更する。
【0044】
(2)アドレス番号「01.02.03」領域に格納された音声情報の再生中に、プッシュボタン「4」が操作されたときの切替先アドレス情報を「01.02.02」から「01.02.01」に変更する。
【0045】
また、本実施形態による音声応答システム1では、エラーメッセージの再生後の切替先が一定の音声情報(例えば「前文」の1番目の音声情報)ではなく、直前に再生されていたアドレス番号の領域の音声情報に戻るように設定されているため、ユーザは誤操作をしてエラーメッセージが再生された場合にも再度所望の操作に戻り易く、利便性が高くなる。
【0046】
また、本実施形態による音声応答システム1では、切替先アドレス情報取得部231において電話機10との通話時間が予め設定された制限時間を超えたか否かが監視されており、通話時間が制限時間を超えたときに切替先アドレス情報格納部212から「Time」に該当するアドレス番号である「99.01.03」が取得される。そして、音声情報取得部232においてこのアドレス番号の領域に格納された切断文の音声情報が取得されて音声情報送信部24を介して電話機10から切り替えて出力され、その後回線切断処理が実行されるため、一の通話による回線の占有を避けることができ、音声情報の利用効率を上げることができる。
【0047】
また、本実施形態においては音声情報の再生中に音声応答装置20でPB信号が受信された場合について説明したが、PB信号が受信されるのは再生中には限定されず、音声情報の再生後のPB信号入力待ち状態の期間等であっても、当該音声情報に対するPB信号の入力受付可能期間中であれば同様の音声情報の切り替え処理を行うことが可能である。
【0048】
また、本実施形態における音声応答装置を一例とする指示入力応答装置の、信号入力部、切替先アドレス情報取得部、提供情報取得部、および情報提供部の機能をプログラム化してコンピュータに組み込むことにより、当該コンピュータを指示入力応答装置として機能させることも可能である。
【0049】
なお、上記は本発明の最良の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものではなく、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなるため、本発明の技術範囲がここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
1…音声応答システム
10…電話機
11…PB信号発生部
12…音声情報出力部
20…音声応答装置
21…記憶部
22…PB信号入力部
23…制御部
24…音声情報送信部
100…音声情報
110…大項目
120…中項目
130…アドレス番号
140…音片
150…音片番号
211…音声情報記憶部
212…切替先アドレス情報格納部
231…切替先アドレス情報取得部
232…音声情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の提供情報を記憶し、入力された所定の指示信号に応答して前記提供情報を切り替えて出力する指示入力応答装置において、
前記提供情報を識別する識別情報ごとに、前記所定の指示信号に対応して切替先の提供情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを参照し、前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に入力された指示信号とに基づき該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部と、
前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された提供情報を、切り替え後に出力する提供情報として取得する提供情報取得部と、
を備えることを特徴とする指示入力応答装置。
【請求項2】
入力された所定の指示信号に応答して提供情報を切り替えて出力する指示入力応答装置において、
複数の前記提供情報を記憶する提供情報記憶部と、
前記提供情報記憶部に記憶された提供情報を識別する識別情報ごとの、前記所定の指示信号に対応して切替先の提供情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを有する切替先アドレス情報格納部と、
前記所定の指示信号を入力する信号入力部と、
前記切替先情報テーブルを参照して、前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に前記信号入力部から入力された指示信号とに基づいて、該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部と、
前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された提供情報を、前記提供情報記憶部から取得する提供情報取得部と、
前記提供情報取得部で取得された提供情報を、前記入力された指示信号への応答として出力する情報出力部と
を備えることを特徴とする指示入力応答装置。
【請求項3】
前記記憶される提供情報は、内容に基づいた項目ごとに分類され、さらに各項目の中で内容に基づいた順序で配置されたアドレスの領域に記憶され、
前記切替先情報テーブルは、自身の情報の該当する項目と切替先の提供情報の項目とが異なるときには当該切替先の項目の中で1番目の提供情報が配置された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の指示入力応答装置。
【請求項4】
接続されたプッシュボタン式の電話機でプッシュボタンが操作されたことにより入力されたPB信号に応答して音声情報を切り替えて前記電話機に送信する指示入力応答装置において、
複数の前記音声情報を記憶する音声情報記憶部と、
前記音声情報記憶部に記憶された音声情報を識別する識別情報ごとの、前記プッシュボタンのそれぞれに対応して切替先の音声情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを有する切替先アドレス情報格納部と、
操作されたプッシュボタンのPB信号を入力する信号入力部と、
前記切替先情報テーブルを参照して、前記音声情報の識別情報と当該音声情報に関わる入力受付可能期間中に前記信号入力部から入力されたPB信号とに基づいて、該当する切替先アドレス情報を取得する切替先アドレス情報取得部と、
前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された音声情報を、前記音声情報記憶部から取得する音声情報取得部と、
前記音声情報取得部で取得された音声情報を、前記入力されたPB信号への応答として前記電話機に送信する音声情報送信部と
を備えることを特徴とする指示入力応答装置。
【請求項5】
前記切替先情報テーブルは、切替先アドレス情報として、前記電話機との通話時間が予め設定された制限時間を超えたときに切替先とする、通話の切断を知らせる音声情報が記憶されている領域のアドレス情報をさらに格納し、
前記切替先アドレス情報取得部は、前記電話機との通話時間が前記制限時間を超えたか否かを監視し、前記制限時間を超えたことを検知したときには前記切替先アドレス情報格納部から前記通話の切断を知らせる音声情報が記憶されている領域のアドレス情報を取得し、
前記音声情報取得部は、前記切替先アドレス情報取得部で取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された前記通話の切断を知らせる音声情報を、前記音声情報記憶部から取得し、前記音声情報取得部から送信させると、当該通話を切断させる
ことを特徴とする請求項4に記載の指示入力応答装置。
【請求項6】
複数の提供情報を記憶し、入力された所定の指示信号に応答して前記提供情報を切り替えて出力する指示入力応答装置に、
前記提供情報を識別する識別情報ごとに、前記所定の指示信号に対応して切替先の提供情報が記憶された領域のアドレス情報を切替先アドレス情報として格納した切替先情報テーブルを参照し、前記提供情報の識別情報と当該提供情報に関わる入力受付可能期間中に入力された指示信号とに基づき該当する切替先アドレス情報を取得する機能と、
取得された切替先アドレス情報に該当する領域に記憶された提供情報を、切り替え後に出力する提供情報として取得する機能と、
を実行させるための指示入力応答プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−15045(P2011−15045A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155754(P2009−155754)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】