説明

指示受付システム、情報処理装置、指示装置、指示受付方法、コンピュータプログラム及び記録媒体

【課題】斯かる操作の途中に、使用者が当該装置から離れた場合、ログオフを忘れた場合等に生じ得る他人によるデータの無断取得を未然に防止できる指示受付システム等を提供する。
【解決手段】データの処理を行うデジタル複合機100と、デジタル複合機100にデータの処理に係る指示を行う一又は複数のメモリデバイス200との間において、デジタル複合機100は、その表示部9の表示面とメモリデバイス200との接触がある場合、該接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付け、この際、前記第1指示に係るメモリデバイス200が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係るメモリデバイス200が記憶する第2識別データを取得し、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、受け付けた第2指示を無効にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置と、該情報処理装置にデータの処理に係る指示を行う一又は複数の指示装置との間の指示受付に係る、指示受付システム、情報処理装置、指示装置、指示受付方法、コンピュータプログラム及び該コンピュータプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、USBメモリ等のメモリデバイスが接続可能な複合機においては、スキャナにより画像を読み取って画像データを生成し、生成された画像データをメモリデバイスに記憶させる、いわゆる「スキャンtoメモリ」機能が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記スキャンtoメモリ機能を実行させる場合は、使用者が、例えば、タッチパネルからなる操作パネルを操作し、原稿の画像を読み取って画像データを生成するように指示し、生成された画像データを接続中のメモリデバイスに送るように指示する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−187495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来の複合機の機能においては、斯かる操作の途中に、使用者が当該複合機から離れた場合、ログオフを忘れた場合等は、該処理に係るデータを他人が無断で取得して悪用する虞がある。また、特許文献1に係る発明では、このような問題を解決することができない。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、データの処理を行う情報処理装置と、該情報処理装置にデータの処理に係る指示を行う一又は複数の指示装置との間において、前記情報処理装置は、その表示部の表示面と前記指示装置との接触がある場合、該接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付け、この際、前記第1指示に係る指示装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る指示装置が記憶する第2識別データを取得し、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、受け付けた第2指示を無効にすることにより、上述したように、斯かる操作の途中に、使用者が当該装置から離れた場合、ログオフを忘れた場合等に生じ得る他人によるデータの無断取得を未然に防止できる指示受付システム、情報処理装置、指示装置、指示受付方法、コンピュータプログラム、及び該コンピュータプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る指示受付システムは、データの処理を行う情報処理装置と、該情報処理装置にデータの処理に係る指示を行う一又は複数の指示装置とを有する指示受付システムにおいて、前記指示装置は、自機の識別データを記憶する記憶部を備え、前記情報処理装置は、前記指示装置とその表示面が接触する表示部と、前記指示装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付ける指示受付手段と、前記第1指示に係る指示装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る指示装置が記憶する第2識別データを取得する取得手段と、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付手段が受け付けた第2指示を無効にする無効化手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る指示受付システムは、前記情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する指示装置と、該第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する指示装置に送信する送信手段を備え、前記指示装置は、前記相違データを受信する受信手段と、該相違データが受信された場合、その旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る指示受付システムは、前記情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する指示装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る指示受付システムは、前記情報処理装置は、指示装置が所定範囲内にあるか否かを判定する有無判定手段を備え、前記指示装置が所定範囲内にあると判定された場合、前記表示部は前記第1指示及び第2指示の夫々を表す画像を表示し、前記指示受付手段は前記指示装置と前記画像との接触に基づき、前記第1指示又は第2指示を受け付けるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る指示受付システムは、前記情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する指示装置と、該第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する指示装置に送信する送信手段を備え、前記指示装置は、前記相違データを受信する受信手段と、該相違データが受信された場合、その旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る指示受付システムは、前記情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する指示装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記情報処理装置側では、前記指示受付手段が前記指示装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付け、この際、前記取得手段は、前記第1指示に係る指示装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る指示装置が記憶する第2識別データを取得し、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、無効化手段は、前記指示受付手段が受け付けた第2指示を無効にする。
【0014】
本発明にあっては、前記情報処理装置側では、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記送信手段が、斯かる第1識別データに対応する指示装置と、斯かる第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する指示装置に送信する。この際、前記相違データを受信した指示装置では、前記報知手段が、該相違データに基づき、前記第1識別データに対応する指示装置と、前記第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を使用者に報知する。
【0015】
本発明にあっては、前記情報処理装置の記憶部は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶しておく。以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する指示装置による接触によって第1指示又は第2指示を受け付けた場合、斯かる指示受付手段が受け付けた指示を、前記無効化手段が無効にする。
【0016】
本発明にあっては、前記情報処理装置では、指示装置が所定範囲内にあると前記有無判定手段によって判定された場合、前記表示部は前記第1指示及び第2指示の夫々を表す画像を表示し、前記指示受付手段は前記指示装置と前記画像との接触に基づき、前記第1指示又は第2指示を受け付ける。
【0017】
本発明に係る情報処理装置は、自機の識別データを記憶している一又は複数の外部装置からデータの処理に係る指示を受信して、データの処理を行う情報処理装置において、前記外部装置とその表示面が接触する表示部と、前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付ける指示受付手段と、前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得する取得手段と、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付手段が受け付けた第2指示を無効にする無効化手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する外部装置と、該第2識別データに対応する外部装置が相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する外部装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する外部装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る情報処理装置は、外部装置が所定範囲内にあるか否かを判定する有無判定手段を備え、前記外部装置が所定範囲内にあると判定された場合、前記表示部は前記第1指示及び第2指示の夫々を表す画像を表示し、前記指示受付手段は前記外部装置と前記画像との接触に基づき、前記第1指示又は第2指示を受け付けるように構成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する外部装置と、該第2識別データに対応する外部装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する外部装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る情報処理装置は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する外部装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、前記指示受付手段が前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付け、この際、前記取得手段は、前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得し、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、無効化手段は、前記指示受付手段が受け付けた第2指示を無効にする。
【0024】
本発明にあっては、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記送信手段が、斯かる第1識別データに対応する外部装置と、斯かる第2識別データに対応する外部装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する外部装置に送信する。
【0025】
本発明にあっては、前記記憶部は、前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶しておく。以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する外部装置による接触によって第1指示又は第2指示を受け付けた場合、斯かる指示受付手段が受け付けた指示を、前記無効化手段が無効にする。
【0026】
本発明にあっては、前記外部装置が所定範囲内にあると前記有無判定手段によって判定された場合、前記表示部は前記第1指示及び第2指示の夫々を表す画像を表示し、前記指示受付手段は前記外部装置と前記画像との接触に基づき、前記第1指示又は第2指示を受け付ける。
【0027】
本発明に係る指示装置は、前述の発明の何れか一つに記載の情報処理装置にデータの処理に係る指示を行う指示装置において、前記相違データを受信する受信手段と、該相違データが受信された場合、その旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、前記情報処理装置から前記相違データを前記受信手段が受信した場合、前記報知手段は、受信した相違データに基づき、前記第1識別データに対応する指示装置と、前記第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を使用者に報知する。
【0029】
本発明に係る指示受付方法は、自機の識別データを記憶している一又は複数の外部装置とその表示面が接触する表示部を備え、該外部装置からデータの処理に係る指示を受け付け、データの処理を行う情報処理装置にて、指示を受け付ける指示受付方法において、前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付ける指示受付ステップと、前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得するステップと、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付ステップで受け付けた第2指示を無効にするステップとを含むことを特徴とする。
【0030】
本発明に係るコンピュータプログラムは、自機の識別データを記憶している一又は複数の外部装置とその表示面が接触する表示部を備える情報処理装置を構成するコンピュータに、該外部装置からデータの処理に係る指示を受付させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受付させる指示受付ステップと、コンピュータに、前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得させるステップと、コンピュータに、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付ステップで受け付けた第2指示を無効にさせるステップとを実行させることを特徴とする。
【0031】
本発明にあっては、前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示が受け付けられ、この際、前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得され、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、受け付けた第2指示が無効になる。
【0032】
本発明に係る記録媒体は、前述の発明のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0033】
本発明にあっては、前記記録媒体に前述のコンピュータプログラムを記録する。コンピュータが前記記録媒体からコンピュータプログラムを読み出して、前述の指示受付システム、情報処理装置、指示装置、指示受付方法がコンピュータにより実現される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、例えば、斯かる操作の途中に使用者が当該装置から離れた状態、ログオフが完了されていない状態等にて他人による不正操作が行われた場合に生じ得る、前記第1指示に係る指示装置の第1識別データ、前記第2指示に係る指示装置の第2識別データが不一致である場合、受け付けた第2指示を無効にすることにより、他人によるデータの無断取得及び悪用を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1に係る指示受付システムの概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る指示受付システムの要部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1の実施例1における、デジタル複合機及びメモリデバイスの間での指示の受付を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1の実施例1における、ファイルのアイコン及び認証アイコンの表示、並びにアイコン接触操作の一例を示す例示図である。
【図5】本発明の実施の形態1の実施例2における、デジタル複合機及びメモリデバイスの間での指示の受付を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2に係る指示受付システムの要部構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2の実施例1における、デジタル複合機及びメモリデバイスの間での指示の受付を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態2の実施例1における、アイコン及び認証アイコンの表示、並びにその操作の一例を示す例示図である。
【図9】本発明の実施の形態2の実施例2における、デジタル複合機及びメモリデバイスの間での指示の受付を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3に係るデジタル複合機の要部構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、本発明の実施の形態に係る情報処理装置及び指示装置を、デジタル複合機及びメモリデバイスに夫々適用して、本発明の実施の形態に係る指示受付システムについて、図面に基づき詳しく説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る指示受付システムの概念図であり、図2は本発明の実施の形態1に係る指示受付システムの要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態1に係る指示受付システムはデジタル複合機100(情報処理装置)と、メモリデバイス200(指示装置)を含む一又は複数のメモリデバイスとを有する。
【0038】
デジタル複合機100は、制御部20、CPU1、ROM2、RAM3、画像入力部4、画像出力部5、タッチパネル6、画像処理部7、操作パネル8、表示部9、表示制御部10、記憶部11及び近距離通信部12(送信手段)等のハードウェアを備え、全体としてデジタル複合機100を構成している。
【0039】
ROM2には各種の制御プログラム、演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータ等が予め格納されており、RAM3はデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、RAM3は、例えば、ROM2から読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、該実行の際適宜変化するパラメータ等を記憶する。
【0040】
CPU1は、ROM2に予め格納されている制御プログラムをRAM3上にロードして実行することによって、バス(図示せず)を介して上記の各種ハードウェアの制御を行い、装置全体を本発明のデジタル複合機100として動作させる。
【0041】
画像入力部4は、原稿の画像を光学的に読み取る読取手段であり、読取用の原稿に光を照射する光源、例えばCCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を備えている。画像入力部4では、所定の読み取り位置にセットされた原稿からの反射光像を当該イメージセンサに結像させ、RGB(R : Red, G : Green, B : Blue)のアナログ電気信号を出力する。画像入力部4が出力したアナログ電気信号は画像処理部7に入力される。
【0042】
画像出力部5は、画像処理部7から出力される画像データに基づいて用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行う。そのため、画像出力部5は、感光体ドラム、該感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(図示せず)を備えており、電子写真方式にて使用者が所望する画像をシート上に形成する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
【0043】
タッチパネル6は、表示部9の表示面を覆うように設けられている。タッチパネル6は表示部9の表示面への接触を検出し、該接触の位置を特定するので、使用者から所定の指示を受け付けることができる。
【0044】
詳しくは、使用者の指先等のタッチ操作、又はメモリデバイス200との接触による圧力の変化を検知し、又は静電気による電気信号を検知して、使用者の指先又はメモリデバイス200との接触点の表示部9の表示面上の座標を検出し、該座標を特定する信号を発生する。タッチパネル6が検出した接触に係る位置(座標)を特定する信号はCPU1及び制御部20に送出される。
【0045】
例えば、制御部20は、タッチパネル6から前記信号(座標)を取得して、表示部9に表示されている後述する、認証アイコン又はファイルのアイコンの内、該座標に対応する位置のアイコンが操作されたものと認識できる。
【0046】
すなわち、認証アイコンが接触操作されたと認識された場合、制御部20は認証を開始する旨の指示(第1指示)を受け付け、ファイルのアイコンが接触操作されたと認識された場合、制御部20は該接触に係るファイルのアイコンに対応するデータ(以下、対応データと言う。)を所定のメモリデバイス(例えば、メモリデバイス200)に送信又は複写する旨の指示(第2指示)を受け付ける。
【0047】
例えば、CPU1は、タッチパネル6からの信号に基づき、該接触がタッチであるか、フリックであるか、ドラッグであるか判定し、CPU1の判定の結果に基づき、前記対応データがメモリデバイス200に送信され、又は複写される。例えば、CPU1が斯かる接触をタッチであると判定した場合、後述する制御部20の指示受付部21は当該接触に係る対応データをメモリデバイス200に送信する旨の指示として受け付ける。一方、斯かる接触がフリック又はドラッグである場合、すなわち、CPU1が斯かる接触をタッチでないと判定した場合、指示受付部21は当該接触に係る対応データをメモリデバイス200に複写する旨の指示として受け付ける。
【0048】
画像処理部7は、例えば、画像入力部4を通じて入力されるアナログ電気信号を基にデジタル形式の画像データを生成し、画像の種類に応じた処理を施した後、出力用の画像データを生成する。生成した画像データは画像出力部5又は近距離通信部12に出力される。
【0049】
操作パネル8は、ユーザの指示を受け付けるための各種ボタン、指示の確定を受け付けるエンターキー、テンキー等を備えている。
【0050】
表示部9は、例えば、LCD又はEL(Electroluminescence)パネル等からなり、前記ファイルのアイコン、認証アイコン等、使用者に対して報知すべき情報が表示される。また、表示部9の表示面を覆うようにタッチパネル6が設けられている。
【0051】
表示制御部10は、DSP(Digital Signal Processor)のようなプロセッサにより構成され、表示部9への画像表示を制御する。また、表示制御部10は、画像入力部4によって読み取られた画像データのファイル、又は記憶部11に記憶されているデータのファイルを表すアイコン(画像)、又は認証の指示を受け付ける認証アイコン(画像)を表示部9に表示する。
【0052】
記憶部11は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、又は、OUM等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。また、記憶部11には、例えば、画像入力部4を介して入力(読取)された画像データが所定のファイル名毎に記憶される。また、記憶部11には、自機の使用が許可された使用者のID(識別データ)及び/又は該使用者が所持するメモリデバイスのMACアドレス(識別データ)が記憶されている。
【0053】
近距離通信部12は、数cmから数mまでのデータの送受信が可能な通信手段である。近距離通信部12は、例えば、ブルートゥース(登録商標)対応デバイス、IEEE802.11対応デバイス、非接触方式の通信方式(RFID(Radio Frequency Identification)システム)対応デバイス又はトランスファージェット(登録商標)対応デバイスである。以下の説明においては、近距離通信部12が非接触方式の通信方式に対応するものである場合を例として説明する。
【0054】
例えば、近距離通信部12は、後述するメモリデバイス200の近距離通信部50が互いに通信することが可能な程度にまで接近した場合、メモリデバイス200の近距離通信部50と通信を確立するように構成されている。
【0055】
詳しくは、デジタル複合機100の近距離通信部12がいわゆる接触・非接触ICカードとしての役割をなし、メモリデバイス200の近距離通信部50がいわゆるリーダライタとしての役割をなすと共に、これらがいわゆる静電結合方式又は電磁結合方式を用いるように構成する。この場合、リーダライタ(近距離通信部50)からは常時起動信号(電磁波)が送信されており、接触・非接触ICカード(近距離通信部12)及びリーダライタ(近距離通信部50)が、互いに通信することが可能な程度(数mm〜数cm)にまで接近した場合に、接触・非接触ICカード(近距離通信部12)がリーダライタ(近距離通信部50)から送出された電磁波を受信する。接触・非接触ICカード(近距離通信部12)は、前記電磁波を受信した場合、該電磁波の搬送波を整流して直流電源を生成し、それで内部回路を駆動させる。そして、接触・非接触ICカード(近距離通信部12)は、振幅変調を行い、前記起動信号に応じて応答信号をリーダライタ(近距離通信部50)に送出する。これによって、近距離通信部12及び近距離通信部50の間の通信が確立される。
【0056】
制御部20は、上述したハードウェアを制御し、本発明の指示受付システムに係る指示受付の処理を行う。また、制御部20は指示受付部21、取得部22、一致判定部23及び無効化部24を有している。
【0057】
指示受付部21はタッチパネル6からの信号に基づき、前記認証アイコンが接触操作された場合、該接触に係るメモリデバイス200の認証を開始する旨の指示(以下、第1指示と言う。)を受け付ける。また、前記ファイルのアイコンが接触操作された場合、指示受付部21は該接触に係るファイルのアイコンの対応データを所定のメモリデバイスに送信又は複写する旨の指示(以下、第2指示と言う。)を受け付ける。
【0058】
取得部22は、接触操作されたアイコンに係るメモリデバイスから、該メモリデバイスを特定するMACアドレス(識別データ)を取得する。詳しくは、前記認証アイコンが接触操作された場合、該アイコンと接触したメモリデバイスのMACアドレス(以下、第1アドレスと言う。)を、該メモリデバイスから近距離通信部12を介して取得する。また、前記ファイルのアイコンが接触操作された場合、斯かるアイコンと接触したメモリデバイスのMACアドレス(以下、第2アドレスと言う。)を、該メモリデバイスから近距離通信部12を介して取得する。
【0059】
一致判定部23は、取得部22が取得した第1アドレス(第1識別データ)と、第2アドレス(第2識別データ)とが一致するか否かを判定する。
【0060】
無効化部24は、一致判定部23の判定結果に基づき、指示受付部21が受け付けた第2指示を無効にする。詳しくは、一致判定部23によって前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しないと判定された場合は、データ処理を指示した使用者が認証を行った使用者でない可能性が高いので、無効化部24は、指示受付部21が受け付けた第2指示を無効にする。
【0061】
一方、メモリデバイス200は、使用者が手に握ることが出来る大きさを有する、直方体形状であり、装置全体を制御するCPU(図示せず)を有する制御部30と、記憶部40と、近距離通信部50(受信手段)と、振動部60(報知手段)とを備えている。
【0062】
制御部30は、上述したハードウェアを制御し、本発明の指示受付システムに係るメモリデバイス200として動作させる。
【0063】
記憶部40は、例えば、フラッシュメモリであり、近距離通信部50を介してデジタル複合機100から受信するデータを、所定のファイル名に関連付けて記憶する。また、記憶部40には、自機のMACアドレスが記憶されている。
【0064】
近距離通信部50は、数cmから数mまでのデータの送受信が可能な通信手段であり、デジタル複合機100の近距離通信部12に対応する。近距離通信部50は、近距離通信部12と同様、例えば、ブルートゥース(登録商標)対応デバイス、IEEE802.11対応デバイス、非接触方式の通信方式(RFID(Radio Frequency Identification)システム)対応デバイス又はトランスファージェット(登録商標)対応デバイスである。以下の説明においては、近距離通信部50が非接触方式の通信方式に対応するものである場合を例として説明する。
【0065】
例えば、近距離通信部50は、デジタル複合機100の近距離通信部12が互いに通信することが可能な程度にまで接近した場合、デジタル複合機100の近距離通信部12と通信を確立し、自機のMACアドレス(識別データ)をデジタル複合機100の近距離通信部12に送信するように構成されている。
【0066】
振動部60は、振動を発するバイブレータを備えており、電源(図示せず)によって振動して各種イベントを使用者に報知する。また、振動部60による振動のパターンは複数であり、制御部30のCPUによって制御される。
【0067】
以下、本発明の実施の形態1に係る指示受付システムにおける、指示の受付について、デジタル複合機100及びメモリデバイス200の間での指示の受付を例として説明する。
【0068】
(実施例1)
図3は本発明の実施の形態1の実施例1における、デジタル複合機100及びメモリデバイス200の間での指示の受付を説明するフローチャートである。
【0069】
まず、使用者は原稿を画像入力部4の原稿台に載置し、操作パネル8を操作して該原稿の読み取りを指示する。CPU1は操作パネル8を介して読み取りの指示を受け付け、画像入力部4に原稿画像の読取を指示する。画像入力部4は、CPU1の指示に応じて該原稿の画像を読み取る(ステップS101)。画像入力部4によって読み取られた原稿の画像データは、所定のファイル名が付され、記憶部11に記憶される。
【0070】
次いで、表示制御部10は、画像入力部4によって読み取られた原稿の画像データのファイルを表すアイコン(画像)と、前記認証アイコン(画像)とを表示部9に表示する(ステップS102)。図4は本発明の実施の形態1の実施例1における、ファイルのアイコンF及び認証アイコンSの表示、並びにアイコン接触操作の一例を示す例示図である。
【0071】
画像入力部4によって読み取られた原稿の画像データをメモリデバイス200に送信したい使用者は、先ず、自分が所持するメモリデバイス200の認証を行った後、メモリデバイス200で表示部9に表示されたアイコンFを接触する操作を行う。すなわち、使用者は、メモリデバイス200を手に持ってメモリデバイス200の所定部分を用いて認証アイコンSをタッチして認証を行い、アイコンFをタッチして前記原稿の画像データの送信を指示する。この際、デジタル複合機100(近距離通信部12)とメモリデバイス200(近距離通信部50)とは通信可能な範囲内に位置することとなる。
【0072】
CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがあったか否かを判定する(ステップS103)。
【0073】
CPU1は表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがないと判定した場合(ステップS103:NO)、認証アイコンSの接触があるまで該判定を繰り返す。
【0074】
また、CPU1は表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがあったと判定した場合(ステップS103:YES)、指示受付部21は認証アイコンSに係る前記第1指示を受け付ける。
【0075】
この際、取得部22は認証アイコンSと接触したメモリデバイス200のMACアドレス、つまり第1アドレスを、メモリデバイス200から、上述したように、近距離通信部12を介して取得する(ステップS104)。取得された第1アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0076】
なお、この構成に限るものでない。例えば、使用者がメモリデバイスにてタッチ操作を行わず、又はメモリデバイスを手にしていないことから、通信が確立されず、前記第1アドレスの取得に失敗した場合、CPU1が認証アイコンSのタッチを無効にするように構成しても良い。
【0077】
また、前記第1指示の受付の前に前記第2指示の受付があった場合は、換言すれば、前記第1指示の受付の前にファイルのアイコンFがタッチされた場合、該第2指示の受付を無効にするように構成しても良い。
【0078】
更に、記憶部11に記憶されている記憶内容に基づき、取得された第1アドレスに対応する使用者が、自機の使用が許可された使用者であるか否かを認証するように構成しても良い。
【0079】
次いで、CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示されたファイルのアイコンFのタッチがあったか否かを判定する(ステップS105)。
【0080】
CPU1は表示部9に表示されたアイコンFのタッチがないと判定した場合(ステップS105:NO)、アイコンFのタッチがあるまで該判定を繰り返す。
【0081】
また、使用者がメモリデバイス200を用いてアイコンFをタッチすることにより、CPU1が表示部9に表示されたファイルのアイコンFのタッチがあったと判定した場合(ステップS105:YES)、指示受付部21はアイコンFに係る前記第2指示を受け付ける。
【0082】
この際、取得部22はアイコンFと接触したメモリデバイスのMACアドレス、つまり第2アドレスを、当該メモリデバイスから取得する(ステップS106)。今回は、メモリデバイス200がアイコンFと接触したので、取得部22はメモリデバイス200のMACアドレスを第2アドレスとして近距離通信部12を介して取得する。取得された第2アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0083】
なお、この構成に限るものでない。例えば、使用者がメモリデバイスにてタッチ操作を行わず、又はメモリデバイスを手にしていないことから、通信が確立されず、前記第2アドレスの取得に失敗した場合、CPU1がアイコンFのタッチを無効にするように構成しても良い。
【0084】
次いで、一致判定部23は、RAM3に記憶されている第1アドレス及び第2アドレスの比較を行い、これらが一致するか否かを判定する(ステップS107)。
【0085】
一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しないと判定した場合(ステップS107:NO)、無効化部24は指示受付部21が受け付けた第2指示を無効にする(ステップS108)。
【0086】
すなわち、前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しない場合は、認証を行っていない他人による不正操作である可能性が高いので、このような場合は、受け付けた指示(第2指示)を無効にすることにより、斯かる不正操作を未然に防止する。
【0087】
また、CPU1は、ステップS106にて取得したメモリデバイスの第2アドレスを記憶部11に記憶する(ステップS109)。これ以降、指示受付部21が該第2アドレスに対応するメモリデバイスのタッチによる指示を受け付けた場合、無効化部24が該指示を無効にする。
【0088】
なお、この構成に限るものでない。例えば、前記不正操作に係るメモリデバイスの記憶部に、通信を確立しない旨のデータを書き込み、デジタル複合機100の近距離通信部12と、該メモリデバイスの近距離通信部との通信の確立において、通信の確立を拒否するように構成しても良い。更に、このような、通信の確立の拒否は所定時間経過後に解除されるように構成しても良い。
【0089】
一方、一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致すると判定した場合(ステップS107:YES)、CPU1は、アイコンFに対応する原稿の画像データを近距離通信部12に送り、前記第1アドレス又は第2アドレスに対応するメモリデバイス200に送信するように指示する。近距離通信部12はCPU1の指示に応じて前記画像データをメモリデバイス200の近距離通信部50に送信し、指示受付部21が受け付けた第2指示を実行する(ステップS110)。
【0090】
また、この構成に限るものでない。使用者によってタッチ操作でなく、例えば、フリック操作又はドラッグ操作が行われた場合には、指示受付部21がアイコンFに対応する原稿の画像データの複写データをメモリデバイス200に移動させる指示として受け付け、近距離通信部12がアイコンFに対応する原稿の画像データの複写データをメモリデバイス200の近距離通信部50に送信するように構成しても良い。
【0091】
(実施例2)
図5は本発明の実施の形態1の実施例2における、デジタル複合機100及びメモリデバイス200の間での指示の受付を説明するフローチャートである。説明の便宜上、以下において、第2指示はメモリデバイスにデータの送信する指示である。
【0092】
まず、使用者は原稿を画像入力部4の原稿台に載置し、操作パネル8を操作して該原稿の読み取りを指示する。CPU1は操作パネル8を介して読み取りの指示を受け付け、画像入力部4に原稿画像の読取を指示する。画像入力部4は、CPU1の指示に応じて該原稿の画像を読み取る(ステップS201)。画像入力部4によって読み取られた原稿の画像データは、所定のファイル名が付され、記憶部11に記憶される。
【0093】
次いで、表示制御部10は、画像入力部4によって読み取られた原稿の画像データのファイルを表すアイコン(画像)と、前記認証アイコン(画像)とを表示部9に表示する(ステップS202)(図4参照)。
【0094】
画像入力部4によって読み取られた原稿の画像データをメモリデバイス200に送信したい使用者は、メモリデバイス200を手に持ってメモリデバイス200の所定部分を用いて認証アイコンSをタッチして認証を行い、アイコンFをタッチして前記原稿の画像データの送信を指示する。この際、デジタル複合機100(近距離通信部12)とメモリデバイス200(近距離通信部50)とは通信可能な範囲内に位置することとなる。
【0095】
CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがあったか否かを判定する(ステップS203)。CPU1は認証アイコンSのタッチがないと判定した場合(ステップS203:NO)、認証アイコンSの接触があるまで該判定を繰り返す。
【0096】
また、CPU1は認証アイコンSのタッチがあったと判定した場合(ステップS203:YES)、指示受付部21は前記第1指示を受け付ける。
【0097】
この際、取得部22は認証アイコンSと接触したメモリデバイス200のMACアドレス、つまり第1アドレスを、メモリデバイス200から、近距離通信部12を介して取得する(ステップS204)。取得された第1アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0098】
次いで、CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示されたファイルのアイコンFのタッチがあったか否かを判定する(ステップS205)。CPU1はアイコンFのタッチがないと判定した場合(ステップS205:NO)、アイコンFのタッチがあるまで該判定を繰り返す。
【0099】
また、使用者がメモリデバイス200を用いてアイコンFをタッチすることにより、CPU1がファイルのアイコンFのタッチがあったと判定した場合(ステップS205:YES)、指示受付部21は前記第2指示を受け付ける。
【0100】
この際、取得部22はアイコンFと接触したメモリデバイスのMACアドレス、つまり第2アドレスを、当該メモリデバイスから取得する(ステップS206)。今回は、メモリデバイス200がアイコンFと接触したので、取得部22はメモリデバイス200のMACアドレスを第2アドレスとして近距離通信部12を介して取得する。取得された第2アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0101】
次いで、一致判定部23は、RAM3に記憶されている第1アドレス及び第2アドレスの比較を行い、これらが一致するか否かを判定する(ステップS207)。一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しないと判定した場合(ステップS207:NO)、すなわち、メモリデバイス200以外のメモリデバイスがアイコンFをタッチした場合、無効化部24は指示受付部21が受け付けた第2指示を無効にする(ステップS208)。
【0102】
また、CPU1は、前記第1アドレスに対応するメモリデバイスと、前記第2アドレスに対応するメモリデバイスとが相違する旨のデータ(相違データ)を生成して近距離通信部12に送り、メモリデバイス200に送信するよう指示する。CPU1の指示に応じて、近距離通信部12は前記相違する旨のデータを、前記第1アドレスに対応するメモリデバイス200に送信する(ステップS209)。
【0103】
この際、メモリデバイス200の近距離通信部50が前記相違する旨のデータを受信する(ステップS301)。制御部30は所定のパターンにて振動部60を振動させて、前記第1アドレスに対応するメモリデバイスと、前記第2アドレスに対応するメモリデバイスとが相違する旨、換言すれば、他人による操作が行われている旨を使用者に報知する(ステップS302)。
【0104】
以上の記載においては、振動部60の振動を用いて使用者に報知する場合を例として説明したが、これに限るものでない。例えば、LEDを設け、発光パターン又は発光色を異にすることによって報知を行うように構成しても良い。
【0105】
一方、一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致すると判定した場合(ステップS207:YES)、CPU1は、アイコンFに対応する原稿の画像データを近距離通信部12に送り、前記第1アドレス又は第2アドレスに対応するメモリデバイス200に送信するように指示する。近距離通信部12はCPU1の指示に応じてアイコンF2に対応する原稿の画像データをメモリデバイス200の近距離通信部50に送信し、指示受付部21が受け付けた第2指示を実行する(ステップS210)。
【0106】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る指示受付システムの要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態2に係る指示受付システムは複合機100(情報処理装置)と、メモリデバイス200(指示装置)を含む一又は複数のメモリデバイスとを有する。
【0107】
実施の形態2における、デジタル複合機100及びメモリデバイス200の構成は、実施の形態1と同様であるが、デジタル複合機100の制御部20の構成が異なる。
【0108】
制御部20は、実施の形態1と同様に指示受付部21と、取得部22と、一致判定部23と、無効化部24とを有しており、その他、有無判定部25を更に有している。
【0109】
有無判定部25はメモリデバイスが所定の範囲内にあるか否かを判定する。該判定は、近距離通信部12と、対応するメモリデバイスの近距離通信部との送受信可否に基づいて行われる。
【0110】
例えば、実施の形態2における、デジタル複合機100の近距離通信部12と、対応するメモリデバイスの近距離通信部とがいわゆる非接触方式の通信方式(RFID(Radio Frequency Identification)システム)を用いるものである場合、これらの送受信可否から、有無判定部25は斯かる判断を行うことができる。
【0111】
詳しくは、デジタル複合機100の近距離通信部12がいわゆる接触・非接触ICカードとしての役割をなし、対応するメモリデバイスの当該近距離通信部がいわゆるリーダライタとしての役割をなすと共に、これらがいわゆる静電結合方式又は電磁結合方式を用いるように構成する。この場合、リーダライタ(対応する近距離通信部)からは常時起動信号(電磁波)が送信されており、接触・非接触ICカード(近距離通信部12)及びリーダライタ(対応する近距離通信部)が、互いに通信することが可能な程度(数mm〜数cm)にまで接近した場合に、接触・非接触ICカード(近距離通信部12)がリーダライタ(対応する近距離通信部)から送出された電磁波を受信する。接触・非接触ICカード(近距離通信部12)は、前記電磁波を受信した場合、該電磁波の搬送波を整流して直流電源を生成し、それで内部回路を駆動させる。そして、接触・非接触ICカード(近距離通信部12)は、振幅変調を行い、前記起動信号に応じて応答信号をリーダライタ(対応する近距離通信部)に送出する。
【0112】
従って、有無判定部25は、近距離通信部12による前記電磁波の受信如何、又は内部回路の駆動如何等を監視することにより、当該近距離通信部、すなわち、対応するメモリデバイスが所定の範囲内(数mm〜数cm)にあるか否かを判定することができる。
【0113】
有無判定部25によって何れかのメモリデバイスが所定の範囲内にあると判定された場合、表示制御部10は、認証の指示を受け付ける認証アイコンS、又は画像入力部4によって読み取られた画像データのファイル或いは記憶部11に既に記憶されているデータのファイルを表すアイコンFをそのファイル名と共に表示部9に表示する。使用者は、表示部9に表示されたアイコンF又は認証アイコンSの中から、実施の形態1と同様に、自分が所持するメモリデバイスを用いて何れかのアイコンを接触する操作を行う。
【0114】
上述した「所定の範囲」は、以上の記載に限るものでなく、前記RFIDシステムに用いられる方式を、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等に変えることにより、数cm〜数mまで変更することができる。
【0115】
また、以下の説明においては、説明の便宜上、デジタル複合機100の近距離通信部12と、メモリデバイス200近距離通信部50とが静電結合方式又は電磁結合方式を用いるRFIDシステムにて送受信する場合を例として説明する。
【0116】
(実施例1)
図7は本発明の実施の形態2の実施例1における、デジタル複合機100及びメモリデバイス200の間での指示の受付を説明するフローチャートである。説明の便宜上、以下の説明においては、デジタル複合機100の記憶部11に複数のデータのファイルが夫々のファイル名毎に記憶されており、記憶部11に記憶されているデータのファイルを表すアイコンが表示部9に表示される場合を例として説明する。
【0117】
まず、デジタル複合機100の有無判定部25は、上述した方法により、所定の範囲内に何れかのメモリデバイスが存在するか否かを判定する(ステップS401)。この際、表示部9には、いわゆる初期画面が表示されている。
【0118】
有無判定部25は所定の範囲内に何れのメモリデバイスも存在しないと判定した場合(ステップS401:NO)、該範囲内に所定のメモリデバイスが存在すると判定されるまで、該判定を繰り返して行う。
【0119】
一方、操作を試みるメモリデバイス200の使用者がデジタル複合機100の前に立つ場合、又はメモリデバイス200を手にして操作パネル8又は表示部9に手を動かした場合、有無判定部25が所定の範囲内に所定のメモリデバイス(メモリデバイス200)が存在すると判定する(ステップS401:YES)。この際、表示制御部10はアイコンF及び認証アイコンSを生成して表示部9に表示する(ステップS402)。図8は本発明の実施の形態2の実施例1における、アイコンF及び認証アイコンSの表示、並びにその操作の一例を示す例示図である。表示部9には、記憶部11に記憶されているデータのファイルを表す複数のアイコン(F1、F2、F3)がそのファイル名と共に表示されている。
【0120】
なお、この際、近距離通信部12が前記電磁波を受信して、内部回路が駆動され、斯かる起動信号に応じて応答信号が近距離通信部50に送出されるので、近距離通信部12及び近距離通信部50の間では通信が確立される。
【0121】
表示部9に表示された複数のアイコンF1、F2、F3にて表されるデータの中、何れかをメモリデバイス200に送信したい使用者は、先ず、自分が所持するメモリデバイス200の認証を行った後、表示部9に表示されたアイコンF1、F2、F3の何れかのアイコンをメモリデバイス200で接触する操作を行う。すなわち、使用者は、メモリデバイス200を手に持ってメモリデバイス200の所定部分を用いて認証アイコンSをタッチして認証を行い、同じくアイコンF1、F2、F3の中何れかをタッチして斯かるアイコンに対応するデータの送信を指示する。この際、デジタル複合機100(近距離通信部12)とメモリデバイス200(近距離通信部50)とは通信可能な範囲内に位置することとなる。
【0122】
この際、CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがあったか否かを判定する(ステップS403)。
【0123】
CPU1は表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがないと判定した場合(ステップS403:NO)、認証アイコンSの接触があるまで該判定を繰り返す。
【0124】
また、CPU1が表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがあったと判定した場合(ステップS403:YES)、指示受付部21は認証アイコンSに係る前記第1指示を受け付ける。
【0125】
この際、取得部22は認証アイコンSと接触したメモリデバイス200のMACアドレス、つまり第1アドレスを、メモリデバイス200から、上述したように、近距離通信部12を介して取得する(ステップS404)。取得された第1アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0126】
なお、この構成に限るものでない。例えば、使用者がメモリデバイスにてタッチ操作を行わず、又はメモリデバイスを手にしていないことから、通信が確立されず、前記第1アドレスの取得に失敗した場合、CPU1が認証アイコンSのタッチを無効にするように構成しても良い。
【0127】
また、前記第1指示の受付の前に、前記第2指示の受付があった場合は、該第2指示の受付を無効にするように構成下も良い。
【0128】
次いで、CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示されたアイコンF1、F2、F3の中、何れかのタッチがあったか否かを判定する(ステップS405)。
【0129】
CPU1は表示部9に表示された何れのアイコンのタッチもないと判定した場合(ステップS405:NO)、何れかのアイコンのタッチがあるまで該判定を繰り返す。
【0130】
また、使用者がメモリデバイス200を用いて何れかのアイコン(例えば、アイコンF2)をタッチすることにより、CPU1が表示部9に表示されたアイコンF2のタッチがあったと判定した場合(ステップS405:YES)、指示受付部21はアイコンF2に係る前記第2指示を受け付ける。
【0131】
この際、取得部22はアイコンF2と接触したメモリデバイスのMACアドレス、つまり第2アドレスを、当該メモリデバイスから取得する(ステップS406)。今回は、メモリデバイス200がアイコンF2と接触したので、取得部22はメモリデバイス200のMACアドレスを第2アドレスとして近距離通信部12を介して取得する。取得された第2アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0132】
なお、この構成に限るものでない。例えば、使用者がメモリデバイスにてタッチ操作を行わず、又はメモリデバイスを手にしていないことから、通信が確立されず、前記第2アドレスの取得に失敗した場合、CPU1がアイコンF2のタッチを無効にするように構成しても良い。
【0133】
次いで、一致判定部23は、RAM3に記憶されている第1アドレス及び第2アドレスの比較を行い、これらが一致するか否かを判定する(ステップS407)。
【0134】
一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しないと判定した場合(ステップS407:NO)、無効化部24は指示受付部21が受け付けた第2指示を無効にする(ステップS408)。
【0135】
すなわち、前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しない場合は、認証を行っていない他人による不正操作である可能性が高いので、このような場合は、受け付けた指示(第2指示)を無効にすることにより、斯かる不正操作を未然に防止する。
【0136】
また、CPU1は、ステップS406にて取得したメモリデバイスの第2アドレスを記憶部11に記憶する(ステップS409)。これ以降、指示受付部21が該第2アドレスに対応するメモリデバイスのタッチによる指示を受け付けた場合、無効化部24が該指示を無効にする。
【0137】
なお、この構成に限るものでない。例えば、前記不正操作に係るメモリデバイスの記憶部に、通信を確立しない旨のデータを書き込み、デジタル複合機100の近距離通信部12と、該メモリデバイスの近距離通信部との通信の確立において、通信の確立を拒否するように構成しても良い。更に、このような、通信の確立の拒否は所定時間経過後に解除されるように構成しても良い。
【0138】
一方、一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致すると判定した場合(ステップS407:YES)、CPU1は、アイコンF2に対応するデータを記憶部11から近距離通信部12に送り、前記第1アドレス又は第2アドレスに対応するメモリデバイス200に送信するように指示する。近距離通信部12はCPU1の指示に応じてアイコンF2に対応するデータをメモリデバイス200の近距離通信部50に送信し、指示受付部21が受け付けた第2指示を実行する(ステップS410)。
【0139】
また、この構成に限るものでない。使用者によってタッチ操作でなく、例えば、フリック操作又はドラッグ操作が行われた場合には、指示受付部21がアイコンF2に対応するデータの複写データをメモリデバイス200に移動させる指示として受け付け、近距離通信部12がアイコンF2に対応するデータの複写データをメモリデバイス200の近距離通信部50に送信するように構成しても良い。
【0140】
(実施例2)
図9は本発明の実施の形態2の実施例2における、デジタル複合機100及びメモリデバイス200の間での指示の受付を説明するフローチャートである。説明の便宜上、以下の説明においては、デジタル複合機100の記憶部11に複数のデータのファイルが夫々のファイル名毎に記憶されており、記憶部11に記憶されているデータのファイルを表すファイルのアイコンが表示部9に表示される場合を例として説明する。
【0141】
まず、デジタル複合機100の有無判定部25は、上述した方法により、所定の範囲内に何れかのメモリデバイスが存在するか否かを判定する(ステップS501)。この際、表示部9には、いわゆる初期画面が表示されている。
【0142】
有無判定部25は所定の範囲内に何れのメモリデバイスも存在しないと判定した場合(ステップS501:NO)、該範囲内に所定のメモリデバイスが存在すると判定されるまで、該判定を繰り返して行う。
【0143】
一方、操作を試みるメモリデバイス200の使用者がデジタル複合機100の前に立つ場合、又はメモリデバイス200を手にして操作パネル8又は表示部9に手を動かした場合、有無判定部25が所定の範囲内に所定のメモリデバイス(メモリデバイス200)が存在すると判定する(ステップS501:YES)。この際、表示制御部10は記憶部11に記憶されているデータのファイルを表すファイルのアイコンF1、F2、F3及び認証アイコンSを生成して表示部9に表示する(ステップS502)(図8参照)。
【0144】
なお、この際、近距離通信部12が前記電磁波を受信して、内部回路が駆動され、斯かる起動信号に応じて応答信号が近距離通信部50に送出されるので、近距離通信部12及び近距離通信部50の間では通信が確立される。
【0145】
表示部9に表示された複数のアイコンF1、F2、F3にて表されるデータの中、何れかをメモリデバイス200に送信したい使用者は、先ず、メモリデバイス200を手に持ってメモリデバイス200の所定部分を用いて認証アイコンSをタッチして認証を行い、同じくアイコンF1、F2、F3の中何れかをタッチして斯かるアイコンに対応するデータの送信を指示する。この際、デジタル複合機100(近距離通信部12)とメモリデバイス200(近距離通信部50)とは通信可能な範囲内に位置することとなる。
【0146】
この際、CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示された認証アイコンSのタッチがあったか否かを判定する(ステップS503)。CPU1は認証アイコンSのタッチがないと判定した場合(ステップS503:NO)、認証アイコンSの接触があるまで該判定を繰り返す。
【0147】
また、CPU1が認証アイコンSのタッチがあったと判定した場合(ステップS503:YES)、指示受付部21は認証アイコンSに係る前記第1指示を受け付ける。
【0148】
この際、取得部22は認証アイコンSと接触したメモリデバイス200のMACアドレス、つまり第1アドレスを、メモリデバイス200から、上述したように、近距離通信部12を介して取得する(ステップS504)。取得された第1アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0149】
次いで、CPU1は、タッチパネル6を監視することにより、換言すれば、タッチパネル6からの信号に基づき、表示部9に表示されたアイコンF1、F2、F3の中、何れかのタッチがあったか否かを判定する(ステップS505)。CPU1は何れのアイコンのタッチもないと判定した場合(ステップS505:NO)、何れかのアイコンのタッチがあるまで該判定を繰り返す。
【0150】
また、使用者がメモリデバイス200を用いて何れかのアイコン(例えば、アイコンF2)をタッチすることにより、CPU1がアイコンF2のタッチがあったと判定した場合(ステップS505:YES)、指示受付部21はアイコンF2に係る前記第2指示を受け付ける。
【0151】
この際、取得部22はアイコンF2と接触したメモリデバイスのMACアドレス、つまり第2アドレスを、当該メモリデバイスから取得する(ステップS506)。今回は、メモリデバイス200がアイコンF2と接触したので、取得部22はメモリデバイス200のMACアドレスを第2アドレスとして近距離通信部12を介して取得する。取得された第2アドレスは、RAM3に一時的に記憶される。
【0152】
次いで、一致判定部23は、RAM3に記憶されている第1アドレス及び第2アドレスの比較を行い、これらが一致するか否かを判定する(ステップS507)。
【0153】
一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致しないと判定した場合(ステップS507:NO)、無効化部24は指示受付部21が受け付けた第2指示を無効にする(ステップS508)。
【0154】
また、CPU1は、前記第1アドレスに対応するメモリデバイスと、前記第2アドレスに対応するメモリデバイスとが相違する旨のデータ(相違データ)を生成して近距離通信部12に送り、メモリデバイス200に送信するよう指示する。CPU1の指示に応じて、近距離通信部12は前記相違する旨のデータを、前記第1アドレスに対応するメモリデバイス200に送信する(ステップS509)。
【0155】
この際、メモリデバイス200の近距離通信部50が前記相違する旨のデータを受信する(ステップS601)。また、制御部30は所定のパターンにて振動部60を振動させて、前記第1アドレスに対応するメモリデバイスと、前記第2アドレスに対応するメモリデバイスとが相違する旨、換言すれば、他人による操作が行われている旨を使用者に報知する(ステップS602)。
【0156】
以上の記載においては、振動部60の振動を用いて使用者に報知する場合を例として説明したが、これに限るものでない。例えば、LEDを設け、発光パターン又は発光色を異にすることによって報知を行うように構成しても良い。
【0157】
一方、一致判定部23が前記第1アドレス及び第2アドレスが一致すると判定した場合(ステップS507:YES)、CPU1は、アイコンF2に対応するデータを記憶部11から近距離通信部12に送り、前記第1アドレス又は第2アドレスに対応するメモリデバイス200に送信するように指示する。近距離通信部12はCPU1の指示に応じてアイコンF2に対応するデータをメモリデバイス200の近距離通信部50に送信し、指示受付部21が受け付けた第2指示を実行する(ステップS510)。
【0158】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0159】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3に係るデジタル複合機100の要部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態3に係るデジタル複合機100は、動作を行うためのコンピュータプログラムが、I/F部13を介してCD−ROM等の可搬型記録媒体Aで提供することも可能であるように構成されている。さらに、実施の形態3に係るデジタル複合機100は、前記コンピュータプログラムを、外部装置から近距離通信部12を介してダウンロードすることも可能であるように構成されている。以下に、その内容を説明する。
【0160】
実施の形態3のデジタル複合機100は外装(又は内装)の記録媒体読み取り装置(図示せず)を備えており、該記録媒体読み取り装置に、メモリデバイス(外部装置)と表示部9の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及びデータ処理に係る第2指示を受付させ、前記第1指示に係るメモリデバイス(外部装置)が記憶する第1アドレス(第1識別データ)、及び前記第2指示に係るメモリデバイス(外部装置)が記憶する第2アドレス(第2識別データ)を取得させ、前記第1アドレス(第1識別データ)及び第2アドレス(第2識別データ)が不一致である場合、受け付けた第2指示を無効にさせるプログラム等が記録された可搬型記録媒体Aを挿入して、例えば、CPU1がROM2にこのプログラムをインストールする。かかるプログラムはRAM3にロードして実行される。これにより、実施の形態1及び実施の形態2における、デジタル複合機100として機能する。
【0161】
前記記録媒体としては、いわゆるプログラムメディアであっても良く、磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
【0162】
近距離通信部12を介してネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0163】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0164】
1 CPU
6 タッチパネル
9 表示部
11 記憶部
12 近距離通信部
20 制御部
21 指示受付部
22 取得部
24 無効化部
30 制御部
40 記憶部
50 近距離通信部
60 振動部
F アイコン
S 認証アイコン
25 有無判定部
100 デジタル複合機
200 メモリデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの処理を行う情報処理装置と、該情報処理装置にデータの処理に係る指示を行う一又は複数の指示装置とを有する指示受付システムにおいて、
前記指示装置は、
自機の識別データを記憶する記憶部を備え、
前記情報処理装置は、
前記指示装置とその表示面が接触する表示部と、
前記指示装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付ける指示受付手段と、
前記第1指示に係る指示装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る指示装置が記憶する第2識別データを取得する取得手段と、
前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付手段が受け付けた第2指示を無効にする無効化手段と
を備えることを特徴とする指示受付システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する指示装置と、該第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する指示装置に送信する送信手段を備え、
前記指示装置は、
前記相違データを受信する受信手段と、
該相違データが受信された場合、その旨を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の指示受付システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、
以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する指示装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の指示受付システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
指示装置が所定範囲内にあるか否かを判定する有無判定手段を備え、
前記指示装置が所定範囲内にあると判定された場合、前記表示部は前記第1指示及び第2指示の夫々を表す画像を表示し、
前記指示受付手段は前記指示装置と前記画像との接触に基づき、前記第1指示又は第2指示を受け付けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の指示受付システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する指示装置と、該第2識別データに対応する指示装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する指示装置に送信する送信手段を備え、
前記指示装置は、
前記相違データを受信する受信手段と、
該相違データが受信された場合、その旨を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の指示受付システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、
以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する指示装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の指示受付システム。
【請求項7】
自機の識別データを記憶している一又は複数の外部装置からデータの処理に係る指示を受信して、データの処理を行う情報処理装置において、
前記外部装置とその表示面が接触する表示部と、
前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付ける指示受付手段と、
前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得する取得手段と、
前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付手段が受け付けた第2指示を無効にする無効化手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する外部装置と、該第2識別データに対応する外部装置が相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する外部装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、
以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する外部装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
外部装置が所定範囲内にあるか否かを判定する有無判定手段を備え、
前記外部装置が所定範囲内にあると判定された場合、前記表示部は前記第1指示及び第2指示の夫々を表す画像を表示し、
前記指示受付手段は前記外部装置と前記画像との接触に基づき、前記第1指示又は第2指示を受け付けるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第1識別データに対応する外部装置と、該第2識別データに対応する外部装置とが相違する旨を表す相違データを該第1識別データに対応する外部装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得手段が取得した第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、該第2識別データを記憶する記憶部を備え、
以降、前記指示受付手段が該第2識別データに対応する外部装置に係る指示を受け付けた場合、前記無効化手段が該指示を無効にするように構成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
請求項8又は11に記載の情報処理装置にデータの処理に係る指示を行う指示装置において、
前記相違データを受信する受信手段と、
該相違データが受信された場合、その旨を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする指示装置。
【請求項14】
自機の識別データを記憶している一又は複数の外部装置とその表示面が接触する表示部を備え、該外部装置からデータの処理に係る指示を受け付け、データの処理を行う情報処理装置にて、指示を受け付ける指示受付方法において、
前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受け付ける指示受付ステップと、
前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得するステップと、
前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付ステップで受け付けた第2指示を無効にするステップと
を含むことを特徴とする指示受付方法。
【請求項15】
自機の識別データを記憶している一又は複数の外部装置とその表示面が接触する表示部を備える情報処理装置を構成するコンピュータに、該外部装置からデータの処理に係る指示を受付させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、前記外部装置と前記表示部の表示面との接触位置に基づき、認証に係る第1指示及び前記データの処理に係る第2指示を受付させる指示受付ステップと、
コンピュータに、前記第1指示に係る外部装置が記憶する第1識別データ、及び前記第2指示に係る外部装置が記憶する第2識別データを取得させるステップと、
コンピュータに、前記第1識別データ及び第2識別データが不一致である場合、前記指示受付ステップで受け付けた第2指示を無効にさせるステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−243158(P2012−243158A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114040(P2011−114040)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】