説明

指紋照合装置および指紋照合方法

【課題】 ユーザに煩わしい作業を強いることなく、かつ、簡単に指紋照合を行うことが可能な指紋照合装置を提供する。
【解決手段】 指紋照合装置は、被認証者の登録指紋画像と品質情報とをICカード6に記録する。そして、MPU5は、ICカード6に記録された品質情報に基づき、その指紋にあった照合のセキュリティ品質レベル、具体的には判定レベルを算出する。指紋データ入力・照合部2は、被認証者の入力指紋画像と登録指紋画像との一致度を示す一致度情報を算出し、その一致度情報とその算出された判定レベルとに基づいて、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否か判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指紋照合装置および指紋照合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の指紋照合装置では、指紋照合を行う際に使用される照合セキュリティ品質レベル(照合の厳密さを決定するパラメータであり、例えば判定レベル)は、通常品質の指紋に合わせられている。なお、通常品質の指紋は、平均的な指(例えば、指紋の特徴点の数が平均的な数であり、指の湿り具合が平均的な指)から採取した指紋である。
【0003】
このため、汗をかきやすい人の湿潤指から読み取った指紋の画像、乾燥肌の人の乾燥指から読み取った指紋の画像、または、平均より特徴点が少ない指紋を有する指から読み取った指紋の画像が、指紋照合に用いられると、照合エラーが多くなり、正確な指紋照合が行えなくなる。
【0004】
また、全ての指紋に対して照合エラーを少なくするために、照合セキュリティ品質レベル(判定レベル)を低くして指紋を照合すれば、指紋照合装置の他人許容率があがり、指紋照合装置は実用上使えなくなってしまう。
【0005】
特許文献1(特開2002−298126号公報)には、ユーザから入力された指紋の画像(以下「入力指紋画像」と称する。)が指紋照合用に適しているか否かを判定し、その入力指紋画像が指紋照合用に適していない場合、指紋照合を行わず、かつ、その入力指紋画像が指紋照合用に適していない理由(例えば、乾燥指または湿潤指)およびその対策をユーザに知らせる指紋照合装置が記載されている。
【0006】
この指紋照合装置によれば、照合セキュリティ品質レベルが通常品質の指紋に合わせられていても、ユーザは、指紋照合装置から知らされた対策を行うことによって、指紋照合を受けることが可能になる。
【0007】
また、特許文献2(特開平11−306352号公報)には、各々が生体的特徴を表す複数種類の照合データを用いて複数種類の認証を行い、その複数種類の認証結果と認証しきい値とに基づいて、統合的な認証を行う個人認証装置が記載されている。この個人認証装置は、さらに、その統合的な認証結果に基づいて、その認証しきい値を変更する。
【特許文献1】特開2002−298126号公報
【特許文献2】特開平11−306352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の指紋照合装置では、乾燥指または湿潤指を有するユーザは、入力指紋画像が指紋照合用に適していない理由およびその対策を認識した後、再度、自分の指紋を指紋照合装置に読み取らせるという煩わしい作業を行わなければならない。
【0009】
また、特許文献2に記載の個人認証装置では、生体的特徴を表す複数種類の照合データが使用される。このため、複数の照合処理が必要となり、照合処理が複雑になってしまうという不都合が生じる。
【0010】
本発明の目的は、ユーザに煩わしい作業を強いることなく、かつ、簡単に指紋照合を行うことが可能な指紋照合装置および指紋照合方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の指紋照合装置は、ユーザの指紋を読み取り、その読み取った指紋を示す入力指紋画像を出力する読取部と、予め登録されている登録指紋画像を格納する画像格納部と、前記読取部が出力した入力指紋画像を前記画像格納部が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を生成し、その一致度情報と前記登録指紋画像の品質に応じた判定レベルとに基づいて前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであるか否かを判定する照合判定部とを含む。
【0012】
また、本発明の指紋照合方法は、予め登録されている登録指紋画像を格納する画像格納部を含む指紋照合装置が行う指紋照合方法であって、ユーザの指紋を読み取り、その読み取った指紋を示す入力指紋画像を出力する読取ステップと、前記入力指紋画像を前記画像格納部が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を出力する一致度出力ステップと、前記一致度情報と前記登録指紋画像の品質に応じた判定レベルとに基づいて、前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであるか否かを判定する照合判定ステップとを含む。
【0013】
上記の発明によれば、判定レベルは、登録指紋画像の品質に応じている。判定レベルは、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを判定するために用いられる。このため、さまざまな品質の指紋画像が照合に用いられても、その品質に応じた判定レベルで、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを判定することが可能となる。したがって、実際の指紋の品質と、判定レベルを設定するために用いられた指紋の品質との違いに起因する照合リトライおよび照合エラーが少なくなり、ユーザに煩わしい作業を強いることなく、かつ、簡単に指紋照合を行うことが可能となる。
【0014】
なお、前記登録指紋画像の品質を示す品質情報が受け付けられ、前記品質情報に応じて判定レベルが設定され、前記一致度情報が前記判定レベルを超えた場合に、前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであると判定することが望ましい。
【0015】
上記の発明によれば、指紋照合装置が常に品質情報を格納して管理する必要がなくなる。
【0016】
また、品質情報が示すユーザの指紋の品質が悪化するほど、判定レベルが下がることが望ましい。
【0017】
上記の発明によれば、品質に応じて、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを適確に判定することが可能となる。
【0018】
また、前記品質情報および前記登録指紋画像を記録している携帯記録媒体から、その品質情報およびその登録指紋画像が読み取られ、その読み取られた登録指紋画像が前記画像格納部に格納されることが望ましい。
【0019】
上記の発明によれば、品質情報と登録指紋画像とを共通の携帯記録媒体から読み取ることが可能になる。また、ユーザは、その携帯記録媒体を管理することで、品質情報を登録指紋画像と一緒に管理できる。
【0020】
また、携帯記録媒体は、ICカードであることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、さまざまな品質の指紋画像が照合に用いられても、その品質に応じた判定レベルで、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを判定することが可能となる。したがって、実際の指紋の品質と、判定レベルを設定するために用いられた指紋の品質との違いに起因する照合リトライおよび照合エラーが少なくなり、ユーザに煩わしい作業を強いることなく、かつ、簡単に指紋照合を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施例の指紋照合装置を示したブロック図である。
【0024】
図1において、指紋照合装置は、通信制御部1と、指紋データ入力・照合部2と、ICカード入出力制御部3と、記憶部4と、MPU5とを含む。
【0025】
通信制御部1は、外部機器(例えば、入力装置または上位機器)との通信を制御し、また、外部機器との接続を監視する。また、通信制御部1は、外部機器から提供された命令コマンドを解析する。
【0026】
指紋データ入力・照合部2は、指紋データの入力を制御し、その指紋データから特徴点を抽出する。また、指紋データ入力・照合部2は、入力した指紋データ(以下「入力指紋画像」と称する。)を、記憶部4が記憶する指紋データ(以下「登録指紋画像」と称する。)と照合する。
【0027】
ICカード入出力制御部3は、ICカード6に、登録指紋画像と、その登録指紋画像の品質を示す品質情報を記録する。また、ICカード入出力制御部3は、ICカード6から、登録指紋画像と品質情報とを読み取る。
【0028】
ICカード6は、携帯記録媒体の一例であり、登録指紋画像格納部61と、品質情報格納部62とを含む。登録指紋画像格納部61には登録指紋画像が記録され、品質情報格納部62には品質情報が記録される。
【0029】
記憶部4は、ICカード入出力制御部3が読み取った登録指紋画像を格納する。
【0030】
MPU5は、指紋照合装置の全ての処理をつかさどる。
【0031】
また、MPU5は、ICカード入出力制御部3が読み取った品質情報に応じて、判定レベルを設定する。この判定レベルは、照合のセキュリティ品質レベル(照合の厳密さを決定するパラメータ)であり、この判定レベルが低ければ、本人拒否率は下がるが他人許容率が上がる。MPU5は、品質情報が示す登録指紋画像の品質が悪化するほど、その判定レベルを下げる。このため、MPU5は、その品質情報に応じて判定レベルを変更する。
【0032】
本実施例では、MPU5は、0から100までの値を使って判定レベルを設定する。
【0033】
MPU5は、その判定レベルを、指紋データ入力・照合部2に登録する。
【0034】
図2は、指紋データ入力・照合部2の一例を示したブロック図である。なお、図2において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0035】
図2において、指紋データ入力・照合部2は、読取部21と、照合判定部25とを含む。照合判定部25は、照合部22と、レベル格納部23と、判定部24とを含む。
【0036】
読取部21は、指紋センサーであり、ユーザの指紋を読み取り、その読み取った指紋を示す入力指紋画像を照合部22に出力する。
【0037】
照合判定部25は、読取部21が出力した入力指紋画像を記憶部4が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を生成する。また、照合判定部25は、その一致度情報と登録指紋画像の品質に応じた判定レベルとに基づいて、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを判定する。
【0038】
照合部22は、読取部21が出力した入力指紋画像を受け付け、その入力指紋画像を、記憶部4が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を出力する。
【0039】
具体的には、照合部22は、読取部21から受け付けた入力指紋画像から特徴点(以下「入力特徴点」と称する。)を抽出する。
【0040】
照合部22は、記憶部4に格納されている登録指紋画像を読み取り、その読み取った登録指紋画像から特徴点(以下「登録特徴点」と称する。)を抽出する。
【0041】
照合部22は、その入力特徴点とその登録特徴点とを照合して、それらの一致度を示す一致度情報を出力する。例えば、照合部22は、全登録特徴点数に対する、入力特徴点に対応する登録特徴点数の割合を、一致度情報として出力する。
【0042】
本実施例では、照合部22は、入力特徴点に対応する登録特徴点の数を全登録特徴点の数で割り、その値に100を掛けた値を一致度情報として出力する。
【0043】
レベル格納部23は、MPU5によって設定された判定レベルを格納する。
【0044】
判定部24は、照合部22が出力した一致度情報が、レベル格納部23が格納している判定レベルを超えた場合に、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであると判定する。
【0045】
次に、動作の概要を説明する。
【0046】
本実施例では、被認証者がICカード6へ自分の指紋を登録するために外部機器を操作すると、指紋照合装置は、被認証者の指紋画像(登録指紋画像)とその指紋の品質情報とをICカード6に記録する。
【0047】
本人認証のために、ICカード入出力制御部がICカード6に記録された登録指紋画像および品質情報を読み取ると、MPU5は、その品質情報に基づき、その登録指紋画像にあった照合のセキュリティ品質レベル、具体的には判定レベルを算出する。
【0048】
また、本人認証のために、読取部21が被認証者の指紋を読み取って入力指紋画像を出力すると、照合部22は、その入力指紋画像を、ICカード6から読み取られた登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を出力する。
【0049】
判定部24は、照合部22が出力する一致度情報とその算出された判定レベルとに基づいて、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否か判定する。
【0050】
次に、動作を説明する。
【0051】
まず、ICカード6に登録指紋情報および品質情報を登録する動作を説明する。
【0052】
通信制御部1が、外部機器から指紋登録要求を受け付けると、指紋データ入力・照合部2は、被認証者の指紋を読み込み、その読み込んだ指紋を示す指紋画像に基づいて、その指紋の品質情報を算出する。
【0053】
例えば、照合部22が、複数の画素で構成された指紋画像を読取部21から受け付ける場合、照合部22は、その指紋画像中の最大画素出力と最小画素出力の差をとり、その値を画素出力階調(予め定めた最大画素出力差)で割り、その値に100を掛けた数値の小数点以下を切り捨てた値を品質情報とする。この場合、品質情報は0〜100までの値となり、指紋の品質が良いほど、品質情報の値は100に近くなる。
【0054】
指紋データ入力・照合部2が品質情報を算出すると、MPU5は、その品質情報と読取部21が受け付けた指紋画像とを、ICカード入出力制御部3を介してICカード6に書き込む。
【0055】
具体的には、MPU5は、ICカード入出力制御部3に、読取部21が受け付けた指紋画像を登録指紋画像としてICカード6の登録指紋画像格納部61を記録させる。また、MPU5は、ICカード入出力制御部3に、照合部22が算出した品質情報をICカード6の品質情報格納部62を記録させる。
【0056】
次に、指紋照合動作を説明する。
【0057】
図3は、指紋照合動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3を参照して指紋照合動作を説明する。
【0058】
ステップ31では、通信制御部1が外部機器から指紋照合要求を受け付けると、指紋データ入力・照合部2は、被認証者の指紋を読み込み、その読み込んだ指紋を示す入力指紋画像に基づいて、その指紋の特徴点(入力特徴点)を抽出する。
【0059】
具体的には、読取部21が被認証者の指紋を読み取り、その読み取った指紋を示す入力指紋画像を照合部22に出力する。照合部22は、読取部21から受け付けた入力指紋画像から入力特徴点を抽出する。
【0060】
ステップ31が終了すると、ICカード入出力制御部3はステップ32を実行する。
【0061】
ステップ32では、ICカード入出力制御部3は、ICカード6から登録指紋画像および品質情報を読み込む。ICカード入出力制御部3は、その読み込んだ登録指紋画像を記憶部4に格納し、その読み込んだ品質情報をMPU5に出力する。ステップ32が終了すると、MPU5は、ステップ33を実行する。
【0062】
ステップ33では、MPU5は、ICカード入出力制御部3が読み取った品質情報に応じて、判定レベルを算出する。
【0063】
例えば、MPU5は、品質情報が0から29に含まれる場合、判定レベルを15とし、品質情報が30から70に含まれる場合、判定レベルを50とし、品質情報が71から100に含まれる場合、判定レベルを85とする。この場合、品質情報の値が大きい指紋ほど、厳密な照合が行われる。なお、判定レベルが品質情報に応じて設定されれば、判定レベルの算出方法は、上記に限らず適宜変更可能である。
【0064】
MPU5は、その判定レベルを、指紋データ入力・照合部2(具体的には、レベル格納部23)に登録する。
【0065】
ステップ33が終了すると、指紋データ入力・照合部2はステップ34を実行する。
【0066】
ステップ34では、指紋データ入力・照合部2は、記憶部4に格納された登録指紋画像を読み込み、その読み込んだ登録指紋画像から特徴点(登録特徴点)を抽出する。指紋データ入力・照合部2は、入力特徴点と登録特徴点との一致度を算出し、その算出結果とMPU5が算出した判定レベルとに基づいて、入力指紋画像が登録指紋画像と一致しているか判定する。
【0067】
具体的には、照合部22は、記憶部4に格納されている登録指紋画像を読み取り、その読み取った登録指紋画像から登録特徴点を抽出する。照合部22は、ステップ31で抽出した入力特徴点とその登録特徴点とを照合して、それらの一致度を示す一致度情報を出力する。
【0068】
判定部24は、照合部22が出力した一致度情報が、レベル格納部23が格納している判定レベルを超えた場合に、入力指紋画像が登録指紋画像と同じである(指紋認証OK)と判定し、照合部22が出力した一致度情報が、レベル格納部23が格納している判定レベル以下の場合に、入力指紋画像は登録指紋画像と異なる(指紋認証NG)と判定する。
【0069】
本実施例によれば、以下の効果を奏する。
【0070】
指紋が個人ごとに異なるように、指の状態も個人ごとに異なる。例えば、平均より特徴点が少ない指紋を有する指、汗をかきやすい人の湿潤指、また、乾燥肌の人の乾燥指などがある。
【0071】
このため、平均的な指の状態に合わせた認証レベル(判定レベル)で指紋認証が行われる状況下で、平均より特徴点が少ない指紋を有する指、湿潤指、または、乾燥指から読み取った指紋が照合に使用されると、認証エラーになる可能性が高くなる。
【0072】
これでは、非常に高いセキュリティを要求されるシーンは別にして実用上使えない。
【0073】
本実施例では、あらかじめ指紋が登録される際に、指紋画像と、指の状態に応じた指紋の品質レベルとをICカード6に保存しておき、指紋認証時に、ICカード6に保存した指紋の品質レベルにあった認証レベル(判定レベル)にて照合を行う。このため、通常品質の指紋、特徴点の少ない指紋、湿指紋、乾燥指紋なども、認証リトライや認証エラーにならないように、できるだけ効率よく指紋照合が行える。
【0074】
換言すると、本実施例では、判定レベルは、登録指紋画像の品質に応じている。このため、さまざまな品質の指紋画像が照合に用いられても、その品質に応じた判定レベルで、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを判定することが可能となる。
【0075】
したがって、実際の指紋の品質と、判定レベルを設定するために用いられた指紋の品質との違いに起因する照合リトライおよび照合エラーが少なくなり、ユーザに煩わしい作業を強いることなく、簡単に指紋照合を行うことが可能になる。
【0076】
また、本実施例では、登録指紋画像の品質を示す品質情報が受け付けられ、その品質情報に応じて判定レベルが設定され、照合部22が算出した一致度情報がその判定レベルを超えた場合に、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであると判定する。この場合、指紋照合装置が常に品質情報を格納して管理する必要がなくなる。
【0077】
また、本実施例では、品質情報が示すユーザの指紋の品質が悪化するほど、判定レベルが下がる。このため、品質に応じて、入力指紋画像が登録指紋画像と同じであるか否かを適確に判定することが可能となる。
【0078】
また、本実施例では、品質情報および登録指紋画像を記録しているICカード6(携帯記録媒体)から、その品質情報およびその登録指紋画像が読み取られ、その読み取られた登録指紋画像が記憶部4に格納される。このため、品質情報と登録指紋画像とを共通のICカード6から読み取ることが可能になる。また、ユーザは、ICカード6を管理することで、品質情報を登録指紋画像と一緒に管理できる。
【0079】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0080】
例えば、品質情報の算出の仕方は、上記に限らず適宜変更可能である。例えば、照合部22が、読取部21から受け付けた入力指紋画像から指紋の特徴点(例えば、指紋隆線の分岐点)を抽出し、その抽出した特徴点の数を品質情報としてもよい。この場合、指紋の品質が良いほど、品質情報の値(特徴点の数)は大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施例の指紋照合装置を示したブロック図である。
【図2】指紋データ入力・照合部の一例を示したブロック図である。
【図3】指紋照合装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 通信制御部
2 指紋データ入力・照合部
21 読取部
22 照合部
23 レベル格納部
24 判定部
25 照合判定部
3 ICカード入出力制御部
4 記憶部
5 MPU
6 ICカード
61 登録指紋情報格納部
62 品質情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指紋を読み取り、その読み取った指紋を示す入力指紋画像を出力する読取部と、
予め登録されている登録指紋画像を格納する画像格納部と、
前記読取部が出力した入力指紋画像を前記画像格納部が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を生成し、その一致度情報と前記登録指紋画像の品質に応じた判定レベルとに基づいて前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであるか否かを判定する照合判定部と、を含む指紋照合装置。
【請求項2】
請求項1記載の指紋照合装置において、
前記登録指紋画像の品質を示す品質情報を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた品質情報に応じて前記判定レベルを設定する設定部と、を具備し、
前記照合判定部は、
前記読取部が出力した入力指紋画像を前記画像格納部が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を出力する照合部と、
前記照合部が出力した一致度情報が、前記設定部が設定した判定レベルを超えた場合に、前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであると判定する判定部と、を含む指紋照合装置。
【請求項3】
請求項2に記載の指紋照合装置において、
前記設定部は、前記品質情報が示す登録指紋画像の品質が悪化するほど、前記判定レベルを下げる、指紋照合装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の指紋照合装置において、
前記入力部は、前記品質情報および前記登録指紋画像を記録している携帯記録媒体から前記品質情報および前記登録指紋画像を読み取り、
前記画像格納部は、前記入力部が読み取った登録指紋画像を格納する、指紋照合装置。
【請求項5】
請求項4に記載の指紋照合装置において、
前記携帯記録媒体は、ICカードである、指紋照合装置。
【請求項6】
予め登録されている登録指紋画像を格納する画像格納部を含む指紋照合装置が行う指紋照合方法であって、
ユーザの指紋を読み取り、その読み取った指紋を示す入力指紋画像を出力する読取ステップと、
前記入力指紋画像を前記画像格納部が格納している登録指紋画像と照合してそれらの一致度を示す一致度情報を出力する一致度出力ステップと、
前記一致度情報と前記登録指紋画像の品質に応じた判定レベルとに基づいて、前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであるか否かを判定する照合判定ステップと、を含む指紋照合方法。
【請求項7】
請求項6に記載の指紋照合方法において、
前記登録指紋画像の品質を示す品質情報を受け付ける受付ステップと、
前記品質情報に応じて判定レベルを設定する設定ステップと、をさらに含み、
前記照合判定ステップは、前記一致度情報が前記判定レベルを超えた場合に、前記入力指紋画像が前記登録指紋画像と同じであると判定することを含む、指紋照合方法。
【請求項8】
請求項7に記載の指紋照合方法において、
前記設定ステップは、前記品質情報が示す登録指紋画像の品質が悪化するほど、前記判定レベルを下げることを含む、指紋照合方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の指紋照合方法において、
前記受付ステップは、前記品質情報および前記登録指紋画像を記録している携帯記録媒体から前記品質情報および前記登録指紋画像を読み取ることを含み、
前記入力ステップで読み取った登録指紋画像を前記画像格納部に格納する格納ステップをさらに含む、指紋照合方法。
【請求項10】
請求項9に記載の指紋照合方法において、
前記携帯記録媒体は、ICカードである、指紋照合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−133979(P2006−133979A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320811(P2004−320811)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】