説明

振り分け装置

【課題】 使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの構成部材である複数の不織布が重ねられたシート状のワークが高速で搬送されている場合でも、品質良否などに基づいて当該ワークをより確実かつ円滑に振り分ける。
【解決手段】
ベルトコンベヤー10は、ガイド部材100F及びガイド部材100Rを備える。ガイド部材100F及びガイド部材100Rは、無端ベルト13Aと無端ベルト13Bとの間に配設されている。ベルトコンベヤー10は、サクションボックス81と、ブロワー91とを有し、無端ベルト13A,13Bの表面、すなわち、ワーク保持面である搬送面10Aを介して空気を吸引することができる。また、ワーク保持面である搬送面10Aを介して空気を吸引することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の不織布が重ねられたシート状のワークを所定の搬送先に振り分ける振り分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の製造過程では、一定の間隔で順次搬送されてくるシート状のワークを所定の搬送先に振り分ける振り分け装置が広く用いられている。例えば、特許文献1に記載されている振り分け装置では、コンベヤーで順次搬送されてきたワーク(感光剤が塗布されたプレート)の搬送先を、ワークの品質良否などに応じて振り分けるフラップが用いられている。
【0003】
このフラップは、三角錐のボックス状であり、その頂点が上流側に位置した状態でコンベヤーの途中に設けられている。ワークは、通常フラップの上面を通過する。一方、ワークが品質不良などと判定された場合、フラップは、その下流側部分を基点として上方に回動する。フラップが上方に回動すると、搬送されてきたワークは、フラップの下面と当接し、フラップの下方に形成された別のコンベヤーに振り分けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−89003号公報(第3−4頁、第2,4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの構成部材である複数の不織布が重ねられたワークの振り分けに上述したようなフラップを備える振り分け装置を利用すると、うまく振り分けられない問題が生じる。
【0006】
具体的には、高速で搬送されているワークをフラップの下方に形成された別のコンベヤーに振り分ける際、フラップが上方に回動しているため、ワークの先端は、コンベヤーから一度離れた後、フラップの下面に衝突するように当接する。軟質なワークは、高速でフラップの下面に衝突すると簡単に折れ曲がり易い。このため、ワークが振り分け装置を通過できずに詰まってしまう問題が生じ易い。
【0007】
また、フラップの下方、つまり、搬送先の振り分け部分には、搬送元のコンベヤーと搬送先のコンベヤーとの間に一定の空隙が設けられている。このため、ワークの先端が当該空間に入り込み、詰まってしまう問題も生じ易い。
【0008】
そこで、本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの構成部材である複数の不織布が重ねられたシート状のワークが高速で搬送されている場合でも、品質良否などに基づいて当該ワークをより確実かつ円滑に振り分けることができる振り分け装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、複数の不織布が重ねられたシート状のワーク(ワークW)を、第1搬送路(搬送路R1)から第2搬送路(搬送路R2)または第3搬送路(搬送路R3,搬送路R4)に振り分ける振り分け装置(振り分け装置1)であって、前記ワークの一方の面と当接し、前記ワークを保持しつつ前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送するワーク保持面(搬送面10A,搬送面20A,搬送面30A)を有するコンベヤー機構(ベルトコンベヤー10,ベルトコンベヤー20,ベルトコンベヤー30)と、前記コンベヤー機構によって前記第1搬送路から搬送されてきた前記ワークを前記第3搬送路に乗り換えさせる乗り換え機構(ガイド部材100F,ガイド部材100R,回動支持部110F,回動支持部110R)とを備え、前記第3搬送路は、前記第1搬送路と前記第2搬送路との間から分岐し、前記コンベヤー機構は、前記第1搬送路から前記第2搬送路に渡って連続して設けられ、前記乗り換え機構は、前記コンベヤー機構によって保持しつつ搬送されている前記ワークを前記ワーク保持面から前記第3搬送路に向けて押し出すことによって、前記ワークを前記第3搬送路に乗り換えさせることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の特徴によれば、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの構成部材である複数の不織布が重ねられたシート状のワークが高速で搬送されている場合でも、品質良否などに基づいて当該ワークをより確実かつ円滑に振り分けることができる振り分け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る振り分け装置1を搬送方向MDに直交する直交方向からみた側面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る振り分け装置1の斜視図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る振り分け装置1の無端ベルト13A,13Bのワーク保持面側からみた平面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る振り分け装置1のガイド部材100F,100Rの周辺を拡大して示す拡大側面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る振り分け装置1がワークWを振り分けるタイミングを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る振り分け装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0013】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0014】
(実施形態)
本発明の実施形態に係る振り分け装置1の概略について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る振り分け装置1を搬送方向MDに直交する直交方向からみた側面図である。
【0016】
振り分け装置1は、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの構成要件である複数の不織布が重ねられたシート状のワークWを保持しつつ、製造工程に沿って複数の搬送路に振り分ける。
【0017】
振り分け装置1は、ワークWの一方の面と当接し、ワークWを保持しつつ搬送するベルトコンベヤー10と、ベルトコンベヤー20と、ベルトコンベヤー30とを有する。
【0018】
ベルトコンベヤー10は、搬送方向MDの上流側に配設されるロール11と、下流側に配設されるロール12と、ロール11,12に巻回される無端ベルト13を有する。無端ベルト13には、図示しないが複数の貫通孔が形成されている。
【0019】
ロール11,12は、ロール11,12の回動軸が搬送方向MDに直交する直交方向CDに平行になるように配設されている。ロール11の回動軸とロール12の回動軸とを結ぶ仮想線が搬送方向MDに略平行になるように配設されている。無端ベルト13の表面は、ワークWの一方の面と当接し、ワークWを保持しつつ搬送する搬送面10Aを構成する。搬送面10Aは、ワーク保持面を構成する。
【0020】
ベルトコンベヤー10は、ロール11,12に巻回された無端ベルト13の内側に、無端ベルト13の貫通孔から外気を吸引するサクションボックス81を備える。これにより、ベルトコンベヤー10は、ワークWを搬送面10Aに吸着しながら搬送することができる。また、ベルトコンベヤー10は、ロール11,12に巻回された無端ベルト13の内側に、無端ベルト13の貫通孔からワークWに向けて空気を送り出すブロワー91を備える。ベルトコンベヤー10の詳細は、後述する。
【0021】
ベルトコンベヤー20は、搬送方向MDの上流側に配設されるロール21と、下流側に配設されるロール23と、ロール21とロール23との間に配設されるロール22と、ロール21,22,23に巻回される無端ベルト25とを有する。無端ベルト25には、図示しないが複数の貫通孔が形成されている。
【0022】
ロール21〜23は、ロール21〜23の回動軸が直交方向CDに平行になるように配設されている。ロール21の回動軸とロール22の回動軸とを結ぶ仮想線L20aと、ロール22の回動軸とロール23の回動軸とを結ぶ仮想線L20bとは交差する。
【0023】
すなわち、ロール23は、搬送方向MDにおいて、ロール21及びロール22とずれた位置に配設されている。これにより、ベルトコンベヤー20の無端ベルト25の搬送面は屈曲している。ベルトコンベヤー20の搬送方向MDの上流側において、ベルトコンベヤー10の搬送面10Aに平行な搬送面20Aが形成され、下流側において、ベルトコンベヤー10の搬送面10Aから離れる方向に延びた搬送面20Bが形成される。搬送面20A及び搬送面20Bは、ワーク保持面を構成する。
【0024】
ベルトコンベヤー20は、ロール21,22,23に巻回された無端ベルト25の内側に、無端ベルト25の貫通孔から外気を吸引するサクションボックス82を備える。これにより、ベルトコンベヤー20は、ワークWを搬送面20Aに吸着しながら搬送することができる。
【0025】
ベルトコンベヤー30は、ロール31と、ロール32と、ロール31とロール33とに巻回される無端ベルト33とを有する。ロール31,32の互いの位置関係は、ベルトコンベヤー10と、ベルトコンベヤー20と同様である。無端ベルト33の表面は、ワークWの一方の面と当接し、ワークWを保持しつつ搬送する搬送面30Aを構成する。搬送面30Aは、ワーク保持面を構成する。
【0026】
ベルトコンベヤー30は、ベルトコンベヤー20よりも搬送方向MDの下流側に所定間隔をあけて、搬送面20Aと搬送面30Aとが略同一平面上になるように配設される。
【0027】
ベルトコンベヤー20とベルトコンベヤー30との間には、ベルトコンベヤー10の搬送面10Aから離れる方向に延びる搬送面60Aを有するベルトコンベヤー60が配設されている。
【0028】
ベルトコンベヤー60は、ロール61と、ロール62と、ロール63とを備える。ロール61,62,63には、無端ベルト64が巻回されている。無端ベルト64には、図示しないが複数の貫通孔が形成されている。無端ベルト64の表面は、ワークWの一方の面と当接し、ワークWを保持しつつ搬送する搬送面60A構成する。搬送面60Aは、ワーク保持面を構成する。
【0029】
ベルトコンベヤー60は、ロール61,62,63に巻回された無端ベルト64の内側に、無端ベルト64の貫通孔から外気を吸引するサクションボックス83を備える。これにより、ベルトコンベヤー60は、ワークWを搬送面60Aに吸着しながら搬送することができる。
【0030】
ベルトコンベヤー60の搬送面60Aに対向する位置には、ベルトコンベアー70が配設されている。ベルトコンベアー70は、ロール71と、ロール22と、ロール73とを備える。ロール71,72,73には、無端ベルト74が巻回されている。無端ベルト74の表面は、ワークWの一方の面と当接し、ワークWを保持しつつ搬送する搬送面70Aを構成する。搬送面70Aは、ワーク保持面を構成する。
【0031】
本実施形態において、ベルトコンベヤー10と、ベルトコンベヤー20と、ベルトコンベヤー30は、コンベヤー機構を構成する。また、本実施形態において、ベルトコンベヤー60及びベルトコンベアー70は、副コンベヤー機構を構成する。
【0032】
ベルトコンベヤー10の搬送面10A及びベルトコンベヤー20の搬送面20Aは、搬送路R1を構成する。また、ベルトコンベヤー10の搬送面10A及びベルトコンベヤー30の搬送面30Aは、搬送路R2を構成する。本実施形態では、ワークWが搬送路R1から搬送路R2へと搬送される方向を搬送方向MDとしている。搬送面20Bは、搬送方向MD1に延びる搬送路R3を構成する。搬送面60A及び搬送面70Aは、搬送方向MD2に延びる搬送路R4を構成する。
【0033】
本実施形態において、搬送路R1は、第1搬送路に相当する。搬送路R2は、第2搬送路に相当する。搬送路R3及び搬送路R4は、第3搬送路を構成する。
【0034】
振り分け装置1は、ベルトコンベヤー10よりも搬送方向MDの上流側、かつ、ベルトコンベヤー20の搬送面20Aに対向する位置に、ベルトコンベヤー40を有していてもよい。ベルトコンベヤー40は、搬送方向MDの上流側に配設される図示しないロールと、下流側に配設されるロール41と、ロールとロール41とに巻回される無端ベルト42とを有する。
【0035】
また、振り分け装置1は、ベルトコンベヤー10よりも搬送方向MDの下流側、かつ、ベルトコンベヤー30の搬送面30Aに対向する位置に、ベルトコンベヤー50を有していてもよい。ベルトコンベヤー50は、搬送方向MDの上流側に配設されるロール51と、下流側に配設されるロール52と、ロール51とロール52とに巻回される無端ベルト53とを有する。
【0036】
次に、ベルトコンベヤー10の構成について、具体的に説明する。図2は、本実施形態に係る振り分け装置1の斜視図である。図3は、本実施形態に係る振り分け装置1の無端ベルト13の一部を切り欠いて、ワーク保持面側からみた平面図である。図4は、本実施形態に係る振り分け装置1のガイド部材100F,ガイド部材100Rの周辺を拡大して示す拡大側面図である。
【0037】
無端ベルト13は、無端ベルト13A,13Bとを有する。無端ベルト13A,13Bは、互いに所定間隔dを開けて、搬送方向MDに直交する直交方向CDに沿って並列に配設されている。
【0038】
ベルトコンベヤー10は、ガイド部材100F及びガイド部材100Rを備える。ガイド部材100F及びガイド部材100Rは、搬送方向MDに対する直交方向CDにわたってワークWを保持するワーク保持部としての無端ベルト13Aと無端ベルト13Bよりも中央寄りに配設されている。すなわち、無端ベルト13Aと無端ベルト13Bとの間に配設されている。
【0039】
ガイド部材100Fには、回動支持部110Fが連結されている。ガイド部材100Rには、回動支持部110Rが連結されている。回動支持部110F、回動支持部110Rは、ガイド部材100F、ガイド部材100Rの上流側端部100Fa、100Raを回動可能に支持している。回動支持部110F、回動支持部110Rによって回動されることにより、ガイド部材100F及びガイド部材100Rは、ワーク保持面である搬送面10Aよりも無端ベルト13A,13Bの内側に納められた状態から搬送路R3又は搬送路R4に向けて突出可能になっている。ガイド部材100F及びガイド部材100Rは、搬送路R3又は搬送路R4に向けて突出されることにより、ワーク保持面である搬送面10Aに保持されつつ搬送されているワークWを搬送路R3又は搬送路R4に乗り換えさせる。
【0040】
本実施形態において、ガイド部材100F、ガイド部材100R、回動支持部110F、及び回動支持部110Rは、ワークWを搬送路R1から搬送路R2へ、或いは搬送路R1から搬送路R3又は搬送路R4へ乗り換えさせる乗り換え機構を構成する。
【0041】
ベルトコンベヤー10は、サクションボックス81と、ブロワー91とを有する。サクションボックス81の無端ベルト13A,13B側の一面には、複数の吸引孔81cが形成されている。サクションボックス81には、サクションボックス81の内部の空気を吸引する吸引ポンプ(不図示)に連通された吸引管81a、吸引管81bが連結されている。これにより、ベルトコンベヤー10は、無端ベルト13A,13Bの表面、すなわち、ワーク保持面である搬送面10Aを介して空気を吸引することができる。
【0042】
ブロワー91は、サクションボックス81の内部に配設されている。ブロワー91及びサクションボックス81の無端ベルト13A,13B側の一部には、送風孔94FA、送風孔94RA、送風孔94FB、送風孔94RBが形成されている。具体的には、各送風孔は、ワーク保持面である搬送面10Aよりも無端ベルト13A,13Bの内側に納められた状態のガイド部材100F及びガイド部材100Rに対応する位置に形成される。ブロワー91には、外部に設けられた送風機(不図示)から空気を取り入れる送風管92FA、送風管92FB、送風管92RA、送風管92RBが連結されている。
【0043】
ブロワー91の送風の勢いは、サクションボックス81の内部の空気を吸引する吸引力に勝るように設定されている。このためブロワー91は、サクションボックス81の内部に配設されているが、無端ベルト13A,13Bの表面、すなわち、ワーク保持面である搬送面10Aから搬送路R3又は搬送路R4に向けて送風することができる。
【0044】
図5は、本実施形態に係る振り分け装置1がワークWを振り分けるタイミングを説明する説明図である。図5には、等間隔の時刻t1〜t5におけるガイド部材100Rの動きとワークWの位置とが示されている。本実施形態では、搬送されるワークWの搬送方向下流側に位置する下流側端部Weが少なくともワーク保持面である搬送面10A、又はベルトコンベヤー60のワークWとの当接面の何れか一方に当接した状態で、ワークWを搬送面60A(すなわち搬送路R4)に乗り換えさせるように設定されている(時刻t2参照)。
【0045】
ガイド部材100Rは、最初のワークWを搬送面60A(搬送路R4)に乗り換えさせた後、ワーク間ピッチP1で搬送される次のワークWの下流側端部Weがベルトコンベヤー60に当接するまでの間に初期位置に戻るように設定される(時刻t4,t5参照)。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る振り分け装置1によれば、乗り換え機構に相当するガイド部材100F及びガイド部材100Rがワーク保持面である搬送面10Aよりも無端ベルト13A,13Bの内側に納められた状態から搬送路R3又は搬送路R4に向けて突出されることにより、搬送されるワークWの端部がガイド部材100F又はガイド部材100Rに衝突することにより方向が変えられるのではなく、搬送面10Aに保持されつつ搬送されているワークWを搬送路R3又は搬送路R4に向けて押し出すことによって、ワークWを搬送路R3又は搬送路R4に乗り換えさせる。
【0047】
これにより、ワークWの端部は、ガイド部材100F又はガイド部材100Rに沿って、移動するため、ワークWが柔軟な資材から構成されていても、振り分け時にガイドに衝突することによる折れ曲がりが起こることがなく、振り分け装置を通過できずに詰まってしまうなどの不具合の発生も低減することができる。また、正確かつ円滑に振り分けることができる。
【0048】
また、乗り換え機構を構成するガイド部材100F及びガイド部材100Rは、搬送方向MDに対する直交方向CDにわたってワークWを保持するワーク保持部としての無端ベルト13Aと無端ベルト13Bよりも中央寄りに配設されている。ガイド部材100F及びガイド部材100Rは、ワークWの中央に対応する領域、すなわち、複数の不織布が重ねられた領域のうち剛性の高い部分に当接するため、確実にワークWを押し出すことができる。例えば、公知の使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収体部が好ましい。
【0049】
本実施形態に係る振り分け装置1は、ワーク保持面である搬送面10Aから搬送路R3又は搬送路R4に向けて突出可能なガイド部材100F及びガイド部材100Rと、ガイド部材100F及びガイド部材100Rの上流側端部100Fa、100Raを回動可能に支持し、ガイド部材100F及びガイド部材100Rを回動させる回動支持部110F及び回動支持部110Rを有する。
【0050】
このような機構を有することにより、本実施形態では、ガイド部材100F及びガイド部材100Rを軽量化することができ、ガイド部材100F、ガイド部材100Rを応答性よく動作させることができる。このため、ワークWの搬送速度が高速化しても、振り分け時にガイドに衝突することによる折れ曲がりや、ワークWの遅れが起こることがなく、振り分けを確実に行うことができる。
【0051】
本実施形態は、搬送路R3においてワークWを搬送するベルトコンベヤー60を備え、少なくともガイド部材100Rの一部は、ベルトコンベヤー60とワークWとの当接面と対向するように設けられているため、ガイド部材100Rとベルトコンベヤー60とが連続するため、ワークWの搬送方向下流側に位置する下流側端部Weが捲れたり、折れ曲がったりすることがない。
【0052】
ベルトコンベヤー10には、ブロワー91が設けられており、ワーク保持面である搬送面10Aよりも無端ベルト13A,13Bの内側に納められた状態のガイド部材100F及びガイド部材100Rに対応する位置に形成された送風孔94FA、送風孔94RA、送風孔94FB、送風孔94RBから搬送路R3又は搬送路R4に向けて送風される。
【0053】
従って、本実施形態に係る振り分け装置1によれば、搬送面10Aに保持されつつ搬送されているワークWがガイド部材100F又はガイド部材100Rの位置に差し掛かったタイミングで、ガイド部材100F又はガイド部材100Rが搬送路R3又は搬送路R4に向けて押し出されるとともに、搬送路R3又は搬送路R4に向けて送風するため、搬送面10Aから搬送路R3又は搬送路R4への乗り換えを円滑に行うことができる。
【0054】
本実施形態では、ベルトコンベヤー10は、無端ベルト13A,13Bの内側に、無端ベルト13A,13Bを介して外気を吸引するサクションボックス81を備える。これにより、図1に示すように、ワークWの一方の面に当接した状態で確実に搬送できるため、乗り換え機構(ガイド部材100F又はガイド部材100R)を連続して配置することができ、設備設計の自由度が増す。
【0055】
本実施形態では、ベルトコンベヤー60は、無端ベルト64の内側にサクションボックス83を備えるため、振り分け後においても、ワークWを確実に保持しながら搬送することができる。また、サクションボックス83により空気が清流されて、前記の各送風孔から送風された空気がベルトコンベア60で反射され難く、より確実にワークをベルトコンベア60へ搬送することができる。
【0056】
ワークWの下流側端部Weが少なくともワーク保持面である搬送面10Aまたはベルトコンベヤー60のワークWとの当接面(搬送面60A)の何れか一方に当接した状態で、ワークWが搬送路R4に乗り換えさせられるため、搬送路R4からワークWが浮き上がることがなく、振り分け後においても、ワークWを確実に保持しながら搬送することができる。
【0057】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0058】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。無端ベルト13A、13Bは、貫通孔が形成されていると説明したが、メッシュ構造等、通気性を有する構造であってもよい。
【0059】
本実施形態では、ガイド部材100F及びガイド部材100Rの形状は、板状であることを図示しているが、ガイド部材100F及びガイド部材100Rの形状は限定されない。円筒状、棒状などであってもよい。
【0060】
また、本実施形態では、振り分け先として、搬送路R3と搬送路R4とが用意されている場合について説明した。しかし、振り分け先は、一つであってもよい。また、搬送路R3、搬送路R4など、振り分け先の搬送路の構成(例えば、ベルトコンベヤー60及びベルトコンベアー70)は、本実施形態に限定されない。
【0061】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0062】
1…振り分け装置、 10…ベルトコンベヤー、 10A…搬送面、 11,12…ロール、 13…無端ベルト、 13A,13B…無端ベルト、 20…ベルトコンベヤー、 20A…搬送面、 20B…搬送面、 21,22,23…ロール、 25…無端ベルト、 30…ベルトコンベヤー、 30A…搬送面、 31,32…ロール、 33…無端ベルト、 40…ベルトコンベヤー、 41…ロール、 42…無端ベルト、 50…ベルトコンベヤー、 51,52…ロール、 53…無端ベルト、 60…ベルトコンベヤー、 60A…搬送面、 61,62,63…ロール、 64…無端ベルト、 70…ベルトコンベアー、 70A…搬送面、 71,72,73…ロール、 74…無端ベルト、 81…サクションボックス、 81a…吸引管、 81b…吸引管、 81c…吸引孔、 82…サクションボックス 83…サクションボックス
91…ブロワー、 92FA,92FB,92RA,92RB…送風管、 94FA,94FB,94RA,94RB…送風孔、 100F,100R…ガイド部材、 100Fa…上流側端部、 110F…回動支持部、 110R…回動支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不織布が重ねられたシート状のワークを、第1搬送路から第2搬送路または第3搬送路に振り分ける振り分け装置であって、
前記ワークの一方の面と当接し、前記ワークを保持しつつ前記第1搬送路から前記第2搬送路に搬送するワーク保持面を有するコンベヤー機構と、
前記コンベヤー機構によって前記第1搬送路から搬送されてきた前記ワークを前記第3搬送路に乗り換えさせる乗り換え機構と
を備え、
前記第3搬送路は、前記第1搬送路と前記第2搬送路との間から分岐し、
前記コンベヤー機構は、前記第1搬送路から前記第2搬送路に渡って連続して設けられ、
前記乗り換え機構は、前記コンベヤー機構によって保持しつつ搬送されている前記ワークを前記ワーク保持面から前記第3搬送路に向けて押し出すことによって、前記ワークを前記第3搬送路に乗り換えさせる振り分け装置。
【請求項2】
前記乗り換え機構は、前記ワークの搬送方向に対する直交方向において、前記ワークを保持するワーク保持部よりも中央寄りに設けられる請求項1に記載の振り分け装置。
【請求項3】
前記乗り換え機構は、
前記ワーク保持面から前記第3搬送路に向けて突出可能なガイド部材と、
前記ガイド部材の上流側端部を回動可能に支持し、前記ガイド部材を回動させる回動支持部と
を含む請求項1または2に記載の振り分け装置。
【請求項4】
前記ワークを前記第3搬送路において搬送する副コンベヤー機構を備え、
少なくとも前記ガイド部材の一部は、前記副コンベヤー機構の前記ワークとの当接面と対向するように設けられる請求項3に記載の振り分け装置。
【請求項5】
前記乗り換え機構は、前記ワーク保持面から前記第3搬送路に向けて送風する送風部を含む請求項1乃至4の何れか一項に記載の振り分け装置。
【請求項6】
前記コンベヤー機構は、前記ワーク保持面を介して空気を吸引する請求項1乃至5の何れか一項に記載の振り分け装置。
【請求項7】
前記副コンベヤー機構は、前記ワークとの当接面を介して空気を吸引する請求項4乃至6の何れか一項に記載の振り分け装置。
【請求項8】
前記乗り換え機構は、前記ワークの搬送方向下流側に位置する下流側端部が少なくとも前記ワーク保持面または前記副コンベヤー機構の前記ワークとの当接面の何れか一方に当接した状態で、前記ワークを前記第3搬送路に乗り換えさせる請求項1乃至7の何れか一項に記載の振り分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−140392(P2011−140392A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3435(P2010−3435)
【出願日】平成22年1月9日(2010.1.9)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】