振出容器
【課題】容器の密閉性を確保しつつ、回転蓋の動作性の向上を図る。
【解決手段】紙管1の上部開口部1aには、固定穴2bを有する固定蓋2を固定する。固定蓋2の上部には、回転穴3bを有する回転蓋3を回転自在に取り付ける。固定蓋2側壁部には突起部5を設け、回転蓋3側壁部には二重壁部6を設ける。二重壁部6の壁の間に突起部5を嵌め込むことで回転蓋3と固定蓋2とを密着させる。ユーザーが回転蓋3の側壁部3cを握って回転蓋3を回転させることができるので、回転蓋3に対し上方から押圧力がかからず、回転蓋3がスムーズに回転する。
【解決手段】紙管1の上部開口部1aには、固定穴2bを有する固定蓋2を固定する。固定蓋2の上部には、回転穴3bを有する回転蓋3を回転自在に取り付ける。固定蓋2側壁部には突起部5を設け、回転蓋3側壁部には二重壁部6を設ける。二重壁部6の壁の間に突起部5を嵌め込むことで回転蓋3と固定蓋2とを密着させる。ユーザーが回転蓋3の側壁部3cを握って回転蓋3を回転させることができるので、回転蓋3に対し上方から押圧力がかからず、回転蓋3がスムーズに回転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋部分に改良を加えた振出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器を傾けることで振出口から内部の粉粒体を振り出す振出容器が提案されている。ここで振出容器の従来例について、図12を用いて説明する。図12に示すように、振出容器には円筒形状の紙筒によって構成された紙管30が設けられている。紙管30は振出容器の胴部材であり、粉粒体を収容している。紙管30の上下端部には開口部が形成されている。
【0003】
紙管30の上下の開口部には、上蓋31および下蓋33が取り付けられている。上蓋31には半円形の排出穴31aが形成されている。また、上蓋31の上面には、前記排出穴31aを塞ぐように円板状の回転蓋32が取り付けられている。一般的に、上蓋31は合成樹脂またはアルミニウム、硬質紙等で形成されている。下蓋33は紙管30の剛性を保持するために合成樹脂またはアルミニウム等の金属等から形成されている。回転蓋32は合成樹脂から形成されている。
【0004】
回転蓋32は中心部に嵌合軸34が設置されており、この嵌合軸34を中心に回転するようになっている。回転蓋32には半円形の振出穴32aが形成されている。振出穴32aは上蓋31側の排出穴31aとほぼ同一形状である。さらに、回転蓋32には円板の半径方向に沿ってリブ状の突起32bが2つ設けられている。
【0005】
以上のような振出容器では、ユーザーが紙管30を握り、突起32bを指でつまみ嵌合軸34を中心に回転蓋32を回転させることにより、上蓋31側の排出穴31aと回転蓋32の振出穴32aの開口部分を重ねて連通させる。そして、ユーザーが紙管30を持って傾け、粉粒体を振出穴32aから振り出すことができる。
【0006】
ところで、上記振出容器が収容する粉粒体としては、薬品や化粧品、食品などがある。したがって、振出容器には粉粒体の品質を維持することが要求されている。このため、振出容器は高い密閉性を備えなくてはならない。そこで図12に示した振出容器では、嵌合軸34によって回転蓋32を上蓋31にきつく取り付け、回転蓋32を上蓋31の排出穴31aに密着させ、密閉性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−70951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の振出容器には、次のような課題が指摘されている。すなわち、振出穴32aを開けるとき、ユーザーは指で突起32bをつまみ、回転蓋32を上から押さえるようにして、回転蓋32を回転させる。このとき、回転蓋32には押圧力がかかるため、回転蓋32と上蓋31との摩擦力は強くなる。
【0009】
したがって、回転蓋32を回転させるときの摺動圧が増大した。その結果、回転蓋32を回すために強い力が必要となり、回転蓋32を回し難くなっていた。特にユーザーの爪が伸びている場合などは突起32bがつまみづらく、回転蓋32を回転させる困難さが増していた。
【0010】
このように、振出容器では、回転蓋を上から押さえて回転させると、回転蓋と上蓋との摩擦力が強まり、回転蓋の摺動圧が増大した。その結果、回転蓋を軽く回すことができず、使い勝手が悪かった。また近年では、振出容器に収容される粉粒体は多様化しており、粒子の細かい粉粒体も多数存在する。粒子の細かい粉粒体の振出量を調整するには上蓋の排出穴と回転蓋の振出穴との連通部分を小さくする方が望ましい。そのため、回転蓋を微妙に回さなくてはならないことがある。したがって、粒子の細かい粉粒体を収容した振出容器では、回転蓋の動作性を高めることが強く要請されている。
【0011】
本発明は、上記の問題を解消するために提案されたものであり、その目的は、容器の密閉性を維持しつつ、回転蓋の動作性を高めた振出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の振出容器は、次の(a)〜(g)を有することを特徴とする。
(a)上部に開口部が設けられた胴部材。
(b)前記胴部材の前記開口部に装着され、前記開口部を閉塞する蓋面と、当該蓋面の周囲に設置された側壁部とを備えた固定蓋。
(c)前記固定蓋の側壁部に取り付けられる側壁部を備え、前記固定蓋の蓋面に接しながら回転する回転蓋。
(d)前記固定蓋の蓋面に形成された固定穴。
(e)前記回転蓋に形成され、前記固定穴と重なることで連通する回転穴。
(f)前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のいずれか一方に設けられ、向かい合う外壁部および内壁部からなる二重壁部。
(g)前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のうちの他方に設けられ、前記二重壁部の壁の間に嵌め込まれる突起部。
(h)前記二重壁部および突起に設けられる係合部。
【0013】
また、本発明は次のような態様も包含する。
胴部材に固定した固定蓋はその蓋面を胴部材の開口部の位置よりも高くなるように配置し、回転蓋は平板状の蓋面とその周囲に設けられた側壁部とを備えるようにしてもよい。
胴部材に固定した固定蓋は胴部材の開口部に接するように配置し、回転蓋はその蓋面が固定蓋の蓋面に接するように凹ませてもよい。
固定蓋および回転蓋は半球状であってもよい。
振出容器の各部材は紙材を基材として構成してもよい。
固定蓋および回転蓋の側壁部において、一方に水平方向に突出する位置決め突起を設け、他方に前記位置決め突起に係止する係止部を設けてもよい。
二重壁部の外壁部に突起部を露出させる切欠部を設けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の振出容器によれば、固定蓋の側壁部に回転蓋の側壁部を回転自在に取り付け、一方の側壁部に二重壁部を設け、他方の側壁部に二重壁部の壁の間に嵌め込む突起部を設けることにより、ユーザーは回転蓋の側壁部全体を握って回転蓋を回すことができ、しかも回転蓋には上方からの押圧力が加わらないため、固定蓋と回転蓋との摩擦力が低減し、回転蓋の動作性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態の分解斜視図。
【図2】第1の実施形態の要部断面図。
【図3】第1の実施形態の要部平面図。
【図4】第1の実施形態の要部底面図。
【図5】本発明の第2の実施形態の分解斜視図。
【図6】第2の実施形態の要部断面図。
【図7】第2の実施形態の要部平面図。
【図8】第2の実施形態の要部底面図。
【図9】本発明の第3の実施形態の要部分解斜視図。
【図10】本発明の第4の実施形態の要部平面図。
【図11】本発明の他の実施形態の要部断面図。
【図12】従来の振出容器の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1]第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。図1は第1の実施形態の分解斜視図、図2は第1の実施形態の要部断面図である。図2中の(A)は回転蓋、(B)は固定蓋、(C)は回転蓋を固定蓋に取り付けた状態を示している。図3は第1の実施形態の要部平面図、図4は第1の実施形態の要部底面図である。
【0017】
[構成]
図1に示すように、第1の実施形態に係る振出容器には、容器の胴部材である紙管1と、固定蓋2と、回転蓋3と、下蓋4とが設けられている。第1の実施形態では、これらの部材は全て紙材を基材として構成されている。
【0018】
(紙管)
紙管1は円筒形状の紙筒によって構成され、上端部および下端部に上部開口部1aおよび下部開口部1bが形成されている。紙管1において、上部開口部1aには固定蓋2が固定され、下部開口部1bには下蓋4が固定されている。紙管1の内部に粉粒体が収容されている。
【0019】
(固定蓋)
図1〜図3に示すように、固定蓋2は紙管1の上部開口部1aに圧入されることで紙管1に固定されている。固定蓋2には円柱台2dが組み込まれており、その上面に蓋面2aが設けられている。このため、紙管1の上部開口部1aに固定蓋2を固定した時、蓋面2aは紙管1の上部開口部1aの位置よりも高くなるように配置されている。このような固定蓋2は浅いカップを逆さにしたような部材からなる。
【0020】
固定蓋2の蓋面2aには略三角形状の固定穴2bが形成されている。固定蓋2の中ほどには固定蓋2の円周方向に沿ってフランジ2cが設けられている。固定蓋2を紙管1に固定したとき、前記フランジ2cの下縁部は紙管1の上部開口部1aの周縁部に当接する。
【0021】
固定蓋2のフランジ2cの内側には、固定蓋2の側壁部として突起部5が設けられている。突起部5は前記円柱台2dを囲むようにリング状に配置されている。ただし、図1では円柱台2dが見えるように突起部5の一部が切り欠かれている。突起部5は上方に立ち上げられており、その上端部は固定蓋2の蓋面2aよりも若干下方に位置するように設定されている。また、突起部5の内周面には内側に突出する係合爪5aが設けられている。
【0022】
(回転蓋)
図1、図2、図4に示すように、回転蓋3は固定蓋2の上部に圧入されることで、固定蓋2に対し回転自在に取り付けられる(図2の(C)参照)。回転蓋3は固定蓋2とほぼ同径寸法であり、固定蓋2の上半分を覆うように固定蓋2に被せられている。回転蓋3は、固定蓋2の蓋面2aに接する平板状の蓋面3aと、この蓋面3aの周囲に一体的に形成された側壁部3cとから構成されている。
【0023】
回転蓋3を固定蓋2に取り付けたとき、固定蓋2側のフランジ2c上縁部は回転蓋3の側壁部3cの下端部に当接する。回転蓋3の蓋面3aには略三角形状の回転穴3bが形成されている。回転穴3bは固定蓋2側の固定穴2bと重なることにより紙管1内の粉粒体を振出す部分である。
【0024】
回転蓋3の側壁部3cには円周方向に沿って、二重壁部6が設けられている。二重壁部6は内側の円筒形である内壁部6aと、外側の円筒形である外壁部とからなる。二重壁部6は回転蓋3に一体的に設けられるので、二重壁部6の外壁部は回転蓋3の側壁部3cから構成される。二重壁部6において、内壁部6aと外壁部つまり回転蓋3の側壁部3cとは互いに向かい合っている。なお、図1では二重壁部6の内部が見えるように回転蓋3の側壁部3c(二重壁部6の外壁部)の一部が切り欠かれて示されている。回転蓋3を固定蓋2に取り付けたとき、この二重壁部6に固定蓋2側の突起部5が嵌め込まれる。このとき、二重壁部6の外壁部である回転蓋3の側壁部3cの内周面には、突起部5の外周面が接するようになっている。
【0025】
さらに二重壁部6の内壁部6a外側には円周方向に沿って摺動部7が形成されている。摺動部7の内周側には係合爪7aが設けられている。図2の(C)に示すように、回転蓋3を固定蓋2に取り付けた状態で、摺動部7の係合爪7aは突起部5の係合爪5aと係合する。また、二重壁部6の内壁部6a内周面は固定蓋2の円柱台2dの側面と当接している。
【0026】
(固定蓋、回転蓋および下蓋の基材)
上記の固定蓋2、回転蓋3および下蓋4は、フェノール系樹脂含浸紙からなるシート状の基材を所要の寸法に形成して金型中に装填し、一般の圧縮成形法に準じて加熱圧縮成形を行うことで作成されている。基材となるフェノール系樹脂含浸紙は、段ボール材の故紙などから成る再生紙にワニス状のフェノール系樹脂を連続的に塗布乾燥して作成される。基材の作成時に樹脂ワニスの樹脂濃度や塗布量を調整することで、基材には剛性と適度の可撓性が与えられる。
【0027】
[作用効果]
第1の実施形態の作用効果は次の通りである。
(A)回転蓋の動作性の向上
第1の実施形態では、固定蓋2の側壁部である突起部5に対し、回転蓋3の側壁部3cに設けた二重壁部6を取り付けたので、回転蓋3の側壁部3c全体を握って、回転蓋3を回すことになる。より具体的には、ユーザーが一方の手で固定蓋2もしくは紙管1を握り、他方の手の親指と人差し指で回転蓋3の側壁部3cを挟みながら、あるいは複数の指で回転蓋3全体をつかみながら、回転蓋3を回すことができる。
【0028】
したがって、ユーザーは回転蓋3をしっかり把持することが可能であり、回転蓋3を強い力で回すことができる。つまり、ユーザーが指で回転蓋3を上から押さえることがなく、回転蓋3に対し上方から押圧力がかからない。このため、回転蓋3の蓋面3aと固定蓋2の蓋面2aとが強く擦れることがなく、回転蓋3と固定蓋2との摺動圧は少なくて済む。
【0029】
その結果、ユーザーが回転蓋3に軽く力をかけるだけで、正確に回転蓋3を回転させることができる。回転蓋3が回転するとき、二重壁部6の外壁部すなわち回転蓋3の側壁部3cの内周面には、突起部5の外周面が接しており、回転蓋3側の二重壁部6内部の摺動部7には、突起部5の内周面が接している。このため、突起部5は回転蓋3の側壁部3cおよび摺動部7に挟まれてガイドレールの役割を果たすことになる。その結果、回転蓋3はスムーズに回転することができる。
【0030】
このような第1の実施形態では、固定蓋2と回転蓋3とが強く密着されていても、回転蓋3を簡単に回転させることが可能であり、回転蓋3の動作性が格段に向上する。したがって、回転蓋3を微妙な角度で回すことができ、固定蓋2の固定穴2bと回転蓋3の回転穴3bとの連通部分を小さく開けることができ、紙管1に粒子の細かい粉粒体が収容された場合に好適である。
【0031】
(B)容器密閉性の向上
第1の実施形態では、回転蓋3側の摺動部7の係合爪7aが、固定蓋2側の突起部5の係合爪5aに係合するため、固定蓋2と回転蓋3とが外れることがない。また、二重壁部6の内壁部6aが固定蓋2の円柱台2dの側面と当接しているので、突起部5と二重壁部6とは隙間なく接触することができる。
【0032】
このため、固定蓋2と回転蓋3とは強く密着し、振出容器の密閉性が向上する。なお、摺動部7が存在することで、回転蓋3を固定蓋2に圧入させ難くはなるが、摺動部7は突起部5の内周面を滑るため、回転蓋3の回転動作を低下させる要因にはならない。
【0033】
(C)環境への負荷低減
第1の実施形態においては、紙管1、固定蓋2、回転蓋3および下蓋4が全て、紙材を基材としているので、環境に優しい。また、振出容器を分解して分別廃棄する必要がなく、廃棄に際しての面倒さがない。さらに、大量に廃出される段ボールの故紙による再生紙を利用できるので、資源面やリサイクル面でも有利である。
【0034】
(D)組立構造の簡略化及び低コスト化
第1の実施形態においては、紙管1の上部開口部1aに固定蓋2を圧入し、固定蓋2の上から回転蓋3を圧入し、さらに紙管1の下部開口部1bに下蓋4を固定することで振出容器を組み立てることができる。このように、部材同士を強く嵌め込むだけなので、接着工程や接着剤などが不要であり、経済性も良好である。
【0035】
(E)回転蓋の形状から導かれる作用効果
また、第1の実施形態における回転蓋3は、平板状の蓋面3aと、この蓋面3aの周囲に一体的に形成された側壁部3cとからなる。そのため、蓋面3a全体をフラットに露出している。したがって、回転穴3b付近に粉粒体が残存する心配がなく衛生的であり、且つ振出容器の美観を損なうこともない。しかも、第1の実施形態では、回転蓋3がキャップ状部材であっても、上蓋面2aを円柱台2dの上面に配置しているので、上蓋面2aと回転蓋3とは確実に接しており、両者の隙間に粉粒体がこぼれることがない。
【0036】
[2]第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について、図5〜図8を参照して具体的に説明する。図5は第2の実施形態の分解斜視図、図6は第2の実施形態の要部断面図である。図6中の(A)は回転蓋、(B)は固定蓋、(C)は回転蓋を固定蓋に取り付けた状態を示している。図7は第2の実施形態の要部平面図、図8は第1の実施形態の要部底面図である。なお、第1の実施形態と同一の部材に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0037】
[構成]
図5に示すように、第2の実施形態に係る振出容器には、紙管1と、固定蓋8と、回転蓋9と、下蓋4とが設けられている。固定蓋8および回転蓋9は、第1の実施形態の固定蓋2と回転蓋3と同じく、紙材を基材として構成されている。
【0038】
(固定蓋)
図5〜図7に示すように、固定蓋8は紙管1の上部開口部1aに圧入されることで紙管1に固定されている。固定蓋8の中ほどには固定蓋8の円周方向に沿ってフランジ8cが設けられている。
【0039】
固定蓋8を紙管1に固定したとき、前記フランジ8cの下縁部が紙管1の上部開口部1aの周縁部に当接する。また、固定蓋8にはフランジ8cと水平な位置に蓋面8aが設けられている。固定蓋8を紙管1に固定した時点で、蓋面8aは紙管1の上部開口部1aに接するように配置される。固定蓋8の蓋面8aには円形の固定穴8bが形成されている。
【0040】
固定蓋8のフランジ8cの内側には、固定蓋8の円周方向に沿って、リング状の突起部13が上方に立ち上げられている。突起部13の内側には、等間隔に3箇所、円弧状の摺動部10が設けられている。摺動部10の上端部には固定蓋8の中心方向に突出する係合爪10aが形成されている。図5では摺動部10の内側が見えるように突起部13の一部が切り欠かれているが、突起部13はリング状の部材から構成されている。
【0041】
(回転蓋)
図5、図6、図8に示すように、回転蓋9は固定蓋8とほぼ同径寸法であり、固定蓋8の上半分を覆う部材である。回転蓋9は、蓋面9aと、この蓋面9aから立ち上げられる側壁部9cとを有する凹状部材から構成されている。回転蓋9は固定蓋8の上部に圧入され、固定蓋8に対し回転自在に取り付けられている(図6の(C)参照)。回転蓋9を固定蓋8に取り付けた時、回転蓋9の蓋面9aが固定蓋8の上蓋面8aと接する。
【0042】
また、回転蓋9を固定蓋8に取り付けた時点で、固定蓋8側のフランジ8c上縁部は回転蓋9の側壁部9cの下端部に当接する。回転蓋9の蓋面9aには円形の回転穴9bが形成されている。振出穴9bは固定蓋8の固定穴8bと重なることで連通して紙管1内の粉粒体を振出す部分である。
【0043】
回転蓋9は凹状部材であるため、回転蓋9の側壁部9cは外壁部と内壁部を持つ二重壁構造となっている。すなわち、第2の実施形態では側壁部9c自体が二重壁部11となっている。図5では二重壁部11の内部が見えるように回転蓋9の側壁部9cの一部が切り欠かれているが、側壁部9cは回転蓋9の全周囲にわたって設けられている。回転蓋9を固定蓋8に取り付けた状態で、二重壁部11には固定蓋8側の摺動部10および突起部13が嵌め込まれる。
【0044】
二重壁部11の内壁側には摺動リング12が円周方向に沿って設けられている。摺動リング12は摺動部10の内周面と接するようになっている。図6の(C)に示すように、二重壁部11に固定蓋8側の摺動部10を嵌め込むと、摺動リング12は固定蓋8の摺動部10の内側に入り込み、摺動リング12の上端部に摺動部10の係合爪10aが当接する。
【0045】
[作用効果]
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同じく、(A)回転蓋の動作性の向上、(B)容器密閉性の向上、(C)環境への負荷低減、(D)組立構造の簡略化及び低コスト化といった作用効果がある。さらに、第2の実施形態には次のような独自の作用効果がある。
【0046】
(F)第2の実施形態の回転蓋9は凹状部材からなるため、振出穴9bから振り出した粉粒体をいったん凹んだ部分に溜めることができる。したがって、最終的に振り出す粉粒体量の微調整が容易である。
【0047】
(G)第2の実施形態では、摺動リング12の上端部に摺動部10の係合爪10aが係合するため、固定蓋8から回転蓋9が抜けることがない。また、係合爪10aと摺動リング12との係合により、回転蓋9ががたつくことがなく、よりスムーズな回転が可能となり、高品位な回転動作を実施可能である。
【0048】
[3]第3の実施形態
本発明の第3の実施形態について、図9を参照して説明する。図9は第3の実施形態の要部分解斜視図である。
【0049】
[構成]
図9に示すように、第3の実施形態では、半球状の固定蓋14と、これを上方から覆う半球状の回転蓋15を備えた点に特徴がある。固定蓋14は紙管1の上部開口部1aに固定され、回転蓋15は固定蓋14に対し回転自在に取り付けられている。これら固定蓋14および回転蓋15は、紙材を基材として構成されている。なお、固定蓋14および回転蓋15を係合させる構成としては、上記第1または第2の実施形態に示した二重壁部およびそれに嵌め込まれる突起部を採用する。
【0050】
[作用効果]
上記第3の実施形態には、上記実施形態の持つ作用効果に加えて、以下の作用効果がある。すなわち、回転蓋15を半球状にしたので、表面積が大きくなる。したがって、粉粒体の性状やユーザーの嗜好、デザイン性を考慮して、回転蓋15に多数の振出穴を設けたり、自由な形状の振出穴を設けることができる。
【0051】
例えば、図9に示した例では、回転蓋15に径の異なる円形の回転穴15bが直線状に並んで複数配置されている。一方、固定蓋14側には振出穴15bのうちの最大径に相当する固定穴14bが1つ設けられている。このような第3の実施形態によれば、振出容器のデザイン性が向上すると共に、粉粒体を所望の量だけ振り出すことが可能となる。
【0052】
[4]第4の実施形態
本発明の第4の実施形態について、図10を用いて説明する。図10は第4の実施形態の要部底面図である。図10中のAは、一点鎖線で囲んだ部分の拡大図を示している。
【0053】
[構成]
図10に示すように、第4の実施形態では、固定蓋2の周縁部には水平方向に突出する位置決め突起16が設けられ、回転蓋3の周縁部には位置決め突起16に係止する係止部17が設けられた点に特徴がある。
【0054】
[作用効果]
このような第4の実施形態では、位置決め突起16と係止部17とが係止することで、回転蓋3の回転動作を規制することができる。したがって、固定蓋2側の排出穴2bと回転蓋3の振出穴3bとの位置を高い精度で合わせることができる。しかも回転蓋3の回転動作に際して、ユーザーにクリック感を与えることができ、操作感が向上する。
【0055】
[5]他の実施形態
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各構成部材の寸法や形状、材質、配置数や配置箇所などは適宜変更可能である。
【0056】
(1)第1の実施形態の変形例として、図11に示すように実施形態も包含する。すなわち、図11の(A)に示すように、回転蓋3に設けた二重壁部6において、外壁部である側壁部3cの内周面側に内側に突出する係合爪6bを設けるようにしてもよい。また、図11の(B)に示すように、固定蓋2に設けた突起5において、外周面側に外側に突出する係合爪5bを設け、この係合爪5bと前記係合爪6bとを係合させるようにしてもよい。図11の(C)は係合爪5bと前記係合爪6bとを係合させた状態を示す拡大断面図である。このような実施形態によれば、固定蓋2に対し回転蓋3をより簡単に嵌め込むことが可能となる。
【0057】
(2)上記第1および第2の実施形態では、固定蓋側に突起部を設け、回転蓋側に二重壁部を設けたが、反対に、固定蓋側の側壁部に二重壁部を設け、回転蓋側の側壁部に突起部を設けるようにしてもよい。
【0058】
(3)前記第3の実施形態の変形例として、半球状の回転蓋15の表面に突起や凹みを設けて、回転蓋15を回し易くした実施形態も包含する。
(4)胴部材である紙管をはじめ、各部材は紙材に限らず、合成樹脂やアルミニウム等の金属であってもよい。
【0059】
(5)振出容器に収容される収容物は複数種類でもよい。その場合、胴部材体の収容空間を収容物の種類に合わせて分割しておき、分割した空間に対応させて固定蓋の固定穴を複数設けるようにしてもよい。
(6)振出容器に収容される収容物は粉粒体に限らず、流体であってもよい。本発明の振出容器は優れた密閉性を持つため、流体であっても漏れ出る心配がなく、多様な収容物に対応可能である。
(7)固定蓋の排出穴下面に不織布層を設ければ、粒子の細かい粉粒体にも適用可能となる。
【0060】
(8)各部材の基材に含ませる熱硬化性物質としては、フェノール系の熱硬化性樹脂に限らず、他の熱硬化性樹脂はもちろんのこと、セラックやロジンのような天然物からなる熱硬化性物質を用いてもよい。
(9)固定蓋に底面部を設けることにより、固定蓋の下部が胴部材の役割を果たすように構成してもよい。このような実施形態によれば、振出容器の小型化を実現でき、携帯性が向上する。
【0061】
(10)二重壁部の外壁部には突起部の一部を露出させる切欠部を設けるようにしてもよい。このような実施形態によれば、切欠部から突起部を押すことで二重壁部を設けた側壁部と、突起部を設けた側壁部との係合を簡単に外すことができる。したがって、固定蓋と回転蓋との着脱が容易となり、固定蓋および回転蓋を清潔に保つことができると同時に、ユーザーの好みに応じて回転蓋を交換することも可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1…紙管
2、8、14…固定蓋
3、9、15…回転蓋
4…下蓋
5、13…突起部
6、11…二重壁部
7、10…摺動部
12…摺動リング
16…位置決め突起
17…係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋部分に改良を加えた振出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器を傾けることで振出口から内部の粉粒体を振り出す振出容器が提案されている。ここで振出容器の従来例について、図12を用いて説明する。図12に示すように、振出容器には円筒形状の紙筒によって構成された紙管30が設けられている。紙管30は振出容器の胴部材であり、粉粒体を収容している。紙管30の上下端部には開口部が形成されている。
【0003】
紙管30の上下の開口部には、上蓋31および下蓋33が取り付けられている。上蓋31には半円形の排出穴31aが形成されている。また、上蓋31の上面には、前記排出穴31aを塞ぐように円板状の回転蓋32が取り付けられている。一般的に、上蓋31は合成樹脂またはアルミニウム、硬質紙等で形成されている。下蓋33は紙管30の剛性を保持するために合成樹脂またはアルミニウム等の金属等から形成されている。回転蓋32は合成樹脂から形成されている。
【0004】
回転蓋32は中心部に嵌合軸34が設置されており、この嵌合軸34を中心に回転するようになっている。回転蓋32には半円形の振出穴32aが形成されている。振出穴32aは上蓋31側の排出穴31aとほぼ同一形状である。さらに、回転蓋32には円板の半径方向に沿ってリブ状の突起32bが2つ設けられている。
【0005】
以上のような振出容器では、ユーザーが紙管30を握り、突起32bを指でつまみ嵌合軸34を中心に回転蓋32を回転させることにより、上蓋31側の排出穴31aと回転蓋32の振出穴32aの開口部分を重ねて連通させる。そして、ユーザーが紙管30を持って傾け、粉粒体を振出穴32aから振り出すことができる。
【0006】
ところで、上記振出容器が収容する粉粒体としては、薬品や化粧品、食品などがある。したがって、振出容器には粉粒体の品質を維持することが要求されている。このため、振出容器は高い密閉性を備えなくてはならない。そこで図12に示した振出容器では、嵌合軸34によって回転蓋32を上蓋31にきつく取り付け、回転蓋32を上蓋31の排出穴31aに密着させ、密閉性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−70951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の振出容器には、次のような課題が指摘されている。すなわち、振出穴32aを開けるとき、ユーザーは指で突起32bをつまみ、回転蓋32を上から押さえるようにして、回転蓋32を回転させる。このとき、回転蓋32には押圧力がかかるため、回転蓋32と上蓋31との摩擦力は強くなる。
【0009】
したがって、回転蓋32を回転させるときの摺動圧が増大した。その結果、回転蓋32を回すために強い力が必要となり、回転蓋32を回し難くなっていた。特にユーザーの爪が伸びている場合などは突起32bがつまみづらく、回転蓋32を回転させる困難さが増していた。
【0010】
このように、振出容器では、回転蓋を上から押さえて回転させると、回転蓋と上蓋との摩擦力が強まり、回転蓋の摺動圧が増大した。その結果、回転蓋を軽く回すことができず、使い勝手が悪かった。また近年では、振出容器に収容される粉粒体は多様化しており、粒子の細かい粉粒体も多数存在する。粒子の細かい粉粒体の振出量を調整するには上蓋の排出穴と回転蓋の振出穴との連通部分を小さくする方が望ましい。そのため、回転蓋を微妙に回さなくてはならないことがある。したがって、粒子の細かい粉粒体を収容した振出容器では、回転蓋の動作性を高めることが強く要請されている。
【0011】
本発明は、上記の問題を解消するために提案されたものであり、その目的は、容器の密閉性を維持しつつ、回転蓋の動作性を高めた振出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の振出容器は、次の(a)〜(g)を有することを特徴とする。
(a)上部に開口部が設けられた胴部材。
(b)前記胴部材の前記開口部に装着され、前記開口部を閉塞する蓋面と、当該蓋面の周囲に設置された側壁部とを備えた固定蓋。
(c)前記固定蓋の側壁部に取り付けられる側壁部を備え、前記固定蓋の蓋面に接しながら回転する回転蓋。
(d)前記固定蓋の蓋面に形成された固定穴。
(e)前記回転蓋に形成され、前記固定穴と重なることで連通する回転穴。
(f)前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のいずれか一方に設けられ、向かい合う外壁部および内壁部からなる二重壁部。
(g)前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のうちの他方に設けられ、前記二重壁部の壁の間に嵌め込まれる突起部。
(h)前記二重壁部および突起に設けられる係合部。
【0013】
また、本発明は次のような態様も包含する。
胴部材に固定した固定蓋はその蓋面を胴部材の開口部の位置よりも高くなるように配置し、回転蓋は平板状の蓋面とその周囲に設けられた側壁部とを備えるようにしてもよい。
胴部材に固定した固定蓋は胴部材の開口部に接するように配置し、回転蓋はその蓋面が固定蓋の蓋面に接するように凹ませてもよい。
固定蓋および回転蓋は半球状であってもよい。
振出容器の各部材は紙材を基材として構成してもよい。
固定蓋および回転蓋の側壁部において、一方に水平方向に突出する位置決め突起を設け、他方に前記位置決め突起に係止する係止部を設けてもよい。
二重壁部の外壁部に突起部を露出させる切欠部を設けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の振出容器によれば、固定蓋の側壁部に回転蓋の側壁部を回転自在に取り付け、一方の側壁部に二重壁部を設け、他方の側壁部に二重壁部の壁の間に嵌め込む突起部を設けることにより、ユーザーは回転蓋の側壁部全体を握って回転蓋を回すことができ、しかも回転蓋には上方からの押圧力が加わらないため、固定蓋と回転蓋との摩擦力が低減し、回転蓋の動作性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態の分解斜視図。
【図2】第1の実施形態の要部断面図。
【図3】第1の実施形態の要部平面図。
【図4】第1の実施形態の要部底面図。
【図5】本発明の第2の実施形態の分解斜視図。
【図6】第2の実施形態の要部断面図。
【図7】第2の実施形態の要部平面図。
【図8】第2の実施形態の要部底面図。
【図9】本発明の第3の実施形態の要部分解斜視図。
【図10】本発明の第4の実施形態の要部平面図。
【図11】本発明の他の実施形態の要部断面図。
【図12】従来の振出容器の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1]第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。図1は第1の実施形態の分解斜視図、図2は第1の実施形態の要部断面図である。図2中の(A)は回転蓋、(B)は固定蓋、(C)は回転蓋を固定蓋に取り付けた状態を示している。図3は第1の実施形態の要部平面図、図4は第1の実施形態の要部底面図である。
【0017】
[構成]
図1に示すように、第1の実施形態に係る振出容器には、容器の胴部材である紙管1と、固定蓋2と、回転蓋3と、下蓋4とが設けられている。第1の実施形態では、これらの部材は全て紙材を基材として構成されている。
【0018】
(紙管)
紙管1は円筒形状の紙筒によって構成され、上端部および下端部に上部開口部1aおよび下部開口部1bが形成されている。紙管1において、上部開口部1aには固定蓋2が固定され、下部開口部1bには下蓋4が固定されている。紙管1の内部に粉粒体が収容されている。
【0019】
(固定蓋)
図1〜図3に示すように、固定蓋2は紙管1の上部開口部1aに圧入されることで紙管1に固定されている。固定蓋2には円柱台2dが組み込まれており、その上面に蓋面2aが設けられている。このため、紙管1の上部開口部1aに固定蓋2を固定した時、蓋面2aは紙管1の上部開口部1aの位置よりも高くなるように配置されている。このような固定蓋2は浅いカップを逆さにしたような部材からなる。
【0020】
固定蓋2の蓋面2aには略三角形状の固定穴2bが形成されている。固定蓋2の中ほどには固定蓋2の円周方向に沿ってフランジ2cが設けられている。固定蓋2を紙管1に固定したとき、前記フランジ2cの下縁部は紙管1の上部開口部1aの周縁部に当接する。
【0021】
固定蓋2のフランジ2cの内側には、固定蓋2の側壁部として突起部5が設けられている。突起部5は前記円柱台2dを囲むようにリング状に配置されている。ただし、図1では円柱台2dが見えるように突起部5の一部が切り欠かれている。突起部5は上方に立ち上げられており、その上端部は固定蓋2の蓋面2aよりも若干下方に位置するように設定されている。また、突起部5の内周面には内側に突出する係合爪5aが設けられている。
【0022】
(回転蓋)
図1、図2、図4に示すように、回転蓋3は固定蓋2の上部に圧入されることで、固定蓋2に対し回転自在に取り付けられる(図2の(C)参照)。回転蓋3は固定蓋2とほぼ同径寸法であり、固定蓋2の上半分を覆うように固定蓋2に被せられている。回転蓋3は、固定蓋2の蓋面2aに接する平板状の蓋面3aと、この蓋面3aの周囲に一体的に形成された側壁部3cとから構成されている。
【0023】
回転蓋3を固定蓋2に取り付けたとき、固定蓋2側のフランジ2c上縁部は回転蓋3の側壁部3cの下端部に当接する。回転蓋3の蓋面3aには略三角形状の回転穴3bが形成されている。回転穴3bは固定蓋2側の固定穴2bと重なることにより紙管1内の粉粒体を振出す部分である。
【0024】
回転蓋3の側壁部3cには円周方向に沿って、二重壁部6が設けられている。二重壁部6は内側の円筒形である内壁部6aと、外側の円筒形である外壁部とからなる。二重壁部6は回転蓋3に一体的に設けられるので、二重壁部6の外壁部は回転蓋3の側壁部3cから構成される。二重壁部6において、内壁部6aと外壁部つまり回転蓋3の側壁部3cとは互いに向かい合っている。なお、図1では二重壁部6の内部が見えるように回転蓋3の側壁部3c(二重壁部6の外壁部)の一部が切り欠かれて示されている。回転蓋3を固定蓋2に取り付けたとき、この二重壁部6に固定蓋2側の突起部5が嵌め込まれる。このとき、二重壁部6の外壁部である回転蓋3の側壁部3cの内周面には、突起部5の外周面が接するようになっている。
【0025】
さらに二重壁部6の内壁部6a外側には円周方向に沿って摺動部7が形成されている。摺動部7の内周側には係合爪7aが設けられている。図2の(C)に示すように、回転蓋3を固定蓋2に取り付けた状態で、摺動部7の係合爪7aは突起部5の係合爪5aと係合する。また、二重壁部6の内壁部6a内周面は固定蓋2の円柱台2dの側面と当接している。
【0026】
(固定蓋、回転蓋および下蓋の基材)
上記の固定蓋2、回転蓋3および下蓋4は、フェノール系樹脂含浸紙からなるシート状の基材を所要の寸法に形成して金型中に装填し、一般の圧縮成形法に準じて加熱圧縮成形を行うことで作成されている。基材となるフェノール系樹脂含浸紙は、段ボール材の故紙などから成る再生紙にワニス状のフェノール系樹脂を連続的に塗布乾燥して作成される。基材の作成時に樹脂ワニスの樹脂濃度や塗布量を調整することで、基材には剛性と適度の可撓性が与えられる。
【0027】
[作用効果]
第1の実施形態の作用効果は次の通りである。
(A)回転蓋の動作性の向上
第1の実施形態では、固定蓋2の側壁部である突起部5に対し、回転蓋3の側壁部3cに設けた二重壁部6を取り付けたので、回転蓋3の側壁部3c全体を握って、回転蓋3を回すことになる。より具体的には、ユーザーが一方の手で固定蓋2もしくは紙管1を握り、他方の手の親指と人差し指で回転蓋3の側壁部3cを挟みながら、あるいは複数の指で回転蓋3全体をつかみながら、回転蓋3を回すことができる。
【0028】
したがって、ユーザーは回転蓋3をしっかり把持することが可能であり、回転蓋3を強い力で回すことができる。つまり、ユーザーが指で回転蓋3を上から押さえることがなく、回転蓋3に対し上方から押圧力がかからない。このため、回転蓋3の蓋面3aと固定蓋2の蓋面2aとが強く擦れることがなく、回転蓋3と固定蓋2との摺動圧は少なくて済む。
【0029】
その結果、ユーザーが回転蓋3に軽く力をかけるだけで、正確に回転蓋3を回転させることができる。回転蓋3が回転するとき、二重壁部6の外壁部すなわち回転蓋3の側壁部3cの内周面には、突起部5の外周面が接しており、回転蓋3側の二重壁部6内部の摺動部7には、突起部5の内周面が接している。このため、突起部5は回転蓋3の側壁部3cおよび摺動部7に挟まれてガイドレールの役割を果たすことになる。その結果、回転蓋3はスムーズに回転することができる。
【0030】
このような第1の実施形態では、固定蓋2と回転蓋3とが強く密着されていても、回転蓋3を簡単に回転させることが可能であり、回転蓋3の動作性が格段に向上する。したがって、回転蓋3を微妙な角度で回すことができ、固定蓋2の固定穴2bと回転蓋3の回転穴3bとの連通部分を小さく開けることができ、紙管1に粒子の細かい粉粒体が収容された場合に好適である。
【0031】
(B)容器密閉性の向上
第1の実施形態では、回転蓋3側の摺動部7の係合爪7aが、固定蓋2側の突起部5の係合爪5aに係合するため、固定蓋2と回転蓋3とが外れることがない。また、二重壁部6の内壁部6aが固定蓋2の円柱台2dの側面と当接しているので、突起部5と二重壁部6とは隙間なく接触することができる。
【0032】
このため、固定蓋2と回転蓋3とは強く密着し、振出容器の密閉性が向上する。なお、摺動部7が存在することで、回転蓋3を固定蓋2に圧入させ難くはなるが、摺動部7は突起部5の内周面を滑るため、回転蓋3の回転動作を低下させる要因にはならない。
【0033】
(C)環境への負荷低減
第1の実施形態においては、紙管1、固定蓋2、回転蓋3および下蓋4が全て、紙材を基材としているので、環境に優しい。また、振出容器を分解して分別廃棄する必要がなく、廃棄に際しての面倒さがない。さらに、大量に廃出される段ボールの故紙による再生紙を利用できるので、資源面やリサイクル面でも有利である。
【0034】
(D)組立構造の簡略化及び低コスト化
第1の実施形態においては、紙管1の上部開口部1aに固定蓋2を圧入し、固定蓋2の上から回転蓋3を圧入し、さらに紙管1の下部開口部1bに下蓋4を固定することで振出容器を組み立てることができる。このように、部材同士を強く嵌め込むだけなので、接着工程や接着剤などが不要であり、経済性も良好である。
【0035】
(E)回転蓋の形状から導かれる作用効果
また、第1の実施形態における回転蓋3は、平板状の蓋面3aと、この蓋面3aの周囲に一体的に形成された側壁部3cとからなる。そのため、蓋面3a全体をフラットに露出している。したがって、回転穴3b付近に粉粒体が残存する心配がなく衛生的であり、且つ振出容器の美観を損なうこともない。しかも、第1の実施形態では、回転蓋3がキャップ状部材であっても、上蓋面2aを円柱台2dの上面に配置しているので、上蓋面2aと回転蓋3とは確実に接しており、両者の隙間に粉粒体がこぼれることがない。
【0036】
[2]第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について、図5〜図8を参照して具体的に説明する。図5は第2の実施形態の分解斜視図、図6は第2の実施形態の要部断面図である。図6中の(A)は回転蓋、(B)は固定蓋、(C)は回転蓋を固定蓋に取り付けた状態を示している。図7は第2の実施形態の要部平面図、図8は第1の実施形態の要部底面図である。なお、第1の実施形態と同一の部材に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0037】
[構成]
図5に示すように、第2の実施形態に係る振出容器には、紙管1と、固定蓋8と、回転蓋9と、下蓋4とが設けられている。固定蓋8および回転蓋9は、第1の実施形態の固定蓋2と回転蓋3と同じく、紙材を基材として構成されている。
【0038】
(固定蓋)
図5〜図7に示すように、固定蓋8は紙管1の上部開口部1aに圧入されることで紙管1に固定されている。固定蓋8の中ほどには固定蓋8の円周方向に沿ってフランジ8cが設けられている。
【0039】
固定蓋8を紙管1に固定したとき、前記フランジ8cの下縁部が紙管1の上部開口部1aの周縁部に当接する。また、固定蓋8にはフランジ8cと水平な位置に蓋面8aが設けられている。固定蓋8を紙管1に固定した時点で、蓋面8aは紙管1の上部開口部1aに接するように配置される。固定蓋8の蓋面8aには円形の固定穴8bが形成されている。
【0040】
固定蓋8のフランジ8cの内側には、固定蓋8の円周方向に沿って、リング状の突起部13が上方に立ち上げられている。突起部13の内側には、等間隔に3箇所、円弧状の摺動部10が設けられている。摺動部10の上端部には固定蓋8の中心方向に突出する係合爪10aが形成されている。図5では摺動部10の内側が見えるように突起部13の一部が切り欠かれているが、突起部13はリング状の部材から構成されている。
【0041】
(回転蓋)
図5、図6、図8に示すように、回転蓋9は固定蓋8とほぼ同径寸法であり、固定蓋8の上半分を覆う部材である。回転蓋9は、蓋面9aと、この蓋面9aから立ち上げられる側壁部9cとを有する凹状部材から構成されている。回転蓋9は固定蓋8の上部に圧入され、固定蓋8に対し回転自在に取り付けられている(図6の(C)参照)。回転蓋9を固定蓋8に取り付けた時、回転蓋9の蓋面9aが固定蓋8の上蓋面8aと接する。
【0042】
また、回転蓋9を固定蓋8に取り付けた時点で、固定蓋8側のフランジ8c上縁部は回転蓋9の側壁部9cの下端部に当接する。回転蓋9の蓋面9aには円形の回転穴9bが形成されている。振出穴9bは固定蓋8の固定穴8bと重なることで連通して紙管1内の粉粒体を振出す部分である。
【0043】
回転蓋9は凹状部材であるため、回転蓋9の側壁部9cは外壁部と内壁部を持つ二重壁構造となっている。すなわち、第2の実施形態では側壁部9c自体が二重壁部11となっている。図5では二重壁部11の内部が見えるように回転蓋9の側壁部9cの一部が切り欠かれているが、側壁部9cは回転蓋9の全周囲にわたって設けられている。回転蓋9を固定蓋8に取り付けた状態で、二重壁部11には固定蓋8側の摺動部10および突起部13が嵌め込まれる。
【0044】
二重壁部11の内壁側には摺動リング12が円周方向に沿って設けられている。摺動リング12は摺動部10の内周面と接するようになっている。図6の(C)に示すように、二重壁部11に固定蓋8側の摺動部10を嵌め込むと、摺動リング12は固定蓋8の摺動部10の内側に入り込み、摺動リング12の上端部に摺動部10の係合爪10aが当接する。
【0045】
[作用効果]
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同じく、(A)回転蓋の動作性の向上、(B)容器密閉性の向上、(C)環境への負荷低減、(D)組立構造の簡略化及び低コスト化といった作用効果がある。さらに、第2の実施形態には次のような独自の作用効果がある。
【0046】
(F)第2の実施形態の回転蓋9は凹状部材からなるため、振出穴9bから振り出した粉粒体をいったん凹んだ部分に溜めることができる。したがって、最終的に振り出す粉粒体量の微調整が容易である。
【0047】
(G)第2の実施形態では、摺動リング12の上端部に摺動部10の係合爪10aが係合するため、固定蓋8から回転蓋9が抜けることがない。また、係合爪10aと摺動リング12との係合により、回転蓋9ががたつくことがなく、よりスムーズな回転が可能となり、高品位な回転動作を実施可能である。
【0048】
[3]第3の実施形態
本発明の第3の実施形態について、図9を参照して説明する。図9は第3の実施形態の要部分解斜視図である。
【0049】
[構成]
図9に示すように、第3の実施形態では、半球状の固定蓋14と、これを上方から覆う半球状の回転蓋15を備えた点に特徴がある。固定蓋14は紙管1の上部開口部1aに固定され、回転蓋15は固定蓋14に対し回転自在に取り付けられている。これら固定蓋14および回転蓋15は、紙材を基材として構成されている。なお、固定蓋14および回転蓋15を係合させる構成としては、上記第1または第2の実施形態に示した二重壁部およびそれに嵌め込まれる突起部を採用する。
【0050】
[作用効果]
上記第3の実施形態には、上記実施形態の持つ作用効果に加えて、以下の作用効果がある。すなわち、回転蓋15を半球状にしたので、表面積が大きくなる。したがって、粉粒体の性状やユーザーの嗜好、デザイン性を考慮して、回転蓋15に多数の振出穴を設けたり、自由な形状の振出穴を設けることができる。
【0051】
例えば、図9に示した例では、回転蓋15に径の異なる円形の回転穴15bが直線状に並んで複数配置されている。一方、固定蓋14側には振出穴15bのうちの最大径に相当する固定穴14bが1つ設けられている。このような第3の実施形態によれば、振出容器のデザイン性が向上すると共に、粉粒体を所望の量だけ振り出すことが可能となる。
【0052】
[4]第4の実施形態
本発明の第4の実施形態について、図10を用いて説明する。図10は第4の実施形態の要部底面図である。図10中のAは、一点鎖線で囲んだ部分の拡大図を示している。
【0053】
[構成]
図10に示すように、第4の実施形態では、固定蓋2の周縁部には水平方向に突出する位置決め突起16が設けられ、回転蓋3の周縁部には位置決め突起16に係止する係止部17が設けられた点に特徴がある。
【0054】
[作用効果]
このような第4の実施形態では、位置決め突起16と係止部17とが係止することで、回転蓋3の回転動作を規制することができる。したがって、固定蓋2側の排出穴2bと回転蓋3の振出穴3bとの位置を高い精度で合わせることができる。しかも回転蓋3の回転動作に際して、ユーザーにクリック感を与えることができ、操作感が向上する。
【0055】
[5]他の実施形態
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各構成部材の寸法や形状、材質、配置数や配置箇所などは適宜変更可能である。
【0056】
(1)第1の実施形態の変形例として、図11に示すように実施形態も包含する。すなわち、図11の(A)に示すように、回転蓋3に設けた二重壁部6において、外壁部である側壁部3cの内周面側に内側に突出する係合爪6bを設けるようにしてもよい。また、図11の(B)に示すように、固定蓋2に設けた突起5において、外周面側に外側に突出する係合爪5bを設け、この係合爪5bと前記係合爪6bとを係合させるようにしてもよい。図11の(C)は係合爪5bと前記係合爪6bとを係合させた状態を示す拡大断面図である。このような実施形態によれば、固定蓋2に対し回転蓋3をより簡単に嵌め込むことが可能となる。
【0057】
(2)上記第1および第2の実施形態では、固定蓋側に突起部を設け、回転蓋側に二重壁部を設けたが、反対に、固定蓋側の側壁部に二重壁部を設け、回転蓋側の側壁部に突起部を設けるようにしてもよい。
【0058】
(3)前記第3の実施形態の変形例として、半球状の回転蓋15の表面に突起や凹みを設けて、回転蓋15を回し易くした実施形態も包含する。
(4)胴部材である紙管をはじめ、各部材は紙材に限らず、合成樹脂やアルミニウム等の金属であってもよい。
【0059】
(5)振出容器に収容される収容物は複数種類でもよい。その場合、胴部材体の収容空間を収容物の種類に合わせて分割しておき、分割した空間に対応させて固定蓋の固定穴を複数設けるようにしてもよい。
(6)振出容器に収容される収容物は粉粒体に限らず、流体であってもよい。本発明の振出容器は優れた密閉性を持つため、流体であっても漏れ出る心配がなく、多様な収容物に対応可能である。
(7)固定蓋の排出穴下面に不織布層を設ければ、粒子の細かい粉粒体にも適用可能となる。
【0060】
(8)各部材の基材に含ませる熱硬化性物質としては、フェノール系の熱硬化性樹脂に限らず、他の熱硬化性樹脂はもちろんのこと、セラックやロジンのような天然物からなる熱硬化性物質を用いてもよい。
(9)固定蓋に底面部を設けることにより、固定蓋の下部が胴部材の役割を果たすように構成してもよい。このような実施形態によれば、振出容器の小型化を実現でき、携帯性が向上する。
【0061】
(10)二重壁部の外壁部には突起部の一部を露出させる切欠部を設けるようにしてもよい。このような実施形態によれば、切欠部から突起部を押すことで二重壁部を設けた側壁部と、突起部を設けた側壁部との係合を簡単に外すことができる。したがって、固定蓋と回転蓋との着脱が容易となり、固定蓋および回転蓋を清潔に保つことができると同時に、ユーザーの好みに応じて回転蓋を交換することも可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1…紙管
2、8、14…固定蓋
3、9、15…回転蓋
4…下蓋
5、13…突起部
6、11…二重壁部
7、10…摺動部
12…摺動リング
16…位置決め突起
17…係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部が設けられた胴部材と、
前記胴部材の前記開口部に装着され、前記開口部を閉塞する蓋面と、当該蓋面の周囲に設置された側壁部とを備えた固定蓋と、
前記固定蓋の側壁部に取り付けられる側壁部を備え、前記固定蓋の蓋面に接しながら回転する回転蓋と、
前記固定蓋の蓋面に形成された固定穴と、
前記回転蓋に形成され、前記固定穴と重なることで連通する回転穴と、
前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のいずれか一方に設けられ、向かい合う外壁部および内壁部からなる二重壁部と、
前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のうちの他方に設けられ、前記二重壁部の壁の間に嵌め込まれる突起部と、を備えたことを特徴とする振出容器。
【請求項2】
前記胴部材に固定した前記固定蓋はその蓋面を前記胴部材の開口部の位置よりも高くなるように配置し、
前記回転蓋は平板状の蓋面とその周囲に設けられた側壁部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の振出容器。
【請求項3】
前記胴部材に固定した前記固定蓋は前記胴部材の開口部に接するように配置し、
前記回転蓋はその蓋面が前記固定蓋の蓋面に接するように凹ませたことを特徴とする請求項1に記載の振出容器。
【請求項4】
前記固定蓋および前記回転蓋が半球状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項5】
前記各部材は紙材を基材として構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項6】
前記固定蓋および前記回転蓋の側壁部において、一方に水平方向に突出する位置決め突起を設け、他方に前記位置決め突起に係止する係止部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項7】
前記二重壁部の外壁部に前記突起部を露出させる切欠部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項1】
上部に開口部が設けられた胴部材と、
前記胴部材の前記開口部に装着され、前記開口部を閉塞する蓋面と、当該蓋面の周囲に設置された側壁部とを備えた固定蓋と、
前記固定蓋の側壁部に取り付けられる側壁部を備え、前記固定蓋の蓋面に接しながら回転する回転蓋と、
前記固定蓋の蓋面に形成された固定穴と、
前記回転蓋に形成され、前記固定穴と重なることで連通する回転穴と、
前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のいずれか一方に設けられ、向かい合う外壁部および内壁部からなる二重壁部と、
前記固定蓋の側壁部および前記回転蓋の側壁部のうちの他方に設けられ、前記二重壁部の壁の間に嵌め込まれる突起部と、を備えたことを特徴とする振出容器。
【請求項2】
前記胴部材に固定した前記固定蓋はその蓋面を前記胴部材の開口部の位置よりも高くなるように配置し、
前記回転蓋は平板状の蓋面とその周囲に設けられた側壁部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の振出容器。
【請求項3】
前記胴部材に固定した前記固定蓋は前記胴部材の開口部に接するように配置し、
前記回転蓋はその蓋面が前記固定蓋の蓋面に接するように凹ませたことを特徴とする請求項1に記載の振出容器。
【請求項4】
前記固定蓋および前記回転蓋が半球状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項5】
前記各部材は紙材を基材として構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項6】
前記固定蓋および前記回転蓋の側壁部において、一方に水平方向に突出する位置決め突起を設け、他方に前記位置決め突起に係止する係止部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の振出容器。
【請求項7】
前記二重壁部の外壁部に前記突起部を露出させる切欠部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の振出容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−67399(P2013−67399A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206116(P2011−206116)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(592081391)中井紙器工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(592081391)中井紙器工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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