説明

振動センサ付き物品固定具

【課題】 地震等の振動が発生した場合には物品の転倒や移動を確実に防止し、かつ、当該物品を使用する際には、物品を所定位置から移動することを何ら妨げることがない振動センサ付き物品固定具10を提供すること。
【解決手段】 本発明の振動センサ付き物品固定具10は、下面が接地面に固着されるベース部11と、一部に開口部12を備え、ベース部11の上面を覆う上蓋20と、ベース部11の上面に配置され、被固定部94を進入出自在の状態と固定状態とにするロックアーム30と、ベース部11の上面に配置され、ロックアーム30に連結可能なセットアーム40と、ベース部11の上面に配置され、セットアーム40と接続することでロックアーム30とセットアーム40の連結を規制してロックアーム30を進入出自在の状態とし、地震等の振動の感知によりセットアーム40との接続を解除することでロックアーム30とセットアーム40を連結させてロックアーム30を固定状態とする振動センサ部50とを概略具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のキャスタ付き物品が地震や意図しない物品等の衝突により発生する振動で転倒や移動することを防止する振動センサ付き物品固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭内における薄型テレビ用置き台、ピアノ、パーソナルコンピュータテーブル等や、商店や工場における商品・製品を陳列する什器、商品・製品を搬送する台車等や、事務所における椅子、机、移動棚、ホワイトボード、コピー機等の移動のために、それらの物品の下部にキャスタが配設されている。このようなキャスタ付き物品のキャスタにはストッパが設けられており、移動ができないように車輪の回転を止めて固定できるようになっている。
【0003】
このような従来のキャスタ付き物品においては、ストッパを利用して車輪を固定した状態では、地震や意図しない他の物品等の衝突時に車輪による移動ができないため、キャスタ付き物品が転倒することがあった。
【0004】
また、キャスタ付き物品が転倒しない場合であっても、キャスタの車輪の表面とキャスタ付き物品が設置されている接地面との静止摩擦力より地震等の振動の力が大きい場合には、該キャスタ付き物品が接地面上を横滑りして移動してしまうことがあった。
【0005】
これらの従来のキャスタ付き物品の転倒や移動の防止のために、特許文献1には、家具の4つのキャスタを拘束するために、各々のキャスタのそれぞれの対向側面に当接する当て板を、蝶番により起倒可能として床面上に設け、かつ当て板に内側から当接する当接面を両端部に有する支持杆を、左右のベース脚を連結する連結ビームに引張りばねをもって連結する装置の構成が開示されている。
【0006】
また同様に、特許文献2には、回転可能な自在キャスタを備えるキャスタ付き物品に該自在キャスタの旋回制限ロック機構と暴走制限ロック機構とを設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】 特開平11−141610号公報
【特許文献2】 特開2003−285604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来のキャスタ付き物品の転倒や移動を防止する装置は、普段、使用するために移動させなければならないオフィス用椅子、オフィス用机や台車のキャスタ付き物品を常時固定してしまうことになるため、使用することができない課題があった。
【0009】
また、特許文献2に開示されるような従来のロック機構を設けたキャスタ付き物品は、キャスタの周辺に複雑な機構を設けなければならないため、どのようなキャスタ付き物品でも適用できるわけではないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の目的は、上述した事情に鑑みなされたもので、この発明の主たる目的は、どのようなキャスタ付き物品にも適用でき、かつ地震等の振動に対して該キャスタ付き物品の転倒と移動を確実に防止できる振動センサ付き物品固定具を提供することである。
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項1の記載によれば、一方の面が接地面に固着されるベース部と、前記ベース部の他方の面に配置され、被固定部を進入出自在の状態と固定状態とにする第1のアームと、前記ベース部の他方の面に配置され、前記第1のアームに連結可能な第2のアームと、前記ベース部の他方の面に配置され、前記第2のアームと接続することで前記第1のアームと前記第2のアームの連結を規制して進入出自在の状態とし、振動の感知により前記第2のアームとの接続を解除することで前記第1のアームと前記第2のアームを連結させて固定状態とする振動センサ部と、を具備することを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項2の記載によれば、前記第1のアームは、基端に第1のアーム回動支軸を備え、先端に前記第2のアームと連結することで前記第1のアームの回動を不可にする回動固定部を備えることを特徴とする。
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項3の記載によれば、前記第1のアームは、さらに第1のアーム付勢手段を備え、該第1のアーム付勢手段の付勢力により前記第1のアームが前記第2のアームと連結可能となる位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項4の記載によれば、前記第1のアームは、前記被固定部の進入により該第1のアーム付勢手段の付勢力に抗して回動可能であることを特徴とする。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項5の記載によれば、前記第2のアームは、一方に前記第1のアームと連結する連結部と、他方に前記振動センサ部と接続する接続部と、前記連結部と前記接続部との間に設けられた第2のアーム回動支軸とを備えることを特徴とする。
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項6の記載によれば、前記第2のアームは、さらに第2のアーム付勢手段を備え、該第2のアーム付勢手段の付勢力により前記第2のアームが回動して前記第1のアームと連結することを特徴とする。
【0017】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項7の記載によれば、前記振動センサ部は、感知した振動を前記第2のアームに伝えるセンサアームと、振動を感知する振動感知部とから構成されていることを特徴とする。
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項8の記載によれば、前記センサアームは、基端にセンサアーム回動支軸を備え、先端に前記第2のアームの前記接続部に接続されるセンサレバーが設けられていることを特徴とする。
【0019】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサ付き物品固定具は、請求項9の記載によれば、前記振動感知部は、中心に貫通穴が設けられたおもり部と、開口した一端と内側が円錐状に形成された閉口した他端とを有し、該一端の側が前記おもり部の該貫通穴に挿入されるおもり保持部と、前記ベース部に突設され、前記おもり保持部を内側から懸垂する軸状のおもり懸垂部とが設けられていることを特徴とする。
【0020】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる振動センサは、請求項10の記載によれば、感知した振動を外部に伝えるセンサアームと、振動を感知する振動感知部とから構成される振動センサであって、前記センサアームは、基端にセンサアーム回動支軸を備え、先端に外部に接続されるセンサレバーが設けられ、前記振動感知部は、中心に貫通穴が設けられたおもり部と、開口した一端と内側が円錐状に形成された閉口した他端とを有し、該一端の側が前記おもり部の該貫通穴に挿入されるおもり保持部と、前記おもり保持部を内側から懸垂する軸状のおもり懸垂部とが設けられ、前記閉口した他端が前記センサアームの基端と先端との間に当接し、振動で揺動する前記振動感知部により前記閉口した他端が前記センサアームを動作させて感知した振動を外部に伝えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、どのような従来のキャスタ付き物品にも適用できる振動センサ付き物品固定具を提供することができる。
【0022】
また、この発明により、従来のキャスタ付き物品を地震等の振動による転倒と移動を防止することができる振動センサ付き物品固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 振動センサ付き物品固定具10を開口部12の側から見た斜視図
【図2】 振動センサ付き物品固定具10を振動センサ部50の側から見た斜視図
【図3】 振動センサ付き物品固定具10の上面図
【図4】 リセット状態で振動センサ付き物品固定具10の上蓋20を取り外した図
【図5】 セット状態で振動センサ付き物品固定具10の上蓋20を取り外した図
【図6】 図4の斜視図
【図7】 図5の斜視図
【図8】 振動センサ付き物品固定具10のベース部11を示す図
【図9】 振動センサ付き物品固定具10とキャスタ付き台車90を示す図
【図10】 図9のX−X一部断面図であり、被固定部94が開口部12から進入する状態を示す図
【図11】 図9のX−X一部断面図であり、被固定部94が開口部12から進入してダンパ19に当接している状態を示す図
【図12】 振動感知部60の中心断面図
【図13】 図4のY−Y断面図
【図14】 図13の斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0024】
以下に図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、この実施例において、本発明の振動センサ付き物品固定具で固定される物品を工場等で製品や部品の搬送に使用されるキャスタ付き台車としているが、これに限定されるものではない。具体的には、事務所の会議室における折り畳み式机、椅子やホワイトボード等のように、キャスタの有無を問わず当該物品を使用する際には所定位置から移動し、使用が完了した際にはその所定位置に戻される物品であれば、本発明の振動センサ付き物品固定具が適用可能である。
【0025】
最初に図1乃至図11を用いて、本発明の振動センサ付き物品固定具10の構成を説明する。図1は、本発明の振動センサ付き物品固定具10を固定される物品としてのキャスタ付き台車90に設けられた被固定部94が進入する開口部12の側から見た斜視図である。図2は、本発明の振動センサ付き物品固定具10を振動センサ部50の側から見た斜視図である。図3は、本発明の振動センサ付き物品固定具10の上面図である。なお本発明の実施例において、特に断りがない限り、本発明の振動センサ付き物品固定具10が設置される接地面の側に向かう方向を下側、接地面から離れる方向を上側とする。このため、振動センサ付き物品固定具10の上面とは該接地面に接する面と反対となる面である。
【0026】
図4は、振動センサ付き物品固定具10の上蓋20を取り外した図であり、被固定部94が開口部12とダンパ19との間を進入出自在となっているリセット状態を示す図である。図5は、振動センサ付き物品固定具10の上蓋20を取り外した図であり、被固定部94がロックアーム30により進出不可に固定されるセット状態を示す図である。図6は図4の斜視図である。図7は図5の斜視図である。図8は、振動センサ付き物品固定具10のベース部11を示す図である。
【0027】
図9は、振動センサ付き物品固定具10とキャスタ付き台車90を示す図である。図10は、図9のX−X一部断面図であり、被固定部94が開口部12から進入する状態を示す図である。図11は、図9のX−X一部断面図であり、被固定部94が開口部12から進入してダンパ19に当接している状態を示す図である。
【0028】
図9乃至図11によると、地震等による振動に対して転倒や移動を防止したい物品としてのキャスタ付き台車90は、略矩形の台座91の下面(キャスタが転動することでキャスタ付き台車90が移動する接地面の側の面)の4隅に設けられた複数のキャスタ92と、台座91の一側面近傍に設けられた被固定部94とから構成されている。
【0029】
このキャスタ付き台車90は、例えば工場内において台座91の上面に部品等を載置して該部品を搬送するために使用される物品であるため、地震等の振動に備えて常時接地面に固定しておくという訳にはいかない。また、キャスタ付き台車90は、部品を搬送する時以外は台車毎に置かれる位置が所定位置として決められていることが多い。このため、振動センサ付き物品固定具10に求められる機能は、地震等の振動がないときには動作しない状態が維持されてキャスタ付き台車90による部品の搬送を妨げることがないようにすることと、振動センサ付き物品固定具10をキャスタ付き台車90が置かれる所定位置に配置しておき、ひとたび地震が発生した場合には、キャスタ付き台車90が所定位置で転倒したり所定位置から移動したりしないようにすることである。
【0030】
また、キャスタ付き台車90を振動センサ付き物品固定具10へ固定するための被固定部94は、どのような形状、大きさ、高さを有するキャスタ付き台車にでも適用可能とするために、加工が容易で、かつ簡素な構成が求められる。その一例として、本実施例における被固定部94は、台座91の一側面の近傍で台座91の上面と下面を貫通する貫通穴95と、貫通穴95に挿通され、その軸方向と平行な表面にネジ溝が設けられた軸部96と、軸部96が貫通穴95に挿通された一方部分で台座91の上面と下面から該ネジ溝に螺合して軸部96を台座91に固定する2つのナット97と、軸部96の他方部分に固定される軸部96の直径より大きい直径を有するダンパ当接部98を備える。
【0031】
上記の構成を備える被固定部94は、台座91に貫通穴95を設けるのみで取り付け可能であり、どのようなキャスタ付き台車にでも容易に、かつ安価に設けることが可能である。また、軸部96に設けたネジ溝と該ネジ溝に螺合する2つのナット97により、ダンパ当接部98の高さ調整が容易となっている。なお、本実施例により説明した被固定部94は一例を示すのみであり、キャスタ付き台車90の転倒と移動を防止する機能を阻害しない範囲で、例えばL形状フックを台座91に溶接したり、またはダンパ当接部98の代わりに軸部96の他方部分に凹部分を設けたりすることも可能である。
【0032】
キャスタ付き台車90の転倒や移動を防止する振動センサ付き物品固定具10は、一方の面(下面)が接地面に固着されるベース部11と、一部に開口部12を備え、ベース部11の他方の面(上面)を覆う上蓋20と、ベース部11の上面に配置され、被固定部94を進入出自在の状態と固定状態とにする第1のアームとしてのロックアーム30と、ベース部11の上面に配置され、ロックアーム30に連結可能な第2のアームとしてのセットアーム40と、ベース部11の上面に配置され、セットアーム40と接続することでロックアーム30とセットアーム40の連結を規制してロックアーム30を進入出自在の状態とし、地震等の振動の感知によりセットアーム40との接続を解除することでロックアーム30とセットアーム40を連結させてロックアーム30を固定状態とする振動センサ部50とを概略具備している。
【0033】
図4乃至図7によると、第1のアームとしてのロックアーム30は、基端にロックアーム回動支軸31を備え、先端にロックアーム30をロックアーム回動支軸周りに図4、図5における時計方向に回動偏倚させるロックアーム付勢手段としての引っ張りバネ32が係止されており、ロックアーム30を時計方向に所定の付勢力で付勢している。また、ロックアーム30の基端と先端の間には、ロックアーム30の時計方向と半時計方向との両方向の所定以上の回動を規制するための長穴33と規制軸34とからなる回動規制部35が設けられている。なお、長穴33は、ロックアーム回動支軸31を中心とした円弧と平行となるように設けられた楕円穴である。
【0034】
また、ロックアーム30の図4、図5における下縁の一部であって、基端(ロックアーム回動支軸31)側に位置する部分は、キャスタ付き台車90に取り付けられた被固定部94が開口部12から進入する際の進入軸線に対して、所定の角度で傾斜する斜面36を構成している。また、ロックアーム30の図4、図5における下縁の一部であって、斜面36に先端側で隣接する部分は、該進入軸線に対して、所定の角度で傾斜し、斜面36の傾斜に対して略180度の線対称となる逆斜面37を構成している。
【0035】
また、ロックアーム30は、先端にセットアーム40と連結することでロックアーム30の回動を不可にして固定状態にする回動固定部38を備えている。
【0036】
上記のように構成されるロックアーム30は、被固定部94が進入する際には被固定部94のダンパ当接部98が斜面36に当接し、また、被固定部94が進出する際には被固定部94のダンパ当接部98が逆斜面37に当接することにより、引っ張りバネ32の付勢力に抗して、図4のように反時計方向に回動させられるように設定されている。この結果、地震等の振動がない時には、被固定部94は開口部12を進入出自在の状態(リセット状態)となっている。
【0037】
なお、図4と図6は、リセット状態のうち、被固定部94が進入出で斜面36または逆斜面37に当接することで、反時計方向に最大限回動させられたリセット状態の一形態を示す図である。即ち、リセット状態とは、被固定部94が開口部12を進入出自在の状態のことであるので、図4、図6に示す形態はもちろん、ロックアーム30が引っ張りバネ32の付勢力で時計方向に最大限回動させられた状態であっても被固定部94が開口部12を進入出自在の状態であればリセット状態となる。
【0038】
また、ロックアーム30は、地震等の振動が発生すると、振動センサ部50の該振動の感知によりセットアーム40が動作し、図5、図7のようにロックアーム30とセットアーム40が連結して回動動作が不可となる。この結果、地震等の振動の発生時には、被固定部94は開口部12への進出不可の固定状態(セット状態)となる。
【0039】
このように、ロックアーム30は、ロックアーム回動支軸31を中心に回動偏倚すると共に、ベース部11の上面でロックアーム付勢手段の付勢力によりセットアーム40が連結可能となる(図5、図7に示される)位置に配置されているアーム状部材である。また、ロックアーム30は、被固定部94が開口部12を進入出する際には該被固定部94がロックアーム30に当接することでロックアーム付勢手段の付勢力に抗して回動する進入出自在の状態(リセット状態)と、地震等の振動でセットアーム40と連結して回動動作が不可となる固定状態(セット状態)との2つの状態を実現する。
【0040】
このロックアーム30は、上記のリセット状態とセット状態を実現可能であれば、どのような構成でも良く、例えば、ロックアームの付勢手段であるロックアーム30の先端と垂直壁面17との間に掛け渡された引っ張りバネ32の代わりに板バネ等のその他のバネや電磁石等を利用しても良いし、また付勢力の方向もロックアーム30としての機能を実現可能であればどの方向から付勢しても良いことは説明するまでもない。
【0041】
また、ロックアーム30の回動偏倚の回転方向や方法、また、セットアーム40との連結方法も、ロックアーム30の上記のリセット状態とセット状態を実現可能であれば上記実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0042】
図4乃至図7によると、第2のアームとしてのセットアーム40は、一方にロックアーム30と連結する連結部42と、他方に振動センサ部50と接続する接続部44と、連結部42と接続部44との間に設けられたセットアーム回動支軸45とを概略備えている。
【0043】
また、セットアーム回動支軸45にはセットアーム付勢手段としてのねじりバネ46が係止されており、セットアーム40をセットアーム回動支軸45周りに図4、図5における半時計方向に所定の付勢力で付勢している。
【0044】
また、セットアーム40のセットアーム回動支軸45と接続部44との間には、セットアーム40が振動センサ部50にセットアーム40を上下から挟み込むスペーサ47が設けられている。このスペーサ47は、震度の感知により繊細に上下動する振動センサ部50のセンサレバー59の動作を精度良く検知するために、セットアーム40の上下方向の遊び(ぶれ)を規制する機能を有している。
【0045】
また、セットアーム40の一方の先端部分には、ロックアーム30をセット状態(図5、図7の状態)からリセット状態(図4、図6の状態)に復旧(リセット)させるためのリセットレバー48が設けられている。
【0046】
このように、セットアーム40は、セットアーム回動支軸45を中心に回動し、セットアーム付勢手段であるねじりバネ46の付勢力によって半時計方向に付勢されてロックアーム30と連結するアーム状部材である。
【0047】
また、このセットアーム40は、接続部44と振動センサ部50のセンサレバー59がねじりバネ46の付勢力に抗して接続する接続状態が維持可能に構成されており、図4、図6に示すとおり、この接続部44とセンサレバー59の接続状態が維持される限り、ロックアーム30のリセット状態(被固定部94が開口部12を進入出自在の状態)が維持されることになる。
【0048】
なお、接続部44とセンサレバー59の接続は、本実施例においては、セットアーム40の一方に設けられた溝部(連結部42)にセンサレバー59の先端近傍に設けられた溝部が係止される構造となっているが、この構成以外の様々な構成とすることが可能である。例えば、センサレバー59の先端に電磁石を設け、鉄等の教磁性体からなる接続部59に磁力で接続する構成等、様々な構成とすることが可能である。即ち、接続部44とセンサレバー59の接続は、振動センサ部50が地震等の振動を感知するとセンサレバー59と接続部44の接続状態が解除されるように構成されることが重要であり、このような構成とすることで、図5、図7に示すとおり、センサレバー59と接続部44の接続状態の解除によりセットアーム40がねじりバネ46の付勢力で半時計方向に回動してロックアーム30の回動固定部38とセットアーム40の連結部42が連結する。
【0049】
なお、回動固定部38と連結部42の連結は、本実施例においては、セットアーム40の一方に設けられた貫通穴(連結部42)にロックアーム30の先端全体(回動固定部38)が嵌り込む構造となっているが、この構成以外の様々な構成とすることが可能である。即ち、回動固定部38と連結部42の連結での重要な構成は、ロックアーム30の回動偏倚の方向とセットアーム40の回動の方向は略直角となっていることであり、このような構成とすることでロックアーム30の回動動作が不可となりロックアーム30はセット状態(固定状態)となる。
【0050】
また、ロックアーム30のセット状態を解除するには、リセットレバー48をねじりバネ46の付勢力に抗して時計方向に回動し、接続部44とセンサレバー59の接続状態を回復させることで行う。
【0051】
このように、セットアーム40は、接続部44とセンサレバー59の接続状態を維持してロックアーム30の回動固定部38とセットアーム40の連結部42が連結しないようにすることで、ロックアーム30をリセット状態とし、また、地震等の振動による接続部44とセンサレバー59の接続状態の解除により回動固定部38と連結部42の連結で、ロックアーム30をセット状態とする機能を有している。
【0052】
上述したように、振動センサ付き物品固定具10で部品等が載置されているキャスタ付き台車90の転倒防止や移動防止を行うには、被固定部94を確実に固定するロックアーム30の機能と、振動センサ部50の震度の感知により繊細に上下動するセンサレバー59の動作でロックアーム30を確実にセット状態(固定状態)とするセットアーム40の機能の共働作業が欠かせない。即ち、ロックアーム30の機能は、回動固定部38と連結部42の連結がロックアーム30の回動偏倚の方向とセットアーム40の回動の方向が略直角となっていることで強力かつ確実となっている。また、ロックアーム30をセット状態にするセットアーム40の機能は、回動固定部38と連結部42の連結がセンサレバー59の繊細な上下動をセットアーム40の回動動作に変換、拡大されることで確実に行われる。
【0053】
なお、このセットアーム40の付勢手段は、上記で説明したねじりバネ46に限らずセットアーム40を付勢するものであれば、どのような構成でも良く、例えば、板バネ等のその他のバネや電磁石等を利用しても良いし、また付勢力の方向もセットアーム40としての機能を実現可能であればどの方向から付勢しても良いことは説明するまでもない。なお、セットアーム40の付勢手段の付勢力は接続部44とセンサレバー59の接続状態を解除する際の感度に影響するため、その位置や付勢力の量や方向を慎重に検討することが必要である。
【0054】
また、セットアーム40の回動の回転方向や方法、また、ロックアーム30との連結方法も、上記実施例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0055】
図8によると、ベース部11は、一方の面(下面)が接地面に固着され、他方の面(上面)に上蓋20とロックアーム30とセットアーム40と振動センサ部50が配置された構成となっている。
【0056】
また、ベース部11は、下面を接地面に固着するために用いる複数の固着ボルト13をベース部11の上面から下面に向かって挿通するための複数のベース部貫通穴14を備えている。なお、ベース部11を接地面に固着するための固着ボルト13の代わりに、例えば接地面とベース部11の下面との間に両面接着テープを用いても良いことは説明するまでもない。
【0057】
また、ベース部11は、その上面に立設される壁面であって、キャスタ付き台車90に取り付けられた被固定部94が開口部12から進入する際の進入軸線に対して、所定の角度で傾斜すると共に、ロックアーム30の斜面36と対をなす斜壁面15と、斜壁面15に隣接して立設される壁面であって、該進入軸線に対して平行な平行壁面16と、平行壁面16に隣接する壁面であって、該進入軸線に対して垂直な垂直壁面17とを備えている。
【0058】
また、ベース部11の上面に配置されるロックアーム30の先端近傍であって、該ロックアーム30が接触しない位置には、上蓋20を固定するための上蓋固定ネジ24を螺合するために中心に雌ネジが螺設された上蓋固定ネジ螺合部18がベース部11の上面に立設されている。
【0059】
さらに、斜壁面15、平行壁面16及び垂直壁面17の壁面上端には、上蓋固定ネジ24を螺合するために雌ネジが螺設された上蓋固定ネジ螺合部18が設けられている。なお、ロックアーム回動支軸31、規制軸34、セットアーム回動支軸45はベース部11の上面に各々立設され、それらの各々の上部の中心には上蓋固定ネジ24を螺合するための雌ネジが螺設されている。
【0060】
また、ロックアーム30とロックアーム30と平行壁面16とで構成される空間には、被固定部94のダンパ当接部98が当接するダンパ19がベース部11の上面に立設されている。なお、このダンパ11は、その外周部に金属等の硬度の高い部材が用いられ、その内周部にゴム等の弾力性の高い部材が用いられており、ダンパ当接部98が開口部12から進入してダンパ19に当接した際に、内周部の弾力性の高い部材が衝撃を和らげると共に、外周部の硬度の高い部材がダンパ19全体の弾性変形を抑えるようになっている。
【0061】
図1乃至図3によると、上蓋20は、上蓋の上面の略全体を覆う上蓋上面21と、上蓋上面21の3辺に設けられ、ベース部材11の3辺に載置される上蓋側面22と、上蓋20をベース部11に固着する上蓋固定ネジ24とで概略構成されている。この上蓋20によりベース部材11の上面に配置されるロックアーム30、セットアーム40、振動センサ部50等が覆われて、これらがゴミや異物、またはキャスタ付き台車90のキャスタ92から保護される。
【0062】
また、特に振動センサ部50は繊細な構成であるので、ゴミ等の異物の侵入を防止するために斜壁面15と平行壁面16と垂直壁面17と上蓋20の上蓋上面21及び上蓋側面22で構成される空間に配置されている。
【0063】
また、上蓋20は、上蓋側面22が設けられていない1辺に、キャスタ付き台車90に取り付けられた被固定部94が進入する際の進入軸線に向かって開口するV字型切り込み部26と、該V字型切り込み部26の底部側(V字文字の開放しない側)に設けられ、該進入軸線と平行な平行切り込み部27が設けられている。
【0064】
開口部12は、ロックアーム30の斜面36と、該斜面36と対をなす斜壁面15と、上蓋20のV字型切り込み部22及び平行切り込み部27とで構成される空間である。キャスタ付き台車90に取り付けられた被固定部94が開口部12から進入する際に進入軸線がV字型切り込み部22に衝突する方向の場合には、被固定部94の軸部96がV字型切り込み部22に当接してガイドされてV字型切り込み部22に導かれる。また、この時、同時に、被固定部94のダンパ当接部98がロックアーム30の斜面36に当接してロックアーム30が反時計方向に回動することになる。
【0065】
また、平行切り込み部27の幅(該進入軸線に垂直な方向であってベース部11に平行な方向)は、被固定部94の軸部96の直径より大きく、ダンパ当接部98の直径より小さく設定されている。この結果、ダンパ当接部98へ接地面に対して垂直な方向のうち接地面から離れる方向(上方)へ力が作用しても、上蓋20がダンパ当接部98を押さえ込むため、被固定部94が振動センサ付き物品固定具10から外れてキャスタ付き台車90が転倒したりすることがない。
【0066】
ダンパ当接部98は、ロックアーム30による固定、即ち、ロックアーム30とセットアーム40が連結することでロックアーム30が回動不可となりダンパ当接部98が逆斜面37に当接しても開口部12へ進出不可に固定される。また、ダンパ当接部98は、上蓋20による固定、即ち、ダンパ当接部98が接地面から離れる方向で上蓋20に押さえ込まれて固定される。このように、ロックアーム30と上蓋20は被固定部94を固定する固定部を構成している。
【0067】
次に図4乃至図8及び図12乃至図14を用いて、本発明の振動センサ付き物品固定具10の振動センサ部50の構成を説明する。図12は、振動感知部60の中心断面図である。図13は、図4のY−Y断面図である。図14は、図13の斜視図である。
【0068】
本発明の振動を感知する振動センサ部50は、感知した振動をセットアーム40に伝えるセンサアーム51と、振動を感知する振動感知部60とから概略構成されている。
【0069】
センサアーム51は、基端に2つのセンサアーム回動支軸52を備えており、センサアーム回動支軸周りに図4、図5における紙面に垂直な方向(接地面に垂直な方向である上下方向)に回動偏倚するように構成されている。また、センサアーム51の先端には、セットアーム40の接続部44に接続されるセンサレバー59が設けられている。
【0070】
また、センサアーム51は、2つのセンサアーム回動支軸52をベース部11に固定するためのセンサアーム固定部53を備えている。また、センサアーム固定部53のベース部11への固定は、ベース部11に螺設されたセンサアーム固定ボルト螺合部54にセンサアーム固定ボルト55で固定される。
【0071】
振動感知部60は、中心に貫通穴が設けられた円盤状のおもり部61と、開口した一端63と閉口した他端64とを有し、該一端の側がおもり部61の貫通穴に挿入される筒状のおもり保持部62とから構成されている。また、閉口した他端64は、その内側に円錐状に形成された円錐部65が設けられ、その外側に円柱形の突端部66が設けられている。また、おもり保持部62の外周には開口した一端63をおもり部61の貫通穴に挿入した際に抜け止めとなるつば部67が設けられている。なお、閉口した他端64の外側の筒状形状の円周部を肩部68とする。
【0072】
また、ベース部11には、振動感知部60のおもり保持部62の内側に挿入しておもり保持部62を懸垂する、少なくとも先端が円錐形の軸状のおもり懸垂部69が突設されている。
【0073】
また、センサアーム51は、基端に2つのセンサアーム回動支軸52が備えられた基端とセンサレバー59が設けられた先端の間に、振動感知部60の円柱形の突端部66が挿入される突端部挿入穴56が設けられている。
【0074】
上記のように構成される振動センサ部50による地震等の振動の感知は以下の通りである。おもり保持部62の内側に挿入されたおもり懸垂部69で懸垂される振動感知部60が、地震等の振動で接地面に対して上下する方向に揺動する。この振動感知部60の揺動の結果、肩部68が突端部挿入穴56の近傍を上側(接地面から離れる方向)に押し上げる。
【0075】
センサアーム51の突端部挿入穴56はセンサアーム51の基端と先端の間に設けられている、即ち、センサアーム51の基端と突端部挿入穴56との間の距離は、センサアーム51の基端と先端との間の距離より短いので、てこの原理により振動感知部60の揺動はセンサアーム51により増幅されてセンサレバー59に伝えられる。
【0076】
この結果、センサレバー59とセットアーム40の接続部44との接続が解除され、ロックアーム30とセットアーム40が連結してロック状態となる。
【0077】
なお、円錐状に形成された円錐部65に先端を円錐形に形成したおもり懸垂部69を当接させておもり保持部62を懸垂する構成は、振動感知部60の振動に対する感度を敏感にすることに有効である。また、おもり保持部62に対して非常に大きな大きさと質量を持つおもり部61の構成は、振動が収まった後の振動感知部60の素早い揺動停止に有効である。また、先端を円錐形に形成したおもり懸垂部69の高さ位置に対しておもり部61の高さ位置が低い(ベース部11に近い)位置となっている構成は、振動感知部60の振動に対する感度の安定性を高くすることと、振動が収まった後の振動感知部60の素早い揺動停止に有効である。
【0078】
また、振動に対する振動感知部60の感度の調整は、おもり部61の大きさや質量で行うことも可能であるが、振動センサ付き物品固定具10の設置作業の場で、このおもり部61の変更は難しいことがある。このため、振動感知部60の感度の調整として、センサレバー59をセンサアーム51に取り付けるネジを緩めてセンサレバー59を上下方向に高さ調整を行ったり、また、センサアーム51に感度調整用おもりを取り付けたりすることが有効である。
【0079】
また、センサレバー59がセットアーム40の接続部44と接続する高さ位置(ベース部11の上面からの距離)と、ベース部11の上面と平行な方向に延出するセンサアーム回動支軸52の高さ位置(ベース部11の上面とセンサアーム回動支軸52の間の距離)を一致させると、振動感知部60の振動に対する感度を敏感にすることが可能である。
【0080】
以上のように、本発明の振動センサ付き物品固定具10により、地震等の振動が発生した場合には物品の転倒や移動を確実に防止することが可能であると共に、当該物品を使用する際には、物品を所定位置から移動することを何ら妨げることがない物品固定具を提供することができる。
【0081】
また、本発明の振動センサ付き物品固定具10は、接地面に垂直な方向の高さが低く、物品の移動時に障害となりにくい特徴も有する。
【0082】
またさらに、本発明の振動センサ付き物品固定具10は、従来の物品に簡単な被固定部94を設けるだけで使用することが可能であり、安価で簡便である特徴も有する。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の振動センサ付き物品固定具10は、接地面に対するロックアーム30、セットアーム40の向きと回動方向を変更すると共に、ロックアーム30と上蓋20で構成される固定部の向きを変更することにより、例えば倉庫内の棚に設置された荷物の落下防止に使用する柵(被固定部94)を固定することにも利用可能である。
【符号の説明】
【0084】
10・・・振動センサ付き物品固定具、 11・・・ベース部、 12・・・開口部、 13・・・固着ボルト、 14・・・ベース部貫通穴、 15・・・斜壁面、 16・・・平行壁面、 17・・・垂直壁面、 18・・・上蓋固定ネジ螺合部、 19・・・ダンパ、 20・・・上蓋、 21・・・上蓋上面、 22・・・上蓋側面、 24・・・上蓋固定ネジ、 26・・・V字型切り込み部、 27・・・平行切り込み部、 30・・・ロックアーム、 31・・・ロックアーム回動支軸、 32・・・引っ張りバネ、 33・・・長穴、 34・・・規制軸、 35・・・回動規制部、 36・・・斜面、 37・・・逆斜面、 38・・・回動固定部、 40・・・セットアーム、 42・・・連結部、 44・・・接続部、 45・・・セットアーム回動支軸、 46・・・ねじりバネ、 47・・・スペーサ、 48・・・リセットレバー、 50・・・振動センサ部、 51・・・センサアーム、 52・・・センサアーム回動支軸、 53・・・センサアーム固定部、 54・・・センサアーム固定ボルト螺合部、 55・・・センサアーム固定ボルト、 56・・・突端部挿入穴、 59・・・センサレバー、 60・・・振動感知部、 61・・・おもり部、 62・・・おもり保持部、 63・・・開口した一端、 64・・・閉口した他端、 65・・・円錐部、 66・・・突端部、 67・・・つば部、 68・・・肩部、 69・・・懸垂部、 90・・・キャスタ付き台車、 91・・・台座、 92・・・キャスタ、 94・・・被固定部、 95・・・貫通穴、 96・・・軸部、 97・・・ナット、 98・・・ダンパ当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面が接地面に固着されるベース部と、
前記ベース部の他方の面に配置され、被固定部を進入出自在の状態と固定状態とにする第1のアームと、
前記ベース部の他方の面に配置され、前記第1のアームに連結可能な第2のアームと、
前記ベース部の他方の面に配置され、前記第2のアームと接続することで前記第1のアームと前記第2のアームの連結を規制して進入出自在の状態とし、振動の感知により前記第2のアームとの接続を解除することで前記第1のアームと前記第2のアームを連結させて固定状態とする振動センサ部と、
を具備することを特徴とする振動センサ付き物品固定具。
【請求項2】
前記第1のアームは、基端に第1のアーム回動支軸を備え、先端に前記第2のアームと連結することで前記第1のアームの回動を不可にする回動固定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項3】
前記第1のアームは、さらに第1のアーム付勢手段を備え、該第1のアーム付勢手段の付勢力により前記第1のアームが前記第2のアームと連結可能となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項4】
前記第1のアームは、前記被固定部の進入により該第1のアーム付勢手段の付勢力に抗して回動可能であることを特徴とする請求項3に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項5】
前記第2のアームは、一方に前記第1のアームと連結する連結部と、他方に前記振動センサ部と接続する接続部と、前記連結部と前記接続部との間に設けられた第2のアーム回動支軸とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項6】
前記第2のアームは、さらに第2のアーム付勢手段を備え、該第2のアーム付勢手段の付勢力により前記第2のアームが回動して前記第1のアームと連結することを特徴とする請求項5に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項7】
前記振動センサ部は、感知した振動を前記第2のアームに伝えるセンサアームと、振動を感知する振動感知部とから構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項8】
前記センサアームは、基端にセンサアーム回動支軸を備え、先端に前記第2のアームの前記接続部に接続されるセンサレバーが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項9】
前記振動感知部は、中心に貫通穴が設けられたおもり部と、開口した一端と内側が円錐状に形成された閉口した他端とを有し、該一端の側が前記おもり部の該貫通穴に挿入されるおもり保持部と、前記ベース部に突設され、前記おもり保持部を内側から懸垂する軸状のおもり懸垂部とが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の振動センサ付き物品固定具。
【請求項10】
感知した振動を外部に伝えるセンサアームと、振動を感知する振動感知部とから構成される振動センサであって、
前記センサアームは、基端にセンサアーム回動支軸を備え、先端に外部に接続されるセンサレバーが設けられ、
前記振動感知部は、中心に貫通穴が設けられたおもり部と、開口した一端と内側が円錐状に形成された閉口した他端とを有し、該一端の側が前記おもり部の該貫通穴に挿入されるおもり保持部と、前記おもり保持部を内側から懸垂する軸状のおもり懸垂部とが設けられ、
前記閉口した他端が前記センサアームの基端と先端との間に当接し、振動で揺動する前記振動感知部により前記閉口した他端が前記センサアームを動作させて感知した振動を外部に伝えることを特徴とする振動センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−164189(P2010−164189A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30436(P2009−30436)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(501359412)株式会社リンテック21 (38)
【Fターム(参考)】