説明

振動センサ

【課題】 感度の経年変化が小さく、かつ特性ばらつきが小さい振動センサを提供する。
【解決手段】 回路基板と板状圧電素子とを収容する空間を備えた基台と、少なくとも一方の面に圧電素子が接着剤を介して支持されるように基台内に配置された支持板とを備える振動センサであって、支持板は圧電素子の外径より大きな外径を有するとともに両端部が基台内に固定される両もち梁構造を有し、かつ支持板の圧電素子の外周縁に対向する箇所に沿って接着剤のはみ出し部を収容するように形成された溝部を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動センサに関し、特に圧電振動子の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやOA機器等の電子機器装置、それら電子機器装置を構成する電子部品、各種産業機器や製造設備、ビルや橋梁等の大型構造物の振動特性評価や異常振動検知、耐震性調査などを実施するため広く振動センサが使用されている。振動センサは現在までに様々な種類が開発されており、各々の特徴を生かして測定対象物や測定環境に合わせて使いこなされている。
【0003】
それら振動センサの種類を概観すると、接触型で測定対象物に生じている加速度の検出に適した圧電型、また速度検出に適した動電型、さらに非接触で変位検出に適した渦電流型や静電容量型等が存在する。この中でも圧電型は小型で広帯域高感度特性を実現しやすい。したがってパーソナルコンピュータ等の端末に搭載し、端末価値を向上させると共にネットワークと連携した新サービスの創出が期待できることから、近年、小型で広帯域高感度保有かつ量産製造技術を高めて低コストを目指した圧電型振動センサの開発が進められている。
【0004】
その振動センサ装置の関連技術の一例が特許文献1(特開平6−201451)に開示されている。すなわち、圧電体の両面に設けられた接着層を介して電極が固定された検知部に、荷重体が取り付けられた圧電型振動センサと、検知部に固定された信号処理回路基板がパッケージ内に収納してある。パッケージが収納体と収納体開口上部を覆う収納覆体とで構成され、収納体及び収納覆体が導電性物質から構成されている。収納体に設けられた凹部には圧電型振動センサが収納してある。その圧電型振動センサに固定してある信号処理基板を介して信号処理基板上部に導電層が設けられ信号処理基板および導電層を覆う収納覆体が収納体と一体化している。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示された振動センサには主軸感度の経年変化が大きいという問題がある。これは圧電体が支持板を介して信号処理基板と接合された構造となっており、振動印加に伴い、収納体に対して信号処理基板の固定強度が徐々に低下し信号処理基板自体が振動してしまうことに起因する。
【0006】
そのような問題を回避する手段として、信号処理用基板と圧電素子とを空間的に分離して配置させることにより主軸感度の経年変化を小さくした振動センサ構造が特許文献2(特開2003−004760)に開示されている。すなわち、図12に示すように、ケース100は上方に開口しており、内部の中央には円形状の凹所110が形成されている。また、ケース100の内側面には、回路基板30がセットされる段部120が形成されている。ケース100における互いに平行な一対の縁部には、上下方向に延びて段部120を貫通する複数のピン端子50がケース100と一体に固定されている。このピン端子50は、回路基板30の外部に対する接続端子である。
【0007】
加速度検出部20は、矩形状の金属製薄板からなるダイヤフラム21の下面中央に、円盤状の重錘22が溶接等の手段により接合され、ダイヤフラム21の上面に、ダイヤフラム21と同形状・同寸法の圧電素子23が接合されてなるものである。
【0008】
圧電素子23は接着剤(図示略)によってダイヤフラム21に接合されている。図12に示すように、加速度検出部20は、重錘22が凹所110に収納され、ダイヤフラム21および圧電素子23の縁部がケース100における凹所110の周囲の中段底面100aに重なる状態で、ケース100内に収納されている。圧電素子23の各接続電極(図示略)は、中段底面100aに重なっている縁部の上面側に形成されている。
【0009】
回路基板30は、加速度検出部20が発生した電荷を増幅させるもので、ICチップ等の実装品31が実装されている。この回路基板30における互いに平行な一対の縁部には、ピン端子50が貫通する複数のスルーホール(図示略)が形成されている。回路基板30は、スルーホールにピン端子50を通し、縁部をケース100の段部120に当ててセットされる。回路基板30の下面には、そのセット状態で圧電素子23の各接続電極に弾性的に当接する接点材32が接合されている。
【0010】
加速度検出部20をケース100内に収納し、ダイヤフラム21の縁部をケース100の中段底面100aに接着剤等を用いて接合する。次に、回路基板30を固定する。各接点材32は圧電素子23の各接続電極に弾性的に当接する。次いで、各ピン端子50を回路基板30に半田付けする。最後に、ケース100にカバー40を嵌め込んで、圧電型加速度センサを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平6−201451 (図1、段落番号15−21)
【特許文献2】特開2003−004760 (図2、段落番号10−16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献2に開示された圧電型加速度センサでは、圧電素子と金属製薄板からなるダイヤフラムとが同一形状であり、両者が接着剤を用いて貼り合わされた構成となっている。したがって、ダイヤフラムの縁部をケースの中段底面に接着剤を用いて接合しているため、接着剤の塗布ばらつきによって、接着剤の一部が圧電素子の縁部に回り込むことが生じ、ダイヤフラムの剛性ばらつきが大きくなり製品ごとに感度のばらつきが大きくなるという問題が生じる。
【0013】
本発明の目的は、上述した課題を解決した振動センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
回路基板と板状圧電素子とを収容する空間を備えた基台と、少なくとも一方の面に圧電素子が接着剤を介して支持されるように基台内に配置された支持板とを備える振動センサであって、支持板は圧電素子の外径より大きな外径を有するとともに両端部が基台内に固定される両もち梁構造を有し、かつ支持板の圧電素子の外周縁に対向する箇所に沿って接着剤のはみ出し部を収容するように形成された溝部を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
この発明の構成によれば、支持板の剛性ばらつきが小さくなり振動センサの感度ばらつきを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態である振動センサを示す振動センサ中央縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態である振動センサの要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1のI−I線に沿った断面を上から見た場合の振動センサの平面図である。
【図4】(a) 図1のII−II線に沿った断面を上から見た場合の振動センサの平面図である。
【0017】
(b) 図4(a)に示された配線類を省略して、信号処理用基板10を透視しての平面図である。
【図5】図1のC部分の拡大断面図である。
【図6】図4(a)のIII−III線における部分断面図である
【図7】本発明の実施の形態である振動センサの感度経年評価結果を示す表である。
【図8】本発明の実施の形態である振動センサの感度ばらつき評価結果を示す表である。
【図9】本発明の第2の実施の形態による振動センサを示す中央縦断面図であり、図1において支持板の両面に圧電素子を接着固定した構造例を示す概略図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による振動センサを示す中央縦断面図である。
【図11】図10のIV−IV線に沿った断面を上から見た場合の振動センサの平面図である。
【図12】特許文献2に開示された圧電型加速度センサを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本発明の第1の実施の形態による振動センサは、図1乃至図6に示すように、圧電振動子1を構成する支持板2および圧電素子3を収納する略箱型(ケース)形状の基台4を有する。この基台4内には、圧電振動子1から出力電荷を取り出すための一対の金属板または金属膜等で構成される電極端子部6、この電極端子部6と電気的に接続された信号処理用基板10が配置されている。さらに基台4には、振動センサの出力信号を外部へ取り出すためのケーブル7を備え、また、基台4と接合しかつ圧電振動子1や信号処理用基板等10を包囲するカバー8を備えている。
【0020】
より詳細に説明すると、本発明の第1の実施の形態による振動センサにおける圧電振動子1は、図1および図3に示すように、金属薄板等の導電板で形成された支持板2の一方の面に、支持板2より外径寸法が小さな長方形等の略矩形状の板状圧電素子3を接着剤で固定して構成されている。支持板2は図3に示すように、圧電素子3を支持する本体部の両端から突出する突出部222を備えている。
【0021】
支持板2の圧電素子3の搭載面側の表面には、圧電素子3の外周縁に沿って、溝状の座繰り部21が形成されている。この座繰り部21を設けることにより、支持板2へ圧電素子3を接着剤により接着した際、図5に示すように、接着領域からはみだした余分な接着剤201を座繰り部21へ流れさせることができる。これにより支持板2上の不要な箇所へ拡散する接着剤を低減できることとなる。よって、支持板2の剛性変化も小さくなり振動センサの感度ばらつきを抑制できる。なお、図示の例では、圧電素子3の平面形状が略長方形でありかつ座繰り部21の平面形状が略長方形の枠状形状であるが、本発明はその形状に特定されるものではない。
【0022】
一方、略箱型形状の基台4の内側には三段構えの矩形状の凹所400が形成されている。支持板2の両突出部222が基台4における下段凹所401の周囲の中段凹所402の底面412に重なる状態で、基台4内に収納され、接着剤で固定されている。すなわち、圧電振動子1は両持ち梁構造で両端部222が基台4の段差部に固定されている構造となっている。
【0023】
さらに、図5に示すように、基台4の支持板2搭載面内端縁部、すなわち中段凹所402の底面412の縁部に面取り処理部22を施すことで、圧力を掛けながら支持板2を基台4に接着固定した際、余分な接着剤202が支持板2搭載面内端縁へ逃げることができる。これにより接着剤の厚み制御が容易となり、支持板2の接着固定時の変形を低減し振動センサの感度ばらつきを抑制できる。
【0024】
圧電素子3の各接続電極は、図3に示すように、基台4の中段底面412の一方の両角部に形成されている電極端子部6とボンディングワイヤ等の配線9を介して電気的に接続されている。すなわち、圧電素子3の上部電極5は配線9を介して電極端子部6の一方と接続され、圧電素子3の下部電極(図示略)は支持板2の突出部222と配線9を介して電極端子部6の他方と電気的に接続されるよう配線処理している。
【0025】
印刷配線板等の回路基板としての信号処理用基板10は、圧電素子3とは振動検知方向について空隙20を隔てて基台4の上段上に配置させてある。すなわち、基台4における上段凹所403の底面423に信号処理用基板10の両端部が重なる状態で、基台4内に収納される。図4(a)では信号処理用基板10の信号配線関係を明示するための図面となっているが、図4(b)では信号処理用基板10と支持板2と圧電素子3との該略位置関係を見やすくするため、配線類を省略して、信号処理用基板10を透視しての平面図を示す。
【0026】
電極端子部6は図6に示すように、中段凹所402の底面412と上段凹所403の底面423との両方に形成されているとともに中段凹所402の側面に沿って配線処理されているので、信号処理用基板10へも配線接続され、圧電振動子1と信号処理用基板10は図2に示す接地線16等を含む配線によって電気的に接続されている。信号処理用基板10は、図4(a)に示すように、電荷電圧変換処理部11、フィルタ処理部12、さらにオペアンプ等の信号増幅処理部13を備えて構成されている。これらの電気的接続は、図2に示すブロック図に対応している。すなわち、ケーブル7を介して給電線14が信号処理基板10へ接続され、そして、信号増幅処理部13からの振動センサ出力信号線15はケーブル7を介して外部の計測機器や診断機器とも接続可能である。
【0027】
このように、支持板2は圧電素子3との接着領域周囲に座繰り部21を有し、さらに基台4の支持板2搭載面内端縁部には面取り処理部22を施しているような構成を備えた振動センサにおいて、信号処理用基板10は、圧電素子3とは振動検知方向について空隙20を隔てて基台4上に配置させてある。これにより圧電素子3が屈曲運動できる空間が確保でき、さらに基台4に対して信号処理用基板10の固定強度が低下または変化しても振動印加に伴う圧電素子3の動作には寄与せず主軸感度の経年変化が小さい振動センサを実現できるとともに、振動センサの感度ばらつきを抑制することもできる。
【0028】
本発明の一実施形態による振動センサの寸法の一実施例としては、長さが約12mm、幅が約8mm、厚みが約8mmである。圧電振動子1の寸法の一実施例としては、長さが約8mm、幅が約4mm、厚みが0.62mmである。圧電素子3の寸法の一実施例としては、長さが約6mm、幅が約2.5mm、厚みが0.5mmである。信号処理用基板10の寸法の一実施例としては、長さが約9mm、幅が約5mm、厚みが1mmである。支持板2と金属板6の材質の一実施例としては、リン青銅、圧電素子3の材質の一実施例としては、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)である。支持体2に設置した座繰り部21の寸法の一実施例としては、深さが約0.02mmで圧電素子3の外形から外側へ均一に約0.2mmの長さで設けた。さらに基台4の支持板2搭載面内端縁部にはR=0.75mmの面取り処理21を施した。上述の寸法や材質はあくまでも一例であり、本発明をこれに限定するものではない。基台の支持板搭載面内端縁部に面取り処理を施すことで、圧力を掛けながら支持板を基台に接着固定した際、余分な接着剤が支持板搭載面内端縁へ逃げることができる。これにより接着剤の厚み制御が容易となり接着固定時の支持板の変形を低減できる。その結果振動センサの感度ばらつきを抑制できる。
【0029】
かかる本発明の振動センサについて感度の経年変化に関する実験を行った。加振器上に加振方向と振動センサの主軸検知方向を一致させて評価用振動センサを設置し、周波数500Hz、1m/sで振動センサを加振した。感度の経年変化を評価した。比較のため関連技術の構造についても実施した。
【0030】
図7に感度の経年変化評価結果を示す。実験は各構造サンプル数3個について実施し、評価前の感度に対する変化率を算出した。図7の変化率は各水準3個の平均値であり、マイナス表示は感度が評価前に比べて低下したことを示す。実験結果より本発明の振動センサは評価時間100時間において平均変化率が−3.5%と特許文献1に示す関連構造(平均変化率が−8.2%)よりも格段に変化率が小さく安定していた。さらに、評価時間500時間において平均変化率が−5.1%と特許文献1に示す関連構造(平均変化率が−12.3%)よりも格段に変化率が小さく安定していた。
【0031】
次に本発明の振動センサについて感度のばらつきを評価した。
【0032】
図8に感度のばらつき測定結果を示す。比較のため、図12に示すような支持板(ダイヤフラム)と同形状・同寸法の圧電素子が接着されて圧電振動子を構成する関連構造についても実施した。実験は各構造サンプル数10個について平均値に対する標準偏差の割合(変動係数)を算出した。実験結果より本発明の振動センサは変動係数が3.2%と関連構造(変動係数が6.7%)よりも格段に感度ばらつきが小さく安定していた。
【0033】
また図9を参照して、上記の実施の形態の変形例としての本発明の第2の実施の形態による振動センサの構造を説明する。
【0034】
ここでは、支持板2の両面に圧電素子3をそれぞれ接着固定した構造を示す。図9に示すように、支持板2の両面に圧電素子3の外周に沿って、溝状の座繰り部21が形成されている。この座繰り部21を設けることにより、支持板2へ圧電素子3を接着剤により接着した際、図5に示したと同様に、接着領域からはみだした余分な接着剤を座繰り部21へ流れさせることができる。これにより支持板2上の不要な箇所へ拡散する接着剤を低減できることとなる。その他の構成は上記第1の実施の形態と同一構造であるので、他の構成要素についての説明は省略する。また、基体4の支持板2と重なる箇所に図6に示す面取り部を形成することがより望ましいことは言うまでもない。
よって、支持板2の剛性変化も小さくなり振動センサの感度ばらつきを抑制でき、本例においても上述と同様の効果が得られる。
【0035】
本発明の第3の実施の形態による振動センサについて図10を参照して以下に説明する。図10は振動センサの中央縦断面図を、図11は図10におけるIV−IV線に沿った断面を上から見た場合の振動センサの平面図を示す。
【0036】
前述した第1の実施の形態とは圧電振動子1の構造が異なっている。その他構成部材や形状などは前述の実施の形態例と同様である。本実施の形態例において圧電素子3は略円形で、支持板2は略輪状となっている。圧電素子3はその外縁側が支持板2に接着剤により接着固定されている。本実施の形態例の振動センサに振動が加わると圧電素子3は径方向に歪み、電荷を出力する。その他の構成は上記第1の実施の形態と同一構造であるので、他の構成要素についての説明は省略する。
【0037】
この実施の形態によれば、略円形の圧電素子3その径方向へ歪みやすい特定の圧電材料を適用できることから感度自体を向上できるという効果を上記第1の実施の形態による効果と相乗的に奏することができる。さらに基体4の支持板2と重なる箇所に図6に示す面取り部を形成することがより望ましいことは言うまでもない。
【0038】
また略円形の圧電素子3は上記第2の実施の形態で説明したと同様に、支持板2の両面に接着固定されても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の活用例として、パーソナルコンピュータやOA機器等の電子機器装置およびそれら電子機器装置を構成する電子部品の振動特性評価や異常振動検知に使用される振動センサが挙げられる。また各種産業機器や製造設備、ビルや橋梁等の大型構造物の振動特性評価や異常振動検知に使用される振動センサも挙げられる。さらに本発明は圧電型速度センサへも応用できる。よってその工業的価値は高い。
【符号の説明】
【0040】
1 圧電振動子
2 支持板
3 圧電素子
4 基台
5 電極
6 電極端子部
7 ケーブル
8 カバー
9 配線
10 信号処理用基板
11 電荷電圧変換処理部
12 フィルタ処理部
13 信号増幅処理部
14 給電線
15 振動センサ出力信号線
16 接地線
20 空隙
21 座繰り部
22 面取り処理部
201、202 接着剤
222 支持板2の突出部
400 凹所
401 下段凹所
402 中段凹所
403 上段凹所
412 中段凹所402の底面
423 上段凹所403の底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と板状圧電素子とを収容する空間を備えた基台と、少なくとも一方の面に前記圧電素子が接着剤を介して支持されるように前記基台内に配置された支持板とを備える振動センサであって、前記支持板は前記圧電素子の外径より大きな外径を有するとともに両端部が前記基台内に固定される両もち梁構造を有し、かつ前記支持板の前記圧電素子の外周縁に対向する箇所に沿って前記接着剤のはみ出し部を収容するように形成された溝部を有することを特徴とする振動センサ。
【請求項2】
前記溝部の全体積が前記接着剤塗布領域の体積の約1/2以上としたことを特徴とする請求項1記載の振動センサ。
【請求項3】
前記圧電素子の平面形状が略長方形でありかつ前記溝部が略長方形の枠状形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の振動センサ。
【請求項4】
前記圧電素子の平面形状が略円形でありかつ前記支持板の平面形状が略輪状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の振動センサ。
【請求項5】
前記支持板の両端部は前記基台に接着剤を介して固定されているとともに、前記基台の固定箇所の内端縁部が面取りしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の振動センサ。
【請求項6】
前記支持板の他方の面にも前記支持板の外径より小さな外径の板状圧電素子が接着剤を介して支持されており、かつ前記支持板の前記圧電素子の外周縁に対向する箇所に沿って前記接着剤のはみ出し部を収容する溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の振動センサ。
【請求項7】
前記支持板の前記両端部は前記基台内の底部に設けられた第1の段差部に固定され、前記回路基板は前記基台内の前記第1の段差部より上部に設けられた第2の段差部に固定されており、前記圧電素子と前記回路基板とは前記第1の段差部と前記第2の段差部とに連続して形成された電極端子部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の振動センサ。
【請求項8】
前記回路基板は前記圧電振動子からの出力電荷に対して電荷電圧変換処理部とフィルタ処理部および信号増幅処理部を行う信号処理用基板であり、前記基台内の前記第2の段差部より上部に配置されたケーブル部材と電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の振動センサ。
【請求項9】
前記第1の段差部および前記第2の段差部は前記基台の底部から上方に向かって連続して形成されたものであり、前記基台の開口部には蓋部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の振動センサ。
【請求項10】
支持板の片面または両面に略矩形状の圧電素子が接着された両もち梁構造の圧電振動子部と、前記圧電素子とは空隙を持って振動検知方向へ配置されかつ前記圧電振動子からの出力電荷に対して電荷電圧変換処理部とフィルタ処理部および信号増幅処理部を行う信号処理用基板と、略箱型形状で略中央に座繰り部を有し前記圧電振動子部と前記信号処理基板を搭載する基台と、当該基台に搭載される複数の金属板と、前記信号処理基板内で信号処理された信号を外部機器へ出力するためのケーブルと、前記基台と接合しかつ前記圧電振動子部および前記信号処理用基板とを包囲するカバーとで構成し、かつ前記支持板が前記圧電素子との接着剤塗布領域周囲に座繰り部を有しかつ当該座繰り部の全体積が前記接着剤塗布領域の体積の約1/2以上としたことを特徴とする振動センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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