説明

振動体、振動アクチュエータ、レンズ鏡筒、カメラ及び振動体の接合方法

【課題】電気機械エネルギー変換素子と弾性体とが、接着剤を用いることなく接合された振動体を提供する。
【解決手段】電気機械エネルギー変換素子33,34と、該電気機械エネルギー変換素子33,34と接合され、該電気機械エネルギー変換素子33,34の変形により駆動される弾性体31,32と、を備え、前記電気機械エネルギー変換素子33,34と前記弾性体31,32とが、金属結合により接合されていること、を特徴とする振動体30である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械エネルギー変換素子の変形により駆動される弾性体を備える振動体、この振動体を備えた振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及びカメラ、並びに振動体の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
振動アクチュエータは、電気機械エネルギー変換素子の駆動信号による変形を利用して、該電気機械エネルギー変換素子に接合された弾性体を駆動し、その弾性体に加圧接触された相対移動部材を移動させる。この電気機械エネルギー変換素子と弾性体との接合において、一般に接着剤や接着層が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−261647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、接着剤には、共振現象を阻害する樹脂成分が含まれている。このため従来の振動体は、電気機械エネルギー変換素子から弾性体へ伝達される振動が減衰させられて、振動の伝達効率が低い。
【0005】
本発明の目的は、電気機械エネルギー変換素子と弾性体とが、接着剤を用いることなく接合された振動体、この振動体を備えた振動アクチュエータ、この振動アクチュエータを備えたレンズ鏡筒、このレンズ鏡筒を備えたカメラ、及び振動体の接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするため、本発明の一実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0007】
請求項1に記載の発明は、電気機械エネルギー変換素子(33,34)と、該電気機械エネルギー変換素子(33,34)と接合され、該電気機械エネルギー変換素子(33,34)の変形により駆動される弾性体(31,32)と、を備え、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)とが、金属結合により接合されていること、を特徴とする振動体(30)。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動体(30)において、前記金属結合による接合は、真空接合であること、を特徴とする振動体(30)。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の振動体(30)において、前記真空接合は、常温真空接合であること、を特徴とする振動体(30)。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の振動体(30)において、前記常温真空接合は、表面活性化による接合であること、を特徴とする振動体(30)。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の振動体(30)において、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)のいずか一方には金属メッキが施され、前記金属メッキと他方との間が前記金属結合により接合されていること、を特徴とする振動体(30)。
請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の振動体(30)において、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)との間には金属箔が介在し、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記金属箔、及び前記弾性体(31,32)と前記金属箔との間が前記金属結合により接合されていること、を特徴とする振動体(30)。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の振動体(30)において、前記金属結合による接合は、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)との間に圧力が加えられた状態で行われたものであること、を特徴とする振動体(30)。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の振動体(30)を備えた振動アクチュエータ(100)。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の振動アクチュエータ(100)を備えたレンズ鏡筒(300)。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のレンズ鏡筒(300)を備えたカメラ(200)。
請求項11に記載の発明は、電気機械エネルギー変換素子(33,34)と、該電気機械エネルギー変換素子(33,34)と接合され、該電気機械エネルギー変換素子(33,34)の変形により駆動される弾性体(31,32)とを備え、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)とを、金属結合によって接合することを特徴とする振動体(30)の接合方法。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の振動体(30)の接合方法において、前記金属結合による接合は、真空接合であること、を特徴とする振動体(30)の接合方法。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の振動体(30)の接合方法において、前記真空接合は、常温真空接合であること、を特徴とする振動体(30)の接合方法。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の振動体(30)の接合方法において、前記常温真空接合は、表面活性化による接合であること、を特徴とする振動体(30)の接合方法。
請求項15に記載の発明は、請求項11から14のいずれか1項に記載の振動体(30)の接合方法の接合方法において、前記金属結合による接合を行う前に、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)のいずか一方に金属メッキを施し、前記金属メッキと他方との間を前記金属結合による接合により接合すること、を特徴とする振動体(30)の接合方法。
請求項16に記載の発明は、請求項11から14のいずれか1項に記載の振動体(30)の接合方法において、前記金属結合による接合を行う前に、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)との間に金属箔を介在させ、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記金属箔、及び前記弾性体(31,32)と前記金属箔との間を前記金属結合により接合すること、を特徴とする振動体(30)の接合方法。
請求項17に記載の発明は、請求項11から16のいずれか1項に記載の振動体(30)の接合方法において、前記金属結合による接合は、前記電気機械エネルギー変換素子(33,34)と前記弾性体(31,32)との間に圧力が加えられた状態で行うこと、を特徴とする振動体(30)の接合方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気機械エネルギー変換素子と弾性体とが、接着剤を用いることなく接合された振動体、この振動体を備えた振動アクチュエータ、この振動アクチュエータを備えたレンズ鏡筒、このレンズ鏡筒を備えたカメラ、及び振動体の接合方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の振動アクチュエータの正面図である。
【図2】図1の振動アクチュエータを用いたカメラの概念図である。
【図3】駆動体と圧電素子とを表面活性常温接合(SAB)によって接合する方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態である、振動体、この振動体を備えた振動アクチュエータ、この振動アクチュエータを備えたレンズ鏡筒、このレンズ鏡筒を備えたカメラ、及び振動体の接合方法を図に基づいて説明する。
【0011】
図1は、振動アクチュエータ100の正面図である。図2は、振動アクチュエータ100を備えるレンズ鏡筒300およびそのレンズ鏡筒300が装着されたカメラ200の概念図である。
図1示すように、本実施形態の振動アクチュエータ100は、ベース部材10と、ベース部材10上に載置されたロータ部20と、を備えている。
【0012】
ベース部材10は、例えばステンレス鋼等の金属材料により中空円筒状に形成され、中央に支持軸15が挿通固定されている。
ベース部材10におけるロータ部20と対向する端部には、後述する駆動機構30を収容する保持凹部11が、周方向に6カ所設けられている。
【0013】
ロータ部20は、支持軸15によって回転自在に軸支されている。ロータ部20の外周面には、回転力を出力するための歯車125が形成されている。ロータ部20は、駆動機構30によって支持されている。
【0014】
駆動機構30は6つ設けられており、周方向に6カ所設けられた保持凹部11にそれぞれ保持されている。
1つの駆動機構30は、ロータ120を持ち上げるリフタ31と、ロータ120を回転方向に移動するスライダ32と、リフタ31とベース部材10との間に配置されたリフト駆動体33と、リフタ31とスライダ32との間に配置されたスライド駆動体34とを備えている。
【0015】
リフタ31は、ベース部材10における保持凹部11に収容されている。その上面は、ベース部材10の上面より所定量上側に突出している。
【0016】
リフト駆動体33とスライド駆動体34とは、それぞれ並列配置された2つの圧電素子を備えている。各圧電素子は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)によって製造された矩形の板材であって、圧電効果を有している。その振動モードは厚み滑り振動である。
リフト駆動体33は、リフタ31の外面と、保持凹部11の内壁面との間に、それぞれ配置されている。リフト駆動体33と、リフタ31の外面との間は、常温真空接合によって接合されている。
【0017】
スライダ32は、スライド駆動体34を介してリフタ31の上面に配設されている。スライダ32の上面は、ロータ部20が加圧接触される平坦な駆動面32Aとなっている。
【0018】
リフト駆動体33と、スライド駆動体34とには、図示しない制御装置によって制御される駆動回路からそれぞれ駆動電圧が印加される。この駆動電圧によってリフト駆動体33が振動してリフタ31を昇降駆動すると共に、スライド駆動体34が振動してスライダ32を周方向Rに駆動する。
【0019】
6個の駆動機構30における、一つおきの駆動機構30は同一グループとして同位相で、一つおきの他方のグループとは異なる位相で作動する。これにより、同一グループの駆動機構30ごとに、ロータ部20を周方向Rにおいて交互に支持し、ベース部材10に対して相対的に駆動させ、ロータ部20は周方向Rに連続して回転駆動する。
【0020】
図2は、振動アクチュエータ100を備えるレンズ鏡筒300が装着されたカメラ200の概念図である。カメラ200は、撮像素子202を有するカメラボディ201と、レンズ鏡筒300とを備えている。レンズ鏡筒300は、カメラボディ201に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態では、レンズ鏡筒300は、交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒としてもよい。
【0021】
レンズ鏡筒300は、フォーカシングレンズ301、カム筒302、振動アクチュエータ100およびこれらを包囲する筐体303等を備えている。
振動アクチュエータ100は、カム筒302と筐体303の間の円環状の隙間に配置されている。振動アクチュエータ100は、そのロータ部20の歯車125が、カム筒302の外周に形成された歯車に噛合して配設され、カム筒302を回転駆動する。これにより、カメラ200のフォーカス動作時においてフォーカシングレンズ301を駆動する。
【0022】
カム筒302は、振動アクチュエータ100による回転操作によって、筐体303内に光軸OAと平行する方向に移動可能に設けられている。
フォーカシングレンズ301は、カム筒302に保持されている。そして、振動アクチュエータ100の駆動によるカム筒302の移動によって光軸OA方向に移動して焦点調節を行う。
なお、図示しないが、レンズ鏡筒300は、フォーカシングレンズ301の他に複数のレンズ群を備えている。
【0023】
そして、フォーカシングレンズ301は、被写体の位置に応じて、振動アクチュエータ100を介して駆動され、フォーカスが調整され、撮像素子202の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子202によって、結像された被写体像が電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
【0024】
次に、本実施形態に係る、リフタ31とリフト駆動体33と間の接合方法について説明する。本実施形態においてリフタ31とリフト駆動体33とは、常温真空接合により接合される。常温真空接合としては、表面活性化常温真空接合(SAB、Suface−activated Room−temperature Bonding)を用いる。
【0025】
図3は、リフタ31と、リフト駆動体33との接合方法を示すフローチャートである。
まず、リフタ31を洗浄して塵埃を除去する(塵埃除去工程、S1)。
次に、リフタ31を金属メッキ槽に入れてリフタ31のリフト駆動体33が接合される接合面31aに金属メッキをする(メッキ工程、S3)。金属メッキは、銅、錫、金、銀及びニッケル等のメッキであるが、実験結果によると、銅メッキが接合性に優れていることが判明している。また、金属メッキの厚みは、0.1μ〜10μが好ましい。
【0026】
金属メッキされた表面とリフト駆動体33との表面は、接合し易いように平坦であることが好ましい。表面の粗さ条件は、Ra(粗さの平均値)及びRz(粗さの最大値)が最大で1μmであることが好ましい。幾何学交差条件は、接合面全体にわたり、平面度が最大で0.5μmであることが好ましい。また、金属メッキをされた表面は、酸化されていないことが好ましい。このため、金属メッキの表面を化学的な接合面酸化膜除去処理を行う(酸化膜除去工程,S5)。なお、この酸化膜除去工程は、接合直前が好ましい。
【0027】
一方、リフト駆動体33も洗浄して塵埃を除去する(塵埃除去工程、S11)。
次に、リフト駆動体33の接合面33aをスパッタリングして表面の酸化膜を除去する表面活性化処理をする(表面活性化処理、S13)。
この場合、リフト駆動体33の表面は、接合し易いにように、表面粗さ条件は、RaとRzが最大で1μmであることが好ましい。幾何学交差条件は、接合面全体にわたり、平面度が最大で0.5μmであることが好ましい。
【0028】
次に、リフタ31とリフト駆動体33とにおいて、金属メッキされた部分と表面活性化処理をされた部分とを接合する(接合工程、S21)。
このとき、金属メッキの表面は、酸化されていない活性化された表面になっている。したがって、リフタ31及びスライダ32の金属メッキの表面原子とリフト駆動体33及の活性化された表面の表面原子とが接合して、常温で、リフタ31とリフト駆動体33とが接合される。
【0029】
なお、上記にリフタ31とリフト駆動体33の接合について説明したが、リフタとスライド駆動体34との間の接合、及びスライダ32とスライド駆動体34との間の接合も同様にSABで行う。また、リフト駆動体33と保持凹部11の内壁面との間も、常温真空接合よって接合してもよい。
【0030】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
【0031】
(1)本実施形態によると、圧電体と弾性体との間に振動の伝達を阻害する接着剤を用いる必要がない。したがって、圧電体の振動が減衰されることなく弾性体に伝達され、圧電体から振動体への振動伝達効率を高めることができる。
この場合、振動伝達効率の高い弾性体を備えた振動アクチュエータは、始動、停止の動作を速やかに行うことができる。
始動、停止の動作を速やかに行える振動アクチュエータを備えたカメラは、焦点調節動作を速やかに行えて、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0032】
(2)振動体30の製造工程において、接着剤の塗布、固定治具による接着状態の保持、接着剤を固化させるための加熱硬化、固定治具の取り外し等の製造工程が不必要になり、生産性を高めることができる。また、接着材の塗布量(塗布厚み)、接着剤の温度、硬化温度、硬化時間等の管理が不必要になり、製造管理が容易になる。
【0033】
(3)リフタ31及びスライダ32と、リフト駆動体33及びスライド駆動体34とが常温で接合されるので、圧電素子であるリフト駆動体33及びスライド駆動体34に熱変形が生じることがない。このため、接合を損なうことがなく、振動伝達効率を高めることができる。
【0034】
(変形例)
以上説明した形態に限らず、以下の形態でもよい。
(1)リフタ31及びスライダ32に金属メッキをする代わりに、金属蒸着をしてもよい。
(2)リフタ31及びスライダ32に金属メッキをする代わりに、弾性体の表面をスパッタリング或いはエッチングをして表面を活性化してもよい。
【0035】
(3)金属メッキは、リフタ31及びスライダ32に対して行ったが、リフト駆動体33及びスライド駆動体34に対して行い、リフタ31及びスライダ32を、表面活性化処理をしてもよい。
【0036】
(4)リフタ31及びスライダ32とリフト駆動体33及びスライド駆動体34とのいずれか一方に金属メッキをする代わりに、リフタ31及びスライダ32とリフト駆動体33及びスライド駆動体34との両方を表面活性化処理して、リフタ31及びスライダ32とリフト駆動体33及びスライド駆動体34との間に金属箔(例えば、銅箔)を介在させ、リフト駆動体33及びスライド駆動体34と金属箔との間、及びリフタ31及びスライダ32と金属箔との間を常温真空接合により接合して、金属箔を介してリフタ31及びスライダ32とリフト駆動体33及びスライド駆動体34とを金属接合してもよい。
【0037】
(5)リフタ31及びスライダ32とリフト駆動体33及びスライド駆動体34とを接合する接合工程(21)において、リフタ31及びスライダ32とリフト駆動体33及びスライド駆動体34との間に圧力を加えてもよい。この場合、接合面が多少粗くても表面の凸部が押しつぶされて、接合性を高めることができる。
【0038】
(6)金属の表面を活性化した金属接合による常温真空接合の代わり、金属共有結合による常温真空接合であってもよい。
【0039】
なお、上述した実施形態及び変形例は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は、省略する。また、本発明は、以上説明した実施の形態によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
1:カメラ、3:レンズ鏡筒(従動体)、10:振動アクチュエータ(振動アクチュエータ)、11:振動体、12:弾性体、13:圧電素子(電気機械エネルギー変換素子)、15:緩衝部材、20:基板、21:電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械エネルギー変換素子と、
該電気機械エネルギー変換素子と接合され、該電気機械エネルギー変換素子の変形により駆動される弾性体と、を備え、
前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体とが、金属結合により接合されていること、
を特徴とする振動体。
【請求項2】
請求項1に記載の振動体において、
前記金属結合による接合は、真空接合であること、
を特徴とする振動体。
【請求項3】
請求項2に記載の振動体において、
前記真空接合は、常温真空接合であること、
を特徴とする振動体。
【請求項4】
請求項3に記載の振動体において、
前記常温真空接合は、表面活性化による接合であること、
を特徴とする振動体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の振動体において、
前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体のいずか一方には金属メッキが施され、前記金属メッキと他方との間が前記金属結合により接合されていること、
を特徴とする振動体。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の振動体において、
前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体との間には金属箔が介在し、前記電気機械エネルギー変換素子と前記金属箔、及び前記弾性体と前記金属箔との間が前記金属結合により接合されていること、
を特徴とする振動体。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の振動体において、
前記金属結合による接合は、前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体との間に圧力が加えられた状態で行われたものであること、
を特徴とする振動体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の振動体を備えた振動アクチュエータ。
【請求項9】
請求項8に記載の振動アクチュエータを備えたレンズ鏡筒。
【請求項10】
請求項9に記載のレンズ鏡筒を備えたカメラ。
【請求項11】
電気機械エネルギー変換素子と、該電気機械エネルギー変換素子と接合され、該電気機械エネルギー変換素子の変形により駆動される弾性体とを備え、
前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体とを、金属結合によって接合すること、
を特徴とする振動体の接合方法。
【請求項12】
請求項11に記載の振動体の接合方法において、
前記金属結合による接合は、真空接合であること、
を特徴とする振動体の接合方法。
【請求項13】
請求項12に記載の振動体の接合方法において、
前記真空接合は、常温真空接合であること、
を特徴とする振動体の接合方法。
【請求項14】
請求項13に記載の振動体の接合方法において、
前記常温真空接合は、表面活性化による接合であること、
を特徴とする振動体の接合方法。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか1項に記載の振動体の接合方法の接合方法において、
前記金属結合による接合を行う前に、
前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体のいずか一方に金属メッキを施し、前記金属メッキと他方との間を前記金属結合による接合により接合すること、
を特徴とする振動体の接合方法。
【請求項16】
請求項11から14のいずれか1項に記載の振動体の接合方法において、
前記金属結合による接合を行う前に、
前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体との間に金属箔を介在させ、前記電気機械エネルギー変換素子と前記金属箔、及び前記弾性体と前記金属箔との間を前記金属結合により接合すること、
を特徴とする振動体の接合方法。
【請求項17】
請求項11から16のいずれか1項に記載の振動体の接合方法において、
前記金属結合による接合は、前記電気機械エネルギー変換素子と前記弾性体との間に圧力が加えられた状態で行うこと、
を特徴とする振動体の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−210024(P2012−210024A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72712(P2011−72712)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】