説明

振動表示装置

【課題】振動または振動量を検出できる振動検出センサーを用いて振動を検出して表示表現することを提供する。
【解決手段】振動を与えた時に揺動する棒状の可動導電体と、この可動導電体の一端側に接触するように設けられた接触用固定導電体と、上記可動導電体の揺動支点を支持する支点支持用固定導電体と、上記可動導電体の重心が上記支点支持用固定導電体側に位置するように配置して上記可動導電体と上記接触用固定導電体との接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、この振動検出回路の出力信号により振動量の変化を表示する表示器とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然界で発生する力を振動に変換して、その振動を振動表示装置により、光の点滅明暗自然なゆらぎを表示表現出来る振動表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来光源の光量を変化させる方法としては、予め用意された発光パターンに基づいて光源を駆動制御するものとしては特許第2968483号公報(特許文献1)、特許第3402013号公報(特許文献2)、特許公開2005−259669号(特許文献3)に開示された。また、自然発生的に発生する振動を検出し、表示させる表示装置として特開2006−49033号(特許文献4)に開示されたマイクの出力信号に応じて光源の光量を変化させる照明装置や、特開2001−125574号(特許文献5)に開示された風の力を受けた風鈴が揺れ傾いた時に風鈴内に具備された傾斜センサーが傾きを検出して発光させる風鈴、そして磁力線の揺れにより振動を検出する特開2004−163117号(特許文献6)が開示されている。
また、振動を発生する音響装置としては古くからオルゴールがあり、オルゴールが奏でるメロディーに同調した発光を得る発光装置付きオルゴールとして実開昭37−22169号(特許文献7)、実開昭51−28722号(特許文献8)、実開昭57−139997号(特許文献9)、実開昭61−11194号(特許文献10)が開示されている。
【特許文献1】 特許第2968483号公報
【特許文献2】 特許第3402013号公報
【特許文献3】 特許公開2005−259669号
【特許文献4】 特開2006−49033号
【特許文献5】 特開2001−125574号
【特許文献6】 特開2004−163117号
【特許文献7】 実開昭37−22169号
【特許文献8】 実開昭51−28722号
【特許文献9】 実開昭57−139997号
【特許文献10】 実開昭61−11194号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3では予め用意された発光パターンを表示するものであり、自然界で発生する振動を検出して表示するには至らない。
【0004】
また、自然界に発生する振動を検出して、光の点滅明暗自然なゆらぎを得るには特許文献4のマイクを用いた照明装置では、複雑な回路構成になり、生産コストがかかり、人がいない所で、静かな環境では発光のゆらぎ動作をしないという問題があった。
【0005】
また、特許文献5では、自然界に発生する風による振動を視覚的に表示しているが導体と電源との電気的接触による方法のため、極めて弱い風には対応できない。また、特許文献6では微弱な振動を検出できないという問題の他に振動に対する感度が調整できないといった問題を有している。
【0006】
そして振動を発生する音響装置として、例えばオルゴールがある。そのオルゴールから発生する音楽に同期した発光を得る手段としての特許文献7乃至特許文献10の発光装置付きオルゴールでは、曲に合わせた発光を得るためにオルゴールメカ本体に部品を増設して加工を加える必要があり、更にオルゴールの構成部品の電気的接触による発光のため、音楽のもつ余韻部までは発光表現ができないという問題があった。また、多くのオルゴール曲に対応する発光効果を得るには生産コストがかかるという問題があった。
【0007】
そこで、自然界で発生する力を振動に変換して、その振動を振動表示装置を用いることで、光の点滅明暗自然なゆらぎを表示表現出来る振動表示装置を提供することにある。
【0008】
また、振動に対する感度を調整することで、音響装置から発せられる音響振動に同期した表示表現をさせる振動表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明の振動表示装置は、振動を与えたときに揺動する棒状の可動導電体と、この可動導電体の一端側に接触するように設けられた接触用固定導電体と、上記可動導電体の揺動支点を支持する支点支持用固定導電体と、上記可動導電体の重心が上記支点支持用固定導電体側に位置するように配置して、上記可動導電体と上記接触用固定導電体との接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、この振動検出回路の出力信号により振動量の変化を表示する表示器とを備えた振動表示装置を用いて自然発生的に発生する力を振動に変換し、検出表示することと、振動に対する感度を調整できる前記振動表示装置を用いて例えば音響装置より発生する振動を検出表示することを要旨としている。
【0010】
そして自然界に存在する力を振動に変換検出し、振動に同期した光を表示表現するには、振動を与えたときに揺動する棒状の可動導電体と、この可動導電体の一端側に接触するように設けられた接触用固定導電体と、上記可動導電体の揺動支点を支持する支点支持用固定導電体と、上記可動導電体の重心が上記支点支持用固定導電体側に位置するように配置して、上記可動導電体と上記接触用固定導電体との揺動作用による接離による振動を検出する振動検出センサー(以下前記装置を振動検出センサーとして説明する)を具備し、前記振動検出センサーの接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、出力信号により振動量の変化を表示する表示器とを備えた振動表示装置を用いることで成し得ている。これより前記装置を振動表示装置として説明する。
【0011】
また、自然界に存在する力を振動に変換検出し、光の点滅明暗ゆらぎを表示表現するには、前記振動検出センサーにおける前記支点支持用固定導電体と、接触用固定導体に支持される可動導電体の支持部あるいは接触部が互いに丸加工され、さらに前記振動検出センサーにおける前記可動導電体が前記支点支持用固定導電体と前記接触用固定導電体において、低重心で支持され、いったん前記接触部が振動を受けると揺動効果を発生することで成し得ている。
【0012】
前記手段により、自然界に存在する力として風を例にするなら、障害物が風の力を受けた際に、揺動あるいは回転といった現象が発生し、それと同時に障害物からは振動が発生する。前記障害物が受けた風の力による振動を検出できる位置に、前記振動検出センサーを配置することで風の力から発生する振動に同期した振動を検出するようにしている。
【0013】
また、本発明に用いる振動検出センサーは、振動に対する感度の調整ができることから、前記振動検出センサーを複数個用い、前記振動検出センサーの接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、出力信号により振動量の変化を表示する表示器とを備えることで、音響装置から発せられる音響振動に同期した光を表示表現し得るようにしている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動を与えた時に揺動する棒状の可動導電体と、この可動導電体の一端側に接触するように設けられた接触用固定導電体と、上記可動導電体の揺動支点支持する支点支持用固定導電体と、上記可動導電体の重心が上記支点支持用固定導電体側に位置するように配置して上記可動導電体と上記接触用固定導電体との接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、この振動検出回路の出力信号により振動量の変化を表示する表示器とを備えた振動表示装置を用いることで、複雑な回路構成を必要とせず、安価な回路構成で、更に小型、軽量の振動表示装置を提供することができる。
【0015】
本発明によれば、感度調整ができる前記振動検出センサーを複数個用いることで、音響装置から発せられる音響振動に同期した光の表示表現をすることができる。
【0016】
本発明によれば、前記振動検出センサーを具備した前記振動表示装置を用いることで、自然界に発生する力を振動に変換して振動を検出し、検出振動に同期した光の点滅明暗ゆらぎを表示表現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を、その実施の形態を表す図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0018】
図1は、本発明の概念的な構成を示す斜視図である。振動検出センサー1、振動検出回路2、振動源4は基板5に固定してあり、振動源4から発せられた振動は基板5を伝播して、振動検出センサー1が振動源4から発せられた振動を検出し、振動検出回路2では振動検出センサー1で検出した振動量を電気的に変換して表示器3によって表示されるようになっている。なお、振動検出回路2には電源6が接続されていて、振動検出センサー1と振動検出回路2及び、振動検出回路2と表示器3はそれぞれリード線7、7Aで接続されている。
【0019】
図1では、基板5に固定されている振動源4と振動検出センサー1は離れた位置に適宜な間隔をもって設置されているが、振動源4と振動検出センサー1とは接触設置してもよい。
【0020】
振動源4が振動する方法としては、振動源4が自己振動する場合と、振動源4に対し外力が働くことにより振動源4を振動させる場合とがある。
【0021】
振動源4が自己振動するものとして、例えばオルゴールのような音響装置がある。そのオルゴールを振動源とする振動表示装置を図2乃至図5で説明してゆく。
【0022】
次に、自然界に存在する力として風を例にするなら、風は風の障害物あるいは風車風鈴に触れる事で物体が遥動あるいは回転し振動を発生させる事が出来る。ここでいう障害物となる振動源4が風による外力を受け振動源4を振動させ、前記振動検出センサーが振動源4からの振動を検出して表示させる振動表示装置を図6(A)、(B)、(C)乃至図7において説明する。
【0023】
まず、振動源4が自己振動するものとしては、例えばオルゴールのような音響装置を用いた場合がある。音響装置としてのオルゴールからの振動に同期した光の表示表現を実現させるためには、感度調整ができる前記振動検出センサーを提供することが必要である。従って、先に感度調整ができる前記振動検出センサーを達成するための構成について説明する。
【0024】
1本の接触用固定導電体と、1本の支点支持用固定導電体のそれぞれ高さ15ミリの位置で、長さ60ミリの1本の可動導電体を、前記可動導電体の中心より15ミリ離れた位置で前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体にて支持した場合、前記可動導体の重心は、前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体の中心に位置し、前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体に支持された前記可動導電体のそれぞれの支持部に加わる加重は等価である。
【0025】
次に前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体で支持された前記可動導電体の支持位置を変えずに、前記支点支持用固定導電体側に突出した前記可動導電体の先端部を3ミリ切断した場合、前記可動導電体の重心位置は前記接触用固定導電体側に移動し、同時に前記接触用固定導電体と前記可動導電体との接触部に加わる加重は増大する。
【0026】
次に、前記手段において前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体で支持された前記可動導電体の支持位置を変えずに、前記支点支持用固定導電体側に突出した前記可動導電体の先端部をさらに3ミリ切断した場合、前記可動導電体の重心位置はさらに前記接触用固定導電体側に移動し、前記接触用固定導電体と前記可動導電体との接触部に加わる加重もさらに増大する。
【0027】
前記手段において前記可動導電体を支持する前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体に振動を与えた場合、前記支点支持用固定導電体側に突出した前記可動導電体の先端部を短くすることで、前記可動導電体の重心位置が変わり、それに伴い前記可動導電体と前記接触用固定導電体との支持部に加わる加重も増大し、前記接触用固定導電体で支持された前記可動導電体の遥動は鈍くなり、振動に対する感度が変化する。これより前記のような感度の異なる構成を持つものを複数個構成したものを以後感度の異なる振動検出センサーとして説明してゆく。
【0028】
次に、音響装置から発せられる振動に同期した光の表示表現をさせるために前記感度の異なる振動センサーを具備した振動表示装置について図2で説明してゆく。
【0029】
振動を与えたときに揺動する長さの異なる丸棒状の可動導電体10A、10B、10Cが、この可動導電体10A、10B、10Cの一端に接触するように設けられた接触用固定導電体8と、前記可動導電体10A、10B、10Cの遥動支点を支持する支点支持用固定導電体9A,9B,9Cにより支持されている。そして、振動を与えたときに遥動する長さの異なる丸棒状の前記可動導電体10A,10B、10Cを支持する前記接触用固定導電体8と、前記支点支持用固定導電体9A,9B,9Cの基板5Aへの設置距離は適宜な間隔をもって等距離で設置してある。
【0030】
適宜な間隔をもって等距離で設置された前記接触用固定導電体8と、前記支点支持用固定導電体9A,9B,9Cで支持された前記可動導電体10A,10B、10Cの長さをそれぞれ変えることで、前期可動導電体10A、10B、10Cの重心はそれぞれ異なることで、前記接触用固定導電体8に加わる前記可動導電体10A,10B、10Cの加重が異なり、検出される振動を調整することができる。従って、前記構成の振動検出センサーを用いることで、音響装置から発せられる音響振動に同期した振動を検出することができる。
【0031】
なお、接触用固定導電体と支点支持用固定導電体で支持された可動導電体の重心位置を調整して前記接触用固定導電体に加わる加重を変えることで、感度の異なる振動検出センサーを達成するには、前記形態に限定されるものではない。
【0032】
次に前記感度の異なる振動検出センサーを用いて、音響装置としてのオルゴールから発せられる振動に同期した光を発光表現させる形態について説明する。
【0033】
オルゴール100から音楽の奏鳴と同時に発せられた振動は基板5Aを伝播して、振動を与えた時に揺動する丸棒状の可動導電体10A、10B、10Cと、この前記可動導電体10A、10B、10Cの一端側に接触するように設けられた接触用固定導電体8と、前記可動導電体10A、10B、10Cの揺動支点を支持する支点支持用固定導電体9A、9B、9Cと、前記可動導電体10A、10B、10Cの重心が前記支点支持用固定導電体9A、9B、9C側に位置するように構成された感度の異なる振動検出センサーを複数個配置し、前記可動導電体10A、10B、10Cと前記接触用固定導電体8との接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路2Aがリード線7Bにより接続されている。そして、感度の異なる前記振動検出センサーで検出された振動信号は前記振動検出回路2Aの出力信号による振動量の変化はリード線7Cで接続された複数個の表示器3Aにより音響装置としてのオルゴール100からの音響振動にそれぞれ同期した振動を検出し、表示表現することができる。
【0034】
図2において振動源となるオルゴール100と感度の異なる前記振動検出センサーは前記基板5Aの同一平面上に設置してあるが、振動源となる前記オルゴール100からの振動を感度の異なる前記振動検出センサーが検出できれば、振動源となる前記オルゴール100と、感度の異なる前記振動検出センサーは同一平面上になくてもよい。つまり、ある媒体を介して振動源となる前記オルゴール100からの振動が伝播して、その振動が感度の異なる前記振動検出センサーにおいて検出できれば、振動源となる前記オルゴール100と感度の異なる前記振動検出センサーとは離れた位置に設置してもよい。
また、振動源となる前記オルゴール100と感度の異なる前記振動検出センサーとは接触設置してもよい。
【0035】
従って、感度の異なる振動検出センサーを複数個配置し、可動導電体と接触用固定導電体との接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、この振動検出回路の出力信号により振動量の変化を表示する複数個の表示器を備えた振動表示装置を用いることで、音響装置から発生する振動に同期した表示表現ができる。つまり、音響装置からの奏鳴と同時に発せられる音響振動に同期したランダムな表示表現ができ、音楽の持つ音の強弱さらには、音楽の余韻部までも表示表現ができる。
【0036】
図2では、感度の異なる振動検出センサーを複数個配置し、検出した振動を振動検出回路で検出して、その出力信号により振動量の変化を表示する表示器を複数個配置しているが、感度の異なる振動検出センサー複数個に対し、表示器は1個でもよい。
【0037】
次に、感度の異なる振動検出センサー(これより感度の異なる振動検出センサーを振動検出センサーとして説明する)を用いて、振動源が自己振動する音響装置としてのオルゴールからの振動を検出し、表示表現する本発明による自己振動型の振動表示装置について図3で説明する。
【0038】
基板11に振動検出センサー9と振動検出回路19がリード線13で接続され固定されている。更に、振動検出センサー9で検出した振動を振動検出回路19で電気的に検出し、表示器15によって表示させる。そして振動検出回路19には電源10が接続されている。基板11に固定されている振動検出センサー9と振動検出回路19は、さらに底板12に固定され、外装体16の凹部18に外装体16の下方より挿入できる構造を有している。電源10を電源挿入孔10Aに外装体16の外側より挿入して振動検出回路19に接続できるものとする。
【0039】
振動検出回路19にリード線14を介して接続されている複数の表示器15を外装体16に開けられた表示器挿入孔15Aに外装体16の凹部18の下方よりそれぞれ挿入し、外装体16の外部より表示器15の表示が確認できるように取り付ける。さらに、底板12に固定された前記基板11を外装体16に開けられた凹部18に外装体16の下方より挿入し、底板12はビスなどにより外装体16に取り付けられている。
【0040】
さらに、外装体16にはオルゴールスペース17が設けられ、オルゴールスペース17上に振動源となるオルゴール100が設置できる。オルゴールスペース17に振動源となるオルゴール100を設置し、オルゴールを奏でた時、オルゴールの曲と同時に発生する振動は外装体16に伝播し、外装体16に伝播した振動は、外装体16の凹部18内に挿入された振動検出センサー9で検出され、振動検出センサー9で検出された振動は振動検出回路19にて電気信号に変換され表示器15で表示させることができる構造になっている。
【0041】
本実施例では基板12に固定された振動検出センサー9及び、振動検出回路19は外装体16の底面より挿入取り付けられているが、振動検出センサー9が振動源(本実施例ではオルゴール100)からの振動を検出でき、デザイン性を損ねないものであれば、外装体16の上部あるいは側面あるいは背部から挿入取り付けしても良い。
【0042】
また、本実施例において振動検出センサー9は、外装体16の底面に設置しているが、振動源(本実施例ではオルゴール100)の振動を振動検出センサー9が検出できる場所であるなら外装体16の凹部18内の適宜な場所に取り付けることができる。
【0043】
そして、振動検出センサー9が振動源(本実施例ではオルゴール100)からの振動を検出することができ、さらに振動検出回路19に振動検出センサー9が検出した振動を電気的に検出することができれば、振動検出センサー9は外装体16の外部に設置してもよい。あるいは、振動検出センサー9は振動源(本実施例ではオルゴール100)に接触設置することもできる。
【0044】
次に図4は、振動検出センサー9、振動検出回路19及び表示器15が外装体16内部に取り付けられ、振動源となるオルゴール100が外装体16に設けられたオルゴールスペース17に取り付けられた時の本発明実施例の一部透視断面図である。
【0045】
図5は本発明実施形態を適用した意匠例を示す斜視図である。
【0046】
また、図2、図3、図4、図5における本実施形態の1例として振動源となる音響装置としてオルゴールを用いているが、音響装置から発せられる振動を前記振動検出センサーが検出でき、音響装置から音楽の奏鳴と同時に発せられる振動を検出、表示させる手段を用いるなら本発明における振動表示装置はオルゴールに限定されるものではない。
【0047】
本発明の振動表示装置を用いる外装体としては外観上、あるいはデザインを考慮すれば木材であることが望ましいが、振動を伝播できるものであれば木材に限定されるものではない。尚、本発明の振動検出センサーを用いた振動表示装置の意匠形状については、例えば音響装置としてオルゴールを利用する場合、オルゴール曲からイメージするデザインにすることが望ましく、また発光体についてもオルゴール曲に合わせた意匠配列が求められるものであるが、いずれも本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において数々変更を加えることは勿論であり、上述の図示例にのみ限定されるものではない。
【0048】
次に前記振動検出センサーを具備した前記振動表示装置を用いることで、自然界に発生する力を振動に変換して振動を検出し、検出振動に同期した光の点滅明暗ゆらぎを表示表現することができる実施形態について説明する。
【0049】
先に、図6で自然界に発生する微弱な力を振動に変換して高感度に検出し、検出振動に同期した光の点滅明暗ゆらぎを表示表現するための振動検出センサーの動作について説明する。
【0050】
基板20には、高さ10ミリ、幅10ミリ、厚み0.3ミリの真鍮板でできた支点支持用固定導電体21と、同寸法の接触用固定導電体22が適宜な間隔をもって併設されている。この支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22には振動検出回路23が接続され、さらに、振動検出回路23には表示器24が接続されている。
【0051】
そして、長さ30ミリで直径0.5ミリの真鍮丸棒の可動導電体25を、前記支点支持用固定導電体21と、前記接触用固定導電体22で支持し、基板20上に重さ0.1グラムの球体Qを高さ約100ミリから落下させ、接離の様子を表示器24で確認したところ、球体Qが基板20上に落下した瞬間可動導電体25はその場での跳ね上がりに伴い可動導電体25の当初の設置位置からの移動による接離の確認にとどまるだけである。さらにテスターを使い前記実験による接触抵抗の変化を確認したところ、やはり球体Qが基板20上に落下した瞬間の可動導電体25のその位置での跳ね上がり、あるいは移動による接離を確認するにとどまる。
【0052】
次に図6(B)で、高さ15ミリ、幅10ミリ、厚み0.3ミリの真鍮板の支点支持用固定導電体21と同寸法の接触用固定導電体22に、高さ10ミリの位置に内径2.0ミリの孔が形成され、基板20上に適宜な間隔をもって支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22が併設され、内径2.0ミリで形成された支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22には、真鍮丸棒の長さ30ミリで直径0.5ミリの可動導電体25が挿通されている。そして支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22には振動検出回路23が接続され、さらに、振動検出回路23には表示器24が接続されている状態で、基板20上に0.1グラムの球体Qを高さ約100ミリから落下させ接離の様子を確認した。
【0053】
それによると、支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22に形成された内径2.0ミリの孔に挿通された可動導電体25は、基板20上に球体Qが落下した瞬間、支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22に形成された孔内におけるわずかな揺動による表示が表示器24で確認される。さらにテスターを使い前記実験による接触抵抗の変化を調べたところ球体Qが基板20上に落下した瞬間わずかにテスターの指針の揺れが確認できる。
【0054】
次に図6(C)で、高さ15ミリ、幅10ミリ、厚み0.3ミリの真鍮板の支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22には、高さ10ミリの位置に内径2.0ミリの孔が形成され、基板20上に適宜な間隔をもって支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22が併設され、内径2.0ミリで形成された支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22には、可動導電体25を低重心にするために片方の先端を曲げ加工された真鍮丸棒の、長さ30ミリで直径0.5ミリの可動導電体25が挿通されている。そして支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22には振動検出回路23が接続され、さらに、振動検出回路23には表示器24が接続されている状態で、基板20上に0.1グラムの球体Qを高さ約100ミリから落下させ接離の様子を確認した。
【0055】
それによると、支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22に形成された内径2.0ミリの孔に挿通された片方の先端を曲げ加工された可動導電体25は、基板20上に球体Qが落下した瞬間、支点支持用固定導電体21と接触用固定導電体22に形成された孔内における継続した揺動による表示が表示器24で確認される。さらにテスターを使い前記実験による接触抵抗の変化を調べたところ球体Qが基板20上に落下した瞬間から継続したテスターの指針の揺れが確認できる。
【0056】
これまでの実験より支点支持用固定導電体と接触用固定で支持された可動導電体との接触部が互いに丸加工された状態で支持され、さらに、支点支持用固定導電体と接触用固定導電体で支持された可動導電体を低重心にすることで、光の点滅明暗ゆらぎを表示表現できることが確認できた。
【0057】
これより、振動を検出する構成において、支点支持用固定導電体と接触用固定導電体で支持された可動導電体の接触部が互いに丸加工され、さらに、可動導電体を低重心における状態で支点支持用固定導電体と接触用固定導電体で支持した振動検出センサーを具備し、振動検出回路と表示器を備えた装置を光の点滅明暗ゆらぎを表示表現する振動表示装置として説明する。
【0058】
ここで説明した、振動を与えた時に光の点滅明暗ゆらぎを表示表現できる前記振動表示装置を、前記音響装置から発生する音響振動に同期した振動を表示表現させる振動表示装置にも利用することができ、音響装置から発せられる音楽に同期した発光の表示表現ができる。
【0059】
では次に図7で、検出振動に同期した光の点滅明暗ゆらぎを表示表現することができる振動検出センサーを具備した振動表示装置を用い、自然界に発生する力を振動に変換して、検出振動に同期した光の点滅明暗ゆらぎを表示表現させる実施例について説明する。
【0060】
本装置は、自然界に存在する力として、例えば風の力を振動に変える振動変換器26、その振動を振動検出センサー27に伝える振動導伝体28、筒28A、底板33、振動量を電気的に変換する振動検出回路29そして表示器30、外装31、電源32から構成されている。ここで使用する振動検出センサー27は、ゆらぎを表示表現できる前記振動検出センサーである。
【0061】
外装31Aと底板33は適宜な間隔をもって、片方が閉じられた筒28Aで固定されている。筒28Aには振動導伝体28が筒28Aの筒内において揺動できるように余裕をもって挿入され、共に振動導伝体を形成している。また振動導伝体28の先端には風の力を受けるための振動変換器26が取り付けられ、風の力を受けた振動変換器26が遥動あるいは回転することで振動が発生し、振動導伝体28、筒28Aを伝播して底板33に振動を伝播することができる。
【0062】
振動変換器26は風車、風車で駆動する音響装置、風鈴、風が風の障害物に当たり発生する振動などが振動変換器26に利用され、振動変換器26の形状及び設置場所においては、風の力を受けることができる方法であれば、本実施例に限定されるものではない。尚、本実施例の振動変換器26にはプロペラを使用しているので、側面から吹き付ける風を受けやすくするために、振動導伝体28の先端は水平に曲げ加工がされている。
【0063】
風の力を受けた振動変換器26が遥動あるいは回転することで振動が発生し、その振動は、振動導伝体28、筒28Aを伝播して底板33に伝播された振動は、底板33に固定された前記振動検出センサー27で検出される。そして、振動検出センサー27で検出された振動を底板33に固定された振動検出回路29で電気信号に変換され、振動に同期した、光の点滅明暗、更には自然なゆらぎまでも表示器30で表示表現することができる。
【0064】
振動検出センサー27、振動検出回路29及び表示器30が底板33に固定され、振動変換器26が取り付けられた振動導伝体28、筒28Aに、固定取り付けられた外装31Aと底板33を外装31内に挿入する。
【0065】
表示器30から発せられる表示が外から目視できる素材で形成された外装31内に前記装置を挿入することで、振動変換器26が受けた風の力による振動を光の点滅明暗自然なゆらぎとして外装31の外部から目視することができる。
【0066】
また、表示器30は外装31の内部にある必要はなく、外装31から離れた場所に設置してもよい。
【0067】
図7において、筒28Aに余裕をもって挿入された振動導伝体28及び振動変換器26により形成された前記振動導伝体と、振動検出センサー27とは適宜な間隔をもって設置されているが、前記振動導伝体と振動検出センサー27とは接触設置してもよい。
【0068】
外装31の形状においては、設置場所に適したデザインや形状そして材質にし、設置方法においても設置場所に適した方法で取り付ける。
【0069】
尚、本発明の応用例は大変広範囲に及び例えば、灯籠、ガーデンライト、クリスマスツリーなどの電飾に、風による点滅明暗自然なゆらぎを表示表現する事が出来、よりいっそう装飾効果の高いものを提供することが出来るので、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において数々変更を加えることは勿論であり、上述の図示例にのみ限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】 本発明による振動表示装置の概念的な構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明による感度調整振動検出センサーの構成を示す斜視図である。
【図3】 本発明による自己振動型の振動表示装置の分解斜視図である。
【図4】 本発明による自己振動型の振動表示装置の一部透視断面図である。
【図5】 本発明による自己振動型の振動表示装置を適用した意匠例を示す斜視図である。
【図6】 (A)、(B)、(C) 本発明によるゆらぎを表示表現する振動検出センサーの構成を示す斜視図である。
【図7】 本発明による外力振動型の振動表示装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1 振動検出センサー
2 振動検出回路
4 振動源
9 感度の異なる振動検出センサー
26 振動変換器
100 振動源としてのオルゴール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を与えた時に揺動する棒状の可動導電体と、この可動導電体の一端側に接触するように設けられた接触用固定導電体と、上記可動導電体の揺動支点を支持する支点支持用固定導電体と、上記可動導電体の重心が上記支点支持用固定導電体側に位置するように配置して上記可動導電体と上記接触用固定導電体との接離と接触抵抗の変化により振動を検出する振動検出回路と、この振動検出回路の出力信号により振動量の変化を表示する表示器とを備えたことを特徴とする振動表示装置。
【請求項2】
前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体に支持された前記可動導電体の接触部及び、支点部において、前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体と前記可動導電体が互いに丸加工された請求項1に記載の振動表示装置。
【請求項3】
前記可動導電体の重心位置を可動導電体の外部に取り出して低重心に構成した請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の振動表示装置。
【請求項4】
前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体の支持間において、前記接触用固定導電体と前記支点支持用固定導電体に支持された前記可動導電体の重心位置を変化させた請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振動表示装置。
【請求項5】
音響装置、あるいは風等の自然界に存在する振動を、光の点滅明暗ゆらぎを豊かに表示表現するために、請求項1乃至請求項4に記載の振動検出回路を1個あるいは複数個備えた振動表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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