説明

振幅イコライザ

【課題】損失最小周波数での低損失性能を保持したまま、加工コストを低減できる平面基板構成や同軸管を用いた振幅イコライザを提供する。
【解決手段】裏面を地導体2とする第1絶縁性基板1と、第1絶縁性基板1の表面に形成した入出力端を有する主線路3と、主線路3の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた第1絶縁性基板1の表面に形成したストリップ導体4と、ストリップ導体4のパターンに沿って第2絶縁性基板5の表面に形成した前記ストリップ導体4より短いストリップ線路7と、ストリップ線路7に沿って抵抗体膜8を介して両側からストリップ線路7を挟むようにパターン形成しストリップ導体4と分布的に短絡させた接地パターン9と、ストリップ導体4の開放端側に位置する前記ストリップ線路7と主線路3とを電気接続する電気接続手段11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、進行波管や高周波半導体増幅器などに用いられ、利得周波数特性の平坦化を行う振幅イコライザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波帯、ミリ波帯などの進行波管増幅器や、半導体増幅器などにおいて、出力信号の振幅が周波数により差異を生じる場合、すなわち利得周波数特性が平坦でない場合に、増幅器の入力側または出力側の端子に接続し、振幅差異を抑制し、周波数特性の平坦化を行うための振幅イコライザ(利得等化装置)が搭載される。また、増幅器の非線形性で発生する2次高調波などの不要波を抑圧するための帯域阻止フィルタとしても機能する。
【0003】
振幅イコライザに関しては、例えば、特開平8−125401号公報図2(特許文献1参照)にはチャンネル増幅器としての進行波管(TWT)の応用として、RF入力ポ−ト20とRF出力ポ−ト40を有しマイクロストリップライン22,30,50,42で構成されている主マイクロストリップ伝送ラインと、この主マイクロストリップ伝送ラインのほぼ中心に位置されているT結合部31に結合されているスタブチュ−ナと、このスタブチューナに結合されている可変抵抗手段54とを具備した利得等化装置が開示されている。
【0004】
また、特開2004−289749号公報図2(特許文献2参照)には、マイクロ波信号が伝搬する主線路6と接地間に、抵抗7と伝送線路11とインダクタ12との直列回路を設け、この直列回路の伝送線路11とインダクタ12との間に先端開放線路13を接続するとともに、伝送線路11と先端開放線路13の電気長を所望の周波数帯で1/4波長よりも短く選ぶことにより、凹形の損失の周波数特性も兼ね備えるようにした周波数イコライザが開示されている。
【0005】
また、特開2002−217619号公報図1(特許文献3参照)には、マイクロストリップ主線路の側縁に対向してマイクロストリップ副線路の入力端を配置しキャパシタンスを構成するパターン間隙を形成し、マイクロストリップ副線路の入力端の近辺でかつマイクロストリップ主線路の側縁に沿って調整用パターンを配置し、必要に応じて入力端と金ワイヤまたは金リボンで接続することによりパターン間隙の幅を変更するようにしたイコライザが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平8−125401号公報(第2図)
【0007】
【特許文献2】特開2004−289749号公報(第2図)
【0008】
【特許文献3】特開2002−217619号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、MMIC構成の振幅イコライザなのでMMICの初期製造に多くの費用が必要であり、少量生産には適していないという課題があった。
【0010】
特許文献2及び特許文献3に記載のものでは、抵抗素子は2次元的広がりがあるため、最小損失周波数での損失が増加するという課題があった。
【0011】
この発明に係る振幅イコライザは損失最小周波数での低損失性能を保持したまま、加工コストを低減できる平面基板構成や同軸管を用いた振幅イコライザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って第2絶縁性基板の表面に形成した前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記ストリッ
プ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けたものである。
【0013】
請求項2に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って第2絶縁性基板の表面に形成した前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、前記第2絶縁性基板と離間して設置した板状の調整ブロックと、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けると共に前記第2絶縁性基板と前記調整ブロックとの間隔を小さくすることにより減衰量を増加させ、前記間隔を大きくすることにより減衰量を低下させるものである。
【0014】
請求項3に係る振幅イコライザは、前記ストリップ導体の他端を地導体として構成した
ストリップ線路共振器と、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路とを前記主線路に沿って複数個設けた請求項1に記載のものである。
【0015】
請求項4に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って裏面を導体パターンとする第2絶縁性基板の表面に形成した前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記第2絶縁性基板の裏面と前記ストリップ導体とを接着することにより前記第2絶縁性基板の導体パターンによる導体膜と前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けたものである。
【0016】
請求項5に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に前記第1絶縁性基板の裏面と短絡するパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成した幅広パターンと、裏面を導体パターンとする第1絶縁層と、この第1絶縁層の表面に形成され、前記主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を前記幅広パターンと電気接続したパターンを延在させたストリップ導体と、このストリップ導体に沿って離間して両側から挟むように前記主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を前記幅広パターンと電気接続したパターンを延在させた前記第1絶縁層の表面に形成した外導体と、この外導体及び前記ストリップ導体上に設けられた第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成され、前記ストリップ導体のパターンに沿って設けた前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、この接地パターンと離間して延在し、前記外導体に沿って分布的に短絡させた前記第2絶縁層の表面に形成した表面外導体と、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記第1絶縁層の裏面と前記幅広パターンとを接着することにより、前記第1絶縁層の導体パターンによる導体膜と前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けたものである。
【0017】
請求項6に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って内周導体と外周導体とを有し、前記内周導体と前記外周導体間に電波吸収材を充填した前記ストリップ導体より短い同軸管線路と、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記同軸管線路の内周導体と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記外周導体と前記ストリップ導
体とを接着することにより、前記ストリップ導体の他端を地導体として構成した同軸管線路共振器を、前記内周導体、前記電波吸収体、前記外周導体で構成した抵抗体付加同軸管線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けたものである。
【0018】
請求項7に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に前記第1絶縁性基板の裏面と短絡するパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成した幅広パターンと、この幅広パターンに沿って内周導体と外周導体とを有し、前記内周導体と前記外周導体間に電波吸収材を充填した前記ストリップ導体より短い同軸管線路と、前記同軸管線路に絶縁体を介して覆う一端が開放され他端が前記外周導体と短絡された外皮導体と、この外皮導体の一端側を前記主線路側に位置させた前記同軸管線路の内周導体と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記外皮導体と前記幅広パターンとを接
着することにより、前記外皮導体と前記外周導体の他端を地導体として構成した同軸管線路共振器を、前記内周導体、前記電波吸収体、前記外周導体で構成した抵抗体付加同軸管線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けたものである。
【0019】
請求項8に係る振幅イコライザは、裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、内周導体と外周導体とを有し、前記内周導体と前記外周導体間に電波吸収材を充填した同軸管線路と、この同軸管線路に絶縁体を介して覆う一端が開放され他端が前記外周導体と短絡された外皮導体と、この外皮導体の一端側に対応する前記主線路側に位置させた前記同軸管線路の内周導体と前記主線路とを電気接続する電気接続手段と、前記第1絶縁性基板の裏面と前記外皮導体とを載置する導体基台とを備え、前記外皮導体と前記第1絶縁性基板とを接着することにより、前記外皮導体と前記外周導体の他端を地導体として構成した同軸管線路共振器を、前記内周
導体、前記電波吸収体、前記外周導体で構成した抵抗体付加同軸管線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けたものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る振幅イコライザによれば、ストリップ導体で構成したストリップ共振器と抵抗体を付加したコプレナー線路とを連結して主線路を通過するマイクロ波周波数の振幅制御を行えるので、ストリップ線路共振器のストリップ導体上に抵抗体膜を形成した線路を形成することにより、損失が最小となる周波数では、主線路側から見た入力インピーダンスは無限大となり、抵抗体膜に全く電流が流れない無損失特性を可能とする効果がある。
【0021】
また、この発明に係る振幅イコライザによれば、同軸管線路の内周導体と外周導体との間に電波吸収体を充填することにより、損失が最小となる周波数では、主線路側から見た入力インピーダンスは無限大となり、同軸管線路を用いても抵抗体を付加したコプレナー線路同様、無損失特性を維持できる。
【0022】
また、この発明に係る振幅イコライザによれば、誘電体などの絶縁性基板や同軸管などを用いてイコライザ回路を構成するので切削などの機械加工が不要であり製造コストを削減でき、かつ小形化、軽量化にも貢献するという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る振幅イコライザについて説明する。図1は、実施の形態1による振幅イコライザの外観図である。図2は、図1に示す振幅イコライザのA−A断面図である。図3は、図1に示す振幅イコライザのB−B断面図である。図1〜図3において、1はセラミック材又はプリント配線材などを基材とした第1絶縁性基板(誘電体基板)、2は第1絶縁性基板1の裏面に全面メタライズ形成された導体膜(地導体)、3は第1絶縁性基板1の表面に形成した入出力端を有する主線路、4は一端を主線路3の近傍に直交させて開放端とし、他端に向かってパターンを延在させた第1絶縁性基板1の表面に形成されたストリップ導体(ストリップ線路共振器パターン)である。
【0024】
5はセラミック材又はプリント配線材などを基材とし、裏面をストリップ導体4の表面に載置した第2絶縁性基板、6はストリップ導体4の一端から延在したパターンの終端側に配置され、地導体2と接続するビアホール、7はストリップ導体4に沿って設けられ、第2絶縁性基板5の表面に形成したストリップ線路、8はストリップ線路7に沿って設けられ、両側からストリップ線路7を挟むように当接させて厚膜又は薄膜パターンで形成した帯状の抵抗体膜、9は抵抗体膜8を介してストリップ線路7の両側に設けられた接地パターン、10は接地パターン9に沿って所定の間隔毎に設置したビアホール、11はストリップ線路7と主線路3とを電気接続する金リボンや金ワイヤなどの導体線で構成した電気接続手段である。
【0025】
なお、第2絶縁性基板5の表面に配置されたストリップ線路7、抵抗体膜8、接地パターン9及びビアホール10で構成した回路を抵抗体膜装荷コプレナー線路12と呼び、主線路3の近傍に設置したストリップ導体4の開放端からビアホール6で地導体2に短絡したストリップ導体4の終端までを総称してストリップ線路共振器13と呼ぶ。図1〜図3中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0026】
次に動作について説明する。図4は、実施の形態1による振幅イコライザの回路図である。図4において、12はブロック図で表示した抵抗体膜装荷コプレナー線路、13はブロック図で表示したストリップ線路共振器であり、ストリップ線路共振器13は、単一又は複数の異なる特性インピーダンスの分布定数線路を繋ぎ合わせた線路で構成される。
【0027】
接地パターン9はストリップ導体4の終端部のビアホール6で地導体2に接続されてるので、ストリップ導体4をストリップ線路共振器13の地導体とみなし、導体線11との間で主線路3側からストリップ線路共振器13と抵抗体膜装荷コプレナー線路12側を見たインピーダンスZtは、ストリップ線路共振器13の入力インピーダンスZrと抵抗体膜装荷コプレナー線路12の入力インピーダンスZcとの直列接続と見なすことができる。すなわち、Zt=Zr+Zcで表すことができる。したがって、振幅イコライザ回路全体は、主線路3に対して、インピーダンスZtの回路が並列接続された図5に示す等価回路で表現できる。
【0028】
ストリップ線路共振器13は電気長が1/4波長や3/4波長など、1/4波長の奇数倍の電気長(線路内波長)になる周波数において共振し、そのとき開放端での入力インピーダンスは無限大、すなわち、この開放端の一点では開放状態となり、電流定在波の節となる。このとき、物理的にはこの分岐線路に高周波電流は流れ込まないことになる。このため、これに直列に接続されている抵抗体膜装荷コプレナー線路12にも高周波電流は流れない。したがって主線路3には並列に何も接続されていない状態と同様の状態となり、入力された信号は減衰することなくそのまま出力端子に現れる。
【0029】
上記の共振周波数以外の周波数ではストリップ線路共振器13の開放端での入力インピーダンスは有限となり高周波電流が流れ込む。したがって、これに直列に接続されている抵抗体膜装荷コプレナー線路12にも高周波電流が流れることになる。このため、主線路3には並列に、抵抗体膜装荷コプレナー線路12の入力インピーダンスの実部に相当した抵抗が並列接続された状態となり、入力された信号は減衰して出力端子に現れる。図6は、通過帯域における振幅イコライザの振幅を示したものである。この減衰の周波数特性の一例では各共振周波数f1、f2から離れるに従い減衰が大きくなり、両共振周波数の中心付近で減衰が最大となる特性となる。
【0030】
単独の進行波管増幅器(TWT)の利得の周波数特性は一般に図7に示すように、所要周波数帯域の下限周波数f1と上限周波数f2の両端で利得が極小で、中心周波数近傍で最も利得が大きくなる特性を有する。そこで、この発明の実施の形態1による振幅イコライザのストリップ線路共振器13のN次共振周波数をf1、N+1次の共振周波数をf2に設定するようにストリップ共振器13の特性インピーダンスを調整すると、上記進行波管増幅器と振幅イコライザとを直列に接続することにより総合の利得周波数特性は図8に示すように平坦化できる。また、振幅イコライザの減衰量の最大値は、抵抗体膜8の材料定数、ストリップ線路7のパターン幅、ストリップ線路7と接地パターン9との間隔により設定できる。
【0031】
以上からこの発明の実施の形態1によれば、信号の減衰が原理的になくなるため、大電力増幅器の利得周波数特性の平坦化や高調波抑制用フィルタとして適用すると、良好な通信回線の実現や、低消費電力、高効率化を図ることが可能となる。
【0032】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による振幅イコライザについて図9〜図11を用いて説明する。図9は、実施の形態2による振幅イコライザの外観図である。図10は、図9に示す振幅イコライザに筐体を参考付加した場合のC−C断面図である。図11は、図9に示す振幅イコライザに筐体を参考付加した場合のD−D断面図である。図9〜図11において、14は、導体,電波吸収体,セラミック材などの絶縁材料のいずれかから構成され、線路の電磁カップリング量を変化させることによりコプレナー線路12の特性インピーダンスを調整する板状の調整ブロック、15は取り付け用ブロック、16は振幅イコライザを収納する筐体、17は筐体16と合わせて密閉空間を構成する蓋、18は蓋17を貫通して筐体16に収納されたコプレナー線路の上部に位置した調整ブロック14の高さを調整する調整ネジ(ネジ)、19は調整ネジ18を固定するナット、20は伸縮ばねである。図図9〜図11中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0033】
次に動作について説明する。実施の形態2では、実施の形態1に示した振幅イコライザに対して振幅イコライザに筐体16と蓋17とを付加し、筐体16は主線路3の入出力部を除き、周囲が壁で覆われた枠体を含む構成としている。
【0034】
抵抗体膜装荷コプレナー線路12の上方近傍に調整ブロック14を配置し、抵抗体膜装荷コプレナー線路12との距離をネジ18により調整する。取り付け用ブロック15は調整ブロック14とネジ18とを接続させるもので調整ブロック14に接着固定される。ナット19とばね20とで調整ブロック14の位置を固定する。この構成により抵抗体膜装荷コプレナー線路12の特性インピーダンスを変更する。すなわち、抵抗体膜装荷コプレナー線路12の上部にある調整ブロック14を抵抗膜装荷コプレナー線路12に近づけることで抵抗体膜装荷コプレナー線路12の入力インピーダンスの実部が小さくなり、振幅イコライザの減衰量は大きくなり、遠ざけると振幅イコライザの実部が大きくなり、振幅イコライザの減衰量は小さくなる。
【0035】
以上から振幅イコライザをTWTの入力部又は出力部に設置することによりTWTの減衰量の調整が可能となる。
【0036】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3による振幅イコライザについて図12を用いて説明する。図12は実施の形態3による振幅イコライザの外観図である。実施の形態3では、実施の形態1で示したストリップ線路共振器13と抵抗体膜装荷コプレナー線路12とを主線路3に沿って複数配置している。複数配置することにより、単一のストリップ線路共振器13と抵抗体膜装荷コプレナー線路12における減衰量が不足した場合、減衰量を補い所要の減衰量を得ることができる。また、単一構成で反射が大きい場合、複数配置することによりそれぞれの反射を打ち消し、振幅イコライザ全体としては反射を低減でき、動作周波数帯域内での通過特性の不要なリップルを取り除ける効果がある。
【0037】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4による振幅イコライザについて図13〜図15を用いて説明する。図13は、実施の形態4による振幅イコライザの外観図である。図14は、図13に示す振幅イコライザのE−E断面図である。図15は、図13に示す振幅イコライザのF−F断面図である。図13〜図15において、21は、第2絶縁性基板5の裏面に全面メタライズ形成された導体膜(地導体)である。なお、図13では構造を明確に説明するため抵抗体膜装荷コプレナー線路12をストリップ線路共振器13から切り離した展開図で示している。図13〜図15中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0038】
次に動作について説明する。抵抗膜装荷コプレナー線路12の裏面全面にもストリップ線路共振器13すなわち、ストリップ導体パターン4とは別に導体膜21を設けている。最終形状は図14、図15に示すように抵抗体膜装荷コプレナー線路12をストリップ線路共振器13上に配置し、導体膜21とストリップ線路共振器13とを電気的に接続するとともに導体線11で抵抗体膜装荷コプレナー線路12と主線路3とを接続した構成となる。
【0039】
以上から第2絶縁性基板5に抵抗体膜装荷コプレナー線路12を主線路3の基板から切り離せば、抵抗体膜装荷コプレナー線路12単体で入力インピーダンスZcを正確に測定し、接着性に可逆性のある紫外線(UV)硬化樹脂で接着固定して振幅イコライザとして組立を行うことにより、生産工程時における製品の性能安定化を図ることができる利点がある。
【0040】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5による振幅イコライザについて図16〜図19を用いて説明する。図16は、実施の形態5による振幅イコライザの外観図である。図17は、図16に示す振幅イコライザのG−G断面図である。図18は、図16に示す振幅イコライザのストリップ導体を含む領域のH−H断面図である。図19は、図16に示す振幅イコライザの接地パターン9を含む領域のI−I断面図である。図16〜図19において、22は一端を主線路3の近傍に配置し、他端に向かって幅広のパターンを延在させた第1絶縁性基板1の表面に形成した幅広パターン、23は幅広パターン22の全域に亘り所定の間隔で面上に配置したビアホール、24は第1絶縁層、25は第1絶縁層24の外層(裏面)に設置した導体パターン、26は第2絶縁層、27は第2絶縁層26の外層表面に設置した表面導体パターンであり、表面導体パターン27は、中央に設置したストリップ線路27aと両側端部に設置した表面導体27b、27c及びストリップ線路27aと表面導体27b、27cとの間に位置する接地パターン9からなる。
【0041】
また、ストリップ線路27aと接地パターン9との間は抵抗体膜8で接続される。28は第1絶縁層24と第2絶縁層26で挟まれた内層導体パターンであり、内層導体パターン28は中央に設置した内層導体28a(ストリップ導体)と両側端部に設置した内層導体(外導体)28b、28cからなる。図16〜図19中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0042】
第1絶縁層24、第1絶縁層24の表面に設置した導体パターン25、第2絶縁層26、第2絶縁層の表面に設置した表面導体パターン27、第1絶縁層24と第2絶縁層26で挟まれた内層導体パターン28及び抵抗体膜8で多層基板を形成し、多層基板で形成された回路を多層回路基板回路と呼ぶ。なお、図16では構造を明確に説明するため多層基板は第1絶縁性基板1の幅広パターン22から切り離した展開図で示している。
【0043】
次に動作について説明する。第1絶縁性基板1の表面に設置した幅広パターン22にビアホール23を介して地導体2と電気的に接続することで幅広パターン22は地導体の機能を有する。従って幅広パターン22と接する第1絶縁層24の外層(表面)に設置した導体パターン25も地導体の役目を担う。内層導体パターン28の中央に設置した内層導体28aはストリップ線路共振器の役目を担い、両側端部に設置した内層導体(外導体)28b、28cで側面側の地導体の役目を担う。
【0044】
第2絶縁層26の表面中央に設置したストリップ線路27a、表面導体27b、27cで基板を多層化し、実施の形態1同様に抵抗体膜8及び接地パターン9で抵抗体膜装荷コプレナー線路12を形成する。
【0045】
導体パターン25と内層導体28b、28cおよび表面導体27b、27cを電気的に層間接続するビアホール6、および、主線路3から離れた側のストリップ線路共振器(内層導体28a)の端部と導体パターン25とを電気的に層間接続するビアホール6、さらに、ストリップ線路共振器(内層導体)28aと接地パターン9とを層間接続するビアホール6を設けることによりストリップ線路共振器(内層導体)28aと抵抗体膜装荷コプレナー線路12を一体化した多層基板回路(多層回路基板)30を形成する。
【0046】
最終形状として図17、図18、図19に示すように多層回路基板30の導体パターン25を幅広パターン22に電気的に接続するように配置し、ストリップ線路27aと主線路3とを導体線11により接続すると、実施の形態1と同様、振幅イコライザとして動作する。
【0047】
以上からこの多層基板回路30を主線路3の基板から切り離せば、多層基板回路30単独でストリップ線路共振器28aと抵抗体膜装荷コプレナー線路12の直列入力インピーダンスZt(=Zc+Zr)を総合的に測定でき、減衰量の周波数特性を正確に確認した後に組立を可能とする利点があり、実施の形態4同様、生産工程時における製品の性能安定化を図ることができる。
【0048】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6による振幅イコライザについて図20を用いて説明する。図20は、実施の形態6による振幅イコライザの外観図である。図20において、31は同軸管の内周導体、32は同軸管の外周導体、33はカーボン材や金属粉などを含み抵抗体としての電波吸収体、34は抵抗体装荷同軸管線路である。この抵抗体装荷同軸管線路34は、主線路3とストリップ線路共振器4は実施の形態1同様、第1絶縁性基板1を用いたストリップ線路構造であったが、実施の形態1で示した抵抗体膜装荷コプレナー線路12を内導体31、外導体32、電波吸収体33からなる抵抗体装荷同軸管線路34に置き換えている。実施の形態4同様、この抵抗体装荷同軸管線路34を主線路3の基板から切り離せば、抵抗体装荷同軸管線路34単独で入力インピーダンスZcを正確に測定した後に組立てできる特徴があり、量産時での性能安定化を図ることができる。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0049】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7による振幅イコライザについて図21〜図22を用いて説明する。図21は、実施の形態7による振幅イコライザの外観図である。図22は、図21に示す振幅イコライザのJ−J断面図である。図21〜図22において、35は誘電体、36は同軸管の外皮導体、37は抵抗体装荷2重同軸管線路である。図21〜図22中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0050】
第1絶縁性基板1表面はビアホール23を介して地導体2と電気的に接続された幅広パターン22を形成している。実施の形態5で示した多層基板回路30を内周導体31、外周導体32、電波吸収体33、誘電体35、外皮導体36からなる抵抗体装荷2重同軸管線路37に置き換えている。なお、誘電体35部分は空洞でも良い。外周導体32は外皮導体36から見れば誘電体35を媒質とした同軸線路の内導体の機能をもち、主線路3から離れた側の外周導体32の端は外皮導体36に短絡され外周導体32、外皮導体36、および誘電体35は先端短絡の共振器を形成している。最終形状として図22に示すように抵抗体装荷2重同軸管線路37の外皮導体36を地導体である幅広パターン22に電気的に接続するように配置し、内周導体31と主線路3とを導体線11により接続すると、実施の形態5同様、振幅イコライザとして動作する。
【0051】
この抵抗体装荷2重同軸管線路37を主線路3の基板から切り離せば、抵抗体装荷2重同軸管線路37単独で直列入力インピーダンスZt(=Zc+Zr)を総合的に測定でき、減衰量の周波数特性を正確に確認した後に組立てできる特徴があり、実施の形態6に比較しさらに量産時での性能安定化を図ることができる。
【0052】
実施の形態8.
この発明の実施の形態8による振幅イコライザについて図23を用いて説明する。図23は、実施の形態8による振幅イコライザの外観図である。図23において、38は金属筐体などの導体基台であり、この場合も抵抗体装荷2重同軸管線路37を構成する。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0053】
振幅イコライザの導体基台38上に抵抗体装荷2重同軸管線路37を配置することにより、ストリップ導体4や幅広パターン22が不要となることによりビアホール加工も軽減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施の形態1に係る振幅イコライザの外観図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る図1に示す振幅イコライザのA−A断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る図1に示す振幅イコライザのB−B断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る振幅イコライザの回路図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る振幅イコライザの等価回路である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る振幅イコライザの減衰周波数特性である。
【図7】単独の進行波管増幅器の利得周波数特性を説明する図である。
【図8】総合利得周波数特性を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る振幅イコライザの外観図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る図9に示す振幅イコライザのC−C断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る図9に示す振幅イコライザのD−D断面図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る振幅イコライザの外観図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る振幅イコライザの外観図である。
【図14】この発明の実施の形態4に係る図13に示す振幅イコライザのE−E断面図である。
【図15】この発明の実施の形態4に係る図13に示す振幅イコライザのF−F断面図である。
【図16】この発明の実施の形態5に係る振幅イコライザの外観図である。
【図17】この発明の実施の形態5に係る図16に示す振幅イコライザのG−G断面図である。
【図18】この発明の実施の形態5に係る図16に示す振幅イコライザのストリップ線路を含むH−H断面図である。
【図19】この発明の実施の形態5に係る図16に示す振幅イコライザの接地パターンを含むI−I断面図である。
【図20】この発明の実施の形態6に係る振幅イコライザの外観図である。
【図21】この発明の実施の形態7に係る振幅イコライザの外観図である。
【図22】この発明の実施の形態7に係る図21に示す振幅イコライザのJ−J断面図である。
【図23】この発明の実施の形態8に係る振幅イコライザの外観図である。
【符号の説明】
【0055】
1・・第1絶縁性基板 2・・導体膜(地導体) 3・・主線路
4・・ストリップ導体(ストリップ線路共振器パターン)
5・・第2絶縁性基板 6・・ビアホール 7・・ストリップ線路 8・・抵抗体膜
9・・接地パターン 10・・ビアホール 11・・電気接続手段(導体線)
12・・抵抗体装荷コプレナー線路 13・・ストリップ線路共振器
14・・調整ブロック 15・・取り付け用ブロック 16・・筐体
17・・蓋 18・・調整ネジ 19・・ナット 20・・伸縮ばね(ばね)
21・・導体膜(地導体) 22・・幅広パターン(地導体) 23・・ビアホール
24・・第1絶縁層 25・・導体パターン(地導体) 26・・第2絶縁層
27・・表面導体パターン 27a・・ストリップ線路 27b・・表面導体(地導体)
27c・・表面導体(地導体) 28・・内層導体パターン
28a・・内層導体(ストリップ導体) 28b・・内層外導体
28c・・内層外導体 30・・多層基板回路(多層回路基板)
31・・内周導体 32・・外周導体
33・・電波吸収体(抵抗体) 34・・抵抗体装荷同軸管線路
35・・誘電体 36・・外皮導体 37・・抵抗体装荷2重同軸管線路
38・・導体基台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って第2絶縁性基板の表面に形成した前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けた振幅イコライザ。
【請求項2】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って第2絶縁性基板の表面に形成した前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、前記第2絶縁性基板と離間して設置した板状の調整ブロックと、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けると共に前記第2絶縁性基板と前記調整ブロックとの間隔を小さくすることにより減衰量を増加させ、前記間隔を大きくすることにより減衰量を低下させる振幅イコライザ。
【請求項3】
前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器と、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路とを前記主線路に沿って複数個設けた請求項1に記載の振幅イコライザ。
【請求項4】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って裏面を導体パターンとする第2絶縁性基板の表面に形成した前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記第2絶縁性基板の裏面と前記ストリップ導体とを接着することにより前記第2絶縁性基板の導体パターンによる導体膜と前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けた振幅イコライザ。
【請求項5】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に前記第1絶縁性基板の裏面と短絡するパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成した幅広パターンと、裏面を導体パターンとする第1絶縁層と、この第1絶縁層の表面に形成され、前記主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を前記幅広パターンと電気接続したパターンを延在させたストリップ導体と、このストリップ導体に沿って離間して両側から挟むように前記主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を前記幅広パターンと電気接続したパターンを延在させた前記第1絶縁層の表面に形成した外導体と、この外導体及び前記ストリップ導体上に設けられた第2絶縁層と、この第2絶縁層の表面に形成され、前記ストリップ導体のパターンに沿って設けた前記ストリップ導体より短いストリップ線路と、このストリップ線路に沿って抵抗体膜を介して両側から前記ストリップ線路を挟むようにパターン形成し前記ストリップ導体と分布的に短絡させた接地パターンと、この接地パターンと離間して延在し、前記外導体に沿って分布的に短絡させた前記第2絶縁層の表面に形成した表面外導体と、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記ストリップ線路と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記第1絶縁層の裏面と前記幅広パターンとを接着することにより、前記第1絶縁層の導体パターンによる導体膜と前記ストリップ導体の他端を地導体として構成したストリップ線路共振器を、前記ストリップ線路、前記抵抗体膜、前記接地パターンで構成した抵抗体付加コプレナー線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けた振幅イコライザ。
【請求項6】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に位置する一端を開放端とし、他端を短絡端とするパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成したストリップ導体と、このストリップ導体のパターンに沿って内周導体と外周導体とを有し、前記内周導体と前記外周導体間に電波吸収材を充填した前記ストリップ導体より短い同軸管線路と、前記ストリップ導体の開放端側に位置する前記同軸管線路の内周導体と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記外周導体と前記ストリップ導体とを接着することにより、前記ストリップ導体の他端を地導体として構成した同軸管線路共振器を、前記内周導体、前記電波吸収体、前記外周導体で構成した抵抗体付加同軸管線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けた振幅イコライザ。
【請求項7】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、この主線路の近傍に前記第1絶縁性基板の裏面と短絡するパターンを延在させた前記第1絶縁性基板の表面に形成した幅広パターンと、この幅広パターンに沿って内周導体と外周導体とを有し、前記内周導体と前記外周導体間に電波吸収材を充填した前記ストリップ導体より短い同軸管線路と、前記同軸管線路に絶縁体を介して覆う一端が開放され他端が前記外周導体と短絡された外皮導体と、この外皮導体の一端側を前記主線路側に位置させた前記同軸管線路の内周導体と前記主線路とを電気接続する電気接続手段とを備え、前記外皮導体と前記幅広パターンとを接着することにより、前記外皮導体と前記外周導体の他端を地導体として構成した同軸管線路共振器を、前記内周導体、前記電波吸収体、前記外周導体で構成した抵抗体付加同軸管線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けた振幅イコライザ。
【請求項8】
裏面を地導体とする第1絶縁性基板と、この第1絶縁性基板の表面に形成した入出力端を有する主線路と、内周導体と外周導体とを有し、前記内周導体と前記外周導体間に電波吸収材を充填した同軸管線路と、この同軸管線路に絶縁体を介して覆う一端が開放され他端が前記外周導体と短絡された外皮導体と、この外皮導体の一端側に対応する前記主線路側に位置させた前記同軸管線路の内周導体と前記主線路とを電気接続する電気接続手段と、前記第1絶縁性基板の裏面と前記外皮導体とを載置する導体基台とを備え、前記外皮導体と前記第1絶縁性基板とを接着することにより、前記外皮導体と前記外周導体の他端を地導体として構成した同軸管線路共振器を、前記内周導体、前記電波吸収体、前記外周導体で構成した抵抗体付加同軸管線路と連結させて前記主線路を通過するマイクロ波周波数帯域内に振幅の減衰領域を設けた振幅イコライザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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