捕虫器
【課題】虫を誘引可能な範囲の拡大化を図ることができ、捕虫シートの延出方向の大きさを変えた設計を容易に行うことができるようにすること。
【解決手段】虫を誘引する誘引手段12と、誘引手段12の近傍に繰り出される捕虫シート11と、この捕虫シート11を繰り出し可能に保持する保持手段13と、捕虫シート11の繰り出しをガイドする案内手段15とを備えて捕虫器10が構成されている。捕虫シート11は、帯状をなす基材シート11Aと、この基材シート11Aの一方の面に積層された接着剤層11Bとを備えている。案内手段15は、捕虫シート11が誘引手段12の近傍に繰り出されたときに、捕虫シート11の幅方向中央部が誘引手段の反対側に膨出するように形成される。
【解決手段】虫を誘引する誘引手段12と、誘引手段12の近傍に繰り出される捕虫シート11と、この捕虫シート11を繰り出し可能に保持する保持手段13と、捕虫シート11の繰り出しをガイドする案内手段15とを備えて捕虫器10が構成されている。捕虫シート11は、帯状をなす基材シート11Aと、この基材シート11Aの一方の面に積層された接着剤層11Bとを備えている。案内手段15は、捕虫シート11が誘引手段12の近傍に繰り出されたときに、捕虫シート11の幅方向中央部が誘引手段の反対側に膨出するように形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捕虫器に係り、更に詳しくは、効率良く捕虫を行うことができる捕虫器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、食品や粘着シート、精密機械等の製品に虫が混入することを防止するために捕虫器が利用されている(特許文献1参照)。特許文献1の捕虫器は、捕虫用の光源と、この光源に隣接する位置に設けられた粘着フィルムロールとを備えている。粘着フィルムロールには、一方の面を粘着面とした粘着フィルムが巻回されており、この粘着フィルムが、粘着フィルムロールから光源の周りに掛け回されるとともに支持用ロールに支持されている。同文献の捕虫器において、光源の電源を投入すると、当該光源を囲うように位置する粘着フィルムを通じて捕虫器の正面及び側面側に放射状に発光し、粘着フィルムに虫を誘引するようになっている。
【0003】
ところで、このような捕虫器にあっては、そのセッティングや運搬を容易に行えるように機器全体が小さいものが要請されたり、飛来する高さ位置が異なる様々な種類の虫を捕獲し易くすべく、上下高さが大きいものが要請されたりする。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3091766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の粘着フィルムにあっては、捕虫可能な領域の上下高さは、帯状をなす粘着フィルムの延出方向に直交する方向の幅によって決定されてしまう。つまり、同文献の構成では、粘着面による捕虫可能な領域の上下高さを拡大及び縮小したサイズとする設計を行えないため、前述した要請に対応することができなくなる。
ここで、仮に、種々の幅の粘着フィルムを製造すれば、前記要請に対応することができるように考えられる。ところが、この場合、特注の粘着フィルム、すなわち、廉価な市販品以外の粘着フィルムを用いることが必要となり、使い勝手が低下するばかりでなく、ランニングコスト上昇の原因となる、という不都合を招来する。
【0006】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目しつつ前述の要請に対応するように案出されたものであり、その目的は、虫を誘引可能な範囲の拡大化を図ることができ、捕虫シートの延出方向の大きさを変えた設計を容易に行うことができる捕虫器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、虫を誘引する誘引手段と、前記誘引手段の近傍に繰り出される捕虫シートと、この捕虫シートの繰り出しを許容し当該捕虫シートを保持する保持手段と、捕虫シートの前記繰り出しを補助する案内手段とを備えた捕虫器において、
前記捕虫シートは、帯状をなす基材シートの一方の面に積層された接着剤層を含み、
前記案内手段は、捕虫シートが誘引手段の近傍に繰り出されたときに、当該捕虫シートの接着剤層側であって幅方向中央部を前記誘引手段の反対側に膨出した状態に形成する、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、前記案内手段は、基材シートの他方の面に当接可能に設けられるとともに、捕虫シートの繰り出し方向に直交する方向の断面形状を湾曲状に膨出形成する、という構成が好ましくは採用される。
【0009】
また、前記捕虫シートが案内手段に繰り出される前後にそれぞれ設けられたガイドローラを含み、前記案内手段は、ガイドローラから案内手段へ延びる捕虫シートを次第に膨出形成する、という構成を採ることが好ましい。
【0010】
更に、前記案内手段は、軸線が円弧状に形成されて前記誘引手段を囲う方向に延びる複数の棒状部材を備えて構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記捕虫シートには、基材シートの繰り出し方向に沿う両端に沿って接着剤層を積層しない非接着領域が設けられ、
前記誘引手段を収容する笠部材と、この笠部材に設けられるとともに、前記非接着領域に相対して基材シートの繰り出しを規制するガイド手段とを更に含み、
前記ガイド手段は、笠部材と、基材シートの繰り出し方向に沿う両端との間を含む領域をカバー可能に設けられる、という構成も採用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、捕虫シートの幅方向中央部が誘引手段の反対側に膨出するので、誘引手段による誘引作用を前方から側方に向かって発揮することができ、捕虫を行う範囲の拡大化を図ることが可能となる。
また、捕虫可能な領域の上下高さを変更しても、同一幅の捕虫シートを利用することができる。従って、安価な市販品の捕虫シートを用いつつ、接着剤層が表出する領域を拡大及び縮小する設計を簡単に行うことが可能となる。これにより、前述した要請に容易に対応することができ、且つ、捕虫シートに要するランニングコストが上昇することを回避することが可能となる。
【0013】
また、案内手段により捕虫シートの前記断面形状を湾曲状に形成するので、側方から飛来する虫を捕らえ易くなる。
【0014】
更に、ガイドローラから案内手段へ延びる捕虫シートを当該案内手段により次第に膨出形成するので、捕虫シートの繰り出しをスムースに行うことができる。
【0015】
また、案内手段が複数の棒状部材を含んで構成される場合、案内手段の構造の簡略化や軽量化を図ることができる他、前記延出方向に沿うサイズを変えた設計を行った場合でも、棒状部材の本数を変更するだけで容易に対応することができる。
【0016】
更に、ガイド手段により笠部材と基材シートとの間をカバーした場合、捕虫シートの繰り出しの安定化を図りつつ、笠部材の内側に虫が侵入することを回避することができ、メンテナンス作業の負担を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書において、「未使用」とは、接着剤層を表出する前の状態を意味する他、捕虫を行うべく接着剤層を表出した直後の状態も意味する。また、「使用済み」とは、捕虫を行った後の状態を意味する他、虫が捕獲されていない状態であっても、所定期間捕虫の用に供した状態も意味する。
更に、本明細書及び特許請求の範囲の方向若しくは位置を示す用語は、特に明示しない限り、図1中矢印A方向から見た場合を基準とし、「前」とは矢印A方向から見た場合の手前側を示す一方、「後」とは、同奥行き側について用いられる。
【0018】
図1には、本実施形態に係る捕虫器の概略斜視図が示されている。また、図2には、その正面図が示され、図3には、その右側面図が示され、図4には、その平面図が示されている。これらの図において、捕虫器10は、虫を捕獲するための捕虫シート11と、この捕虫シート11に沿って位置する誘引手段12と、捕虫シート11の繰り出しを許容し保持可能に設けられた保持手段13と、誘引手段12と捕虫シート11との間に設けられた案内手段15と、この案内手段15の左右両側に位置するガイド手段16とを備えて構成されている。
【0019】
前記捕虫シート11は、ロール状に巻回された状態から誘引手段12の前方を通過するように上方から下方に向かって繰り出されるようになっている。捕虫シート11は、図5(A)及び(B)に示されるように、帯状をなす基材シート11Aと、この基材シート11Aの一方の面(図5(B)中上面)に積層された接着剤層11Bと、この接着剤層11Bによって仮着された剥離シート11Cとを備えている。基材シート11Aの繰り出し方向に沿う両端、すなわち、図5中左右両端に沿う位置には、前記接着剤層11Bを積層しない非接着領域11Dがそれぞれ設けられている。
【0020】
前記誘引手段12は、図示しない電力源に接続される蛍光灯18により構成されており、この蛍光灯18は、平面視コ字状の背面フレーム20を介して支持されている。背面フレーム20の左右両側には、前方に向かうに従って次第に拡開する笠部材21が設けられ、当該笠部材21の内側に前記蛍光灯18が収容されている。また、背面フレーム20の下端側には、平面視略方形状をなす脚部材23が設けられ、捕虫器10全体が自立できるようになっている。
【0021】
前記保持手段13は、ロール状に巻回された捕虫シート11を支持する支持手段33と、この支持手段33の上方に設けられた剥離手段34と、前記脚部材23上に設けられた巻取手段35と、剥離手段34及び巻取手段35に連結され、支持手段33から巻取手段35に基材シート11Aを繰り出す繰出手段36とを備えて構成されている。
【0022】
前記支持手段33は、背面フレーム20の上部から若干下方位置に連結されたブラケット38と、このブラケット38に片持ち支持されるとともに、ロール状に巻回された捕虫シート11の回転中心軸位置に設けられた支持軸39とを備え、ロール状の捕虫シート11が回転して剥離手段34側へ繰り出すことができるようになっている。
【0023】
前記剥離手段34は、背面フレーム20の上部右側に連結されたブラケット41と、捕虫シート11の剥離シート11Cを折り返して当該剥離シート11Cを後方(図3中右方)へ導く剥離用ローラ43と、剥離用ローラ43により剥離された剥離シート11Cを回収する剥離シート回収軸44とを備えて構成されている。剥離用ローラ43及び剥離シート回収軸44は、ブラケット41によりそれぞれ片持ち支持されている。剥離シート11Cが剥離された後の基材シート11Aは、前後一対の上ガイドローラ46、案内手段15、下ガイドローラ47の順に通過するように繰り出される。具体的には、基材シート11Aは、未使用の接着剤層11Bを表出しつつ前後一対の上ガイドローラ46に巻回されて鉛直方向下向きに繰り出され、笠部材21の下方の下ガイドローラ47を巻回して巻取手段35へ案内される。
【0024】
前記巻取手段35は、前記脚部材23に立設されたブラケット48と、基材シート11Aを巻き取る巻取軸49により構成され、巻取軸49はブラケット48に片持ち支持されている。
【0025】
前記繰出手段36は、剥離シート回収軸44及び巻取軸49にそれぞれ連結されたプーリ51,52と、これらプーリ51,52に掛け回されたベルト53と、前記剥離シート回収軸44に連結された操作ハンドル55とを備えて構成されている。
【0026】
前記案内手段15は、前記笠部材21前部の内面間に設けられるとともに、上下に所定間隔を隔てて複数設けられた棒状部材57を備えている。各棒状部材57は、軸線が平面視円弧状に形成されて前記蛍光灯18を囲う方向に延びるとともに、前記笠部材21に図示しないねじ等の固定手段を介して連結されている。また、図6に示されるように、各棒状部材57は、基材シート11Aの後面に当接可能に設けられ、基材シート11Aの幅方向(同図中左右方向)中央部を前記蛍光灯18の反対側に膨出するように形成しつつ繰り出しをガイドし、基材シート11Aが後方に撓んだり、ばたつくことを抑制できるようになっている。
【0027】
前記ガイド手段16は、図6に示されるように、笠部材21に支持されている。ガイド手段16は、鉛直方向に沿って位置するアングル状に形成されるとともに、基材シート11Aの非接着領域11Dに相対する位置に設けられた左右一対のガイド板61と、各ガイド板61に設けられるとともに、非接触領域11Dに接触可能なシート状の当接部材62と、各ガイド板61と笠部材21を連結するヒンジ部63とを備えて構成されている。ガイド板61は、図6に示される状態で、基材シート11Aの繰り出し方向に沿う両端(同図中左右両端)と、笠部材21の前端部との間の隙間Sをカバー可能に設けられ、この隙間Sから笠部材21の内部に虫が侵入することを防止できるようになっている。
【0028】
前記当接部材62は、厚み方向に収縮変形可能な部材とされ、フェルト材、布材、樹脂材、ゴム等が例示できる。当接部材62は、基材シート11Aの繰り出し時に、前記棒状部材57とで非接着領域11Dを挟んで摩擦抵抗を付与し、基材シート11Aを適度な張力に保ちつつ、基材シート11Aの垂れ下がりを抑制するようになっている。
【0029】
前記ヒンジ部63は、ガイド板61を回動可能に支持している。具体的には、上述した基材シート11Aを挟む位置と、その位置から退避した位置(図6中二点鎖線で示す位置)との間で回動可能になっている。これにより捕虫シート11の掛け替えがより迅速に行うことができるうえ、ガイド板61や棒状部材57に付着した接着剤の除去が行い易くなっている。
【0030】
前記捕虫器10は、図1に示される状態から、蛍光灯18を発光させると、基材シート11A及び接着剤層11Bを通じて外部に光が発せられる。このとき、図6に示されるように、基材シート11Aの繰り出し方向に直交する方向の断面形状は前方に膨出する湾曲形状となるので、基材シート11Aの前方から側方に亘って放射状に発光される。また、光に誘引されて側方より飛来してきた虫を当該接着剤層11Bに接着されて捕獲しやすくなる。
【0031】
そして、一定期間捕虫を行った後、未使用の接着剤層11Bを前方に表出させる場合、前記繰出手段36の操作ハンドル55を図3中矢印R1方向に回転操作すればよい。これにより、剥離シート回収軸44が同矢印R1方向に回転し、剥離シート11Bが巻き取られて回収される。この巻き取りにより、支持手段33に支持されたロール状の捕虫シート11が図3中矢印R2方向に繰り出され、剥離用ローラ43通過時に剥離シート11Cが順次剥離される。
【0032】
剥離シート11Cが剥離されると同時に、未使用の接着剤層11Bが表出し、基材シート11Aが上ガイドローラ46から蛍光灯18の前方に繰り出され、各棒状部材57とガイド板61との間に非接着領域11Dが位置し、基材シート11Aが下方に案内される。このとき、上ガイドローラ46から最上位の棒状部材57へ延びる基材シート11Aは、次第に膨出形成されるような形態をなす。また、最下位の棒状部材57から下ガイドローラ47へ延びる基材シート11Aは、前述した形態と逆の形態、すなわち、前述の膨出形成した状態から基材シート11Aの幅方向にフラットとなるように形成される。
【0033】
ここで、前記操作ハンドル55の回転操作により、ベルト53を介して巻取軸49が矢印R3方向に回転する。これにより、接着剤層11Bが内側に向けられるように、使用済みの基材シート11Aが巻取軸49に巻き取られる。なお、剥離シート回収軸44に巻き取られた剥離シート11Cの外径と、巻取軸49に巻き取られた基材シート11Aの外径差による巻取速度(量)の違いは、巻取軸49に設けられた図示しない滑り機構によって相殺されるようになっている。
【0034】
このように、捕虫器10において、単一の駆動源として操作ハンドル55を回転することにより、剥離シート回収軸44、ロール状の捕虫シート11及び巻取軸49が全て同時に回転する。この回転により、剥離手段34による剥離シート11Cの剥離及び回収と、誘引手段12の前方位置への未使用の接着剤層11Bのセットと、使用済みの基材シート11Aの回収とを同時に行えるようになる。
【0035】
従って、このような実施形態によれば、棒状部材57により基材シート11Aの幅方向中央が前方に膨出する湾曲面状になるので、蛍光灯18の光を広範囲に発することができ、捕虫シート11に効率良く虫を誘引することが可能となり、更に側方から飛来して来た虫も捕獲しやすくなる。また、図示された捕虫器10の高さ寸法を変更したものを設計する場合でも、捕虫シート11の幅寸法を変更せずに用いることが可能となり、コスト的な負担を抑制しつつ、利用環境等に応じた種々のバリエーションの高さの捕虫器10を提供することができる。
【0036】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0037】
例えば、誘引手段12は、虫を誘引する作用を奏する限りにおいて種々の変更が可能であり、紫外線の光源に代替、若しくは、前記蛍光灯18と併用することができる。また、紫外線の光源は蛍光灯18に替えてLED(発光ダイオード)等の他の発光源によって構成してもよい。
【0038】
また、案内手段15として複数の棒状部材57を用いたが、捕虫シート11を前述のように膨出形成できる限りにおいて変更可能であり、例えば、笠部材21の上下両側に前記膨出形成に沿う形状をなす板状部材等を設けてもよい。
【0039】
更に、捕虫器10は、自立タイプに限られず、壁や天井等に取り付け可能な構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態に係る捕虫器の概略斜視図。
【図2】図1の正面図。
【図3】図1の右側面図。
【図4】図1の平面図。
【図5】(A)は、捕虫シートの正面図であり、(B)は、(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図2のC−C線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0041】
10 捕虫器
11 捕虫シート
11A 基材シート
11B 接着剤層
11D 非接着領域
12 誘引手段
13 保持手段
15 案内手段
16 ガイド手段
21 笠部材
46 上ガイドローラ
47 下ガイドローラ
57 棒状部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、捕虫器に係り、更に詳しくは、効率良く捕虫を行うことができる捕虫器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、食品や粘着シート、精密機械等の製品に虫が混入することを防止するために捕虫器が利用されている(特許文献1参照)。特許文献1の捕虫器は、捕虫用の光源と、この光源に隣接する位置に設けられた粘着フィルムロールとを備えている。粘着フィルムロールには、一方の面を粘着面とした粘着フィルムが巻回されており、この粘着フィルムが、粘着フィルムロールから光源の周りに掛け回されるとともに支持用ロールに支持されている。同文献の捕虫器において、光源の電源を投入すると、当該光源を囲うように位置する粘着フィルムを通じて捕虫器の正面及び側面側に放射状に発光し、粘着フィルムに虫を誘引するようになっている。
【0003】
ところで、このような捕虫器にあっては、そのセッティングや運搬を容易に行えるように機器全体が小さいものが要請されたり、飛来する高さ位置が異なる様々な種類の虫を捕獲し易くすべく、上下高さが大きいものが要請されたりする。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3091766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の粘着フィルムにあっては、捕虫可能な領域の上下高さは、帯状をなす粘着フィルムの延出方向に直交する方向の幅によって決定されてしまう。つまり、同文献の構成では、粘着面による捕虫可能な領域の上下高さを拡大及び縮小したサイズとする設計を行えないため、前述した要請に対応することができなくなる。
ここで、仮に、種々の幅の粘着フィルムを製造すれば、前記要請に対応することができるように考えられる。ところが、この場合、特注の粘着フィルム、すなわち、廉価な市販品以外の粘着フィルムを用いることが必要となり、使い勝手が低下するばかりでなく、ランニングコスト上昇の原因となる、という不都合を招来する。
【0006】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目しつつ前述の要請に対応するように案出されたものであり、その目的は、虫を誘引可能な範囲の拡大化を図ることができ、捕虫シートの延出方向の大きさを変えた設計を容易に行うことができる捕虫器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、虫を誘引する誘引手段と、前記誘引手段の近傍に繰り出される捕虫シートと、この捕虫シートの繰り出しを許容し当該捕虫シートを保持する保持手段と、捕虫シートの前記繰り出しを補助する案内手段とを備えた捕虫器において、
前記捕虫シートは、帯状をなす基材シートの一方の面に積層された接着剤層を含み、
前記案内手段は、捕虫シートが誘引手段の近傍に繰り出されたときに、当該捕虫シートの接着剤層側であって幅方向中央部を前記誘引手段の反対側に膨出した状態に形成する、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、前記案内手段は、基材シートの他方の面に当接可能に設けられるとともに、捕虫シートの繰り出し方向に直交する方向の断面形状を湾曲状に膨出形成する、という構成が好ましくは採用される。
【0009】
また、前記捕虫シートが案内手段に繰り出される前後にそれぞれ設けられたガイドローラを含み、前記案内手段は、ガイドローラから案内手段へ延びる捕虫シートを次第に膨出形成する、という構成を採ることが好ましい。
【0010】
更に、前記案内手段は、軸線が円弧状に形成されて前記誘引手段を囲う方向に延びる複数の棒状部材を備えて構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記捕虫シートには、基材シートの繰り出し方向に沿う両端に沿って接着剤層を積層しない非接着領域が設けられ、
前記誘引手段を収容する笠部材と、この笠部材に設けられるとともに、前記非接着領域に相対して基材シートの繰り出しを規制するガイド手段とを更に含み、
前記ガイド手段は、笠部材と、基材シートの繰り出し方向に沿う両端との間を含む領域をカバー可能に設けられる、という構成も採用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、捕虫シートの幅方向中央部が誘引手段の反対側に膨出するので、誘引手段による誘引作用を前方から側方に向かって発揮することができ、捕虫を行う範囲の拡大化を図ることが可能となる。
また、捕虫可能な領域の上下高さを変更しても、同一幅の捕虫シートを利用することができる。従って、安価な市販品の捕虫シートを用いつつ、接着剤層が表出する領域を拡大及び縮小する設計を簡単に行うことが可能となる。これにより、前述した要請に容易に対応することができ、且つ、捕虫シートに要するランニングコストが上昇することを回避することが可能となる。
【0013】
また、案内手段により捕虫シートの前記断面形状を湾曲状に形成するので、側方から飛来する虫を捕らえ易くなる。
【0014】
更に、ガイドローラから案内手段へ延びる捕虫シートを当該案内手段により次第に膨出形成するので、捕虫シートの繰り出しをスムースに行うことができる。
【0015】
また、案内手段が複数の棒状部材を含んで構成される場合、案内手段の構造の簡略化や軽量化を図ることができる他、前記延出方向に沿うサイズを変えた設計を行った場合でも、棒状部材の本数を変更するだけで容易に対応することができる。
【0016】
更に、ガイド手段により笠部材と基材シートとの間をカバーした場合、捕虫シートの繰り出しの安定化を図りつつ、笠部材の内側に虫が侵入することを回避することができ、メンテナンス作業の負担を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書において、「未使用」とは、接着剤層を表出する前の状態を意味する他、捕虫を行うべく接着剤層を表出した直後の状態も意味する。また、「使用済み」とは、捕虫を行った後の状態を意味する他、虫が捕獲されていない状態であっても、所定期間捕虫の用に供した状態も意味する。
更に、本明細書及び特許請求の範囲の方向若しくは位置を示す用語は、特に明示しない限り、図1中矢印A方向から見た場合を基準とし、「前」とは矢印A方向から見た場合の手前側を示す一方、「後」とは、同奥行き側について用いられる。
【0018】
図1には、本実施形態に係る捕虫器の概略斜視図が示されている。また、図2には、その正面図が示され、図3には、その右側面図が示され、図4には、その平面図が示されている。これらの図において、捕虫器10は、虫を捕獲するための捕虫シート11と、この捕虫シート11に沿って位置する誘引手段12と、捕虫シート11の繰り出しを許容し保持可能に設けられた保持手段13と、誘引手段12と捕虫シート11との間に設けられた案内手段15と、この案内手段15の左右両側に位置するガイド手段16とを備えて構成されている。
【0019】
前記捕虫シート11は、ロール状に巻回された状態から誘引手段12の前方を通過するように上方から下方に向かって繰り出されるようになっている。捕虫シート11は、図5(A)及び(B)に示されるように、帯状をなす基材シート11Aと、この基材シート11Aの一方の面(図5(B)中上面)に積層された接着剤層11Bと、この接着剤層11Bによって仮着された剥離シート11Cとを備えている。基材シート11Aの繰り出し方向に沿う両端、すなわち、図5中左右両端に沿う位置には、前記接着剤層11Bを積層しない非接着領域11Dがそれぞれ設けられている。
【0020】
前記誘引手段12は、図示しない電力源に接続される蛍光灯18により構成されており、この蛍光灯18は、平面視コ字状の背面フレーム20を介して支持されている。背面フレーム20の左右両側には、前方に向かうに従って次第に拡開する笠部材21が設けられ、当該笠部材21の内側に前記蛍光灯18が収容されている。また、背面フレーム20の下端側には、平面視略方形状をなす脚部材23が設けられ、捕虫器10全体が自立できるようになっている。
【0021】
前記保持手段13は、ロール状に巻回された捕虫シート11を支持する支持手段33と、この支持手段33の上方に設けられた剥離手段34と、前記脚部材23上に設けられた巻取手段35と、剥離手段34及び巻取手段35に連結され、支持手段33から巻取手段35に基材シート11Aを繰り出す繰出手段36とを備えて構成されている。
【0022】
前記支持手段33は、背面フレーム20の上部から若干下方位置に連結されたブラケット38と、このブラケット38に片持ち支持されるとともに、ロール状に巻回された捕虫シート11の回転中心軸位置に設けられた支持軸39とを備え、ロール状の捕虫シート11が回転して剥離手段34側へ繰り出すことができるようになっている。
【0023】
前記剥離手段34は、背面フレーム20の上部右側に連結されたブラケット41と、捕虫シート11の剥離シート11Cを折り返して当該剥離シート11Cを後方(図3中右方)へ導く剥離用ローラ43と、剥離用ローラ43により剥離された剥離シート11Cを回収する剥離シート回収軸44とを備えて構成されている。剥離用ローラ43及び剥離シート回収軸44は、ブラケット41によりそれぞれ片持ち支持されている。剥離シート11Cが剥離された後の基材シート11Aは、前後一対の上ガイドローラ46、案内手段15、下ガイドローラ47の順に通過するように繰り出される。具体的には、基材シート11Aは、未使用の接着剤層11Bを表出しつつ前後一対の上ガイドローラ46に巻回されて鉛直方向下向きに繰り出され、笠部材21の下方の下ガイドローラ47を巻回して巻取手段35へ案内される。
【0024】
前記巻取手段35は、前記脚部材23に立設されたブラケット48と、基材シート11Aを巻き取る巻取軸49により構成され、巻取軸49はブラケット48に片持ち支持されている。
【0025】
前記繰出手段36は、剥離シート回収軸44及び巻取軸49にそれぞれ連結されたプーリ51,52と、これらプーリ51,52に掛け回されたベルト53と、前記剥離シート回収軸44に連結された操作ハンドル55とを備えて構成されている。
【0026】
前記案内手段15は、前記笠部材21前部の内面間に設けられるとともに、上下に所定間隔を隔てて複数設けられた棒状部材57を備えている。各棒状部材57は、軸線が平面視円弧状に形成されて前記蛍光灯18を囲う方向に延びるとともに、前記笠部材21に図示しないねじ等の固定手段を介して連結されている。また、図6に示されるように、各棒状部材57は、基材シート11Aの後面に当接可能に設けられ、基材シート11Aの幅方向(同図中左右方向)中央部を前記蛍光灯18の反対側に膨出するように形成しつつ繰り出しをガイドし、基材シート11Aが後方に撓んだり、ばたつくことを抑制できるようになっている。
【0027】
前記ガイド手段16は、図6に示されるように、笠部材21に支持されている。ガイド手段16は、鉛直方向に沿って位置するアングル状に形成されるとともに、基材シート11Aの非接着領域11Dに相対する位置に設けられた左右一対のガイド板61と、各ガイド板61に設けられるとともに、非接触領域11Dに接触可能なシート状の当接部材62と、各ガイド板61と笠部材21を連結するヒンジ部63とを備えて構成されている。ガイド板61は、図6に示される状態で、基材シート11Aの繰り出し方向に沿う両端(同図中左右両端)と、笠部材21の前端部との間の隙間Sをカバー可能に設けられ、この隙間Sから笠部材21の内部に虫が侵入することを防止できるようになっている。
【0028】
前記当接部材62は、厚み方向に収縮変形可能な部材とされ、フェルト材、布材、樹脂材、ゴム等が例示できる。当接部材62は、基材シート11Aの繰り出し時に、前記棒状部材57とで非接着領域11Dを挟んで摩擦抵抗を付与し、基材シート11Aを適度な張力に保ちつつ、基材シート11Aの垂れ下がりを抑制するようになっている。
【0029】
前記ヒンジ部63は、ガイド板61を回動可能に支持している。具体的には、上述した基材シート11Aを挟む位置と、その位置から退避した位置(図6中二点鎖線で示す位置)との間で回動可能になっている。これにより捕虫シート11の掛け替えがより迅速に行うことができるうえ、ガイド板61や棒状部材57に付着した接着剤の除去が行い易くなっている。
【0030】
前記捕虫器10は、図1に示される状態から、蛍光灯18を発光させると、基材シート11A及び接着剤層11Bを通じて外部に光が発せられる。このとき、図6に示されるように、基材シート11Aの繰り出し方向に直交する方向の断面形状は前方に膨出する湾曲形状となるので、基材シート11Aの前方から側方に亘って放射状に発光される。また、光に誘引されて側方より飛来してきた虫を当該接着剤層11Bに接着されて捕獲しやすくなる。
【0031】
そして、一定期間捕虫を行った後、未使用の接着剤層11Bを前方に表出させる場合、前記繰出手段36の操作ハンドル55を図3中矢印R1方向に回転操作すればよい。これにより、剥離シート回収軸44が同矢印R1方向に回転し、剥離シート11Bが巻き取られて回収される。この巻き取りにより、支持手段33に支持されたロール状の捕虫シート11が図3中矢印R2方向に繰り出され、剥離用ローラ43通過時に剥離シート11Cが順次剥離される。
【0032】
剥離シート11Cが剥離されると同時に、未使用の接着剤層11Bが表出し、基材シート11Aが上ガイドローラ46から蛍光灯18の前方に繰り出され、各棒状部材57とガイド板61との間に非接着領域11Dが位置し、基材シート11Aが下方に案内される。このとき、上ガイドローラ46から最上位の棒状部材57へ延びる基材シート11Aは、次第に膨出形成されるような形態をなす。また、最下位の棒状部材57から下ガイドローラ47へ延びる基材シート11Aは、前述した形態と逆の形態、すなわち、前述の膨出形成した状態から基材シート11Aの幅方向にフラットとなるように形成される。
【0033】
ここで、前記操作ハンドル55の回転操作により、ベルト53を介して巻取軸49が矢印R3方向に回転する。これにより、接着剤層11Bが内側に向けられるように、使用済みの基材シート11Aが巻取軸49に巻き取られる。なお、剥離シート回収軸44に巻き取られた剥離シート11Cの外径と、巻取軸49に巻き取られた基材シート11Aの外径差による巻取速度(量)の違いは、巻取軸49に設けられた図示しない滑り機構によって相殺されるようになっている。
【0034】
このように、捕虫器10において、単一の駆動源として操作ハンドル55を回転することにより、剥離シート回収軸44、ロール状の捕虫シート11及び巻取軸49が全て同時に回転する。この回転により、剥離手段34による剥離シート11Cの剥離及び回収と、誘引手段12の前方位置への未使用の接着剤層11Bのセットと、使用済みの基材シート11Aの回収とを同時に行えるようになる。
【0035】
従って、このような実施形態によれば、棒状部材57により基材シート11Aの幅方向中央が前方に膨出する湾曲面状になるので、蛍光灯18の光を広範囲に発することができ、捕虫シート11に効率良く虫を誘引することが可能となり、更に側方から飛来して来た虫も捕獲しやすくなる。また、図示された捕虫器10の高さ寸法を変更したものを設計する場合でも、捕虫シート11の幅寸法を変更せずに用いることが可能となり、コスト的な負担を抑制しつつ、利用環境等に応じた種々のバリエーションの高さの捕虫器10を提供することができる。
【0036】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0037】
例えば、誘引手段12は、虫を誘引する作用を奏する限りにおいて種々の変更が可能であり、紫外線の光源に代替、若しくは、前記蛍光灯18と併用することができる。また、紫外線の光源は蛍光灯18に替えてLED(発光ダイオード)等の他の発光源によって構成してもよい。
【0038】
また、案内手段15として複数の棒状部材57を用いたが、捕虫シート11を前述のように膨出形成できる限りにおいて変更可能であり、例えば、笠部材21の上下両側に前記膨出形成に沿う形状をなす板状部材等を設けてもよい。
【0039】
更に、捕虫器10は、自立タイプに限られず、壁や天井等に取り付け可能な構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態に係る捕虫器の概略斜視図。
【図2】図1の正面図。
【図3】図1の右側面図。
【図4】図1の平面図。
【図5】(A)は、捕虫シートの正面図であり、(B)は、(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図2のC−C線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0041】
10 捕虫器
11 捕虫シート
11A 基材シート
11B 接着剤層
11D 非接着領域
12 誘引手段
13 保持手段
15 案内手段
16 ガイド手段
21 笠部材
46 上ガイドローラ
47 下ガイドローラ
57 棒状部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
虫を誘引する誘引手段と、前記誘引手段の近傍に繰り出される捕虫シートと、この捕虫シートの繰り出しを許容し当該捕虫シートを保持する保持手段と、捕虫シートの前記繰り出しを補助する案内手段とを備えた捕虫器において、
前記捕虫シートは、帯状をなす基材シートの一方の面に積層された接着剤層を含み、
前記案内手段は、捕虫シートが誘引手段の近傍に繰り出されたときに、当該捕虫シートの接着剤層側であって幅方向中央部を前記誘引手段の反対側に膨出した状態に形成することを特徴とする捕虫器。
【請求項2】
前記案内手段は、基材シートの他方の面に当接可能に設けられるとともに、捕虫シートの繰り出し方向に直交する方向の断面形状を湾曲状に膨出形成することを特徴とする請求項1記載の捕虫器。
【請求項3】
前記捕虫シートが案内手段に繰り出される前後にそれぞれ設けられたガイドローラを含み、前記案内手段は、ガイドローラから案内手段へ延びる捕虫シートを次第に膨出形成することを特徴とする請求項1又は2記載の捕虫器。
【請求項4】
前記案内手段は、軸線が円弧状に形成されて前記誘引手段を囲う方向に延びる複数の棒状部材を備えて構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の捕虫器。
【請求項5】
前記捕虫シートには、基材シートの繰り出し方向に沿う両端に沿って接着剤層を積層しない非接着領域が設けられ、
前記誘引手段を収容する笠部材と、この笠部材に設けられるとともに、前記非接着領域に相対して基材シートの繰り出しを規制するガイド手段とを更に含み、
前記ガイド手段は、笠部材と、基材シートの繰り出し方向に沿う両端との間を含む領域をカバー可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の捕虫器。
【請求項1】
虫を誘引する誘引手段と、前記誘引手段の近傍に繰り出される捕虫シートと、この捕虫シートの繰り出しを許容し当該捕虫シートを保持する保持手段と、捕虫シートの前記繰り出しを補助する案内手段とを備えた捕虫器において、
前記捕虫シートは、帯状をなす基材シートの一方の面に積層された接着剤層を含み、
前記案内手段は、捕虫シートが誘引手段の近傍に繰り出されたときに、当該捕虫シートの接着剤層側であって幅方向中央部を前記誘引手段の反対側に膨出した状態に形成することを特徴とする捕虫器。
【請求項2】
前記案内手段は、基材シートの他方の面に当接可能に設けられるとともに、捕虫シートの繰り出し方向に直交する方向の断面形状を湾曲状に膨出形成することを特徴とする請求項1記載の捕虫器。
【請求項3】
前記捕虫シートが案内手段に繰り出される前後にそれぞれ設けられたガイドローラを含み、前記案内手段は、ガイドローラから案内手段へ延びる捕虫シートを次第に膨出形成することを特徴とする請求項1又は2記載の捕虫器。
【請求項4】
前記案内手段は、軸線が円弧状に形成されて前記誘引手段を囲う方向に延びる複数の棒状部材を備えて構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の捕虫器。
【請求項5】
前記捕虫シートには、基材シートの繰り出し方向に沿う両端に沿って接着剤層を積層しない非接着領域が設けられ、
前記誘引手段を収容する笠部材と、この笠部材に設けられるとともに、前記非接着領域に相対して基材シートの繰り出しを規制するガイド手段とを更に含み、
前記ガイド手段は、笠部材と、基材シートの繰り出し方向に沿う両端との間を含む領域をカバー可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の捕虫器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2008−173026(P2008−173026A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7204(P2007−7204)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】
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