説明

捕集物質の捕集方法及び装置、ならびにこれらを用いた検出対象物質の分析方法及び分析装置

【課題】捕集対象物質を選択的に吸着し、簡易に捕集することが可能な捕集方法及びシステム(装置)を提供すること、更に、この捕集システムを用いた捕集対象物質の分析方法及び装置を提供すること。
【解決手段】吸着剤としての2重らせんDNAを固相化し、これに被処理水を接触させて捕集対象物質を2重らせんDNAに吸着させた後、溶離剤を用いて溶離処理を行い、溶離剤中に捕集対象物質を回収する。捕集対象物質を検出対象物質とすることで溶離処理後の溶離剤を分析することで被処理水中での検出対象物質の有無または量を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2重らせん構造を有するDNAを用いた液相中の捕集物質の捕集システムに関し、特に捕集物質を効率的にかつ簡易的に捕集するシステムに関する。更に、本捕集システムを用いる捕集物質の分析方法および分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理やゴミ焼却で毒性が高いダイオキシンが排出されていたことが大きな社会問題として注目されている。一方、工業生産で発生する発ガン性物質や環境ホルモンとして疑われている他の化学物質による汚染も問題視されている。ダイオキシンの排出に関しては、高温燃焼と急速冷却などの対策を講じることにより、排出量の低減が図ってきているが、汚染されている工業用水や地下水に関しては、無害化の再生方法が求められている。現在、汚染されている水の再生方法として、吸着性が高い活性炭を用いる吸着法や、生物分解法、オゾン、光触媒、過酸化水素などによる分解法が提案されている。例えば、特許文件1では、水中の難分解性有機化合物の除去方法として、酸化触媒の存在下にオゾンで酸化処理し、更に紫外線及びオゾンで酸化処理する方法が開示されている。これらの方法においては、他の共雑物質も分解対象になってしまうため、分解対象物質の分解という観点から高効率な方法とはいえない場合がある。
【0003】
一方、このような有害物質の排出量の評価や、汚染が疑われている領域の汚染状態の計測においては、これらの物質の含有量が微量である場合が多い。そこで、共雑物による影響を無くすのに、一般的に、採集、ろ過、抽出などの厳密な精製プロセスが必要になっている。具体的には、JIS K0312により定められているが、精製過程が非常に煩雑で、計測はかなり時間がかかっている。
【0004】
一方、DNAは2重らせん構造を形成し、生体内で遺伝子情報を担うことが知られている。DNAの二重らせんには、発ガン性と疑われる化合物やダイオキシンのような平面的な化学構造をもつ芳香族系化合物を選択的にインターカレートされやすい。このDNAの特異性を利用し、2重らせん構造のDNAを用いて発ガン性化合物やダイオキシンなどの有害物質を選択的に除去する方法が提案されている(非特許文献1)。2重らせん構造をとるDNAを環境浄化材料として使用するために、2重らせん構造をとるDNAを固定化する技術が検討されている。
【0005】
特許文献2には、デオキシリボ核酸の固定化方法として、デオキシリボ核酸のアルカリ金属塩とアルギン酸のアルカリ金属塩を2価の金属含有化合物で凝固させることによりデオキシリボ核酸を固定化する方法が開示されている。特許文献3には、DNAを環境浄化材料とする際に、紫外線照射によりDNAを含む硬化物を得る方法が開示されている。この方法では、支持体上の水溶液もしくはその液膜、又は支持体上の水溶性DNAの薄層に、波長が250〜270nmの範囲の紫外線を照射することによってDNAを硬化させ、支持体にDNAを固定化させている。特許文献4には、カルシウム含有物質などの無機質固体にDNAを固定化した複合体が開示されている。
【0006】
一方、DNAを利用した吸着処理としては、中空糸を用いた方法が非特許文献2に開示されている。ここでは、中空系透析膜を介し、中空部内のDNA水溶液と中空糸膜外壁側にあるダイオキシン類を含む水溶液を接触させると、ダイオキシンが透析膜を透過し、DNAに吸着されることが確認されている。ところが、このようなDNA水溶液の処理においては、場合によっては、酵素などによるDNAの劣化などの課題を克服する必要がある。
【0007】
更に、除去対象物質の除去効率を更に向上させるには、被処理水との接触において吸着剤としてのDNAの安定性を高める必要がある。
【0008】
また、上記の各手法を開示する文献においては、2重らせん構造をとるDNAの特異的な吸着特性が利用されたものの、DNAに吸着した除去対象物質の回収工程での高効率化についてはなんら触れていない。
【非特許文献1】機能材料、Vol.19、1999年
【非特許文献2】高分子、52巻、2003年、P134〜137
【特許文献1】特開2001−205277号公報
【特許文献2】特開平7−41494公報
【特許文献3】特開2001−81098号公報
【特許文献4】特開平10−175994公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、毒性の高いダイオキシンや発ガン性物質などの遺伝子に対する有害物質などの捕集対象物質を効率的に捕集するシステムが求められている。本発明は、このような従来技術における問題を解消するためになされたものであり、捕集対象物質を選択的に吸着し、簡易に捕集することが可能な捕集方法及びシステム(装置)を提供することを目的とする。更に、この捕集システムを用いた捕集対象物質の分析方法及び装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる捕集対象物質の捕集方法は、液相中の捕集対象物質の捕集方法において、
2重らせんDNAを含む固体相に捕集対象物質を含有する被処理水を接触させて、該被処理水中の捕集対象物質を該固体相に吸着させる吸着工程と、
該固体相に親水性有機溶媒を含む溶離液を接触させ、吸着された捕集対象物質を溶離液中に溶離させる溶離工程と、
溶離した捕集対象物質を含む溶離液を回収する回収工程と、
を有することを特徴とする捕集対象物質の捕集方法である。
【0011】
本発明にかかる水性液体試料中での検出対象物質の有無または量を分析する分析方法は、
水性液体試料を被処理水とし、水性液体試料を中に含まれる検出対象物質を捕集物質として、上記の捕集方法により、検出対象物質を溶離液中に回収する工程と、
回収された溶離液中での検出対象物質の有無または量を分析する工程と、
を有することを特徴とする分析方法である。
【0012】
本発明にかかる液相中の捕集対象物質の捕集装置は、
2重らせんDNAを含む固体相を保持し得る領域と、
前記固体相に捕集対象物質を含有する被処理水を接触させて、該被処理水中の捕集対象物質を該固体相に吸着させるための手段と、
該固体相に親水性有機溶媒を含む溶離液を接触させて、吸着された捕集対象物質を溶離液中に溶離させるための手段と、
溶離した捕集対象物質を含む溶離液を回収するための手段と、
を有することを特徴とする捕集対象物質の捕集装置である。
【0013】
本発明にかかる水性液体試料中での検出対象物質の有無または量を分析するための分析装置は、
2重らせんDNAを含む固体相を保持し得る領域と、
前記固体相に検出対象物質を含有する水性液体試料を接触させて、該水性液体試料中の検出対象物質を該固体相に吸着させるための手段と、
該固体相に親水性有機溶媒を含む溶離液を接触させて、吸着された検出対象物質を溶離液中に溶離させるための手段と、
溶離した検出対象物質を含む溶離液を回収するための手段と、
回収された溶離液中の検出対象物質の有無または量を検出するための検出手段と、
を有することを特徴とする分析装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、DNAを含む固体相に被処理水中の有害物質等の捕集対象物質を吸着させ、親水性有機溶媒を含む溶離剤で吸着した捕集対象物質を溶離させ、さらにこの溶離成分を含む溶離剤が回収される。これによって被処理水に含まれる微量の捕集対象物質を、複雑な抽出プロセスを使用することなく、短時間で最終的に少量の有機溶媒中に捕集することが可能となる。更に、被処理水(分析対象水)中に稀薄濃度で含まれる有害物質などの検出対象物質の分析も簡易にできるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明では、吸着工程において、2重らせん構造をとるDNAを含む固体相と有害物質などの捕集対象物質を含有する被処理水との2相間での接触により、捕集対象物質は固体相に吸着される。その後、溶離工程において、固体相と親水性有機溶媒を含む溶離剤との接触により、吸着された捕集対象物質は溶離剤としての溶離液中に溶出する。回収工程において、溶出した捕集対象物質を含む溶離剤更に回収される。
【0016】
本発明においては、溶離剤で処理された後のDNA固定化固体相を吸着工程に再利用可能である。したがって、吸着工程、溶離工程及び回収工程をこの順に繰り返し行うことがきる。
【0017】
本発明に用いられる2重らせん構造をとるDNAを含む固体相とは、2重らせん構造をとるDNA(以下2重らせんDNAという)を、その吸着機能を損なうことなく被処理水に不溶な状態に固体化したものである。
【0018】
2重らせんDNAとしては、インターカレーション機能を有する2重らせん構造を有するものであれば、本使用目的に使用できる。例えば、哺乳類の精巣又は動物の胸腺から得られるDNAが挙げられる。特に、サケ、ニシンまたはタラの白子(精巣)から得られるものが好ましい。又、哺乳動物もしくは鳥類、例えばウシ、ブタ、ニワトリ等の胸腺から得られるものが好ましい。他の水溶性DNAの例としては、合成DNA特に(dA)−(dT)の塩基対を持つDNA配列、特に例えばpoly(dA)−poly(dT)型の配列を持つDNAであってもよい。これらの水溶性形態として、アルカリ塩、アンモニウム塩の形態を用いる。DNAの分子量として、好ましくは10万以上、より好ましく50万以上である。
【0019】
ここで、捕集対象物質は、インターカレーションや吸着などによって、2重らせんDNAと相互作用し、2重らせんDNAに保持される物質をいう。捕集対象物質としての有害物質は、DNAへのインターカレーションや吸着などによって、2重らせんDNAと相互作用し、DNA構造やDNAの遺伝情報に影響を与えるものを指す。相互作用しうる物質に関し、未解明の部分があるが、DNAにインターカレートされる芳香族官能基を持つ有害物質、DNAに選択的に吸着される重金属イオンを挙げることができる。その具体例としては、ポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシン、ポリクロロジベンゾフラン及びポリクロロビスフェニル(PCB)などのダイオキシン類化合物、ベンツ[a]ピレン、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、ジエチルスチルベストロール(DES)、臭化エチジウム、アクリジンオレンジ及びこれらの誘導体などを挙げることができる。
【0020】
2重らせんDNAを含む固体相としては、DNAを含み、且つ液相を形成する被処理水に対して不溶なものであれば、本発明に用いることができる。DNA自体を不溶化したもの、DNAが固体状の担体に固定化されて不溶化されたものなどを挙げることができる。この担体固定化DNAとしては、DNAが担体としての無機マトリックス(基体)に保持され不溶化されたもの、及びDNAが担体としての有機マトリックス(基体)に保持され不溶化されたものなどを挙げることができる。特に多孔質マトリックスにDNAを固定化したものが好ましい。
【0021】
2重らせんDNAを、多孔質酸化物マトリックスを用いて固定化させる場合では、酸化物になる原料として、酸化物微粒子、金属イオンの塩類、及び金属アルコキシドなどを用い、好ましく酸化物のコロイド及び金属アルコキシドを用いることができる。
【0022】
酸化物コロイドを用いる場合では、コロイドの粒子径が好ましく5〜100nmであり、より好ましくは10〜50nmである。粒子径が5nm以上であると、細孔のサイズが小さくなる恐れがなくなり、DNA高分子が都合よく担持できる。一方、粒子径が100nm以下であると、細孔の数が減少する恐れがなくなる。
【0023】
酸化物粒子として、例えば、コロイダルシリカ、コロイダル酸化アルミニウム、コロイダル酸化鉄、コロイダル酸化ガリウム、コロイダル酸化ランタン、コロイダル酸化チタニウム、コロイダル酸化セリウム、コロイダル酸化ジルコニウム、コロイダル酸化すず及びコロイダル酸化ハフニウム等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。経済性から、入手しやすいシリカコロイドをマトリックスの主成分とすることが好ましい。コロイダルシリカの具体例として、日産化学工業株式会社からスノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックスN、スノーテックスO、スノーテックスC等の水系ゾル銘柄、メタノール系ゾル、IPA−ST、EG−ST、MEK−STなどの溶剤系ゾル銘柄や触媒化成工業株式会社からOSCAL−1132、OSCAL−1432、OSCAL−1232等の溶剤系ゾル銘柄等を提供されている。コロイダル酸化アルミニウムの具体例としては、日産化学工業株式会社が市販しているアルミナゾル100、アルミナゾル520などの銘柄をあげることができる。
【0024】
金属アルコキシドを酸化物マトリックスの原料として用いる場合では、親水性有機溶媒で加水分解させることにより、酸化物マトリックスを形成させる。
【0025】
金属アルコキシド化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのシリコンアルコキシシラン、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム−tert−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン等のチタニウムアルコキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド等のジルコニウムアルコキシドを挙げることができる。
【0026】
この加水分解に用いる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール及びエチレングリコール−モノ−n−プロピルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどの各種のケトン類を挙げることができる。上記のアルコキシド化合物の溶液を調製する際、必要に応じて、アルコキシル基の加水分解をコントロールするための酸触媒や安定化剤、水を添加して加水分解を行う。触媒としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸及びアンモニア等を例示することができる。安定化剤としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルなどのジケトン類を挙げることができる。
【0027】
酸化物マトリックスを修飾する成分として、塩基官能基を有するオルガノシロキサンを用いてもよい。塩基性官能基はDNAのリン酸基と酸塩基構造を形成しうる窒素を含む官能基を指す。塩基性官能基を有するシロキサンは、該官能基を有するアルコキシシランを加水分解させることにより得る。アルコキシシランの具体例として、下記の化合物を挙げる。
【0028】
【化1】

【0029】
ここで、R1は水素又は酸素数1〜8の一価炭化水素基で、R3、R4、R5、R6及びR9はそれぞれ独立して、炭素数1〜8の一価炭化水素基、R7及びR8はそれぞれ独立して、2価の炭化水素基で、R2は炭素数1〜8の二価の炭化水素基または、−NH-を有する二価基である。
【0030】
これらの化合物の具体例として、H2NC36 Si(OCH33、H2NC36 SiCH3(OCH32、H2NC36 Si(OC253、H2NC36SiCH3(OC252、(CH3)HNC36 Si(OCH33、(CH3)HNC36 SiCH3(OCH32、(CH3)HNC36 Si(OC253、(CH3)HNC36SiCH3(OC252、(CH32NC36 Si(OCH33、(CH32NC36 SiCH3(OCH32、(CH32NC36 Si(OC253、(CH32NC36 SiCH3(OC252、(C252NC36 Si(OCH33、(C252NC36 Si(OC253、H2NC24NHC36 Si(OCH33、H2NC24NHC36 SiCH3(OCH32、H2NC24NHC36 Si(OC253、H2NC24NHC36 SiCH3(OC252、(CH3)HNC24NHC36 Si(OCH33、(CH3)HNC24NHC36 SiCH3(OCH32、(CH3)HNC24NHC36 Si(OC253、CH3HNC24NHC36 SiCH3(OC252、(CH32NC24NHC36 Si(OCH33、(CH32NC24NHC36 SiCH3(OCH32、(CH32NC24NHC36 Si(OC253、(CH32NC24NHC36 SiCH3(OC252、Cl-(CH33+36Si(OCH33、Cl-(C493+36Si(OCH33などを挙げることができる。塩基性官能基が環状である場合では、具体例として以下の化合物を挙げることができる。
【0031】
【化2】

【0032】
上記の塩基性官能基を持つアルコキシドの加水分解方法としては、直接に水に添加して加水分解させることができる。また、予めアルコール、ケトンの有機分散媒にて必要な水を加え、加水分解させることができる。必要に応じて、加水分解後、水への溶媒置換を行い、水系の塩基性官能基を有するシロキサン溶液を得る。酸化物マトリックスへの修飾方法としては、酸化物マトリックス形成用の原料から形成したマトリックスを、塩基性官能基を有するオルガノシロキサン液に浸漬し、酸化物マトリックスを修飾する方法を用いることができる。あるいは、塩基性官能基を有するシロキサンと酸化物マトリックス形成用の原料を含む分散液から直接に修飾された酸化物マトリクスを直接形成させる方法も用いることができる。
【0033】
酸化物マトリックスとしては、コロイダルシリカと塩基官能基を有するシロキサンを少なくとも用いて形成されたもの無機多孔質マトリックスが特に好ましい。
【0034】
担体にDNAを担持する方法は特に限定されない。例えば、支持体にDNA水溶液を接触させてDNAを固定化する方法や、担体を形成するための成分を含む液体(分散液または溶液)にDNAを混合し、得られた混合液から直接にDNAが固定化された担体を得る方法を用いることができる。多孔質マトリックスを担体として利用する場合には、多孔質マトリックスを形成するための成分の分散液または溶液に、DNAを加えて混合液を調製する。更に、得られた混合液に対して多孔質マトリックスを得るための処理を施すことで多孔質マトリックス中にDNAを担持した固体相としての多孔質DNA担持体を得ることができる。多孔質DNA担持体中のDNAの含有量(重量基準)が0.01%〜15%、より好ましく0.1%〜10%することが望ましい。DNAの含有量が0.01%以上であると、DNA由来の性質の発現効率をより良好とすることができる。一方、含有量が15%以下であると、経済性の問題も無くなり、多孔質DNA担持体中の細孔が形成し難くなる恐れがなくなる。これによって、多孔質DNA担持体中へ水の移動が速く、表面層のDNAの他に、細孔内部のDNAの特性が素早く発現することが可能となる。
【0035】
上記の固定化の工程には、担体形成用の成分とDNAを含む混合液を加熱する方法、噴霧乾燥する方法、真空乾燥する方法などの各種の方法を用いることができる。これらの処理においては、得られたDNA含有多孔質部材中でのDNAの分解が起こらない程度の熱を与えることが好ましい。DNA含有多孔質部材の熱処理温度として、200℃以下、より好ましくは150℃以下である。
【0036】
本発明において、2重らせんDNAを含む固体相の形態としては、システム(装置)構成に応じて、粉末及びバルク(任意の形状の塊)の他に、板、管状体、繊維、織布及び不織布などの基体表面へのコーティング膜としての形態などを挙げることができる。また、上記した多孔質DNA担持体粉末、粒子、多孔質DNA担持体を被覆した板、管状体、繊維、織布及び不織布などを用い、モジュール化することできる。
【0037】
有害物質などの捕集対象物質を2重らせんDNAを含む固体相に吸着させる吸着工程においては、被処理水をこの固体相と接触させ、捕集対象物質を固体相に吸着させる。接触方法は特に限定されない。例えば、DNA固定化相を被処理水に浸漬、静置又は攪拌する方法が利用できる。また、被処理水を、固体相を有する領域に通過させてこれらを接触させる方法を用いることもできる。特に好ましい接触方法は、固体相をカラム化し、カラムに被処理水を通す方法である。必要に応じて、複数のカラムの連結や被処理水の循環などの手段より、その吸着効率を高めることができる。
【0038】
溶離工程においては、親水性溶媒を含む溶離剤と2重らせんDNAを含む固体相とを接触させ、固体相に吸着された捕集対象物質を固体相から溶離させる。好ましくは、親水性有機溶媒の溶解度パラメーター(Hildebrand Solubility Parameter)は9以上である。このような親水性有機溶媒を導入することにより、被処理水の媒体としての水との相溶性が実現でき、被処理水と接触した固体相との溶離剤との接触効率が格段に高くなり、吸着された捕集対象物質が素早く溶離剤側に移動する。親水性有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、カルボン酸類などをあげることができる。経済性や回収した捕集対象物質の最終処理を考慮すると、アルコール類とケトン類が最も好ましい。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2-ブタノール,イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどを挙げることができる。また、2 −メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノールなどのエーテル基を有するアルコールも使用することができる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどを挙げることができる。また、水との相溶性を損なわなければ、炭化水素系化合物、カルボン酸エステル類等を溶離剤に添加してもよい。炭化水素系化合物として、トルエン、ヘキサン、塩化メチレンなどを、カルボン酸エステルとして、酢酸エチルなどを挙げることができる。
【0039】
溶離剤と2重らせんDNAを含む固体相を接触させる方法も特に限定されない。例えば、固体相を溶離剤に浸漬し、静置又は攪拌する方法を利用することができる。また、固体相を有する領域に溶離剤を通過させる方法も利用できる。
特に好ましい接触方法は、固体相をカラム化し、カラムに被処理水を通す方法である。必要に応じて、複数のカラムの連結や被処理水の循環などの手段より、その吸着効率を高めることができる。溶離成分を含む溶離剤を回収して、捕集対象物質を含む液体を得ることができる。
【0040】
これによって、DNA自体やその遺伝情報に影響する発癌物質や、環境ホルモンを選択に回収し、特にダイオキシン汚染水中のダイオキシンを好適に回収することができる。ダイオキシン等は染水中に場合によって、溶解の形態のほかに、粒子またはコロイド状の形態としても存在する。この方法を採用すると、一定サイズ以上の粒子状のものは物理的に捕集され、また、コロイド又は溶解の形態のものは、インターカレート等により2重らせんDNAを含む固体相へ捕集される。更に、捕集された粒子形態のものが、再溶解とインターカレートの段階を経、2重らせんDNAを含む固体相に変移することもあり得る。
【0041】
この捕集方法で回収された溶離剤を用いて、被処理水としての水性液体試料から捕集された捕集対象物質を検出対象物質(分析対象物質)として分析することができる。すなわち、検出対象物質の水性液体試料中での有無や量を分析することができる。この場合、必要に応じ、回収された溶離剤を濃縮し、またはその一部分を採取して濃縮し、ヘキサン、トルエンなどへの溶媒置換を行い、質量分析や蛍光分析などの手法より分析を行う。水分等の共雑物の影響を除去する必要がある場合には、回収された溶離剤を、シリカゲルカラムクロマトグラフ処理などにより処理して、検出対象物質の精製度を上げておくことが好ましい。シリカゲルカラムクロマトグラフ処理を行う場合、硫酸ナトリウム、硝酸銀/シリカゲル、硫酸/シリカゲル、KOH/シリカゲル等のカラム、またはそれらの層から構成された複合カラムで処理することができる。
【0042】
本発明においては、2重らせんDNAに選択的に吸着する捕集対象物質が捕集される。この吸着は、分子構造に平面性を有する物質に選択的に生じる場合が多く、分子構造に平面性を有する物質を抽出するための活性炭カラムクロマトグラム操作は通常必要とされない。しかしながら、必要に応じ、従来の分析法に用いられている活性炭クロマトグラフ処理をしてもよい。
【0043】
以上説明した吸着工程、溶離工程及び回収工程からなる捕集方法及びそのための装置によって、有害物質などの捕集対象物質を被処理水から、適宜の量の溶離剤中に集めることができ、これを容易に回収することが可能となる。従って、本発明は、環境浄化や汚染物質の処理、更には、汚染物質の分析に好都合に適用できる。
【0044】
図1に本発明にかかる捕集装置の一例を示す。この装置は、2重らせんDNAを含む固体相を保持し得る領域2を有する捕集槽1に、被処理水の導入路F2、排出路R1、溶離剤の導入路E1、回収路E2を設けた構成を有する。
【0045】
この装置での捕集処理を行うには、まず、領域2に2重らせんDNAを含む固体相を充填固定し、導入路F1から被処理水を、切り替え弁3及び導入路F2を介して捕集槽1に導入する。固体相と接触した被処理水は排出路R1から切り替え弁4を介して排出路R2に排出液として排出する。被処理水と固体相との接触には、バッチ処理、連続処理などの各種の処理方法が利用できる。所定量の被処理水を通した段階で、導入路E1から溶離剤を導入し、回収路E2から溶離剤を回収する。この溶離剤と固体相との接触にもバッチ処理、連続処理などの各種の処理方法が利用できる。こうして、回収路E2から得られるよう溶離剤中に捕集対象物質を回収することができる。
【0046】
また、排出路R1に得られた排水を切り替え弁4により、循環路R3へ導入し、切り替え弁3を介して導入路F2から再度捕集槽1に導入する方法を採用することもできる。この際、排水を新しい被処理水と混合してもよい。
【0047】
被処理水、排水及び溶離剤の供給及び排出にはポンプ(不図示)などの液体輸送手段が利用される。この装置では、導入路F1及びF2を有して被処理水を固体相に接触させるための手段が構成されている。また、導入路E1を有して溶離剤を固体相に接触させるための手段が構成されている。更に、回収路E2を有して溶離剤を回収する手段が構成されている。
【0048】
図1に示す装置における捕集槽の複数を並列に、あるいは直列に配置して捕集装置とすることもできる。図2に2つの捕集槽を直列に配置した構成を有する装置の一例を示す。図2の例では、第1の捕集槽1aからの被処理液は導入路R1から第2の捕集槽1bに導入され、領域2bに固定配置された固体相に供給される。第2の捕集槽1bからの廃液は排出路R2から切り替え弁4を介して排出路R3へ排出される。第1及び第2の捕集槽1a及び1bへの溶離剤の供給は導入路E1により行われ、捕集対象物質を含む溶離剤は回収路E2により回収される。
【0049】
図3には本発明にかかる分析装置(システム)の一例を示す。図1で示す装置における捕集対象物質を検出対象物質として領域2に配置した2重らせんDNAを含む固体相に捕集し、これを回収路E2から排出される溶離剤中に回収する。検出対象物質を含む溶離剤を適当な容器5に貯留し、これを分析装置6にかけて分析する。なお、分析装置6の構成に応じて、回収路E2から供給される溶離剤を直接導入してもよいし、必要に応じて精製処理を行ってから導入してもよい。分析対象試料としての被処理水中に検出対象物質としての捕集対象物質が含まれている場合には、回収路E2から排出される溶離剤中、またはこれを用いて得られた試料中に捕集対象物質を検出することが可能となる。更に、分析装置として定量可能な装置を用いることで、被処理水中における捕集対象物質の濃度も検出可能である。
【実施例】
【0050】
合成例1
40重量部のN-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシランを200重量部の蒸留水に滴下し、室温で3日間加水分解させた。得られたオリゴマ−液を60℃でエパポレーターを用いて濃縮した。その後、95重量部の蒸留水を加え、約180重量部の塩基性官能基を有するシロキサン溶液N1を得た。固形分は15.1重量%であった。
【0051】
5重量部のサケの白子から得られた二本鎖DNA(分子量,6×106)を1000重量部のイオン交換水に1日間かけて溶かし、DNAの水溶液を得た。30%(重量基準)のシリカゾル(日産化学工業(株)、スノーテックスCM)
100重量部に5重量部の塩基性官能基を有するシロキサン溶液N1を添加し、30分間攪拌した後、200重量部のDNAの水溶液を加えた。更に、ゆっくり30分間攪拌した後、エバポレーターを用いて50℃で分散媒を除去した。その後、60℃で15時間乾燥した。得られたかたまりを解碎し、篩を用いて1〜2mmのサイズの粒子を取り出し、DNA固定化固体相1(DNAの含有量が約3.2重量%)を得た。
【0052】
合成例2
40重量部の下記構造の有機ケイ素化合物を200重量部の蒸留水に滴下し、室温で3日間加水分解させた。
【0053】
【化3】

【0054】
得られたオリゴマ−液を60℃でエパポレーターを用いて濃縮した。その後、70重量部の蒸留水を加え、約200重量部の塩基性官能基を有するシロキサン溶液N2を得た。固形分濃度は約14.7重量%であった。
【0055】
30%(重量基準)のシリカゾル(日産化学工業(株)、スノーテックスCM)
100重量部に3重量部の塩基性官能基を有するシロキサン溶液N2(合成例2)を添加し、30分間攪拌した後、300重量部のDNA水溶液(実施例1)を加えた。更に、ゆっくり30分間攪拌した後、エバポレーターを用いて50℃で分散媒を除去した。その後、60℃で15時間乾燥した。得られたかたまりを解碎し、篩を用いて250μm〜500μmのサイズの粒子を取り出し、DNA固定化固体2(DNAの含有量が約4.7重量%)を得た。
【0056】
実施例1
テフロン加工容器に5Lのイオン交換水を入れ、テフロンコートのヒーターでイオン交換水を80℃に加熱した。得られた80℃の温水に0.01重量%ジベンゾフランのエタノール溶液25gを加え、1晩かけて攪拌し、放冷し、濃度は0.5ppmのジベンゾフラン水溶液を得た。
【0057】
上下バルブ付きの直径2cmのテフロンのカラムに60gのDNA固定化固体相1を充填し、下から120cc/hrの速度で0.5ppmのジベンゾフラン水溶液を流した。上のバルブから流出した液の液量を定期的に測った。4Lの時点でカラム実験を終了し、GC-MSの測定サンプルとして10gの排出液(液1)を採取した。その後、下から550mlのアセトンを同じスピードで流した。その時、排出した液が約510gで、同じくGC-MSの測定サンプルとして10gの排出液(液2)を採取した。GC-MSを用いて、液1と液2のジベンゾフランの含有量を測定した。液1と液2のジベンゾフラン濃度がそれぞれ0.04ppmと3.5ppmであった。
【0058】
実施例2
テフロン加工容器に5Lのイオン交換水を入れ、テフロンコートのヒーターでイオン交換水を80℃に加熱した。得られた80℃の温水に0.008重量%ジベンゾフランのエタノール溶液25gを加え、1晩かけて攪拌し、放冷し、濃度は0.4ppmのジベンゾフラン水溶液を調製した。
【0059】
上下バルブ付きの直径2cmのテフロンのカラムに60gのDNA固定化固体1を充填し、下から120cc/hrの速度で0.4ppmのジベンゾフラン水溶液を流した。上のバルブから流出した液の液量を定期的に測った。4.5Lの時点でカラム実験を終了し、GC-MSの測定サンプルとして10gの排出液(液1)を採取した。その後、下から約450mlのアセトンを同じスピードで流した。その時、排出した液が約420gで、同じくGC-MSの測定サンプルとして10gの排出液(液2)を採取した。GC-MSを用いて、液1と液2のジベンゾフランの含有量を測定した。液1と液2のジベンゾフラン濃度がそれぞれ0.05ppmと3.7ppmであった。
【0060】
実施例3
採取したダイオキシン汚染水をガラスフィルターで通し、粒子状共雑物を除去し、トータルで約80pg/Lのダイオキシン類の原水1を得た。
【0061】
直径1cmのガラスカラムに20gの合成例2のDNA固定化固体相2を充填し、約50ml/分の速度で20Lのダイオキシンの原水をカラムに通した。その後、200mlのアセトンを流し、DNA固定化固体中のダイオキシンを回収した。原水、処理水及び回収した回収液について、JIS K 0312に準じ、含有した2,3,7,8-TCDD、1,2,3,7,8-PeCDD、2,3,4,7,8-PeCDFを分析した。結果を表1に示す。回収したアセトン液に関しては、ダイオキシン濃度は20Lの水に換算した。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例4
実施例3と同じ条件で調製した原水に13CのHxCDD内標準物質(200pg/L)を加え、13Cダイオキシン類が入った原水2を調製した。
【0064】
直径1cmのガラスカラムに40gの合成例2のDNA固定化固体2を充填し、約50ml/分の速度で20Lのダイオキシンの原水2をカラムに通した。その後、200mlのアセトンを流し、DNA固定化固体中のダイオキシンを回収した。その後、同じカラムに20L原水2を流し、同じく処理水2と回収液2を採集した。原水2と2回分の処理水と回収液について、JIS K 0312に準じ、内標準物質13C12-1,2,3,4,7,8-HxCDD、13C12-1,2,3,6,7,8-HxCDD、13C12-1,2,3,7,8,9-HxCDDを分析した。結果を表2に示す。アセトン回収液に関しては、ダイオキシン濃度は20Lの水に換算した。
【0065】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明にかかる捕集装置の一例を説明するための図である。
【図2】本発明にかかる捕集装置の一例を説明するための図である。
【図3】本発明にかかる分析装置の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0067】
1、1a、1b 捕集槽
2、2a、2b 固体相配置領域
3、4 切り替え弁
5 貯留容器
6 分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相中の捕集対象物質の捕集方法において、
2重らせんDNAを含む固体相に捕集対象物質を含有する被処理水を接触させて、該被処理水中の捕集対象物質を該固体相に吸着させる吸着工程と、
該固体相に親水性有機溶媒を含む溶離液を接触させ、吸着された捕集対象物質を溶離液中に溶離させる溶離工程と、
溶離した捕集対象物質を含む溶離液を回収する回収工程と、
を有することを特徴とする捕集対象物質の捕集方法。
【請求項2】
前記吸着工程、前記溶離工程及び前記回収工程をこの順に繰り返して行う請求項2記載の捕集方法。
【請求項3】
前記固体相は2重らせんDNAと該2重らせんDNAを保持する無機多孔質マトリックスを有する請求項1または2記載の捕集方法。
【請求項4】
前記無機多孔質マトリックスは、コロイダルシリカと塩基官能基を有するシロキサンを少なくとも用いて形成されたものである請求項3記載の捕集方法。
【請求項5】
前記親水性有機溶媒は、溶解度パラメーターが9以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の捕集方法。
【請求項6】
水性液体試料中での検出対象物質の有無または量を分析する分析方法において、
水性液体試料を被処理水とし、水性液体試料を中に含まれる検出対象物質を捕集物質として、請求項1ないし5に記載の捕集方法により、検出対象物質を溶離液中に回収する工程と、
回収された溶離液中での検出対象物質の有無または量を分析する工程と、
を有することを特徴とする分析方法。
【請求項7】
前記検出対象物質がダイオキシン類化合物である請求項6記載の分析方法。
【請求項8】
液相中の捕集対象物質の捕集装置において
2重らせんDNAを含む固体相を保持し得る領域と、
前記固体相に捕集対象物質を含有する被処理水を接触させて、該被処理水中の捕集対象物質を該固体相に吸着させるための手段と、
該固体相に親水性有機溶媒を含む溶離液を接触させて、吸着された捕集対象物質を溶離液中に溶離させるための手段と、
溶離した捕集対象物質を含む溶離液を回収するための手段と、
を有することを特徴とする捕集対象物質の捕集装置。
【請求項9】
前記固体相は2重らせんDNAと該2重らせんDNAを保持する無機多孔質マトリックスを有する請求項8記載の捕集装置。
【請求項10】
前記無機多孔質マトリックスは、コロイダルシリカと塩基官能基を有するシロキサンを少なくとも用いて形成されたものである請求項9記載の捕集装置。
【請求項11】
前記親水性有機溶媒は、溶解度パラメーターが9以上である請求項8ないし10のいずれかに記載の捕集装置。
【請求項12】
水性液体試料中での検出対象物質の有無または量を分析するための分析装置において、
2重らせんDNAを含む固体相を保持し得る領域と、
前記固体相に検出対象物質を含有する水性液体試料を接触させて、該水性液体試料中の検出対象物質を該固体相に吸着させるための手段と、
該固体相に親水性有機溶媒を含む溶離液を接触させて、吸着された検出対象物質を溶離液中に溶離させるための手段と、
溶離した検出対象物質を含む溶離液を回収するための手段と、
回収された溶離液中の検出対象物質の有無または量を検出するための検出手段と、
を有することを特徴とする分析装置。
【請求項13】
前記検出対象物質がダイオキシン類化合物である請求項12記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−275423(P2008−275423A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118901(P2007−118901)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】