説明

排ガス浄化用触媒及びその製造方法

【課題】ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を含む排ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなり、前記金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満であり、かつ前記金属粒子の平均粒径が2〜5nmであることを特徴とする排ガス浄化用触媒及びその製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化用触媒及びその製造方法、より詳しくはロジウムと銀からなる金属粒子を含む排ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排ガス浄化用触媒としては、一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の酸化と窒素酸化物(NOx)の還元とを同時に行う三元触媒が用いられている。このような触媒としては、アルミナ(Al23)等の多孔質酸化物担体に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の白金族元素を担持させたものが広く知られている。
【0003】
中でも、ロジウムはNOxの還元活性が高く、三元触媒等の排ガス浄化用触媒においては必須の成分となっている。しかしながら、ロジウムは、例えば、酸素過剰のリーン雰囲気等にさらされると酸化物を形成してそのメタル化が不十分となり、結果として、排ガス浄化用触媒の触媒性能が低下してしまうという問題がある。
【0004】
一方で、複数の金属元素からなる合金は、それを構成する金属元素の単体とは異なる性質を示すため、新規な合金を作製することによって従来の金属では得られなかった特異的な性質を発現することが一般に期待できる。
【0005】
例えば、特許文献1では、銀−ロジウム合金微粒子の製造方法であって、(i)銀イオンおよびロジウムイオンを含む第1の溶液と、還元剤を含む第2の溶液とを調製する工程と、(ii)前記第1および第2の溶液から選ばれるいずれか一方の溶液を、他方の溶液に噴霧する工程とを含む製造方法が記載され、さらに、上記の製造方法によれば、銀とロジウムとが原子レベルで均一に固溶した銀−ロジウム合金微粒子を得ることができると記載されている。また、特許文献1では、このような銀−ロジウム合金微粒子は、例えば、有機合成の触媒や、燃料電池の電極触媒として利用することができると記載されている。
【0006】
一方、ロジウム等の白金族元素を含む合金微粒子の触媒成分としての利用や、そのような合金微粒子を含む触媒の製造方法については、例えば、特許文献2及び3等において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−100899号公報
【特許文献2】特開2010−194384号公報
【特許文献3】特開2008−049336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、例えば実施例1等において、ロジウムの含有率が50原子%であり、そして平均粒径が6.5±1.4nmである銀とロジウムの固溶体からなる合金微粒子が開示されている。しかしながら、特許文献1では、銀とロジウムの固溶体からなる合金微粒子の製造が単に開示されているに過ぎず、このような合金微粒子の触媒成分としての有用性や、特に自動車排ガス浄化用触媒の触媒成分として使用するのに有効な組成範囲や粒径の範囲等については何ら記載も示唆もされていない。
【0009】
一方、特許文献2及び3では、排ガス浄化用触媒や高分子電解質型燃料電池用の電極触媒における触媒成分として、種々の金属の組み合わせを包含する合金又は固溶体の微粒子が記載されている。しかしながら、例えば、ロジウムと銀は、ナノ粒子等に比べてより大きな体積を有するバルクの状態では固溶しない系であるため、特許文献2及び3に開示されている方法では、ロジウムと銀の固溶体を担体に担持してなる排ガス浄化用触媒等を製造することは困難である。実際、これらの特許文献では、ロジウムと銀との特定の組み合わせからなる固溶体を担体に担持してなる触媒については何ら具体的には開示されていない。
【0010】
そこで、本発明は、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を含む新規の排ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明は下記にある。
(1)ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなり、前記金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満であり、かつ前記金属粒子の平均粒径が2〜5nmであることを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
(2)前記金属粒子中のロジウム含有量が50原子%以上95原子%以下であることを特徴とする、上記(1)に記載の排ガス浄化用触媒。
(3)前記金属粒子中のロジウム含有量が70原子%以上95原子%以下であることを特徴とする、上記(2)に記載の排ガス浄化用触媒。
(4)前記金属粒子の平均粒径が2.5〜4nmであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の排ガス浄化用触媒。
(5)前記金属粒子の平均粒径が2.5〜3.5nmであることを特徴とする、上記(4)に記載の排ガス浄化用触媒。
(6)ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなる排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
前記金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満となるような量においてロジウム塩と銀塩を含みかつ還元剤としてプロパノールを含む混合溶液をロジウムと銀が固溶体を形成するのに十分な温度において加熱することにより、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を生成する加熱工程、並びに
生成した金属粒子を触媒担体に担持する担持工程
を含むことを特徴とする、排ガス浄化用触媒の製造方法。
(7)前記還元剤が1−プロパノールであり、前記加熱工程の温度が100℃であることを特徴とする、上記(6)に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
(8)前記混合溶液が保護剤をさらに含むことを特徴とする、上記(6)又は(7)に記載の方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロジウムと銀が固溶した金属粒子を含む排ガス浄化用触媒を得ることができ、より具体的にはロジウムと銀が原子レベルで固溶し、約2〜5nm、好ましくは2.5〜4nm、より好ましくは2.5〜3.5nmの平均粒径を有する金属粒子を含む排ガス浄化用触媒を得ることができる。また、このような排ガス浄化用触媒によれば、ロジウムと銀を同一の粒子内に共存させることで、金属粒子中のロジウムの酸化を抑制することができる。その結果として、排ガス浄化用触媒の排ガス浄化性能、特にはNOx浄化性能を顕著に改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法を模式的に示す図である。
【図2】(a)は実施例1におけるRh−Ag金属粒子(Rh含有量50原子%)のエネルギー分散型X線分析装置付走査透過型電子顕微鏡(STEM−EDX)による写真を示し、(b)は(a)中の100個以上のRh−Ag金属粒子の直径を測定して作成したヒストグラムを示す。
【図3】(a)は図2(a)のSTEM−EDXによる写真を拡大したものであり、(b)は(a)中の各測定点1〜6におけるRh−Ag金属粒子(Rh含有量50原子%)中のロジウムと銀の組成比(原子%)を示す。
【図4】実施例1及び比較例1の各排ガス浄化用触媒のX線光電子分光法(XPS)による分析結果を示す。
【図5】実施例1〜4及び比較例1〜3の各排ガス浄化用触媒に関するNO浄化開始温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の排ガス浄化用触媒は、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなり、前記金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満であり、かつ前記金属粒子の平均粒径が2〜5nmであることを特徴としている。
【0015】
先に記載したとおり、三元触媒等の排ガス浄化用触媒において必須の成分として用いられているロジウムは、例えば、酸素過剰のリーン雰囲気等にさらされると酸化物を形成してそのメタル化が不十分となり、結果として、排ガス浄化用触媒の触媒性能が低下してしまうという問題がある。
【0016】
そこで、本発明者らは、酸素に対する親和力が比較的弱い銀に着目して検討を行い、それをロジウムと原子レベルで固溶させた金属粒子、すなわち、ロジウムと銀からなる合金粒子を合成することで、当該合金粒子を酸化雰囲気にさらした場合に、ロジウム単独の金属粒子と比較してロジウムの酸化が顕著に抑制されることを見出した。なお、本明細書において用いられる「合金」という用語は、いわゆる金属間化合物だけではなく、2種以上の元素が互いに溶け合い、全体として固相となっている固溶体も包含することを意図するものである。
【0017】
また、本発明者らは、ロジウムと銀が原子レベルで固溶した金属粒子であって、ロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満でありかつ平均粒径が2〜5nmである金属粒子を触媒担体に担持することで、特開2010−100899号公報において開示される方法に従って合成された同組成のロジウムと銀からなる金属粒子を使用した場合に比べて、NOx還元能、特には低温でのNOx還元能が顕著に改善された排ガス浄化用触媒が得られることをさらに見出した。
【0018】
本発明における金属粒子中のロジウム含有量が30原子%未満の場合には、ロジウムの活性点の数が少なくなり、しかもこの場合、金属粒子中に70原子%以上もの量で存在する銀によってその活性点が覆われることがあるため、最終的に得られる排ガス浄化用触媒について十分なNOx還元能を達成できない場合がある。一方で、金属粒子中のロジウム含有量が100原子%すなわち金属粒子中に銀を全く含まない場合には、銀によるロジウムの酸化抑制効果を得ることができなくなり、結果として排ガス浄化用触媒のNOx還元能が低下してしまう。本発明によれば、金属粒子中のロジウム含有量を30原子%以上100原子%未満、好ましくは50原子%以上95原子%以下、より好ましくは70原子%以上95原子%以下、最も好ましくは90原子%以上95原子%以下とすることで、ロジウムの活性点数を維持しつつ、銀によるロジウムの酸化抑制効果を十分に発揮させ、結果としてNOx還元能、特には低温でのNOx還元能が顕著に改善された排ガス浄化用触媒を得ることができる。
【0019】
また、本発明における金属粒子の平均粒径が2nmよりも小さい場合には、ロジウムと銀の均一な固溶体を得ることができない場合がある。一方で、金属粒子の平均粒径が5nmよりも大きくなると、金属粒子の表面積が小さくなってロジウムの活性点数が少なくなり、最終的に得られる排ガス浄化用触媒について十分なNOx還元能を達成できない場合がある。したがって、本発明の排ガス浄化用触媒においては、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子は、2〜5nmの平均粒径を有し、好ましくは2.5〜4nm、より好ましくは2.5〜3.5nm、最も好ましくは2.5〜3nmの平均粒径を有する。なお、本発明において「平均粒径」とは、特に断りのない限り、電子顕微鏡を用いて100個以上の粒子の直径を測定したときの算術平均値を言うものである。
【0020】
より詳しく説明すると、本発明者らによる実験では、本発明における金属粒子中のロジウム含有量と当該金属粒子の平均粒径との間には一定の相関関係が見られ、金属粒子中のロジウム含有量が小さくなるにつれて、すなわち銀の添加量が多くなるにつれて、得られる金属粒子の平均粒径が大きくなる傾向が観測された。そして、ロジウムに銀を添加することで、NOx還元能、特には200〜300℃の低温領域におけるNOx還元能が顕著に改善された排ガス浄化用触媒を得ることができたものの、ロジウム含有量がおよそ30原子%未満になるまで銀の添加量をさらに増やした場合には、得られる排ガス浄化用触媒のNOx還元能が、ロジウム単独の金属粒子を使用したものに比べて低くなる傾向が見られた。
【0021】
何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、ロジウムに銀を添加してロジウムと銀を原子レベルで固溶させることで、ロジウムの酸化を抑制してそのNOx還元能を高い状態のまま維持することができるものの、銀の添加量を多くしすぎると、銀によってロジウムが少なくとも部分的に覆われ及び/又はロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子の平均粒径が大きくなり、結果としてロジウムの活性点数が大きく減少してしまうものと考えられる。したがって、金属粒子中に含まれるロジウムと銀の割合には、銀によるロジウムの酸化抑制効果、金属粒子の平均粒径、及びロジウムの活性点数等を考慮した最適値が存在し、具体的にはその値は、ロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満の範囲に存在すると考えられる。
【0022】
また、本発明における金属粒子では、上記のとおり、その平均粒径が2〜5nm、好ましくは2.5〜4nm、より好ましくは2.5〜3.5nm、最も好ましくは2.5〜3nmであり、このような極めて微小な粒子内にロジウムと銀の両方の元素が共存しているため、異種金属の合金化による効果(すなわち、銀によるロジウムの酸化抑制効果)と、微粒子による効果(例えば、高表面積等による効果)の両方の効果を得ることができる。したがって、本発明の排ガス浄化用触媒では、特開2010−100899号公報において開示される方法に従って合成された同組成のロジウムと銀からなる金属粒子を使用した場合に比べて、高いNOx還元能を達成することができたものと考えられる。
【0023】
本発明では、このようなロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなる排ガス浄化用触媒の製造方法がさらに提供される。
【0024】
先に記載したとおり、ロジウムと銀は、より大きな体積を有するバルクの状態では固溶しない系であり、それゆえロジウムと銀が原子レベルで固溶した合金粒子を製造することは一般に困難である。
【0025】
特開2010−100899号公報に記載の方法では、例えば、銀イオンとロジウムイオンを含む溶液を水素化ホウ素ナトリウムからなる還元剤を含む溶液に噴霧することにより、銀とロジウムが固溶した銀−ロジウム合金微粒子が生成されている。しかしながら、このような方法の場合、生成された銀−ロジウム合金微粒子を含む溶液中には還元剤としての水素化ホウ素ナトリウムが残留しており、それは当該溶液を単に乾燥等させただけでは十分に分解除去することができない。したがって、特開2010−100899号公報に記載の方法によって得られた銀−ロジウム合金微粒子を触媒担体に担持する場合には、銀−ロジウム合金微粒子と水素化ホウ素ナトリウムを含む上記溶液に精製処理等を施して当該溶液から水素化ホウ素ナトリウムを取り除く必要があり、それゆえ工程が複雑である。
【0026】
また、特開2010−100899号公報に記載の方法によって得られる銀−ロジウム合金微粒子は、本発明における同組成の金属粒子と比べて平均粒径が大きく、したがって、後で実施例において示すとおり、当該銀−ロジウム合金微粒子を触媒担体に担持してなる排ガス浄化用触媒では十分なNOx還元能を達成することができない。
【0027】
本発明者らは、ロジウム塩と銀塩を含む混合溶液に、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムではなくプロパノールを特に噴霧等の必要なしに単に添加し、そしてロジウムと銀が固溶体を形成するのに十分な温度において加熱することにより、ロジウムと銀が原子レベルで固溶してなる金属粒子を生成できることを見出した。さらに、本発明者らは、生成したロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を含む溶液に触媒担体を導入して従来公知の方法により金属粒子を触媒担体に担持することで、NOx還元能、特には200〜300℃の低温領域におけるNOx還元能が顕著に改善された排ガス浄化用触媒を得ることができることをさらに見出した。
【0028】
図1は、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法を模式的に示す図である。図1を参照すると、例えば、まず、ロジウム塩と銀塩が1つ又は複数の溶媒中に溶解され、Rh3+イオン11とAg+イオン12、さらには後で説明する任意選択の保護剤13を含む混合溶液が調製される。そして、Rh3+イオン11及びAg+イオン12と任意選択の保護剤13によって錯体14が形成される。次いで、還元剤としてプロパノールが添加され、ロジウムと銀が固溶体を形成するのに十分な温度において加熱を行いながら、混合溶液中に含まれるRh3+イオン11とAg+イオン12が還元される。このようにすることで、混合溶液中に溶解しているRh3+イオン11とAg+イオン12の両イオンを同時に還元することができ、結果として、ロジウムと銀が原子レベルで固溶したRh−Ag金属粒子15を得ることができる。次に、上記のようにして合成したRh−Ag金属粒子15を含む溶液に金属酸化物等からなる触媒担体16を導入し、その後、乾燥及び焼成等することにより、Rh−Ag金属粒子15を触媒担体に担持してなる本発明の排ガス浄化用触媒10を得ることができる。
【0029】
本発明の方法によれば、ロジウム塩及び銀塩としては、特に限定されないが、一般的には塩化物以外の塩を使用することができる。例えば、ロジウム塩として塩化ロジウムを使用した場合には、混合溶液中で銀イオンと塩化物イオンが反応して塩化銀(AgCl)の沈殿が生じてしまうため好ましくない。したがって、本発明の方法においては、ロジウム塩及び銀塩としては、例えば、酢酸塩、硝酸塩等を使用することが好ましい。なお、硝酸ロジウムは、一般的に塩化ロジウムから合成されるため、その組成中に塩素を幾らか含む場合がある。それゆえ、本発明の方法においてロジウム塩として硝酸ロジウムを使用する場合には、低塩素品の硝酸ロジウムを使用することがより好ましい。
【0030】
また、上記のロジウム塩と銀塩を含む混合溶液において用いられる溶媒としては、これらの金属塩を溶解させることができる任意の溶媒、例えば、水等を使用することができる。なお、本発明の方法では、ロジウム塩と銀塩は、最終的に得られる金属粒子中の所望のRh/Ag比(原子比)に対応した量において溶媒中に添加され、具体的にはロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満、好ましくは50原子%以上95原子%以下、より好ましくは70原子%以上95原子%以下、最も好ましくは90原子%以上95原子%以下となるような量において上記の溶媒中に添加することができる。
【0031】
本発明の方法によれば、上記のロジウム塩と銀塩を含む混合溶液に還元剤としてプロパノール、特には1−プロパノール又は2−プロパノール、好ましくは1−プロパノールが添加され、そしてロジウムと銀が固溶体を形成するのに十分な温度、特には還元剤の沸点以上の温度において加熱される。本発明の好ましい態様においては、ロジウム塩と銀塩を含む混合溶液に還元剤として1−プロパノールが添加され、約100℃の温度において一般的に1〜3時間加熱される。
【0032】
なお、このような還元剤は、混合溶液中に溶解しているロジウムイオンと銀イオンを還元してロジウムと銀が固溶してなる金属粒子を形成するのに十分な量において添加すればよい。また、本発明の方法によれば、還元剤として用いられるプロパノールは、その後の担持工程における乾燥及び焼成処理によって容易に分解除去することができる。したがって、本発明の方法は、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いた場合と比較して、担持工程の前に還元剤を取り除くための精製処理等の追加の工程を必要としないため、工程がより簡単である。
【0033】
従来、複数の金属元素からなる合金粒子を製造する方法の1つとして、当該合金を構成する各金属の塩を含む混合溶液に還元剤としてエタノールを添加し、場合によりさらに水を添加して所定の温度で加熱しながら、混合溶液中に含まれる各金属のイオンを同時に還元する方法が知られている。しかしながら、本発明の方法において、ロジウムと銀に対する還元剤としてプロパノールの代わりにエタノールや他のアルコールを使用したとしても、これらの金属元素が原子レベルで固溶した金属粒子を得ることはできない。
【0034】
実際、本発明者らによる実験では、ロジウム塩と銀塩を含む混合溶液にエタノールと水を添加して沸点以上の温度、具体的には約90℃の温度において加熱した場合に、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を含む安定な分散液を得ることができなかった。より詳しく説明すると、ロジウム塩と銀塩を含む混合溶液にエタノールと水を添加して約90℃の温度において加熱した場合に、合成時にはロジウムと銀からなると思われる金属粒子を含む分散液が得られたものの、それを一晩静置すると、それぞれの金属が固体として析出してしまい、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなる排ガス浄化用触媒を調製することができなかった。
【0035】
また、還元時の加熱温度の影響を調べるために、エタノール等に比べて沸点の高いポリオール、具体的にはエチレングリコールを還元剤として使用し、100℃及び150℃の各温度において加熱して実験を行ったが、いずれの温度においてもロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を生成することができなかった。したがって、本発明の方法のように、ロジウム塩と銀塩を含む混合溶液に還元剤としてプロパノールを添加し、さらにその沸点以上の温度で加熱することにより、バルクの状態では固溶しない系であるロジウムと銀を原子レベルで固溶させることができるということは極めて意外であり、また驚くべきことである。
【0036】
さらに、本発明の方法では、当該方法により生成する金属粒子の表面に配位又は吸着して金属粒子同士の凝集や粒成長を抑制しかつ安定化させる目的で、ロジウム塩及び銀塩を含む混合溶液に保護剤を任意選択で添加してもよい。このような保護剤としては、金属コロイドの保護剤として公知の任意のものを使用することができる。例えば、有機高分子や、低分子でも窒素、リン、酸素、硫黄等のヘテロ原子を含み配位力の強い有機化合物を保護剤として使用することができる。有機高分子の保護剤としては、ポリアミド、ポリペプチド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ヘテロ環ポリマー、及びポリエステル等の高分子化合物を使用することができる。特に好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド等を使用することができる。このような保護剤を上記の混合溶液に添加することで、得られる金属粒子の大きさをより確実にナノメートルサイズに制御することが可能である。
【0037】
なお、本発明の方法では、ロジウム塩、銀塩、還元剤、及び任意選択の保護剤の混合順序は、特には限定されず、これらは任意の順序で混合することができる。例えば、ロジウム塩と銀塩を含む溶液に任意選択の保護剤を加えた後、還元剤を加えてもよいし、あるいはまた、任意選択の保護剤に還元剤を加えた後、この混合溶液にロジウム塩と銀塩を含む溶液を加えてもよい。
【0038】
本発明によれば、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子が担持される触媒担体としては、特に限定されないが、一般に触媒担体として用いられる任意の金属酸化物を使用することができる。このような触媒担体としては、例えば、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、セリア(CeO2)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)又はそれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0039】
なお、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子の上記触媒担体への担持は、当業者に公知の任意の方法によって行うことができる。例えば、上記のようにして合成したロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を含む溶液を、例えば、所定量の溶液に分散させた触媒担体の粉末に、ロジウム及び/又は銀の量が当該触媒担体に対して一般的に0.01〜10wt%の範囲になるような量において添加する。次いで、これを所定の温度及び時間、特には金属塩の塩部分や、還元剤として用いられたプロパノール、さらには任意選択の保護剤等を分解除去しかつ金属粒子を触媒担体上に担持するのに十分な温度及び時間において乾燥及び焼成することにより、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなる排ガス浄化用触媒を得ることができる。
【0040】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0041】
[実施例1]
[Rh含有量50原子%のRh−Ag金属粒子の合成]
まず、1Lのセパラブルフラスコに保護剤としてのポリビニルピロリドン(PVP K−25、平均分子量35000)を6.7g(60.0mmol)入れ、それを還元剤としての1−プロパノール675mLで完全に溶解させた。次いで、これに銀塩として硝酸銀0.75mmolと、ロジウム塩として酢酸ロジウム水和物0.75mmolと、そしてイオン交換水75mLとを加えた。得られた混合溶液をオイルバスを用いて100℃に加熱して2時間にわたり還流した後、反応溶液を室温まで放冷した。最後に、液量が50mL程度になるまで濃縮し、Rh含有量が50原子%のRh−Ag金属粒子を含む溶液を得た。
【0042】
[排ガス浄化用触媒の調製]
次に、上で得られたRh−Ag金属粒子を含む溶液を300mLのビーカーに入れ、水を加えて約100mLに希釈した後、マグネチックスターラーで攪拌した。次いで、別のビーカーに触媒担体としてのジルコニア(ZrO2)粉末を、Rhの担持量が当該ジルコニア粉末に対して0.5wt%となるような量において入れ、これに水を約50mL加えて分散させた。得られた分散液を水で希釈した上記のRh−Ag金属粒子を含む溶液に加え、約150℃で加熱及び攪拌することにより分散媒を除去した。次いで、120℃で12時間乾燥した後、これを乳鉢で粉砕し、得られた粉末を空気中300℃で30時間焼成することにより、Rh−Ag/ZrO2(Rh含有量50原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0043】
[実施例2]
硝酸銀を0.45mmol、そして酢酸ロジウム水和物を1.05mmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、Rh−Ag/ZrO2(Rh含有量70原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0044】
[実施例3]
硝酸銀を0.15mmol、そして酢酸ロジウム水和物を1.35mmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、Rh−Ag/ZrO2(Rh含有量90原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0045】
[実施例4]
硝酸銀を0.075mmol、そして酢酸ロジウム水和物を1.425mmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、Rh−Ag/ZrO2(Rh含有量95原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0046】
[比較例1]
銀塩としての硝酸銀を加えなかったこと、そして酢酸ロジウム水和物を1.50mmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、Rh/ZrO2(Rh含有量100原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0047】
[比較例2]
[Rh含有量50原子%のRh−Ag金属粒子の合成]
特開2010−100899号公報において開示される方法に従って、酢酸銀と酢酸ロジウムのモル比が5:5である金属イオン溶液を、水素化ホウ素ナトリウムを含む還元剤溶液に向けて噴霧することによってRh−Ag金属粒子を作製した。なお、保護剤としてのポリビニルピロリドン(PVP K−25、平均分子量35000)を還元剤溶液に加えた状態でRh−Ag金属粒子を作製した。ポリビニルピロリドンは、その構成単位(モノマー単位)の濃度が6.5mmol/Lとなるように添加した。噴霧には、霧吹きを用いた。また、Rh−Ag金属粒子の作製は室温(約25℃)で行った。
【0048】
[排ガス浄化用触媒の調製]
上で得られたRh−Ag金属粒子を含む溶液に多量のアセトンを加え、これにより還元剤として使用した水素化ホウ素ナトリウムをアセトン相に抽出してRh−Ag金属粒子を精製した。次いで、アセトン相を取り除いた後、精製したRh−Ag金属粒子を1−プロパノール中に再分散させた。次に、得られた溶液を300mLのビーカーに入れ、水を加えて約100mLに希釈した後、マグネチックスターラーで攪拌した。次いで、別のビーカーに触媒担体としてのジルコニア(ZrO2)粉末を、Rhの担持量が当該ジルコニア粉末に対して0.5wt%となるような量において入れ、これに水を約50mL加えて分散させた。得られた分散液を水で希釈した上記の金属粒子を含む溶液に加え、約150℃で加熱及び攪拌することにより分散媒を除去した。次いで、120℃で12時間乾燥した後、これを乳鉢で粉砕し、得られた粉末を空気中300℃で30時間焼成することにより、Rh−Ag/ZrO2(Rh含有量50原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0049】
[比較例3]
酢酸銀と酢酸ロジウムのモル比を1:9としたこと以外は比較例1と同様にして、Rh−Ag/ZrO2(Rh含有量90原子%)の排ガス浄化用触媒を得た。
【0050】
[金属粒子の分析]
実施例1〜4及び比較例1において得られた各金属粒子について、エネルギー分散型X線分析装置付走査透過型電子顕微鏡(STEM−EDX)(日立製HD−2000、加速電圧:200kV)によってそれらの測定を行った。なお、測定試料としては、触媒担体に担持する前の実施例1〜4及び比較例1におけるRh−Ag金属粒子又はRh金属粒子を含む各溶液を使用し、これらの試料溶液を1−プロパノールで希釈し、モリブデングリッドに滴下後、乾燥させたものについて測定を行った。そして、三谷商事株式会社製画像解析ソフトWinROOFを用いて100個以上の粒子の直径を測定してヒストグラムを作成し、実施例1〜4及び比較例1における各Rh−Ag金属粒子の平均粒径と標準偏差を算出した。これらの結果を図2及び3並びに下表1に示す。
【0051】
図2は、実施例1におけるRh−Ag金属粒子(Rh含有量50原子%)のエネルギー分散型X線分析装置付走査透過型電子顕微鏡(STEM−EDX)による分析結果を示している。なお、図2(a)はSTEM−EDXによる写真を示し、図2(b)は、図2(a)中の100個以上のRh−Ag金属粒子の直径を測定して作成したヒストグラムを示している。なお、図2(b)のヒストグラムは、図2(a)において測定した各Rh−Ag金属粒子の直径を0〜1nm、1〜2nm、2〜3nm等の範囲に区分し、その範囲に含まれるRh−Ag金属粒子の個数をカウントして棒グラフに表したものである。これらの結果から、実施例1におけるRh−Ag金属粒子(Rh含有量50原子%)の平均粒径3.7nm及び標準偏差0.84nmを算出した。
【0052】
図3(a)は、図2(a)のSTEM−EDXによる写真を拡大したものであり、図3(b)は、図3(a)中の各測定点1〜6におけるRh−Ag金属粒子(Rh含有量50原子%)中のロジウムと銀の組成比(原子%)を示している。図2及び3のSTEM−EDXによる分析から、実施例1におけるRh−Ag金属粒子では、同一の微粒子内にロジウムと銀の両方の元素が共存していることを確認することができた。また、特に図示していないが、実施例2〜4における各Rh−Ag金属粒子についても同様に、STEM−EDXによる分析から同一の微粒子内にロジウムと銀の両方の元素が共存していることを確認した。これらの結果は、ロジウムと銀が固溶体を形成していることを裏付けるものである。さらに、図3(b)を参照すると、各測定点におけるRh−Ag金属粒子中のロジウムと銀の組成比は、多少のばらつきは見られるものの、ロジウムと銀の仕込み比(1:1)とよく一致していた。このことからもロジウムと銀は原子レベルで均一な固溶体を形成していると考えられる。
【0053】
【表1】

【0054】
一方、表1に示す結果から、Rh−Ag金属粒子中のRh含有量が小さくなるにつれて、すなわちAgの添加量が多くなるにつれて、Rh−Ag金属粒子の平均粒径が大きくなっていることがわかる。しかしながら、Rh含有量が50原子%の場合においても、平均粒径は3.7nm、標準偏差は0.84nmであり、これは比較例2における同組成のRh−Ag金属粒子(特開2010−100899号公報によれば、6.5nm(平均粒径)±1.4nm(標準偏差))と比べると非常に小さい値であることがわかる。なお、表1において示す平均粒径等のデータは、上記のとおり、触媒担体に担持する前のRh−Ag金属粒子に基づくものであるが、触媒担体に担持した後のRh−Ag金属粒子についても同様に電子顕微鏡による測定を行い、平均粒径及び標準偏差に関して同様の結果が得られることを確認した。
【0055】
[触媒の分析]
次に、実施例1のRh−Ag/ZrO2(Rh含有量50原子%)及び比較例1のRh/ZrO2(Rh含有量100原子%)の各排ガス浄化用触媒について、X線光電子分光(XPS)装置(アルバックファイ製PHI−5700)を用いて測定を行った。なお、具体的な測定条件は以下のとおりである。
X線源: AlKα 350W
中和銃: ON
Aperture: No.4(Φ800μm)
(定性)
PE: 187.85eV
STEP: 0.4eV
Time/Step: 20ms
(定量・状態解析)
HRESモード PE:46.95eV
STEP: 0.1eV
Time/Step: 50ms
なお、状態解析はC1s 284.8eVでシフト補正を行った。
【0056】
図4は、実施例1及び比較例1の各排ガス浄化用触媒のX線光電子分光法(XPS)による分析結果を示している。なお、図4には、Rh(III)の結合エネルギーとメタル状態のRhの結合エネルギーに関する文献値を点線で示している。図4を参照すると、Rh3d軌道の解析により、Rhのみを担持した比較例1のRh/ZrO2(Rh含有量100原子%)では、Rh(III)の結合エネルギー(308.5eV)にのみピークが検出され、すなわちRhがRh23の酸化物として触媒表面上に存在していると認めることができる。したがって、比較例1のRh/ZrO2(Rh含有量100原子%)では、触媒担体(ZrO2)にRhを担持した後の空気中での焼成処理等により、触媒表面のRhがすべて酸化されてしまったと考えられる。
【0057】
これに対し、ロジウムと銀が原子レベルで均一な固溶体を形成している実施例1のRh−Ag/ZrO2(Rh含有量50原子%)では、比較例1の排ガス浄化用触媒と同様に、Rh23に相当するピークが検出されたものの、メタル状態のRhの結合エネルギー(307.1eV)付近にもピークが検出された。すなわち、実施例1のRh−Ag/ZrO2(Rh含有量50原子%)では、RhとAgを原子レベルで固溶させることで、空気中での焼成処理等によっても、Rhの酸化が抑制され、その一部はメタルの状態のままで存在していると認められる。
【0058】
[触媒の活性評価]
次に、実施例1〜4及び比較例1〜3の各排ガス浄化用触媒について、それらのNOx還元能を評価した。なお、上で調製した各排ガス浄化用触媒の粉末を98MPaの圧力でプレスしてペレット状に高圧成型したものを評価用試料として用いた。次に、これらの各ペレット触媒2.0gについて、下表2に示す評価用モデルガスを10L/分の流量で触媒床に流しながら、当該触媒床の温度を室温(約25℃)から25℃/分の昇温速度で昇温し、NOの浄化が始まる温度を測定した。その結果を図5に示す。
【0059】
【表2】

【0060】
図5は、実施例1〜4及び比較例1〜3の各排ガス浄化用触媒に関するNO浄化開始温度を示すグラフである。図5は、横軸にRhの含有量(原子%)を示し、縦軸にNO浄化開始温度(℃)を示している。図5を参照すると、Rhのみを担持した比較例1の排ガス浄化用触媒では、NO浄化開始温度が約280℃であったのに対し、Agを添加することで、実施例1〜4のすべての排ガス浄化用触媒においてより低い温度からNOxの浄化を確認することができた。とりわけ、Rh含有量が95原子%である実施例4の排ガス浄化用触媒では、約240℃の低温下においてもNOx還元能を示すことがわかった。
【0061】
また、図5に示す結果から、Rh−Ag金属粒子中のRh含有量が約30原子%以上の場合に、Rhのみを担持した比較例1の排ガス浄化用触媒よりも高いNOx還元能を有する排ガス浄化用触媒が得られると推定することが可能である。なお、実施例1及び3の本発明の排ガス浄化用触媒は、特開2010−100899号公報において開示される方法に従って合成された同組成のRh−Ag金属粒子を使用した排ガス浄化用触媒(比較例2及び3)と比べて、顕著により高いNOx還元能を示した。
【符号の説明】
【0062】
10 排ガス浄化用触媒
11 Rh3+イオン
12 Ag+イオン
13 保護剤
14 錯体
15 Rh−Ag金属粒子
16 触媒担体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなり、前記金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満であり、かつ前記金属粒子の平均粒径が2〜5nmであることを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
【請求項2】
前記金属粒子中のロジウム含有量が50原子%以上95原子%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項3】
前記金属粒子中のロジウム含有量が70原子%以上95原子%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項4】
前記金属粒子の平均粒径が2.5〜4nmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項5】
前記金属粒子の平均粒径が2.5〜3.5nmであることを特徴とする、請求項4に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項6】
ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を触媒担体に担持してなる排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
前記金属粒子中のロジウム含有量が30原子%以上100原子%未満となるような量においてロジウム塩と銀塩を含みかつ還元剤としてプロパノールを含む混合溶液をロジウムと銀が固溶体を形成するのに十分な温度において加熱することにより、ロジウムと銀の固溶体からなる金属粒子を生成する加熱工程、並びに
生成した金属粒子を触媒担体に担持する担持工程
を含むことを特徴とする、排ガス浄化用触媒の製造方法。
【請求項7】
前記還元剤が1−プロパノールであり、前記加熱工程の温度が100℃であることを特徴とする、請求項6に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
【請求項8】
前記混合溶液が保護剤をさらに含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−239980(P2012−239980A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112505(P2011−112505)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】