説明

排ガス浄化装置

【課題】本発明の目的は、碍子室内の碍子及び放電極に粒子状物質が付着するのを防止し、又は付着しても除去することが可能な排ガス浄化装置を提供することである。
【解決手段】筒形状をなす外殻2と、外殻2の内側に配置され、集塵極3と集塵フィルタ層4とから構成されている集塵フィルタ装置5と、集塵フィルタ装置5の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路6と、外殻2内の中央部に配置されるとともに外殻2の軸方向に延在し、電圧が印加された際に集塵フィルタ装置5の集塵極3との間にイオン風を発生させる放電極7と、外殻2の上方に延び、内部に碍子11が配置されている碍子室9と、碍子室9の内部を通ってガス通路6まで延在し、放電極7を支持している放電極支持材10とを備えている排ガス浄化装置1において、碍子室9の碍子11の下方において、放電極支持材10には、電圧を印加するための碍子室用放電極12が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状物質を含む排ガスが流れるガス通路内で、このガスの流れに交差する方向にイオン風を発生させ、ガス中の粒子状物質を捕集する排ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場ガス、自動車等の排ガスに含まれる粒子状物質(PM:パティキュレート・マター)を除去するために、排ガス浄化装置が使用されている。
【0003】
図8は、排ガス浄化装置の従来の一例を示している。この排ガス浄化装置20は、筒形状をなす外殻21と、外殻21の内側に配置され、集塵極22と集塵フィルタ層23とから構成されている集塵フィルタ装置24と、集塵フィルタ装置24の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路25とを備えており、外殻21内の中央部には、外殻21の軸方向と直交する方向に突出する複数の先端部26aを有するとともに外殻21の軸方向に延在する放電極26が設けられている。
また、排ガス浄化装置20は、ガス通路25の下流において外殻21の上方に延びるとともに内部に碍子27が配置されている碍子室28と、碍子室28の内部を通ってガス通路25まで延在するとともに放電極26を支持している放電極支持材29とを備えている。
そして、この排ガス浄化装置20は、放電極26と集塵フィルタ装置24の集塵極22との間に高電圧を印加することにより、排ガスの流れに交差する方向にイオン風を発生させ、排ガスに含まれる粒子状物質を集塵フィルタ装置24で捕集するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特願2005−513458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような構成の場合、ガス通路25を通過した排ガスは碍子室28の中に流れ込むため、集塵フィルタ装置24で捕集されなかった粒子状物質は、碍子27の表面に付着することになる。このように碍子27の表面に粒子状物質が付着すると、粒子状物質は電気的な抵抗が低いため、碍子27の表面に電流が流れることになり、放電極26に安定して定格な電圧を印加することができなくなるという問題がある。ここで、碍子室28にエアを送ることにより、粒子状物質が碍子27に付着するのを防止することも考えられるが、自動車搭載用の排ガス浄化装置等の場合においてはエア源がないため、エアを送って碍子27に粒子状物質が付着するのを防止することができない。
【0005】
また、上述のような構成の場合、放電極26の先端部26aに電流が印加されると、電界の勾配に合わせて生じるグレーディエント力により粒子状物質が放電極26に付着し、放電極26からの放電が不安定になり、粒子状物質に対する帯電能力が低下するという問題もある。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、碍子室内の碍子及び放電極に粒子状物質が付着するのを防止し、又は付着しても除去することが可能な排ガス浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の有する課題を解決するために、請求項1の本発明では、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延び、内部に碍子が配置されている碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材とを備えている排ガス浄化装置において、前記碍子室の前記碍子の下方において、前記放電極支持材には、電圧を印加するための碍子室用放電極が設けられている。
【0008】
請求項2の本発明では、前記碍子室用放電極が、前記碍子室の内側表面に向かって突出する先端部を有しており、該先端部の端縁は丸み形状で形成されている。
【0009】
請求項3の本発明では、前記碍子室の内側表面には、前記放電極支持材に向かって突出する板状部材が設けられている。
【0010】
請求項4の本発明では、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延び、内部に碍子が配置されている碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材とを備えている排ガス浄化装置において、前記外殻には、発熱体と、該発熱体を覆うように設けられた絶縁性材料とから構成されている発熱装置が前記碍子室への入口部を塞ぐように設けられており、前記発熱装置は、前記放電極支持材まで突出して前記放電極支持材を支持するように形成されている。
【0011】
請求項5の本発明では、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在する主部と該主部から突出する複数の先端部とから構成され、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極とを備えている排ガス浄化装置において、前記外殻には、発熱体が内蔵された碍子が設けられており、前記碍子には、前記碍子の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材が設けられている。
【0012】
請求項6の本発明では、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在する主部と該主部から突出する複数の先端部とから構成され、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極とを備えている排ガス浄化装置において、前記放電極の先端部が、前記ガス通路の上流側に傾斜している。
【0013】
請求項7の本発明では、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延びる碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材と、該放電支持材を覆うように配置されるとともに前記碍子室の内部を上下方向に延在している碍子とを備えている排ガス浄化装置において、前記碍子には、前記碍子の表面を覆うように筒状のプラス電極が設けられ、前記碍子の下端部には、前記プラス電極の下端部と間隔をおいて円盤状のマイナス電極が設けられ、前記プラス電極と前記マイナス電極との間で放電を発生させるように構成されている。
【発明の効果】
【0014】
上述の如く、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延び、内部に碍子が配置されている碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材とを備えている排ガス浄化装置において、前記碍子室の前記碍子の下方において、前記放電極支持材には、電圧を印加するための碍子室用放電極が設けられているため、碍子室用放電極の周りにコロナ放電が生じ、碍子室に流れてきた排ガス中の粒子状物質は、このコロナ放電により帯電されることなる。そして、帯電された粒子状物質は、クローン力により、碍子室の内側表面に向かって流れることになる。これにより、粒子状物質が碍子用放電極の上方にある碍子に到達する前に、碍子室の内側表面で粒子状物質が捕集されるため、粒子状物質が碍子に付着することを防止することができる。その結果、碍子の表面に電流が流れることがなくなるため、放電極に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、前記碍子室用放電極が、前記碍子室の内側表面に向かって突出する先端部を有しており、該先端部の端縁は丸み形状で形成されているため、碍子室用放電極と碍子室の内側表面との間に火花が発生するのを防止することができる。これにより、火花により放電極に印加される電圧が低下することがなく、放電極に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0016】
また、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、前記碍子室の内側表面には、前記放電極支持材に向かって突出する板状部材が設けられているため、ガス通路を流れてきた排ガスが碍子室の碍子の方向に流れにくくすることができる。これにより、粒子状物質が碍子に付着することが防止され、碍子の表面に電流が流れることがなくなるため、放電極に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0017】
また、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延び、内部に碍子が配置されている碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材とを備えている排ガス浄化装置において、前記外殻には、発熱体と、該発熱体を覆うように設けられた絶縁性材料とから構成されている発熱装置が前記碍子室への入口部を塞ぐように設けられており、前記発熱装置は、前記放電極支持材まで突出して前記放電極支持材を支持するように形成されているため、碍子室へ粒子状物質が流れることを防止することができる。また、発熱装置の表面に粒子状物質が付着した場合においても、発熱装置の熱で粒子状物質を燃焼させることにより、発熱装置の表面に粒子状物質が付着することを防止することができる。これにより、粒子状物質が碍子及び発熱装置に付着することが防止されるため、外殻と放電極支持材との間の絶縁性が保たれることになり、放電極に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0018】
また、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在する主部と該主部から突出する複数の先端部とから構成され、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極とを備えている排ガス浄化装置において、前記外殻には、発熱体が内蔵された碍子が設けられており、前記碍子には、前記碍子の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材が設けられているため、従来のように碍子室を設ける必要がなくなる。また、碍子の表面に粒子状物質が付着した場合においても、発熱体の熱で粒子状物質を燃焼させることにより、碍子の表面に粒子状物質が付着することを防止することができる。これにより、外殻と放電極支持材との間の絶縁性を保ちつつ、当該排ガス浄化装置をよりコンパクトに構成することができる。
【0019】
また、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在する主部と該主部から突出する複数の先端部とから構成され、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極とを備えている排ガス浄化装置において、前記放電極の先端部が、前記ガス通路の上流側に傾斜している。これにより、従来では、放電極の先端部により排ガスの流れに乱れが生じ、放電極の先端部の下流側に渦が発生するため、放電極付近の排ガスの流れが減速され、グレーディエント力によって粒子状物質が放電極に付着しやすかったが、放電極の先端部によって生じる排ガスの乱れが従来に比べて小さくなるため、排ガスの流れがスムーズとなり、グレーディエント力が作用しても粒子状物質が放電極に付着することなく、そのまま流れるようになる。その結果、粒子状物質が放電極に付着することを防止することができる。
【0020】
また、本発明に係る排ガス浄化装置によれば、筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延びる碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材と、該放電支持材を覆うように配置されるとともに前記碍子室の内部を上下方向に延在している碍子とを備えている排ガス浄化装置において、前記碍子には、前記碍子の表面を覆うように筒状のプラス電極が設けられ、前記碍子の下端部には、前記プラス電極の下端部と間隔をおいて円盤状のマイナス電極が設けられ、前記プラス電極と前記マイナス電極との間で放電を発生させるように構成されているので、碍子の表面に粒子状物質が付着した場合において、プラス電極とマイナス電極との間で発生するストリーマ放電によって、粒子状物質を燃焼、消滅させることができる。これにより、外殻と放電極支持材との間の絶縁性が保たれることになり、放電極に安定して定格な電圧を印加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る排ガス浄化装置を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【0022】
図1に示すように、第1の実施形態に係る排ガス浄化装置1は、筒形状をなす外殻2と、外殻2の内側に配置され、集塵極3と集塵フィルタ層4とから構成されている集塵フィルタ装置5と、集塵フィルタ装置5の内側に設けられ、粒子状物質を含むガスの流路を形成するガス通路6と、外殻2内の中央部に配置され、外殻2の軸方向に延在している放電極7と、外殻2の外側上部に配置されている高電圧発生装置8とを備えている。
【0023】
外殻2には、外殻2の軸方向に対して上方に延びる碍子室9が設けられている。碍子室9の内部には、碍子室9の上部9aからガス通路6へ垂下する放電極支持材10が配設されており、放電極支持材10は、外殻2と絶縁状態を保持するために、外周面が碍子11により覆われた状態で、碍子室9の上部9aに取付られている。碍子11は、放電極支持材10を覆うように筒状に形成されており、碍子室9の内部を上下方向に延在している。また、放電極支持材10のガス通路6側の端部10aには、放電極7が固定されている。すわなち、放電極7は、放電極支持材10を介して外殻2内に吊り下げられた状態で固定されている。
また、放電極支持材10は、外殻2の外側上部に配置されている高電圧発生装置8に接続されており、高電圧発生装置8からの電圧を放電極7へ印加するように構成されている。
【0024】
放電極7は、外殻2の軸方向に延在している放電極主部7aと、外殻2の軸方向と直交する方向に放電極主部7aから突出する先端部7bとから構成されている。放電極7の先端部7bは、放電極主部7a上に所定の間隔をあけて配置されており、放電極主部7a上の同じ位置から放射状に4つ設けられている。
【0025】
集塵フィルタ装置5は、外殻2の内側に沿って配置されており、集塵極3と集塵フィルタ層4とから構成されている。
集塵極3は、多孔性の板状部材で形成されており、外殻2の内側においてガス通路6側に配置されている。なお、集塵極3は、金網等の導電性の材料から形成されている。また、金網以外にも、エッチングで微小な開口を設けた導電性の膜または電鋳で成形した網状の金属箔から形成してもよい。
一方、集塵フィルタ層4も、多孔性の板状部材で形成されており、外殻2と集塵極3との間において集塵極3に隣接して配置されている。なお、集塵フィルタ層4は、導電性、非導電性を問わず、多孔性の板状部材で形成され、例えば、金網、多孔性のセラミック等によって形成されている。
【0026】
高電圧発生装置8は、外殻2の外側上部に配置されており、放電極支持材10を介して放電極7に高電圧を印加するようになっている。また、放電極7と集塵フィルタ装置5の集塵極3との間に高電圧を印加した場合、コロナ放電により放電極7から集塵フィルタ装置5の集塵極3に電流が流入するようになっている。そのため、本実施形態では、放電極7は碍子11によって外殻2との絶縁状態が保持され、一方、集塵極3は外殻2を介してアースに接するように構成されている。
【0027】
本実施形態に係る排ガス浄化装置1では、碍子室9の碍子11の下方において、放電極支持材10には、電圧を印加するための碍子室用放電極12が設けられている。また、碍子室用放電極12は、碍子室9の内側表面に向かって突出する先端部12aを有しており、先端部12aの端縁は丸み形状で形成されている。
【0028】
次に、碍子室9に排ガスが流れてきた場合において、粒子状物質が碍子室9の内側表面に捕集される過程を以下に説明する。
本実施形態では、高電圧発生装置8により碍子室用放電極12に高電圧が印加されると、碍子室用放電極12の先端部12aの周りにコロナ放電が生じる。碍子室9に流れてきた排ガス中の粒子状物質は、このコロナ放電により帯電される。そして、帯電された粒子状物質は、クローン力により、碍子室9の内側表面に向かって流れることになる。その結果、粒子状物質が、碍子室用放電極12の上方にある碍子11に到達する前に、碍子室9の内側表面で粒子状物質が捕集されることになる。
以上により、碍子室9に流れてきた排ガスの粒子状物質を捕集することができる。
【0029】
このように、第1の実施形態に係る排ガス浄化装置1によれば、碍子室9の碍子11の下方において、放電極支持材10には、電圧を印加するための碍子室用放電極12が設けられているため、碍子室用放電極12の周りにコロナ放電が生じ、碍子室9に流れてきた排ガス中の粒子状物質は、このコロナ放電により帯電されることなる。そして、帯電された粒子状物質は、クローン力により、碍子室9の内側表面に向かって流れることになる。これにより、粒子状物質が碍子室用放電極12の上方にある碍子に到達する前に、碍子室9の内側表面で粒子状物質が捕集されるため、粒子状物質が碍子11に付着することを防止することができる。その結果、碍子11の表面に電流が流れることがなくなるため、放電極7に安定して定格な電圧を印加することができる。
さらに、碍子室用放電極12の先端部12aの端縁は丸み形状で形成されているため、碍子室用放電極12と碍子室9の内側表面との間に火花が発生するのを防止することができる。これにより、火花により放電極7に印加される電圧が低下することがなく、放電極7に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0030】
次に、図2を用いて、本発明の第2の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
なお、前述した第1の実施形態で説明したものと同様の部材については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0031】
図2に示すように、本実施形態に係る排ガス浄化装置1では、碍子室9の内側表面には、放電極支持材10に向かって突出する板状部材13が複数設けられている。詳細には、碍子室用放電極12の下方において、放電極支持材10に向かって突出する板状部材13が、放電極支持材10を挟んで対向するように配置されている。さらに、碍子11と碍子室用放電極12との間において、放電極支持材10に向かって突出する板状部材13が、放電極支持材10を挟んで対向するように配置されている。
【0032】
このように、第2の実施形態に係る排ガス浄化装置1によれば、碍子室用放電極12の下方において、放電極支持材10に向かって突出する板状部材13が、放電極支持材10を挟んで対向するように複数配置されているため、ガス通路6を流れてきた排ガスが碍子室9に入りにくくすることができる。
さらに、碍子室用放電極12の下方にある板状部材13の間を排ガスが通過してきたとしても、第1の実施形態に係る排ガス浄化装置1と同様に、碍子室用放電極12からの放電により粒子状物質が帯電し、帯電した粒子状物質が碍子室9の内側表面に流れるため、粒子状物質が碍子室用放電極12の上方にある碍子11に到達する前に、碍子室9の内側表面で粒子状物質を捕集することができる。その結果、粒子状物質が碍子11に付着することがなくなり、放電極7に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0033】
次に、図3を用いて、本発明の第3の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明する。図3は、本発明の第3の実施形態に係る排ガス浄化装置における集塵フィルタ装置の断面図である。
なお、前述した第1の実施形態で説明したものと同様の部材については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0034】
図3に示すように、本実施形態に係る排ガス浄化装置1では、外殻2には、集塵フィルタ装置5の中央部において、切り欠け部14が設けられている。この外殻2の切り欠け部14には、外殻2の軸方向に対して上方に延びる碍子室9が設けられている。碍子室9の内部には、碍子室9の上部9aからガス通路6へ垂下する放電極支持材10が配設されている。
また、放電極支持材10は、外殻2と絶縁状態を保持するために、外周面が碍子11により覆われた状態で、碍子室9の上部9aに取付られている。また、放電極支持材10は、外殻2の外側上部に配置されている高電圧発生装置8に接続されており、ガス通路6側の端部10aは、放電極7の中央部を支持している。
【0035】
このように、第3の実施形態に係る排ガス浄化装置1によれば、以下の効果を奏する。
放電極支持材10で放電極7の端部を片持支持していた場合では、排ガスの流れの脈動や自動車搭載する場合は自動車の振動により放電極7が振動し、放電極7が損傷したり、放電極7の荷電が不安定となる問題があったが、放電極支持材10で放電極7の中央部を支持することにより、排ガスの流れの脈動や自動車搭載する場合は自動車の振動によって生じる振動を抑えることができる。これにより、排ガス浄化装置1の安定運転が可能となる。
また、碍子室9をガス経路6の下流側に設けた場合には、碍子室9を設ける分だけ外殻2の長さが長くなってしまうが、集塵フィルタ装置5の中央部において、外殻2に切り欠け部14を設け、この切り欠け部14に碍子室9を設けているため、外殻2の長さをより短く構成することができる。これにより、排ガス浄化装置をよりコンパクトに構成することができる。
加えて、第1の実施形態に係る排ガス浄化装置1と同様に、碍子室9に排ガスが流れてきたとしても、碍子室用放電極12からの放電により粒子状物質が帯電し、帯電した粒子状物質が碍子室9の内側表面に流れるため、粒子状物質が碍子室用放電極12の上方にある碍子11に到達する前に、碍子室9の内側表面で粒子状物質を捕集することができる。その結果、粒子状物質が碍子11に付着することがなくなり、放電極7に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0036】
次に、図4を用いて、本発明の第4の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明する。図4は、本発明の第4の実施形態に係る排ガス浄化装置における集塵フィルタ装置の断面図である。
なお、前述した第1の実施形態で説明したものと同様の部材については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0037】
図4に示すように、本実施形態に係る排ガス浄化装置1では、外殻2には、ヒータ15と、ヒータ15を覆うように設けられた絶縁性材料16とから構成されている発熱装置17が、碍子室9への入口部2aを塞ぐように2つ設けられている。発熱装置17は、放電極支持材10に向かって互いに対向して突出し、放電極支持材10を挟み込むように支持している。
なお、絶縁性材料16は、高温でも割れないような材料で形成されており、例えば、セラミックや炭化珪素フェルトで形成されている。
【0038】
このように、第4の実施形態に係る排ガス浄化装置1によれば、外殻2には、ヒータ15とヒータ15を覆うように配置されている絶縁性材料16とから構成されている発熱装置17が、碍子室9への入口部2aを塞ぐように設けられており、発熱装置17が、放電極支持材10まで突出して放電極支持材10を挟み込むように支持しているため、碍子室9へ粒子状物質が流れることを防止することができる。また、発熱装置17の表面に粒子状物質が付着した場合においても、発熱装置17の熱で粒子状物質を燃焼させることにより、発熱装置17の表面に粒子状物質が付着することを防止することができる。これにより、粒子状物質が碍子9及び発熱装置17に付着することが防止されるため、外殻2と放電極支持材10との間の絶縁性が保たれることになり、放電極7に安定して定格な電圧を印加することができる。
【0039】
次に、図5を用いて、本発明の第5の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明する。図5は、本発明の第5の実施形態に係る排ガス浄化装置における集塵フィルタ装置の断面図である。
なお、前述した第1の実施形態で説明したものと同様の部材については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0040】
図5に示すように、本実施形態に係る排ガス浄化装置1では、外殻2には、発熱体内蔵型碍子18が設けられている。なお、発熱体内蔵型碍子18は、絶縁性材料とヒータとが一体化されたものであり、例えば、本実施形態では、窒化珪素等のセラミックの中にヒータが内蔵されているセラミックヒータを用いている。
また、発熱体内蔵型碍子18には、発熱体内蔵型碍子18の内部を通ってガス通路6まで延在している放電極支持材10が設けられている。放電極支持材10は、外殻2の外側上部に配置されている高電圧発生装置8に接続されており、ガス通路6側の端部10aは、放電極7を支持している。
【0041】
このように、第5の実施形態に係る排ガス浄化装置1によれば、外殻2には、発熱体内蔵型碍子18が設けられおり、発熱体内蔵型碍子18には、発熱体内蔵型碍子18の内部を通ってガス通路6まで延在し、放電極7を支持している放電極支持材10が設けられているため、従来のように碍子室を設ける必要がなくなる。また、発熱体内蔵型碍子18の表面に粒子状物質が付着した場合においても、発熱体内蔵型碍子18の熱で粒子状物質を燃焼させることにより、発熱体内蔵型碍子18の表面に粒子状物質が付着することを防止することができる。これにより、外殻2と放電極支持材10との間の絶縁性を保ちつつ、排ガス浄化装置1をよりコンパクトに構成することができる。
【0042】
次に、図6を用いて、本発明の第6の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明する。図6は、本発明の第6の実施形態に係る排ガス浄化装置における集塵フィルタ装置の断面図である。
なお、前述した第1の実施形態で説明したものと同様の部材については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0043】
図6に示すように、本実施形態に係る排ガス浄化装置1では、放電極7は、外殻2の軸方向に延在している放電極主部7aと、放電極主部7aから突出する先端部7bとから構成されている。放電極7の先端部7bは、放電極主部7a上に所定の間隔をあけて配置されており、放電極主部7a上の同じ位置から放射状に4つ設けられている。そして、本実施形態では、放電極7の先端部7bが、ガス通路6の上流側に傾斜している。
【0044】
このように、第6の実施形態に係る排ガス浄化装置によれば、以下の効果を奏する。
従来では放電極7の先端部7bにより排ガスの流れに乱れが生じ、放電極7の先端部7bの下流側に渦が発生するため、放電極7付近の排ガスの流れが減速され、グレーディエント力によって粒子状物質が放電極7に付着しやすかった。
これに対し本実施形態では、放電極7の先端部7bが、ガス通路6の上流側に傾斜しているため、放電極7の先端部7bによって生じる排ガスの乱れが従来に比べて小さくなり、排ガスの流れがスムーズとなる。これにより、グレーディエント力が作用しても、粒子状物質が放電極7に付着することなく、そのまま流れることになり、粒子状物質が放電極7に付着することを防止することができる。その結果、放電極7からの放電が安定することにより、粒子状物質に対する帯電能力を維持することができる。
【0045】
次に、図7を用いて、本発明の第7の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明する。図7は、本発明の第7の実施形態に係る排ガス浄化装置における集塵フィルタ装置の断面図である。
なお、前述した第1の実施形態で説明したものと同様の部材については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0046】
図7に示すように、碍子室9の上部において、碍子11には、碍子11の外周面を覆うように筒状プラス電極30が設けられている。また、碍子11の下端部11aには、プラス電極30の下端部30aと間隔をおいて円盤状マイナス電極31が設けられている。ここで、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31との間隔は、火花放電が発生しないような距離で設定されている。また、円盤状マイナス電極31の直径は、筒状の碍子11の直径よりも大きく形成されており、円盤状マイナス電極31の外周の端縁は、丸み形状で形成されている。
以上の構成により、本実施形態の排ガス浄化装置1では、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31との間でストリーマ放電32が発生するように構成されている。ここで、ストリーマ放電とは、電界で加速された電子が気体分子に衝突することにより次々に気体分子が電離し、その結果、プラズマ状態となるような放電のことをいう。
なお、本実施形態では、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31との間隔を適正な距離に設定することにより、新たな電源を設けることなく、放電極7に電圧を印加する高電圧発生装置8を使用することができる。
【0047】
このように、第7の実施形態に係る排ガス浄化装置1によれば、筒形状をなす外殻2と、外殻2の内側に配置され、集塵極3と集塵フィルタ層4とから構成されている集塵フィルタ装置5と、集塵フィルタ装置5の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路6と、外殻2内の中央部に配置されるとともに外殻2の軸方向に延在し、電圧が印加された際に集塵フィルタ装置5の集塵極3との間にイオン風を発生させる放電極7と、外殻2の上方に延びる碍子室9と、碍子室9の内部を通ってガス通路6まで延在し、放電極7を支持している放電極支持材10と、放電支持材10を覆うように配置されるとともに碍子室9の内部を上下方向に延在している碍子11とを備えている排ガス浄化装置1において、碍子11には、碍子11の表面を覆うように筒状プラス電極30が設けられ、碍子11の下端部11aには、筒状プラス電極30の下端部30aと間隔をおいて円盤状マイナス電極31が設けられ、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31との間で放電を発生させるように構成されているので、碍子11の表面に粒子状物質が付着した場合において、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31との間で発生するストリーマ放電32によって、粒子状物質を燃焼、消滅させることができる。これにより、外殻2と放電極支持材10との間の絶縁性が保たれることになり、放電極7に安定して定格な電圧を印加することができる。
また、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31との間隔を適正な距離に設定することにより、放電極7に電圧を印加する高電圧発生装置8を使用することができる。これにより、筒状プラス電極30と円盤状マイナス電極31とを設ける際に、新たに電源を設ける必要がない。
【0048】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0049】
第1の実施形態では、碍子室用放電極12が碍子室9の内側表面に向かって突出するように形成されているが、この形状に限らず、例えば、碍子室用放電極12をリング形状としてもよい。
【0050】
第4の実施形態では、ヒータ15と、ヒータ15を覆うように配置されている絶縁性材料16とから構成されている発熱装置を用いているが、絶縁性の材料とヒータが一体化されている装置、例えば、セラミックヒータを用いてもよい。
【0051】
第5の実施形態では、発熱体内蔵型碍子18を集塵フィルタ装置5の下流側に設けているが、集塵フィルタ装置5の中央部において切り欠け部を設けて、集塵フィルタ装置5を貫通するように発熱体内蔵型碍子18を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る排ガス浄化装置の断面図である。
【図8】従来の排ガス浄化装置の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 排ガス浄化装置
2 外殻
3 集塵極
4 集塵フィルタ層
5 集塵フィルタ装置
6 ガス通路
7 放電極
7a 放電極主部
7b 放電極の先端部
8 高電圧発生装置
9 碍子室
10 放電極支持材
11 碍子
12 碍子室用放電極
12a 碍子室用放電極の先端部
13 板状部材
14 切り欠け部
15 ヒータ
16 絶縁性材料
17 発熱装置
18 発熱体内蔵型碍子
30 筒状プラス電極
31 円盤状マイナス電極
32 ストリーマ放電

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延び、内部に碍子が配置されている碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材とを備えている排ガス浄化装置において、
前記碍子室の前記碍子の下方において、前記放電極支持材には、電圧を印加するための碍子室用放電極が設けられていることを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項2】
前記碍子室用放電極が、前記碍子室の内側表面に向かって突出する先端部を有しており、該先端部の端縁は丸み形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化装置。
【請求項3】
前記碍子室の内側表面には、前記放電極支持材に向かって突出する板状部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス浄化装置。
【請求項4】
筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延び、内部に碍子が配置されている碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材とを備えている排ガス浄化装置において、
前記外殻には、発熱体と、該発熱体を覆うように設けられた絶縁性材料とから構成されている発熱装置が前記碍子室への入口部を塞ぐように設けられており、前記発熱装置は、前記放電極支持材まで突出して前記放電極支持材を支持するように形成されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項5】
筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在する主部と該主部から突出する複数の先端部とから構成され、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極とを備えている排ガス浄化装置において、
前記外殻には、発熱体が内蔵された碍子が設けられており、前記碍子には、前記碍子の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材が設けられていることを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項6】
筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在する主部と該主部から突出する複数の先端部とから構成され、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極とを備えている排ガス浄化装置において、
前記放電極の先端部が、前記ガス通路の上流側に傾斜していることを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項7】
筒形状をなす外殻と、該外殻の内側に配置され、集塵極と集塵フィルタ層とから構成されている集塵フィルタ装置と、該集塵フィルタ装置の内側に設けられ、粒子状物質を含む排ガスの流路を形成するガス通路と、前記外殻内の中央部に配置されるとともに前記外殻の軸方向に延在し、電圧が印加された際に前記集塵フィルタ装置の前記集塵極との間にイオン風を発生させる放電極と、前記外殻の上方に延びる碍子室と、該碍子室の内部を通って前記ガス通路まで延在し、前記放電極を支持している放電極支持材と、該放電支持材を覆うように配置されるとともに前記碍子室の内部を上下方向に延在している碍子とを備えている排ガス浄化装置において、
前記碍子には、前記碍子の表面を覆うように筒状のプラス電極が設けられ、前記碍子の下端部には、前記プラス電極の下端部と間隔をおいて円盤状のマイナス電極が設けられ、前記プラス電極と前記マイナス電極との間で放電を発生させるように構成されていることを特徴とする排ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−142808(P2009−142808A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164347(P2008−164347)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(501370370)三菱重工環境エンジニアリング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】