説明

排気ガス処理装置

触媒コンバータ又はディーゼル微粒子トラップのような排気ガスの処理のための装置を提供する。本発明は、無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、任意的な粘土、及び任意的な膨張材料を含む、排気ガス処理装置のための装着マットである。排気ガス処理装置は、ハウジングと、ハウジング内に弾力的に装着された脆弱触媒支持構造体と、ハウジング及び脆弱触媒支持構造体間の間隙に配置された装着マットとを含む。更に、排気ガス処理装置のための装着マットを作る方法及び装着マットを組み込んだ排気ガス処理装置を作る方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
触媒コンバータ又はディーゼル微粒子トラップのような排気ガスの処理のための装置。装置は、装着マットによりハウジング内に装着された脆弱構造体を含み、装着マットは、ハウジングと脆弱構造体の間の間隙に配置される。
【背景技術】
【0002】
エンジン排気からの大気汚染物質を低減するために、排気ガス処理装置が自動車上で使用されている。広く用いられている排気ガス処理装置の例には、触媒コンバータとディーゼル微粒子トラップが含まれる。
自動車エンジンの排気ガスを処理するための触媒コンバータは、ハウジングと、一酸化炭素及び炭化水素の酸化及び窒素酸化物の還元を達成するのに使用される触媒を保持するための脆弱触媒支持構造体と、脆弱触媒支持構造体の外面とハウジングの内面の間に配置されて脆弱触媒支持構造体をハウジング内に弾力的に保持する装着マットとを含む。
ディーゼルエンジンによって発生される汚染物質を制御するためのディーゼル微粒子トラップは、一般的に、ハウジングと、ディーゼルエンジン排気から微粒子を回収するための脆弱微粒子フィルタ又はトラップと、フィルタ又はトラップの外面とハウジングの内面の間に配置されて脆弱フィルタ又はトラップをハウジング内に弾力的に保持する装着マットとを含む。
【0003】
脆弱構造体は、一般的に、脆弱な金属材料、又は酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、ジルコニア、コージライト、及び炭化珪素などのような脆いセラミック材料から製造されるモノリス構造体を含む。これらの材料は、複数のガス流チャンネルを備えた骨格型の構造体を提供する。これらのモノリス構造体は、小さな衝撃荷重又は応力でさえも多くの場合にそれらを亀裂割れ又は破砕するのに十分であるほど脆弱である可能性がある。熱及び機械的衝撃及び他の上述の応力から脆弱構造体を保護し、並びに熱絶縁及びガスシールを提供するために、脆弱構造体とハウジングの間の間隙内に装着マットが位置決めされる。
【0004】
使用される装着マット材料は、脆弱構造体の製造業者又は排気ガス処理装置の製造業者によって示されるいくつかの設計又は物理的要件のいずれをも満足することができるべきである。例えば、装着マット材料は、排気ガス処理装置が広い温度変動を受け、これが、脆弱構造体に対して金属ハウジングの有意な膨張及び収縮を引き起こし、これが、次に、ある一定の期間にわたって装着マットに対して有意な圧縮及び解放サイクルを引き起こす時でさえも、脆弱構造体に対して有効な残留保持圧力を作用することができるべきである。
【0005】
排気ガス処理装置に使用されるセラミック及び金属基板は、殆どの場合に無機繊維ベースの装着マットを備えた金属ハウジング内に装着される。この装着マット材料は、無機繊維のみを含有することができる。しかし、装着マット材料は、他のタイプの繊維、有機繊維、無機結合剤、及び膨張材料を含有することもできる。
装着マットは、基板を定位置に有効に保持するために広い作動温度範囲にわたって機能しなくてはならない。基板は、振動によって基板に作用する軸力を受ける。装着マットはまた、金属ハウジングが基板そのものよりも多く又は少なく膨張するという事実をも補償する。様々な排気ガス処理装置は、周囲条件20℃から約1200℃までの温度範囲にわたって作動する。従って、装着マットは、この広い温度範囲にわたって堅牢な保持圧力性能を提供しなくてはならない。
【0006】
より効率の良いエンジン設計又はディーゼル駆動車両の人気増大により、低温用途が益々普及するようになっているので、低温と高温の両方で良好に機能する装着マットに対する要望が増大している。
ディーゼル微粒子トラップ又はディーゼル触媒構造体のような低温排気ガス処理装置用途に関して、これらの装置は、高温触媒コンバータにもたらされる温度には達しないが、脆弱構造体の重量及び使用される荷重技術は、装着マットが有効残留最小保持圧力を有することを必要とする。これらの用途では、少なくとも約25kPaの装着マットのための一層高い最小剪断強度が達成されて、脆弱構造体が外れて損傷するのを防止することが好ましい。重い基板を有するそのような高いG荷重用途におけるこれらのマット製品の摩擦係数は、依然として使用中の条件において約0.45である。従って、このタイプの用途のための装着マットは、温度約300℃での1000サイクル試験後に少なくとも約50kPaの有効残留最小保持圧力を有するべきである。
【0007】
ターボ過給式直接噴射(TDI)ディーゼル駆動車両のような低温用途においては、排気温度は、典型的には約150℃であり、300℃を決して超えないと考えられる。この分野では、典型的な膨張マットで組み立てられた触媒コンバータが、予期せぬ高い振動数で損傷することが観察されている。
これらの損傷の1つの理由は、膨張材料、典型的にはバーミキュライト粒子が膨張するのに排気温度が低すぎることである。これは、膨張粒子を予め膨張させるために約500℃まで予熱されたコンバータにおいてさえも見出された。その後、低温用途に使用される時、これらのマットは、脆弱構造体に対して十分な圧力を提供することができず、従って、故障する。350℃よりも高い温度においては、膨張粒子は、膨張して脆弱構造体に対するマットの保持力を増大させる。
【0008】
可撓性は、装着マットに様々な有機結合剤を含浸させることにより達成される。しかし、劣化して保持力の損失を引き起こすマット製品における有機結合剤の存在により、排気ガス処理装置は、低温性能(<330℃)が低いという欠点があった。保持力の損失は、室温から約200℃までは緩やかである。しかし、保持力の損失は、約200℃から約250℃までは急激である。
【0009】
排気ガス処理装置のための装着マット材料の低温性能を改善する試みが、これまで行われてきた。そのような試みの1つは、有機結合剤が悪影響を有する温度範囲にわたって膨張する(すなわち、体積が増大する)装着マット中で膨張する粒子を含める段階を伴っている。不幸にして、そのような膨張粒子は、有機結合剤がマット性能に対してその悪影響を示す温度よりも遙かに高い温度で膨張し続ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6、953、757号
【特許文献2】米国特許第6、030、910号
【特許文献3】米国特許第6、025、288号
【特許文献4】米国特許第5、874、375号
【特許文献5】米国特許第5、585、312号
【特許文献6】米国特許第5、332、699号
【特許文献7】米国特許第5、714、421号
【特許文献8】米国特許第7、259、118号
【特許文献9】米国特許第7、153、796号
【特許文献10】米国特許第6、861、381号
【特許文献11】米国特許第5、955、389号
【特許文献12】米国特許第5、928、075号
【特許文献13】米国特許第5、821、183号
【特許文献14】米国特許第5、811、360号
【特許文献15】米国特許第5、384、188号
【特許文献16】米国特許第3、458、329号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
業界で必要とされるものは、容易に取り付けることができ、かつマット厚及び対応する保持圧力性能の有意な損失なしに広い流入ガス温度範囲にわたって機能することができる排気ガス処理装置のための可撓性装着マットである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む、排気ガス処理装置のための装着マットを提供する。
ある一定の例示的な実施形態によれば、排気ガス処理装置のための装着マットは、無機繊維、有機結合剤、粘土、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む。
ハウジングと、ハウジング内に弾力的に装着された脆弱触媒支持構造体と、ハウジングと脆弱構造体の間の間隙に配置されて無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む装着マットとを含む排気ガス処理装置も提供する。
ある一定の例示的な実施形態によれば、排気ガス処理装置は、ハウジングと、ハウジング内に弾力的に装着された脆弱触媒支持構造体と、ハウジングと脆弱構造体の間の間隙に配置されて無機繊維、有機結合剤、粘土、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む装着マットとを含む。
【0013】
更に、(a)排気ガスを処理するようになった脆弱構造体の一部分の周りに(1)無機繊維、(2)有機結合剤、(3)酸化防止剤、及び(4)任意的な膨張材料を含む装着マットを包む段階、及び(b)装着マットが脆弱構造体をハウジング内に弾力的に保持するように、包まれた脆弱構造体をハウジング内に配置する段階を含む、排気ガス処理装置を作る方法を提供する。
ある一定の例示的な実施形態によれば、排気ガス処理装置を作る方法は、(a)排気ガスを処理するようになった脆弱構造体の一部分の周りに(1)無機繊維、(2)有機結合剤、(3)粘土、(4)酸化防止剤、及び(5)任意的な膨張材料を含む装着マットを包む段階、及び(b)装着マットが脆弱構造体をハウジング内に弾力的に保持するように、包まれた脆弱構造体をハウジング内に配置する段階を含む。
【0014】
更に、排気ガス処理装置のための端部円錐体を提供し、これは、外側金属円錐体と、内側金属円錐体と、この外側及び内側金属端部円錐体間に配置されて無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む円錐絶縁体とを含む。
ある一定の例示的な実施形態によれば、排気ガス処理装置のための端部円錐体は、外側金属円錐体と、内側金属円錐体と、この外側及び内側金属端部円錐体間に配置されて無機繊維、有機結合剤、粘土、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む円錐絶縁体とを含む。
【0015】
更に、外側金属円錐体と、この外側金属端部円錐体の内面に隣接して配置された無機繊維、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む自己支持型円錐絶縁体とを含む、排気ガス処理装置のための端部円錐体を提供する。
ある一定の例示的な実施形態によれば、排気ガス処理装置のための端部円錐体は、外側金属円錐体と、この外側金属端部円錐体の内面に隣接して配置された無機繊維、粘土、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む自己支持型円錐絶縁体とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の装着マットを含む例示的な排気ガス処理装置の部分図である。
【図2】従来技術の装着マットと比較した本発明の膨張装着マットの相対膨張を温度(℃)の関数として表したグラフである。
【図3】従来技術の装着マットと比較した本発明の膨張装着マットの剪断強度を温度(℃)の関数として表したグラフである。
【図4】従来技術の装着マットと比較した本発明の膨張装着マットの相対膨張を温度(℃)の関数として表したグラフである。
【図5】従来技術の装着マットと比較した本発明の膨張装着マットの剪断強度を温度(℃)の関数として表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
排気ガス処理装置のための装着マットを開示する。装着マットは、耐熱性の無機繊維、有機結合剤、及び酸化防止剤から成る少なくとも1つの層又はシートを含む。ある一定の実施形態では、装着マットは、任意的に粘土及び/又は膨張材料を含むことができる。装着マットに酸化防止剤を含めることは、350℃及びこれよりも低い温度で起こるマットのネガティブな膨張を低減することが予期せずに見出されている。装着マットは、広い温度範囲にわたって改善された保持圧力性能を提供する。
【0018】
排気ガスを処理するための装置も提供する。装置は、外側金属ハウジングと、装着マットによりハウジング内に装着される少なくとも1つの脆弱構造体とを含み、装着マットは、ハウジングの内面と脆弱構造体の外面の間に配置される。「脆弱構造体」という用語は、本質的に脆弱又は壊れ易く、本明細書に説明するような装着マットから恩典を受けると考えられる金属又はセラミックモノリスなどのような構造体を意味し、かつそれを含むように意図している。
【0019】
触媒構造体は、一般的に、耐熱材によってハウジング内に装着された1つ又はそれよりも多くの多孔性管状又はハニカム状構造体を含む。各構造体は、排気処理装置のタイプに応じてどこでも1平方インチ当り約200から約900又はそれよりも多くのチャンネル又はセルを含む。ディーゼル微粒子トラップは、粒子トラップ内の各チャンネル又はセルが一端又は他端において閉鎖されているという点で触媒構造体とは異なる。粒子は、高温焼却処理によって再生されるまで多孔質構造体内で排気ガスから回収される。装着マットの自動車以外の用途には、化学工場放出(排気)煙突のための触媒コンバータを含むことができる。
【0020】
排気ガスを処理するための装置の一例示的形態を図1に参照符号10で示している。装着マットは、図1に示す装置内での使用に限定されるわけではなく、従って、この形状は、例示的な実施形態として示されているに過ぎない。事実、装着マットは、ディーゼル触媒構造体又はディーゼル微粒子トラップなどのような排気ガスを処理するのに適するあらゆる脆弱構造体を装着又は支持するために使用することができると考えられる。
【0021】
触媒コンバータ10は、フランジ16によって互いに保持された2片の金属、例えば、耐高温鋼から成るほぼ管状のハウジング12を含むことができる。代替的に、ハウジングは、予備成形されたキャニスタを含むことができ、その中に装着マットで包まれた脆弱構造体が挿入される。ハウジング12は、一端に入口14、及びその反対端に出口(図示せず)を含む。入口14と出口は、それらの外側端部において適切に形成され、それによってそれらを内燃機関の排気システム内の導管に固定することができる。装置10は、脆弱なセラミックモノリスのような脆弱構造体18を収容し、この脆弱構造体は、装着マット20によりハウジング12内で支持されかつ拘束される。モノリス18は、複数のガス透過通路を含み、これらのガス透過通路は、一端のその入口端表面からその反対端のその出口端表面まで軸線方向に延びている。モノリス18は、いずれかの適切な耐火金属又はセラミック材料でいずれかの公知の方式及び形状に作ることができる。モノリスは、断面形状が典型的には長円形又は円形であるが、他の形状も可能である。
【0022】
モノリスは、ある一定の距離又は間隙だけハウジングの内面から離間し、この距離又は間隙は、例えば、触媒コンバータ、ディーゼル触媒構造体、又はディーゼル微粒子トラップのような利用される装置のタイプ及び設計に応じて変わることになる。この間隙は、セラミックモノリス18に摩擦支持を提供する装着マット20で充填される。弾力性装着マット20は、外部環境に対する熱絶縁と脆弱構造体に対する機械的支持の両方を提供し、それによって広範囲の排気ガス処理装置作動温度にわたって脆弱構造体を機械的衝撃から保護する。
【0023】
一般的に、装着マットは、無機繊維、任意的な少なくとも1つのタイプの膨張材料、有機結合剤、粘土、及び酸化防止剤を含む。この装着マット20の組成は、広い温度範囲全体にわたって排気ガス処理装置10のハウジング12内で脆弱な触媒支持構造体18を弾力的に保持するための保持圧力機能を提供するのに十分である。
どの耐熱性無機繊維でも、それらが装着マット形成工程に耐えることができ、排気ガス処理装置の作動温度に耐えることができ、かつ作動温度において脆弱構造体を排気ガス処理装置のハウジング内で保持するための最小限の保持圧力性能を提供する限り、装着マットに利用することができる。装着マット及び排気ガス処理装置を作るために使用することができる適切な無機繊維としては、以下に限定されるものではないが、高アルミナ多結晶繊維、アルミノケイ酸塩繊維のような耐火セラミック繊維、アルミナ−マグネシア−シリカ繊維、カオリン繊維、カルシア−マグネシア−シリカ繊維及びマグネシア−シリカ繊維のようなアルカリ土類ケイ酸塩繊維、Sガラス繊維、S2ガラス繊維、Eガラス繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びその組合せが含まれる。
【0024】
ある一定の実施形態によれば、装着マットを作るために使用される耐熱性無機繊維としては、セラミック繊維が含まれる。適切なセラミック繊維としては、以下に限定されるものではないが、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、アルミナ−ジルコニア−シリカ繊維、ジルコニア−シリカ繊維、ジルコニア繊維、及びこれらと同様な繊維が含まれる。有用なアルミナ・シリカセラミック繊維は、「Unifrax I LLC」(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)から登録商標FIBERFRAXの名の下で市販されている。FIBERFRAXセラミック繊維は、約45から約75重量パーセントのアルミナと約25から約55重量パーセントのシリカの繊維化生成物を含む。FIBERFRAX繊維は、最高約1540℃までの作動温度及び最高約1870℃までの融点を有する。FIBERFRAX繊維は、高温に耐えるシート又は紙へと容易に形成される。
【0025】
アルミナ/シリカ繊維は、約40から約60重量パーセントのAl23と約60から約40重量パーセントのSiO2を含むことができる。この繊維は、約50重量パーセントのAl23と約50重量パーセントのSiO2を含むことができる。アルミナ/シリカ/マグネシアガラス繊維は、典型的には約64から約66重量パーセントのSiO2、約24から約25重量パーセントのAl23、及び約9から約10重量パーセントのMgOを含む。Eガラス繊維は、典型的には約52から約56重量パーセントのSiO2、約16から約25重量パーセントのCaO、約12から約16重量パーセントのAl23、約5から約10重量パーセントのB23、最大約5重量パーセントまでのMgO、最大約2重量パーセントまでの酸化ナトリウムと酸化カルシウム、及び微量の酸化鉄とフッ化物を含み、55重量パーセントのSiO2、15重量パーセントのAl23、7重量パーセントのB23、3重量パーセントのMgO、19重量パーセントのCaO、及び微量の上記物質から成る典型的な組成を有する。
【0026】
排気ガス処理装置のための装着マットを作るために使用することができる生体溶解性アルカリ土類ケイ酸塩繊維の適切な例としては、以下に限定されるものではないが、引用により本明細書に組み込まれている米国特許第6、953、757号、第6、030、910号、第6、025、288号、第5、874、375号、第5、585、312号、第5、332、699号、第5、714、421号、第7、259、118号、第7、153、796号、第6、861、381号、第5、955、389号、第5、928、075号、第5、821、183号、及び第5、811、360号に開示された繊維が含まれる。
【0027】
ある一定の実施形態によれば、生体溶解性アルカリ土類ケイ酸塩繊維は、マグネシウムの酸化物とシリカとの混合物の繊維化生成物を含むことができる。これらの繊維は、一般的に、マグネシウム−ケイ酸塩繊維と呼ばれている。マグネシウム−ケイ酸塩繊維には、一般的に、約60から約90重量パーセントのシリカ、0よりも大きい重量パーセントから約35重量パーセントのマグネシア、及び5重量パーセント又はそれ未満の不純物の繊維化生成物が含まれる。ある一定の実施形態によれば、熱処理されたアルカリ土類ケイ酸塩繊維には、約65から約86重量パーセントのシリカ、約14から約35重量パーセントのマグネシア、及び5重量パーセント又はそれ未満の不純物の繊維化生成物が含まれる。他の実施形態によれば、熱処理されたアルカリ土類ケイ酸塩繊維には、約70から約86重量パーセントのシリカ、約14から約30重量パーセントのマグネシア、及び5重量パーセント又はそれ未満の不純物の繊維化生成物が含まれる。適切なマグネシウム−ケイ酸塩繊維は、「Unifrax I LLC」(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)から登録商標ISOFRAXの名の下で市販されている。市販のISOFRAX繊維は、一般的に、約70から約80重量パーセントのシリカ、約18から約27重量パーセントマグネシア、及び4重量パーセント又はそれ未満の不純物の繊維化生成物が含まれる。
【0028】
ある一定の実施形態によれば、生体溶解性アルカリ土類ケイ酸塩繊維は、カルシウム及びマグネシウムの酸化物とシリカとの混合物の繊維化生成物を含むことができる。これらの繊維は、一般的に、カルシア−マグネシア−シリカ繊維と呼ばれている。ある一定の実施形態によれば、カルシア−マグネシア−ケイ酸塩繊維には、約45から約90重量パーセントのシリカ、0よりも大きい重量パーセントから約45重量パーセントまでのカルシア、0よりも大きい重量パーセントから約35重量パーセントまでのマグネシア、及び10重量パーセント又はそれ未満の不純物の繊維化生成物が含まれる。有用なカルシア−マグネシア−ケイ酸塩繊維は、「Unifrax I LLC」(ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)から登録商標INSULFRAXの名の下で市販されている。INSULFRAX繊維は、一般的に、約61から約67重量パーセントのシリカ、約27から約33重量パーセントカルシア、及び約2から約7重量パーセントのマグネシアの繊維化生成物が含まれる。他の適切なカルシア−マグネシア−ケイ酸塩繊維は、「SUPERWOOL 607」、「SUPERWOOL 607 MAX」、及び「SUPERWOOL HT」の商品名で「Thermal Seramics」(ジョージア州オーガスタ)から市販されている。「SUPERWOOL 607」繊維は、約60から約70重量パーセントのシリカ、約25から約35重量パーセントのカルシア、約4から約7重量パーセントのマグネシア、及び微量のアルミナを含む。「SUPERWOOL 607 MAX」繊維は、約60から約70重量パーセントのシリカ、約16から約22重量パーセントのカルシア、約12から約19重量パーセントのマグネシア、及び微量のアルミナを含む。「SUPERWOOL HT」繊維は、約74重量パーセントのシリカ、約24重量パーセントのカルシア、及び微量のマグネシア、アルミナ、及び酸化鉄を含む。
【0029】
排気ガス処理装置のための装着マットの製造において使用される適切なシリカ繊維には、商標BELCOTEXの商品名で「BelChem Fiber Materials GmbH」(ドイツ)から、登録商標REFRASILの商品名で「Hitco Carbon Composites、Inc.」(カルフォニア州ガーデナ)から、及びPS−23(R)の商品名で「Polotsk−Steklovolokno」(ベラルーシ共和国)から入手可能な溶脱済みガラス繊維が含まれる。
【0030】
BELCOTEX繊維は、標準タイプのステープル長繊維予備編み糸である。これらの繊維は、約550テックスの平均繊度を有し、また一般的にアルミナにより改質されたケイ酸から作られる。BELCOTEX繊維は、非結晶質であり、一般的に、約94.5のシリカ、約4.5パーセントのアルミナ、0.5パーセントよりも少ない酸化ナトリウム、及び0.5パーセントよりも少ない他の成分を含む。これらの繊維は、約9ミクロンの平均繊維径と1500から1550℃の範囲の融点とを有する。これらの繊維は、最高1100℃までの温度に対する耐熱性を有し、また典型的にはショット及び結合剤を含まない。
【0031】
REFRASIL繊維は、BELCOTEX繊維と同様に、1000から1100℃の温度範囲内で装置に熱絶縁を提供するためのシリカ含有量の高い非結晶質の溶脱済みガラス繊維である。これらの繊維は、直径が約6ミクロンと約13ミクロンの間であり、また約1700℃の融点を有する。これらの繊維は、溶脱後は典型的には約95重量パーセントのシリカ含有量を有する。アルミナは、約4重量パーセントの量だけ存在することができ、他の成分は、1パーセント又はこれよりも小さい量だけ存在する。
【0032】
「Polotsk−Steklovolokno」から入手可能なPS−23(R)繊維は、シリカ含有量の高い非結晶質の溶脱済みガラス繊維であり、少なくとも1000℃に対する耐熱を要する用途のための熱絶縁に適している。これらの繊維は、約5から約20mmの範囲の繊維長及び約9ミクロンの繊維径を有する。これらの繊維は、REFRASIL繊維と同様に、約1700℃の融点を有する。
【0033】
装着マットに組み込むことのできる膨張材料としては、以下に限定されるものではないが、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理したバーミキュライト、膨張グラファイト、加水黒雲母、水膨潤性フッ素四珪素雲母、アルカリ金属ケイ酸塩、又はそれらの混合物が含まれる。装着マットは、1つよりも多くのタイプの膨張材料の混合物を含むことができる。膨張材料は、米国特許第5、384、188号に記載されているように、未膨張バーミキュライトと膨張グラファイトの混合物をバーミキュライト:グラファイトが約9:1から約1:2の相対量になるように含むことができる。
【0034】
装着マットはまた、結合剤又は1つよりも多くのタイプの結合剤の混合物を含む。適切な結合剤としては、有機結合剤、無機結合剤、及びこれら2つのタイプの結合剤の混合物が含まれる。ある一定の実施形態によれば、膨張装着マットは、1つ又はそれよりも多くの有機結合剤を含む。有機結合剤は、固体、液体、溶液、分散剤、乳液、乳濁液、又はこれらと同様な形態で提供することができる。有機結合剤は、硬化後には取り付けられた装着マットから焼却することができる可撓性物質である熱可塑性又は熱硬化性結合剤を含むことができる。適切な有機結合剤の例としては、以下に限定されるものではないが、アクリル乳液、(メタ)アクリル乳液、スチレンとブタジエンのコポリマー、ビニルピリジン、アクリロニトリル、アクリロニトリルとスチレンのコポリマー、塩化ビニル、ポリウレタン、酢酸ビニルとエチレンのコポリマー、ポリイミド、及びシリコーンなどが含まれる。他の樹脂としては、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、及びポリビニルエステルのような低温可撓性の熱可塑性樹脂類が含まれる。
有機結合剤は、装着マットの全重量に対して、0よりも大きい重量パーセントから約20重量パーセントまで、約0.5重量パーセントから約15重量パーセントまで、約1重量パーセントから約10重量パーセントまで、及び約2重量パーセントから約8重量パーセントまでの量だけ装着マットに含めることができる。
【0035】
装着マットは、樹脂状又は液状結合剤の代わりに又はそのような結合剤に加えて、高分子バインダー繊維を含むことができる。これらの高分子バインダー繊維は、耐熱性無機繊維を互いに結合させる助けをするために、100重量パーセントの全組成に対して、0よりも大きい重量パーセントから約20重量パーセントまで、約1重量パーセントから約15重量パーセントまで、及び約2重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲の量だけ使用することができる。バインダー繊維の適切な例としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、エチルビニルアセテート繊維、ナイロン繊維、及びその組合せが含まれる。
【0036】
有機結合剤は、典型的には、初期に繊維を互いに結合させるために使用される犠牲的結合剤である。「犠牲的」という語により、金属ハウジング内で脆弱構造体を支持するための装着マットとして無機繊維、任意的な膨張材料、及び任意的な粘土のみを残して、有機結合剤が最終的には装着マットから焼却されることになることを意味している。
装着マットは、有機結合剤に加えて無機結合剤材料を含むこともできる。適切な無機結合剤材料としては、以下に限定されるものではないが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及びそれらの混合物のコロイド状分散剤が含まれる。
【0037】
ある一定の実施形態によれば、装着マットは、有効な量の粘土を含み、有機繊維の軟化と繊維の再配列によるマット全厚の減少及びこれに対応する低温性能損失を更に最小にする。以下に限定されるものではないが、粘土材料は、装着マットの全重量に対して約1から約10重量パーセントの量だけ膨張装着マット内に含めることができる。代替的に、粘土材料は、装着マットの全重量に対して約2から約8重量パーセントの量だけ又は約3から約5重量パーセントの量だけ装着マット内に含めることができる。膨張装着マット内に含めることのできる適切な粘土としては、以下に限定されるものではないが、アタパルジャイト、ボールクレイ、ベントナイト、ヘクトライト、カイヤナイト、カオリナイト、モンモリロナイト、パリゴロスカイト、サポナイト、セピオライト、シリマナイト、又はその組合せが含まれる。
【0038】
ある一定の実施形態によれば、装着マットは、有効な量のアタパルジャイト粘土を含む。適切なアタパルジャイト粘土は、「Wesil NS」の商品名でWesbondから、「Min−U−Gel 400P」の商品名で「ITC Industrials」(メリーランド州ハントヴァレイ)から、「PalyGel 325NA」の商品名で「MinTeck International」(インディアナ州ブルーミントン)から、及び「Super Gel B」の商品名で「Zemex Corporation」(ジョージア州アタパルガス)から市販されている。いかなる特定の理論にも束縛されることなく、アタパルジャイト粘土の細長い針状結晶構造は、排気ガス処理装置の作動中に熱に対する露出に応答して有機繊維の軟化が起こる時に、装着マット内に含まれた無機繊維の配列の変え方に影響を及ぼすことができると考えられる。
ある一定の実施形態によれば、粘土材料は、凝集材料及び/又はコロイド粒子材料を含むことができる。
【0039】
装着マットは、その中に含まれた有機繊維の酸化を遅らせるか又は遅延させるための有効な量の酸化防止剤をも含む。ある一定の実施形態によれば、酸化防止剤は、装着マット内にその全重量に対して約1から約10重量パーセントだけ含めることができる。酸化防止剤は、装着マットの全重量に対して約0.3から約5重量パーセント又は約0.5から約1.5重量パーセントの量だけ含めることができる。
【0040】
酸化防止剤の適切な例としては、1次酸化防止剤、2次酸化防止剤、多機能酸化防止剤、及びその組合せが含まれる。以下に限定されるものではないが、1次酸化防止剤の非限定的な例としては、立体障害フェノール樹脂類及び2次芳香性アミンが含まれる。適切な立体障害フェノール樹脂は、Wingstayの商品名でElikochem(フランス、ヴィルジュスト)から、「Agerite Resin」及びVanoxの商品名で「RT Vanderbilt」(コネチカット州ノーウォーク)から、及びIrganoxの商品名で「Ciba Specialty Chemicals」(ノースカロライナ州ハイポイント)から市販されている。
【0041】
2次酸化防止剤の適切な例としては、有機リン化合物が含まれ、これは、過酸化物及びヒドロ過酸化物を長期の熱化学劣化用途に極めて有効である安定な非ラジカル製品及びチオ相乗剤に分解する。
多機能酸化防止剤は、1次及び2次酸化防止剤の機能を1つの酸化防止化合物に最も望ましく結合している。
ある一定の実施形態によれば、束縛フェノールとチオ相乗酸化防止剤の配合物は、排気ガス処理装置のための装着マットのための酸化防止剤として使用することができる。
【0042】
酸化防止剤材料は、1次酸化防止剤又は1次及び2次酸化防止剤の混合物の分散剤又は乳剤の形態で提供することができる。適切な酸化防止分散剤は、Bostexの商品名で「Akron Dispersions」(オハイオ州アクロン)から、Aquanoxの商品名で「Aquaspersions」(英国ウエストヨークシャー)から、Octoliteの商品名で「Tiarco Chemical」(ジョージア州ダルトン)から、及びLowinx、Durad、及びAnoxの商品名で「Great Lakes Chemical Co.」(インディアナ州インディアナポリス)から市販されている。
【0043】
酸化防止分散剤の説明に役立つ例としては、50%「Wingstar L/DTDTDP」相乗剤(チオ相乗剤/2次酸化防止剤)である「Wingstar L」と「Bostex 362A」の分散剤である「Bostex 24」が含まれる。「Wingstar L」(「Bostex 362A」分散剤中に含まれた酸化防止剤)の熱劣化温度は、約300℃よりも高く、また自動点火温度は、約440℃である。従って、有機繊維が分解し始め、また装着マット内のバーミキュライトのような膨張材料が活性化して膨張し始めるのとほぼ同じ温度まで、酸化防止剤材料は、劣化又は燃焼し始めないことになる。
【0044】
特に適する酸化防止剤は、「Bostex 362A」の商品名で「Akron Dispersions」(オハイオ州アクロン)から市販されている。ある一定の例示的な実施形態によれば、酸化防止剤は、装着マットの残りの成分の添加の前に有機結合剤で事前錯体化される。
装着マットは、シート状材料を形成するための当業技術で公知のどの方法でも製造することができる。例えば、手によるものであれ機械によるものであれ従来の紙製造方法は、膨張シート材料を作るために使用することができる。ハンドシート型、長網抄紙機、又はロト形成紙機は、膨張シート材料を作るために使用することができる。
【0045】
例えば、製紙工程を使用して、無機繊維、膨張材料、及び酸化防止剤は、結合剤又は結合剤として作用することができる他の繊維と混合して、混合物又はスラリを形成することができる。各成分から成るスラリは、これに凝集剤を添加することにより凝集させることができる。凝集された混合物又はスラリは、製紙機械上に置かれて、1層又は1シートの繊維含有紙へと形成することができる。このシートは、空気乾燥又は炉乾燥により乾燥される。使用される標準的な製紙法のより詳細な説明については、その開示内容が引用により本明細書に組み込まれている米国特許第3、458、329号を参照されたい。
【0046】
代替的に、層又はシートは、スラリを真空成形することにより形成することができる。本方法によれば、各成分のスラリは、先行するウェブ上に湿った状態で置かれる。ウェブに真空が加えられてスラリから大部分の水分が抽出され、それによって濡れた状態のシートを形成する。湿った状態の層又はシートは、次に、典型的には炉内で乾燥される。このシートは、乾燥の前にこれを圧縮するために1組のローラ間を通過させることができる。
【0047】
他の実施形態では、繊維は、乾燥空気堆積法のような従来の手段により処理して装着マットにすることができる。この段階におけるマットは、非常に僅かな構造的一体性を有しており、従来の触媒コンバータ及びディーゼルトラップ装着マットと比べて非常に分厚い。従って、得られるマットは、当業技術で公知のようにドライニードル処理してマットの密度を高め、かつその強度を増大させることができる。
【0048】
乾燥空気堆積技術が使用される場合には、マットは、代替的に、含浸によりマットに結合剤を添加することによって処理し、不連続な繊維複合物を形成することができる。この技術では、結合剤は、従来の製紙法に関連して上述したようなマットプリプレグを形成するのではなく、マットの形成後に結合剤が添加される。マットを作るこの方法は、破断を低減することにより繊維の長さ維持を助ける。
マットに結合剤を含浸させる方法は、液状の結合剤システム内にマットを完全に漬けるか又はマットにスプレーする段階を含む。連続的方法では、ロールの形態で運ぶことができる繊維マットが繰り出されて、コンベヤ又はスクリム上でマットに対して結合剤を噴霧するスプレーノズルを通過させられる。代替的に、マットは、スプレーノズルを通って重力供給することができる。マット/結合剤プレプレグは、次に、圧縮ロール間を通過させられ、これらの圧縮ロールが、過剰な液体を除去し、かつプレプレグの密度を高めてほぼその望ましい厚みにする。密度を高められたプレプレグは、次に、炉内を通過させられて、全ての残留溶剤が除去され、かつ必要に応じて結合剤を部分的に硬化させて複合物を形成することができる。乾燥及び硬化温度は、主として使用される結合剤と溶剤(もし使用されているとすれば)に依存する。複合物は、次に、貯蔵又は運搬のために切断するか、又はロール状に巻くことができる。
【0049】
装着マットは、バッチ方式で作ることができ、この場合、1区画のマットを液状結合剤に浸漬し、プレプレグを除去また圧縮して過剰な液体を除去し、その後乾燥させて複合物を形成し、貯蔵するか又は所定のサイズに切断する。
装着マットは、ある一定の用途に容易に使用するためには密度が低すぎる場合のあることに注意されたい。従って、より高い密度を提供するために、それらの装着マットを当業技術で公知のいずれかの方法で更に高密度化することができる。そのような高密度化の1つの方法は、繊維をニードルパンチして、それらを撚り合わせかつ交絡させることである。これに加えて又はその代わりに、水圧交絡法を使用することができる。別の代替として、繊維を圧縮ローラ間で圧縮して、繊維をマット形状にすることである。マットを高密度化するこれらの方法のうちのいずれか又はこれらの方法の組合せは、正確かつ望ましい形態の装着マットを得るために容易に使用することができる。
【0050】
上記方法のうちのどれが使用されるかに関わらず、複合物は、ダイスタンプ法のような方法で切断し、正確な形状と再現可能な公差を有するサイズの装着マットを形成することができる。装着マット20は、ニードル法又はこれに類した方法による高密度化を施した時、適切な取扱い特性を示すが、これは、その装着マットが容易に取扱い可能であり、多くの他の繊維ブランケット又はマットのように人の手の中で破砕するほど脆くはないことを意味している。それは、破断することなく脆弱構造体18又はこれと同様な脆弱構造体の周りに容易かつ可撓的に装着又は包んで、次に、触媒コンバータハウジング12内に置くことができる。一般的に、装着マットによって包まれた脆弱構造体は、ハウジング内に挿入することができ、又は装着マットによって包まれた脆弱構造体の周りにハウジングを組み立てるか又は製造することができる。
【0051】
非膨張装着マットに関しては、この装着マットは、約0.3から約0.6g/cm3のマット間隙バルク密度、かつ約2パーセントのパーセント間隙膨張で約300℃の加熱面温度で行われた標準1000サイクル間隙膨張試験の1000機械サイクルを経た後に、少なくとも10kPa又は少なくとも50kPaの最小保持圧力を維持することができる。膨張装着マットに関しては、この装着マットは、約0.7から約1.25g/cm3のマット間隙バルク密度、かつ約2パーセントのパーセント間隙膨張で約300℃の加熱面温度で行われた標準1000サイクル間隙膨張試験の1000機械サイクルを経た後に、少なくとも10kPa又は少なくとも50kPaの最小保持圧力を維持することができる。この試験は、低温用途における高G荷重用途においてより重い基板を保持するのに使用される装着マットに対して特に適することが認められるであろう。そのような用途のための排気ガス処理装置としては、ディーゼル触媒構造体及びディーゼル微粒子トラップが含まれる。
【0052】
「サイクル」という用語は、モノリス(すなわち、脆弱構造体)とハウジングの間の間隙が、特定の距離にわたってかつ所定の割合で開閉することを意味している。現実的な条件を模擬するために、ハウジングと所定の直径の脆弱構造体との間の間隙の膨張は、例えば、900℃の温度での従来のハウジングの熱膨張係数を計算することによって判断することができる。次に、試験の基準を満たし、かつ1000サイクル後に約10kPaよりも大きな最小保持力(Pmin)をもたらすことになる最終的なマット坪量が選択される。目標は、最低のコストで十分な支持を提供することであるので、約10kPaよりも大きな必要量を満たす最小坪量を選択することができる。
【0053】
作動時に、装置は、有意な温度の変化を受ける。それらの熱膨張係数における差異により、ハウジングは、支持構造体18よりも大きく膨張することがあるので、これらの要素間の間隙は、僅かに増大することになる。典型的な場合には、間隙は、コンバータの熱サイクル中に約0.25から約0.5mm程度だけ膨張かつ収縮する場合がある。装着マットの厚み及び装着密度は、全条件下で少なくとも約10kPaの最小保持圧力が維持されて、脆弱構造体が振動によって緩むのを防止するように選択される。これらの条件下で装着マット20によって作用する装着圧力は、構成要素の物理的一体性を弱めることなく、アセンブリの熱特性の調整を可能にする。
【0054】
実験
以下の実施例は、装着マットと排気ガス処理装置を単に更に例示するために示すものである。これらの例示的な実施例は、装着マット、装着マットを組み込んだ排気ガス処理装置、又は装着マット又は排気ガス処理装置をいずれかの方式で作る方法を制限するものとして解釈すべきではない。
【0055】
相対膨張
装着マットの相対膨張が、単サイクル試験において評価された。実施例1は、47.5重量パーセントのFiberfrax耐火セラミック繊維、45重量パーセントの膨張バーミキュライト、6.5重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、及び1重量パーセントのベントナイト粘土を含む装着マットを表している。
実施例2は、47.5重量パーセントのFiberfrax耐火セラミック繊維、45重量パーセントの膨張バーミキュライト、5.9重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、0.65重量パーセントの酸化防止剤(Bostex 362A)、及び1重量パーセントのベントナイト粘土(Volclay)を含む装着マットを表している。
【0056】
実施例3は、48.5重量パーセントのFiberfrax耐火セラミック繊維、45重量パーセントの膨張バーミキュライト、5.9重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、及び0.65重量パーセントの酸化防止剤(Bostex 362A)を含む装着マットを表している。
実施例4は、47.5重量パーセントのFiberfrax耐火セラミック繊維、45重量パーセントの膨張バーミキュライト、5.9重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、0.65重量パーセントの酸化防止剤(Bostex 362A)、及び1重量パーセントのアタパルジャイト粘土(Wesil)を含む装着マットを表している。
【0057】
実施例1から実施例4のマットは、2つの水晶ラムの間に位置決めされた。装着マットは、それらに対して約50psiの一定荷重を加えることにより圧縮された。マットは、次に、室温で約5分間弛緩させられた。次に、マットが850℃まで加熱された時(15℃/分)、各マットの厚みが測定された。単サイクル膨張試験の結果は、図2に示されている。
図2に示すグラフは、膨張装着マットの相対膨張を温度の関数として示している。結果は、結合剤の軟化に応答して、200℃付近で有機結合剤を含有する膨張装着マットの初期のネガティブな膨張があることを示している。いかなる特定の理論にも束縛されることなく、有機結合剤の軟化は、装着マットに存在する無機繊維の再配列を可能にすると思われる。
【0058】
繊維、膨張材料、有機結合剤、及びベントナイト粘土を含有する膨張装着マットである実施例1は、100℃から約400℃までネガティブな膨張を示し、有機結合剤の酸化により約275℃から300℃までネガティブな膨張が急激に増大する。
繊維、膨張材料、有機結合剤、酸化防止剤、及び粘土を含有する膨張装着マットである実施例2及び実施例4は、実施例1と比べて100℃から約400℃までの温度範囲内で改善されたネガティブな膨張を示している。
【0059】
繊維、膨張材料、有機結合剤、及び酸化防止剤を含有し、粘土は含有しない膨張装着マットである実施例3は、ベントナイト粘土を含有して酸化防止剤は含有しない装着マットと比べて100℃から約400℃までの温度範囲内で改善されたネガティブな膨張を示している。実施例3の装着マットはまた、酸化防止剤と粘土を含有する膨張装着マットで示すネガティブな膨張と同様なネガティブな膨張を示している。従って、膨張装着マットに酸化防止剤のみを含めることは、最高約400℃までの低温用途のためのネガティブな膨張を改善することを証明している。
【0060】
実施例5は、67.5重量パーセントのISOFRAXマグネシア−ケイ酸塩繊維、20重量パーセントの膨張バーミキュライト、10重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、及び2.5重量パーセントのベントナイト粘土(Volclay)を含む装着マットを表している。
実施例6は、67.5重量パーセントのISOFRAXマグネシア−ケイ酸塩繊維、20重量パーセントの膨張バーミキュライト、9.5重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、0.5重量パーセントの酸化防止剤(Bostex 362A)、及び2.5重量パーセントのベントナイト粘土(Volclay)を含む装着マットを表している。
実施例7は、65重量パーセントのISOFRAXマグネシア−ケイ酸塩繊維、20重量パーセントの膨張バーミキュライト、9.5重量パーセントの「Hycar 26083」アクリルラテックス、0.5重量パーセントの酸化防止剤(Bostex 362A)、及び5重量パーセントのアタパルジャイト粘土(Wesil)を含む装着マットを表している。
【0061】
実施例5から実施例7のマットは、2つの水晶ラムの間に位置決めされた。これらの装着マットは、それらに対して約50psiの一定荷重を加えることにより圧縮された。マットは、次に、室温で約5分間弛緩させられた。次に、マットが850℃まで加熱された時(15℃/分)、各マットの厚みが測定された。単サイクル膨張試験の結果は、図4に示されている。
図4に示すグラフは、膨張装着マットの相対膨張を温度の関数として示している。それらの結果は、結合剤の軟化に応答して、200℃付近で有機結合剤を含有する膨張装着マットの初期のネガティブな膨張が存在することを示している。いかなる特定の理論にも束縛されることなく、有機結合剤の軟化は、装着マットに存在する無機繊維の再配列を可能にすると思われる。
【0062】
繊維、膨張材料、及び有機結合剤は含有するが、粘土も酸化防止剤も含有しない膨張装着マットである実施例5は、200℃から約300℃まで更なるネガティブな膨張を示し続け、有機結合剤の酸化により約275℃から300℃までネガティブな膨張が急激に増大する。
繊維、膨張材料、有機結合剤、及び0.5重量パーセントの酸化防止剤を含有する膨張装着マットである実施例6は、200℃から約400℃までの温度範囲内で改善されたネガティブな膨張を示している。
【0063】
繊維、膨張材料、有機結合剤、5重量パーセントの粘土、及び0.5重量パーセントの酸化防止剤を含有する膨張装着マットである実施例7は、粘土も酸化防止剤も含有しない膨張装着マット又は0.5重量パーセントの酸化防止剤を含有するマットと比べて最も改善されたネガティブな膨張を示している。従って、膨張装着マットに粘土と酸化防止剤を含めることは、最高約400℃までの低温用途のためのネガティブな膨張を改善することを明らかにしている。
【0064】
剪断強度
粘土のみを含有する膨張装着マット、酸化防止剤のみを含有する膨張装着マット、又は粘土と共に酸化防止剤を含有する膨張装着マットの周囲温度から約500℃までの範囲にわたる剪断強度が評価され、これらの添加物のない膨張装着マットと比較された。
固定具内で膨張装着マットサンプルに対して一定の荷重が加えられた。剪断歪み(すなわち、材料内の撓み量)が、温度の関数として測定された。剪断強度試験の結果は、図5に示されている。これらの結果は、酸化防止剤を含有しない装着マットと比べて、酸化防止剤の使用が、剪断歪みに対する全抵抗の増大へと誘導することを示している。酸化防止剤のみを含有するが粘土は含有しない装着マットを表している実施例3は、粘土は含有するが酸化防止剤は含有しない装着マット(実施例1)又はアタパルジャイト又はベントナイト粘土と酸化防止剤の組合せを含有する装着マット(実施例2及び実施例4)よりも大きな剪断歪み抵抗を示している。
【0065】
剪断強度試験の更に別の結果は、図5に示されている。これらの結果は、酸化防止剤と粘土の組合せの使用が、酸化防止剤を含有しない装着マットと比べて剪断歪みに対する全抵抗の増大へと誘導することを示している。
これらのマットは、触媒コンバータ及びディーゼル微粒子トラップ業界に対して有利である。装着マットは、型抜きすることができ、取扱い容易な薄い形状かつ可撓性の形態で弾力的な支持体として働くことができるので、必要に応じて、亀裂なしに触媒支持構造体全体を包むことができる。代替的に、この装着マットは、触媒支持構造体の少なくとも一部分の円周又は周囲全体の周りを一体的に包むことができる。装着マットはまた、部分的に包むことができ、かつ必要に応じて従来の一部のコンバータ装置において現在使用されているような端部シールを含んでガスバイパスを防止することができる。
【0066】
上述の装着マットは、とりわけ、オートバイ及び他の小形エンジン機械のための従来の自動車触媒コンバータ、及び自動車プレコンバータ、並びに高温スペーサ、ガスケット、及び更に将来世代の自動車車体底面触媒コンバータシステムのような様々な用途にも有用である。一般的に、それらは、室温で保持圧力を作用し、更に重要なことに熱サイクル中を含む高温で保持圧力を維持する機能をもたらすマット又はガスケットを必要とするあらゆる用途において使用することができる。
【0067】
装着マット材料は、排気ガス処理装置に端部円錐絶縁体として使用することができる。ある一定の実施形態により、排気ガス処理装置のための端部円錐体を提供する。端部円錐体は、一般的に、外側金属円錐体と、内側金属円錐体と、外側及び内側金属端部円錐体間の間隙又は空間に配置された端部円錐絶縁体とを含む。
他の実施形態によれば、端部円錐体は、外側金属円錐体と、外側金属円錐体の内面に隣接して位置決めされた少なくとも1層の円錐絶縁体とを含むことができる。これらの実施形態によれば、端部円錐体アセンブリには、内側金属円錐体は設けられない。そうではなく、円錐絶縁体は、装置を通って流れる高温ガスに耐える自己支持型円錐体構造をもたらすために何らかの方式で剛体化される。
【0068】
少なくとも1つの端部円錐体を含む排気ガス処理装置を提供する。排気ガス処理装置は、ハウジングと、ハウジング内に位置決めされた脆弱構造体と、各アセンブリが内側端部円錐体ハウジングと外側端部円錐体ハウジングを含む、排気管をハウジングに取り付けるための入口及び出口端部円錐体アセンブリと、熱処理された生体溶解性繊維、及び内側及び外側円錐体ハウジング間に位置決めされた任意的な膨張材料を含む端部円錐絶縁体とを含む。
上述の装着マットは、保護装着する必要がある脆弱なハニカム状構造体を収容するものを含む排気又は放出煙突内に位置する化学業界で使用される触媒コンバータにも使用することができる。
装着マット材料は、受動防火物として又は防火材料として使用することができる。装着マットは、燃料電池内の発熱要素を包むために使用することもできる。
【0069】
装着マットと排気ガス処理装置を様々な例示的実施形態に即して説明したが、他の同様な実施形態を使用すること、又は上述の実施形態から逸脱することなく本明細書の開示と同じ機能を果たすために本明細書に上述した実施形態に対して変更及び追加を行うことができることは理解されるものとする。上述の実施形態は、様々な実施形態を組み合わせて望ましい特性を提供することができるので、必ずしも択一的なものではない。従って、装着マットと排気ガス処理装置は、いずれか1つの実施形態に限定すべきではなく、むしろ特許請求の範囲の記載に従う幅と範囲において解釈すべきである。
【符号の説明】
【0070】
10 触媒コンバータ
12 ハウジング
18 脆弱構造体
20 装着マット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス処理装置のための装着マットであって、
無機繊維と、
有機結合剤と、
酸化防止剤と、
任意的な膨張材料と、
を含むことを特徴とするマット。
【請求項2】
前記無機繊維は、高アルミナ多結晶繊維、セラミック繊維、ムライト繊維、ガラス繊維、生体溶解性繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装着マット。
【請求項3】
前記高アルミナ多結晶繊維は、約72から約100重量パーセントのアルミナと約0から約28重量パーセントのシリカとの繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項2に記載の装着マット。
【請求項4】
前記セラミック繊維は、約45から約72重量パーセントのアルミナと約28から約55重量パーセントのシリカとの繊維化生成物を含むアルミノケイ酸塩繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載の装着マット。
【請求項5】
前記生体溶解性繊維は、約65から約86重量パーセントのシリカと、約14から約35重量パーセントのマグネシアと、約5重量パーセント又はそれ未満の不純物との繊維化生成物を含むマグネシア−シリカ繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載の装着マット。
【請求項6】
前記マグネシア−シリカ繊維は、約70から約86重量パーセントのシリカと、約14から約30重量パーセントのマグネシアと、約5重量パーセント又はそれ未満の不純物との繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項5に記載の装着マット。
【請求項7】
前記マグネシア−シリカ繊維は、約70から約80重量パーセントのシリカと、約18から約27重量パーセントのマグネシアと、0から4重量パーセントの不純物との繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項6に記載の装着マット。
【請求項8】
前記生体溶解性繊維は、約45から約90重量パーセントのシリカと、0よりの大きい重量パーセントから約45重量パーセントのカルシアと、0よりも大きい重量パーセントから約35重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むカルシア−マグネシア−シリカ繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載の装着マット。
【請求項9】
前記カルシア−マグネシア−シリカ繊維は、約60から約70重量パーセントのシリカと、約16から約35重量パーセントのカルシアと、約4から約19重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項8に記載の装着マット。
【請求項10】
前記カルシア−マグネシア−シリカ繊維は、約61から約67重量パーセントのシリカと、約27から約33重量パーセントのカルシアと、約2から約7重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項9に記載の装着マット。
【請求項11】
前記膨張材料は、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張グラファイト、加水黒雲母、水膨潤性フッ素四珪素雲母、アルカリ金属ケイ酸塩、又はそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装着マット。
【請求項12】
前記膨張材料は、未膨張バーミキュライトを含むことを特徴とする請求項11に記載の装着マット。
【請求項13】
前記酸化防止剤は、1次酸化防止剤、2次酸化防止剤、多機能酸化防止剤、及びその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装着マット。
【請求項14】
前記無機繊維は、マグネシア−シリカ繊維を含み、
前記膨張材料は、バーミキュライトを含み、
前記酸化防止剤は、1次及び2次酸化防止剤の配合物を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装着マット。
【請求項15】
約25から約100重量パーセントのマグネシア−シリカ繊維、約1から約30重量パーセントのバーミキュライト、及び約0.1から約10の前記酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項14に記載の装着マット。
【請求項16】
粘土を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装着マット。
【請求項17】
前記粘土は、アタパルジャイト、ボールクレイ、ベントナイト、ヘクトライト、カイヤナイト、カオリナイト、モンモリロナイト、パリゴロスカイト、サポナイト、セピオライト、シリマナイト、又はその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の装着マット。
【請求項18】
前記粘土は、アタパルジャイト粘土を含むことを特徴とする請求項17に記載の装着マット。
【請求項19】
ハウジングと、
前記ハウジング内に弾力的に装着された脆弱構造体と、
前記ハウジングと前記脆弱構造体の間の間隙に配置され、無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む装着マットと、
を含むことを特徴とする排気ガス処理装置。
【請求項20】
前記無機繊維は、高アルミナ多結晶繊維、ムライト繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、生体溶解性繊維、石英繊維、シリカ繊維、及びその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項21】
前記高アルミナ多結晶繊維は、約72から約100重量パーセントのアルミナと約0から約28重量パーセントのシリカとの繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項22】
前記セラミック繊維は、約45から約75重量パーセントのアルミナと約25から約55重量パーセントのシリカとの繊維化生成物を含むアルミノケイ酸塩繊維を含むことを特徴とする請求項20に記載の排気ガス処理装置。
【請求項23】
前記生体溶解性繊維は、約65から約86重量パーセントのシリカと、約14から約35重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むマグネシア−シリカ繊維を含むことを特徴とする請求項20に記載の排気ガス処理装置。
【請求項24】
前記マグネシア−シリカ繊維は、約70から約86重量パーセントのシリカと、約14から約30重量パーセントのマグネシアと、約5重量パーセント又はそれ未満の不純物との繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項23に記載の排気ガス処理装置。
【請求項25】
前記マグネシア−シリカ繊維は、約70から約80重量パーセントのシリカと、約18から約27重量パーセントのマグネシアと、0から4重量パーセントの不純物との繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項24に記載の排気ガス処理装置。
【請求項26】
前記生体溶解性繊維は、約45から約90重量パーセントのシリカと、0よりの大きい重量パーセントから約45重量パーセントのカルシアと、0よりも大きい重量パーセントから約35重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むカルシア−マグネシア−シリカ繊維を含むことを特徴とする請求項20に記載の排気ガス処理装置。
【請求項27】
前記カルシア−マグネシア−シリカ繊維は、約60から約70重量パーセントのシリカと、約16から約35重量パーセントのカルシアと、約4から約19重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項26に記載の排気ガス処理装置。
【請求項28】
前記カルシア−マグネシア−シリカ繊維は、約61から約67重量パーセントのシリカと、約27から約33重量パーセントのカルシアと、約2から約7重量パーセントのマグネシアとの繊維化生成物を含むことを特徴とする請求項27に記載の排気ガス処理装置。
【請求項29】
前記膨張材料は、未膨張バーミキュライト、イオン交換バーミキュライト、熱処理バーミキュライト、膨張グラファイト、加水黒雲母、水膨潤性フッ素四珪素雲母、アルカリ金属ケイ酸塩、又はそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項30】
前記膨張材料は、未膨張バーミキュライトを含むことを特徴とする請求項29に記載の排気ガス処理装置。
【請求項31】
前記酸化防止剤は、1次酸化防止剤、2次酸化防止剤、多機能酸化防止剤、及びその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項32】
前記無機繊維は、マグネシア−シリカ繊維を含み、
前記膨張材料は、バーミキュライトを含み、
前記酸化防止剤は、1次及び2次酸化防止剤の配合物を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項33】
前記装着マットは、約25から約100重量パーセントのマグネシア−シリカ繊維、約1から約30重量パーセントのバーミキュライト、及び約0.1から約10の前記酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項32に記載の排気ガス処理装置。
【請求項34】
前記装着マットは、粘土を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項35】
前記粘土は、アタパルジャイト、ボールクレイ、ベントナイト、ヘクトライト、カイヤナイト、カオリナイト、モンモリロナイト、パリゴロスカイト、サポナイト、セピオライト、シリマナイト、又はその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項34に記載の排気ガス処理装置。
【請求項36】
前記粘土は、アタパルジャイト粘土を含むことを特徴とする請求項35に記載の排気ガス処理装置。
【請求項37】
前記無機繊維は、マグネシア−シリカ繊維を含み、
前記膨張材料は、バーミキュライトを含み、
前記粘土は、アタパルジャイト粘土を含み、
前記酸化防止剤は、チオ相乗剤と2次酸化防止剤の配合物を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項38】
前記装着マットは、約25から約100重量パーセントのマグネシア−シリカ繊維、約1から約30重量パーセントのバーミキュライト、約1から約10重量パーセントのアタパルジャイト粘土、及び約0.1から約10重量パーセントの前記酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項37に記載の排気ガス処理装置。
【請求項39】
触媒コンバータ又はディーゼル微粒子トラップであることを特徴とする請求項19に記載の排気ガス処理装置。
【請求項40】
排気ガス処理装置のための端部円錐体であって、
外側金属円錐体と、
内側金属円錐体と、
前記外側及び内側金属端部円錐体間に配置され、無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む円錐絶縁体と、
を含むことを特徴とする端部円錐体。
【請求項41】
前記円錐絶縁体は、粘土を更に含むことを特徴とする請求項40に記載の排気ガス処理装置のための端部円錐体。
【請求項42】
排気ガス処理装置のための端部円錐体であって、
外側金属円錐体と、
前記外側金属端部円錐体の内面に隣接して配置され、無機繊維、有機結合剤、酸化防止剤、及び任意的な膨張材料を含む自己支持型円錐絶縁体と、
を含むことを特徴とする端部円錐体。
【請求項43】
前記自己支持型端部円錐絶縁体は、粘土を更に含むことを特徴とする請求項42に記載の排気ガス処理装置のための端部円錐体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−538205(P2010−538205A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522964(P2010−522964)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/010242
【国際公開番号】WO2009/032191
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500421462)ユニフラックス ワン リミテッド ライアビリティ カンパニー (19)
【Fターム(参考)】