説明

排気装置

【課題】フード内に排出・吸入される気流の流れが乱れず、また、騒音を効率よく吸収することができ、吸音体の交換を簡単に行なうことができるようにする。
【解決手段】本発明における排気装置は、ガスヒートポンプの室外機1の吸気口11に設置されるフードHと、室外機1の外壁面12にフードHの吹出口24と対向し、フードHから所定長離間した位置に配置される吸音体3とを備えている。
吸音体3は、フード本体2の吹出口24と対向する位置にフード本体2から所定長離間した位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気装置に係り、特に、エアーコンディショナー(以下「エアコン」という。)等の吸気口や排気口から発生する騒音を効率よく吸収することができる排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物に設置されるエアコンにおいては、エアコンのコンプレッサーから発生する騒音や建物等の外壁面等に取り付けられたフードの吹出口から吐出される流体の風切り音の低減化が望まれている。
【0003】
このため、従来の排気装置においては、フードの内面側に吸音材を貼り付けた防音フードを使用することで騒音の低減化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、このような騒音低減機能を有する排気装置においては、次のような難点があった。
【0005】
第1に、フードの内面に通常の吸音材、すなわちグラスウールやガラスクロス等から成る吸音材を貼り付けただけでは、100〜200Hz程度の低周波領域の騒音を効率よく吸収することができない。
【0006】
第2に、防音フード内を流れる熱を帯びた排気や排気等に含まれる水蒸気、オイルミスト等により吸音材が経年劣化し、吸音効果が低減する。
【0007】
第3に、吸音材への塵埃等の付着や、吸音材の経年劣化による形態の変化により、排気の流れが乱れる。
【0008】
第4に、フードの内面に吸音材を貼り付けた構成の排気装置では、経年劣化した吸音材の交換が煩雑になる。
【0009】
【特許文献1】特開平6−2912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、フード内に排出・吸入される気流の流れが乱れず、また、特に200Hz程度以下の低周波領域の騒音を効率よく吸収することができ、さらに、経年劣化した吸音体の交換を簡単に行なうことができる排気装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様である排気装置は、流体の流路を形成するフードと、フードの吹出口と対向する位置にフードと離間して配置される吸音体とを備えるものである。
【0012】
本発明の第2の態様である排気装置は、流体の流路を形成するフードと、フードの吹出口と対向する位置にフードと離間して配置される吸音体とを備え、フードの内面には他の吸音体が積層されているものである。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様である排気装置において、吸音体および/または他の吸音体は、低周波吸音材を備えるものである。
【0014】
本発明の第4の態様は、第3の態様である排気装置において、低周波吸音材は、ゴムから成る膜と、膜の音源側と反対側の面に積層される多孔質体層とを備えるものである。
【0015】
本発明の第5の態様は、第3の態様である排気装置において、低周波吸音材は、ゴムから成る膜と、膜の音源側と反対側の面に積層される多孔質体層と、膜の音源側の面に積層される他の多孔質体層とを備えるものである。
【0016】
本発明の第6の態様は、第4の態様または第5の態様である排気装置において、ゴムは、シリコーンゴムから成るものである。
【0017】
本発明の第7の態様は、第4の態様乃至第6の態様の何れかの態様である排気装置において、膜の燃焼発熱量は、8MJ/m以下とされているものである。
【0018】
本発明の第8の態様は、第4の態様乃至第7の態様の何れかの態様である排気装置において、膜の燃焼発熱速度は、[200kW/m]・10sec以下とされているものである。
【0019】
本発明の第9の態様は、第4の態様または第5の態様である排気装置において、ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、ポリオレフィンのうちから選択された何れかのゴムから成るものである。
【0020】
本発明の第10の態様は、第4の態様乃至第9の態様の何れかの態様である排気装置において、膜は、無機化合物を含むものである。
【0021】
本発明の第11の態様は、第10の態様である排気装置において、無機化合物は、Si、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物またはSi、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物の混合物から成るものである。
【0022】
本発明の第12の態様は、第4の態様乃至第11の態様の何れかの態様である排気装置において、多孔質体層は、難燃性を有する材料で形成されているものである。
【0023】
本発明の第13の態様は、第4の態様乃至第12の態様の何れかの態様である排気装置において、多孔質体層は、グラスウール、ロックウールの何れかまたはこれらの混合物から成るものである。
【0024】
本発明の第14の態様は、第4の態様乃至第13の態様の何れかの態様である排気装置において、膜は多孔質体層と一体化しているものである。
【0025】
本発明の第15の態様は、第5の態様乃至第13の態様の何れかの態様である排気装置において、膜は、多孔質体層および他の多孔質体層のうち何れか一方と一体化しているものである。
【0026】
本発明の第16の態様は、第14の態様または第15の態様である排気装置において、膜は、接着により多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
【0027】
本発明の第17の態様は、第14の態様または第15の態様である排気装置において、膜は、熱融着により多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
【0028】
本発明の第18の態様は、第14の態様または第15の態様である排気装置において、膜は、シリコーングラフト反応により多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
【0029】
本発明の第19の態様は、第14の態様または第15の態様である排気装置において、膜は、膜の一部が多孔質体層および/または他の多孔質体層の孔部に入り込むことで多孔質体層および/または他の多孔質体層と一体化しているものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明の第1の態様乃至第19の態様の排気装置によれば、次のような効果がある。
【0031】
第1に、フードの内面に吸音体を貼り付けなくても、騒音を効率よく吸収することができ、ひいてはフード内に排出・吸入される気流の流れが乱されるおそれのない騒音低減機能を有する排気装置を提供することができる。
【0032】
第2に、吸音体がフードの内面に貼り付けられておらず、かつフードとは別体で構成された吸音体をフードの近傍に取替自在に配設することができることから、吸音体が経年劣化した場合、これを簡単に交換することができる。
【0033】
第3に、吸音体として、低周波吸音材を使用した場合においては、100〜200Hz程度の低周波領域の騒音を効率よく吸収することができる。
【0034】
第4に、吸音体としての低周波吸音材自身に建築基準法における難燃の規格に適合する難燃性が付与されているので、当該低周波吸音材を難燃性が必要とされる場所に配設することができる。
【0035】
第5に、吸音体としての低周波吸音材においては、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤や鉛系化合物が使用されていないので、燃焼時に有毒ガスが発生する虞がなく、環境保全対策を施した排気装置を提供することができる。
【0036】
第6に、膜の両面に多孔質体層を備えた吸音体としての低周波吸音材によれば、200Hz以下の低周波領域のみならず200Hzを超える高周波領域の騒音を効率よく吸収することができる。
【0037】
第7に、膜が多孔質体層と一体化された吸音体としての低周波吸音材によれば、製品形態の自由度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の排気装置を適用した好ましい実施の形態例について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明における排気装置をガスヒートポンプ(GHP)の室外機に適用した好ましい実施の形態例を示す説明図である。
【0039】
同図において、本発明における排気装置は、ガスヒートポンプ(不図示)の室外機1の吸気口11に設置されるフードHと、室外機1の外壁面12にフードHの吹出口(後述)24と対向し、フードHから所定長離間した位置に配置される吸音体3とを備えている。なお、図中、符号12は排気口を示している。
【0040】
フードHは、排気等の流体の流路を形成するフード本体2を備えており、当該フード本体2は騒音を室外機1の外壁面12の下方部側(床面側)に集音することができるようなもので構成されている。具体的には、円弧状の湾曲面を有する屋根部材21と、屋根部材21の両側縁に対向するように連設された一対の側壁部材22a、22bとを備えることで、フード本体2の側面側(室外機1の吸気口11と対向する側)に開放部23が、下部側(床面(後述)4と対向する側)に吹出口24が形成されている。
【0041】
また、フード本体2は、騒音をフード本体2の外側に透過させないような材料で形成されている。具体的には、屋根部材21および一対の側壁部材22a、22bは、厚さが1.6mm以上の鉄板、若しくは当該鉄板と同等の面密度を持つ剛体、例えば厚さが5mm程度のアルミニュウム板で形成されている。なお、屋根部材21および一対の側壁部材22a、22bは一体物で形成されている。
【0042】
吸音体3は、板状の部材で構成されており、フード本体2の吹出口24と対向する位置にフード本体2から所定長離間した位置に配置されている。具体的には、フード本体2の下端部(吹出口24の開口面)から450〜900mm程度離間した位置に、吹出口24から吐出する排気等が吸音体3に効率よく当たるように、すなわち吸音体3の水平面がフード本体2の吹出口24の開口面と平行になるように配設されている。
【0043】
吸音体3としては、100〜200Hz程度の低周波領域において優れた吸音特性を発揮する材料、具体的には、本発明者等が先に出願している低周波吸音材が好適する(特願2005−77593)。
【0044】
この吸音体3としての低周波吸音材(以下「第1の低周波吸音材」という。)は、図2に示すように、シリコーンゴムから成る膜31と、膜31の音源側(騒音を含む排気等と接する側)と反対の側(以下「背面側」という。)の面に積層される多孔質体層(以下「第1の多孔質体層」という。)32とを備えている。ここで、シリコーンゴムから成る膜31の背面側に、第1の多孔質体層32を積層するのは、膜31部分が付加質量、すなわち錘の役割として作用し、第1の多孔質体層32の部分がバネ、すなわち空気バネの役割として作用し、膜振動による吸音を行わせるためである。
【0045】
このような構成の吸音体3としての第1の低周波吸音材3aは、コンクリートなどから成る剛壁層としての床面4に対して、第1の多孔質体層32を床面4側に向けて、かつ床面4と平行に設置することで、所定の吸音効果が得られる。
【0046】
膜31は、難燃性を有し、かつ燃焼時に有害ガスを発生しない材料で形成されている。具体的には、後述するようにシリコーンゴムに硫酸バリウムを混入したもので形成されている。
【0047】
次に、このような構成の膜31に要求される諸性能について説明する。
【0048】
第1に、膜31としては単位体積当たりの燃焼発熱量が8MJ/m以下のものを使用することが好ましい。膜31の単位体積当たりの燃焼発熱量が8MJ/mを越えると、本実施例による製品の適用法規である建築基準法第2条第9号に規定される不燃グレードに適合できないからである。なお、膜31の燃焼発熱量は膜31の原料用樹脂に配合させる無機フィラーの種類や配合量などにより調節することができる。
【0049】
前述のシリコーンゴムから成る膜31によれば、幅100mm、長さ100mm、厚さ3〜50mmの試験片において、ISO5660で規定する燃焼発熱量試験において、単位体積当たりの燃焼発熱量を8MJ/m以下にすることができる。
【0050】
第2に、膜31としては燃焼発熱速度が[200kW/m] ・10sec以下のもの使用することが好ましい。膜31の燃焼発熱速度が[200kW/m] ・10secを越えると、建築基準法第2条第9号に規定の不燃グレードに適合しないからである。
【0051】
前述のシリコーンゴムから成る膜31によれば、幅100mm、長さ100mm、厚さ3〜50mmの試験片において、ISO5660で規定する燃焼発熱速度試験において、燃焼発熱速度を[200kW/m] ・10sec以下にすることができる。
【0052】
次に、第1の多孔質体層32は、難燃性を有する材料で形成されている。具体的には、グラスウール、ロックウールの何れかまたはこれらの混合物から成るもので形成されている。第1の多孔質体層32は、厚さが1〜50mm、望ましくは10〜25mmのもので形成されている。このような構成の第1の多孔質体層32においては、低周波数領域から高周波数領域までの広範囲に亘って吸音特性が優れており、また固体伝搬音や振動の低減にも効果的な制振性を発揮する。
【0053】
このような構成の膜31は、製品形態の自由度を向上させ、現場における施工を簡単にするため、接着やシリコーングラフト反応等により第1の多孔質体層32と一体化することが好ましい。
【0054】
このような構成の第1の低周波吸音材3aによれば、低周波吸音材自身に建築基準法における難燃の規格に適合する難燃性が付与されているので、当該低周波吸音材を難燃性が必要とされる場所に設置することができ、また、難燃剤としてハロゲン系難燃剤や鉛系化合物が使用されていないので、低周波吸音材が燃焼しても燃焼時に有毒ガスを発生する虞がなく、さらに、膜31が第1の多孔質体層32と一体化されているので、現場における施工を簡単に行なうことができる。
【0055】
ここで、前述の実施例では、膜31をシリコーンゴムのみで形成した場合について述べているが、膜31は、シリコーンゴムに2:1〜1:1の比で、Si、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物またはSi、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物の混合物から成る無機化合物を混入したもので形成してもよい。
【0056】
このような構成の膜31においては、ネットワーク構造のシリコーンゴムの多孔室部分に嵩さ密度が高くかつ粒径の小さい硫酸バリウム等を混入することで、不燃性でかつ柔軟性がある上、所定の面密度を有する膜を形成することができる。
【0057】
図3は、本発明の第1の低周波吸音材3aにおける膜の吸音率、面密度、膜厚、発熱量、発熱速度を比較例とともに示した説明図である。
【0058】
ここで、本実施例の膜は、シリコーンゴムに2:1の比でシリカ、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、硫酸バリウムを混入したもの形成されており、比較例としてウレタンから成る膜が使用されている。
【0059】
なお、発熱量は建築基準法第2条第9号に規定する方法により、発熱速度はISO5660に規定する方法により測定した。
【0060】
同図より、本実施例における膜は、その膜厚を比較例の膜厚より略1/3程度薄くしても、比較例と同等の吸音率および面密度を得ることができる。また、建築基準法第2条第9号に規定する不燃グレードに適合させることができ、さらに、燃焼発熱速度を[200kW/m]・10sec未満にすることができる。
【0061】
図4は、吸音体3としての第1の低周波吸音材3aの吸音特性を示している。ここで、図中、点線L1は、多孔質体層(グラスウール)の厚さを100mmとした従来の吸音材の吸音特性、実線L2は、膜(シリコーンゴム膜)31の厚さを0.5mm、第1の多孔質体層(グラスウール)32の厚さを50mmとした第1の低周波吸音材3aの吸音特性を示している。
【0062】
同図より、従来の吸音材(L1)は、200Hz程度を超える高周波領域では吸音率が高いものの、200Hz程度以下の低周波領域では吸音率が低く、これに対して、第1の低周波吸音材3a(L2)は、200Hz以上の高周波領域では吸音率が低いものの、200Hz以下の低周波領域では吸音率が高いことが分かる。従って、第1の低周波吸音材3aを使用すれば、低周波領域に対応可能な排気装置を提供することができる。
【0063】
図5は、床面4に対する吸音体3としての第1の低周波吸音材3aの設置の有無によるパワーレベルの比較を示している。ここで、比較例は、床面4に吸音体を設置しない、いわゆる通常のエアコンを定格で運転した場合の測定点P(室外機1から1m前方に離間した位置でかつ床面4から1m上方に離間した位置)におけるパワーレベルを示しており、実施例は、床面4に、前述の第1の低周波吸音材3a(シリコーンゴムから成る膜31の厚さを0.5mm、グラスウールから成る第1の多孔質体層32の厚さを50mmとした低周波吸音材)を配置した、第1の実施の形態に係る排気装置のパワーレベルを示している。なお、騒音レベルはJISA1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」により測定した。
【0064】
同図より、本実施例における排気装置は、比較例に対して、居室内の卓越騒音である200Hzの吸音特性でおよそ8dBの優位差が認められ、本発明における排気装置が騒音防止対策として非常に有効であることが判る。
【0065】
以上のように、このような構成の排気装置によれば、第1に、フードの内面に吸音体が貼り付けられていないことから、フード内に排出・吸入される気流の流れが乱されることがなく、第2に、フードと別体の吸音体がフードの近傍に取替自在に配設されていることから、吸音体が経年劣化した場合、これを簡単に交換することができ、第3に、吸音体として、低周波吸音材を使用した場合においては、100〜200Hz程度の低周波領域の騒音を効率よく吸収することができ、第4に、低周波吸音材自身に建築基準法における難燃の規格に適合する難燃性が付与されているので、当該低周波吸音材を難燃性が必要とされる場所に配設することができ、第5に、低周波吸音材には、ハロゲン系難燃剤や鉛系化合物が使用されていないので、燃焼時に有毒ガスが発生する虞がなく、環境保全対策を施した排気装置を提供することができ、第6に、膜の両面に多孔質体層を備えた低周波吸音材によれば、200Hz以下の低周波領域のみならず200Hzを超える高周波領域の騒音を効率よく吸収することができ、第7に、膜が多孔質体層と一体化された低周波吸音材によれば、製品形態の自由度を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
図6は、第1の低周波吸音材3aを使用した膜状吸音構造の断面図を示している。なお、同図において、図2と共通する部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
図6において、本発明における膜状吸音構造は、剛壁層としてのコンクリート等から成る床面4と、床面4の音源側に、第1の多孔質体層32を床面4側に向けて、一対の支持部材33a、33bを介して床面4と平行に設置される膜状の第1の低周波吸音材3aと、第1の低周波吸音材3aと床面4により区画される背後空気層34とを備えている。
【0067】
このような構成の吸音体3としての膜状吸音構造においては、膜状の第1の低周波吸音材3aの質量に対して背後空気層34がバネとして作用し、単一共振系を形成し、音波の周波数がこの単一共振系の共振周波数と一致したとき膜状の第1の低周波吸音材3aが振動し内部摩擦により吸音されることになる。従って、第1の低周波吸音材3aを使用した膜状吸音構造によれば、前述の第1の実施の形態における排気装置よりもより一層吸音率を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
図7は、本発明における吸音体3としての他の低周波吸音材(以下「第2の低周波吸音材」という。)を示す断面図である。なお、同図において、図2と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
図7において、本発明の吸音体3としての第2の低周波吸音材3bは、シリコーンゴムから成る膜31と、膜31の背面側に積層される第1の多孔質体層32と、膜31の音源側(膜31の前面側)に積層される多孔質体層(以下「第2の多孔質体層」という。)35とを備えている。
【0069】
ここで、膜31の両面に、第1、第2の多孔質体層32、35を積層するのは、膜31部分が付加質量、すなわち錘の役割として作用し、第1、第2の多孔質体層32、35がバネ、すなわち空気バネの役割として作用し、膜振動による吸音を行わせるためである。
【0070】
なお、第2の多孔質体層35は、前述の第1の多孔質体層32と同様のもので構成されている。また、膜31は、第1、第2の多孔質体層32、35のうち少なくとも何れか一方と、前述と同様の手段により、一体化させることが好ましい。
【0071】
このような構成の吸音体3としての第2の低周波吸音材3bは、剛壁層としての床面4に対して、第1の多孔質体層32を床面4側に向けて、かつ床面4と平行に設置されることで本発明としての排気装置が形成されることになる。
【0072】
図8は、第2の低周波吸音材3bの吸音特性を示している。ここで、図中、点線L1は、図4に示すものと同様に、多孔質体層(グラスウール)の厚さを100mmとした従来の吸音材の吸音特性、実線L3は、膜(シリコーンゴム膜)31の厚さを0.5mm、第1の多孔質体層(グラスウール)32の厚さを50mm、第2の多孔質体層(グラスウール)35の厚さを50mmとした第2の低周波吸音材3bの吸音特性を示している。
【0073】
同図より、従来の吸音材(L1)は、前述と同様に、200Hz程度を超える高周波領域では吸音率が高いものの、200Hz程度以下の低周波領域では吸音率が低く、これに対して、第2の低周波吸音材3b(L3)は、200Hz程度以下の低周波領域のみならず、200Hz程度以上の高周波領域にわたって、優れた吸音特性を示していることが分かる。従って、吸音体3としての第2の低周波吸音材3bを使用すれば、広帯域の周波数領域の騒音を効率よく吸収し得る排気装置を提供することができる。
【0074】
図9は、床面4に対する吸音体3としての第2の低周波吸音材3bの設置の有無によるパワーレベルの比較を示している。ここで、比較例は、前述と同様に、床面4に吸音体を設置しない、いわゆる通常のエアコンを定格で運転した場合の測定点Pにおけるパワーレベルを示しており、実施例は、床面4に、前述の第2の低周波吸音材3b(シリコーンゴムから成る膜31の厚さを0.5mm、グラスウールから成る第1、第2の多孔質体層32、35の厚さを50mmとした低周波吸音材)を配置した、排気装置のパワーレベルを示している。なお、騒音レベルは、前述と同様にJISA1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」により測定した。
【0075】
同図より、本実施例における排気装置は、比較例に対して、居室内の卓越騒音である200Hzの吸音特性でおよそ5dBの優位差が認められ、本発明における排気装置が騒音防止対策として非常に有効であることが判る。
【0076】
従って、吸音体3としての第2の低周波吸音材3bを使用すれば、前述の第1の実施の形態における排気装置と同様の効果を奏する上、さらに200Hz程度を超える高周波領域の騒音を効率よく吸収し得る排気装置を提供することができる。
[第4の実施の形態]
図10は、第2の低周波吸音材3bを使用した膜状吸音構造の断面図を示している。なお、同図において、図2、図6および図7と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0077】
図10において、本発明における吸音体は、剛壁層としての床面4と、床面4の音源側に、第1の多孔質体層32を床面4側に向けて、一対の支持部材33a、33bを介して床面4と平行に設置される膜状の第2の低周波吸音材3bと、第2の低周波吸音材3bと床面4により区画される背後空気層34とを備えている。
【0078】
このような吸音体3としての第2の低周波吸音材3bを使用した膜状吸音構造においては、前述と同様に、膜状の第2の低周波吸音材3bの質量に対して背後空気層34がバネとして作用し、単一共振系を形成し、音波の周波数がこの単一共振系の共振周波数と一致したとき膜状の第2の低周波吸音材3bが振動し内部摩擦により吸音されることになる。
【0079】
従って、吸音体3としての第2の低周波吸音材3bを使用した膜状吸音構造によれば、前述の排気装置よりもより一層吸音率を向上させることができる。
[第5の実施の形態]
図11は、図1に示すフードHに代えて、吸音構成のフードHaを使用した実施の形態例を示している。なお、同図において、図1と共通する部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0080】
図11において、この実施例においては、フード本体2の内面に図2に示す低周波吸音材3a、または図7に示す低周波吸音材3bが第1の多孔質体層32をフード本体2の内面側に向けて積層されている。
【0081】
このような吸音構成のフードHaを使用した排気装置によれば、当該フードHaにおいても騒音を吸収することができることから、前述の排気装置よりも、より一層低周波領域の騒音を効率よく吸収することができる。
【0082】
図12は、床面4に対する吸音体3としての第2の低周波吸音材3bおよび吸音構成のフードHaの設置の有無によるパワーレベルの比較を示している。ここで、比較例は、前述と同様に床面4に吸音体を設置しない、いわゆる通常のエアコンを定格で運転した場合の測定点Pにおけるパワーレベルを示しており、実施例は、床面4に、前述の第2の低周波吸音材3b(シリコーンゴムから成る膜31の厚さを0.5mm、グラスウールから成る第1、第2の多孔質体層32、35の厚さを50mmとした低周波吸音材)を配置し、さらにフード本体2の内面側に第1の低周波吸音材3aを第1の多孔質体層32をフード本体2の内面側に向けて積層した排気装置のパワーレベルを示している。なお、騒音レベルは、前述と同様にJISA1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」により測定した。
【0083】
同図より、本実施例における排気装置は、比較例に対して、居室内の卓越騒音である200Hzの吸音特性でおよそ10dBの優位差が認められ、本発明における排気装置が騒音防止対策として非常に有効であることが判る。
【0084】
従って、吸音構成のフードHaを使用すれば、前述の排気装置よりもより一層騒音を効率よく吸収することができる。
[第6の実施の形態]
図13は、本発明における排気装置を家庭用エアコンの室外機に適用した好ましい実施の形態例を示す説明図である。なお、同図において、図1と共通する部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
同図において、本発明における排気装置は、家庭用エアコン(不図示)の室外機5の排気口51にフードhが配設されている。
【0086】
この実施例においては、フード本体2の開放部23が室外機5の排気口51と対向する位置に、吹出口24が建物の天井6に向けて配置されており、さらに、板状の吸音体3がフード本体2の上端部(吹出口24の開口面)から450〜900mm程度離間した位置に、吹出口24から吐出する排気等が吸音体3に効率よく当たるように、すなわち吸音体3の水平面がフード本体2の吹出口24の開口面と平行になるように配設されている。
【0087】
図14は、天井6に対する吸音体3としての第1の低周波吸音材3aの設置の有無によるパワーレベルの比較を示している。ここで、比較例は、天井6に吸音体を設置しない、いわゆる通常のエアコンを定格で運転した場合の測定点P(室外機1から1m前方に離間した位置でかつ床面4から1m上方に離間した位置)におけるパワーレベルを示しており、実施例は、天井6に、前述の第1の低周波吸音材3a(シリコーンゴムから成る膜31の厚さを0.5mm、グラスウールから成る第1の多孔質体層32の厚さを50mmとした低周波吸音材)を配置した排気装置のパワーレベルを示している。なお、騒音レベルは、前述と同様にJISA1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」により測定した。
【0088】
同図より、本実施例における排気装置は、比較例に対して、居室内の卓越騒音である200Hzの吸音特性でおよそ8dBの優位差が認められ、本発明における排気装置が騒音防止対策として非常に有効であることが判る。
【0089】
従って、この実施例においても前述の排気装置と同様に、フード内に排出・吸入される気流の流れが乱されることがなく、経年劣化した吸音体を簡単に交換することができ、また吸音体として、低周波吸音材を使用した場合においては、100〜200Hz程度の低周波領域の騒音を効率よく吸収することができる。
[第7の実施の形態]
図15は、図13に示すフードhに代えて、吸音構成のフードhaを使用した実施の形態例を示している。なお、同図において、図13と共通する部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0090】
この実施例においては、フード本体2の内面に図2に示す低周波吸音材3a、または図7に示す低周波吸音材3bが第1の多孔質体層32をフード本体2の内面側に向けて積層されている。
【0091】
このような吸音構成のフードhaを使用した排気装置によれば、当該フードhaにおいても騒音を吸収することができることから、前述の排気装置よりも、より一層低周波領域の騒音を効率よく吸収することができる。
【0092】
図16は、天井6に対する吸音体3としての第2の低周波吸音材3bおよび吸音構成のフードhaの設置の有無によるパワーレベルの比較を示している。ここで、比較例は、前述と同様に天井6に吸音体を設置しない、いわゆる通常のエアコンを定格で運転した場合の測定点Pにおけるパワーレベルを示しており、実施例は、天井6に、前述の第2の低周波吸音材3b(シリコーンゴムから成る膜31の厚さを0.5mm、グラスウールから成る第1、第2の多孔質体層32、35の厚さを50mmとした低周波吸音材)を配置し、さらにフード本体2の内面側に第1の低周波吸音材3aを第1の多孔質体層32をフード本体2の内面側に向けて積層した排気装置のパワーレベルを示している。なお、騒音レベルは、前述と同様にJISA1409:1998「残響室法吸音率の測定方法」により測定した。
【0093】
同図より、本実施例における排気装置は、比較例に対して、居室内の卓越騒音である200Hzの吸音特性でおよそ5dBの優位差が認められ、本発明における排気装置が騒音防止対策として非常に有効であることが判る。
【0094】
従って、吸音構成のフードhaを使用すれば、前述の排気装置よりもより一層騒音を効率よく吸収することができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、特許請求の範囲内で、次のように、変更、修正を加えることができる。
【0096】
第1に、前述の実施例においては、膜としてシリコーンゴムを使用した場合について説明しているが、シリコーンゴムに代えて、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、ポリオレフィンのうちから選択された何れかのゴムを使用してもよい。
【0097】
第2に、前述の実施例においては、膜31が接着やシリコーングラフト反応等の手段により第1、第2の多孔質体層32、35のうち、すくなくとも何れか一方と一体化させる場合について述べているが、膜31および/または第1、第2の多孔質体層32、35を加熱し、膜31および/または第1、第2の多孔質体層32、35が軟化する温度(例えば、80℃)になったときに、多少の圧力を付与することで両者を一体化させることができる。
【0098】
第3に、前述の実施例においては、ガスヒートポンプ(GHP)の室外機や家庭用エアコンの室外機に適用した場合について述べているが、レンジ等の調理設備の上方に設置される排気装置に適用してもよい。
【0099】
第4に、前述の実施例においては、第1、第2の低周波吸音材を使用した場合について述べているが、他の吸音材、例えば、発泡体層と、発泡体層の背面側に積層される多孔質体層とから成る吸音材を使用してもよい。
【0100】
第5に、前述の実施例においては、低周波吸音材を構成する膜の燃焼発熱量および燃焼発熱速度について述べているが、吸音材自身の燃焼発熱量を8MJ/m以下、燃焼発熱速度を[200kW/m]・10sec以下としてもよい。
【0101】
第6に、前述の実施例においては、流体の流路を形成するフードおよびフードの吹出口と対向する位置にフードと離間して配置される吸音体を備える排気装置並びに前記フード、前記吸音体および前記フードの内面に他の吸音体を積層した排気装置について述べているが、本発明はこのような構成の排気装置に限定されず、例えば、前記の吸音体(フードの吹出口と対向する位置にフードと離間して配置される吸音体)を設けずに、単に、流体の流路を形成する前述のフードH,hの内面に前述の第1の低周波吸音材3a若しくは第2の低周波吸音材3bを第1の多孔質体層32をフードH、hの内面側に向けて貼り付けた構成の排気装置を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態における排気装置の説明図で、分図(a)は同排気装置の斜視図、分図(b)は同排気装置の分解斜視図、分図(c)は同排気装置の断面図。
【図2】本発明の吸音体としての低周波吸音材(第1の低周波吸音材)の実施例を示す断面図。
【図3】本発明の低周波吸音材(第1の低周波吸音材)におけるシリコーンゴムとフィラーの混合比を示す説明図。
【図4】本発明の低周波吸音材(第1の低周波吸音材)の吸音特性を示す説明図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における排気装置のパワーレベルと周波数との関係を示す説明図。
【図6】本発明の低周波吸音材(第1の低周波吸音材)を使用した膜状吸音構造の断面図。
【図7】本発明の他の低周波吸音材(第2の低周波吸音材)を使用した吸音体の実施例を示す断面図。
【図8】本発明の他の低周波吸音材(第2の低周波吸音材)の吸音特性を示す説明図。
【図9】本発明の第2の低周波吸音材を使用した排気装置のパワーレベルと周波数との関係を示す説明図。
【図10】本発明の第2の低周波吸音材を使用した膜状吸音構造の断面図。
【図11】本発明の他のフードを使用した排気装置の断面図。
【図12】本発明の他のフードを使用した排気装置のパワーレベルと周波数との関係を示す説明図。
【図13】本発明の他の実施の形態例における排気装置の断面図。
【図14】本発明の他の実施の形態例における排気装置のパワーレベルと周波数との関係を示す説明図。
【図15】本発明の他の実施の形態例における排気装置の断面図。
【図16】本発明の他の実施の形態例における排気装置のパワーレベルと周波数との関係を示す説明図。
【符号の説明】
【0103】
1・・・室外機
11・・・吸気口
H・・・フード
2・・・フード本体
21・・・屋根部材
22a、22b・・・側壁部材
23・・・開放部
24・・・吹出口
3・・・吸音体
3a・・・第1の低周波吸音材
3b・・・第2の低周波吸音材
31・・・シリコーンゴムから成る膜
32・・・多孔質体層(第1の多孔質体層)
35・・・多孔質体層(第2の多孔質体層)
4・・・床面
6・・・天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流路を形成するフードと、前記フードの吹出口と対向する位置に前記フードと離間して配置される吸音体とを備えることを特徴とする排気装置。
【請求項2】
流体の流路を形成するフードと、前記フードの吹出口と対向する位置に前記フードと離間して配置される吸音体とを備え、
前記フードの内面には他の吸音体が積層されていることを特徴とする排気装置。
【請求項3】
前記吸音体および/または前記他の吸音体は、低周波吸音材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の排気装置。
【請求項4】
前記低周波吸音材は、ゴムから成る膜と、前記膜の音源側と反対側の面に積層される多孔質体層とを備えることを特徴とする請求項3記載の排気装置。
【請求項5】
前記低周波吸音材は、ゴムから成る膜と、前記膜の音源側と反対側の面に積層される多孔質体層と、前記膜の音源側の面に積層される他の多孔質体層とを備えることを特徴とする請求項3記載の排気装置。
【請求項6】
前記ゴムは、シリコーンゴムから成ることを特徴とする請求項4または請求項5記載の吸音材。
【請求項7】
前記膜の燃焼発熱量は、8MJ/m以下であることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の吸音材。
【請求項8】
前記膜の燃焼発熱速度は、[200kW/m]・10sec以下であることを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れか1項記載の吸音材。
【請求項9】
前記ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、ポリオレフィンのうちから選択された何れかのゴムから成ることを特徴とする請求項4または請求項5記載の吸音材。
【請求項10】
前記膜は、無機化合物を含むことを特徴とする請求項4乃至請求項9の何れか1項記載の吸音材。
【請求項11】
前記無機化合物は、Si、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物または前記Si、Ca、Sr、Baの何れか1種を含む化合物の混合物から成ることを特徴とする請求項10記載の吸音材。
【請求項12】
前記多孔質体層は、難燃性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項11何れか1項記載の吸音材。
【請求項13】
前記多孔質体層は、グラスウール、ロックウールの何れかまたはこれらの混合物から成ることを特徴とする請求項4乃至請求項12何れか1項記載の吸音材。
【請求項14】
前記膜は前記多孔質体層と一体化していることを特徴とする請求項4乃至請求項13何れか1項記載の吸音材。
【請求項15】
前記膜は、前記多孔質体層および前記他の多孔質体層のうち何れか一方と一体化していることを特徴とする請求項5乃至請求項13何れか1項記載の吸音材。
【請求項16】
前記膜は、接着により前記多孔質体層および/または前記他の多孔質体層と一体化していることを特徴とする請求項14または請求項15記載の吸音材。
【請求項17】
前記膜は、熱融着により前記多孔質体層および/または前記他の多孔質体層と一体化していることを特徴とする請求項14または請求項15記載の吸音材。
【請求項18】
前記膜は、シリコーングラフト反応により前記多孔質体層および/または前記他の多孔質体層と一体化していることを特徴とする請求項14または請求項15記載の吸音材。
【請求項19】
前記膜は、前記膜の一部が前記多孔質体層および/または前記他の多孔質体層の孔部に入り込むことで前記多孔質体層および/または前記他の多孔質体層と一体化していることを特徴とする請求項14または請求項15記載の吸音材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−218568(P2007−218568A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43020(P2006−43020)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(306013119)昭和電線デバイステクノロジー株式会社 (118)
【Fターム(参考)】