説明

掘削機

【課題】 操作者が操作レバーを操作して作業要素を急激に停止させようとした場合でも、作業要素が滑らかに停止するように制御して振動の発生を抑制し、操作者に対する違和感や不快感を無くすことを課題とする。
【解決手段】 掘削機の制御装置30は、検出器からの検出信号に基づいてアクチュエータに作用する慣性負荷を演算する慣性負荷演算部42と、操作レバーの操作量に基づいて許容エネルギを演算する許容エネルギ演算部46と、慣性負荷に基づいて停止パターンを作成し、停止パターンと操作レバーの操作から得られるレバー操作量とを比較するとともに、比較結果に応じて停止パターンに沿って作業要素の慣性エネルギが小さくなるように制御を行なう制御部48とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータにより駆動される作業要素を有する掘削機に関する。
【背景技術】
【0002】
掘削機の一例として、バケットで土砂を掘削するショベルが知られている。一般的なショベルにおいて、バケットは回動可能なアームの先端に取り付けられ、アームは回動可能なブームの先端に取り付けられる。バケットを所望の位置に移動するためには、ブームが取り付けられている上部旋回体を旋回させ、且つブーム及びアームを回動させる。
【0003】
ブームを回動させてバケットの位置を移動する場合、ブームとアームとバケットの重量による慣性力がブームに働く。例えば、ブームを最大高さまで持ち上げる場合、ブームの回動範囲内でブームの回動運動を加速した後、回動範囲の端部(例えば、ブームの最大高さ)に近づいたらブームを減速して停止させる。このようなブームの回動運動は操作者が運転席の操作レバーを操作することで行なわれる。
【0004】
例えば、ショベルの操作者は、ブームの可動範囲の端部(例えば、ブームの最大高さ)に近づくにつれて操作レバーの操作を次第に緩めてブームを徐々に減速させ、ブームが最大高さ位置となった時点で滑らかに停止させることがきる。ところが、操作者によっては(例えば操作に不慣れな操作者)、操作レバーによるブームの減速動作開始が遅すぎて、ブームが可動範囲の端部(例えば、ブームの最大高さ)に到達した際にもまだ大きな慣性モーメントが残っていることがある。この場合、ブームの可動範囲の端部(例えば、ブームの最大高さ)にブームが到達すると自動的にブームの回動が停止されるため、大きな慣性モーメントが残っている状態でブームが急激に停止されることとなる。このような状態では、ブームの慣性モーメントによりブーム自体が停止位置付近で振動するばかりでなく、ブームの振動に伴いショベル全体に振動が発生するため、操作者に違和感あるいは不快感を与えることとなる。
【0005】
また、ブームの可動範囲の端部(例えば、ブームの最大高さ)ではなく、可動範囲内でブームを停止させる場合でも、操作者によるレバー操作(ブームを停止させるためのレバー操作)が急激であった場合には、ブームの停止位置でブームが振動し、これによりショベル全体も振動して操作者に違和感や不快感を与えることとなる。
【0006】
上述の状況は、ショベルの旋回機構においても同様に生じる。すなわち、ショベルの旋回機構は上部旋回体を旋回させるものであり、上部旋回体を旋回させて旋回停止位置に近づいた際に、操作レバーを急激に戻した場合にも、大きな慣性モーメントを有する上部旋回体を急激に停止させることとなり、上部旋回体の停止位置付近で上部旋回体が振動し、これに伴いショベル全体も振動して操作者に違和感や不快感を与えることとなる。
【0007】
そこで、旋回体の旋回中に慣性モーメントを検出して、慣性モーメントがある値を超えないように旋回用油圧モータに供給する作動油の流量を制限し、これにより操作者への違和感あるいは不快感を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−37108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の特許文献1に記載の技術では、旋回体の慣性モーメントを制限することで操作レバーの操作量に実際の動作がうまく追従するようにして操作者の違和感を抑制しているものであり、操作者が急激に操作レバーを停止位置に戻した場合には、上述のような旋回体やショベル全体の振動を抑制することはできない。また、ブームのように可動範囲が定められている場合において、可動範囲の端部において自動的に急激に停止される場合についても考慮されていない。
【0010】
そこで、本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、操作者が操作レバーを操作して作業要素を急激に停止させようとした場合でも、作業要素が滑らかに停止するように制御して振動の発生を抑制し、操作者に対する違和感や不快感を無くすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施態様によれば、作業要素の動作を制御するために操作者が操作する操作レバーと、該作業要素を駆動するアクチュエータと、該アクチュエータの動作を検出して検出信号を出力する検出器と、前記アクチュエータの駆動を制御する制御装置とを有し、前記制御装置は、該検出器からの検出信号に基づいて前記アクチュエータに作用する慣性負荷を演算する慣性負荷演算部と、前記慣性負荷に基づいて停止パターンを作成し、該停止パターンと前記操作レバーの操作から得られるレバー操作量とを比較するとともに、比較結果に応じて前記停止パターンに沿って前記作業要素の慣性エネルギが小さくなるように制御を行なう制御部とを有することを特徴とする掘削機が提供される。
【0012】
上述の掘削機において、前記作業要素は、バケットと、バケットが取り付けられたアームと、アームが取り付けられたブームとを含み、前記検出器は、ブーム角度検出器、及びアーム角度検出器、を含み、前記慣性負荷演算部は、前記ブーム角度検出器から出力されるブーム角度検出信号と、前記アーム角度検出器から出力されるアーム角度検出信号とに基づいて、前記慣性負荷を演算し、前記制御部は、前記停止パターンに沿って、前記作業要素の慣性エネルギが小さくなるように前記ブームの駆動を制御することが好ましい。また、前記操作レバーの操作量に基づいて許容エネルギを演算する許容エネルギ演算部と、前記慣性負荷と前記許容エネルギとを比較し、前記慣性負荷が前記許容エネルギよりも大きいか否かを判定する判定部とを更に有し、前記制御部は、前記慣性負荷が前記許容エネルギよりも小さい場合には、前記操作レバーの操作量に基づいて前記ブームを制御することとしてもより。あるいは、前記操作レバーの操作に基づいてレバー操作量の変化率を算出するレバー操作量変化率算出部を更に有し、前記制御部は、前記レバー操作量変化率が閾値より大きい場合には、前記操作レバーの操作量に基づいて前記ブームを制御することとしてもよい。
【0013】
また、上述の掘削機において、前記作業要素は、旋回機構により駆動され前記ブームが取り付けられた旋回体を含み、前記検出器は、旋回角度検出器を含み、前記慣性負荷演算部は、前記旋回角度検出器から出力される旋回角度検出信号に基づいて前記慣性負荷を演算し、前記制御部は、前記操作レバーの操作から得られる前記レバー操作量が前記停止パターンより小さい場合には、前記作業要素の慣性エネルギが小さくなるように前記旋回体の旋回駆動を制御することとしてもよい。また、前記操作レバーの操作に基づいてレバー操作量の変化率を算出するレバー操作量変化率算出部を更に有し、前記制御部は、前記レバー操作量変化率が閾値より大きい場合には、前記操作レバーの操作量に基づいて前記旋回体の旋回駆動を制御することとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業要素が急停止するようなレバー操作が操作者により行なわれても、操作者のレバー操作にかかわらず、作業要素が滑らかに停止するように制御して振動の発生を抑制し、操作者に対する違和感や不快感を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】掘削機の一例である油圧ショベルの側面図である。
【図2】土砂を掘削中の油圧ショベルの概略側面図である。
【図3】許容慣性エネルギを説明するための図である。
【図4】ブームを上限位置又は下限位置で停止する際にレバー操作量を補正するためのシステムのブロック図である。
【図5】図4のシステムを詳細に説明するための機能ブロック図である。
【図6】ブームの上限又は下限位置における振動を防止するためのレバー操作量を説明するための図であり、(a)はブームシリンダの変位を示し、(b)は慣性エネルギの変化を示し、(c)はレバー操作量を示す。
【図7】ブームを可動範囲の途中で停止する際のレバー操作量を補正するためのシステムのブロック図である。
【図8】慣性エネルギと目標停止時間tsとの関係を示す図である。
【図9】図7のシステムを詳細に説明するための機能ブロック図である。
【図10】実停止時間と予測停止時間の関係を説明するための図である。
【図11】可動範囲の途中でブームを停止する際のブームの振動を防止する駆動制御のフローチャートである。
【図12】可動範囲の途中でブームを停止する際の、ブームシリンダ位置、慣性エネルギ、及びレバー操作量の変化を示す図である。
【図13】補正操作信号によりパイロット圧を生成してブーム上げ又はブーム下げの駆動制御を行なう構成の一例のブロック図である。
【図14】補正操作信号によりパイロット圧を生成してブーム上げ又はブーム下げの駆動制御を行なう構成の他の例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
まず、本発明が適用可能な掘削機の一例として油圧ショベルについて説明する。図1は掘削機の一例である油圧ショベルの側面図である。図2は土砂を掘削中の油圧ショベルの概略側面図である。油圧ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3からブーム4が延在し、ブーム4の先端にアーム5が接続される。さらに、アーム5の先端にバケット6が接続される。ブーム4、アーム5及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。また、上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10及び動力源としてのエンジン(図示せず)が搭載される。また、上部旋回体3には、油圧ショベルの作業要素の動作を制御するための制御装置であるコントローラ30(図2参照)が設けられる。コントローラ30は、オペレータ(操作者)からの指示、操作レバーからの操作信号、及び油圧ショベルの各部に設けられたセンサからの検出情報に基づいて、各作業要素の動作を制御する。コントローラ30は電子制御装置であり、演算を行なうCPU及び記憶装置(メモリ)としてのROM,RAM等を備えている。
【0018】
ブーム4は上部旋回体3に対して上下に旋回可能に支持されており、旋回支持部(関節)にブーム角度センサS1(図2参照)が取り付けられている。ブーム角度センサS1により、水平方向からのブーム4の傾き角度であるブーム角θ1を検出することができる。
【0019】
アーム5はブーム4の先端に旋回可能に支持されており、旋回支持部(関節)にアーム角度センサS2(図2照)が取り付けられている。アーム角度センサS2によりブーム4に対するアーム5の角度を検出し、検出したアーム5の角度とブーム角θ1から、水平方向からのアーム5の傾き角度であるアーム角θ2を求めることができる。
【0020】
バケット6はアーム5の先端に旋回可能に支持されており、旋回支持部(関節)にバケット角度センサ(図2参照)が取り付けられている。バケット角度センサS3によりアーム5に対するバケット6の角度を検出し、検出したバケットの角度、ブーム角θ1及びアーム角θ2から、水平方向からのバケット6の傾き角度であるバケット角θ3を検出することができる。
【0021】
上部旋回体3を旋回させる旋回機構2には、旋回角度センサS4が設けられている。旋回角度センサS4により、上部旋回体3が正面を向いた位置からの角度である旋回角を検出することができる。
【0022】
また、上部旋回体3に設けられたキャビン10には、オペレータが操作する操作レバー20aが設けられた操作レバー装置20が設けられている。オペレータは、操作レバー20aを操作することで、例えばブーム4の上げ下げを行なったり、上部旋回体3を旋回させることができる。
【0023】
以上のような構成の油圧ショベルにおいて、作業要素に大きな慣性力が作用する作業工程として、例えばブーム上げ動作、ブーム下げ動作、及び旋回動作がある。ブーム上げ動作、ブーム下げ動作では、ブーム4、アーム5、バケット6、及びバケット6内の土砂等が慣性負荷となり、ブーム4を急速に停止する際に大きな慣性力がブーム4に作用する。ブーム4の上下可動範囲はブーム4を駆動するブームシリンダ7のストロークで決まっている。
【0024】
ブーム4の上げ動作時にブーム上げ速度が大きいままブーム可動範囲の上限となると、ブームシリンダ7はそれ以上延びることができないためブーム4の上方への回動は急激に減速される。このとき、ブーム4を支持している部分に大きな慣性モーメントが作用するため、バケット6は上限位置に停止できずオーバーランしてから戻ることとなり、バケット6、アーム5、ブーム4を含む部分に振動が発生する。この振動に伴い、油圧ショベル自体も振動し、その振動は運転席にいるオペレータに違和感や不快感を与える。
【0025】
ブーム4の下げ動作時も同様であり、ブーム4の下げ動作時にブーム下げ速度が大きいままブーム可動範囲の下限となると、ブームシリンダ7はそれ以上縮むことができないためブーム4の下方への回動は急激に減速される。このとき、ブーム4を支持している部分に大きな慣性モーメントが作用するため、バケット6は下限位置に停止できずオーバーランして、バケット6、アーム5、ブーム4を含む部分に振動が発生する。この振動に伴い、油圧ショベル自体も振動し、その振動は運転席にいるオペレータに違和感や不快感を与える。
【0026】
以上のようなオペレータに違和感を与えるような振動は、ブーム4を可動範囲の上限及び下限の間の中間位置において急激に停止する際にも発生する。
【0027】
また、旋回動作においても、上部旋回体3の旋回を急激に停止しようとすると上部旋回体3が旋回停止位置の前後に振動しながら停止するため、オペレータに違和感を与えることとなる。
【0028】
ブーム4を可動範囲の上限及び下限で停止する場合には、ブーム4の停止位置がわかっているため、ブーム4が停止位置に近くなっても大きな速度で移動している場合に停止位置の手前から予め設定された減速パターンで強制的に減速させることで、ブーム4の急激な減速を抑制することができる。
【0029】
一方、ブーム4の可動範囲の途中で停止する場合や、旋回動作を停止する場合には、どこで停止するかが分らないため、オペレータのレバー操作から停止しようとしていることを予測し、停止を予測した時点から予め設定された減速パターンで強制的に減速させることで、ブーム4の回動動作や上部旋回体3の旋回動作における急激な減速を抑制することができる。
【0030】
まず、ブーム4を可動範囲の上限及び下限で停止する場合におけるブーム4の減速制御について説明する。
【0031】
図3はブームシリンダ7の変位に対するブーム4の許容慣性エネルギEaを示すグラフである。図3において、ブームシリンダ7のロッドが最も延びた位置又は最も引き込まれた位置がエンド位置として示されている。エンド位置は、ブームシリンダ7がそれ以上延びることはできない(それ以上変位することはできない)位置又はそれ以上引き込むことができない(それ以上変位することはできない)位置であり、ブーム4の先端が最大高さ又は最小高さになった状態の位置である。
【0032】
図3において実線で示された許容慣性エネルギは、ブーム4を最大速度で回動している状態から減速して上限位置、下限位置(ブームシリンダのエンド位置に相当)で停止させるときに、停止位置でブーム4に振動が発生しないか、振動が発生してもオペレータに違和感や不快感を与えないような大きさの慣性エネルギである。ブームシリンダ7のエンド位置は予め分っており、ブームシリンダ7の変位速度(すなわち、ブーム4の回動速度)がわかれば、どのくらい手前から減速を始めてどのように減速すればよいかについて予め設定しておくことができる。
【0033】
図3の実線で示す許容慣性エネルギは、シリンダ変位が小さいうちは、ブーム4が最大速度で駆動されているときにブーム4が有する慣性エネルギEa0に等しい。シリンダ変位が大きくなるに連れ、エンド位置に近づくため、それ以上最大速度で駆動されているとエンド位置で滑らかに停止できなくなる。
【0034】
図3において点線で示す慣性エネルギは、実際にオペレータにより操作された操作レバーからの操作信号によりブームシリンダ7が駆動された場合のブーム4の慣性エネルギの一例である。この実際の慣性エネルギが許容慣性エネルギを超えなければ、ブーム4を滑らかに上限位置又は下限位置(エンド位置)で停止することができる。
【0035】
そこで、操作レバーから実際に出力される操作信号に従って駆動した際の慣性エネルギが、許容慣性エネルギを超えたか否かを判定し、超えた場合は急減速とならないように超えた位置(すなわち、ts1)から、許容慣性エネルギに沿うように減速を始める。
【0036】
ここで、上述の制御を行なうためのシステム構成について説明する。図4はレバー操作量を表す操作信号を修正するシステムの概略ブロック図である。
【0037】
図4において、まず、油圧ショベルの各作業要素40の動作検出値が、コントローラ30の慣性負荷演算部42に入力される。慣性負荷演算部42は、入力された作業要素40の動作検出値に基づいて作業要素40の慣性エネルギを演算により求め、求めた慣性エネルギをコントローラ30の判定部44に供給する。一方、コントローラ30の許容エネルギ演算部46は、オペレータのレバー操作量を表す操作信号に基づいてブーム4の許容慣性エネルギを演算により求め、求めた許容エネルギを判定部44に供給する。
【0038】
判定部44は、慣性負荷演算部42から供給された慣性エネルギと許容エネルギ演算部46から供給された許容慣性エネルギとを比較し、どちらが大きいかを判定する。判定部44は、慣性負荷演算部42から供給された慣性エネルギのほうが許容慣性エネルギより大きい場合は、慣性エネルギが大きすぎるためブーム4の上限又は下限位置で停止した際に振動が発生するおそれがあると判断し、判定結果をコントローラ30の制御部48に供給する。
【0039】
制御部48は判定部44からの判定結果に基づいて、ブーム4が滑らかに減速して上限又は下限位置(ブームシリンダ7のエンド位置に相当)において停止するような操作信号の変化パターン(以下、停止パターンと称する)を作成し、停止パターンを操作信号としてコントローラ30の切替部50に供給する。
【0040】
切替部50には実際にオペレータが操作レバーを操作して生成された操作信号も供給される。切替部50は、通常は、実際のレバー操作により生成された操作信号をそのまま作業要素40に出力するが、制御部48から操作信号が供給されたときは、実際のレバー操作による操作信号の代わりに制御部48からの操作信号を作業要素40に出力する。
【0041】
上述の構成を図5を参照しながらより詳しく説明する。油圧ショベルの場合、作業要素40として、ブーム4、アーム5、バケット6、及び上部旋回体3の旋回機構2がある。ブーム4の動作検出値はブーム角度センサS1が検出するブーム角度であり、アーム5の動作検出値はアーム角度センサS2が検出するアーム角度であり、バケット6の動作検出値はバケット角度センサS3が検出するバケット角度である。また、上部旋回体3の旋回機構2の動作検出値は旋回角度センサS4が検出する旋回角度である。
【0042】
慣性負荷演算部42は、ブーム角度の変化からブームシリンダ7の動作速度を演算により求め、アーム角度の変化からアームシリンダ8の動作速度を演算により求め、バケット角度の変化からバケットシリンダ9の動作速度を演算により求める。また、慣性負荷演算部42は、旋回角度の変化から上部旋回体3の旋回速度を演算により求める。そして、慣性負荷演算部42は、例えばブーム上げ動作を行なっているときには、バケット6とアーム5とブーム4の重量と、ブームシリンダ7の動作速度とから、ブーム4に作用している慣性力(すなわち、慣性エネルギ)を演算により求める。ブーム5及びバケット6に関しても、同様にして慣性力を演算により求める。あるいは、旋回動作を行なっているときには、上部旋回体3の重量と、上部旋回体3の旋回速度とから、上部旋回体3に作用している慣性力(すなわち、慣性エネルギ)を演算により求める。以上のようにして慣性負荷演算部42が求めた慣性エネルギは、判定部44に供給される。ここで、慣性エネルギの算出には、必ずしもバケットシリンダの動作速度を用いる必要はない。また、旋回動作の慣性エネルギは、旋回速度のみを用いて演算により算出してもよい。
【0043】
一方、許容エネルギ演算部46は、操作レバーの操作量から許容慣性エネルギを演算により求める。許容慣性エネルギは、例えばブーム4の回動動作の場合、上限又は下限位置までブーム4の先端が回動する過程で図3の実線で示すように変化するように設定される慣性エネルギである。ブーム4が停止するまでの慣性エネルギが、許容慣性エネルギを超えないように回動速度を調整することにより、ブーム4を滑らかに減速しながら上限又は下限位置に停止させることができる。すなわち、ブーム4の慣性エネルギが許容エネルギを超えないように回動速度を調整することで、ブーム4は上限又は下限位置において滑らかに停止する。これにより、停止時の衝撃が抑制され、また停止時の振動が抑制されて、オペレータに対する違和感や不快感を低減することができる。言い換えれば、許容エネルギは、オペレータに違和感や不快感を与えない程度に緩やかに減速するための慣性エネルギの上限値である。
【0044】
判定部44において、慣性負荷演算部42で求めた慣性エネルギが許容慣性エネルギを超えているか否かが判定される。慣性エネルギが許容慣性エネルギを超えていなければ、ブーム4は滑らかに停止できる回動速度で操作されていると判定し、レバー操作量を調整せずに実際のオペレータの操作に任せる。一方、慣性エネルギが許容慣性エネルギを超えたと判定された場合は、判定部44はレバー操作量を補正するように制御部48に指示する。
【0045】
レバー操作量を補正するように指示された制御部48は、実際のブーム4の慣性エネルギが許容慣性エネルギ沿って変化するようにブーム4を制御することのできるレバー操作量のパターンを生成する(図6(c)参照)。そして、制御部48は、レバー操作量と生成されたパターンとを比較し、レバー操作量が停止パターンより大きいと、作成したパターンに応じた補正操作信号を切替部50に供給する。切替部は50は、制御部48から補正操作信号が供給されると、実際のレバー操作により生成れて供給されている操作信号の代わりに、制御部48からの補正操作信号を作業要素40(この場合、ブーム4)を駆動するための制御機構に供給する。一方、レバー操作量が停止パターン以下であれば、レバー操作量を調整せずに実際のオペレータの操作に任せる。
【0046】
図6はブーム4の上限又は下限位置における振動を防止するためのレバー操作量を説明するための図であり、(a)はブームシリンダの変位を示し、(b)は慣性エネルギの変化を示し、(c)はレバー操作量を示す。
【0047】
図6(b)に示すように、慣性負荷演算部42で求めた実際の慣性エネルギが、時刻ts1において許容慣性エネルギを超えると、あらかじめ設定された慣性エネルギと目標停止時間tsとの関係(図8参照)に基づき、制御部48は図6(c)の実線に示すようなレバー操作量の補正パターンを生成し、補正パターンに応じた操作信号を生成する。レバー操作量と生成されたパターンとを比較し、レバー操作量が停止パターンより大きいと、この補正操作信号によりブーム4は制御され、ブーム4の慣性エネルギは、図6(b)の実線で示すように許容慣性エネルギ(一点鎖線で示す)に沿って変化する。したがって、ブームシリンダ変位は図6(a)の実線で示すようにほとんど振動することなく、シリンダエンド位置で停止する。
【0048】
なお、図6(a),(b),(c)における点線は、実際の操作レバーの操作のとおりにブーム4を駆動した場合を示す線であり、ブームシリンダエンドよりオーバーシュートして振動しながらブームシリンダエンドに収束することが示されており、これに対応して慣性エネルギも振動しながらゼロになることがわかる。
【0049】
一方、図6(a),(b),(c)における実線は、レバー操作量の補正パターンにより生成した操作信号によりブーム4を駆動した場合を示す線であり、ほとんど振動することなくブームシリンダエンドに停止することがわかる。
【0050】
次に、ブーム4の可動範囲の途中でブーム4を停止する場合におけるブーム4の減速制御について図7を参照しながら説明する。
【0051】
ブーム4の可動範囲の途中でブーム4を停止する場合は、ブームの停止位置は予めわかっておらず、オペレータが任意の位置で停止するように操作レバーで操作する。したがって、この場合、オペレータがブーム4を停止しようとしていること、及び停止しようとしている位置を予測する必要がある。
【0052】
したがって、ブーム4の可動範囲の途中でブーム4を停止する場合におけるブーム4の減速制御システムでは、上述の許容エネルギ演算部46の代わりにレバー操作量変化率算出部52が設けられ、算出されたレバー操作量変化率kr1が判定部44へ送信される。
【0053】
判定部44は、レバー操作量変化率kr1と閾値kr0とを比較してどちらが長いかを判定する。レバー操作量変化率kr1が閾値kr0以上である場合(ここで、kr1とkr0はともにマイナスの値)は、停止動作ではないと判断し、レバー操作量を補正せず、オペレータの操作に任せる。一方、レバー操作量変化率kr1が閾値kr0より小さい場合は、停止動作と判断し、停止パターンと操作量とを比較する指示を制御部48に送る。
【0054】
停止パターンと操作量とを比較する指示を受けた制御部48は、あらかじめ設定された慣性エネルギと目標停止時間tsとの関係(図8参照)に基づき、そのときの目標停止時間tsを算出する。ここで、目標停止時間tsとは、ブーム4の現在の速度から減速が開始されて停止する場合に、ブーム4を滑らかに停止するために必要な停止時間である。そして、制御部48は、算出された目標停止時間tsでブーム4を停止するような停止パターンを算出し、レバー操作量と生成された停止パターンとを比較する。レバー操作量が停止パターンより小さいと、制御部48は、停止パターンに応じた補正操作信号を切替部50に供給する。切替部50は、制御部48から補正操作信号が供給されると、実際のレバー操作により生成されて供給されている操作信号の代わりに、制御部48からの補正操作信号を、作業要素40(この場合、ブーム4)を駆動するための制御機構に供給する。
【0055】
上述の構成を図9を参照しながらより詳しく説明する。慣性負荷演算部42は、図3に示す慣性負荷演算部42と同様の機能を有する。したがって、例えばブーム上げ動作を行なっているときには、慣性負荷演算部42は、バケット6とアーム5とブーム4の重量と、ブームシリンダ7の動作速度とから、ブーム4に作用している慣性力(すなわち、慣性エネルギ)を演算により求める。
【0056】
一方、制御部44は、慣性負荷演算部42から供給されるブーム4の慣性エネルギから、現時点から滑らかに減速してブーム4を停止するために必要な時間として目標停止期間tsを求める。目標停止時間tsはブーム4が有する慣性エネルギに比例しており、慣性エネルギと目標停止時間tsとの間の関係式を用いて算出することができる。あるいは、慣性エネルギと目標停止時間tsとの関係を示すマップを準備しておき、慣性エネルギの値から目標停止時間tsを求めてもよい。
【0057】
オペレータが操作レバーを操作すると、図10(a)に示すようにレバー操作量の変化率krが変化する。レバー操作量の変化率krは、図10(a)に示すレバー操作量の変化を微分することで求められる。すなわち、レバー操作量の変化率krはレバーを操作する速さに相当する。レバー操作量の変化率krが正の値(プラス)のときは加速中であり、負の値(マイナス)のときは減速中であると判断できる。レバー操作量の変化率krは、図10(a)のグラフにおけるレバー操作量ppを示す線の傾きに相当する。
【0058】
そこで、判定部44は、変化率kr1が閾値kr0より小さくなると、停止動作と判断する。
【0059】
図11は可動範囲の途中でブームを停止する際のブームの振動を防止する駆動制御のフローチャートである。
【0060】
図11を参照すると、まず、ステップS1において、停止時間演算部52は、操作レバーが操作されているかについて判定する。この判定は、レバー操作量ppが閾値ppsより大きい(pp>pps)か否かを判定することで行なう。レバー操作量ppが閾値pps以下(pp≦pps)である場合は、ステップS1の判定を繰り返して行なう。ステップS1においてレバー操作量ppが閾値ppsより大きい(pp>pps)と判定されると、処理はステップS2へ進む。
【0061】
続いて、ステップS2において、レバー操作量変化率算出部52は、オペレータが操作レバーを操作して減速を開始したか否かを判定する。この判定は、図10(b)に示すようにレバー操作量の変化率kr1が閾値kr0より小さな値(マイナスの値)となったか否かを判定することにより行なう。オペレータが減速操作を開始すると、レバー操作量の変化率kr1は閾値kr0より小さな値(マイナスの値)となる。
【0062】
ステップS2において、レバー操作量の変化率kr1が閾値kr0より小さな値(マイナスの値)でな無いと判定されると、処理はステップS1に戻る。一方、レバー操作量の変化率kr1が閾値kr0より小さな値(マイナスの値)であると判定されると、レバー操作量変化率算出部52は、ステップS3において慣性エネルギに基づいて目標停止時間tsを算出し、停止するための操作量である停止パターンを求める。
【0063】
続いて、ステップS4において、制御部48は、操作量と停止パターンとを比較し、操作量が停止パターンよりも小さいか否かを判定する。操作量が停止パターン以上である場合は、ブーム4を滑らかに停止するように減速操作がなされていると判断し、処理はステップS1に戻る。一方、操作量が停止パターンよりも小さい場合は、オペレータのレバー操作が急激でブーム4が急停止すると判断し、処理はステップS5に進む。
【0064】
制御部48は、ステップS5において、ステップS3で設定した停止パターンに応じた補正操作信号を生成する。そして、制御部48は生成した補正操作信号を切替部50に供給し、処理を終了する。
【0065】
以上の処理により、切替部50からは、補正操作信号が作業要素40(ブーム4)の駆動機構に供給されて作業要素40(ブーム4)は補正操作信号により駆動される。したがって、オペレータによる作業要素40(ブーム4)の操作が急停止であると判定されたときには、作業要素40の駆動機構に対して補正操作信号が供給され、オペレータの操作にかかわりなく作業要素40が滑らかに停止するよう制御される。
【0066】
図12は図11に示す処理により可動範囲の途中でブームを停止する際の、ブームシリンダ位置、慣性エネルギ、及びレバー操作量の変化を示す図である。
【0067】
図12(a)にはブームシリンダ7の変位が示されている。図12(a)の実線は、ブーム4が補正操作信号により制御されて停止するときのブームシリンダ7の変位を示している。図12(a)の点線は、補正操作信号を生成しないでオペレータのレバー操作による操作信号のまま駆動制御を行なった場合のブームシリンダ7の変位を示しており、オペレータの操作が急激な操作であるため、ブームシリンダ7の変位に振動が生じていることがわかる。一方、図12(a)の実線で示すブームシリンダ7の変位は、補正操作信号により制御されて目標停止時間tsにおいて停止するように制御されるため、滑らかに停止位置に到達していることがわかる。
【0068】
図12(b)には慣性エネルギの変化と目標停止時間tsの変化が示されている。目標停止時間tsは、一点鎖線で示すように慣性エネルギEが大きくなるにつれて大きくなる。ブーム4の慣性エネルギは、補正をしないで急停止した場合は点線で示すように振動しながら減衰するが、補正操作信号により制御することで実線で示すように滑らかに変化する。
【0069】
図12(c)には、レバー操作量の変化とレバー操作量の変化率krの変化が示されている。オペレータの操作のままのレバー操作量は、点線で示すように時間trで急激にゼロになる。しかし、時間t1にて変化率kr1が閾値kr0より小さいと判断されるとともに、操作量が停止パターンよりも小さいと判断されると、実線で示すように目標停止時間tsで滑らかにゼロになるパターンに応じて制御する。このため、ブーム4が停止したときには、図12(a)の実線で示すように振動は発生せずに滑らかに停止する。
【0070】
以上の説明はブーム4を可動範囲の途中で停止する場合についてであるが、上部旋回体3の旋回運動を停止する場合についても同様な制御とすることができる。上述の説明において、ブーム4及びブームシリンダ7をそれぞれ上部旋回体3及び旋回用モータに置き換えて解釈すればよい。
【0071】
次に、補正操作信号によるブーム4の駆動制御について説明する。
【0072】
図13は補正操作信号によりパイロット圧を生成してブーム上げ又はブーム下げの駆動制御を行なう構成のブロック図である。オペレータが操作する操作レバー装置20の操作信号生成部20bで生成された操作信号(電気信号)は、切替部50を介して、ブーム上げ用電磁比例弁60又はブーム下げ用電磁比例弁62に供給される。
【0073】
ブーム上げ用電磁比例弁60及びブーム下げ用電磁比例弁62には、パイロット圧ポンプ64からパイロット圧が供給されている。ブーム上げ用電磁比例弁60及びブーム下げ用電磁比例弁62は、切替部50から供給される操作信号又は補正操作信号によりパイロット油圧を調整してコントロールバルブ66に供給する。コントロールバルブ66はパイロット圧作動型のバルブであり、供給されるパイロット圧に基づいて、メインポンプから供給される油圧をブームシリンダ7や他の油圧負荷へ供給するよう制御する。
【0074】
一方、上述のように制御部48において生成された補正操作信号も、切替部50に供給される。切替部50は、補正操作信号が供給されていないときは、操作レバー装置20からの操作信号をブーム上げ用電磁比例弁60又はブーム下げ用電磁比例弁62に供給するが、補正操作信号が供給されたときには、操作レバー装置20からの操作信号の代わりに補正操作信号をブーム上げ用電磁比例弁60又はブーム下げ用電磁比例弁62に供給する。これにより、補正操作信号に応じたパイロット圧がブーム上げ用電磁比例弁60又はブーム下げ用電磁比例弁62により生成され、このパイロット圧によりコントロールバルブ66が制御されての油圧がブームシリンダ7に供給され、ブーム4が駆動制御される。
【0075】
なお、図14に示すように、コントロールバルブ66を電磁作動型のバルブとしておくことで、切替部50からの操作信号又は補正操作信号をそのままコントロールバルブ66に供給して油圧供給を制御することもできる。
【符号の説明】
【0076】
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
20 操作レバー装置
20a 操作レバー
30 コントローラ
40 作業要素
42 慣性負荷演算部
44 判定部
46 許容エネルギ演算部
48 制御部
50 切替部
52 停止位置演算部
60 ブーム上げ用電磁比例弁
62 ブーム下げ用電磁比例弁
64 パイロット圧ポンプ
66 コントロールバルブ
S1 ブーム角度センサ
S2 アーム角度センサ
S3 バケット角度センサ
S4 旋回角度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業要素の動作を制御するために操作者が操作する操作レバーと、
該作業要素を駆動するアクチュエータと、
該アクチュエータの動作を検出して検出信号を出力する検出器と、
前記アクチュエータの駆動を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
該検出器からの検出信号に基づいて前記アクチュエータに作用する慣性負荷を演算する慣性負荷演算部と、
前記慣性負荷に基づいて停止パターンを作成し、該停止パターンと前記操作レバーの操作から得られるレバー操作量とを比較するとともに、比較結果に応じて前記停止パターンに沿って前記作業要素の慣性エネルギが小さくなるように制御を行なう制御部と
を有することを特徴とする掘削機。
【請求項2】
請求項1記載の掘削機であって、
前記作業要素は、バケットと、バケットが取り付けられたアームと、アームが取り付けられたブームとを含み、
前記検出器は、ブーム角度検出器、及びアーム角度検出器、を含み、
前記慣性負荷演算部は、前記ブーム角度検出器から出力されるブーム角度検出信号と、前記アーム角度検出器から出力されるアーム角度検出信号とに基づいて、前記慣性負荷を演算し、
前記制御部は、前記停止パターンに沿って、前記作業要素の慣性エネルギが小さくなるように前記ブームの駆動を制御する
ことを特徴とする掘削機。
【請求項3】
請求項2記載の掘削機であって、
前記操作レバーの操作量に基づいて許容エネルギを演算する許容エネルギ演算部と、
前記慣性負荷と前記許容エネルギとを比較し、前記慣性負荷が前記許容エネルギよりも大きいか否かを判定する判定部と
を更に有し、
前記制御部は、前記慣性負荷が前記許容エネルギよりも小さい場合には、前記操作レバーの操作量に基づいて前記ブームを制御することを特徴とする掘削機。
【請求項4】
請求項2又は3記載の掘削機であって、
前記操作レバーの操作に基づいてレバー操作量の変化率を算出するレバー操作量変化率算出部を更に有し、
前記制御部は、前記レバー操作量変化率が閾値より大きい場合には、前記操作レバーの操作量に基づいて前記ブームを制御する
ことを特徴とする掘削機。
【請求項5】
請求項1又は2記載の掘削機であって、
前記作業要素は、旋回機構により駆動され前記ブームが取り付けられた旋回体を含み、
前記検出器は、旋回角度検出器を含み、
前記慣性負荷演算部は、前記旋回角度検出器から出力される旋回角度検出信号に基づいて前記慣性負荷を演算し、
前記制御部は、前記操作レバーの操作から得られる前記レバー操作量が前記停止パターンより小さい場合には、前記作業要素の慣性エネルギが小さくなるように前記旋回体の旋回駆動を制御する
ことを特徴とする掘削機。
【請求項6】
請求項5記載の掘削機であって、
前記操作レバーの操作に基づいてレバー操作量の変化率を算出するレバー操作量変化率算出部を更に有し、
前記制御部は、前記レバー操作量変化率が閾値より大きい場合には、前記操作レバーの操作量に基づいて前記旋回体の旋回駆動を制御する
ことを特徴とする掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−172382(P2012−172382A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35003(P2011−35003)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】