説明

掘削爪、ホルダ、及び掘削手段

【課題】掘削抵抗が大きい硬質地盤でも使用できる掘削爪、ホルダ、及び掘削手段を提供する。
【解決手段】地盤を掘削する刃部11の後側で、掘削手段に設けられた支持孔41内に挿入される軸部20とを備える掘削爪10である。軸部20には、軸部の前側で、支持孔41の内面と係合して刃部11の角度を軸回りに回転不可に決めるとともに、掘削時にかかる力が作用する回り止め部21と、回り止め部21の後側で、支持孔41の内面に係合して軸部20を軸方向へ移動不可とするとともに、変形して支持孔41の内面への係合を解除して軸部20を軸方向へ移動可能とする抜け止め部30と、抜け止め部30の後側で、支持孔41の内面と当接して掘削時にかかる力が作用する後端部22とを備え抜け止め部30を変形させて軸部20の軸方向への移動を規制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を掘削する掘削手段に着脱自在に取り付けられる掘削爪、掘削爪を掘削手段に固定するホルダ、及びホルダを有する掘削手段に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質地盤を掘削して竪穴を形成する装置として、アースオーガが知られている。このアースオーガに設けられているオーガスクリューの下端部には、硬質地盤を掘削するオーガヘッドが接続されている。
【0003】
オーガヘッドとしては、例えば、回転軸の下端から、軸に対して略垂直方向に突出した羽を有し、羽に掘削爪が径方向に等間隔に設けられたものがある。羽には、掘削爪を支持するホルダが設けられている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
掘削爪及びホルダの構造としては、例えば図8に示すものがある。図8において、掘削爪50の軸部51が、筒状のホルダ60に挿入されている。軸部51の外周には、抜け止め52が設けられており、抜け止め52の内張力で軸部51がホルダ60から抜けることを防いでいる。また、軸部51の後端には凹部51aが設けられるとともに、ホルダ60の後端には凸部61が設けられており、凹部51aと凸部61とが係合し、掘削爪50が軸方向に回転することを防ぐ回り止めとなっている。
【0005】
地盤の掘削時には、図8に示すように、掘削爪50は斜めに配置され、先端が地盤1に当接される。図8において、掘削爪50は右上から左下に傾いて配置されており、掘削時の掘削爪50の進行方向は左である。このとき、掘削爪50の先端は地盤1から右方向の反力を受ける。これに対し、抜け止め52はホルダ60から左方向の抗力を受け、軸部51の後端部はホルダ60から右方向の抗力を受ける。
【特許文献1】特開2004−124695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような掘削爪及びホルダの構造では、掘削爪が掘削抵抗を受けた場合、下記の問題点(1)〜(3)があった。
【0007】
(1)掘削爪抜け
掘削爪が受ける掘削抵抗力をホルダに伝達する軸部の外周に抜け止めがあるので、抜け止めは軸部から掘削抵抗を繰り返し受けて変形もしくは破断し、抜け止めの内張力が低下する。よって掘削爪が脱落しやすいという問題があった。
【0008】
(2)掘削爪軸折れ
軸部の外側面とホルダの内側面との間に抜け止めがあるので、抜け止めの分だけ軸部は小径となり、掘削抵抗に対する軸曲げ強度、軸ねじり強度が低くなり、軸折れが発生したり、掘削爪が脱落したりする恐れがあった。また、凹部及び凸部が軸部及びホルダの後端にあるため、軸ねじりに対する軸部の変形量が大きくなり、軸折れが生じる恐れがあった。したがって、掘削抵抗が小さい軟弱地盤でしか利用できなかった。
一方、軸折れを防ぐために軸径を上げるとホルダも大きくなり、オーガヘッドが土砂から受ける抵抗が増大し、掘削効率が抵抗する恐れがあった。
【0009】
(3)着脱性不良
凹部及び凸部が軸部及びホルダの後端にあるため、軸部のホルダへの挿入時に凸部が見えず、位置合わせがしづらい。強引に軸部をホルダに挿入すると、軸部やホルダの後端部を損傷して使用不可能になる恐れもあった。
【0010】
本発明の課題は、上記問題点を解決し、掘削抵抗が大きい硬質地盤でも使用できる掘削爪、ホルダ、及び掘削手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、地盤を掘削する掘削手段に着脱自在に取り付けられる掘削爪10であって、地盤を掘削する刃部11と、刃部11の後側で、掘削手段に設けられた支持孔41内に挿入される軸部20とを備え、軸部20には、該軸部20の前側で、支持孔41の内面と係合して刃部11の角度を軸回りに回転不可に決めるとともに、掘削時にかかる力が作用する回り止め部21と、回り止め部21の後側で、前記支持孔41の内面に係合して軸部20を軸方向へ移動不可とするとともに、変形して前記支持孔41の内面への係合を解除して軸部20を軸方向へ移動可能とする抜け止め部30と、抜け止め部30の後側で、支持孔41の内面と当接して掘削時にかかる力が作用する後端部22とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、上記の問題点(1)〜(3)を解決することができる。
【0013】
すなわち、支持孔41の内面と係合して刃部11の角度を軸回りに回転不可に決める回り止め部21が軸部20の前側にあるため、刃部11が軸回り方向の回転力を受けたときに、刃部11の軸部20に対するねじれを最小限にすることができる。
【0014】
また、抜け止め部30が、回り止め部21の後側で、支持孔41の内面に係合して軸部20を軸方向へ移動不可とするとともに、抜け止め部30が変形することで支持孔41の内面への係合を解除可能であるので、軸部20の軸方向への移動を規制することができる。
【0015】
さらに、掘削時にかかる力が、回り止め部21と、抜け止め部30の後側に設けられ支持孔41の内面と当接する後端部22とに作用するので、掘削時にかかる力が作用する支点及び作用点の間隔を充分に確保することができ、軸部20を短くすることができる。また、掘削時にかかる力が作用する支点及び作用点の間に抜け止め部30を設けることで、抜け止め部30に力がかからず、抜け止め部30の損傷を防ぐことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘削爪10であって、前記回り止め部21は、支持孔41の内面に対応する多角形状に形成され、前記抜け止め部30は、軸部20の周方向に環状に配置されて拡縮自在な抜け止めリング32を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、回り止め部21が、支持孔41の内面に対応する多角形状に形成されているので、軸部20が支持孔41に対して軸回り方向に回転することを防ぐことができる。また、抜け止め部30が、軸部20の周方向に環状に配置されて拡縮自在な抜け止めリング32を備えるので、抜け止めリング32を拡径して支持孔41の内面に係合させ、軸部20を軸方向へ移動不可とするとともに、抜け止めリング32を縮径して支持孔41の内面への係合を解除して軸部20を軸方向へ移動可能とすることができる。
【0018】
また、図7(b)に示すように、縮径した抜け止めリング32が多角形状の支持孔41を通るときに、支持孔41の内面と抜け止めリング32との間に隙間52ができるため、支持孔41内部の土砂が隙間52を通って動きやすく、軸部20を支持孔41から容易に抜くことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の掘削爪10を掘削手段に固定するホルダ40であって、掘削爪10の軸部20が挿入される支持孔41を有し、該支持孔41の内周面には、支持孔41の挿入口42側部分に設けられ、軸部20の回り止め部21の外周面と係合して掘削爪10の角度を回転不可に決める回り止め受部43と、回り止め受部43の奥側で抜け止め部30に係合して軸部20が支持孔41から抜ける方向への移動を規制する抜け止め受部44と、抜け止め受部44の奥側で、軸部20の後端部22に当接して掘削時にかかる力が作用する後端受部45とを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、回り止め部21と係合して掘削爪10の角度を軸回りに回転不可に決める回り止め受部43が挿入口42側部分に設けられているため、掘削爪10が軸回り方向の回転力を受けたときに、刃部11の軸部20に対するねじれを最小限にすることができる。また、掘削時にかかる力が作用する支点及び作用点の間に抜け止め受部44を設けることで、抜け止め受部44に力がかからず、抜け止め受部44の損傷を防ぐことができる。
【0021】
また、回り止め受部43の奥側の抜け止め受部44が、抜け止め部30に係合することで、軸部20の支持孔41から抜ける方向への移動を規制することができる。
【0022】
さらに、掘削時にかかる力が、回り止め受部43と、抜け止め受部44の後側に設けられ後端部22と当接する後端受部45とに作用するので、掘削時にかかる力が作用する支点及び作用点の間隔を充分に確保することができ、支持孔41の深さを浅くすることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、掘削手段であって、請求項3に記載のホルダ40を備え、前記支持孔41に軸部20が挿入されて前記掘削爪10が着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、掘削手段が請求項3に記載のホルダ40を備えるので、支持孔41に軸部20を挿入して掘削爪10を掘削手段に着脱自在に取り付けることができ、磨耗した掘削爪10を容易に交換することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、掘削時にかかる力が、回り止め部と回り止め受部との間、及び、後端部と後端受部との間に作用するので、掘削時にかかる力が作用する支点及び作用点の間隔を充分に確保することができ、軸部を短くすることができる。また、掘削時にかかる力が作用する支点及び作用点の間に抜け止め部及び抜け止め受部を設けることで、抜け止め部及び抜け止め受部に力がかからず、抜け止め部の損傷を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の掘削爪10の形態例を示しており、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。掘削爪10は、先端に設けられた刃部11と、刃部11の後方に設けられた軸部20とからなる。
【0027】
軸部20は、刃部11と隣接して設けられた回り止め部21と、回り止め部21の後方に設けられた抜け止め部30と、抜け止め部30の後方に設けられた後端部22とからなる。回り止め部21は、略六角柱形状であり、後述するホルダ40の回り止め受部43と係合する。回り止め部21は、ホルダ40内で軸部20が軸回りに回転することを防ぐ。
【0028】
抜け止め部30は、溝部31と、抜け止めリング32とからなる。溝部31は、回り止め部21と後端部22との間に形成され、軸回りに環状に設けられている。溝部31内には、抜け止めリング32が配置されている。
【0029】
抜け止めリング32は、図2に示すように、一部にクランク形状の切れ目33を有する環形状である。抜け止めリング32には、前端及び後端に設けられた小径部34と、中央に設けられた大径部35とからなる。すなわち、抜け止めリング32の前後方向の中央部には、外側に突出した部分が周方向に設けられている。
【0030】
小径部34の外径は、後端部22の外径に等しく、また、回り止め部21の断面の六角形の内接円の径に等しい。大径部35の外径は、小径部34よりも大きい。小径部34及び大径部35の外周面は、滑らかに連続している。
【0031】
また、抜け止めリング32の、切れ目33部分の両端部は互いに近づけることができる。切れ目33部分を近づけると、抜け止めリング32の径を小さくすることができる。切れ目33部分を近づけていくと、大径部35の外径は、後端部22の外径、及び回り止め部21の断面の六角形の内接円の径に等しくなる。
【0032】
後端部22は、ホルダ40内の後述する後端受部45と当接する。また、後端部22の後面23はホルダ40内の後述する抜き穴46の位置に配置される。
【0033】
図3は本発明の掘削爪10を固定するホルダ40を示しており、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B断面図である。また、図4は掘削爪10がホルダ40に固定された状態を示しており、(a)は側面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【0034】
ホルダ40は筒形状をしており、掘削爪10の軸部20が挿入される支持孔41を有している。支持孔41は、挿入口42と、回り止め受部43と、抜け止め受部44と、後端受部45と、抜き穴46とからなる。
【0035】
挿入口42はホルダ40の前端に設けられており、ここから掘削爪10の軸部20が支持孔41に挿入される。挿入口42は回り止め受部43に向かってテーパー状に狭まっており、回り止め受部43に連続している。回り止め受部43は断面略六角形状であり、内部に挿入される回り止め部21と係合し、軸部20の軸回り方向の回転を防ぐ。
【0036】
回り止め受部43の後方には、抜け止め受部44が設けられている。抜け止め受部44は、図3(b)に示すように、回り止め受部43よりも大きな内径を有している。抜け止め受部44には、内部に抜け止めリング32の大径部35が拡縮可能に保持される。
【0037】
抜け止めリング32の大径部35が抜け止め受部44に配置された状態では、図4(a)に示すように、大径部35が回り止め受部43の後端に引っかかるため、軸部20が支持孔41から抜け落ちることを防止することができる。
【0038】
後端受部45には、軸部20の後端部22が挿入される。後端受部45の後方はテーパー状に狭まっており、抜き穴46と連続している。抜き穴46には、図4(a)に示すように、後端部22の後面23が配置される。
【0039】
地盤の掘削時には、図5に示すように、掘削爪10は斜めに配置され、刃部11が地盤1に当接される。図5において、掘削爪10は右上から左下に傾いて配置されており、掘削時の掘削爪10の進行方向は左である。このとき、刃部11は地盤1から右方向の反力を受ける。
【0040】
実際には、掘削爪10はオーガヘッド等の回転式の掘削手段(図示せず)に取り付けられ、掘削手段に取り付けられた掘削爪10は、回転させられながら地盤1を掘削する。このため、掘削爪10は地盤1から軸回り方向の回転力を受けるが、刃部11の後方に隣接して回り止め部21があり、回り止め部21がホルダ40の回り止め受部43と係合しているため、刃部11の軸部20に対するねじれを最小限にすることができる。
【0041】
また、刃部11の先端に地盤1から右方向の反力が加わるため、回り止め部21は回り止め受部43から左方向の抗力を受ける。一方、回り止め部21が支点となるため、作用点となる後端部22は、後端受部45から右方向の抗力を受ける。このように、支点となる回り止め部21と、作用点となる後端部22とが離間しているため、後端部22が受ける抗力を小さくすることができる。
【0042】
また、回り止め部21を軸部20の前端に設けたことで、回り止め部21を後端部22と充分に離間して配置することができるため、軸部20の長さを短くすることができる。このため、ホルダ40の土砂押しのけ高さを低くすることができ、土砂抵抗を小さくすることができる。
【0043】
掘削爪10のホルダ40への嵌め込みは、以下のように行う。まず、掘削爪10の軸部20の後端部22を挿入口42からホルダ40の支持孔41へ挿入する。挿入口42側に六角形状の回り止め受け部があるため、挿入時の軸回りの角度を容易に合わせることができる。
【0044】
挿入口42の位置に抜け止めリング32がくるまで挿入すると、大径部35の外周面が挿入口42に当接する。そのまま軸部20を押し込むと、抜け止めリング32が挿入口42のテーパーに沿って弾性変形し、切れ目33部分を近づけて縮径する。
【0045】
縮径した抜け止めリング32は回り止め受部43を通して、抜け止め受部44に到達させることができる。抜け止め受部44は回り止め受部43よりも大きな内径を有しているため、抜け止め受部44に到達した抜け止めリング32は元の形状に戻る。これにより、大径部35の外周面が回り止め受部43の後端に引っかかるため、掘削爪10がホルダ40から抜け落ちることを防止することができる。
【0046】
掘削爪10が磨耗したら、掘削爪10を交換する。掘削爪10をホルダ40から抜くときには、以下の手順を行う。まず、ホルダ40の抜き穴46から、後端部22の後面23をハンマー等で叩く。すると抜け止めリング32の大径部35の外周面が回り止め受部43の後端に当接する。さらに後端部22の後面23をハンマー等で叩くと、大径部35の外周面は、回り止め受部43の後端に押圧され、切れ目33部分を合わせて縮径する。縮径した抜け止めリング32は回り止め受部43を通して、挿入口42の外へ出すことができる。
【0047】
なお、掘削爪10が地盤1に食い込んで掘削手段が回転しなくなった時には、掘削手段を逆方向に回転させて地盤1から抜くが、このとき、抜き穴46から土砂が入り、後面23が土圧で押圧され、掘削爪10が抜け落ちる恐れがある。これを防ぐため、ホルダ40の抜き穴46をハンマー等で叩くのに必要最小限の大きさまで小さくし、掘削爪10が抜ける方向に受ける力を小さくすることが好ましい。
【0048】
ここで、もし、回り止め受部43の形状が円筒形に近くなるほど、大径部35の外周面の回り止め受部43の後端への引っかかり面積(図6(a)の網掛け部分)が大きくなり、より抜け落ちにくくなると考えられる。しかし、この場合には、大径部35が回り止め受部43を通過するときに、大径部35の外周面と回り止め受部43の内周面との接触面積(図6(b)の太線部分)が大きくなり、着脱が困難となる。
【0049】
本実施の形態では、回り止め受部43の形状が六角柱形であるので、円筒形の場合と比較して、大径部35の外周面の回り止め受部43の後端への引っかかり面積(図7(a)の網掛け部分)は小さくなるが、大径部35が回り止め受部43を通過するときに、大径部35の外周面と回り止め受部43の内周面との接触面積(図7(b)の黒点)が小さくなり、着脱が容易となる。
【0050】
また、掘削作業を行う間に、軸部20と支持孔41との間に切削された土砂が侵入し、軸部20が支持孔41から抜けにくくなる。回り止め受部43の形状が円筒形の場合には、図6(b)に示すように、抜け止めリング32が回り止め部21を通るときの隙間51が極めて小さく、支持孔41内部の土砂が隙間51を動きにくいために軸部20が抜けにくくなる。
【0051】
しかし、回り止め受部43の形状が六角柱形である場合には、図7(b)に示すように、抜け止めリング32が回り止め部21を通るときの隙間52が六箇所の角部にあり、支持孔41内部の土砂が隙間52を通って動きやすく、軸部20を支持孔41から容易に抜くことができる。
【0052】
なお、以上の実施の形態においては、回り止め部21及び回り止め受部43を六角柱状としたが、本発明はこれに限らず、例えば四角注状、五角柱状、七角柱状、八角柱状等、その他の任意の多角柱状や、あるいはスプライン形状としてもよい。また、抜け止め部の形状も弾性変形して支持孔41への係合状態あるいは係合解除状態となるものであれば、適宜変更可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の掘削爪の形態例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】図1で用いられる抜け止めリングを示す斜視図である。
【図3】本発明の掘削爪を固定するホルダを示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図4】図1の掘削爪が図3のホルダに固定された状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図5】地盤の掘削時に本発明の掘削爪及びホルダに作用する力を示す模式図である。
【図6】仮に回り止め部及び回り止め受部が円筒形であった場合の掘削爪及びホルダを示す図であり、(a)は回り止め受け部の後端に抜け止めリングが係合した状態を示す断面図、(b)は抜け止めリングが回り止め受部を通る時を示す断面図である。
【図7】本発明の掘削爪及びホルダを示す図であり、(a)は回り止め受け部の後端に抜け止めリングが係合した状態を示す断面図、(b)は抜け止めリングが回り止め受部を通る時を示す断面図である。
【図8】従来の掘削爪及びホルダを示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 掘削爪
11 刃部
20 軸部
21 回り止め部
22 後端部
30 抜け止め部
32 抜け止めリング
40 ホルダ
41 挿入口
42 回り止め受部
43 抜け止め受部
44 後端受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を掘削する掘削手段に着脱自在に取り付けられる掘削爪であって、
地盤を掘削する刃部と、刃部の後側で、掘削手段に設けられた支持孔内に挿入される軸部とを備え、
軸部には、該軸部の前側で、支持孔の内面と係合して刃部の角度を軸回りに回転不可に決めるとともに、掘削時にかかる力が作用する回り止め部と、
回り止め部の後側で、前記支持孔の内面に係合して軸部を軸方向へ移動不可とするとともに、変形して前記支持孔の内面への係合を解除可能とする抜け止め部と、
抜け止め部の後側で、支持孔の内面と当接して掘削時にかかる力が作用する後端部とを備えることを特徴とする掘削爪。
【請求項2】
前記回り止め部は、支持孔の内面に対応する多角形状に形成され、
前記抜け止め部は、軸部の周方向に環状に配置されて拡縮自在な抜け止めリングを備えることを特徴とする請求項1に記載の掘削爪。
【請求項3】
請求項1または2に記載の掘削爪を掘削手段に固定するホルダであって、掘削爪の軸部が挿入される支持孔を有し、
該支持孔の内周面には、支持孔の挿入口側部分に設けられ、軸部の回り止め部の外周面と係合して掘削爪の角度を回転不可に決める回り止め受部と、
回り止め受部の奥側で抜け止め部に係合して軸部が支持孔から抜ける方向への移動を規制する抜け止め受部と、
抜け止め受部の奥側で、軸部の後端部に当接して掘削時にかかる力が作用する後端受部とを備えることを特徴とするホルダ。
【請求項4】
請求項3に記載のホルダを備え、前記支持孔に軸部が挿入されて前記掘削爪が着脱自在に取り付けられることを特徴とする掘削手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−22593(P2006−22593A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203084(P2004−203084)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000141521)株式会社技研製作所 (83)
【Fターム(参考)】