説明

接合構造体およびその形成方法

【課題】原子炉および太陽光発電所における超高温の用途で2つ以上の金属部品を摩擦撹拌接合する。
【解決手段】摩擦撹拌接合(FSW)システム112で形成された接合構造体110は、境界部118で互いに接触する金属部品114,116を備える。摩擦撹拌接合システム112は、制御部122、工具124およびピン126を備える。ピン126は、工具124の底面から延びており、摩擦撹拌接合中に金属部品114,116に押しつけられる。工具124およびピン126が境界部118に沿って移動するときに、工具124およびピン126の回転によって境界部118における金属部品114,116の粒子酸化物分散強化合金および他の合金が摩擦によって加熱される。加熱された合金は、可塑状態になり、工具124およびピン126の回転運動によって撹拌され、これにより、境界部118において接合継ぎ目120を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、次世代の原子炉および太陽光発電所の超高温領域に関し、特に、超高温領域の重要な金属構造体および構成要素に関する。
【0002】
なお、本発明の関連出願として、米国で本願の基礎出願と同日に出願された「Friction Stir Welded Structures Derived from AL−RE−TM Alloys」という題名の米国特許出願(代理人整理番号U73.12−0108/PA−0002526−US)、「Secondary Processing of Structures Derived from AL−RE−TM alloy」という題名の米国特許出願(代理人整理番号U73.12−0109/PA−0002525−US)および「Hollow Structures Formed with Friction Stir Welding」という題名の米国特許出願(代理人整理番号U73.12−0110/PA−0002528−US)がある。
【背景技術】
【0003】
核エネルギおよび太陽エネルギを生成する際に、最近は、作動温度が高くなる傾向がある。これは、どのようなタービンでも、その効率が、タービンを駆動する作動流体の入口側の温度と出口側の温度との間の温度差によって決定されるからである。発電所における高温側の作動温度限界は、発電所の高温領域を建設するのに使用される材料の高温特性によって決定されることが一般的である。次世代の原子炉および太陽光発電所の例として、超高温反応炉(VHTR)や溶融塩エネルギタワーの発電所が挙げられる。これらの原子炉および発電所は、後述される。発電所の高温領域は、800℃(1,472°F)を超える温度で連続して稼働する。この温度は、たいていの構造用合金の上限である。鉄基超合金は、高い中性子流束の増加に耐えられるので原子炉の用途に必要とされている。ニッケルおよびコバルト基超合金は、高温による腐食に耐えられるので、溶融塩エネルギタワーの用途に必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子炉の管および容器用の理想的な合金の候補は、粒子酸化物分散強化(ODS)合金である。以下に説明するように、従来の融接によって粒子酸化物分散強化合金同士を接合することはできない。粒子酸化物分散強化合金同士を摩擦撹拌接合(friction stir welding:FSW)によって接合することはできる。特に、原子炉および太陽光発電所における超高温の用途で粒子酸化物分散強化合金を摩擦撹拌接合することは、本発明の基本となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、接合構造体およびその形成方法に関する。接合構造体は、摩擦撹拌接合によって接合継ぎ目において互いに固定された金属部品を備える。この金属部品は、粒子酸化物分散強化合金および他の合金から成る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、次世代(第4世代)の原子炉用に設計された超高温反応炉(VHTR)を概略的に示している。反応炉10は、外側容器12、ウラン/グラファイト燃料を備えたグラファイト反応炉の炉心14、コントロールロッド16および反応炉シェル19を備える。ヘリウムガス冷媒18は、管20を介して反応炉10から熱交換器22へ送風機24によって循環される。熱交換器22内の作動流体26は、熱交換器22から、水素製造工場32における水素生成、電力生成(図示せず)および他の有用な工程(図示せず)のために有用な熱が抽出される場所へ、管30を介してポンプ28によって供給される。水素製造工場32は、熱化学工程によって水素36および酸素38を生成するために水34を取り入れる。余分な熱40は、ヒートシンクを介して分離され、処理される。点線Lは、この点線Lの左側で構成要素が800℃(1472°F)を超える作動温度に曝される領域と、点線Lの右側で構成要素が800℃(1472°F)を下回る作動温度に曝される領域と、の間の境界を概略的に示している。800℃(1472°F)を超える作動温度で、高い機械的強度およびクリープ破壊耐性が必要不可欠な構成要素は、反応炉シェル19、熱交換器シェル42、ヘリウム管20および熱交換器管30である。粒子酸化物分散強化(Oxide dispersion strengthened;ODS)合金は、後述されるように、これらの用途に適した候補である。
【0007】
次世代の発電所における粒子酸化物分散強化合金の他の用途が図2に示されており、溶融塩太陽エネルギタワーの発電所が概略的に示されている。基本的に、このシステムは、溶融塩が循環する多数の管を含む熱交換器に集束する太陽光を利用する。タービンを駆動させる蒸気を生成して電力を生み出すために、熱が溶融塩から抽出される。図2に示されるように、太陽光50は集束されて、ヘリオスタット52の広範な領域から高いタワー56上の受光機54へ案内される。受光機54は、溶融塩がポンプ58によって循環される管の列(図示せず)を備える。受光機54からの溶融塩は、管60を介して高温塩貯蔵タンク62に供給される前に、816℃(1,500°F)またはそれ以上に加熱されている。溶融塩は、必要なときに管64を介してタンク62から熱交換器66に供給される。凝縮器68から管70を介して流れる水が、蒸気に変化し、タービン72を駆動して電気を生成する。熱交換器から出た溶融塩は、288℃(550°F)の温度に温度低下し、管74を介して低温塩貯蔵タンク76に供給され、閉ループ工程を繰り返す。受光機54、管60,64の高温部分、高温塩貯蔵タンク62、熱交換器66、タービン72の部分および対応する蒸気管78の全ては、816℃(1,500°F)またはそれ以上の温度に曝される。さらに、全ての構成要素は、この溶融塩に対する耐腐食性を要する。図1で説明し、かつ参照した核エネルギ用途のように、粒子酸化物分散強化合金は、この用途の候補である。
【0008】
鉄基の粒子酸化物分散強化合金は、高い中性子流束の環境下での増加に耐えられるので、超高温反応炉の用途を備える。ニッケルおよびコバルト基粒子酸化物分散強化合金は、高温下において溶融塩に対する優れた耐腐食性を備えるので、溶融塩太陽エネルギタワーの発電所における用途を備える。次世代の発電所における管および容器に使用される材料の高温特性は、発電所を稼働する要因を制限している。高温に対する強度およびクリープ破壊耐性は、寿命の延長および安全な稼働を保証するのに重要である。粒子酸化物分散強化合金は、固体状態の機械的合金化処理によって生成され、これらの用途に必要な高温における強度およびクリープ破壊耐性をもたらすサブミクロンの酸化イットリウム粒子の細かな分散を有している。
【0009】
発電所の用途において粒子酸化物分散強化合金を使用する際の主な欠点は、粒子酸化物分散強化合金を接合することが困難であることである。融接のようなワーク片が溶融される接合技術では、高温における強度およびクリープ破壊耐性を担う酸化物の分散を破壊してしまう。粒子酸化物分散強化合金が溶融されて再凝固されるときに、酸化物は粒子の境界に集まり、有益な分散および結果的に生じる機械特性が失われる。
【0010】
しかし、摩擦撹拌接合(FSW)は、融点を超えない温度での固体処理であるので分散を妨害しない。この結果、機械特性は、接合作業によって変化しない。さらに、摩擦撹拌接合によって異なる材料同士を接合できる。次世代の核エネルギおよび太陽エネルギの生成システムでは、粒子酸化物分散強化合金は高価なので、このことは重要な検討事項である。コストを最小限に抑えるために、粒子酸化物分散強化合金の使用は、発電所の高温部分のみに制限されている。粒子酸化物分散強化合金が摩擦撹拌接合(FSW)によって接合されるときに、酸化物の分散微細構造と、結果的に生じる高温における強度およびクリープ破壊耐性と、が維持される。
【0011】
図3は、摩擦撹拌接合(FSW)システム112で形成された接合構造体110の斜視図である。図示されるように、接合構造体110は、境界部118で互いに接触する金属部品114,116を備える。金属部品114,116は、接合構造体110を形成するように互いに接合されるサブコンポーネントであり、様々な異なるサブコンポーネント(例えば、原子炉および太陽光発電所内の管および容器構造体)であってもよい。金属部品114,116は、接合構造体110に対して高い強度および延性をもたらす粒子酸化物分散強化合金または他の合金からそれぞれ形成されている。以下に説明されるように、接合継ぎ目120を形成するように、金属部品114,116は、摩擦撹拌接合システム112によって境界部118で互いに接合され、この接合継ぎ目120は、金属部品114,116の接合前の強度(pre−weld strengths)を実質的に維持している。
【0012】
摩擦撹拌接合システムは、制御部122、工具124およびピン126(ピン126は点線で示される)を備える。ピン126は、工具124の底面から延びており、摩擦撹拌接合中に金属部品114,116に押しつけられる。制御部122によって、工具124およびピン126が、矢印128の方向(または、矢印128と反対の回転方向)に回転するとともに、矢印130の方向に金属部品114,116へ押しつけられる。これにより、工具124が金属部品114,116に到達するまで、ピン126が境界部118において金属部品114,116を掘って行く。ピン126の深さによって境界部118における接合部の深さが決定される。
【0013】
工具124およびピン126が回転しているときに、制御部122は、工具124およびピン126が矢印132の方向へ境界部118に沿って移動するように案内する。工具124およびピン126の回転に境界部118に沿って移動するときに、工具124およびピン126の回転によって境界部118における金属部品114,116の粒子酸化物分散強化合金や他の合金が摩擦によって加熱される。加熱された合金は、可塑状態になり、工具124およびピン126の回転運動によって撹拌され、これにより、境界部118において接合継ぎ目120を形成する。摩擦撹拌接合の作業は、加熱された合金が溶融しない固体接合処理である。したがって、粒子酸化物分散強化合金および他の合金の優れた微細構造が、接合継ぎ目120を形成している間も実質的に維持される。これは、例えば、接合金属が溶融して接合継ぎ目を形成する融接のような他の接合技術とは対照的である。粒子酸化物分散強化合金を溶融することによって、合金の優れた微細構造が破壊され、これにより、結果的に生じる強度およびクリープ破壊耐性が減少する。
【0014】
必要に応じて、ピン126は、高強度合金の摩擦撹拌接合作業によって生じる極度の力に耐えることができる材料から形成される必要があり、立方晶窒化ホウ素(CBN)であることが望ましい。タングステンレニウム合金および炭化チタン金属マトリックス複合材は、他の候補である。
【0015】
図4は、方法134を示すフローチャートであり、この方法は、摩擦撹拌接合システム112によって接合構造体110を形成するのに適した方法である。図示されているように、方法134は、ステップ136〜142を含み、最初に金属部品114,116を形成するステップ(ステップ136)を含む。ここでは、一対の金属部品(つまり、金属部品114,116)について説明されているが、方法134は、単一の接合構造体を形成する3つ以上の金属部品の接合にも適している。
【0016】
金属部品114,116の形成後に、金属部品114,116は、所望の接合位置に境界部118を形成するように互いに隣接して位置決めされる(ステップ138)。金属部品114,116は、摩擦撹拌接合の作業中に離間しないように互いに支えられることが望ましい。その後、摩擦撹拌接合システム112は、摩擦撹拌接合作業によって境界部118で金属部品114,116を互いに接合するように使用される(ステップ140)。これによって、境界部118に沿って接合継ぎ目120が形成される。3つ以上の金属部品が互いに接合される場合には、ステップ138およびステップ140が、金属部品の間の各境界部で繰り返される。摩擦撹拌接合が完了すると、滑らかで美しい面を得るために金属部品114,116の上面が、接合継ぎ目120において、必要であれば(例えば、研削や研磨を施されて)仕上げられる(ステップ142)。
【0017】
摩擦撹拌接合システム112の動作パラメータは、工具124およびピン126の形状および材料と、金属部品114,116の形状によって変化する。工具124およびピン126の(矢印128の方向の)最適な回転数は、約200〜2,000回転/分(rpm)の範囲にあり、特に最適な回転数は、約1,000〜1,200rpmの範囲にある。工具124およびピン126へ作用する(矢印130の方向の)最適な垂直荷重は、約453Kg(つまり、約1,000ポンド)〜約6,795Kg(つまり、約15,000ポンド)の範囲にある。境界部118に沿った(矢印132の方向の)最適な前方移動速度は、約2.5cm/分(つまり、約1インチ/分)〜約20cm/分(つまり、約8インチ/分)の範囲にある。工具124およびピン126の上記の最適な条件とともに使用する場合に、これらの動作パラメータは、接合継ぎ目120において、高い接合効率と、高温における一定の強度およびクリープ破壊耐性と、を提供する。
【0018】
鉄基粒子酸化物分散強化超合金であるPM2000の接合領域の構造および特性について摩擦撹拌接合の効果を特徴づけるために、複数の実験が行われた。これらの実験では、PM2000の3mm(0.118インチ)のシートが、受注製作の摩擦撹拌接合装置の摩擦撹拌接合によって接合された。この時の回転数は、1,000rpmであった。横断速度は、2.54cm/分(つまり、約1.0インチ/分)であり、下向きの力は、1,359Kg(約3,000ポンド)であった。工具は、立方晶窒化ホウ素から形成されていた。その後、接合の完全性を確認するために、接合されたシートは切断されて研磨された。接合部の内部で熱が作用した領域および元の金属の硬さ試験が実施された。切断位置を示すために、摩擦撹拌接合された粒子酸化物分散強化構造体210が図5に示されている。図5は、工具が境界部218の全長を横断した後の完全な接合部を示し、接合継ぎ目220は、PM2000の合金からなる接合構造体210の全長を覆っている。なお、図中の符号の下2桁は図3のものと同一である。接合継ぎ目220は、点線で示され、かつ熱作用領域(HAZ)240によって囲まれた可塑(接合)領域230を備える。接合後に、接合構造体210は、面250に沿って長手方向に、さらに面260に沿って横断方向に切断された。その後、断面は目視検査および硬さ試験のために研削されて研磨された。
【0019】
長手方向の断面250の写真が図6に示される。図の上方における暗い領域は、接合領域つまり可塑領域である。熱作用領域は、点線で示されている。接合されていない金属は、熱作用領域の外側にある。写真内の数字は、各点におけるロックウェルのCスケールによる微小硬さ試験の値を示している。可塑領域の硬さは、元の金属と少なくとも等しいか、またはそれ以上である。接合部の横断方向における断面260の写真が図7に示される。熱作用領域が点線で示される。この例で得られた2つの硬さ測定は、接合領域が元の金属よりも固いことを示している。摩擦撹拌接合によって鉄基粒子酸化物分散強化超合金の接合を試みた他の作業者は、ここに報告された結果と比べて、第1に、可塑領域は連続していなかったこと、第2に、粒子酸化物分散強化粒子間の間隔が元の金属よりも大きく、従って可塑領域の硬さは元の金属のものより小さかったこと、を報告している。我々が行った接合作業によれば、接合部における粒子酸化物分散強化粒子間の間隔がサブミクロンに維持され、この結果、接合部における硬度ひいては強度が元の金属と少なくとも等しいことが確実となる。
【0020】
本発明を好ましい実施例を参照して説明したが、当業者であれば、本発明の真意および範囲を逸脱することなく、形態および詳細の変更がなされてもよいことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】超高温反応炉および水素製造工場を概略的に示す図である。
【図2】溶融塩エネルギタワーの太陽エネルギ生成システムを概略的に示す図である。
【図3】摩擦撹拌接合システムによって形成される接合構造体の斜視図である。
【図4】摩擦撹拌接合システムによって接合構造体を形成する方法のフローチャートである。
【図5】摩擦撹拌接合された粒子酸化物分散強化超合金の斜視図である。
【図6】接合部の長手方向の断面を示した写真である。
【図7】接合部の横断方向の断面を示した写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の粒子酸化物分散強化合金から形成される第1の金属部品と、
第2の合金から形成される第2の金属部品と、
前記第1の金属部品と前記第2の金属部品との間の摩擦撹拌接合継ぎ目と、
を備え、
前記摩擦撹拌接合継ぎ目が、可塑領域および熱作用領域を備えることを特徴とする接合構造体。
【請求項2】
前記第1の粒子酸化物分散強化合金が、約10.0〜25.0重量%のクロムと、約4.0〜6.0重量%のアルミニウムと、約0.25〜1.5重量%のチタンと、約0〜2.0重量%のモリブデンと、約0.25〜1.5重量%の酸化イットリウムと、残部の鉄と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の接合構造体。
【請求項3】
前記第1の粒子酸化物分散強化合金が、約0〜2.0重量%の鉄と、約10.0〜30.0重量%のクロムと、約0.25〜10.0重量%のアルミニウムと、約0.25〜3.0重量%のチタンと、約0〜3.0重量%のモリブデンと、約0〜4.0重量%のタングステンと、約0〜1.0重量%のジルコニウムと、約0〜0.05重量%のホウ素と、約0.5〜1.5重量%の酸化イットリウムと、残部のニッケルと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の接合構造体。
【請求項4】
前記第2の合金が、粒子酸化物分散強化合金であることを特徴とする請求項1に記載の接合構造体。
【請求項5】
前記第2の合金が、前記第1の粒子酸化物分散強化合金と実質的に同じ粒子酸化物分散強化合金であることを特徴とする請求項1に記載の接合構造体。
【請求項6】
前記可塑領域の硬度が、前記第1の粒子酸化物分散強化合金の硬度と等しいか、またはそれ以上であることを特徴とする請求項5に記載の接合構造体。
【請求項7】
第1の金属部品と第2の金属部品との間の境界部を摩擦撹拌接合するステップを含む接合構造体の形成方法であって、前記第1の金属部品が粒子酸化物分散強化合金から成る接合構造体の形成方法。
【請求項8】
前記第1の金属部品の粒子酸化物分散強化合金が、約10.0〜25.0重量%のクロムと、約4.0〜6.0重量%のアルミニウムと、約0.25〜1.5重量%のチタンと、約0〜2.0重量%のモリブデンと、約0.25〜1.5重量%の酸化イットリウムと、残部の鉄と、を備えることを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項9】
前記第1の金属部品の粒子酸化物分散強化合金が、約0〜2.0重量%の鉄と、約10.0〜30.0重量%のクロムと、約0.25〜10.0重量%のアルミニウムと、約0.25〜3.0重量%のチタンと、約0〜3.0重量%のモリブデンと、約0〜4.0重量%のタングステンと、約0〜1.0重量%のジルコニウムと、約0〜0.05重量%のホウ素と、約0.5〜1.5重量%の酸化イットリウムと、残部のニッケルと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項10】
前記第2の金属部品が、粒子酸化物分散強化合金から成ることを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項11】
前記第2の金属部品の粒子酸化物分散強化合金が、前記第1の金属部品の粒子酸化物分散強化合金と実質的に同じであることを特徴とする請求項10に記載の形成方法。
【請求項12】
摩擦撹拌接合継ぎ目は、可塑領域および熱作用領域を備え、該可塑領域の硬度が前記粒子酸化物分散強化合金の硬度と等しいか、またはそれ以上であることを特徴とする請求項11に記載の形成方法。
【請求項13】
前記摩擦撹拌接合するステップが、約200〜2,000rpmの範囲の回転速度で摩擦撹拌接合システムの工具を回転させることを含み、該工具が、約10mm(約0.39インチ)〜約12mm(約0.47インチ)の範囲の直径を備えることを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項14】
前記回転速度が、約1,000〜1,200rpmの範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項15】
前記工具が、立方晶窒化ホウ素(CBN)から形成されることを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項16】
前記工具が、タングステンレニウム合金または炭化チタン金属マトリックス複合材から形成されることを特徴とする請求項7に記載の形成方法。
【請求項17】
第1の粒子酸化物分散強化合金から第1の金属部品を形成するステップと、
第2の合金から第2の金属部品を形成するステップと、
前記第1の金属部品と前記第2の金属部品との間に境界部を形成するように、該第2の金属部品に隣接して前記第1の金属部品を位置決めするステップと、
前記境界部において前記第1の金属部品および前記第2の金属部品を摩擦撹拌接合するステップと、
を備える接合構造体の形成方法。
【請求項18】
前記第1の粒子酸化物分散強化合金が、約10.0〜25.0重量%のクロムと、約4.0〜6.0重量%のアルミニウムと、約0.25〜1.5重量%のチタンと、約0〜2.0重量%のモリブデンと、約0.25〜1.5重量%の酸化イットリウムと、残部の鉄と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の形成方法。
【請求項19】
前記第1の粒子酸化物分散強化合金が、約0〜2.0重量%の鉄と、約10.0〜30.0重量%のクロムと、約0.25〜10.0重量%のアルミニウムと、約0.25〜3.0重量%のチタンと、約0〜3.0重量%のモリブデンと、約0〜4.0重量%のタングステンと、約0〜1.0重量%のジルコニウムと、約0〜0.05重量%のホウ素と、約0.5〜1.5重量%の酸化イットリウムと、残部のニッケルと、を含むことを特徴とする請求項17に記載の形成方法。
【請求項20】
前記第2の金属部品が、第2の粒子酸化物分散強化合金から成ることを特徴とする請求項17に記載の形成方法。
【請求項21】
前記第2の金属部品の粒子酸化物分散強化合金が、前記第1の金属部品の粒子酸化物分散強化合金と実質的に同じであることを特徴とする請求項20に記載の形成方法。
【請求項22】
摩擦撹拌接合継ぎ目が、可塑領域および熱作用領域を備え、該可塑領域の硬度が前記粒子酸化物分散強化合金の硬度と等しいか、またはそれ以上であることを特徴とする請求項21に記載の形成方法。
【請求項23】
工具が、立方晶窒化ホウ素(CBN)から形成されることを特徴とする請求項17に記載の形成方法。
【請求項24】
前記工具が、タングステンレニウム合金または炭化チタン金属マトリックス複合材から形成されることを特徴とする請求項17に記載の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−274133(P2009−274133A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142027(P2008−142027)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(507180364)プラット アンド ホイットニー ロケットダイン,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】