説明

接着絶縁レール用プライマー

【課題】 レール、継目板と乾式接着シートとの密着性を向上させ、雨水の侵入による腐食の防止を図るための良好な保護皮膜を形成し、長期にわたり車両から受ける繰り返し荷重で接着剤層が破壊した時に、接着剤層がレール、継目板との界面剥離を起こさないようにし、これにより耐用年数を延長させることができる接着絶縁レール用プライマーと、それを用いた接着絶縁レールを提供する。
【解決手段】 レール継目部分の両側と継目板の表面にプライマーを使用し、レールと継目板間の接着剤に乾式接着シートを使用する接着絶縁レールにおいて、プライマーとして25℃で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤を必須として含む一液型プライマーを使用し、保護皮膜を形成しその厚みを5〜50μmとする接着絶縁レール用プライマー。前記プライマーを用いた接着絶縁レール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールの継目部分の両側および継目板と、そこへ塗布する接着絶縁レール用プライマーと、それを用いた接着絶縁レールに関する。
【背景技術】
【0002】
接着絶縁レール用乾式接着シートについては、接着絶縁レール用プリプレグ接着剤としてすでに特公昭57−45787号公報に記載されており、高度の引張せん断強度を達成している。また耐水性向上のため、エポキシ溶性フェノール樹脂からなるプライマーが現在使用されており、長期にわたる強度保持を達成している。
しかしながら長期にわたり車両から受けた繰り返し荷重でやがては接着剤層が破壊に至った場合、接着剤がレールもしくは継目板の鉄表面で界面剥離を起こす。さらに、鉄表面に浸入した雨水が起因の腐食により、絶縁したレール間で信号電流の短絡を起こし、接着絶縁の役割を果たさない時がある。
【0003】
【特許文献1】特公昭57−45787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、レールならびに継目板と乾式接着シートとの密着性を向上させ、雨水の侵入による腐食の防止を図るための良好な保護皮膜を形成し、長期にわたり車両から受ける繰り返し荷重で接着剤層が破壊した時に、接着剤層がレールもしくは継目板との界面剥離を起こさないようにし、これにより耐用年数を延長させることができる接着絶縁レール用プライマーと、それを用いた接着絶縁レールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、[1]レール継目部分の両側と継目板の表面にプライマーを使用し、レールと継目板間の接着剤に乾式接着シートを使用する接着絶縁レールにおいて、プライマーとして25℃で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤を必須として含む一液型プライマーを使用し、保護皮膜を形成しその厚みが5〜50μmであることを特徴とする接着絶縁レール用プライマーに関する。
従来のエポキシ変性フェノール樹脂からなるプライマーに対して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなるプライマーをレール継ぎ目部分の両側と継目板に使用することにより、レールと継目板を強固な接着力で接着し、なおかつ、一定の厚さの絶縁層を提供する。また、架橋密度が少なく、屈曲性に富み、軟化点の高いビスフェノールA型エポキシ樹脂からなるプライマーを使用することにより、柔軟性を提供するものである。
また、本発明は、[2]25℃で固体のエポキシ樹脂が、エポキシ当量740〜860g/当量、軟化点94〜102℃である上記[1]に記載の接着絶縁レール用プライマーに関する。
また、本発明は、[3]固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤2〜3重量部を配合する上記[1]または上記[2]に記載の接着絶縁レール用プライマーに関する。
また、本発明は、[4]さらに硬化促進剤を含む上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の接着絶縁レール用プライマーに関する。
従来のエポキシ変性フェノール樹脂からなるプライマーに対し、固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に、硬化剤2〜3重量部を配合した一液型プライマーは、良好な硬化性と安定性を提供する。さらに、硬化促進剤を配合し、良好な硬化性と安定性が得られる一液型プライマーを提供するものである。
また、本発明は、[5]レール継目部分の両側と継目板に上記[1]ないし上記[3]に記載の接着絶縁レール用プライマーを用いて保護皮膜を形成し、レールと継目板間の接着剤として乾式接着シートを使用した接着絶縁レールに関する。
従来のエポキシ変性フェノール樹脂からなるプライマーに対し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなるプライマーは、レールならびに継目板と乾式接着シートとの密着性を向上させ、雨水の侵入による腐食の防止を図るための良好な保護皮膜を形成する。また、長期にわたり車両から受ける繰り返し荷重で接着剤層が破壊した時に、接着剤層がレールもしくは継目板との界面剥離を起こさないようにするための良好な保護皮膜を形成し、これにより耐用年数を延長させることができる。
レール継目部分の両側と継目板にビスフェノールA型エポキシ樹脂を表面へのプライマーとして使用し、レールと継目板間の接着剤として乾式接着シートを使用する接着絶縁レールにおける接着かつ絶縁の接着絶縁レールを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の接着絶縁レール用プライマーをレールや継目板用い保護皮膜を形成することで、長期にわたり車両から受ける繰り返し荷重で接着剤層が破壊した時にレールや継目板界面からはく離することはなく、さらに、保護皮膜は柔軟性であるため破壊しづらいことや破壊してもレールや継目板が保護皮膜で保護されているので耐用年数を延長させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、レール継目部分の両側と継目板の表面にプライマーを使用し、レールと継目板間の接着剤に乾式接着シートを使用する接着絶縁レールにおいて、プライマーとして25℃で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤を必須として含む一液型プライマーを使用し、保護皮膜を形成しその厚みが5〜50μmであることを特徴とする接着絶縁レール用プライマーに関する。
また、本発明の接着絶縁レールは、接着絶縁レール用プライマーおよびレール、継目板、乾式接着シートを必須とする。
本発明における接着絶縁レール用プライマーは、25℃で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤を必須として含む一液型プライマーを使用する。
本発明で用いるエポキシ樹脂は、25℃で固体のエポキシ樹脂であり、エポキシ当量740〜860g/当量、軟化点94〜102℃であると好ましい。
エポキシ当量が、740g/当量未満又は軟化点が94℃未満では、硬化した保護皮膜の架橋密度が高すぎて、柔軟性に劣り、荷重の分散性に劣るようになる傾向にある。また、エポキシ当量が、860g/当量又は軟化点が102℃を超えると逆に架橋密度が低すぎて、接着性に劣るようになる。
種々の試験の結果、エポキシ当量、軟化点が上記範囲内であると耐久性が良好であった。
【0008】
本発明では、接着絶縁レール用プライマーで形成される保護皮膜の厚みが重要で、その厚みが5〜50μmとする。5μm未満では均一に塗布するのは困難であり、また、保護皮膜の効果に劣り雨水による腐食防止に影響が出る傾向がある。また、50μmを超える厚塗りも良好な効果を発揮できるが、プライマーの塗布作業性に影響が出る傾向があり、作業性に劣り、また、それ以上に厚く塗ることの効果が出しにくい。
【0009】
本発明で用いるエポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられているものが使用でき、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類や、各種のフェノール樹脂が挙げられる。例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、芳香族ポリアミンなどのアミン化合物、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、無水ピロメリット酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等などの酸無水物、有機酸、ジシアンジアミド、ヒドラジン、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等の公知のものが使用できる。なお、これら硬化剤(硬化触媒)は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
この硬化剤の中でも、ジシアンジアミドが特に好ましい。
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硬化剤のエポキシ基との反応基が0.6〜1.4当量使用することが好ましく、0.8〜1.2当量使用することがより好ましい。硬化剤が少なすぎたり多すぎたりすると耐久性や接着性が低下する傾向がある。
硬化剤又は硬化促進剤のジシアンジアミド、イミダゾール誘導体などは当量で配合できないものもあり、その場合、固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜3重量部を配合すると好ましい。柔軟性に関与する架橋密度が、その範囲内で好適である。硬化促進剤の配合は、保護皮膜の形成性に有効で、タック性のない保護皮膜を形成でき、塵埃等の付着を防止でき、また、保護皮膜を迅速に形成できる。
【0010】
硬化剤と共に硬化促進剤を用いるのが好ましい。硬化促進剤としては、1−アルキル−2−フェニルイミダゾール、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、トリフェニルフォスフィン、ジアザビシクロウンデセン、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩が使用できる。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましい。0.1重量部未満であると硬化速度が遅くなる傾向があり、また20重量部を超えると可使期間が短くなる傾向がある。
また、可使期間が長くなる点で、潜在性硬化促進剤が好ましく、その代表例としてはジシアンジミド、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、グアナミン酸、メラミン酸、エポキシ化合物とイミダゾールの化合物との付加化合物、エポキシ化合物とジアルキルアミン類との付加化合物、アミンとチオ尿素との付加化合物、アミンとイソシアネートとの付加化合物が挙げられるが、これらに制限するものではない。室温(15〜30℃)での活性を低減できる点でアダクト型の構造をとっているものが特に好ましい。
【0011】
本発明で用いる溶剤は、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。

【0012】
本発明における固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤等の含有量は、1液型プライマーの総量100重量%に対して20〜50重量%で、溶剤が50〜80重量%であることが好ましい。この固形分の含有量が20重量%未満では、プライマーの塗布作業性が低下し、50重量%を超えると、均一に溶解し難くなる。
【0013】
本発明の接着絶縁レール用プライマーの好ましい配合は、固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂を有機溶剤メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテルで溶解し、硬化剤ジシアンジアミドを添加し、硬化促進剤N,N−ジメチルベンジルアミンを添加した1液型プライマーであると好ましい。
固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤ジシアンジアミドの配合量は2〜3重量部となることが好ましい。また、硬化促進剤N,N−ジメチルベンジルアミンの配合量は0.1〜0.2重量部となることが好ましい。硬化剤、硬化促進剤の配合量は少ないとプライマーの硬化性が低下し、逆に多いとプライマーの安定性が低下する。
固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、溶剤メチルエチルケトンの配合量は100〜140重量部となることが好ましく、エチレングリコールモノメチルエーテルの配合量は60〜80重量部となることが好ましい。溶剤の配合量が少ないと均一に溶解し難くなり、逆に多いとプライマーの塗布作業性が低下する。
【0014】
本発明の接着絶縁レール用プライマーを塗布し形成する保護皮膜は、密着性で評価する。密着性の評価は、JIS E1125「接着絶縁レール」の接着鋼板試験片による引張せん断接着強さと破壊モードを評価する。引張せん断接着強さは25MPa以上が必須で、より高い接着強さとなることが好ましい。破壊モードは界面剥離が0となることが必須である。
また、耐久性の評価は、接着鋼板試験片による繰り返しせん断応力での接着強さと破壊モードが好ましい。繰り返しせん断応力での接着強さは、試験片にある一定の繰り返しせん断応力を加えた時に破断までの回数がより多くなるほうが好ましい。破壊モードは界面剥離が0となることが必須である。
プライマーの塗布方法は、レール両側面と継目板にハケ塗りを行ない、硬化方法は、風乾させた後接着剤層と一緒に加熱硬化させる。そのときの条件は、硬化温度170℃で硬化時間30分以上である。
図2は接着絶縁レールの継目構造の断面図であり、図3は側面図である。これらは、符号1のレールと符号2の継目板に、符号9のプライマーをハケ塗りで塗布し風乾させた後、符号4の乾式接着シートを符号1のレール両側面にセットし、符号2の継目板で両側から挟みこみ、符号7のボルトと符号8のナットで固定させたものである。
【実施例】
【0015】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
25℃で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂としてエポキシ当量787g/当量(740〜860g/当量)、軟化点99℃(94〜102℃)100重量部に、溶剤としてメチルエチルケトン120重量部、エチレングリコールモノメチルエーテル70重量部に硬化剤としてジシアンジアミド2重量部を撹拌溶解し、均一な溶液とした一液型プライマー(プライマーB)を得た。
比較のプライマーAとして、エポキシ変性フェノール樹脂「ヒタノール4020(日立化成工業株式会社製、塗料用合成樹脂)」を用いた。
【0016】
鋼板試験片の研磨、脱脂処理後の接着面に前記プライマーを10〜15μm厚み塗布する。指触風乾後、乾式接着シート(日立化成工材株式会社製、GN−62NS)を25mm×25mmに切断し、これを2枚重ねる。両側から鋼板試験片の接着面ではさみ、常時所定の圧力(0.29MPa)をかける状態で所定の温度(170℃)で所定の時間(60分)加熱し、樹脂を硬化させ接着試験片を得た。
【0017】
鋼板試験片の研磨、接着圧力を種々変えて前記の要領で接着試験片を作製し、引張せん断接着強さ、破壊モード、界面剥離率を評価した。鋼板試験片を#80サンドペーパーで研磨し、充分な接着力を加えた試験片については、プライマーA、Bとも良好な引張せん断接着強さであり、界面剥離の発生も見られない。引張せん断接着強さ、破壊モード、界面剥離率の評価方法を表1に、評価結果を表2に示した。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
界面剥離の発生を顕著に評価するため、鋼板試験片を#1500サンドペーパーで研磨し、接着圧力をほとんど加えず試験片を製作した。プライマーA、Bとも前記に比較して引張せん断接着強さの低下が見られるが、プライマーAがやや界面剥離したのに対し、プライマーBは界面剥離の発生が見られず、良好な密着力であった。評価結果を表3に示す。またプライマー厚みの実施例としてプライマーBでの厚みによる比較例を表4に示す。プライマーBによる厚み10μmと50μmの引張せん断接着強さと界面剥離に関しては、ともに大差なく、良好な密着性であった。しかし、厚さ50μmにするためには重ね塗り(塗布後風乾さらに塗布という作業を繰り返す)をしなければならず、作業時間が掛かかるため、プライマーの塗布作業性の面から厚塗りは困難である。
【0021】
【表3】

【0022】
【表4】

【0023】
鋼板試験片を#80サンドペーパーで研磨し、接着圧力を0.29MPa加え、前記の要領で接着試験片を製作し、接着後の引張せん断試験片を40℃の水中に所定時間浸漬し、引張せん断接着強さ、破壊モード、界面剥離率を評価した。プライマーAがやや引張せん断接着強さが低下したのに対し、プライマーBは引張せん断接着強さが保たれており、良好な耐水性が得られることがわかる。評価結果を表5に示す。
【0024】
【表5】

【0025】
耐久性の評価として、繰り返し圧縮せん断応力の試験を行った。接着鋼板試験片については、JIS K6852「接着剤の圧縮せん断接着強さ試験方法」に準じて製作し、引張せん断接着強さと同様の接着条件で、常時所定の圧力(0.29MPa)をかける状態で所定の温度(170℃)で所定の時間(60分)加熱し、樹脂を硬化させ接着試験片を得た。試験方法については、初期値として先ず破断するまでの圧縮せん断応力を評価した。その後、新たな試験片で、その初期破断応力よりも低いある一定の圧縮せん断応力を繰り返し加えることにより、破断するまでの回数を評価した。
その結果、現行プライマーAは、初期破断応力が43MPaであり、最大繰り返し圧縮せん断応力が35MPaの時には約7千回で破断し、最大繰り返し圧縮せん断応力が26MPaの時には約20万回で破断し、最大繰り返し圧縮せん断応力が22MPaの時には破断回数が200万回以上であった。また、プライマーBは、初期破断応力が45MPaであり、繰り返し圧縮せん断応力と破断までの回数は、プライマーAと同様な傾向であり、さらには、破断までの回数のバラツキが少なく、プライマーBは、現行品と同等以上である。評価結果を図1に示す。
【0026】
本発明の接着絶縁レール用プライマーを用いた保護皮膜は、密着性が良好で雨水の侵入による腐食の防止に優れる。また長期にわたり車両から受ける繰り返し荷重により接着剤層が破壊した時に、接着剤層がレールもしくは継目板との界面剥離を起こさない保護皮膜を形成する事に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例、比較例における繰り返し圧縮せん断応力の測定結果を示すグラフ。
【図2】本発明で用いる接着絶縁レールの継目構造の断面図である。
【図3】本発明で用いる接着絶縁レールの継目構造の側面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 レール
2 接着継目板
3 レール形
4 乾式接着シート
5 チューブ
6 平座金
7 ボルト
8 ナット
9 プライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール継目部分の両側と継目板の表面にプライマーを使用し、レールと継目板間の接着剤に乾式接着シートを使用する接着絶縁レールにおいて、プライマーとして25℃で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤を必須として含む一液型プライマーを使用し、保護皮膜を形成しその厚みが5〜50μmであることを特徴とする接着絶縁レール用プライマー。
【請求項2】
25℃で固体のエポキシ樹脂が、エポキシ当量740〜860g/当量、軟化点94〜102℃である請求項1に記載の接着絶縁レール用プライマー。
【請求項3】
固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤2〜3重量部を配合する請求項1または請求項2に記載の接着絶縁レール用プライマー。
【請求項4】
さらに硬化促進剤を含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の接着絶縁レール用プライマー。
【請求項5】
レール継目部分の両側と継目板に請求項1ないし請求項3に記載の接着絶縁レール用プライマーを用いて保護皮膜を形成し、レールと継目板間の接着剤として乾式接着シートを使用した接着絶縁レール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−275061(P2009−275061A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124599(P2008−124599)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【出願人】(594179797)日立化成工材株式会社 (12)
【Fターム(参考)】