説明

接着装置、及び当該接着装置を用いて製造された表示装置

【課題】接着材料を用いて導光板及び部材を接着する構成において、当該接着材料への気泡混入を防止して、導光板の接着面と部材の塗布面とを良好に接着させる。
【解決手段】本発明の一形態である部材接着装置100は、導光板13を撓ませた状態で保持する導光板材保持部41と、光結合部材30を保持する対象部材保持部43との相対位置を移動手段44によって変化させながら、接着面積が徐々に広がるように導光板13と光結合部材30とを接着させ、最終的に、エネルギー照射部45が、当該接着した領域に対して加圧及びエネルギー照射を行って接着材料49を硬化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー照射により硬化する接着材料を用いて導光板と対象部材とを接着する接着装置、及び、当該接着装置を用いて製造された表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置においては、薄型化を図るために、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板を備えたバックライトが多用されている。
【0003】
このようなサイドエッジ型導光板では、導光板の長手方向の例えば両端部にLED等の光源を配置し、導光板の長手方向の各端面から、光を入射させ、導光板の内部中央へその光を全反射させながら、導光板の表面に光を出射するようになっている。
【0004】
このような液晶表示装置は、その製造工程において、導光板と光源とを接着材料を介して接着固定する工程があるが、接着層に気泡が混入することにより使用時に設計通りの光路が確保できないという問題がある。そのため、気泡が混入した光学部材を用いたディスプレイ等において、輝度のムラ、輝点発光等が生じ、ディスプレイの表示品質を低下させる恐れがあった。
【0005】
ここで、特許文献1には、混入気泡による輝点発光を生じない光学部材一体型の導光板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−228309号公報(2001年8月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1には、加圧することによる粘着層中への気泡の拡散分散による無害化効果については記載されているが、導光板と光源とを接着材料を介して接着固定する工程において粘着層(接着材料)中に気泡が混入してしまう点について何ら考慮されていない。つまり、気泡が混入した状態において接着しているため、気泡混入の問題を解決するには不十分である。
【0008】
また、真空引き等の工程を加えることによって接着層への気泡混入を防止することが可能であるが、コストアップにつながり、実使用上は有効な手段とは言い切れない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、接着材料を用いて板状部材(例えば導光板)と対象部材(例えば光源)とを接着材料を用いて接着する構成において、当該接着材料への気泡混入を簡易に回避することが可能で、安価な光学部材間接着を実現することが可能な接着装置、及び、当該接着装置を用いて製造された表示装置を提供することにある。
【0010】
すなわち、本発明に係る接着装置は、上記の課題を解決するため、板状部材と対象部材とを、板状部材及び対象部材のうちの一方の部材の表面に付着させた、エネルギー照射により硬化する接着材料を介して、接着する接着装置であって、板状部材及び対象部材のうちの他方の部材の表面に対して上記接着材料の表面が傾斜するように、板状部材を撓ませた状態で保持する板状部材保持部と、上記対象部材を保持する対象部材保持部と、上記板状部材保持部及び上記対象部材保持部の相対位置を変化させながら、接着面積が徐々に広がるように上記他方の部材の表面と上記接着材料の表面とを接着させる、移動手段と、上記接着面積が所定の大きさになった後に、当該接着した領域に対して加圧及び上記エネルギー照射を行うエネルギー照射部と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、板状部材を撓ませた状態において、移動手段を用いて板状部材と対象部材との相対的な移動を行うことによって、他方の部材の表面に対して接着材料の表面が傾斜を有したまま、他方の部材と接着材料とを接着させることが可能である。
【0012】
そして、上記の構成によれば、傾斜を有したまま、接触面積を徐々に広げることができるため、接着領域への気泡混入を防止できるという効果を奏する。
【0013】
また、上記の構成によれば、接着面積が所定の大きさになった後に、加圧及びエネルギー照射を行っているため、接触面積を徐々に広げていっただけでは他方の部材と接着材料との接着が不十分であっても、強固に両部材を接着させることができ、かつ強固に接着した接着領域を固定することができる。つまり、上記加圧及びエネルギー照射を行うことによって、気泡が混入していない状態を維持したまま、接着領域を強固に接着及び固定することができる。
【0014】
そのため、本発明に係る接着装置を用いることによって、接着材料への気泡混入を簡易に回避することが可能で、安価な光学部材間接着を実現することが可能となり、気泡が混入していない表示装置等を製造することができるという効果を奏する。
【0015】
本発明に係る接着装置は、上記の構成に加えて、上記エネルギー照射部が、上記加圧と上記エネルギー照射とを同時に行う構成となっていることが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、加圧とエネルギー照射を同時に行うことによって、板状部材と対象部材とが接触してから、接着領域が固定するまでの時間を短時間にすることができ、効率的に表示装置を製造することができるという効果を奏する。
【0017】
さらに加圧中にエネルギー照射をおこなっているため、加圧により強固に接着した状態の接着領域を同時に固定することができ、気泡混入を防止できるという効果を奏する。
【0018】
本発明に係る接着装置は、上記の構成に加えて、上記板状部材保持部が、上記板状部材の中央を挟んで対向する2箇所の縁部を支持しており、当該2箇所の縁部はそれぞれが水平面から同じ高さにあることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、板状部材保持部に保持されている板状部材を自重によって、中心及びその付近において、中心からそれぞれの縁部に向かって対称的に撓ませることが可能である。
【0020】
そのため、板状部材を撓ませた状態において、移動手段を用いて板状部材と対象部材との相対的な移動を行うことによって、他方の部材の表面に対して接着材料の表面が傾斜を有したまま、他方の部材の表面と接着材料の表面とを接着させることが可能であり、接着領域への気泡の混入を防止することができるという効果を奏する。
【0021】
本発明に係る接着装置は、上記の構成に加えて、上記移動手段が、上記板状部材保持部を、鉛直方向に沿って上下移動する構成となっていることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、板状部材保持部を、単純に上下移動することによって、他方の部材の表面に対して接着材料の表面が傾斜を有したまま、他方の部材の表面と接着材料の表面とを接着させることが可能である。
【0023】
そして、傾斜を有したまま、接触面積を徐々に広げることができるため、接着領域への気泡混入を防止できるという効果を奏する。
【0024】
また本発明は、導光板である上記板状部材と、光結合部材である上記対象部材と、上記光結合部材に光を出射する光源とを有しているバックライトを具備している表示装置であって、上記の構成を具備する接着装置を用いて製造された表示装置も含む。
【0025】
上記構成によれば、気泡が混入していない良好な品質の表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、接着材料を用いて板状部材及び対象部材を接着する構成において、当該接着材料への気泡混入を防止して、板状部材と対象部材とを良好に接着させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る部材接着装置の模式図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明に係る部材接着装置を用いて、バックライトの製造工程の概要を表した図である。
【図3】バックライトの製造工程の概要の別例を表した図である。
【図4】バックライトの製造工程の概要の別例を表した図である。
【図5】接着材料塗布装置の構成を示す説明図である。
【図6】(a)〜(d)は、光源モジュールに備えられる光結合部材に対する光硬化性樹脂溶液の塗布工程を示す説明図である。
【図7】本発明の部材接着装置を用いて製造される液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図8】上記液晶表示装置における光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図9】上記光源モジュールにおけるLED基板及び光結合部材の接合部分を拡大して示す断面図である。
【図10】光源モジュールを備える液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図11】(a)はLEDチップから出射した光が楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLEDチップ近傍を示す拡大図である。
【図12】2つのLEDチップから出射した光が放物面または楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射す光の光路を示す説明図である。
【図13】(a)はLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLEDチップ近傍を示す拡大図である。
【図14】(a)は液晶表示装置の構成を表す正面図であり、(b)はその側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る接着装置、及び、当該接着装置を用いて製造された表示装置に関する一実施形態について図1〜図14に基づいて説明する。
【0029】
まず、図2を用いて、本発明に係る接着装置による接着方法の概要について、当該接着方法を用いて製造される表示装置の一形態である液晶表示装置に搭載されるバックライトの製造過程に基づいて説明する。
【0030】
接着方法は、大別すると、図2のように、(a)パレットへの光結合部材30(対象部材)の配置、(b)光硬化製樹脂(接着材料)の塗布、(c)導光板13(板状部材)のセットならびに(d)光照射及びプレスによる光結合部材と導光板との接着、の4つの工程を含む。
【0031】
ここで、詳細は後述するが、光結合部材30及び導光板13について図14を用いて説明する。図14の(a)は本実施形態の液晶表示装置の構成を表す正面図であり、図14の(b)はその側面図である。本実施形態の液晶表示装置1は、液晶パネル4と、バックライト10とを備えている。バックライト10は、液晶パネル4の背面側にある導光板13と、液晶パネル4及び導光板13の左端部から右端部に向けて液晶パネル4及び導光板を横切って配設された帯状の光源モジュール20とを有している。光源モジュール20には、導光板13から離れた側にLEDチップ(図示しない)が設けられており、また、導光板13とLEDチップとの間に、LEDチップから出射された光を、導光板13の下面の頂部平坦面31から光を入射させるように光を結合する光結合部材30が設けられている。すなわち、LEDチップから出射された光は、光結合部材30を介して導光板13に入射する。導光板13は、導光板、フィルム、シート、光ディスク等の光学部材、ガラス基板、プラスチック基板等の基板などの板状のものであれば特に限定されない。
【0032】
図2に示す接着方法は、最初の工程である工程1において、図2の(a)のように、作業台となるパレット40に、光結合部材30を配置する。以下の工程2〜4は、パレット40上において行われる。図2において、光結合部材30は6個の分割部材30aに分割されており、分割部材30aは直線状に規則的に配置されている。
【0033】
工程1に続く工程2においては、図2の(b)のように、所定の接着材料を吐出する接着材料塗布装置50を用いて、光結合部材30の表面に接着材料49を吐出する。接着材料49としては光硬化性樹脂を含む光硬化性樹脂溶液を使用することができる。これにより、光結合部材30と導光体13との接着に光照射を用いることができる。
【0034】
また、接着材料塗布装置50を光結合部材30に対して相対的に移動させつつ、光硬化性樹脂溶液を光結合部材30上、より具体的には頂部平坦面31上に塗布する。
【0035】
工程2に続く工程3においては、図2の(c)のように、光結合部材30と接着させる導光板13をセットする。本工程3において、導光板13と光結合部材30との間の接触している領域に気泡が混入するのを防止するため、本発明に係る接着装置の一形態である部材接着装置100(図1)を使用する。
【0036】
なお、工程1または工程2を行う接着材料塗布装置50は、部材接着装置100(図1)とは異なる装置として存在してもよい。また、従来知られている方法を用いて光結合部材30の配置、及び、接着材料49の塗布を行ってもよい。あるいは、部材接着装置100に接着材料塗布装置50の機能を組み込んで工程1及び工程2も部材接着装置100で行う工程としてもよい。
【0037】
工程3に続く工程4においては、図2の(d)のように、導光板13と光結合部材30とが接触している領域を、エネルギー照射部45を用いてプレス及び光照射をすることによって、光結合部材30と導光板13とを接着させ、当該接着した領域の接着材料を硬化する。本工程4においても、前工程3と同様に部材接着装置100(図1)を使用する。
【0038】
上記工程1〜工程4を通じて、図14の(b)に示す導光板13と光結合部材30とを接着してバックライト10を製造することができる。ここでは、本発明に係る部材接着装置を用いたバックライト製造の概要のみを説明している。そのため、工程2における光結合部材30上に接着材料49を適量かつ均等に吐出する方法、工程3における気泡混入を防止する方法、ならびに工程4におけるプレス及び光照射方法に関する詳細については、後述する。
【0039】
〔部材接着装置100の構成〕
図1は、本発明に係る接着装置の一形態である部材接着装置100の模式図である。部材接着装置100は、気泡を混入させずに接着及び固定するための装置である。そのため、部材接着装置100は、図1の(a)及び(b)に示すように、導光板保持部41、対象部材保持部43、移動手段44、及び、エネルギー照射部45を備えている。
【0040】
導光板保持部41は、導光板13を保持するためのものである。図1の(a)及び(b)に示すように、導光板保持部41は、対をなす支持部41a,41bを有しており、支持部41a,41bが導光板13の縁部を左右において保持している。
【0041】
対象部材保持部43は、光結合部材30を保持するためのものである。対象部材保持部43は、光結合部材30の下部に設置されている。光結合部材30における光結合部材30との対向面には接着材料49が塗布されている。なお、接着材料49は、光結合部材30に塗布されている必要は無く、導光板13に塗布されていてもよい。以降、光結合部材30における接着材料49の表面を接着材料付着面46と記載し、光結合部材30(接着材料付着面46)と接着する導光板13の面を被接着面47を記載する。また、接着材料付着面46と被接着面47とが接着した領域を接着領域48と記載する。
【0042】
移動手段44は、導光板保持部41及び対象部材保持部43の少なくともいずれかの保持部の位置を変化させることによって、導光板13及び光結合部材30の相対的位置を変化させる。これにより、後述するように接着領域48を形成すること、及び、接着領域48の面積を徐々に拡大することができる。移動手段44の構成は、特に限定されるものではなく、例えば、アクチュエータ、モーター、ギア等を組み合わせた従来から公知の駆動装置技術を用いることができる。また、導光板13を光結合部材30に対して移動させてもよく、導光板13及び光結合部材30の両方を移動させることにより、これら両部材の相対的位置を変化させてもよい。
【0043】
〔工程3について〕
本実施形態は、上記工程3が特徴的構成の一つである。特に、工程3において、導光板13を撓ませて、接着材料付着面46に対して導光板13の被接着面47を傾斜させることが特徴である。導光板13を撓ませ、導光板13の被接着面47を傾斜させる方法としては、例えば次の3つの方法を挙げることができる。
【0044】
(工程3にて導光板13を撓ませる方法1)
上述のように、導光板保持部41の支持部41a、41bは、導光板13の中心を挟んで対向する2箇所の縁部を支持する。支持部41aと支持部41bとは離間して配置されている。このような構成の導光板保持部41が導光板13の2箇所の縁部を支持することによって、導光板13の中心及びその近傍は、導光板13の自重による重力方向下方への湾曲(撓み)が生じる。また支持部41aと支持部41bとは、互いに水平面から同じ高さにある。そのため、図1の(a)のように、導光板13の中心付近に左右対称に撓みが発生する。
【0045】
ここで、自重による湾曲を大きくするため、導光板保持部41は、図1の(a)のように導光板13の縁部を保持することが望ましい。導光板13の保持部同士の距離をなるべく離すことによって、湾曲をより大きくすることが可能であり、保持部同士の距離が近すぎる場合には、自重による湾曲が十分に発生しないためである。しかしながら、必ずしも縁部を支持する必要はなく、自重による湾曲を生じさせることができれば、支持部の支持位置は、縁部よりも中心に近い位置であってもよい。また、本実施形態では、2つの支持部(支持部41a、41b)を有しているが、自重による湾曲を生じさせることができれば、その数は2つに限定されるものではない。また、各支持部は、水平面から厳密に同じ高さで保持されている必要は無く、略同じ高さであってもよい。
【0046】
一方、光結合部材30の上部に形成された接着材料付着面46は、水平面に平行に広がるように対象部材保持部43に保持されている。図1の(a)に示すように、本実施形態では、導光板13よりも下方に光結合部材30を配置して接着工程(工程3)を進める。そのため、導光板13が自重により撓んでいることにより、接着材料付着面46と、導光板13の被接着面47とは平行の関係になく、接着材料付着面46(または被接着面47)が被接着面47(または接着材料付着面46)に対して傾斜している関係をもつ。
【0047】
このように傾斜している状態で、移動手段44を用いて、導光板保持部41を光結合部材30に近づけるように鉛直方向に移動させると、接着材料付着面46に対して被接着面47は傾斜を有しているため、接着材料付着面46の端部から被接着面47に接触し始める。そして、移動が進むにつれて、接触面積から徐々に広がる。ここで、接着領域48の面積が徐々に拡大していくと同時に、導光板13の撓みは次第に解消されていく。そして、接着領域48の面積が最大になったとき、つまり接着材料付着面46全面が被接着面47と接着したときは、導光板13は、水平面に対して平行になっており、撓みもなくなっている。
【0048】
そして、傾斜を有した被接着面47は接着材料付着面46の端部と接触(接着)し始め、接着領域48の面積が徐々に大きくなるため、接着領域48への気泡混入を防止することができる。そのため、上記のようにして接着領域48の面積が接着材料付着面46の面積と等しくなったとき、すなわち、接着領域48の面積最大になったとき、接着領域48に気泡を混入させることなく、工程3を終えることができる。
【0049】
なお、導光板保持部41及び対象部材保持部43の相対的移動は鉛直方向に限定する必要は無く、水平方向に移動させることを組み合わせてもよい。この場合にも、撓みを解消しつつ、接着領域48を拡大することができるからである。
【0050】
また、接着材料49を塗布する部材を、光結合部材30に限定する必要は無く、導光板13に塗布し、その面を接着材料付着面とし、対応する光結合部材30の表面を被接着面としてもよい。さらに、図1の(a)において、導光板13は上方に記載され、光結合部材30は下方に記載されているが、逆であってもよい。この場合も導光板には撓みを形成させることが可能であり、気泡混入を防止することができるからである。
【0051】
なお、導光板13の質量が大きいまたは全長が長いほど自重による撓みは大きくなるが、導光板13の厚さが大きいほど自重による撓みは小さくなる。このことを考慮して、適切な撓みを形成する必要がある。
【0052】
(工程3にて導光板13を撓ませる方法2)
上記方法1では、導光板13の湾曲を導光板13の中心に左右対称となるようにしているが、左右対称で無い場合にも、光結合部材30の接着材料付着面46に対して導光板13の被接着面47を傾斜させたまま両表面を接触させることによって、気泡の混入を防止するという本発明の目的を達成できる。すなわち、図3に示すように、導光板13の高さが、2箇所の縁部において異なってもよい。これは、支持部41aと支持部41bとに高低差を設けたことによる。
【0053】
導光板保持部41が導光板13を保持する高さが、左右において互いに異なる場合においても、自重によって導光板13を撓ませることができる。また、上記保持する高さが左右において異なるため、高低差による傾斜も生じている。
【0054】
つまり、導光板13の自重による撓み及び高低差による傾斜によって、導光板保持部41を光結合部材30に対して鉛直方向に相対的に移動させた場合、接着材料付着面46の端部から被接着面47に接触させることが可能である。
【0055】
そのため、導光板保持部41が導光板13を保持する高さが左右において同じである場合と同様、気泡混入を防止しつつ接着領域48の面積を徐々に大きくすることが可能である。なお、この場合には、導光板保持部41が導光板13を保持する高低差を、移動手段44を用いて徐々に減らしていってもよい。高低差を徐々に減らしていくことによって、撓みが解消されていき、当該高低差が無くなったときに、接着領域48の面積が最大になり、撓みもなくなっている。この場合にも接着領域48に気泡が混入することを防止することが可能である。また、必要に応じて対象部材保持部43を鉛直方向に移動させることが必要である。
【0056】
また、上記方法1によって導光板13の中心から対称に撓み生じた場合、当該中心及びその近傍では、傾斜が緩やかな状態、換言すれば水平に近い状態となるので、本発明の目的を実現するためには、光結合部材30は、大きく傾斜した導光板13の縁部近傍に接着させることが望ましい。しかし、本方法2で撓みを生じさせた場合には、導光板13の中心も比較的大きく傾斜していることになるので、当該中心にも光結合部材30を良好に接着させることが可能である。すなわち、方法1よりも方法2のほうが、当該中心を含む広範にわたって接着材料付着面46を導光板13に良好に接着させることが可能である。
【0057】
(工程3にて導光板13を撓ませる方法3)
上記方法1及び方法2では、導光板13の自重により撓みを生じさせているが、導光板13の自重以外の要因によっても、導光板13に湾曲(撓み)を生じさせることが可能である。
【0058】
例えば、本方法3のように、図4に示すように、支持部41aと支持部41bとが間隔を狭める方向に移動して、圧縮応力を加えことにより撓みを生じさせてもよい。つまり、導光板13に形成される撓みは、物理的に力を加えることによって形成された撓みでもよく、自重による撓みに限定される必要は無い。また、自重によって形成される導光板13の撓みが不十分である場合には、上記加圧を導光板13に施すことが、十分な撓みを形成する補助になり得る。
【0059】
上記のように、保持している導光板13が、加圧により撓んでいる場合には、水平に位置している接着材料付着面46に対して導光板13の被接着面47を傾斜させることができる。
【0060】
圧縮応力の大きさは、導光板13が、座屈、ひずみによる塑性変形、亀裂等を生じることがない程度に適切に調節される。
【0061】
本方法3を採用する場合、支持部41aおよび支持部41bによって導光板13が確実に保持固定される構成とすれば、支持部41aと支持部41bとを鉛直方向に配置し、導光板13の表面が鉛直方向に広がっている状態で導光板13が設置される態様としてもよい。
【0062】
なお、接着領域48の形成、気泡混入の防止等は上記2つの方法と同様のため説明を省略する。
【0063】
〔工程4について〕
次に、上記工程4の、接着領域48への加圧とエネルギー照射による接着領域の固定化について、図1の(b)に基づいて記載する。
【0064】
図1の(b)に示すエネルギー照射部45は、接着領域48に圧力を加え、エネルギーを照射するためのものである。
【0065】
エネルギー照射部45による加圧は、移動手段44による相対移動により接着領域48の面積が所定の大きさになった後に行われる。本実施形態では、接着領域48の面積が接着材料49の塗布面積と等しくなった、すなわち、接着面積が最大になった場合を、「接着領域48の面積が所定の大きさになった」とする。接着が不十分であっても、エネルギー照射部45を用いて接着領域48を加圧することによって、接着材料付着面46と被接着面47との接着を強固にすることが可能である。
【0066】
エネルギー照射部45による加圧は、図1のように導光板13の上部から導光板13に押圧を加えることによって行うことができる。なお、エネルギー照射部45は光結合部材30の下部から光結合部材30に接触させて押圧を加えてもよく、導光板13の上部及び光結合部材30の下部の両方向から押圧を加えてもよい。
【0067】
エネルギー照射部45における導光板13との接触部の構造は、平坦構造であってもよいし、湾曲構造であってもよい。例えば導光板13に向けて凸形状を有する湾曲構造とすれば、凸の突端から徐々に導光体13に接触するので、万が一、工程3によって接着材料49に気泡が混入した場合であっても、押圧によって当該気泡を接着材料内から追い出すことが可能となる。
【0068】
エネルギー照射部45は、接着領域48の接着材料49にエネルギーを照射することによって硬化させ、導光板13と光結合部材30との接着を固定する。
【0069】
エネルギー照射部45は、加圧しながらエネルギー照射を行っても(加圧とエネルギー照射とが同時)よいし、十分な加圧を終えた後でエネルギー照射を行ってもよい。なお、エネルギー照射部45の加圧を解除した後で、エネルギー照射を行った場合、接着領域48の強固な接着が解除される恐れがあるため、加圧しながら、エネルギー照射を行うことが望ましい。そのため、エネルギー照射部45の加圧と照射とは同時に行うことが望ましい。
【0070】
エネルギー照射部45の加圧と照射とを同時に行うことによって、効率的に、かつ短時間に接着領域48を硬化することができ、表示装置等の接着部材を製造することができる。
【0071】
エネルギーの照射方向としては、導光板13及び光結合部材30の透過性に応じて任意の方向が可能である。つまり、導光板13及び光結合部材30のうち、一方が光等のエネルギーを透過しない物質である場合には、透過性を有している部材方向からエネルギーを照射するようにエネルギー照射部45を設置する。
【0072】
エネルギー照射部45によるエネルギー照射は、接着材料49が硬化され、導光板13及び光結合部材30の接着が完了した後に終了する。接着が完了したかは、硬化後に外観の変化がほとんどない接着材料49に関しては、接着領域48に必要な接着強度が得られる光量が照射されているかによって判断する。接着強度と光の照射量との関係は、どの程度の光の照射量によって硬化が完了するのかについて、試験を行うことにより導出できる。例えば、多数のサンプルを作成し、それぞれに異なる量の光を照射することによって接着強度と光の照射量との関係は導出できる。
【0073】
また、光硬化性樹脂に関して、硬化に必要な光の照射量は、単純な光のエネルギー量だけでなく、硬化に適した波長等にも依存する。そのため、接着剤のデータシートに記載されている照射するエネルギーの目安量を接着領域48に照射したとしても十分に硬化しない可能性がある。よって、硬化に使用する光源に対応した光の照射量と接着強度との関係を導くことが好ましい。接着の終了により、上記工程4が終了する。
【0074】
本発明に係る部材接着装置を用いることによって、バックライト等の液晶表示装置を効率的にかつ安価に製造することが可能である。
【0075】
〔接着材料塗布装置50の構成〕
次に、工程2で用いられる接着材料塗布装置50について説明する。接着材料塗布装置50としては、例えば、下記に説明するような装置を使用することが可能であり、上記装置を用いた接着材料の塗布方法を説明する。
【0076】
ここで、光結合部材30に塗布される接着材料49の量は、適切に調整し、接着時に気泡が混入しないように設定する。接着材料49の量が足りない場合には、導光板13と光結合部材30との接着が完了した後に、隙間が生じる恐れがあるため注意する。また塗布面にムラがあり、均等に接着材料49が塗布されていない場合にも接着材料49の粘度との関係において接着にムラが生じる恐れがあるため同様に注意する。
【0077】
本実施形態では、接着材料49として、塗布後は比較的厚く、接着まで流れ落ちずに保たれる粘性の比較的高い接着材料を用いる。
【0078】
ただし、粘度が低い接着材料を接着材料49として用いることも可能である。粘度が低い接着材料49を使用する際には、光結合部材30に接着材料49を過剰に塗布したことによって、接着材料付着面46以外の外部領域に接着材料49が漏れないようにする必要がある。
【0079】
特に低沸点・低粘度の接着材料を正確に、かつ均等に塗布する際には、後に説明する接着材料塗布装置50が有用である。また、本発明に係る部材接着装置100は、下記の接着材料塗布装置50を含む任意の接着材料塗布装置を備えていてもよい。
【0080】
接着材料49は、エネルギーを照射されることによって硬化する接着性を有する材料である。接着する導光板13及び光結合部材30の性質に応じて、適切な接着材料49を選択する必要がある。照射されるエネルギーとしては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線等があり、接着材料49としては、可視光線、紫外線等により硬化する光硬化性樹脂、例えばアクリル系樹脂を採用することができる。また、赤外線により硬化する熱硬化性樹脂または電子線により硬化する電子線硬化性樹脂も同様に、接着材料49に採用することができる。具体的には、熱硬化性樹脂としてはエポキシ系樹脂を採用することができ、電子線硬化性樹脂としてはアクリル系樹脂を採用することができる。なお、照射するエネルギーとして何を採用するかは、導光板13の透過率、接着材料49の性質(透過率、コスト、接着時間、接着領域の厚さなど)等に依存する。
【0081】
図5は、光結合部材30(各分割部材30a)に対する光硬化性樹脂溶液の塗布に用いる接着材料塗布装置50の構成を示す説明図である。図5に示すように、接着材料塗布装置50は、塗布液(光硬化性樹脂溶液)を貯蔵するタンク(貯蔵部)51と、タンク51内を加圧するためのポンプ(加圧手段)52と、ポンプ52によって加圧された空気をタンク51に供給するための加圧管(加圧手段)53と、タンク51から塗布液を供給するための供給管(供給路)54と、供給管54の管路を開閉するためのバルブ55と、供給管54の先端に接続され、塗布液を含浸した状態で被塗布部材(分割部材30a及び後述するダミー塗布部材D)に当接することにより被塗布部材に塗布液を塗布する塗布部56(塗布液保持部材)と、被塗布部材を塗布部56に対して相対的に移動(走査)させる搬送装置57と、制御部58とを備えている。
【0082】
塗布部56の構成は、タンク51から供給管54を介して供給(補給)される塗布液を含浸した状態で保持するとともに、当該塗布部56に被塗布部材を当接させることにより、この被塗布部材に対して含浸している塗布液の一部を塗布できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、ブラシ、布、スポンジなどを用いることができる。また、塗布部56の形状についても特に限定されるものではなく、被塗布部材における被塗布領域の形状に応じて適宜設定すればよい。
【0083】
制御部58は、ポンプ52の動作を制御するタンク圧制御部61と、バルブ55の動作を制御するバルブ制御部62と、搬送装置57の動作を制御する相対位置制御部63とを備えている。
【0084】
タンク圧制御部61は、タンク51から塗布部56に塗布液を供給する際、ポンプ52を制御してタンク51内を加圧する。これにより、塗布液が低沸点の液体(例えば低級アルコール(化学式における炭素数が5以下のアルコール)等の水よりも沸点が低い液体を主成分とする液体)であっても、タンク51内の圧力が低下することによって蒸発量が増大してしまうことを防止することができる。なお、タンク51の加圧圧力は、塗布液の沸点や粘度、供給管54の開口面積などに応じて、タンク51内における塗布液の蒸発を抑制でき、かつタンク51から供給管54に適切な量の塗布液を排出できるように適宜設定すればよい。また、タンク51内の圧力を検知する圧力センサ(図示せず)を設け、その検知結果に応じてタンク圧制御部61がポンプ52の動作を制御するようにしてもよい。また、ポンプ52及び加圧管53は必須の構成ではなく、例えば、タンク51内における塗布液の蒸発等を考慮する必要ない場合などには省略してもよい。また、ポンプ52及び加圧管53を省略する場合、タンク51内が負圧(タンク51の周囲の気圧よりも低い圧力)にならないように、タンク51の周囲の空気をタンク51内に導入するための通気孔(図示せず)を設けてもよい。
【0085】
バルブ制御部62は、タンク51から塗布部56に塗布液を供給する処理を行う場合にバルブ55を開状態とし、その他の場合にはバルブ55を閉状態とする。なお、バルブ制御部62によってバルブ55が開状態とされる時間は、タンク51から塗布部56への塗布液の供給量が塗布部56の保持可能量を超えることがないように設定されている。これにより、塗布部56の保持可能量を超えて塗布液が供給され、塗布部56から余剰な塗布液が滴下してしまうことを防止している。
【0086】
相対位置制御部63は、搬送装置57の動作を制御し、被塗布部材を塗布部56に対して相対的に移動させる。具体的には、相対位置制御部63は、塗布部56と被塗布部材の被塗布領域との当接状態(塗布部56の被塗布部材に対する押し付け量あるいは押し付け力)及び当接時間が、この被塗布領域に対する塗布液の目標塗布量に応じた当接状態及び当接時間になるように搬送装置57の動作を制御する。なお、搬送装置57の構成は特に限定されるものではなく、例えば、アクチュエータ、モーター、ギア等を組み合わせた従来から公知の搬送装置技術を用いることができる。また、本実施形態では搬送装置57が塗布対象物の位置を移動させるものとしているが、これに限らず、例えば塗布部56を塗布対象物に対して相対的に移動させるようにしてもよく、塗布部56及び塗布対象物の両方を移動させることにより、これら両部材の相対位置を移動させるようにしてもよい。
【0087】
図6(a)〜図6(d)は、分割部材30a・30aに対する光硬化性樹脂溶液(塗布液)の塗布工程を示す説明図である。
【0088】
まず、図6(a)に示すように、制御部58(バルブ制御部62)は、塗布部56を被塗布部材から離間させた状態でバルブ55を開操作し、タンク51から塗布部56に塗布液を供給(補給)する。この際、必要に応じて、制御部58(タンク圧制御部61)がポンプ52を制御し、タンク51内を加圧しておくようにしてもよい。なお、バルブ55を開状態とする時間は、上述したように、タンク51から塗布部56への塗布液の供給量が塗布部56の保持可能量を超えることがないように適宜設定しておけばよい。
【0089】
塗布部56に対して当該塗布部56の保持可能量を超えない範囲の所定量の塗布液が供給されると、制御部58は、図6(b)に示すように、バルブ55を閉操作し、塗布部56に対する塗布液の供給を停止する。
【0090】
次に、相対位置制御部63は、図6(c)に示すように、バルブ55を閉じた状態で塗布部56をダミー部材Dに当接させ、塗布部56に保持されている塗布液の一部(余剰塗布液)をダミー部材に移行させる。すなわち、塗布部56に保持可能量の上限に近い量の塗布液を保持させた状態で塗布部56を分割部材30aに当接させると、当接開始当初に分割部材30aに対して必要量以上の塗布液が付着してしまう場合がある。そこで、塗布部56への塗布液の供給(補給)を行った後、分割部材30aに塗布液を塗布する前に、塗布部56をダミー部材Dに当接させて塗布液の一部を移行させる。これにより、塗布部56に保持されている塗布液の量を調整し、塗布部56と分割部材30aとの当接開始当初から適切な量の塗布液を塗布することができる。
【0091】
ダミー部材Dの構成は特に限定されるものではなく、例えば分割部材30aと同様の構成であってもよく、分割部材30aとは異なる構成であってもよい。塗布部56とダミー部材Dとを当接させた状態でダミー部材Dを塗布部56に対して2cm〜3cm程度移動させることにより、上記の余剰塗布液の除去を行っている。なお、塗布部56とダミー部材Dとの当接処理は必須ではなく、例えば塗布部56と分割部材30aとの当接開始当初における余剰塗布液の分割部材30aへの移行を考慮する必要がない場合には省略してもよい。
【0092】
その後、相対位置制御部63は、図6(d)に示すように、バルブ55を閉じたままの状態で塗布部56と分割部材30aとを当接させ、当接させたまま分割部材30aを塗布部56に対して相対的に移動させることにより、分割部材30aにおける被塗布領域に塗布液を塗布していく。この際、図6(d)に示すように、連接配置される各分割部材30aを連接させた状態で塗布部56に対して相対的に移動させ、各分割部材30aに対して塗布液を順次塗布していく。
【0093】
なお、被塗布部材に対して光硬化性樹脂溶液を塗布する際、被塗布部材を搬送装置57に設けられた治具に被塗布領域が移動方向に対して水平になるように固定するとともに、相対位置制御部63が、塗布部56の被塗布領域に対する相対高さを一定に保ちながら被塗布部材を塗布部56に対して相対的に移動させるよう搬送装置57の動作を制御する。また、相対位置制御部63は、塗布部56と被塗布部材の被塗布領域の各部との当接時間が、被塗布領域の各部に目標塗布量の塗布液を塗布するための当接時間になるように搬送装置57の動作を制御する。
【0094】
また、連接配置される各分割部材30aを連接させた状態で塗布部56に対して相対的に移動させる際、分割部材30a同士の連接部が塗布部56との対向部を通過するときに塗布部56と各分割部材30aとを離間させてもよい。すなわち、塗布部56が分割部材30a同士の連接部に当接しないようにしてもよい。これにより、塗布液が分割部材30a同士の連接部に塗布されることを防止できる。
【0095】
また、本実施形態では、図6(d)に示すように、隣接する分割部材30a同士の対向面のうち、少なくとも一方に、上記塗布液に対する撥液性(塗布液をはじく性質)を有する撥液性材料42を予め塗布あるいは貼付しておく。これにより、塗布液が分割部材30a同士の対向部(連接部)に移行し、光結合部材30中に塗布液によって着色された領域が生じてしまうといった不具合が生じることを防止できる。すなわち、分割部材30a同士の連接部の近傍に低粘度の塗布液を塗布した場合、この塗布液が毛管現象等によって分割部材30a同士の微小な間隙に移行してしまう場合があるが、上記対向面に撥液性材料42を塗布しておくことにより、上記間隙に塗布液が移行してしまうことを防止できる。上記の撥液性材料42は、分割部材30a同士の間隙に塗布液が毛管現象等によって浸透しようとする力よりも強い撥液力を実現できる材料であれば特に限定されるものではないが、例えばフッ素樹脂などを用いることができる。なお、撥液性材料42は、光結合部材30の性能に影響を及ぼさない(あるいは光結合部材30の性能に対する影響が少ない)ように、透明な材料であることがより好ましい。
【0096】
上記のように光硬化性樹脂溶液を塗布した後、被塗布部材を搬送装置57に治具によって固定したままの状態で、光硬化性樹脂溶液を塗布した被塗布部材の被塗布領域に導光板13を当接させ、当接させた状態でエネルギー線(光)を照射することにより、各分割部材30aと導光板13とを接着する。
【0097】
以上のように、接着材料塗布装置50は、塗布液(光硬化性樹脂溶液)を貯蔵するタンク51と、分割部材(被塗布部材)30aに塗布液を塗布する塗布部56と、タンク51から塗布部56への塗布液の供給路を開閉するバルブ55とを備え、塗布部56を分割部材30aから離間させた状態で供給路を開状態とすることでタンク51から塗布部56に塗布液を供給して塗布部56に含浸させ、上記供給路を閉状態とすることで塗布部材への塗布液の供給を停止し、塗布液の供給を停止した後、塗布部56と分割部材30aとを当接させて塗布部56に含浸している塗布液の一部を分割部材30aに塗布する。
【0098】
これにより、バルブ55の開閉タイミングを制御することにより、塗布液の粘度が低い場合であっても、塗布部56に供給する塗布液の量を正確に制御することができる。また、塗布部56による塗布液の保持力は、塗布液の沸点の影響をほとんど受けず、また塗布液の粘度が低い場合であっても安定している。このため、塗布部56から分割部材30aへの塗布液の塗布量は、塗布部56に含浸して保持されている塗布液の量と、塗布部56と分割部材30aとの当接状態(押し当て量)と、塗布部56と分割部材30aにおける被塗布領域との当接時間(走査速度)とに応じて決まる。
【0099】
したがって、これらの値を調整することにより、塗布液が低沸点・低粘度の場合であっても、分割部材30aの被塗布領域(頂部平坦面31)に対して適切な量の塗布液を正確に塗布し、頂部平坦面31以外の領域に塗布液が塗布されてしまうことを防止することができる。
【0100】
また、被塗布部材(光結合部材30を構成する各分割部材30a)に対して光硬化性樹脂溶液を塗布する際、被塗布部材を搬送装置57に設けられた治具に被塗布領域が移動方向に対して水平になるように固定するとともに、相対位置制御部63が、塗布部56の被塗布領域に対する相対高さを一定に保つように被塗布部材を塗布部56に対して相対的に移動させるよう搬送装置57の動作を制御する。また、相対位置制御部63は、塗布部56と被塗布部材の被塗布領域の各部との当接時間が、被塗布領域の各部に対して目標塗布量の塗布液(光硬化性樹脂溶液)を塗布することができる当接時間になるように搬送装置57の動作を制御する。これにより、被塗布部材に対する塗布液の塗布量を容易かつ適切に制御することができる。
【0101】
また、塗布液が塗布される被塗布部材が液晶表示装置1のバックライト10に備えられる光結合部材30(各分割部材30a)である場合について説明したが、被塗布部材はこれに限るものでなく、光ディスク、フィルム配線版、照明装置等に使用される任意の部材に対しても使用することが可能である。
【0102】
また、塗布部56に保持させることができる程度の粘度を有する液体を被塗布部材に対して塗布する場合に適用でき、被塗布部材の構成は特に限定されない。なお、接着材料塗布装置50及び液体塗布方法は、上述したように、低沸点・低粘度の液体を被塗布部材に塗布する場合であっても塗布量を正確に制御できるという特性を有している。このため、実施形態にかかる接着材料塗布装置50及び液体塗布方法は、例えば、化学式における炭素数が5以下のアルコールである低級アルコール等の低沸点・低濃度の液体を主成分とする液体の塗布に特に適している。
【0103】
また、ポンプ52、バルブ55、及び搬送装置57の動作を制御部58が制御するものとしたが、これら各部材の動作の一部または全部をユーザが手動で制御してもよい。
【0104】
また、接着材料塗布装置50に備えられる制御部58を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、接着材料塗布装置50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、接着材料塗布装置50による操作は、上述した機能を実現するソフトウェアである接着材料塗布装置50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、接着材料塗布装置50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0105】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0106】
また、接着材料塗布装置50を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0107】
また、接着材料塗布装置50の制御部58は、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0108】
なお、上述したように、本実施形態の部材接着装置100は、接着材料塗布装置50の機能を組み込んで工程1または工程2を部材接着装置100で行う構成としてもよい。この場合には、光結合部材30に対する接着材料49の塗布、光結合部材30と導光板13の接着及び接着領域48の固定といった工程(図2でいう工程2〜4)を1つの装置を用いることにより可能となる。また、光結合部材30を導光板13に対して相対的に移動させる移動手段44を、被塗布材料(光結合部材30)を塗布部56に対して相対的に移動させる搬送装置57と共通化させることが可能となり、より効率的に表示装置等を製造することが可能となる。
【0109】
〔液晶表示装置1の構成〕
図7は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)の構成を示す分解斜視図である。液晶表示装置1は、本発明に係る部材接着装置を用いることによって製造することが可能である。
【0110】
液晶表示装置1は、図7に示すように、下から順に、光源モジュールとしてのバックライト10、拡散シート2、プリズムシート3、液晶パネル4及びベゼル5を備えている。
【0111】
上記バックライト10は、下から順に、光源モジュール20、一筋の開口11aを有するシャーシ11、シャーシ11と同様に一筋の開口を有する反射シート12、及び導光板13を備えている。
【0112】
図8は光源モジュール20の斜視図であり、図9は光源モジュールにおけるLED基板及び光結合部材の接合部分を拡大して示す断面図であり、図10は液晶表示装置1の断面図である。図8に示すように、光源モジュール20は、光源ホルダー21、ヒートシンク22、LEDチップ23a・23b、LED基板24a・24b、スペーサ25a・25b、及び光結合部材30を備えている。図9に示すように、光結合部材30の下端平坦面33の一部から突出して形成されており、接着剤によりLED基板24aに固定されている。
【0113】
また、ヒートシンク22上には、LED基板24a・24bが設けられており、LED基板24a・24b上には光源としての半導体のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップ23a・23bが光源モジュール20の延伸方向に沿って配置されている。
【0114】
上記LEDチップ23a・23bは、光源モジュール20の延伸方向に沿って2列に並んで互いに平行に複数個設けられていると共に、これら複数のLEDチップ23a・23bの表面側には光結合部材30が設けられている。
【0115】
また、LED基板24a・24bと光結合部材30との間には、LEDチップ23a・23bに加えて、LED基板24a・24bと光結合部材30との間に隙間を設けるためのスペーサ25a・25bが形成されている。この隙間により、光結合部材30がLEDチップ23a・23bに当接して、LEDチップ23a・23bが破損することを防止できる。ただし、これに限られず、LEDチップ23a・23bに損傷を与えない範囲であれば、LEDチップ23a・23bが光結合部材30と密着していても構わない。なお、半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図8では、図面の煩雑さを防ぐためLEDチップ23a・23bの記載を省略している。
【0116】
図10においては、光源ホルダー21とヒートシンク22とは固定する固定部材としてのプラスチックリベット29にて取り付け固定され、光結合部材30に凹部34を形成されている。また、導光板13の出射領域の領域外を遮蔽する遮蔽部材としての下部フレーム6aが設けられている。
【0117】
また、光源としてLEDチップを用いているが、これは、半導体チップ状のLEDは形状が小さくかつ狭い領域に配置できるためである。例えば、安価な低出力のLEDチップを用いた場合であっても、間隔を詰めて多くのLEDを配置することで照度を向上させ、高機能のバックライトの光源として利用できる。ただし、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDを光源として用いてもよく、有機EL発光素子、あるいは無機EL発光素子などを光源として用いてもよい。
【0118】
光結合部材30は、各LEDチップ23a・23bから出射される光を、導光板13に対して所定角度範囲(導光板13の背面側(基板裏面側)から入射して導光板13の発光面側(基板表面側)に到達した光がこの発光面側で全反射する角度範囲)で導光板13に入射するように導光板13の内部へ導くためのものであり、光源モジュール20の延伸方向に平行な方向に延伸するように配置されている。
【0119】
なお、光結合部材30の材質は、当該光結合部材30の内部を光が伝播可能であり、光源から入射した光を導光板13に対して上記所定角度範囲で入射させるように光の進行方向を変化させることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば導光板13と同様の樹脂材料を用いることができる。本実施形態では光結合部材30としてアクリル樹脂からなるものを用いた。また、光結合部材30は延伸方向に沿って並べられた複数の分割部材30a(図2)からなり、それら各分割部材30aが導光板13に接着されている。
【0120】
ちなみに、光結合部材30の材質は、導光板13の材質と同じ樹脂からなっているのが望ましい。すなわち、同じ材質であれば、屈折率を同じにすることができるので、光結合部材30から導光板13への光の入射が円滑に行われるからである。また、導光板13の屈折率が光結合部材30の屈折率より僅かに高い構成でもよい。樹脂に限るものではなく硝子等の材質でもよい。
【0121】
図11(a)は光結合部材30における延伸方向に垂直な断面の構成を示す説明図である。この図に示すように、光結合部材30における延伸方向に垂直な断面は、略楕円形状からなるリングの一部を直線状に切断して得られる平坦部33・33と、上記の略楕円形状の外周部の一部を平坦部33・33と略平行な直線に沿って切り欠いて得られる頂部平坦面31とを有する形状である。頂部平坦面31の幅(光結合部材30の延伸方向に垂直な方向の幅)は5mmに設定されている。
【0122】
また、光結合部材30は、図11(a)に示すように、棒状、詳細には断面略U字形状をしており、2つの下端平坦面33・33に0.5mm程度の高さのスペーサ25a・25bをそれぞれ有している。このスペーサ25a・25bは、LEDチップ23aと光結合部材30との衝突を防ぐようになっている。
【0123】
図11(b)は図11(a)に示したLEDチップ23a近傍の拡大図である。図11(a)及び図11(b)に示すように、光結合部材30の平坦部33・33に近接する位置には、LEDチップ23a・23bが配置されている。これら各LEDチップ23a・23bは、図11(b)に示す全反射面32・32の焦点位置Fよりも光結合部材30の外周面側(平坦部33・33における全反射面32・32に近い側)に対向する位置に配置されている。
【0124】
これにより、図11(a)及び図11(b)に示すように、各LEDチップ23a・23bから出射された光は光結合部材30の全反射面32・32で全反射(略全反射)し、その反射光が頂部平坦面31を介して導光板13に入射する。また、全反射面32・32の形状は、各LEDチップ23a・23bからの入射光を、導光板13に対して上記所定角度範囲で入射させることができるように設定されている。上記のように光結合部材30を介して導光板13の背面側から導光板13に入射した光は、図12に示すように、導光板13の発光面側で全反射して導光板13内を面内方向に伝播する。
【0125】
なお、光結合部材30の延伸方向に垂直な断面における全反射面32・32の形状は、必ずしも楕円の円弧形状に限るものではなく、LEDチップ23a・23bから入射された光を全反射面32・32で全反射(略全反射)させて導光板13に対して所定角度範囲で入射させることができる形状であればよい。例えば、全反射面32・32は、光結合部材30の延伸方向に垂直な断面の形状が円の円弧形状、弓形、放物線形状などの曲線形状であってもよく、頂部平坦面31、平坦部33・33に対して傾斜した直線状であってもよい。
【0126】
また、光結合部材30の下端側の中央部には凹部34が形成されている。本実施形態では、曲面32a・32bにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部34としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減及び軽量化を図ることができる。ただし、凹部34領域は、必ずしもこれに限らず、凹部34が存在しない断面が略半円状の詰った構成でも構わない。
【0127】
なお、上記凹部34に図示しない反射シート等の反射手段を設けることが可能である。これにより、頂部平坦面31近傍で迷光が発生する場合があっても、迷光の一部を導光板13側に反射させ液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0128】
図13(a)は光結合部材30の変形例を示す説明図であり、光結合部材30の全反射面32・32における当該光結合部材30の延伸方向に垂直な断面の形状を放物線形状にした場合の例を示している。
【0129】
また、全反射面32・32の周囲に、光結合部材30から外部に漏れる光を光結合部材30内に戻すための反射シート(図示せず)を設けてもよい。これにより、LEDチップ23a・23bから照射された光の一部が全反射面32・32から光結合部材30の外部に漏洩する場合であっても、光結合部材30の外部に漏洩する光を光結合部材30に戻し、導光板13に入射する光の光量を増加させて光利用効率をより高くすることができる。
【0130】
導光板13は、当該導光板13の内部を光が伝播可能な導光性を有する材質からなる平板状の部材である。導光板13の材質は、導光性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば従来から公知の樹脂材料などを用いることができる。
【0131】
また、導光板13における光結合部材30側の面(背面)または光結合部材30とは反対側の面(おもて面)の少なくとも一方には、導光板13内を伝播する光を散乱させて当該導光板13の発光面側から出射させるための多数のドットパターン(光散乱部)が設けられている。ドットパターンの形成方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の方法で形成することができる。例えば、光拡散反射性を有する材料を導光板13における一方または両方の面に印刷することによって形成してもよく、レーザ加工等により導光板13の一部を加工することによって形成してもよい。また、本実施形態では光散乱部としてドットパターンを形成しているが、これに限らず、導光板13内を伝播する光の一部を散乱させて導光板13における発光面側から出射させることができるものであればよい。また、各ドットパターンの配置(サイズ及び配置ピッチ)についても特に限定されるものではなく、バックライト10の発光面から出射される光の輝度分布を所望する輝度分布にできるように適宜配置すればよい。
【0132】
この結果、本実施形態の液晶表示装置1におけるバックライト10では、図14(a)、(b)に示すように、液晶表示装置1の画面の端部に横切って帯状の光源モジュール20を設けることにより、上記液晶パネル4において、均一で滑らかな輝度分布を得ることが可能となる。
【0133】
このように、本実施形態の液晶表示装置1は、液晶パネル4、導光板13、光結合部材30及びLEDチップ23a・23bがこの順に配設されている。すなわち、本実施形態の液晶表示装置1では、導光板13の下方にLEDチップ23a・23bを設けると共に、導光板13とLEDチップ23a・23bとの間に、LEDチップ23a・23bから出射された光を、導光板13の下面の頂部平坦面31から光を入射させるように光を結合する光結合部材30を設けている。このため、導光板13の下方のLEDチップ23a・23bから出射された光は、光結合部材30を介して導光板13に入射され、導光板13の内部を全反射しながら導光板13の端部まで移動しつつ、その途中で図示しない光路変換素子にて全反射条件が破られ、導光板13から出射し、反射シート12で反射し、更に導光板13内を通過し、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、上記拡散シート2及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0134】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、額縁寸法を小さくすることができ、意匠効果も向上することができる。また、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するためのLEDチップ23a・23bと導光板13との隙間が不要となるので、隙間から光が漏れることがない。すなわち、本実施形態では、導光板13の下方に光結合部材30及びLEDチップ23a・23bを配設するので、導光板13の厚さ方向は長手又は短手の平面方向よりも熱膨張が小さいので、導光板13の伸縮が小さく、光結合部材30とLEDチップ23a・23bとを近接できる例えばそれらの隙間を例えば0.5mm以下にすることができる。尚、光結合部材30は導光板13に当接しているので、隙間はない。このため、LEDチップ23a・23bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0135】
また、本実施形態では、導光板13とは別体の光結合部材30を設けることにより、平板状の導光板13に対して斜めに光を入射させるので、導光板13の内部では入射光が全反射しながら導光される。
【0136】
すなわち、本実施形態では、光結合部材30は、頂部平坦面31が導光板13に当接する断面略U字形状の帯状体つまり棒状体にてなっている。
【0137】
また、本実施形態では、光結合部材30は、導光板13の端部に設けられている。この結果、LEDチップ23a・23bからの光を導光板13の端部にて入射させることになるので、導光板13において一方向に向けて導光させ、導光板13の全面から光を取出し、液晶パネル4の全面を照射することが可能となる。
【0138】
したがって、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23a・23bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上し得るバックライト10及び液晶表示装置1を提供することができる。
【0139】
したがって、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23a・23bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上し得るバックライト10及び液晶表示装置1を提供することができる。
【0140】
また、本実施形態のバックライト10では、光結合部材30は、導光板13に対して斜めに光を入射させる。これにより、平板状の導光板13に対して斜めに光を入射させるので、導光板13の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、導光板の加工をしなくても済み、LEDチップ23a・23bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上し得ると共に製造コストも軽減される。
【0141】
また、本実施形態のバックライト10では、光結合部材30は、反射面である曲面32a・32bを有し、LEDチップ23a・23bからの入射光を曲面32a・32bにて反射させて導光板13に対して光を入射させる。これにより、LEDチップ23a・23bから出射された光は、光結合部材30に入射し、曲面32a・32bにて反射する。そして、曲面32a・32bにて反射された光は、導光板13の下面の頂部平坦面31から導光板13に入射するように結合される。
【0142】
この結果、導光板13の加工を伴うことなく、曲面32a・32bを有する光結合部材30にてLEDチップ23a・23bからの光を導光板13へ効率よく結合して入射させることができる。
【0143】
また、本実施形態のバックライト10では、光結合部材30は、導光板13内で全反射させるように導光板13に光を入射させる。これにより、光利用効率を向上し得るバックライト10を提供することができる。
【0144】
さらに、本実施形態では、LEDチップ23a・23bは、光結合部材30への入射光における光軸方向が平板状の導光板13に対して直交するように配置されている。このため、LEDチップ23a・23bの配置を平板状の導光板13に対して斜めにする必要がないので、LEDチップ23a・23bの配置も容易であり、構造や組み立て方法が単純である。
【0145】
したがって、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23a・23bから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上し得るバックライト10及び液晶表示装置1を提供することができる。
【0146】
また、本実施形態のバックライト10では、LEDチップ23a・23bは、光結合部材30の長手方向に沿って2列に設けられている。具体的には、LEDチップ23a・23bは、断面略U字形状の光結合部材30における下端弦の両端部の直下に中心線に沿って平行に2列に設けられている。
【0147】
これにより、導光板13に入射させるときに、2列のLEDチップ23a・23bをそれぞれ反対方向に光出射させることによって、2列間の中点を通る線を軸対称として光結合部材30の両側つまり導光板13の両端側にそれぞれ導光させることができる。したがって、単純な構造にて、導光板13において輝度分布の均一化を図ることができる。すなわち、LEDチップ23aが単独の場合は、LEDチップ23aの直上が光透過せずに暗部となる虞がある。それを他のLEDチップ23bからの光にて補うことが可能となる。
【0148】
また、本実施形態のバックライト10では、光源は、複数のLEDチップ23a・23bからなっている。LEDチップ23a・23bは形状が小さく微少間隔で密に配列することができ、これにより、LEDチップ23a・23bは形状が小さくかつ照度も大きいので、バックライト10の光源として適切である。
【0149】
また、本実施形態では、導光板13を加工せずに済み、かつ下方から光入射するので、導光板13の液晶表示装置1の薄型化を図ることができる。具体的には、導光板13の加工にはある程度の厚さが必要である。この場合、従来のエッジライト方式は光源の幅よりも導光板を薄くすると光結合率が低下するため薄型化に限界がある。この点、本実施形態では、導光板13を薄型化すれば、テレビの薄型化及び軽量化に繋がる。また、導光板13の材料を節約できるので、加工が不要な点からも低コスト化を図ることができる。また、LEDチップ23a・23bを上向きに実装すればよいので、LEDチップ23a・23bを含め、図2に示す液晶表示装置1を構成する各部材群の組み立てにおいて、組み立て方向が1方向の組み込み方向で済み、組み立ての製造装置構成や、組み立て作業が簡単になる。すなわち、従来のエッジライトの場合は、側面から光源を取り付ける必要があるので、液晶表示装置1全体として1方向の組込み方向で済まず、製造がやや困難となる。
【0150】
また、本実施形態の液晶表示装置1では、光結合部材30は、帯状に設けられている。さらに、この帯状に設けられた光結合部材30は、方形平板状の導光板13における長手方向に平行に設けられている。
【0151】
これにより、光結合部材30と複数のLEDチップ23a・23bとの関係を1:1にする必要がなくなり、複数のLEDチップ23a・23bを1つの光学部材にて覆うので、光学系の構造を単純化することができる。また、LEDチップ23a・23bも光結合部材30に沿って設けることができるので、LEDチップ23a・23bの配線が容易となる。
【0152】
また、上記光結合部材30は、方形平板状の導光板13における縦又は横方向つまり長手方向か短手方向に対し、一本の直線状の部材で構成されてもよく、また、いくつかに区切られた光結合部材の小片を帯状に連ね一直線上に配置しても構わない。
【0153】
これにより、1つの光源に対し1の光学素子を設ける必要がなくなり、複数の光源を1つの光学部材にて覆うので、光学系の構造を単純化することができる。また、光源はパッケージに収納されたタイプのものでも良いが、半導体チップ状のものも適用できる。光源は、光結合部材に沿って配置され、光源の配線も容易となる。
【0154】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明に係る接着装置は、接着材料中に気泡を混入させないようにして部材同士を接着することができる。
【0156】
本発明に係る接着装置を用いることによって、光ディスク、フィルム配線版、液晶表示装置、照明装置等を安価で効率的に製造することが可能である。
【符号の説明】
【0157】
1 液晶表示装置(表示装置)
2 拡散シート
3 プリズムシート
4 液晶パネル
5 ベゼル
6a 下部フレーム
10 バックライト
11 シャーシ
11a 開口
12 反射シート
13 導光板(板状部材)
20 光源モジュール
21 光源ホルダー
22 ヒートシンク
23a,23b LEDチップ
24a,24b LED基板
25a,25b スペーサ
29 プラスチックリベット
30 光結合部材(対象部材)
30a 分割部材
31 頂部平坦面
32,32 全反射面
32a,32b 曲面
33 下端平坦面
34 凹部
40 パレット
41 導光板保持部
41a,41b 支持部
42 撥液性材料
43 対象部材保持部
44 移動手段
45 エネルギー照射部
46 接着材料付着面
47 被接着面
48 接着領域
49 接着材料
50 接着材料塗布装置
51 タンク
52 ポンプ
53 加圧管
54 供給管
55 バルブ
56 塗布部
57 搬送装置
58 制御部
61 タンク圧制御部
62 バルブ制御部
63 相対位置制御部
100 部材接着装置(接着装置)
D ダミー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材と対象部材とを、板状部材及び対象部材のうちの一方の部材の表面に付着させた、エネルギー照射により硬化する接着材料を介して、接着する接着装置であって、
板状部材及び対象部材のうちの他方の部材の表面に対して上記接着材料の表面が傾斜するように、板状部材を撓ませた状態で保持する板状部材保持部と、
上記対象部材を保持する対象部材保持部と、
上記板状部材保持部及び上記対象部材保持部の相対位置を変化させながら、接着面積が徐々に広がるように上記他方の部材の表面と上記接着材料の表面とを接着させる、移動手段と、
上記接着面積が所定の大きさになった後に、当該接着した領域に対して加圧及び上記エネルギー照射を行うエネルギー照射部と、を備えていることを特徴とする接着装置。
【請求項2】
上記エネルギー照射部は、上記加圧と上記エネルギー照射とを同時に行う構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の接着装置。
【請求項3】
上記板状部材保持部は、上記板状部材の中央を挟んで対向する2箇所の縁部を支持しており、当該2箇所の縁部はそれぞれが水平面から同じ高さにあることを特徴とする請求項1または2に記載の接着装置。
【請求項4】
上記移動手段は、上記板状部材保持部を、鉛直方向に沿って上下移動する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の接着装置。
【請求項5】
導光板である上記板状部材と、
光結合部材である上記対象部材と、
上記光結合部材に光を出射する光源とを有しているバックライトを具備している表示装置であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の接着装置を用いて製造された表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−58458(P2013−58458A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197651(P2011−197651)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】