説明

接続棒部材装着治具及びその装着方法

【課題】 この発明は誰もが容易に効率良く接続棒部材の装着が可能で、且つ、安全性、作業性、経済性に優れた接続棒部材装着治具及びその装着方法を開発・提供する事にある。
【解決手段】 先端側に設けた回転伝達部と後端側に設けた連結部をそれぞれ一体に形成して設け、且つ、該回転伝達部は中心部を使用する雄側接続棒部材の大きさに適合する大・小の内径寸法と深さ寸法を有する円錐状穴をそれぞれ設けたウレタンゴム等の軟質部材を埋設して設け、且つ、該連結部はインパクトレンチ等の回転伝達手段の先端連結部に適合する抜け出し防止用ピン付連結穴を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は一般道路、高速道路、飛行場の滑走路、駐機場等荷重の掛かるコンクリート舗装版の荷重伝達に使用する接続棒部材装着治具及びその装着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般道路や、高速道路や、飛行場の滑走路や、駐機場等荷重の掛かるコンクリート舗装版の荷重伝達に使用する接続棒部材は一本ずつ手作業によって装着されている為、非常に時間が掛かり、非効率的であった。
【0003】
又、作業そのものが手作業で有る為、高齢者には負担が大きく長続きせず、かといって、最近では若者もきつい作業はするものがいない為、何とか機械化して、少しでも効率良く、しかも、楽に作業が出来るよう求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
そこで、この発明の接続棒部材装着治具に関連する特許文献を参考の為、紹介する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2010−174597
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上記課題を解決する為に、この発明は誰もが容易に効率良く接続棒部材の装着が可能で、且つ、安全性、作業性、経済性に優れた接続棒部材装着治具及びその装着方法を開発・提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決する為の手段として、先端側に設けた回転伝達部と後端側に設けた連結部をそれぞれ一体に形成して設け、且つ、該回転伝達部は中心部を使用する雄側接続棒部材の大きさに適合する大・小の内径寸法と深さ寸法を有する円錐状穴をそれぞれ設けたウレタンゴム等の軟質部材を埋設して設け、且つ、該連結部はインパクトレンチ等の回転伝達手段の先端連結部に適合する抜け出し防止用ピン付連結穴を設けたものである。
【0007】
又、コンクリート舗装版に雄側接続棒部材を装着時は、既設のコンクリート舗装版に埋設された雌側接続棒部材のソケット雌ネジ部に雌側接続棒部材の雄ネジ部を人手により仮挿着後、インパクトレンチ等の回転伝達手段の先端連結部に挿着した接続棒部材装着治具の回転伝達部円錐状穴を雄側接続棒部材後端部に嵌着し、且つ、回転伝達部を回転させながら雄側接続棒部材を挿入して完全挿着するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の効果として、接続棒部材装着治具の回転伝達部の穴形状を、使用する異径の接続棒部材の許容外径寸法に適合した円錐状に形成し、且つ、材質をウレタンゴム等の軟質部材を適用することで、異径の接続棒部材を容易に効率良く接続可能にし、且つ、安全性、作業性、経済性に優れる等、極めて有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施例を示し、(A)は接続棒部材装着治具の平面図で、(B)は正面視断面図である。
【図2】この発明の一実施例を示し、接続棒部材装着治具に適用する接続棒部材の寸法サイズを示した参考断面図である。
【図3】この発明の使用例を示し、(A)は接続棒部材を仮装着し、装着治具で装着する前の作業状態図で、(B)は接続棒部材を装着完了時の作業状態図で、(C)は図3(A)のa部拡大詳細図である。
【図4】この発明の使用例を示し、接続棒部材の装着状態及び作業要領を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態として、一般道路、高速道路、飛行場の滑走路、駐機場等荷重の掛かるコンクリート舗装版(CO)の荷重伝達に使用する接続棒部材の装着治具であって、該装着治具(S)は先端側に設けた回転伝達部(1)と後端側に設けた連結部(2)をそれぞれ一体に形成して設け、且つ、該回転伝達部(1)は中心部を使用する雄側接続棒部材(BO)の大きさに適合する大・小の内径寸法(D1)・(D2)と深さ寸法(H)を有する円錐状穴(1b')をそれぞれ設けたウレタンゴム等の軟質部材(1b)を埋設して設け、且つ、該連結部(2)はインパクトレンチ等の回転伝達手段(IR)の先端連結部(IR')に適合する抜け出し防止用ピン(2b)付連結穴(2a)を設けたことを特徴とする接続棒部材装着治具から構成される。
【0011】
又、コンクリート舗装版(CO)に雄側接続棒部材(BO)を装着時は、既設のコンクリート舗装版に埋設された雌側接続棒部材(BM)のソケット雌ネジ部(BM')に雌側接続棒部材の雄ネジ部(BO')を人手により仮挿着後、インパクトレンチ等の回転伝達手段(IR)の先端連結部(IR')に挿着した接続棒部材装着治具(S)の回転伝達部円錐状穴(1b')を雄側接続棒部材後端部に嵌着し、且つ、回転伝達部(1)を回転させながら雄側接続棒部材を挿入して完全挿着することを特徴とするものである。
【実施例1】
【0012】
そこで、この発明の一実施例を図1〜図2に基づいて詳述すると、図1(A)(B)に示す接続棒部材装着治具は、図2に示すように、適用する接続棒部材(BO)の外径寸法がφ25mm(d1)(BO1)、φ28mm(d2)(BO2)、φ32mm(d3)(BO3)、φ38mm(d4)(BO4)、φ42mm(d5)(BO5)の5種類のものに適用可能な2号タイプと呼ばれるものであって、この他、前記以外の3号タイプは図示はしないが外径寸法がφ18mm(d1')(BO1')、φ22mm(d2')(BO2')、φ25mm(d3')(BO3')、φ28mm(d4')(BO4')、φ32mm(d5')(BO5')の5種類の接続棒部材に適用し、治具の外径寸法及び長さが一回り小さいものも別途設けられている。又、必要に応じて、前記以外の寸法形状を有する接続棒部材に適用可能な接続棒部材装着治具の製造も可能である。この場合、使用するインパクトレンチ(IR)の回転性能(回転力)も合せて検討する必要がある。
【0013】
そして、前記接続棒部材装着治具先端側の回転伝達部(1)の大きさは、外径寸法φ約76mm×長さ寸法約85mm×肉厚寸法約3mm〜5mmの鉄製の大形円筒状箱(1a)を形成し、且つ、該円筒状箱の内部中心には、大内径寸法(D1)・小内径寸法(D2)が50mm・20mm×深さ寸法(H)75mmを有する円錐状穴(1b')を形成して設け、且つ、後端側は軸芯に対して垂直方向に外径φ約5mm×長さ寸法約22mmの脱落防止用ピン(2b)を嵌着し、外径溝部に内径約23mm×線径約2mmの抜け出し防止用ゴム製Oリング(2c)を挿着し、且つ、中心部に使用するインパクトレンチの先端形状に適合する対辺が約□8mm×8mmの四角形状の嵌挿用穴(2a)を貫通して設けている。
て設けている。
【0014】
又、図3は作業手順及び接続棒部材装着治具の装着要領を示し、(A)は人手による仮装着時の作業状態図で、(B)は装着作業完了時の作業状態図で、(C)は図3(A)のa部拡大詳細図である。
【0015】
上記、作業手順について説明すると、最初に予めインパクトレンチ(IR)の回転方向を右回転側に切り替える。そして、インパクトレンチ(IR)の先端結合部(IR')に接続棒部材装着治具(S)を嵌着し、そして、既設のコンクリート舗装版(CO)に埋設された雌側接続棒部材(BM)のソケット雌ネジ部(BM')に適合する外径寸法サイズの雄側接続棒部材の雄ネジ部(BO')を人手により仮装着後、インパクトレンチに嵌着した接続棒部材装着治具(S)の円錐状穴部を雄側接続棒部材の後端部に確実に押し当て、インパクトレンチの作動用レバースィッチを引き右回転作動させながら水平前方向に押圧して装着する。
【0016】
又、図4はコンクリート舗装版(CO)に連続して接続棒部材を装着した装着状態及び作業要領を示す斜視図である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
この発明の接続棒部材装着治具は、誰もが容易に効率良く接続棒部材の装着が可能で、且つ、安全性、作業性、経済性に優れている為、製造・販売することで、多くの土木建築関係市場に寄与する点で産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0018】
1 回転伝達部
1a 大形円筒状箱
1b 軟質部材
1b' 円錐状穴
2 連結部
2a 連結穴
2b 抜け出し防止用ピン
2c Oリング
BO 雄側接続棒部材
BO1 雄側接続棒部材(d1:φ25mm)
BO2 雄側接続棒部材(d2:φ28mm)
BO3 雄側接続棒部材(d3:φ32mm)
BO4 雄側接続棒部材(d4:φ38mm)
BO5 雄側接続棒部材(d5:φ42mm)
BO1' 雄側接続棒部材(d1':φ18mm)
BO2' 雄側接続棒部材(d2':φ22mm)
BO3' 雄側接続棒部材(d3':φ25mm)
BO4' 雄側接続棒部材(d4':φ28mm)
BO5' 雄側接続棒部材(d5':φ32mm)
BO' 雄側接続棒部材雄ネジ部
BM 雌側接続棒部材
BM' ソケット雌ネジ部
CO コンクリート舗装版
D1 大内径寸法
D2 小内径寸法
H 深さ寸法
IR インパクトレンチ等の回転伝達手段
IR' 先端結合部
S 装着治具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般道路、高速道路、飛行場の滑走路、駐機場等荷重の掛かるコンクリート舗装版(CO)の荷重伝達に使用する接続棒部材の装着治具であって、該装着治具(S)は先端側に設けた回転伝達部(1)と後端側に設けた連結部(2)をそれぞれ一体に形成して設け、且つ、該回転伝達部(1)は中心部を使用する雄側接続棒部材(BO)の大きさに適合する大・小の内径寸法(D1)・(D2)と深さ寸法(H)を有する円錐状穴(1b')をそれぞれ設けたウレタンゴム等の軟質部材(1b)を埋設して設け、且つ、該連結部(2)はインパクトレンチ等の回転伝達装置(IR)の先端結合部(IR')に適合する抜け出し防止用ピン(2b)付連結穴(2a)を設けたことを特徴とする接続棒部材装着治具。
【請求項2】
コンクリート舗装版(CO)に雄側接続棒部材(BO)を装着時は、既設のコンクリート舗装版に埋設された雌側接続棒部材(BM)のソケット雌ネジ部(BM')に雌側接続棒部材の雄ネジ部(BO')を人手により仮挿着後、インパクトレンチ等の回転伝達手段(IR)の先端結合部(IR')に挿着した接続棒部材装着治具(S)の回転伝達部円錐状穴(1b')を雄側接続棒部材後端部に嵌着し、且つ、回転伝達部(1)を回転させながら雄側接続棒部材を挿入して完全挿着することを特徴とする接続棒部材の装着方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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