接続部材、及び地盤改良方法
【課題】地表に露出したドレーン装置を集水管へ気密性を確保した状態で接続可能な接続部材を提供する。
【解決手段】透水性材料により形成され、軟弱地盤中に打設される透水性部材12と、不透水性材料により透水性部材12が挿通する中空部を有し、軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し打設される不透水性部材13とを備えるドレーン装置3と、集水管4とを接続する接続部材1において、一端にドレーン装置3の透水性部材12が挿入する挿入孔15が形成され、他端に集水管4に地下水を導く導水部16が形成され、一端側から他端側に向かって不透水性部材13の先端が外面に被着する本体17を有し、本体17は、一端側から他端側に向かって、不透水性部材13の開口径よりも拡径していくテーパ部20が形成されている。
【解決手段】透水性材料により形成され、軟弱地盤中に打設される透水性部材12と、不透水性材料により透水性部材12が挿通する中空部を有し、軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し打設される不透水性部材13とを備えるドレーン装置3と、集水管4とを接続する接続部材1において、一端にドレーン装置3の透水性部材12が挿入する挿入孔15が形成され、他端に集水管4に地下水を導く導水部16が形成され、一端側から他端側に向かって不透水性部材13の先端が外面に被着する本体17を有し、本体17は、一端側から他端側に向かって、不透水性部材13の開口径よりも拡径していくテーパ部20が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤中に含まれる水分等を排出し、軟弱地盤を改良するために用いられるドレーン装置とドレーン装置を用いてくみ上げた地下水を集める集水管とを接続する接続部材、及び、この接続部材を用いた地盤改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤中の水分や空気を排出することにより軟弱地盤を硬質地盤に改良する地盤改良工法のひとつとして、大気圧工法が知られている。この大気圧工法は、軟弱地盤中に鉛直ドレーン材を打設し、地表面を密封シートで覆い、シート内を減圧することによる圧力差(大気圧差)で加重を負荷する。そして、地盤中の水が鉛直ドレーン材を介して排水されることで地盤の圧密を促進する工法である。
【0003】
この大気圧工法は、地表面を気密性を確保しながら密封シートで覆う必要があり、作業効率及び経済性で課題があった。
【0004】
そこで、密封シートを用いない真空圧密による軟弱地盤改良工法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に示す真空圧密による軟弱地盤改良工法は、密封シートを用いる代わりに、上端に端部より一定長さ分だけ、内部は通水性を有し、周面からの通気を遮断させた不透気部が設けられたドレーン材を用いることについて記載されている。
【0005】
ところで、特許文献1に示すような工法は、地盤改良後、不透気部を有するドレーン材が地盤に残置される。特に、比較的深度の浅い地盤中の表層部に打設され残置される不透気部は、その後の土地造成に伴う掘削作業において、廃棄処分が必要などの理由により障害となっていた。また、このようなドレーン材は、使い捨てタイプとして用いられ、環境負荷が懸念される。
【0006】
そこで、近年では、軟弱地盤の改良方法として、ドレーン材の不透気部を地盤より所定深さに埋設するとともに、不透気部の上端を地表に突出させ、気密性を有する接続部材と地表に臨まされた不透気部の上端とを接続する工法が提案されている。かかる工法においては、接続部材が、集水管とも接続され、集水管内を真空ポンプによって減圧することにより、密封シートを用いることなく排水を促す。
【0007】
このように、ドレーン材は、上端に接続部材を取り付け、この接続部材を介して集水管と接続されている。接続部材は、一端に不透気部が設けられたドレーン材の上端が挿入可能な大きさの開口部を有し、ドレーン材の上端が挿入されると開口部をテープや接着剤等により封止することによりドレーン材と接続されている(図15参照)。
【0008】
また、接続部材は、他端にドレーン材が集水した地中の水分を集水管へ導水する導水部が設けられ、導水部が施工現場に設置された集水管に接続されることにより、ドレーン材が集水した地中の水分を集水管に導水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−226951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、地表に臨まされたドレーン材の上端と接続部材との接続は、ドレーン材の不透気部と接続部材の開口部とを接着剤によって接着した後、テープを不透気部と開口部との境界部分に巻回するなどの方法により行っていたが、当該接続箇所の密封が不十分なケースもあった。そして、ドレーン材と接続部材との接続箇所は地表に露出しているため、当該接続箇所が密封されないと、真空ポンプを作動させた場合にも、所定の圧力まで減圧できず、荷重不足となりうる。
【0011】
そこで、本発明は、ドレーン材と気密状態で接続可能な接続部材と、この接続部材を用いた軟弱地盤改良方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる接続部材は、透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置と、上記ドレーン装置によってくみ上げた地下水を集水する集水管とを接続する接続部材において、一端に上記ドレーン装置の透水性部材の先端が挿入する挿入孔が形成され、他端に上記挿入孔と連続すると共に上記集水管に地下水を導く導水部が形成され、上記一端側から上記他端側に向かって上記不透水性部材の先端が外面に被着する本体を有し、上記本体は、上記一端側から上記他端側に向かって、上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部が形成されているものである。
【0013】
また、本発明にかかる軟弱地盤改良方法は、透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置を、上記不透水性部材の先端を地表に突出させて軟弱地盤中に打設する工程と、上記ドレーン装置の上記透水性部材を接続部材の挿入孔へ挿入するとともに、上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程と、上記接続部材を集水管に接続する工程と、上記集水管内を減圧する工程とを備え、上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程では、上記不透水性部材を、上記接続部材の外面に形成され上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部に被せていくものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本体の一端側から他端側に向かって形成されているテーパ部は、不透水性部材の開口径よりも拡径していくため、不透水性部材が緊張され、より緊密に本体に被着させることができる。したがって、本発明は、ドレーン装置と接続部材とを気密状態で接続することができるため、真空ポンプによって減圧された状態を維持し、軟弱地盤中の水分を効率的に排水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる軟弱地盤改良方法について説明する断面図である。
【図2】本発明にかかる軟弱地盤改良方法について説明する平面図である。
【図3】ドレーン装置を示す斜視図である。
【図4】不透気部が形成されるドレーン装置を示す斜視図である。
【図5】ドレーン装置が接続される集水管を示す斜視図である。
【図6】接続部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図7】ドレーン装置と接続された接続部材を示す図である。
【図8】主面を膨出させた接続部材を示す斜視図である。
【図9】接着剤を塗布した接続部材を示す斜視図である。
【図10】ステイプラーでホースと接続された接続部材を示す平面図である。
【図11】粘着テープでホースと接続された接続部材を示す平面図である。
【図12】複数のドレーン装置が接続部材を介して1本に連結されている状態を示す図である。
【図13】実施例及び比較例を説明するための図である。
【図14】ドレーン装置の先端を円筒ソケットに接続した比較例を示す斜視図である。
【図15】ドレーン装置を、端面にドレーン装置と略同形状の挿入孔が形成された平板ソケットに接続した参考例を示す平面図である。
【図16】本発明にかかる他の接続部材を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は底面図である。
【図17】本発明にかかる他の接続部材の構成を分解して示す側面図である。
【図18】ジョイントピースにドレーン装置を接続した状態を示す平面図である。
【図19】ドレーン装置が接続されたジョイントピースとジョイントカバーとを接続した状態を示す平面図である。
【図20】ジョイントピースが嵌合されたジョイントカバーとジョイントボディとを接続する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が適用された接続部材及び、軟弱地盤改良方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用された軟弱地盤改良方法は、図1に示すように、軟弱地盤2の地中に含まれる水分を吸い上げることにより圧密沈下を促進し、改良するものであり、軟弱地盤中に打設されるドレーン装置3と、ドレーン装置3から集水された地中の水分を集水する集水管4と、ドレーン装置3と集水管4とを連結する接続部材1と、集水管4と連結され、ドレーン装置3内部を減圧する減圧手段となる真空ポンプ8とを備える。
【0017】
そして、この軟弱地盤改良方法は、図2に示すように、軟弱地盤2中に所定間隔でドレーン装置3を打設し、地表面に臨まされたドレーン装置3の先端と接続部材1とを連結するとともに接続部材1と集水管4とを接続する。接続部材1には導水部16が設けられ、導水部16が集水管4に接続される。各集水管4は大径の排水管6と接続され、排水管6と接続している真空ポンプ8によって、集水管4内及びドレーン装置3内部が減圧される。これにより、ドレーン装置3を介して地中の水分が吸い上げられ、集水管4及び排水管6を通り排出される。
【0018】
ドレーン装置3は、図3に示すように、軟弱地盤2中の水分が通水する透水性部材となるドレーン材12と、ドレーン材12の端部に設けられ不透水性部材となるホース13とを備える。ドレーン材12は、軟弱地盤2内の水分の通水路となる芯材10と、芯材10の周囲に設けられ軟弱地盤2内の水分が透過するフィルタ11とを有する。芯材10は、長尺体の両面に長手方向に亘る隔壁が幅方向に複数立設されることにより、長手方向に軟弱地盤2内の水分の通水路となる溝10aが複数形成されている。この芯材10は、運搬等の利便性を考慮してある程度の可撓性を有するとともに、軟弱地盤2への打設後においても十分な通水路を確保するための形状保持性を有する材料、例えばポリオレフィン、その他の樹脂材料を用いて形成される。また、芯材10は、例えば生分解性の樹脂材料で形成することにより、軟弱地盤2中に残置した場合にも環境負荷を低減させることができる。
【0019】
芯材10の周囲を覆うフィルタ11は、透水性を有する材料、例えばポリエステル製の不織布から形成されている。フィルタ11は、長尺状に形成されるとともに、芯材10の周囲に巻回され、熱溶着等によって接着されることにより芯材10の周囲を覆うようにしてもよい。
【0020】
また、ドレーン装置3は、ドレーン材12の地表から地下数十〜数百cmに至る先端部が、不透水性の材料によって形成されたホース13で覆われることにより、不透気部が形成されている。ホース13は、図4に示すように、ポリプロピレンや塩化ビニルなどの不透水性の材料を用いてドレーン装置3を覆うことができる大きさの環状体が形成され、ドレーン材12の先端部を挿通させる。なお、ホース13とドレーン材12の先端部とは、ホッチキスやテープ、接着剤、溶着等公知の手法で固定される。
【0021】
この軟弱地盤改良方法は、ドレーン装置3の地表から地下数十〜数百cmに至る箇所が不透水性材料によって覆われることにより、軟弱地盤2を密封するシートで覆うことなく、真空圧密による地盤改良工事を行うことができる。
【0022】
かかるドレーン装置3は、予め製造工場において、芯材10をフィルタ11及びホース13で所定間隔ごとに覆うことにより製造されるとともに、所定間隔毎に接続部材1が接続され、当該接続部材1を介して1本に連結された後、ロール状に巻回される。ドレーン装置3と接続部材1との接続については後に詳述する。その後、ロール状態で施工現場に搬入され、通常の鉛直ドレーン打設と同様の手順で、軟弱地盤2に所定間隔で打設される。
【0023】
このとき、ドレーン装置3は、接続部材1が接続された不透気部の先端側が、地表に突出されている。そして、接続部材1は、導水部16で集水管4に接続される。これにより、ドレーン装置3は、接続部材1を介して集水管4と連結され、真空ポンプ8により内部が減圧されることで、軟弱地盤2中の水分を吸引し、集水管4に流すことができる。
【0024】
ドレーン装置3から排出される水を集める集水管4は、軟弱地盤2上に所定間隔で設置される。集水管4は、外周部に後述する接続部材1の導水部16の先端が取り付けられる。一本の集水管4は、接続部材1を介して複数のドレーン装置3が連結され、各ドレーン装置3から排出された軟弱地盤2中の水分が集水される。また、複数の集水管4によって集められた水分は大径の排水管6を通じて軟弱地盤2外へ排水される。
【0025】
集水管4は、施行現場となる軟弱地盤2に搬入され、所定位置に設置されると、ドレーン装置3と接続された接続部材1が取り付けられる。接続部材1との取り付けは、図5に示すように、集水管4の外周部に形成され取付孔5aを備えた取付部5に、導水部16が挿通され、接着剤等により気密性を確保しつつ行う。
【0026】
また、集水管4は、排水管6と接続している真空ポンプ8等の減圧手段によって管内が減圧され、これによりドレーン装置3内に軟弱地盤2の地中にある水分を排出させる。
【0027】
次いで、ドレーン装置3と集水管4とを接続する接続部材1について説明する。接続部材1は、図6に示すように、一端にドレーン装置3のドレーン材12の先端が挿入する挿入孔15が形成され、他端に集水管4に接続されることによりドレーン装置3を通って排出された水を集水管4に導く導水部16とを有する本体17を備える。そして、接続部材1は、図7に示すように、本体17の挿入孔15にドレーン材12が挿入されるとともに、本体17の外面にホース13が被着することによりドレーン装置3と接続する。また、接続部材1は、導水部16が集水管4の取付部5に取り付けられることにより集水管4と接続する。
【0028】
本体17は、ポリオレフィン樹脂等を用いて成型されている。また、本体17は、略扁平形状をなし、一端面に形成された挿入孔15と他端面に形成された導水部16とが連続する中空状に形成されている。
【0029】
挿入孔15は、略矩形状に開口され、ドレーン材12の幅及び厚さと略同じ幅及び厚さを有する。導水部16は、集水管4の外周部に形成された取付部5の取付孔5a内に挿入可能な円筒形状を有する。
【0030】
また、ドレーン装置3の不透水性部材となるホース13が被着される本体17は、ホース13の挿入方向となる一端から他端にかけて、ホース13の開口径よりも拡径していくテーパ部20が形成されている。テーパ部20は、本体17の挿入孔15の幅方向の両側面17a,17bに形成されている。
【0031】
本体17は、テーパ部20が形成されることにより、両側面17a,17b間が、一端から他端にかけて漸次拡大していく。そして、本体17は、一端の外径はホース13の開口径よりも小さいが、他端側に向かって外径が拡径していき、ホース13の開口径よりも大きくなる。
【0032】
したがって、接続部材1は、本体17の外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部20によってホース13が緊張される。ホース13は、多少の伸縮性を備えているため、テーパ部20に沿って緊張するまで本体17に被せられることにより、本体17に密着する。
【0033】
これにより、接続部材1は、地表に臨まされたドレーン装置3の先端との接続箇所を密封することができ、真空ポンプ8による減圧時にも、当該接続箇所からの空気の流入を防止することができる。したがって、接続部材1を用いた工法においては、真空ポンプ8によって減圧した所定の気圧を維持することができ、効率的に軟弱地盤から排水を行うことができる。
【0034】
また、図8に示すように、接続部材1は、テーパ部20が形成された本体17の両側面17a,17bと隣接する両主面17c,17dが漸次膨出するように形成してもよい。すなわち、本体17は、一端面に臨む挿入孔15の長手方向に沿って両主面17c,17dがホース13の挿入方向に亘って形成されている。この両主面17c,17dは、平坦に形成する以外にも、挿入孔15の長手方向の中心位置を最厚部として挿入孔15の短手方向に膨出するように形成してもよい。
【0035】
両主面17c,17dを膨出させることにより、接続部材1は、ホース13を被せたときに、テーパ部20とともにホース13の開口全周に亘って緊張させさせることができ、よりホース13を本体17の外面に密着させることができる。これにより、接続部材1は、地表に臨まされたドレーン装置3の先端との接続箇所をより強固に密封することができ、当該接続箇所からの空気の流入を防止することができる。
【0036】
また、図9に示すように、接続部材1は、ホース13が被着される本体17の外面に予め接着剤23を塗布しておいてもよい。これにより、接続部材1は、ホース13をより本体17の外面に密着させて空気の流入を防止し気密性を向上させるとともに、ドレーン装置3の運搬や軟弱地盤2への打設時などにおいてドレーン装置3の抜け止めも図ることができる。
【0037】
なお、接続部材1は、図10に示すように、本体17にドレーン材12が挿入された後、ステイプラー24によって本体17とドレーン材12とを接続してもよい。これにより、接続部材1は、ドレーン装置3の打設時における接続部材1とドレーン材12との分離を防止することができる。
【0038】
また、接続部材1は、図11に示すように、本体17にホース13が被着された後、粘着テープ25で本体17とホース13との境界を封止してもよい。これによっても、接続部材1は、ホース13をより本体17の外面に密着させることができるとともに、ホース13の抜け止めも図ることができる。
【0039】
そして、接続部材1は、これら接着剤23の塗布、ステイプラー24による接続、粘着テープ25による封止を、適宜組み合わせて本体17とドレーン材12及びホース13とを密着させてもよい。これら接着剤23、ステイプラー24及び粘着テープ25を全て用いることで、接続部材1は、ホース13を本体17の外面に密着させてドレーン装置3との接続を気密性を確保しながら行うことができ、またドレーン装置3の打設時におけるドレーン装置3の抜け止めを図ることができる。
【0040】
次いで、接続部材1を用いた軟弱地盤改良工事について説明する。先ず、ドレーン装置3が、接続部材1と接続される。具体的に、接続部材1は、挿入孔15にドレーン材12が挿入されるとともに、ホース13が本体17の外面に被着される。このとき、接続部材1は、両側面17a,17bにテーパ部20が形成されているため、本体17の外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部20によってホース13が緊張される。したがって、接続部材1は、ホース13が、テーパ部20に沿って緊張するまで本体17に被せられることにより、本体17に密着する。なお、ドレーン装置3は、予め軟弱地盤2に打設する深さに相当する長さに切断されている。
【0041】
また、接続部材1は、本体17にドレーン材12を挿入した後にステイプラー24により接続し、その後本体17の外面に接着剤23を塗布し、さらにホース13との境界を跨いで粘着テープ25を本体17の外面に巻回することにより、ドレーン装置3の打設時の抜け止めを図り、かつドレーン装置3との接続箇所の気密性を確保することができる。
【0042】
ドレーン装置3は、不透気部となるホース13が設けられた先端に接続部材1が接続された後、ホース13が設けられていない後端部にも、接続部材1が接続される。このとき、ドレーン装置3は、後端部のドレーン材12が接続部材1の挿入孔15に挿入され、粘着テープ25をドレーン材12と接続部材1との境界を跨ぐように巻き付けるなどにより、ドレーン材12の抜け止めを図る。
【0043】
次いで、ドレーン装置3の後端に取り付けられた接続部材1の導水部16と、他のドレーン装置3の先端に接続された接続部材1の導水部16とを接続する。接続部材1の導水部16同士は、屈曲可能な連結具(図示せず)を介して接続される。そして、図12に示すように、ドレーン装置3は、先端に接続された接続部材1が、他のドレーン装置3の後端に接続された接続部材1と接続され、当該他のドレーン装置3は、先端に接続された接続部材1が、さらに他のドレーン装置3の後端に接続された接続部材1と接続される。このように、軟弱地盤への打設深さに応じた長さを備える複数のドレーン装置3が、1本に連結され、ロール状に巻回されて、打設現場まで搬送される。
【0044】
打設現場では、ドレーン装置3は、先端に接続されている接続部材1と連結具を介して接続された他の接続部材1が切り離されるとともに、後端に接続された接続部材1の手前でドレーン材12を切断し、当該後端に接続された接続部材1が切り離される。そして、ドレーン装置3は、打設機によって軟弱地盤2に所定間隔毎に鉛直に打設される。このように、ドレーン装置3は、予め接続部材1が先端に取り付けられるとともに、従来と同様に1本に連結されてロール状に巻回されているため、従来の工法をそのまま適用することができ、打設能力が低減することもない。
【0045】
打設後は、軟弱地盤2に形成した打設用の孔を必要に応じて埋め戻す。このとき、ドレーン装置3は、ホース13が設けられ不透気部となる先端側が地表から地下数十〜数百cmの深さに至る箇所に埋設されるとともに、接続部材1が接続された先端部が地表に突出され、集水管4の取付部5に取り付け可能とされている。
【0046】
その後、接続部材1の導水部16を集水管4の取付部5先端に開口されている取付孔5a内に挿入し、接着剤により接続する。更に、接続部材1は、導水部16の取付部5への挿入箇所を粘着テープで巻回してもよい。打設したドレーン装置3に接続されている接続部材1を全て集水管4に接続した後、複数の集水管4と接続されている排水管6に接続している真空ポンプ8を作動させ、所定の気圧まで減圧する。これにより、集水管4の管内が減圧され、ドレーン装置3内に軟弱地盤2の地中にある水分が排水される。
【0047】
所定期間をかけて軟弱地盤2中の水分を排水し、地盤改良を終えた後、地表に臨まされているドレーン装置3の先端部が切断されることにより、接続部材1は、回収され、洗浄後、再利用も可能である。
【実施例】
【0048】
次いで、ドレーン装置3に接続部材1を接続した実施例と、ドレーン装置3に他の接続部材を接続した比較例について説明する。この実施例及び比較例は、ドレーン材12全体に亘ってホース13を被せて不透水加工を施したドレーン装置3の先端を接続部材1(実施例)又は円筒ソケット50(比較例)に接続し、接続部材1及び円筒ソケット50を真空ポンプに接続した。図13に示すように、接続部材1及び円筒ソケット50と、真空ポンプPとは、圧力計52が接続されたセル53を介して接続される。また、セル53と真空ポンプPの間、セル53と接続部材1及び円筒ソケット50との間にはバルブが設けられている。真空ポンプを稼働させた後、接続部材1及び円筒ソケット50を水中に浸し、ドレーン材12や接続部材1又は円筒ソケット50内への水の流入の有無を確認するとともに、水中へ浸漬した後5分経過後の圧力変化を調べた。圧力計は負圧を計測するため、仮にドレーン材12や接続部材1又は円筒ソケット50内への水の流入があれば、例えば−0.09Mpa→−0.08Mpaのごとく、圧力計の値は大きくなる。
【0049】
実施例では、ドレーン材12を接続部材1の挿入孔15に挿入すると共に、ホース13を接続部材1の本体17の外周に被着させた。このとき、接続部材1の本体とホース13との接続は、本体17の外面に接着剤23を塗布すると共に、ホース13の被着後に、粘着テープ25で本体17とホース13との境界を巻回した(図7参照)。
【0050】
比較例は、図14に示すように、ドレーン材12全体に亘ってホース13を被せて不透水加工を施したドレーン装置3の先端を円筒ソケット50に接続した。具体的に、ドレーン装置3は、円筒ソケット50の中空内部にドレーン材12を挿入し、円筒ソケット50の外周面にホース13を被着させた。円筒ソケット50は、外周面が高さ方向に傾斜していないことから、一端から他端にかけてテーパ部が形成されていない接続部材である。また、この比較例では、円筒ソケット50とホース13との接続は、円筒ソケット50の外周面に接着剤23を塗布すると共に、ホース13を被着後に、粘着テープ25で円筒ソケット50とホース13との境界を巻回し、実施例1と接続部材の形状以外は同じ条件とした。
【0051】
なお、参考例として、図15に示すように、ドレーン材12全体に亘ってホース13を被せて不透水加工を施したドレーン装置3を、端面51aにドレーン装置3と略同形状の挿入孔が形成された平板ソケット51に接続し、この平板ソケット51を水中に沈めた状態で真空引きをして水の流入の有無を確認した。平板ソケット51は、端面51aにドレーン装置3と同径の挿入孔が形成され、他端51b側に挿入孔と連続する中空の円筒部が形成されている。この参考例では、ドレーン装置3のドレーン材12及びホース13を全て平板ソケット51の挿入孔に挿入し、粘着テープ25でホース13と挿入孔との境界を巻回することによりドレーン装置3と平板ソケット51とを接続した。なお、この参考例では、減圧後の圧力変化については測定しなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示すように、本実施例では、接続部材1やドレーン材12内への水の流入は見られなかった。また、本実施例では、真空ポンプの稼働後5分経過した時点でも圧力は変化せず(0.097Mpa)、圧力変化は見られなかった。
【0054】
一方、比較例では、円筒ソケット50やドレーン材12内への水の流入が見られた。また、比較例では、真空ポンプの稼働後5分経過した時点で圧力(負圧)は、0.085Mpa→0.080Mpaへと変化した。これは、負圧が減少したことを示し、ドレーン装置3との接続の緊密性には課題があることがわかる。
【0055】
すなわち、接続部材1を用いた本実施例においては、減圧下においても水の流入が防止され、ドレーン装置3と接続部材1とが緊密に接続されていることがわかる。一方、テーパ部を有しない円筒ソケット50を用いた比較例においては、減圧下において水の流入が見られ、ドレーン装置3と円筒ソケット50とが緊密には接続されていないことがわかる。したがって、テーパ部20を備えることにより、接続部材1は、ホース13がテーパ部20によって緊張されることにより、ドレーン装置3と緊密に接続可能となることがわかる。
【0056】
なお、参考例では、平板ソケット51内を真空引きすると、ドレーン装置3が内側に収縮し、ホース13が粘着テープ25から離間することにより、ホース13と粘着テープ25との間に隙間ができ、この隙間から水が流入した。これにより、ドレーン装置3は、ドレーン材12を接続部材内に挿入し、ホース13を接続部材の外面に被着させる構成の方が、緊密な接続を図る上で好ましいことが分かる。
【0057】
次いで、本発明が適用された他の接続部材について説明する。この接続部材30は、ドレーン装置3を軟弱地盤2中へ打設した後に、現場で地表に突出するドレーン装置3の先端部に取り付けるタイプのものである。接続部材30は、図16及び図17に示すように、ドレーン装置3のドレーン材12が挿入されるとともにホース13が被着されるジョイントピース31と、ジョイントピース31を挟持するジョイントカバー32及びジョイントボディ33とからなる。そして、接続部材30は、ジョイントピース31にドレーン装置3を装着した後、このジョイントピース31に一端側からジョイントカバー32を被せ、さらに他端側からジョイントボディ33を被せることによりドレーン装置3と気密性を維持しながら接続される。
【0058】
ジョイントピース31は、ナイロン(ガラス繊維入り)等を用いて成型され、図16(b)に示すように、ドレーン装置3と装着可能な略矩形の板状体をなす。ジョイントピース31は、一端側にドレーン材12が挿入する挿入孔35が形成されている。挿入孔35は、ジョイントピース31の一端面に略矩形状に開口され、他端面に臨まされている。すなわち、ジョイントピース31は、挿入孔35が一端面から他端面にかけて貫通する中空形状をなす。また、挿入孔35は、長手方向の幅及び短手方向の厚さがドレーン材12の幅及び厚さと略同じとされている。
【0059】
また、ジョイントピース31は、外面にドレーン装置3の不透水性部材となるホース13が被着される。そして、ジョイントピース31は、ホース13の挿入方向となる一端から他端にかけて、ホース13の開口径よりも拡径していくテーパ部36が形成されている。テーパ部36は、挿入孔35の長手方向に設けられたジョイントピース31の両側面31a,31bに形成されている。
【0060】
ジョイントピース31は、テーパ部36が形成されることにより、両側面31a,31b間が、一端から他端にかけて漸次離間していく。そして、ジョイントピース31は、一端の外径はホース13の開口径よりも小さいが、他端側に向かって外径が拡径していき、ホース13の開口径よりも大きくなる。
【0061】
したがって、接続部材30は、ジョイントピース31の外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部36によってホース13が緊張される。ホース13は、多少の伸縮性を備えているため、テーパ部36に沿って緊張するまでジョイントピース31に被せられることにより、ジョイントピース31に密着する。
【0062】
また、ジョイントピース31は、他端面にフランジ部34が形成されている。フランジ部34は、ジョイントカバー32に形成されている嵌合孔37の第1の係止段部39aに係止されるとともに、ジョイントボディ33との間でパッキン46を挟む。
【0063】
ジョイントピース31を挟持するジョイントカバー32及びジョイントボディ33は、ナイロン(ガラス繊維入り)等を用いて成型されている。これら、ジョイントカバー32及びジョイントボディ33は、突き合わせ結合されることにより、内部にジョイントピース31を密封するものである。
【0064】
ジョイントカバー32は、ジョイントピース31が内部に嵌合する嵌合孔37が形成され、嵌合孔37が一端面から他端面にかけて貫通する中空形状をなす。嵌合孔37は、ジョイントピース31の形状と略同形状を有し、ジョイントピース31が嵌合されることにより、ジョイントピース31に被着しているホース13をジョイントピース31の外面とともに挟持し、ホース13をジョイントピース31に対して気密に被着させる。
【0065】
また、嵌合孔37は、他端面側に、ジョイントピース31のフランジ部34が係止する第1の係止段部39aと、ジョイントボディ33の当接面部43及びパッキン46が係止する第2の係止段部39bが形成されている。
【0066】
また、ジョイントカバー32は、係止段部39が形成された他端面に、ジョイントボディ33と結合されるフランジ部40が形成されている。フランジ部40には、ジョイントボディ33と連結する連結ネジ47が挿通するネジ孔41が穿設されている。
【0067】
このジョイントカバー32と連結することによりジョイントピース31を気密に挟持するジョイントボディ33は、一端にジョイントピース31のフランジ部34と当接する当接面部43が形成され、他端に集水管4の取付部5が挿入する接続孔44が形成されている。ジョイントボディ33は、接続孔44が当接面部43が形成された一端面から他端面まで貫通する中空形状をなす。そしてジョイントボディ33は、ジョイントピース31と対向することにより、接続孔44がジョイントピース31の他端面に臨まされている挿入孔35と連続され、ドレーン材12によってくみ上げた地下水を集水管4へ排水する。
【0068】
また、ジョイントボディ33は、ジョイントカバー32のフランジ部40と対向する外側縁にフランジ部40に穿設されたネジ孔41と連続されるネジ孔45が穿設されている。
【0069】
このような接続部材30は、軟弱地盤2の地中に打設されたドレーン装置3の地表に露出している先端が、ジョイントカバー32の嵌合孔37に挿通される。このとき、ジョイントカバー32は、フランジ部40が形成された他端側をドレーン装置3の先端側に向けて挿通される。
【0070】
次いで、図18に示すように、ドレーン装置3の先端がジョイントピース31に装着される。具体的に、ジョイントピース31は、挿入孔35にドレーン材12が挿入されるとともに、ホース13が外面に被着される。このとき、ジョイントピース31は、両側面31a,31bにテーパ部36が形成されているため、外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部36によってホース13が緊張される。したがって、ジョイントピース31は、ホース13が、テーパ部36に沿って緊張するまで被せられることにより密着する。
【0071】
次いで、図19に示すように、ジョイントピース31を、先にドレーン装置3に挿通されているジョイントカバー32の嵌合孔37に嵌合させる。ジョイントカバー32は、ジョイントピース31のフランジ部34が嵌合孔37内の第1の係止段部39aに係止されるまで挿入されると、嵌合孔37の内壁と、ジョイントピース31のテーパ部36とによって、ホース13を挟持する。なお、ジョイントカバー32は、ジョイントピース31が嵌合される前に、予め係止段部39aに設けた溝(図示せず)にシーリング剤を塗布することにより、更に気密性を向上させてもよい。
【0072】
次いで、図20に示すように、ジョイントカバー32に、パッキン46を介してジョイントボディ33を接続する。ジョイントボディ33は、図16(a)に示すように、当接面部43がジョイントカバー32の嵌合孔37に形成された第2の係止段部39bに係止されるまで挿入されると、ジョイントカバー32のフランジ部40に当接し、ネジ孔45がフランジ部40に穿設されたネジ孔41と連続する。そして、ネジ孔45側から連結ネジ47を螺着し、ジョイントカバー32とジョイントボディ33とを接続する。これにより、パッキン46は、ジョイントボディ33の当接面部43と嵌合孔37の第2の係止段部39b及びジョイントピース31のフランジ部34との間に挟持される。
【0073】
ジョイントカバー32とジョイントボディ33とを接続することにより、接続部材30は、ジョイントピース31のテーパ部36とジョイントカバー32の嵌合孔37の内壁とによってホース13を確実に挟持し、より一層、ホース13をジョイントピース31の外面に密着させて、ホース13の抜け止めも図ることができる。また、接続部材30は、パッキン46を介してジョイントピース31とジョイントボディ33とを緊密に当接させ、また必要に応じてジョイントカバー32の係止段部39aの溝部にシーリング剤を塗布することで、ジョイントピース31の他端面から挿入孔35の内部に空気が流入することを防止することができる。
【0074】
これにより、接続部材30は、地表に臨まされたドレーン装置3の先端との接続箇所を密封することができ、真空ポンプ8による減圧時にも、当該接続箇所からの空気の流入を防止することができる。したがって、接続部材30を用いた工法においては、真空ポンプ8によって減圧した所定の圧力を維持することができ、所定期間内で効率的に軟弱地盤2から排水を行うことができる。
【0075】
また、接続部材30を用いた軟弱地盤改良工法では、打設現場においてドレーン装置3を軟弱地盤2中に打設した後、地表に露出しているドレーン装置3の不透水部に接続部材30を接続する。したがって、本工法によれば、所定の間隔でホース13により不透水部を形成した1本の長尺なドレーン装置3をロール状に巻回して打設現場まで搬入し、従来通りの施工が可能であり、工数も増加せず、作業能率を損なうこともない。
【0076】
ドレーン装置3の不透水部に接続部材30を接続した後、ジョイントボディ33の接続孔44と集水管4の取付部5とを気密に接続する。打設したドレーン装置3に接続されている接続部材30を全て集水管4に接続した後、複数の集水管4と接続されている排水管6と接続している真空ポンプ8によって減圧される(図2参照)。これにより、集水管4の管内が減圧され、ドレーン装置3内に軟弱地盤2の地中にある水分が排出される。
【0077】
所定期間をかけて軟弱地盤2中の水分を排出し、地盤改良を終えた後、地表に臨まされているドレーン装置3の先端部が切断されることにより、接続部材30は、回収され、洗浄後、再利用も可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 接続部材、2 軟弱地盤、3 ドレーン装置、4 集水管、5 取付部、8 真空ポンプ、10 芯材、11 フィルタ、12 ドレーン材、13 ホース、15 挿入孔、16 導水部、17 本体、20 テーパ部、23 接着剤、24 ステイプラー、25 粘着テープ、30 接続部材、31 ジョイントピース、32 ジョイントカバー、33 ジョイントボディ、34 フランジ部、35 挿入孔、テーパ部、37 嵌合孔、39 係止段部、40 フランジ部、41 ネジ孔、43 当接面部、44 接続孔、45 ネジ孔、46 パッキン
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤中に含まれる水分等を排出し、軟弱地盤を改良するために用いられるドレーン装置とドレーン装置を用いてくみ上げた地下水を集める集水管とを接続する接続部材、及び、この接続部材を用いた地盤改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤中の水分や空気を排出することにより軟弱地盤を硬質地盤に改良する地盤改良工法のひとつとして、大気圧工法が知られている。この大気圧工法は、軟弱地盤中に鉛直ドレーン材を打設し、地表面を密封シートで覆い、シート内を減圧することによる圧力差(大気圧差)で加重を負荷する。そして、地盤中の水が鉛直ドレーン材を介して排水されることで地盤の圧密を促進する工法である。
【0003】
この大気圧工法は、地表面を気密性を確保しながら密封シートで覆う必要があり、作業効率及び経済性で課題があった。
【0004】
そこで、密封シートを用いない真空圧密による軟弱地盤改良工法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に示す真空圧密による軟弱地盤改良工法は、密封シートを用いる代わりに、上端に端部より一定長さ分だけ、内部は通水性を有し、周面からの通気を遮断させた不透気部が設けられたドレーン材を用いることについて記載されている。
【0005】
ところで、特許文献1に示すような工法は、地盤改良後、不透気部を有するドレーン材が地盤に残置される。特に、比較的深度の浅い地盤中の表層部に打設され残置される不透気部は、その後の土地造成に伴う掘削作業において、廃棄処分が必要などの理由により障害となっていた。また、このようなドレーン材は、使い捨てタイプとして用いられ、環境負荷が懸念される。
【0006】
そこで、近年では、軟弱地盤の改良方法として、ドレーン材の不透気部を地盤より所定深さに埋設するとともに、不透気部の上端を地表に突出させ、気密性を有する接続部材と地表に臨まされた不透気部の上端とを接続する工法が提案されている。かかる工法においては、接続部材が、集水管とも接続され、集水管内を真空ポンプによって減圧することにより、密封シートを用いることなく排水を促す。
【0007】
このように、ドレーン材は、上端に接続部材を取り付け、この接続部材を介して集水管と接続されている。接続部材は、一端に不透気部が設けられたドレーン材の上端が挿入可能な大きさの開口部を有し、ドレーン材の上端が挿入されると開口部をテープや接着剤等により封止することによりドレーン材と接続されている(図15参照)。
【0008】
また、接続部材は、他端にドレーン材が集水した地中の水分を集水管へ導水する導水部が設けられ、導水部が施工現場に設置された集水管に接続されることにより、ドレーン材が集水した地中の水分を集水管に導水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−226951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、地表に臨まされたドレーン材の上端と接続部材との接続は、ドレーン材の不透気部と接続部材の開口部とを接着剤によって接着した後、テープを不透気部と開口部との境界部分に巻回するなどの方法により行っていたが、当該接続箇所の密封が不十分なケースもあった。そして、ドレーン材と接続部材との接続箇所は地表に露出しているため、当該接続箇所が密封されないと、真空ポンプを作動させた場合にも、所定の圧力まで減圧できず、荷重不足となりうる。
【0011】
そこで、本発明は、ドレーン材と気密状態で接続可能な接続部材と、この接続部材を用いた軟弱地盤改良方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる接続部材は、透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置と、上記ドレーン装置によってくみ上げた地下水を集水する集水管とを接続する接続部材において、一端に上記ドレーン装置の透水性部材の先端が挿入する挿入孔が形成され、他端に上記挿入孔と連続すると共に上記集水管に地下水を導く導水部が形成され、上記一端側から上記他端側に向かって上記不透水性部材の先端が外面に被着する本体を有し、上記本体は、上記一端側から上記他端側に向かって、上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部が形成されているものである。
【0013】
また、本発明にかかる軟弱地盤改良方法は、透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置を、上記不透水性部材の先端を地表に突出させて軟弱地盤中に打設する工程と、上記ドレーン装置の上記透水性部材を接続部材の挿入孔へ挿入するとともに、上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程と、上記接続部材を集水管に接続する工程と、上記集水管内を減圧する工程とを備え、上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程では、上記不透水性部材を、上記接続部材の外面に形成され上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部に被せていくものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本体の一端側から他端側に向かって形成されているテーパ部は、不透水性部材の開口径よりも拡径していくため、不透水性部材が緊張され、より緊密に本体に被着させることができる。したがって、本発明は、ドレーン装置と接続部材とを気密状態で接続することができるため、真空ポンプによって減圧された状態を維持し、軟弱地盤中の水分を効率的に排水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる軟弱地盤改良方法について説明する断面図である。
【図2】本発明にかかる軟弱地盤改良方法について説明する平面図である。
【図3】ドレーン装置を示す斜視図である。
【図4】不透気部が形成されるドレーン装置を示す斜視図である。
【図5】ドレーン装置が接続される集水管を示す斜視図である。
【図6】接続部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図7】ドレーン装置と接続された接続部材を示す図である。
【図8】主面を膨出させた接続部材を示す斜視図である。
【図9】接着剤を塗布した接続部材を示す斜視図である。
【図10】ステイプラーでホースと接続された接続部材を示す平面図である。
【図11】粘着テープでホースと接続された接続部材を示す平面図である。
【図12】複数のドレーン装置が接続部材を介して1本に連結されている状態を示す図である。
【図13】実施例及び比較例を説明するための図である。
【図14】ドレーン装置の先端を円筒ソケットに接続した比較例を示す斜視図である。
【図15】ドレーン装置を、端面にドレーン装置と略同形状の挿入孔が形成された平板ソケットに接続した参考例を示す平面図である。
【図16】本発明にかかる他の接続部材を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は底面図である。
【図17】本発明にかかる他の接続部材の構成を分解して示す側面図である。
【図18】ジョイントピースにドレーン装置を接続した状態を示す平面図である。
【図19】ドレーン装置が接続されたジョイントピースとジョイントカバーとを接続した状態を示す平面図である。
【図20】ジョイントピースが嵌合されたジョイントカバーとジョイントボディとを接続する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が適用された接続部材及び、軟弱地盤改良方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用された軟弱地盤改良方法は、図1に示すように、軟弱地盤2の地中に含まれる水分を吸い上げることにより圧密沈下を促進し、改良するものであり、軟弱地盤中に打設されるドレーン装置3と、ドレーン装置3から集水された地中の水分を集水する集水管4と、ドレーン装置3と集水管4とを連結する接続部材1と、集水管4と連結され、ドレーン装置3内部を減圧する減圧手段となる真空ポンプ8とを備える。
【0017】
そして、この軟弱地盤改良方法は、図2に示すように、軟弱地盤2中に所定間隔でドレーン装置3を打設し、地表面に臨まされたドレーン装置3の先端と接続部材1とを連結するとともに接続部材1と集水管4とを接続する。接続部材1には導水部16が設けられ、導水部16が集水管4に接続される。各集水管4は大径の排水管6と接続され、排水管6と接続している真空ポンプ8によって、集水管4内及びドレーン装置3内部が減圧される。これにより、ドレーン装置3を介して地中の水分が吸い上げられ、集水管4及び排水管6を通り排出される。
【0018】
ドレーン装置3は、図3に示すように、軟弱地盤2中の水分が通水する透水性部材となるドレーン材12と、ドレーン材12の端部に設けられ不透水性部材となるホース13とを備える。ドレーン材12は、軟弱地盤2内の水分の通水路となる芯材10と、芯材10の周囲に設けられ軟弱地盤2内の水分が透過するフィルタ11とを有する。芯材10は、長尺体の両面に長手方向に亘る隔壁が幅方向に複数立設されることにより、長手方向に軟弱地盤2内の水分の通水路となる溝10aが複数形成されている。この芯材10は、運搬等の利便性を考慮してある程度の可撓性を有するとともに、軟弱地盤2への打設後においても十分な通水路を確保するための形状保持性を有する材料、例えばポリオレフィン、その他の樹脂材料を用いて形成される。また、芯材10は、例えば生分解性の樹脂材料で形成することにより、軟弱地盤2中に残置した場合にも環境負荷を低減させることができる。
【0019】
芯材10の周囲を覆うフィルタ11は、透水性を有する材料、例えばポリエステル製の不織布から形成されている。フィルタ11は、長尺状に形成されるとともに、芯材10の周囲に巻回され、熱溶着等によって接着されることにより芯材10の周囲を覆うようにしてもよい。
【0020】
また、ドレーン装置3は、ドレーン材12の地表から地下数十〜数百cmに至る先端部が、不透水性の材料によって形成されたホース13で覆われることにより、不透気部が形成されている。ホース13は、図4に示すように、ポリプロピレンや塩化ビニルなどの不透水性の材料を用いてドレーン装置3を覆うことができる大きさの環状体が形成され、ドレーン材12の先端部を挿通させる。なお、ホース13とドレーン材12の先端部とは、ホッチキスやテープ、接着剤、溶着等公知の手法で固定される。
【0021】
この軟弱地盤改良方法は、ドレーン装置3の地表から地下数十〜数百cmに至る箇所が不透水性材料によって覆われることにより、軟弱地盤2を密封するシートで覆うことなく、真空圧密による地盤改良工事を行うことができる。
【0022】
かかるドレーン装置3は、予め製造工場において、芯材10をフィルタ11及びホース13で所定間隔ごとに覆うことにより製造されるとともに、所定間隔毎に接続部材1が接続され、当該接続部材1を介して1本に連結された後、ロール状に巻回される。ドレーン装置3と接続部材1との接続については後に詳述する。その後、ロール状態で施工現場に搬入され、通常の鉛直ドレーン打設と同様の手順で、軟弱地盤2に所定間隔で打設される。
【0023】
このとき、ドレーン装置3は、接続部材1が接続された不透気部の先端側が、地表に突出されている。そして、接続部材1は、導水部16で集水管4に接続される。これにより、ドレーン装置3は、接続部材1を介して集水管4と連結され、真空ポンプ8により内部が減圧されることで、軟弱地盤2中の水分を吸引し、集水管4に流すことができる。
【0024】
ドレーン装置3から排出される水を集める集水管4は、軟弱地盤2上に所定間隔で設置される。集水管4は、外周部に後述する接続部材1の導水部16の先端が取り付けられる。一本の集水管4は、接続部材1を介して複数のドレーン装置3が連結され、各ドレーン装置3から排出された軟弱地盤2中の水分が集水される。また、複数の集水管4によって集められた水分は大径の排水管6を通じて軟弱地盤2外へ排水される。
【0025】
集水管4は、施行現場となる軟弱地盤2に搬入され、所定位置に設置されると、ドレーン装置3と接続された接続部材1が取り付けられる。接続部材1との取り付けは、図5に示すように、集水管4の外周部に形成され取付孔5aを備えた取付部5に、導水部16が挿通され、接着剤等により気密性を確保しつつ行う。
【0026】
また、集水管4は、排水管6と接続している真空ポンプ8等の減圧手段によって管内が減圧され、これによりドレーン装置3内に軟弱地盤2の地中にある水分を排出させる。
【0027】
次いで、ドレーン装置3と集水管4とを接続する接続部材1について説明する。接続部材1は、図6に示すように、一端にドレーン装置3のドレーン材12の先端が挿入する挿入孔15が形成され、他端に集水管4に接続されることによりドレーン装置3を通って排出された水を集水管4に導く導水部16とを有する本体17を備える。そして、接続部材1は、図7に示すように、本体17の挿入孔15にドレーン材12が挿入されるとともに、本体17の外面にホース13が被着することによりドレーン装置3と接続する。また、接続部材1は、導水部16が集水管4の取付部5に取り付けられることにより集水管4と接続する。
【0028】
本体17は、ポリオレフィン樹脂等を用いて成型されている。また、本体17は、略扁平形状をなし、一端面に形成された挿入孔15と他端面に形成された導水部16とが連続する中空状に形成されている。
【0029】
挿入孔15は、略矩形状に開口され、ドレーン材12の幅及び厚さと略同じ幅及び厚さを有する。導水部16は、集水管4の外周部に形成された取付部5の取付孔5a内に挿入可能な円筒形状を有する。
【0030】
また、ドレーン装置3の不透水性部材となるホース13が被着される本体17は、ホース13の挿入方向となる一端から他端にかけて、ホース13の開口径よりも拡径していくテーパ部20が形成されている。テーパ部20は、本体17の挿入孔15の幅方向の両側面17a,17bに形成されている。
【0031】
本体17は、テーパ部20が形成されることにより、両側面17a,17b間が、一端から他端にかけて漸次拡大していく。そして、本体17は、一端の外径はホース13の開口径よりも小さいが、他端側に向かって外径が拡径していき、ホース13の開口径よりも大きくなる。
【0032】
したがって、接続部材1は、本体17の外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部20によってホース13が緊張される。ホース13は、多少の伸縮性を備えているため、テーパ部20に沿って緊張するまで本体17に被せられることにより、本体17に密着する。
【0033】
これにより、接続部材1は、地表に臨まされたドレーン装置3の先端との接続箇所を密封することができ、真空ポンプ8による減圧時にも、当該接続箇所からの空気の流入を防止することができる。したがって、接続部材1を用いた工法においては、真空ポンプ8によって減圧した所定の気圧を維持することができ、効率的に軟弱地盤から排水を行うことができる。
【0034】
また、図8に示すように、接続部材1は、テーパ部20が形成された本体17の両側面17a,17bと隣接する両主面17c,17dが漸次膨出するように形成してもよい。すなわち、本体17は、一端面に臨む挿入孔15の長手方向に沿って両主面17c,17dがホース13の挿入方向に亘って形成されている。この両主面17c,17dは、平坦に形成する以外にも、挿入孔15の長手方向の中心位置を最厚部として挿入孔15の短手方向に膨出するように形成してもよい。
【0035】
両主面17c,17dを膨出させることにより、接続部材1は、ホース13を被せたときに、テーパ部20とともにホース13の開口全周に亘って緊張させさせることができ、よりホース13を本体17の外面に密着させることができる。これにより、接続部材1は、地表に臨まされたドレーン装置3の先端との接続箇所をより強固に密封することができ、当該接続箇所からの空気の流入を防止することができる。
【0036】
また、図9に示すように、接続部材1は、ホース13が被着される本体17の外面に予め接着剤23を塗布しておいてもよい。これにより、接続部材1は、ホース13をより本体17の外面に密着させて空気の流入を防止し気密性を向上させるとともに、ドレーン装置3の運搬や軟弱地盤2への打設時などにおいてドレーン装置3の抜け止めも図ることができる。
【0037】
なお、接続部材1は、図10に示すように、本体17にドレーン材12が挿入された後、ステイプラー24によって本体17とドレーン材12とを接続してもよい。これにより、接続部材1は、ドレーン装置3の打設時における接続部材1とドレーン材12との分離を防止することができる。
【0038】
また、接続部材1は、図11に示すように、本体17にホース13が被着された後、粘着テープ25で本体17とホース13との境界を封止してもよい。これによっても、接続部材1は、ホース13をより本体17の外面に密着させることができるとともに、ホース13の抜け止めも図ることができる。
【0039】
そして、接続部材1は、これら接着剤23の塗布、ステイプラー24による接続、粘着テープ25による封止を、適宜組み合わせて本体17とドレーン材12及びホース13とを密着させてもよい。これら接着剤23、ステイプラー24及び粘着テープ25を全て用いることで、接続部材1は、ホース13を本体17の外面に密着させてドレーン装置3との接続を気密性を確保しながら行うことができ、またドレーン装置3の打設時におけるドレーン装置3の抜け止めを図ることができる。
【0040】
次いで、接続部材1を用いた軟弱地盤改良工事について説明する。先ず、ドレーン装置3が、接続部材1と接続される。具体的に、接続部材1は、挿入孔15にドレーン材12が挿入されるとともに、ホース13が本体17の外面に被着される。このとき、接続部材1は、両側面17a,17bにテーパ部20が形成されているため、本体17の外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部20によってホース13が緊張される。したがって、接続部材1は、ホース13が、テーパ部20に沿って緊張するまで本体17に被せられることにより、本体17に密着する。なお、ドレーン装置3は、予め軟弱地盤2に打設する深さに相当する長さに切断されている。
【0041】
また、接続部材1は、本体17にドレーン材12を挿入した後にステイプラー24により接続し、その後本体17の外面に接着剤23を塗布し、さらにホース13との境界を跨いで粘着テープ25を本体17の外面に巻回することにより、ドレーン装置3の打設時の抜け止めを図り、かつドレーン装置3との接続箇所の気密性を確保することができる。
【0042】
ドレーン装置3は、不透気部となるホース13が設けられた先端に接続部材1が接続された後、ホース13が設けられていない後端部にも、接続部材1が接続される。このとき、ドレーン装置3は、後端部のドレーン材12が接続部材1の挿入孔15に挿入され、粘着テープ25をドレーン材12と接続部材1との境界を跨ぐように巻き付けるなどにより、ドレーン材12の抜け止めを図る。
【0043】
次いで、ドレーン装置3の後端に取り付けられた接続部材1の導水部16と、他のドレーン装置3の先端に接続された接続部材1の導水部16とを接続する。接続部材1の導水部16同士は、屈曲可能な連結具(図示せず)を介して接続される。そして、図12に示すように、ドレーン装置3は、先端に接続された接続部材1が、他のドレーン装置3の後端に接続された接続部材1と接続され、当該他のドレーン装置3は、先端に接続された接続部材1が、さらに他のドレーン装置3の後端に接続された接続部材1と接続される。このように、軟弱地盤への打設深さに応じた長さを備える複数のドレーン装置3が、1本に連結され、ロール状に巻回されて、打設現場まで搬送される。
【0044】
打設現場では、ドレーン装置3は、先端に接続されている接続部材1と連結具を介して接続された他の接続部材1が切り離されるとともに、後端に接続された接続部材1の手前でドレーン材12を切断し、当該後端に接続された接続部材1が切り離される。そして、ドレーン装置3は、打設機によって軟弱地盤2に所定間隔毎に鉛直に打設される。このように、ドレーン装置3は、予め接続部材1が先端に取り付けられるとともに、従来と同様に1本に連結されてロール状に巻回されているため、従来の工法をそのまま適用することができ、打設能力が低減することもない。
【0045】
打設後は、軟弱地盤2に形成した打設用の孔を必要に応じて埋め戻す。このとき、ドレーン装置3は、ホース13が設けられ不透気部となる先端側が地表から地下数十〜数百cmの深さに至る箇所に埋設されるとともに、接続部材1が接続された先端部が地表に突出され、集水管4の取付部5に取り付け可能とされている。
【0046】
その後、接続部材1の導水部16を集水管4の取付部5先端に開口されている取付孔5a内に挿入し、接着剤により接続する。更に、接続部材1は、導水部16の取付部5への挿入箇所を粘着テープで巻回してもよい。打設したドレーン装置3に接続されている接続部材1を全て集水管4に接続した後、複数の集水管4と接続されている排水管6に接続している真空ポンプ8を作動させ、所定の気圧まで減圧する。これにより、集水管4の管内が減圧され、ドレーン装置3内に軟弱地盤2の地中にある水分が排水される。
【0047】
所定期間をかけて軟弱地盤2中の水分を排水し、地盤改良を終えた後、地表に臨まされているドレーン装置3の先端部が切断されることにより、接続部材1は、回収され、洗浄後、再利用も可能である。
【実施例】
【0048】
次いで、ドレーン装置3に接続部材1を接続した実施例と、ドレーン装置3に他の接続部材を接続した比較例について説明する。この実施例及び比較例は、ドレーン材12全体に亘ってホース13を被せて不透水加工を施したドレーン装置3の先端を接続部材1(実施例)又は円筒ソケット50(比較例)に接続し、接続部材1及び円筒ソケット50を真空ポンプに接続した。図13に示すように、接続部材1及び円筒ソケット50と、真空ポンプPとは、圧力計52が接続されたセル53を介して接続される。また、セル53と真空ポンプPの間、セル53と接続部材1及び円筒ソケット50との間にはバルブが設けられている。真空ポンプを稼働させた後、接続部材1及び円筒ソケット50を水中に浸し、ドレーン材12や接続部材1又は円筒ソケット50内への水の流入の有無を確認するとともに、水中へ浸漬した後5分経過後の圧力変化を調べた。圧力計は負圧を計測するため、仮にドレーン材12や接続部材1又は円筒ソケット50内への水の流入があれば、例えば−0.09Mpa→−0.08Mpaのごとく、圧力計の値は大きくなる。
【0049】
実施例では、ドレーン材12を接続部材1の挿入孔15に挿入すると共に、ホース13を接続部材1の本体17の外周に被着させた。このとき、接続部材1の本体とホース13との接続は、本体17の外面に接着剤23を塗布すると共に、ホース13の被着後に、粘着テープ25で本体17とホース13との境界を巻回した(図7参照)。
【0050】
比較例は、図14に示すように、ドレーン材12全体に亘ってホース13を被せて不透水加工を施したドレーン装置3の先端を円筒ソケット50に接続した。具体的に、ドレーン装置3は、円筒ソケット50の中空内部にドレーン材12を挿入し、円筒ソケット50の外周面にホース13を被着させた。円筒ソケット50は、外周面が高さ方向に傾斜していないことから、一端から他端にかけてテーパ部が形成されていない接続部材である。また、この比較例では、円筒ソケット50とホース13との接続は、円筒ソケット50の外周面に接着剤23を塗布すると共に、ホース13を被着後に、粘着テープ25で円筒ソケット50とホース13との境界を巻回し、実施例1と接続部材の形状以外は同じ条件とした。
【0051】
なお、参考例として、図15に示すように、ドレーン材12全体に亘ってホース13を被せて不透水加工を施したドレーン装置3を、端面51aにドレーン装置3と略同形状の挿入孔が形成された平板ソケット51に接続し、この平板ソケット51を水中に沈めた状態で真空引きをして水の流入の有無を確認した。平板ソケット51は、端面51aにドレーン装置3と同径の挿入孔が形成され、他端51b側に挿入孔と連続する中空の円筒部が形成されている。この参考例では、ドレーン装置3のドレーン材12及びホース13を全て平板ソケット51の挿入孔に挿入し、粘着テープ25でホース13と挿入孔との境界を巻回することによりドレーン装置3と平板ソケット51とを接続した。なお、この参考例では、減圧後の圧力変化については測定しなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示すように、本実施例では、接続部材1やドレーン材12内への水の流入は見られなかった。また、本実施例では、真空ポンプの稼働後5分経過した時点でも圧力は変化せず(0.097Mpa)、圧力変化は見られなかった。
【0054】
一方、比較例では、円筒ソケット50やドレーン材12内への水の流入が見られた。また、比較例では、真空ポンプの稼働後5分経過した時点で圧力(負圧)は、0.085Mpa→0.080Mpaへと変化した。これは、負圧が減少したことを示し、ドレーン装置3との接続の緊密性には課題があることがわかる。
【0055】
すなわち、接続部材1を用いた本実施例においては、減圧下においても水の流入が防止され、ドレーン装置3と接続部材1とが緊密に接続されていることがわかる。一方、テーパ部を有しない円筒ソケット50を用いた比較例においては、減圧下において水の流入が見られ、ドレーン装置3と円筒ソケット50とが緊密には接続されていないことがわかる。したがって、テーパ部20を備えることにより、接続部材1は、ホース13がテーパ部20によって緊張されることにより、ドレーン装置3と緊密に接続可能となることがわかる。
【0056】
なお、参考例では、平板ソケット51内を真空引きすると、ドレーン装置3が内側に収縮し、ホース13が粘着テープ25から離間することにより、ホース13と粘着テープ25との間に隙間ができ、この隙間から水が流入した。これにより、ドレーン装置3は、ドレーン材12を接続部材内に挿入し、ホース13を接続部材の外面に被着させる構成の方が、緊密な接続を図る上で好ましいことが分かる。
【0057】
次いで、本発明が適用された他の接続部材について説明する。この接続部材30は、ドレーン装置3を軟弱地盤2中へ打設した後に、現場で地表に突出するドレーン装置3の先端部に取り付けるタイプのものである。接続部材30は、図16及び図17に示すように、ドレーン装置3のドレーン材12が挿入されるとともにホース13が被着されるジョイントピース31と、ジョイントピース31を挟持するジョイントカバー32及びジョイントボディ33とからなる。そして、接続部材30は、ジョイントピース31にドレーン装置3を装着した後、このジョイントピース31に一端側からジョイントカバー32を被せ、さらに他端側からジョイントボディ33を被せることによりドレーン装置3と気密性を維持しながら接続される。
【0058】
ジョイントピース31は、ナイロン(ガラス繊維入り)等を用いて成型され、図16(b)に示すように、ドレーン装置3と装着可能な略矩形の板状体をなす。ジョイントピース31は、一端側にドレーン材12が挿入する挿入孔35が形成されている。挿入孔35は、ジョイントピース31の一端面に略矩形状に開口され、他端面に臨まされている。すなわち、ジョイントピース31は、挿入孔35が一端面から他端面にかけて貫通する中空形状をなす。また、挿入孔35は、長手方向の幅及び短手方向の厚さがドレーン材12の幅及び厚さと略同じとされている。
【0059】
また、ジョイントピース31は、外面にドレーン装置3の不透水性部材となるホース13が被着される。そして、ジョイントピース31は、ホース13の挿入方向となる一端から他端にかけて、ホース13の開口径よりも拡径していくテーパ部36が形成されている。テーパ部36は、挿入孔35の長手方向に設けられたジョイントピース31の両側面31a,31bに形成されている。
【0060】
ジョイントピース31は、テーパ部36が形成されることにより、両側面31a,31b間が、一端から他端にかけて漸次離間していく。そして、ジョイントピース31は、一端の外径はホース13の開口径よりも小さいが、他端側に向かって外径が拡径していき、ホース13の開口径よりも大きくなる。
【0061】
したがって、接続部材30は、ジョイントピース31の外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部36によってホース13が緊張される。ホース13は、多少の伸縮性を備えているため、テーパ部36に沿って緊張するまでジョイントピース31に被せられることにより、ジョイントピース31に密着する。
【0062】
また、ジョイントピース31は、他端面にフランジ部34が形成されている。フランジ部34は、ジョイントカバー32に形成されている嵌合孔37の第1の係止段部39aに係止されるとともに、ジョイントボディ33との間でパッキン46を挟む。
【0063】
ジョイントピース31を挟持するジョイントカバー32及びジョイントボディ33は、ナイロン(ガラス繊維入り)等を用いて成型されている。これら、ジョイントカバー32及びジョイントボディ33は、突き合わせ結合されることにより、内部にジョイントピース31を密封するものである。
【0064】
ジョイントカバー32は、ジョイントピース31が内部に嵌合する嵌合孔37が形成され、嵌合孔37が一端面から他端面にかけて貫通する中空形状をなす。嵌合孔37は、ジョイントピース31の形状と略同形状を有し、ジョイントピース31が嵌合されることにより、ジョイントピース31に被着しているホース13をジョイントピース31の外面とともに挟持し、ホース13をジョイントピース31に対して気密に被着させる。
【0065】
また、嵌合孔37は、他端面側に、ジョイントピース31のフランジ部34が係止する第1の係止段部39aと、ジョイントボディ33の当接面部43及びパッキン46が係止する第2の係止段部39bが形成されている。
【0066】
また、ジョイントカバー32は、係止段部39が形成された他端面に、ジョイントボディ33と結合されるフランジ部40が形成されている。フランジ部40には、ジョイントボディ33と連結する連結ネジ47が挿通するネジ孔41が穿設されている。
【0067】
このジョイントカバー32と連結することによりジョイントピース31を気密に挟持するジョイントボディ33は、一端にジョイントピース31のフランジ部34と当接する当接面部43が形成され、他端に集水管4の取付部5が挿入する接続孔44が形成されている。ジョイントボディ33は、接続孔44が当接面部43が形成された一端面から他端面まで貫通する中空形状をなす。そしてジョイントボディ33は、ジョイントピース31と対向することにより、接続孔44がジョイントピース31の他端面に臨まされている挿入孔35と連続され、ドレーン材12によってくみ上げた地下水を集水管4へ排水する。
【0068】
また、ジョイントボディ33は、ジョイントカバー32のフランジ部40と対向する外側縁にフランジ部40に穿設されたネジ孔41と連続されるネジ孔45が穿設されている。
【0069】
このような接続部材30は、軟弱地盤2の地中に打設されたドレーン装置3の地表に露出している先端が、ジョイントカバー32の嵌合孔37に挿通される。このとき、ジョイントカバー32は、フランジ部40が形成された他端側をドレーン装置3の先端側に向けて挿通される。
【0070】
次いで、図18に示すように、ドレーン装置3の先端がジョイントピース31に装着される。具体的に、ジョイントピース31は、挿入孔35にドレーン材12が挿入されるとともに、ホース13が外面に被着される。このとき、ジョイントピース31は、両側面31a,31bにテーパ部36が形成されているため、外面に一端側からホース13を被せていくと、テーパ部36によってホース13が緊張される。したがって、ジョイントピース31は、ホース13が、テーパ部36に沿って緊張するまで被せられることにより密着する。
【0071】
次いで、図19に示すように、ジョイントピース31を、先にドレーン装置3に挿通されているジョイントカバー32の嵌合孔37に嵌合させる。ジョイントカバー32は、ジョイントピース31のフランジ部34が嵌合孔37内の第1の係止段部39aに係止されるまで挿入されると、嵌合孔37の内壁と、ジョイントピース31のテーパ部36とによって、ホース13を挟持する。なお、ジョイントカバー32は、ジョイントピース31が嵌合される前に、予め係止段部39aに設けた溝(図示せず)にシーリング剤を塗布することにより、更に気密性を向上させてもよい。
【0072】
次いで、図20に示すように、ジョイントカバー32に、パッキン46を介してジョイントボディ33を接続する。ジョイントボディ33は、図16(a)に示すように、当接面部43がジョイントカバー32の嵌合孔37に形成された第2の係止段部39bに係止されるまで挿入されると、ジョイントカバー32のフランジ部40に当接し、ネジ孔45がフランジ部40に穿設されたネジ孔41と連続する。そして、ネジ孔45側から連結ネジ47を螺着し、ジョイントカバー32とジョイントボディ33とを接続する。これにより、パッキン46は、ジョイントボディ33の当接面部43と嵌合孔37の第2の係止段部39b及びジョイントピース31のフランジ部34との間に挟持される。
【0073】
ジョイントカバー32とジョイントボディ33とを接続することにより、接続部材30は、ジョイントピース31のテーパ部36とジョイントカバー32の嵌合孔37の内壁とによってホース13を確実に挟持し、より一層、ホース13をジョイントピース31の外面に密着させて、ホース13の抜け止めも図ることができる。また、接続部材30は、パッキン46を介してジョイントピース31とジョイントボディ33とを緊密に当接させ、また必要に応じてジョイントカバー32の係止段部39aの溝部にシーリング剤を塗布することで、ジョイントピース31の他端面から挿入孔35の内部に空気が流入することを防止することができる。
【0074】
これにより、接続部材30は、地表に臨まされたドレーン装置3の先端との接続箇所を密封することができ、真空ポンプ8による減圧時にも、当該接続箇所からの空気の流入を防止することができる。したがって、接続部材30を用いた工法においては、真空ポンプ8によって減圧した所定の圧力を維持することができ、所定期間内で効率的に軟弱地盤2から排水を行うことができる。
【0075】
また、接続部材30を用いた軟弱地盤改良工法では、打設現場においてドレーン装置3を軟弱地盤2中に打設した後、地表に露出しているドレーン装置3の不透水部に接続部材30を接続する。したがって、本工法によれば、所定の間隔でホース13により不透水部を形成した1本の長尺なドレーン装置3をロール状に巻回して打設現場まで搬入し、従来通りの施工が可能であり、工数も増加せず、作業能率を損なうこともない。
【0076】
ドレーン装置3の不透水部に接続部材30を接続した後、ジョイントボディ33の接続孔44と集水管4の取付部5とを気密に接続する。打設したドレーン装置3に接続されている接続部材30を全て集水管4に接続した後、複数の集水管4と接続されている排水管6と接続している真空ポンプ8によって減圧される(図2参照)。これにより、集水管4の管内が減圧され、ドレーン装置3内に軟弱地盤2の地中にある水分が排出される。
【0077】
所定期間をかけて軟弱地盤2中の水分を排出し、地盤改良を終えた後、地表に臨まされているドレーン装置3の先端部が切断されることにより、接続部材30は、回収され、洗浄後、再利用も可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 接続部材、2 軟弱地盤、3 ドレーン装置、4 集水管、5 取付部、8 真空ポンプ、10 芯材、11 フィルタ、12 ドレーン材、13 ホース、15 挿入孔、16 導水部、17 本体、20 テーパ部、23 接着剤、24 ステイプラー、25 粘着テープ、30 接続部材、31 ジョイントピース、32 ジョイントカバー、33 ジョイントボディ、34 フランジ部、35 挿入孔、テーパ部、37 嵌合孔、39 係止段部、40 フランジ部、41 ネジ孔、43 当接面部、44 接続孔、45 ネジ孔、46 パッキン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置と、上記ドレーン装置によってくみ上げた地下水を集水する集水管とを接続する接続部材において、
一端に上記ドレーン装置の上記透水性部材の先端が挿入する挿入孔が形成され、他端に上記挿入孔と連続すると共に上記集水管に地下水を導く導水部が形成され、上記一端側から上記他端側に向かって上記不透水性部材の先端が外面に被着する本体を有し、
上記本体は、上記一端側から上記他端側に向かって、上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部が形成されている接続部材。
【請求項2】
上記本体は、扁平形状をなし、一端面に略矩形状の上記挿入孔が臨まされ、他端面に上記導水部が形成され、上記挿入孔の長手方向に設けられた両側面に上記テーパ部が形成されている請求項1記載の接続部材。
【請求項3】
上記本体は、上記テーパ部が形成された上記両側面と隣接する両主面が、上記長手方向の中心位置を最厚部として上記挿入孔の短手方向に膨出されている請求項2記載の接続部材。
【請求項4】
上記本体は、上記不透水性部材が被着される一端側の外面に接着剤が塗布されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の接続部材。
【請求項5】
上記本体は、上記透水性部材が挿入された後、ステイプラーによって上記透水性部材と上記本体とを接続する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の接続部材。
【請求項6】
上記本体は、上記不透水性材料が被着された後、粘着テープで上記不透水性材料との境界を封止される請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の接続部材。
【請求項7】
透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置を、上記不透水性部材の先端を地表に突出させて軟弱地盤中に打設する工程と、
上記ドレーン装置の上記透水性部材を接続部材の挿入孔へ挿入するとともに、上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程と、
上記接続部材を集水管に接続する工程と、
上記集水管内を減圧する工程とを有し、
上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程では、上記不透水性部材を、上記接続部材の外面に形成され上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部に被せていく地盤改良方法。
【請求項8】
上記接続部材は、上記軟弱地盤の地表に突出する上記ドレーン装置の先端が挿通されるジョイントカバーと、上記ドレーン装置の先端が装着されるジョイントピースと、上記ジョイントカバーとともに上記ジョイントピースを挟持するジョイントボディとからなり、
上記ジョイントピースは、一端に上記ドレーン装置の上記透水性部材の先端が挿入する挿入孔が形成され、上記一端側から他端側に向かって上記不透水性部材の先端が被着する外面に、上記一端側から上記他端側に向かって上記不透水性部材の開口径よりも拡径していく上記テーパ部が形成され、
上記ジョイントカバーは、上記ジョイントピースが嵌合することにより、上記ジョイントピースの外面と共に上記不透水性部材を挟持する嵌合孔が形成され、
上記ジョイントボディは、他端に上記ドレーン装置によってくみ上げた地下水を集水する集水管と接続する導水部が形成され、
上記ジョイントカバーを上記ドレーン装置の先端に挿通した後、上記ジョイントピースの挿入孔に上記透水性部材を挿入するとともに、上記ジョイントピースの外面に上記不透水性部材を被せ、
上記ジョイントカバー及び上記ジョイントボディによって上記ドレーン装置と接続された上記ジョイントピースを挟持する請求項7記載の地盤改良方法。
【請求項9】
上記ジョイントピースと上記ジョイントボディとの間にパッキンを介在させる請求項8記載の地盤改良方法。
【請求項1】
透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置と、上記ドレーン装置によってくみ上げた地下水を集水する集水管とを接続する接続部材において、
一端に上記ドレーン装置の上記透水性部材の先端が挿入する挿入孔が形成され、他端に上記挿入孔と連続すると共に上記集水管に地下水を導く導水部が形成され、上記一端側から上記他端側に向かって上記不透水性部材の先端が外面に被着する本体を有し、
上記本体は、上記一端側から上記他端側に向かって、上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部が形成されている接続部材。
【請求項2】
上記本体は、扁平形状をなし、一端面に略矩形状の上記挿入孔が臨まされ、他端面に上記導水部が形成され、上記挿入孔の長手方向に設けられた両側面に上記テーパ部が形成されている請求項1記載の接続部材。
【請求項3】
上記本体は、上記テーパ部が形成された上記両側面と隣接する両主面が、上記長手方向の中心位置を最厚部として上記挿入孔の短手方向に膨出されている請求項2記載の接続部材。
【請求項4】
上記本体は、上記不透水性部材が被着される一端側の外面に接着剤が塗布されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の接続部材。
【請求項5】
上記本体は、上記透水性部材が挿入された後、ステイプラーによって上記透水性部材と上記本体とを接続する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の接続部材。
【請求項6】
上記本体は、上記不透水性材料が被着された後、粘着テープで上記不透水性材料との境界を封止される請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の接続部材。
【請求項7】
透水性材料により中空部を有するように形成され、軟弱地盤中の所定の深度に打設される透水性部材と、不透水性材料により上記透水性部材が挿通する中空部を有するように形成され、上記軟弱地盤の地表面から所定の長さを残し上記軟弱地盤に打設される不透水性部材とを備えるドレーン装置を、上記不透水性部材の先端を地表に突出させて軟弱地盤中に打設する工程と、
上記ドレーン装置の上記透水性部材を接続部材の挿入孔へ挿入するとともに、上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程と、
上記接続部材を集水管に接続する工程と、
上記集水管内を減圧する工程とを有し、
上記不透水性部材を上記接続部材に被着させる工程では、上記不透水性部材を、上記接続部材の外面に形成され上記不透水性部材の開口径よりも拡径していくテーパ部に被せていく地盤改良方法。
【請求項8】
上記接続部材は、上記軟弱地盤の地表に突出する上記ドレーン装置の先端が挿通されるジョイントカバーと、上記ドレーン装置の先端が装着されるジョイントピースと、上記ジョイントカバーとともに上記ジョイントピースを挟持するジョイントボディとからなり、
上記ジョイントピースは、一端に上記ドレーン装置の上記透水性部材の先端が挿入する挿入孔が形成され、上記一端側から他端側に向かって上記不透水性部材の先端が被着する外面に、上記一端側から上記他端側に向かって上記不透水性部材の開口径よりも拡径していく上記テーパ部が形成され、
上記ジョイントカバーは、上記ジョイントピースが嵌合することにより、上記ジョイントピースの外面と共に上記不透水性部材を挟持する嵌合孔が形成され、
上記ジョイントボディは、他端に上記ドレーン装置によってくみ上げた地下水を集水する集水管と接続する導水部が形成され、
上記ジョイントカバーを上記ドレーン装置の先端に挿通した後、上記ジョイントピースの挿入孔に上記透水性部材を挿入するとともに、上記ジョイントピースの外面に上記不透水性部材を被せ、
上記ジョイントカバー及び上記ジョイントボディによって上記ドレーン装置と接続された上記ジョイントピースを挟持する請求項7記載の地盤改良方法。
【請求項9】
上記ジョイントピースと上記ジョイントボディとの間にパッキンを介在させる請求項8記載の地盤改良方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−99285(P2011−99285A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255869(P2009−255869)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【出願人】(000109233)チカミミルテック株式会社 (19)
【出願人】(502080047)キャドテック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【出願人】(000109233)チカミミルテック株式会社 (19)
【出願人】(502080047)キャドテック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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