説明

掲載データのクリッピングシステム

簡易な操作で電子的にデータをクリッピング可能なシステムの提供。
メディアの任意の範囲を取り込むデジタルデータ取り込み手段を備えるユーザー端末から送信されたデジタルデータを受信するデジタルデータ受信手段と、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを、メディア掲載データ記憶手段を検索して抽出する掲載データ抽出手段と、抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データを、ユーザー情報に関連付けてクリッピングデータ記憶手段に記憶する掲載データクリッピング手段と、ユーザー端末からアクセス可能にして、閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを少なくとも行うユーザーアクセス許可手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は、掲載データのクリッピングシステムに関する。
従来技術
従来、新聞や雑誌記事、その他の情報のスクラップをするためには、記事などをハサミで切り取り、媒体の名前と日付などを手書きで書き込み、糊で台紙に貼ってからジャンル別などに整理するという方法がとられてきた。
一方、今日ではインターネットに代表される通信が普及しており、たとえばニュース、記事、読みもの、各種情報、各種データ、その他の各種コンテンツなどを記憶するデータベースや、これらの情報を掲載するWEBサイト、サーバー装置、その他による情報の提供や配信などのサービスが、有料、無料で各種行われている。たとえば新聞社やニュース配信社などが提供するデータベースやニュース掲載ウェブサイト、各種の情報掲載WEBサイト、各種のデータ提供を行うデータベース事業者、各種のWEBサイトなどである。
一例として新聞社やニュース配信社が提供する記事の検索サービスやデータベース提供サービスなどを例にとると、ユーザーからのアクセスに対して、記事データベースに保管されている記事などのデータを、有料または無料でユーザーが検索等により閲覧することができるようなシステムが普及している。またこうしたサービスを他の事業者とのタイアップなどにより提供するものとして、たとえば証券会社などが、インターネット上での顧客獲得や顧客サービスなどを目的として、ホームトレードにおいて新聞の記事データベースを無料で利用できるサービスなど、各種サービスを無料で行っている。このように顧客獲得のため、巨額の設備投資と運営費を負担しており、ユーザーを一人獲得するために多額のコストを掛けているのが現状である。
ところで、一例として新聞社やニュース配信社が提供する記事の検索サービスやデータベース提供サービスなどを例にとったが、このようなサービスを利用することにより、膨大な記事などのデータの中から、必要な時に必要なデータを検索等により探し出すことはできるものの、記事データベース等にはあらゆるジャンル、あらゆる期間の記事などがすべて記憶されており、ユーザーは検索をする時点になってこれら膨大な情報の中から必要なデータを探し出すために様々な条件などを使ってデータの絞込みを行わなければならない。すなわちあらかじめデータベースに記憶されている情報には、ユーザーには関心のないデータや不要なデータも含まれているからであり、むしろこうした不要なデータがおそらく大半を占めているものである。そもそも、従来、紙ベースで行われていた記事などの切り抜きと保管(クリッピング)も、膨大な情報の中から、関心のあるデータや必要なデータのみを手作業により絞り込んで抽出していたものであり、必要な時にはすぐに探し出せるように整理されて保管されることが望ましく、データベース等を利用した場合にもそれが実現されることが望まれる。
一方、従来、紙ベースで行われていた記事などの切り抜きと保管(クリッピング)は、ユーザーが目にした様々な新聞や雑誌、チラシやパンフレット、広告、小冊子、その他の様々なメディアや刊行物などの膨大な情報の中から、関心のあるデータや必要なデータを保管するために行っていたものである。
たとえば特開2002−99744「パーソナル・ディジタル・ライブラリ・システム」においては、パーソナル・ディジタル・ライブラリ・システムとして、供給者と利用者間の契約条件に従い、対象とするディジタル・コンテンツに対応させて供給者および利用者の意向を反映した課金方法・利用方法等が提案されている。
ディジタル・コンテンツを、供給者と利用者間の契約条件に基づいて供給者側発信型で利用者に送信し、利用者のディジタル・コンテンツ保管装置に保管し、利用者に利用可能にするパーソナル・ディジタル・ライブラリ・システムであり、保管される対象は、ディジタル化されたテキスト情報、音声情報、画像情報、映像情報又はこれらの組み合わせからなるディジタル・コンテンツなどである。
紙ベースで刊行されてきた新聞・雑誌・書籍類等をデジタルデータで保管するために、量がかさむことがなく居住空間を占拠しないために廃棄をしなくても保管が容易であり、後で検索等をして再び読み返すことができるというものである。
しかしながら、この発明においても、供給者と利用者間の契約に基づくものであり、たとえばある新聞社との契約によりユーザーに電子的にデジタルデータの新聞等が配信され、同時に利用者側に保管されるものである。
したがって、これを利用しても利用者の意向を反映したデータの絞込みや抽出がされていないばかりではなく、特定の新聞社やニュース配信者(データベース等の提供者)が供給する情報しか得られない。様々なメディアや刊行物などの情報をクリッピングの対象とするためには、様々なニュースや情報の提供者が提供する情報源(WEBサイトやデータベース等)を利用しなければならず、これらが有料である場合にはそれぞれに対して費用がかかってしまうことになる。
またユーザー側で保管をするために、コンピュータ機器を買い換えたりした場合には保管したデータを管理するためにデータのバックアップなどをユーザー側でしなければならない。
このような問題を解決するために、一部のニュース配信WEBサイトなどにおいては、クリッピングサービスとして、対象となる新聞・雑誌・学会誌などの媒体と、検索キーワード・ジャンルなどをユーザーが前もって登録しておくことにより、記事が見つかった時にメール等により送付されてくるというものが行われている。
しかしながらこの場合にも、契約した新聞社などの情報配信源が供給する情報のみが対象となるために、特定の新聞社やニュース配信者(データベース等の提供者)が供給する情報しか得られず、様々なメディアや刊行物などの情報をクリッピングの対象とすることができない。ユーザーがクリッピングサービスで入手した記事ではなく、自分で見つけた記事を保存しデータベース登録することはできない。前もって登録したキーワードやジャンル以外で、保存しておきたい記事をユーザーが直接見つけても、保存することができない。
実際に情報のクリッピングをするユーザーは、自分に関心のある情報や必要な情報、必要となるかはわからないが将来役に立つかも知れない情報を、いつ、どこで、どのメディアにおいて目にしたり耳にしたりするかは予測ができないものであり、カタログや小冊子、その他の予想外のメディアに貴重な情報が掲載されていることも多いものである。
一方、サーバーを利用したデータの保管システムとして、たとえば特開2002−7739「データ保管システム、サーバコンピュータ、及び記録媒体」においては、購入したコンテンツを確実に保持し管理するデータ保管システム、利用者が利用しやすいようにコンテンツを編集して提供するシステムが提案されている。コンテンツ保管サーバは、登録会員であるユーザ端末が購入したコンテンツを、コンテンツ提供サーバから受け取り、保管コンテンツデータベースに保持する。ユーザ端末は、コンテンツ保管サーバにアクセスし、コンテンツをダウンロードして利用する。
また、特開2001−306831「ディジタルデータのバンキングシステム」においては、顧客の様々なディジタルデータ・コンテンツを一時保管し、実際の保管サイズと保管時間に応じて正確に課金するシステムが提案されている。顧客が所有するディジタルデータ・コンテンツを一時保管して保管料を課金するディジタルデータのバンキングシステムである。顧客が所有するディジタルデータ・コンテンツを顧客からの要求に応じて、ネットワークを介して取り込む書込み手段によりディジタルデータ・コンテンツとして記憶し、記憶したディジタルデータ・コンテンツを顧客からの要求に応じて、ネットワークを介して顧客に引き渡すものである。
しかしながら、前者の場合には、登録会員であるユーザ端末が購入したコンテンツを、コンテンツ提供サーバから受け取るものであり、保管するデータはコンテンツ提供サーバがあらかじめ記憶・保管しているものに対象が限られる。また、データを保管するためには、ユーザーがコンテンツ提供サーバに記憶されているデータの中から、データを特定して購入するというプロセスを経なければならない。
また、後者の場合には、顧客が所有するディジタルデータ・コンテンツを顧客からの要求によりネットワークを介して取り込んで記憶するものであり、保管するデータ全体をユーザーが保管に適した状態でアップロードしなければならない。すなわち膨大なデータでもすべてのデータをユーザーが準備した上でアップロードしなければならず、また画像で取り込む場合などにも保管するすべてのデータを取り込まなければならず、データの解像度等にも注意して取り込んだ上でアップロードしなければならない。複数ページのデータは全ページをスキャナで読み込む等の操作が必要である。
しかしながら、データのクリッピングは簡単な操作で、できるだけ気軽に継続して利用できるものである必要がある。たとえば記事のクリッピングであれば記事全体を読まなくても、見出しや写真などを見ただけで、役に立つかもしれないとしてとりあえず保管しておくといった作業が通常想定されるので、データのクリッピングを電子的に行うためにも同様の処理が可能であることが望まれる。
発明の開示
そこで、上記の様々な課題を解決し、本発明においては、様々なメディアや刊行物などの情報をクリッピングの対象として、様々なニュースや情報の提供者が提供する情報源の中からあらかじめユーザーがデータの絞込みや抽出をされた状態で、手作業ではなく、電磁的かつオンライン化したクリッピングシステムを提供することを目的とする。
従来のクリッピングサービスとは異なり、情報の提供者や情報源となるメディア、情報のジャンルに捕らわれることなく、自分で見つけた記事その他の様々な情報を、まるで新聞をスクラップするように保存し、データベース化することが可能なシステムを提供することを目的とする。
簡単な操作で、できるだけ気軽に継続して利用でき、たとえば記事のクリッピングであれば記事全体を読まなくても、見出しや写真などを見ただけで、役に立つかもしれないとしてとりあえず保管しておくといった作業を電子的に実現可能なシステムを提供することを目的とする。
これにより、あらかじめ関心のあるデータや必要なデータのみを手作業により絞り込んで抽出したデータを保管できると共に、必要な時にはすぐに探し出せるように整理されて保管することを可能にする。
上記課題を解決するため、請求の範囲1に記載の発明においては、
入力手段、制御手段、表示手段、出力手段、記憶手段等を備えるコンピュータ等のユーザー端末からアクセスされ、ユーザー端末において操作により情報処理が行われるサーバーシステムであって、
メディアの任意の範囲をデジタルデータとして取り込むデジタルデータ取り込み手段を備える、携帯電話等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のユーザー端末から送信された、デジタルデータを受信するデジタルデータ受信手段と、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを、新聞その他の物理的に情報を掲載するメディアに掲載されたニュースその他の掲載データを記憶するメディア掲載データ記憶手段を検索して抽出する掲載データ抽出手段と、
抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データを、該当するユーザー情報に関連付けて、クリッピングデータ記憶手段に記憶する掲載データクリッピング手段と、
掲載データクリッピング手段に記憶された掲載データ自体または掲載データを識別する識別データを、ユーザー端末からのアクセス要求に対しアクセス可能にして、クリッピングデータへのアクセス要求に対し閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを少なくとも行うユーザーアクセス許可手段とを備えた、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲2に記載の発明においては、
請求の範囲1に記載の発明において、
メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、メディアに掲載されたデータと同一のデータである、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲3に記載の発明においては、
請求の範囲1に記載の発明において、
メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、ニュースその他のデータ要約、掲載データに関連するデータ、その他のメディアに掲載されたデータに対応して記憶されているデータである、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲4に記載の発明においては、
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル画像データをOCRによる読み取りを行うOCR読み取り手段と、
OCR読み取り手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものである、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲5に記載の発明においては、
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル画像データを画像解析して、前記のメディア掲載データ記憶手段に記憶されている、掲載データ自体またはこれに対応する画像データとの比較検索処理を行う、画像検索手段により抽出するものである、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲6に記載の発明においては、
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル音声データを音声解析する音声解析手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものである、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲7に記載の発明においては、
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものである、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲8に記載の発明においては、
請求の範囲1〜7に記載の発明において、
携帯電話等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のユーザー端末から、デジタルデータを受信する際に、
ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報を受信して、
前記の掲載データクリッピング手段が、抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データに関連付けて、クリッピングデータ記憶手段に記憶する、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲9に記載の発明においては、
請求の範囲1〜8に記載の発明において、
クリッピングデータ記憶手段に記憶された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データは、ユーザー端末からのアクセス要求に対し、掲載データを識別するデータ、または日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき検索可能にされており、検索要求に対し掲載データを抽出し、閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを可能にする検索手段が備えられた、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲10に記載の発明においては、
請求の範囲9に記載の発明において、
掲載データクリッピング手段は、掲載データを識別するデータ、ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき、掲載データに関連する別の掲載データを検索の結果抽出可能な、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲11に記載の発明においては、
請求の範囲1〜10に記載の発明において、
クリッピングデータ記憶手段に記憶された掲載データを、所定のレイアウトに従い編集し、編集されたデータを出力する編集データ出力手段が備えられ、
ユーザー端末に送信可能なデータとして出力する、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
また、上記課題を解決するため、請求の範囲12に記載の発明においては、
請求の範囲11に記載の発明において、
前記の編集データ出力手段は、ユーザー端末から送信されたレイアウト指定データ、または編集される掲載データの抽出条件その他の編集指定データ、または編集され出力されるデータのユーザー端末への送信条件の内の少なくともいずれかに従い、編集処理と出力処理とを行う、掲載データのクリッピングシステムであることを特徴としている。
発明の実施の最良の形態
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の掲載データクリッピングシステムは、入力手段、制御手段、表示手段、出力手段、記憶手段等を備えるコンピュータ等のユーザー端末からアクセスされ、ユーザー端末において操作により情報処理が行われるサーバーシステムである。
第1図は、本発明のシステムの基本的な構成の一例を示すシステム構成図である。
また第2図は、本発明のシステムの基本的な構成の別の一例を示すシステム構成図である。
本発明のシステムは、インターネットに代表される通信手段を介してアクセスするユーザー端末からの操作により情報処理を行うサーバーシステムであって、インターネットに代表されるネットワークに接続されて備えられ、コンピュータネットワークに接続するユーザー端末からアクセスされる。
ここでネットワークには、インターネットをはじめとして、専用線により接続されたネットワーク形態や、企業内LAN、企業間LAN、WANなどの形態を広く含む。またここで用いられる通信回線の形態には、有線通信、無線通信の形態を広く含み、衛星通信や、Bluetoothなどを用いた形態を含む。
本発明のサーバーシステムに接続するためのユーザー端末としては、通常、インターネット等に接続可能なブラウザ機能を搭載した携帯電話をはじめとする無線通信端末、携帯情報端末や、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ端末が用いられる。この他、利用者端末には、インターネットTV、ゲーム機器、テレビ会議システム、その他のネットワーク接続機能を備えた家電製品などの機器を広く含む。
また、ネットワークに接続する電話機、ファクシミリ装置などをユーザー端末として利用することもできる。
コンピュータ端末は、制御手段、記憶手段、入力手段、出力手段、表示手段などを備える。またインターネットに代表されるコンピュータネットワークに接続し、データの送受信を行う機能を備え、ブラウザや電子メールソフトウェア、ワードプロセッサなどのアプリケーションプログラムや、オペレーティングシステム(OS)を備えることが通常の形態である。
次に、本発明のサーバーシステムは、通常は、アプリケーションサーバー、データベースサーバー、認証サーバー、WEBサーバー、その他必要に応じメールサーバー、その他の各種装置により構成することができる。
これらの各サーバーは、物理的に同一の装置に設けられる形態や、物理的に複数の装置からなる形態、あるいはネットワークを介して接続される物理的に複数の装置からなる形態などを含み、機能的に同様の機能が実現されるならば、様々な形態を含む。
本発明のシステムは、第1図に示されるシステム構成によれば、新聞その他の物理的に情報を掲載するメディアに掲載された、ニュースその他の掲載データを記憶するメディア掲載データ記憶手段を、サーバーシステムに備えている。メディア掲載データ記憶手段は、ニュース、記事、読みもの、各種情報、各種データ、その他の各種コンテンツなどを記憶するデータベースや、これらの情報を掲載するWEBサイト、サーバー装置、その他の記憶手段である。たとえば、記事データベースを保有する新聞社などが自社のシステム内に本発明のシステムを構築したような場合である。
一方、第2図に示されるシステム構成によれば、メディア掲載データ記憶手段は、必ずしも本発明のシステムを構成するサーバーシステムに備えられなくてもよく、サーバーシステムからインターネットに代表される通信手段を介してアクセス可能なデータベースや、これらの情報を掲載するWEBサイト、サーバー装置、その他の記憶手段として設けられていてもよい。たとえば新聞社やニュース配信社などが提供するデータベースやニュース掲載ウェブサイト、各種の情報掲載WEBサイト、各種のデータ提供を行うデータベース事業者、各種のWEBサイトなどであり、これらが複数設けられていてもよい。たとえば、本発明のシステムから他の事業者等が保有するデータベース等を検索しデータを抽出してくるような場合である。
また第1図と第2図のシステムを組み合わせて、本発明のシステム内に自社のメディア掲載データ記憶手段を保有すると共に、本発明のシステムから他の事業者等が保有するデータベース等を検索しデータを抽出可能にしてもよい。
メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、代表的な一例としては現実のメディアに掲載されたデータと同一のデータである。たとえば現実に物理的に存在する物として発行されている新聞や、雑誌、書籍、カタログ、パンフレット、チラシ、広告、その他の刊行物、CD−ROMやDVDなどの物理的メディアに格納されているその他の各種メディアとしてそこに掲載されているデータと同一の内容が、デジタルデータとして記憶されるデータである。データには文字データ、画像データ、その他の各種データ形式を含む。
また、メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、別の代表的な一例としては、現実に物理的に存在する映画、映像、番組、コマーシャルフィルム、ビデオ、CD−ROMやDVDなどの物理的メディアに格納されている動画像データ、アニメーションデータ、スライドショーデータ、プレゼンテーションデータ、音声データと同一の内容が、デジタルデータとして記憶されるデータである。
メディア掲載データ記憶手段に記憶される掲載データは、必ずしも現実に発行されている新聞、雑誌、各種刊行物や各種メディアに掲載されている内容と同一内容でなくてもよい。
代表的な一例としては、メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、ニュースその他のデータ要約、掲載データに関連するデータ、その他のメディアに掲載されたデータに対応して記憶されているデータなどである。現実の新聞、雑誌、各種刊行物や各種メディア等に掲載された内容と、メディア掲載データ記憶手段に記憶されたデータとが、対応付けられてメディア掲載データ記憶手段に記憶されていればよいからである。
次に本発明のシステムは、メディアの任意の範囲をデジタルデータとして取り込むデジタルデータ取り込み手段を備える、携帯電話等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のユーザー端末から送信された、デジタルデータを受信するデジタルデータ受信手段を備えている。
本発明のシステムを利用してデータのクリッピング処理を行うためには、ユーザー端末から、掲載データをサーバーシステム側で識別するために、メディアの任意の範囲をデジタルデータとして取り込み、サーバーシステムに送信する必要が生じる。メディアが新聞や雑誌などであれば、その中のユーザーがクリッピングしたいと思う任意の記事やページの内の、記事の一部や見出し、写真などの任意の範囲をデジタルデータとして取り込む。記事全体などを取り込まなくても、一部をデジタルデータとして取り込むことであっても、その取り込まれた範囲によりどの記事であるか等をサーバーシステム側で判別できる範囲であればよい。
取り込まれるデジタルデータは、画像データや、文字データ、音声データ、その他の各種データ形式を利用することができる。いずれのデータ形式であっても、クリッピングしたいデータの内の少なくとも一部を取り込むことにより、取り込んだメディア等の掲載データをサーバーシステム側で判別できればよい。
前記の通り、サーバーシステムにアクセスするユーザー端末には各種の装置が含まれるが、代表的な一例として、携帯電話を例に説明すると、デジタルデータ取り込み手段は下記のような形態である。
デジタルデータが文字情報の場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名などを文字で入力する必要があるために、デジタルデータ取り込み手段としては携帯電話のキーボード、あるいは携帯電話に外付けで装着されるキーボードなどを用いる。
デジタルデータが音声情報の場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名、映像のセリフやタイトル、音楽の題名や歌詞の一部分などを音声で入力する必要があるために、デジタルデータ取り込み手段としては携帯電話のマイクロフォン、あるいは携帯電話に外付けで装着されるマイクロフォンなどを用いる。
デジタルデータが画像情報や動画像情報の場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名や商品写真、映像の1コマや、音楽CDのジャケット写真などを画像で入力する必要があるために、デジタルデータ取り込み手段としては携帯電話に付属するカメラなどの画像(または動画像)取り込み手段、あるいは携帯電話に外付けで装着されるカメラなどの画像(または動画像)取り込み手段などを用いる。
さらに、サーバーシステムにアクセスするユーザー端末の代表的な一例として、パーソナルコンピュータを例に説明すると、デジタルデータ取り込み手段は下記のような形態である。
デジタルデータが文字情報の場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名などを文字で入力する必要があるために、デジタルデータ取り込み手段としてはキーボードやタブレット、マウス、タッチパネルなどの文字入力手段、あるいは外付けで装着されるこれらの文字入力手段などを用いる。
デジタルデータが音声情報の場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名、映像のセリフやタイトル、音楽の題名や歌詞の一部分などを音声で入力する必要があるために、デジタルデータ取り込み手段としてはユーザー端末に付属するマイクロフォン、あるいは外付けで装着されるマイクロフォンなどを用いる。
デジタルデータが画像情報や動画像情報の場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名や商品写真、映像の1コマや、音楽CDのジャケット写真などを画像で入力する必要があるために、デジタルデータ取り込み手段としてはユーザー端末に付属するカメラなどの画像(または動画像)取り込み手段、あるいは外付けで装着されるカメラなどの画像(または動画像)取り込み手段などを用いる。
さらに、サーバーシステムにアクセスするユーザー端末の別の代表的な一例として、ファクシミリ装置や電話機などのネットワーク接続機器を利用することができる。これらをユーザー端末としてサーバーシステムにデータを送信する場合には、アナログ回線であればA/D変換をしてデータコンバートをするために、各種知られているCTIシステムやユニファイドメッセージシステムなどを利用して、サーバーシステムに記憶可能なデータ形式に変換したり、あるいはインターネットを利用して接続する各種のIP電話網によりデータを送信することが必要である。また、サーバーシステム側にファクシミリ受信ソフトウェアを備えることにより、ファクシミリ装置(ユーザー端末)から送信されたデータを受信時にデジタル画像データとして自動的に取り込むことも可能である。
デジタルデータ取り込み手段として電話機などのキーボードや、キオスク端末や専用端末などのキーボード、タッチパネルなどの文字入力手段などを用いる場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名などを文字で入力することにより、デジタルデータが文字情報として取り込まれる。
デジタルデータ取り込み手段として電話機などのマイクロフォンなどを用いる場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名、映像のセリフやタイトル、音楽の題名や歌詞の一部分などを音声で入力することにより、デジタルデータが音声情報として取り込まれる。
デジタルデータ取り込み手段としてファクシミリ装置などを用いる場合には、メディア掲載データ、たとえば新聞の見出しやカタログの商品名や商品写真、映像の1コマや、音楽CDのジャケット写真などを画像で入力することにより、デジタルデータが画像情報や動画像情報として取り込まれる。
以上のようにして取り込まれたデジタルデータは、ユーザー端末から送信されて、サーバーシステムにおいてデジタルデータ受信手段により受信され、後述するデータ処理のために記憶される。
また、ユーザー端末から送信され、デジタルデータ受信手段により受信されるデータは、掲載データを識別するための前記のデジタルデータのほか、ユーザーを識別するユーザーIDなどのユーザー識別データが含まれる。
さらに必要に応じ、デジタルデータを受信する際に、ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報を受信して、後述するデータ処理のために記憶する。
また、サーバーシステムには、ユーザー情報を記憶するユーザー情報データベースと、ユーザーIDなどのユーザー識別データによりユーザー認証を行う認証手段が備えられることが望ましく、ユーザーIDなどによりユーザーを識別することにより、ユーザー識別データと関連付けてデータのクリッピングを行う。望ましくは該当するユーザーごとの記憶領域を設けることがよい。ユーザー情報は、ユーザーの氏名、生年月日、年齢、電子メールアドレスなどの個人情報や、ID、パスワードなどの認証情報などであり、ユーザー端末からアクセスしユーザー情報を登録して会員登録等をすることにより、これらの情報を記憶する。
またユーザー登録処理を経なくても、本発明のシステムによるサービスの利用を開始できるようにしてもよい。たとえばユーザーの電話番号または電子メールアドレスを通知してクリッピングサービス会社のサーバーシステムに記事を送ることにより、自動的にユーザー登録が行われる、サーバーシステムにおいては通知された電話番号またはメールアドレスごとにユーザー管理を行うような形態である。
次に本発明のシステムは、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して抽出する掲載データ抽出手段を備えている。
掲載データ抽出手段は、ユーザー端末から送信された画像データ、文字データ、音声データなどのデジタルデータに基づき、サーバーシステムが備える掲載データ記憶手段、またはインターネット等に接続された他のサーバー、データベース、WEBサイトなどを検索し、前記したような各種の掲載データを抽出する。
受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して抽出する処理を具体的な一例で説明する。たとえば保存しておきたい記事をカメラ付き携帯電話で撮影し、メールでクリッピングサービス会社等が設けた本発明のサーバーシステムに送信する。記事全部を撮影する必要はない。記事の一部だけでよい。サーバーシステムにおいては受信した画像をOCR処理して文字列を抽出する。撮影された記事中の文字の大きさの違いから見出しを判別することができる。なお画像ではなく、記事の一部分を直接手入力して初めから文字情報として電子メール等で送信することもできる。あるいは、ユーザーのカメラ付き携帯電話側において画像をOCR処理して文字列を抽出し、電子メールで文字列をサーバーシステムに送信することも可能である。抽出した文字列を「キーワード」としてY新聞、N新聞などの記事データベースを検索する。記事がみつかったら、記事そのものまたは記事番号を保存しておくことにより、クリッピングが行われる。
ユーザー端末から送信されたデジタルデータが画像データである場合において代表的な抽出処理の一例は、受信したデジタル画像データをOCRによる読み取りを行うOCR読み取り手段と、OCR読み取り手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものである。
また、ユーザー端末から送信されたデジタルデータが画像データである場合において代表的な抽出処理の別の一例は、受信したデジタル画像データを画像解析して、前記のメディア掲載データ記憶手段に記憶されている、掲載データ自体またはこれに対応する画像データとの比較検索処理を行う、画像検索手段により抽出するものである。
ユーザー端末から送信されたデジタルデータが音声データである場合において代表的な抽出処理の一例は、受信したデジタル音声データを音声解析する音声解析手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う文字検索手段と、により抽出するものである。
音声データを用いてユーザーがクリッピングを行う一例としては、新聞記事の関心のある見出しや書籍のタイトルなどを読み上げて、携帯電話から送信するような形態である。別の一例によれば、音楽の歌詞の一部を録音し、あるいはユーザーが歌い録音し、携帯電話から送信することにより、サーバーシステム側で音楽を判別してその音楽の音声データを抽出し保管するような形態である。
ユーザー端末から送信されたデジタルデータが文字データである場合において代表的な抽出処理の一例は、受信したデジタル文字データを解析する文字解析手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものである。
次に本発明のシステムは、抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データを、該当するユーザー情報に関連付けて、クリッピングデータ記憶手段に記憶する掲載データクリッピング手段を備えている。
掲載データ抽出手段が、ユーザー端末から送信された画像データ、文字データ、音声データなどのデジタルデータに基づき、サーバーシステムが備える掲載データ記憶手段、またはインターネット等に接続された他のサーバー、データベース、WEBサイトなどを検索し、前記したような各種の掲載データを抽出し、掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データを、該当するユーザー情報に関連付けて、クリッピングデータ記憶手段に記憶する。
クリッピングデータ記憶手段は、ユーザーIDなどによりユーザーを識別することにより、ユーザー識別データと関連付けてデータのクリッピングを行うデータベースサーバーやWEBサーバーなどのサーバー装置、ハードディスク、その他の記憶手段である。望ましくは該当するユーザーごとの記憶領域を設けることがよい。
掲載データ自体をクリッピングデータ記憶手段に記憶する場合には、たとえば、本発明のサーバーシステムに記憶されている掲載データを抽出した場合にはその掲載データをクリッピングデータ記憶手段の所定の記憶領域に記憶する。インターネット等に接続された他のサーバー、データベース、WEBサイトなどから掲載データを抽出した場合には、その掲載データを本発明のサーバーシステムにダウンロードしてクリッピングデータ記憶手段の所定の記憶領域に記憶する。
一方、掲載データ自体ではなく、掲載データを識別する識別データを記憶する場合には、該当する掲載データの所在を識別するURLや、掲載データのファイル名などのデータをクリッピングデータ記憶手段の所定の記憶領域に記憶する。
次に本発明のシステムは、携帯電話等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のユーザー端末から、デジタル画像データを受信する際に、ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報を受信することができ、掲載データクリッピング手段が掲載データをユーザーID等に関連付けて記憶する際に、さらに送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報と関連付けて抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データをクリッピングデータ記憶手段に記憶する。
これにより、クリッピングされた掲載データを、送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき検索したり、抽出して編集・出力等をしたりすることができる。
さらに、別の好ましい実施形態の一例によれば、掲載データクリッピング手段は、掲載データを識別するデータ、ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき、掲載データに関連する別の掲載データを検索の結果抽出可能にされている。たとえば、ユーザーが掲載データを識別するために送信したデジタルデータに基づき、サーバー、データベース、WEBサイトなどから該当する掲載データを抽出し、さらにこの掲載データに関連する別の掲載データを、同一または他のサーバー、データベース、WEBサイトなどから抽出し、これらの掲載データを関連付けて、本発明のサーバーシステムにダウンロードしてクリッピングデータ記憶手段の所定の記憶領域に記憶する。
たとえばある新聞記事をクリッピングしたい掲載データとしてユーザーがデジタルデータの送信により指定した場合に、他の新聞社の関連記事を同時にクリッピングしたり、あるいはある商品カタログをクリッピングする掲載データとして指定した場合に他者の同ジャンルの商品カタログをクリッピングしたりするような場合に有効である。関連する掲載データの抽出条件として、掲載日や発行日が同一、検索・抽出対象となるメディアの選択・指定、その他の様々な条件をユーザーが指定可能にすることもできる。
掲載データクリッピング手段は、サーバーシステム内に設けられることを主として想定して記載したが、ユーザー端末においてクリッピングされた掲載データが記憶・蓄積されるようにしてもよい。たとえば、クリッピングされた掲載データを、その都度ユーザーに対してサーバーシステムから送信することもできる。あるいはユーザーが指定する記憶場所、たとえばユーザーが管理しているサーバー装置などに本発明のサーバーシステムから送信し、記憶・蓄積されるようにしてもよい。
次に本発明のシステムは、掲載データクリッピング手段に記憶された掲載データ自体または掲載データを識別する識別データを、ユーザー端末からのアクセス要求に対しアクセス可能にして、クリッピングデータへのアクセス要求に対し閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを少なくとも行うユーザーアクセス許可手段を備えている。
ユーザーアクセス許可手段は、前述したユーザーID等のユーザー識別データに基づき認証がされたユーザーに対しては、自動的にそのユーザーがクリッピングした掲載データを閲覧したり、ダウンロードしたり、あるいは所定の条件に従いサーバーシステム側からデータ配信をしたりするものであってもよい。ユーザー識別データは電話番号や電子メールアドレスであってもよい。
一方、ユーザーアクセス許可手段の別の運用形態としては、本発明のシステムを所定の条件により利用可能にするものなどがあげられる。たとえば利用回数や、利用条件などによるアクセス許可の判定、あるいは課金処理によるアクセス許可の判定などを行い、所定の条件を満たすユーザーに対しては、自動的にそのユーザーがクリッピングした掲載データを閲覧したり、ダウンロードしたり、あるいは所定の条件に従いサーバーシステム側からデータ配信をしたりするものであってもよい。
たとえばサーバーシステム運営者側は、新規ユーザー獲得のために、100件までは掲載データを無料で保管する。そして無料ユーザーの場合には、100件以上になると古いデータから自動的に廃棄される。廃棄する前にユーザーに対して廃棄を予告する電子メールを出して、有料ユーザーへの切り替えを促す。100件を超えた分については、「1か月10円/件:一般紙、1か月20円/件:専門誌・学会誌」のような所定のデータ保管料を徴収する、といったような例である。あるいは、保管している件数およびデータ量に応じて課金するといったような例である。あるいは、広告配信をユーザーが許可した場合には、広告記事が掲載データと同時にクリッピングされることにより、課金される料金が割引されたり無料になったりするような形態である。
課金処理を行う方法は様々な形態を利用可能であり、支払いはすべてクレジットカード払いまたは銀行引き落とし、プリペイド方式、その他の様々な形態を採用することができ、特に限定されない。
次に、クリッピングデータ記憶手段に記憶された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データは、ユーザー端末からのアクセス要求に対し、または日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき検索可能にされており、検索要求に対し掲載データを抽出し、閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを可能にする検索手段を備えることができる。
検索手段により、掲載データを識別するデータ、または日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき検索可能にされていれば、ユーザーは特定の掲載データのみを閲覧・ダウンロード等したい場合や、特定の期間内においてクリッピングした掲載データのみを閲覧・ダウンロード等したい場合、あるいは特定のジャンルのみ・または特定のジャンルごとに分類された状態で掲載データを閲覧・ダウンロード等したい場合に、各種の付随情報に基づき検索・抽出をすることができる。
さらに、クリッピングしたデータをサーバーシステム側から配信してもらう形態を採用した場合には、配信期間(たとえば1か月ごと)、配信形式(電子メール、WEBサイト上など)、配信条件(掲載データを識別するデータ、または日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報、あるいは一定のデータ量になった場合など)に応じて、配信が行われるようにユーザーが設定しておくこともできる。
前記したように、たとえば、クリッピングされた掲載データを、その都度ユーザーに対してサーバーシステムから送信することもできる。
さらに、配信の別の形態の例として、クリッピングしたデータをサーバーシステム側において自動的にプリントアウトなどの出力や、CD−ROM、DVDその他の外部記憶媒体への出力・記憶をするような形態で、出力することができる。出力された印刷物や外部記憶媒体はサーバーシステム管理者側で保管してもよいし、ユーザーに対し配送等してもよい。こうした様々な出力形態を採用した場合には、出力期間(たとえば1か月ごと)、出力形式(プリントアウト、外部記憶媒体への記録など)、出力条件(掲載データを識別するデータ、または日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報、あるいは一定のデータ量になった場合など)、配送条件などに応じて、出力が行われるようにユーザーが設定しておくこともできる。
次にサーバーシステムは、クリッピングデータ記憶手段に記憶された掲載データを、所定のレイアウトに従い編集し、編集されたデータを出力する編集データ出力手段が備えることが望ましく、ユーザー端末に送信可能なデータとして出力する。
WEBサイト上で過去にユーザーがクリッピングした掲載データを閲覧したり、所定の配信条件に従い配信されるようにしたり、あるいは過去にクリッピングした複数の掲載データをまとめて一つのダウンロード可能なデータファイルにしたりする処理を行い、閲覧・ダウンロード・配信等の出力を可能にするものである。
WEBサイトを閲覧する際に、所定のレイアウト等の条件に従いデータファイルを生成してもよく、あるいはいつダウンロードされてもよいように編集されたデータ形式・データ内容で記憶され、またクリッピングが追加された場合には更新記憶されるようにしてもよい。
編集データ出力手段は、ユーザー端末から送信されたレイアウト指定データ、または編集される掲載データの抽出条件その他の編集指定データ、または編集され出力されるデータのユーザー端末への送信条件の内の少なくともいずれかに従い、編集処理と出力処理とを行うことができる。掲載データの抽出条件としてクリッピング期間を指定すれば、たとえば毎月のクリッピングした掲載データごとにデータをまとめる編集をすることができる。また、掲載データの抽出条件としてオリジナルの新聞・雑誌等の掲載日や発行日を指定すれば、たとえば毎月の掲載・発行された掲載データごとにデータをまとめる編集をすることができる。オリジナルの掲載メディアごと、掲載データのジャンルごとなどの条件により編集をすることもでき、これらの条件を組み合わせることもできる。
また、本発明のシステムには様々な付加機能を加えることができ、たとえばユーザーはWEBサイトにアクセスして記憶させた記事を検索したり、さらに操作により手動で整理したりすることができる。
カメラ付き携帯電話だけでなく、デジタルカメラ・スキャナーなどから取り込んだ画像をパソコンから送ることもできる。ハサミで切り取った記事そのものを郵送し、クリッピングサービス会社でデータ登録を行うことも可能である。
オンラインで掲載データの所在が不明であったり、あるいはユーザー端末から送信されたデジタルデータではどの掲載データかの判別が不可能であったり、その他の理由により、サーバーシステム側で検索の結果クリッピングするデータが検索・抽出できなかったような場合にも、ユーザー端末から送信された画像データなどのデジタルデータをそのまま保存し、あるいはさらに画像の中の文字をOCR等により抽出し、データベース化して、検索できるようにすることもできる。
オンラインで検索できないような小冊子の記事やバス停の時刻表、手書きの書類などは、画像のまま保存し、画像の中の文字を抽出し、データベース化して、検索できるようにすることもできる。
また、クリッピングした掲載データにユーザーのコメントや注釈などを加えた上で記憶させることもできる。
以下、本発明の基本的な処理の流れについて説明する。
第3図から第7図は、本発明の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここに示す処理の流れは一例であって、様々な応用や変形が可能である。
初めに、クリッピングを行う処理について説明する。
ユーザー端末において、スキャナ、カメラ、マイク、キーボードその他のデジタルデータ取り込み手段を起動する(S100)。デジタルデータ取り込み手段により、撮影・録音・録画・文字入力等をして掲載データを取り込む(S101)。たとえば新聞記事の一部分を撮影したり、商品カタログをスキャナで読み込んだり、キーワードを文字入力したりする。
次にユーザー端末からインターネット等に接続し(S102)、サーバーシステムにアクセスする(S103)。サーバーシステムへのアクセスは、デジタルデータの取り込みをする前に先にしておいてもよい。デジタルデータ送信メニューを選択し、送信画面などを表示する(S104)。ユーザー端末において送信するデジタルデータを指定するが(S105)、この時点でデジタルデータ取り込み手段により取り込みを行ってもよい。また複数の記事その他の掲載データを取り込んでもよい。
必要に応じ、ユーザー端末においてジャンル、キーワード、コメントその他の付随情報を入力する(S106)。これらの入力、確認などをしてサーバーシステムに送信する(S107)。送信方法は、電子メールで所定の電子メールアドレスに送信する方法や、WEBサイト上からの送信方法、その他の送信方法を利用することができる。
サーバーシステムにおいて、ユーザー端末から送信されたデータを受信する(S108)。ユーザーIDや電子メールアドレス、電話番号等のユーザー識別データを抽出し(S109)、認証手段がユーザー登録済か否かを判定し(S110)、登録されていなければユーザー登録処理を行う(S111)。
次に、デジタルデータ受信手段が受信したデータを参照して(S112)、デジタルデータのデータ形式等を判定する(S113)。たとえば画像データか、文字データか、音声データかといった判定である。
判定されたデータ形式等に応じ、OCR、画像解析、文字解析、音声解析等を行い(S114)、検索をするための文字データ、画像解析データ等を用いて、解析等されたデータに基づき、掲載データ抽出手段が、サーバー内または他のサーバー等を検索する(S115)。
掲載データ抽出手段が、検索の結果、掲載データを抽出する(S116)。
関連するデータを抽出する場合には、掲載データ抽出手段が、検索の結果、関連データを抽出する(S117)。
抽出されたデータの記憶場所を、ユーザー識別データにより判定し(S118)、掲載データクリッピング手段が、所定の記憶場所に掲載データを記憶することにより(S119)、クリッピングが行われる。また、関連する掲載データや、付随情報等がある場合には、掲載データに関連付けて記憶する(S120)。また、オンライン上での検索・抽出ができなかったり、元々オンライン上には存在しないデータであった場合には、ユーザー端末から送信されたデジタルデータをそのまま、あるいはOCR等をした上で記憶することができる。
次に、クリッピングされたデータの閲覧等の処理について説明する。
ユーザー端末からインターネット等に接続し(S200)、サーバーシステムにアクセスする(S201)。クリッピングデータ出力メニューを選択し、出力指定画面を表示する(S202)。
ユーザー端末において閲覧・ダウンロード・配信等の出力条件を指定する(S203)。ユーザーがクリッピングされたデータの中から閲覧したいデータの検索・抽出条件を指定する。必要に応じ、たとえば掲載データの識別情報、ジャンル、キーワード、その他の付随情報を、抽出条件として指定する(S204)。
また、レイアウト情報、配信条件などの編集・出力条件を指定する(S205)。レイアウト情報は、WEBサイト上において閲覧するためのレイアウトや、ダウンロードされるデータファイルのレイアウト、配信される情報のレイアウトなどを指定するものである。また配信条件は、電子メールや添付ファイルなどの配信形式や、配信日時その他の条件の指定である。
これらのデータをサーバーシステムに送信し(S206)、サーバーシステムにおいて受信する(S207)。ユーザーIDや電子メールアドレス、電話番号などのユーザー識別情報を判定し(S208)、受信した抽出条件に従い、クリッピングされた掲載データを抽出する(S209)。また出力条件に従い出力形式を判定し(S210)、編集・出力条件に従い、ユーザー端末に送信されるデータを編集してデータファイルを生成する(S211)。配信等されるデータファイルは、あらかじめユーザーが指定したレイアウト情報や、データの抽出条件、編集条件などに従いあらかじめデータファイルを生成してサーバー側に記憶しておいてもよい。
ユーザー端末に送信し(S212)、ユーザー端末において受信され(S213)、クリッピングされたデータの閲覧やダウンロード、配信等が行われる。
産業上の利用可能性
以上詳細に説明したように、本発明によれば、様々なメディアや刊行物などの情報をクリッピングの対象として、様々なニュースや情報の提供者が提供する情報源の中からあらかじめユーザーがデータの絞込みや抽出をされた状態で、手作業ではなく、電磁的かつオンライン化したクリッピングシステムを提供することができる。
これにより、従来のクリッピングサービスとは異なり、情報の提供者や情報源となるメディア、情報のジャンルに捕らわれることなく、自分で見つけた記事その他の様々な情報を、まるで新聞をスクラップするように保存し、データベース化することが可能なシステムを提供することができる。
さらに本発明によれば、簡単な操作で、できるだけ気軽に継続して利用でき、たとえば記事のクリッピングであれば記事全体を読まなくても、見出しや写真などを見ただけで、役に立つかもしれないとしてとりあえず保管しておくといった作業を電子的に実現可能なシステムを提供することができる。
これにより、あらかじめ関心のあるデータや必要なデータのみを手作業により絞り込んで抽出したデータを保管できると共に、必要な時にはすぐに探し出せるように整理されて保管することを可能にする。
たとえば、カメラ付き携帯電話で記事の一部を撮影して電子メールで送るだけの操作により、記事をオンライン上で見つけてくる。登録した時点でデータベース化されるので、検索などを容易に行うことができ、さらにハサミで切り取って糊で貼り付けるのに比べ手軽で、ファイルの場所も取ることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のシステムの基本的な構成の一例を示すシステム構成図である。
第2図は、本発明のシステムの基本的な構成の一例を示すシステム構成図である。
第3図は、本発明の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第4図は、本発明の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第5図は、本発明の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第6図は、本発明の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
第7図は、本発明の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段、制御手段、表示手段、出力手段、記憶手段等を備えるコンピュータ等のユーザー端末からアクセスされ、ユーザー端末において操作により情報処理が行われるサーバーシステムであって、
メディアの任意の範囲をデジタルデータとして取り込むデジタルデータ取り込み手段を備える、携帯電話等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のユーザー端末から送信された、デジタルデータを受信するデジタルデータ受信手段と、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを、新聞その他の物理的に情報を掲載するメディアに掲載されたニュースその他の掲載データを記憶するメディア掲載データ記憶手段を検索して抽出する掲載データ抽出手段と、
抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データを、該当するユーザー情報に関連付けて、クリッピングデータ記憶手段に記憶する掲載データクリッピング手段と、
掲載データクリッピング手段に記憶された掲載データ自体または掲載データを識別する識別データを、ユーザー端末からのアクセス要求に対しアクセス可能にして、クリッピングデータへのアクセス要求に対し閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを少なくとも行うユーザーアクセス許可手段とを備えたことを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項2】
請求の範囲1に記載の発明において、
メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、メディアに掲載されたデータと同一のデータであることを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項3】
請求の範囲1に記載の発明において、
メディア掲載データ記憶手段に記憶されるニュースその他の掲載データは、ニュースその他のデータ要約、掲載データに関連するデータ、その他のメディアに掲載されたデータに対応して記憶されているデータであることを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項4】
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル画像データをOCRによる読み取りを行うOCR読み取り手段と、
OCR読み取り手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものであることを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項5】
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル画像データを画像解析して、前記のメディア掲載データ記憶手段に記憶されている、掲載データ自体またはこれに対応する画像データとの比較検索処理を行う、画像検索手段により抽出するものであることを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項6】
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル音声データを音声解析する音声解析手段により読み取られた文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものであることを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項7】
請求の範囲1〜3に記載の発明において、
前記の掲載データ抽出手段が、受信したデジタルデータを参照して、デジタルデータに対応付けられた掲載データを抽出する処理は、
受信したデジタル文字データに基づき、前記のメディア掲載データ記憶手段を参照して検索を行う、文字検索手段とにより抽出するものであることを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項8】
請求の範囲1〜7に記載の発明において、
携帯電話等の携帯情報端末やパーソナルコンピュータ等のユーザー端末から、デジタルデータを受信する際に、
ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報を受信して、
前記の掲載データクリッピング手段が、抽出された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データに関連付けて、クリッピングデータ記憶手段に記憶することを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項9】
請求の範囲1〜8に記載の発明において、
クリッピングデータ記憶手段に記憶された掲載データ自体、または抽出された掲載データを識別する識別データは、ユーザー端末からのアクセス要求に対し、掲載データを識別するデータ、または日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき検索可能にされており、検索要求に対し掲載データを抽出し、閲覧許可・ダウンロード許可・データ配信のいずれかを可能にする検索手段が備えられたことを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項10】
請求の範囲9に記載の発明において、
掲載データクリッピング手段は、掲載データを識別するデータ、ユーザー端末から送信された日時、タイトル、キーワード、その他の付随情報に基づき、掲載データに関連する別の掲載データを検索の結果抽出可能なことを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項11】
請求の範囲1〜10に記載の発明において、
クリッピングデータ記憶手段に記憶された掲載データを、所定のレイアウトに従い編集し、編集されたデータを出力する編集データ出力手段が備えられ、
ユーザー端末に送信可能なデータとして出力することを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。
【請求項12】
請求の範囲11に記載の発明において、
前記の編集データ出力手段は、ユーザー端末から送信されたレイアウト指定データ、または編集される掲載データの抽出条件その他の編集指定データ、または編集され出力されるデータのユーザー端末への送信条件の内の少なくともいずれかに従い、編集処理と出力処理とを行うことを特徴とする、掲載データのクリッピングシステム。

【国際公開番号】WO2004/027645
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【発行日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−530637(P2003−530637)
【国際出願番号】PCT/JP2002/009509
【国際出願日】平成14年9月17日(2002.9.17)
【特許番号】特許第3673833号(P3673833)
【特許公報発行日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(504385339)
【Fターム(参考)】