説明

描画処理システム、サーバ装置、ユーザ端末、描画処理方法、プログラム及び記録媒体

【課題】ユーザの利便性を向上させる描画共有システム、サーバ装置、ユーザ端末、描画共有方法、プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】1以上のユーザ端末とサーバ装置とがネットワークを介して接続された描画共有システムであって、ユーザ端末は、描画入力若しくは削除入力を受け付け、削除入力を受付けた場合に、削除入力と交差する描画入力の情報を交差画像情報として取得し、受付けた入力情報と、削除入力を受け付けた場合は交差画像情報と、を含む配信要求を生成し、前記サーバ装置は、配信要求を受け付け、受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう交差画像情報を分割し、配信要求の応答情報を生成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画処理システム、サーバ装置、ユーザ端末、描画処理方法、プログラム及び記録媒体に関し、特にユーザの利便性を向上させる描画処理システム、サーバ装置、ユーザ端末、描画処理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のPC(Personal Computer)がネットワークにより相互に接続することにより構成され、各PCから入力した情報を、共有化、又は編集を加えて構造化するシステムであって、会議、連絡、アイデア発想などの知識創造作業を支援しつつ、遠隔でも利用できる電子会議システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
各PCでは、様々なアプリケーション、例えばワードプロセッサ用エディタ、表計算用ソフトウェア、描画用ソフトウェア、電子会議用ソフトウェア等を用いて、様々なオブジェクト(テキスト、図形、画像、etc.)を入力することができる。参加者全員が同時に、共有化された画面上で各PCから入力されたオブジェクトを編集したりすることが出来る。
【0004】
電子会議の進行の管理は、例えば、最初に立ち上がったPCの共有管理部によって行っても良い(ここで、進行管理を行うPCを管理PCと称す)。各PCからの入力情報を他のPCのディスプレイに同時に表示するために、管理PCの共有管理部は、各PCからの入力情報を他のPCの共有管理部に送信する。さらに、他のPCによって行われた作業結果を、上記と同様に、他のPCの共有管理部に送信する。このような構成により、ユーザは、各PCで行われた作業結果について画面を見ながらリアルタイムで電子会議を進めることができる。
【0005】
上述したように、このような電子会議システムでは、テキストや図形等、様々なオブジェクトを編集することが可能である。例えば、情報入力装置に、タッチパネル(表示装置として機能するディスプレイ及び指先やペン等の指示手段で指示された座標検出領域内の座標位置を検出する座標検出装置で構成される情報入出力部)を利用すれば、手書き入力を含むオブジェクトの生成・編集・操作も可能である(特許文献1 段落「0042」参照)。
【0006】
ここで、特に図形の描画・編集に関し、オブジェクト指向ディスプレイ表現に基づいた描画編集システムが提案されている(特許文献2参照)。手書き操作に着目し、それをユーザインターフェースに取り込むことで、より自然な操作を提供できる描画共有システムである。ドロー系システムの複数のオブジェクトに対して、ユーザがタッチパネル上のペンアクションを行うことで、適切なオブジェクトを自然に選択、編集できる。
【0007】
また、特許文献3にはストロークデータの編集モードとビットマップデータの編集モードの切り替えを可能にすることで、手書きオブジェクトに対してはドット単位で消去でき、図形オブジェクトに対してはオブジェクト単位で消去できるようなペイント系システムと、ドロー系システムとを交互に切り替えられる技術が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような技術には、以下の問題点がある。
【0009】
特許文献1記載のシステムでは、手書き入力されたオブジェクトをビットマップ画像として保持するため、ネットワーク転送の負荷が高く、またオブジェクト単位で操作できる一方で、オブジェクト内の任意の箇所だけを削除するといった操作が実現できないという課題がある。
【0010】
特許文献2記載のシステムでは、ユーザによる手書きのストロークと交差するオブジェクトを削除する操作により、より自然なイレイサー操作ができる一方で、システムで保持されたオブジェクト内の任意の箇所だけを削除するといった操作は実現できないという課題がある。
【0011】
また、特許文献3に記載の技術ではペイント系システムと、ドロー系システムとを交互に切り替えられるものの、ペイント系システムとしてビットマップ画像として保存すると、同様に拡大操作時に画質が劣化するという課題があった。また、それらの両モードを明示的に切り替える必要があるため、操作効率が低いという課題もあった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、オブジェクトを座標位置情報として管理することで情報共有におけるネットワーク負荷を軽減でき、かつオブジェクトの任意の箇所を削除することもでき、描画処理におけるユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るユーザ端末は、描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段で削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する交差画像情報取得手段と、前記入力受付手段で受付けた入力情報と、前記受付けた入力情報が削除入力情報の場合は前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割する分割手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、前記削除入力のモーションを算出するモーション算出手段を備え、前記モーション算出手段で算出されたモーションに応じて前記交差画像に関する情報を削除することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、前記モーション算出手段は、前記削除入力の移動速度を算出し、入力が削除入力の場合、前記移動速度に応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割することを特徴とする。
【0016】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、移動速度が予め決められた上限を超えているか否かを判別する速度上限判別手段を備え、前記削除領域生成手段は、前記速度上限判別手段で判別された結果に従った大きさの削除領域を生成することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、前記モーション算出手段は、前記削除入力のストロークの長さを算出し、入力が削除入力の場合、前記ストロークの長さに応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割することを特徴とする。
【0018】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、前記ストロークの長さを予め決められた複数段階に判別するストローク長判別手段を備え、前記削除領域生成手段は、前記ストローク長判別手段で判別された結果に従った大きさの削除領域を生成することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、前記モーション算出手段は、前記削除入力が閉曲線を形成するか否かを算出し、入力が削除入力かつ、前記削除入力が閉曲線である場合に、前記閉曲線に含まれる前記交差画像情報の全ての座標を削除することを特徴とする。
【0020】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、入力が削除入力の場合、前記削除交差画像に関する座標のうち削除される部分の色を、描画入力および削除入力とは異なる色で表示することを特徴とする。
【0021】
本発明に係るユーザ端末は、上記構成に加え、前記削除入力により削除されたストロークを復元する復元手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る描画システムは、1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの描画情報を前記サーバ装置で処理する描画処理システムであって、前記ユーザ端末は、描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段で削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する交差画像情報取得手段と、前記入力受付手段で受付けた入力情報と、前記受付けた入力が削除入力に関する情報の場合は前記交差画像情報とを含む描画処理要求を生成する描画処理要求生成手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザ端末から前記描画処理要求を受け付ける描画処理要求受付手段と、前記描画処理要求の応答情報を生成する応答生成手段と、前記受け付けた描画処理要求に含まれる入力情報が削除入力に関する情報の場合は、前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割する分割手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る描画処理システムは、1以上のユーザ端末と、サーバとが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの情報を前記サーバで共有化する描画処理システムであって、前記ユーザ端末は、描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段で削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する交差画像情報取得手段と、前記入力受付手段で受付けた入力情報と、前記受付けた入力が削除入力の場合は前記交差画像情報と、を含む配信要求を生成する配信要求生成手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザ端末から前記配信要求を受け付ける配信要求受付手段と、前記配信要求に従い、接続している全ユーザ端末に配信するための応答情報を生成する応答生成手段と、前記受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、前記削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割する分割手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記入力の情報とは、座標データであることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記削除入力と交差する描画入力の情報とは、前記描画入力の外接領域内に、前記削除入力を構成するいずれかの座標を含む描画入力の情報であることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記削除領域とは、前記削除入力を構成する座標であって一定間隔毎の連続する2点毎に生成される矩形領域であることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記分割手段は、前記交差画像情報の座標のうち、前記削除領域に含まれる座標のみ削除することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る描画処理システムは、1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの描画情報を前記サーバ装置で処理する前記描画処理システムであって、前記ユーザ端末は、前記削除入力のモーションを算出するモーション算出手段を備え、前記配信要求生成手段は、前記受付けた入力が削除入力の場合は、さらに前記モーションの情報を含む配信要求を生成し、前記描画装置は、前記受け付けた配信要求に前記モーションの情報が含まれていた場合は、前記モーションに応じて前記交差画像を削除することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記ユーザ端末は、前記モーション算出手段は、前記削除入力の移動速度を算出し、前記描画装置は、前記移動速度に応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割することを特徴とする。
【0030】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記ユーザ端末は、前記モーション算出手段は、前記削除入力の移動速度を算出し、前記描画装置は、前記移動速度が予め決められた上限を超えているか否かを判別する速度上限判別手段を備え、前記速度上限判別手段で判別された結果に従った大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記ユーザ端末は、前記モーション算出手段は、前記削除入力のストロークの長さを算出し、前記描画装置は、前記ストロークの長さに応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割することを特徴とする。
【0032】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記ユーザ端末は、前記モーション算出手段は、前記削除入力のストロークの長さを算出し、前記描画装置は、前記ストロークの長さを予め決められた複数段階に判別するストローク長判別手段を備え、前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割することを特徴とする。
【0033】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記ユーザ端末は、前記描画装置は、前記削除入力が閉曲線である場合に、前記閉曲線に含まれる前記交差画像情報の全ての座標を削除することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記ユーザ端末は、入力が削除入力の場合、前記削除交差画像情報の座標のうち削除される部分を、描画入力、および削除入力と異なる色で表示することを特徴とする。
【0035】
本発明に係る描画処理システムは、上記構成に加え、前記削除入力により削除されたストロークの復元指示を受け付ける、復元指示受付手段を備え、前記配信要求生成手段は、前記復元指示を含む配信要求を生成し、前記描画処理装置は、前記復元指示に従い、前記座標を復元する削除復元手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
本発明に係る描画処理方法は、描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付けるステップと、前記削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得するステップと、前記受付けた入力情報と、前記受付けた入力情報が削除入力情報の場合は前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割するステップと、を備えることを特徴とする。
【0037】
本発明に係る描画処理方法は、1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの情報を前記サーバ装置で共有化する描画処理方法であって、前記ユーザ端末は、描画入力若しくは削除入力を受け付けるステップと、前記削除入力を受付けた場合に、前記削除入力と交差する描画入力の情報を交差画像情報として取得するステップと、受け付けた入力情報と、前記削除入力を受け付けた場合は前記交差画像情報と、を含む配信要求を生成するステップと、前記配信要求を前記サーバ装置へ送信するステップと、を備え、前記サーバ装置は、前記ユーザ端末から前記配信要求を受け付けるステップと、前記受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、前記削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割するステップと、前記配信要求の応答情報を生成するステップと、を備えることを特徴とする。
【0038】
本発明に係る描画処理プログラムは、描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける処理と、前記削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する処理と、前記受付けた入力情報と、前記受付けた入力情報が削除入力情報の場合は前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割する処理と、をユーザ端末であるコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0039】
本発明に係る描画処理プログラムは、1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの情報を前記サーバ装置で共有化する描画共有システムの描画処理プログラムであって、前記ユーザ端末は、描画入力若しくは削除入力を受け付ける処理と、前記削除入力を受付けた場合に、前記削除入力と交差する描画入力の情報を交差画像情報として取得する処理と、受け付けた入力情報と、前記削除入力を受け付けた場合は前記交差画像情報と、を含む配信要求を生成する処理と、前記配信要求を前記サーバ装置へ送信する処理と、を前記ユーザ端末であるコンピュータに実行させ、前記サーバ装置は、前記ユーザ端末から前記配信要求を受け付ける処理と、前記受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、前記削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割する処理と、前記配信要求の応答情報を生成する処理と、を前記サーバ装置であるコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0040】
本発明に係る記録媒体は、上記描画処理プログラムの処理を記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0041】
本発明に係る記録媒体は、上記本発明に係る描画処理プログラムの処理を記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、オブジェクトを座標位置情報として管理することで情報共有におけるネットワーク負荷を軽減でき、かつオブジェクトの任意の箇所を削除することもでき、描画共有におけるユーザの利便性を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1の実施形態に係るユーザ端末の全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るユーザ端末1aの表示部12に表示される画面表示例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る入力受付部11から入力された描画入力ストローク及び削除入力ストロークを示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に係る交差画像情報の取得について説明するための図である。
【図6】第1の実施形態に係るストローク分割部22による分割前の状態を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係るストローク分割部22による分割後の状態を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態に係る描画共有システムの全体構成図である。
【図9】第2の実施形態に係る描画共有システムの動作処理を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
【図11】第3の実施形態に係る描画共有システムの動作処理を示すフローチャートである。
【図12】他ユーザ端末にて入力された描画入力ストローク情報の共有について説明するためのフローチャートである。
【図13】第4の実施形態に係るユーザ端末の全体構成図である。
【図14】第4の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートである。
【図15】第4の実施形態に係る削除領域の大きさの相違を例示する図である。
【図16】第5の実施形態に係るユーザ端末の全体構成図である。
【図17】第5の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートである。
【図18】第6の実施形態に係るユーザ端末の全体構成図である。
【図19】第6の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートである。
【図20】閉曲線算出部による閉曲線の判別について説明するための説明図である。
【図21】閉曲線の削除入力ストロークである閉曲線の削除領域に含まれている場合、描画入力ストロークの削除を行う場合を示す図である。
【図22】描画入力を実線、削除入力を一点鎖線、削除される部分を破線で示した図である。
【図23】第7の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートである。
【図24】描画入力を実線、削除入力を一点鎖線、削除される部分を破線で示した図である。
【図25】第8の実施形態に係るユーザ端末の全体構成図である。
【図26】第8の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートである。
【図27】ストローク復元部の「元に戻す」ボタンを示す図である。
【図28】第9の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
【図29】第9の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートである。
【図30】第10の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
【図31】第10の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートである。
【図32】第11の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
【図33】第11の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートである。
【図34】第12の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
【図35】第12の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートである。
【図36】本発明の実施形態に係る情報処理装置100(ユーザ端末1)のハードウェア構成図である。
【図37】本発明の実施形態に係る情報処理装置200(サーバ装置2)のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0045】
<ユーザ端末>
(第1の実施形態)
〔構成〕
図1は、第1の実施形態に係る描画処理装置の構成図である。
同図に示すユーザ端末1a−1の構成は、ユーザによる入力を受け付ける入力受付部11と、画像を表示する表示部12と、交差画像情報を取得する交差画像情報取得部13と、交差画像情報(描画入力ストローク情報)を複数に分割して所定の削除動作を行うストローク分割部51と、記憶部15と、を備える。
記憶部15は、一時的にデータを記憶する一次記憶部15aを有する。
【0046】
入力受付部11が受け付ける情報(入力情報)は、描画入力情報と、削除入力情報とがある。入力情報は、様々なオブジェクト(テキスト、図形、画像、etc.)であるが、ここではポインティング・デバイスを用いて単純なストローク(少なくとも一つ以上の座標の要素から構成され、順序を持ったリスト)が入力された場合(手書き入力とも称す)を例として説明する。
【0047】
描画/削除の切り替えは、例えば図2に示すようなラジオボタン(複数の選択項目の中から一つだけを選択するための仕組み)で行われても良く、それぞれ専用の入力装置(描画入力を行うペン型デバイス、削除入力を行うイレイサー型デバイス)を用いても良い。
【0048】
描画入力受付モードの場合に受け付けた入力情報(ここでは、ポインティング・デバイスを用いて単純なストロークが入力された場合)は「描画入力ストローク」と称し、削除入力受付モードの場合に受け付けた入力情報(同様に単純なストロークが入力された場合)は「削除入力ストローク」と称す。
【0049】
図3に、描画入力ストローク及び削除入力ストロークを図示する。
θは削除入力ストロークの連続する二点を結ぶ直線とx軸とのなす角度である。丸にバツ印は削除入力ストロークの両端を示し、四角印は削除領域の端部を示している。削除領域は削除入力ストロークのストローク間隔(例えば10pix)ごとに生成される。尚、削除領域の形状は図では正方形であるが、限定されるものではなく、長方形、円形、楕円形、多角形のいずれであってもよい。
【0050】
さらに、描画/削除入力ストロークは、座標の組に基づく情報(座標データ)、例えば(x1,y1), (x2,y2),..., (xn,yn)として認識される。
【0051】
ユーザ端末1a−1が備える交差画像情報取得部13が取得する交差画像情報とは、削除入力ストロークと交差する描画入力ストローク(例えば図3の描画入力ストローク1、2)の座標データである。交差画像情報は、座標データ((x1,y1),(x2,y2),...,(xn,yn))の他、識別子、色、線の太さ、透明度、線の種類(破線、一点鎖線など)、生成時刻、更新時刻、当該オブジェクトの外接矩形の左上端点の位置座標などが含まれてもよい。
【0052】
ここで、「識別子」とは、それぞれの描画入力ストロークに対する一意の識別子である。例えば図3においては描画入力ストローク1の識別子をID:1(表記形式は任意)、描画入力ストローク2の識別子をID:2としても良い。
【0053】
「更新時刻」とは、描画入力ストロークの「移動」操作による移動時刻がセットされた時刻である。
【0054】
「生成時刻」、「更新時刻」、「当該オブジェクトの外接矩形の左上端点の位置座標」は、上記識別子の代替として、描画入力ストロークを識別するために利用される。
【0055】
記憶部15は、一次記憶部(RAM;Random Access Memory、揮発性メモリ)15aを用いても良く、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)であっても良い。
【0056】
〔動作処理〕
第1の実施形態に係るユーザ端末1a−1の動作処理を図4のフローチャートに示す。
ユーザは図2に示すような描画画面に対して描画入力や、削除入力を行う。描画入力/削除入力は、図2に示すラジオボタン等を用いて入力受付モードを切り替えることで行う場合を例として説明する。
【0057】
ユーザ端末1a−1は、描画入力受付モードで受付けた場合(ステップS1/Yes)、ユーザからの入力ストロークは描画入力ストロークとして取得し(ステップS2)、一次記憶部15aに保存し(ステップS3)、一次記憶部15aに保存されているストロークを全て描画する(ステップS4)。
【0058】
ユーザ端末1a−1は、描画入力受付モードではない場合、つまり削除入力受付モードの場合(ステップS1/No)、ユーザからの入力ストロークは削除入力ストロークとして取得し(ステップS5)、交差画像情報を取得する(ステップS6)。
【0059】
ここで、交差画像情報について図5を用いて説明する。
例えば、ユーザ端末1a−1は、削除入力ストロークの座標のいずれかが、描画入力ストロークを含む4点で囲まれた外接矩形領域内に含まれるか否かによって判別しても良い。
【0060】
図5では、描画入力ストロークAの外接矩形領域内に、削除入力ストロークの座標(x10,y10)及び(x11,y11)が含まれるため、描画入力ストロークAが、削除入力ストロークと交差する交差画像となる。描画入力ストロークBは、その外接矩形領域内に削除入力ストロークの座標がいずれも含まれないため、交差画像とはならない。
【0061】
削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの情報を、交差画像情報と称す。
【0062】
ユーザ端末1a−1は、当該削除入力ストローク情報に従い、削除領域(図3参照)を取得する(ステップS7)。削除領域は削除入力ストロークのストローク間隔(例えば10pix)ごとに生成されても良い。例えば、削除入力ストローク情報が((x5,y5),(x6,y6))である場合、削除領域はそれぞれ下記(1),(2),(3),(4)の4点で囲まれる長方形としても良い(図3参照)。
【0063】
【数1】

【0064】
ユーザ端末1a−1は、上記削除領域に含まれる、交差画像情報の座標を記憶部15から削除し(ステップS8)、表示部12の表示から削除する。
【0065】
次に、さらに具体的に、描画処理装置で削除入力ストロークが入力された場合の、ストローク分割部51によるストローク情報の分割について図6及び図7を用いて詳述する。
図6は、本実施形態に係るストローク分割部51による分割前の状態を説明するための図である。図7は、本実施形態に係るストローク分割部による分割後の状態を説明するための図である。
【0066】
まず、ユーザからの入力が以下のようなものであった場合を想定する。
ここでは、入力受付部11としてマウスを用いる。
ユーザのマウス操作により削除入力ストローク((x8,y8), (x9,y9), (x10,y10), (x11,y11), (x12,y12))が入力された場合、交差画像情報取得部13は、かかる削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの座標(図6では描画入力ストローク1、(x1,y1), (x2,y2), (x3,y3), (x4,y4), (x5,y5))を取得し、記憶部15に保存する。
【0067】
次に、ユーザ端末1a−1は、記憶部15から、削除入力ストローク情報と、前記交差する描画入力ストロークの座標(図6描画入力ストローク1)とを「交差画像情報」として取得し、各座標が各削除領域内(図6参照)に含まれるか否かを算出し(算出方法は下記)、含まれる座標を削除して新たなストローク(少なくとも一つ以上の座標の要素から構成され、順序を持ったリスト)を生成する(図7、画像情報3,4)。
【0068】
ユーザ端末1a−1は、ストローク分割部51で生成された新たなストローク(図7、画像情報3,4)と、交差画像情報と重複しない描画入力ストローク(図7、画像情報2)を描画ストロークとして生成し、記憶部15の一次記憶部15aに保存し、一次記憶部15aに保存された全てを描画する(ステップS9)。
【0069】
<ストローク分割部の算出方法>
ここで、ストローク分割部51が、交差画像情報の各座標が削除入力ストロークの各削除領域内に含まれるか否かを算出する方法について図6を例として参照しながら説明する。
【0070】
【数2】

【0071】
以上の算出方法を、削除入力ストローク座標の各連続する2点毎に行っていく。
【0072】
このように、本実施形態では、ユーザが入力した情報(例えば手書きオブジェクト(ポインティング・デバイスを用いて入力した画像データ))を、ユーザ端末にて座標データとして取り扱うことで、画質の劣化を抑制しつつ、かつ入力情報中の任意の箇所を削除することができ(画像データ内の任意の箇所の削除も可能)、ユーザの描画処理装置の利用の利便性を向上することができる。これは、通常はビットマップデータを用いるところ本願ではベクトルデータを用いるためである。
【0073】
<サーバ装置>
(第2の実施形態)
〔構成〕
図8は、第2の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
同図に示すシステムは、1つのPC(以下、ユーザ端末と称す)1a−2と、サーバ装置2−1とが、ネットワーク3で接続された描画処理システムである。
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較すると、ユーザ端末1a−2が、第1の実施形態と同様の入力受付部11、表示部12、及び交差画像情報取得部13を備え、サーバ装置2−1は第1の実施形態におけるストローク分割部51に相当するストローク分割部22を備える。
本実施形態ではさらにそれぞれ、ユーザ端末1a−2は、描画処理要求生成部52と記憶部15とを備え、サーバ装置2−1は、描画処理要求受付部26、応答生成部23、および記憶部24をさらに備える。ここで第1の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0074】
ユーザ端末1a−2は、ユーザによる入力を受け付ける入力受付部11と、画像を表示する表示部12と、交差画像情報を取得する交差画像情報取得部13と、入力されたストローク情報及び取得した交差画像情報を含んだ描画処理要求を生成する描画処理要求生成部52とを備える。
【0075】
ユーザ端末1a−2が備える描画処理要求生成部52が生成する描画処理要求は、今回受け付けた入力ストローク情報(入力ストロークの座標データ)と、取得した交差画像情報とを含む。すなわち、ユーザ端末1a−2は、一入力ごと、一ストロークごと、マウスダウンから直後のマウスアップまでごとに、描画処理要求を生成する。さらに、サーバ装置2−1の識別情報(ホスト名、もしくはIPアドレスを指し、下記URLの例におけるsomewhere)を含む。
【0076】
描画処理要求はURI(Uniform Resource Identifier)などで表され、URL(Uniform Resource Locator)で表されてもよい。例えばURLであればsomewhereというサーバ装置のcanvasという描画対象において、
・描画入力された場合(描画入力ストローク1 (x1,y1),(x2,y2))は、下記(13)の形式
http://somewhere/canvas?cmd=draw&pos=x1,y1,x2,y2 ・・・(13)
・削除入力された場合(削除入力ストローク (x5,y5),(x6,y6))は、下記(14)の形式(なお、該削除入力ストロークは2つのオブジェクト((x1,y1),(x2,y2)と(x3,y3),(x4,y4))と交差している)
【0077】
http://somewhere/canvas?cmd=erase&pos1=x1,y1,x2,y2&pos2=x3,y3,x4,y4&pos3=x5,y5,x6,y6 ・・・(14)
で指定しても良い。
【0078】
サーバ装置2−1は、ユーザ端末1a−2から送信された描画処理要求を受け付ける描画処理要求受付部26と、描画処理要求に削除入力ストローク情報が含まれている場合に交差画像情報(描画入力ストローク情報)を複数に分割して所定の削除動作を行うストローク分割部22と、描画処理要求への応答情報を生成する応答生成部23と、ストローク情報、およびストローク情報の識別子を記憶する記憶部24と、を備える。
【0079】
サーバ装置2−1の応答生成部23が生成する応答情報には、分割後の複数の描画入力ストローク情報が含まれる場合もある。
【0080】
描画処理要求の応答情報に含まれるデータの記述形式はJSON(Java(登録商標)Script Object Notation)、またはXML(eXtensible Markup Language)のように構造化された形式で記述されてもよく、テキスト形式のように構造化されていない形式でもよい。例えばJSON形式であれば、下記(15)のような形式で指定してもよい。
["cmd":"draw", "result":[["id":pos1,"pos":[[x1,y1],[x2,y2]]],["id":pos2,"pos":[[x3,y3],[x4,y4]]]]]
・・・(15)
【0081】
ユーザ端末1a−2とサーバ装置2−1とは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で通信してもよい。応答情報は、HTTPレスポンスとして取得されてもよい。
【0082】
〔動作処理〕
第2の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を図9のフローチャートに示す。ここで前記第1の実施形態と同一の構成要素については説明を省略する。
ユーザは図2に示すような描画画面に対して描画入力や、削除入力を行う。描画入力/削除入力は、図2に示すラジオボタン等を用いて入力受付モードを切り替えることで行う場合を例として説明する。
ユーザ端末1a−2は、描画入力受付モードで受付けた場合(ステップS1/Yes)、ユーザからの入力ストロークは描画入力ストロークとして取得し(ステップS2)、当該描画入力ストロークを含む描画処理要求(1)を生成する(ステップS5)。
【0083】
ユーザ端末1a−2は、描画入力受付モードではない場合、つまり削除入力受付モードの場合(ステップS1/No)、ユーザからの入力ストロークは削除入力ストロークとして取得し(ステップS3)、当該削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの情報(座標データ)を交差画像情報として取得する(ステップS4)。
【0084】
ユーザ端末1a−2の描画処理要求生成部52は、削除入力ストローク情報と交差画像情報とを含む描画処理要求(2)を生成する(ステップS5)。ユーザ端末1a−2は、生成した描画処理要求をサーバ装置2−1に送信する(ステップS6)。
【0085】
以上説明したように、配信要求生成部は、描画入力ストローク情報を含むもの(描画処理要求(1))、若しくは削除入力ストローク情報及び交差画像情報を含むもの(描画処理要求(2))を生成し、描画処理装置に送信する。
【0086】
一方、サーバ装置2−1は、描画処理要求を受信し(ステップS9)、描画処理要求に削除入力ストローク情報が含まれていなければ((1)を受信すれば) (ステップS10/No)、描画処理要求に含まれる描画入力ストローク情報をそのまま一次記憶部(記憶部24)に保存し(ステップS14)、一次記憶部の内容を参照して応答情報(3)を生成し(ステップS15)、ユーザ端末1a−2へ送信する(ステップS16)。なお、ここでは「一次記憶部」に保存しているが、記憶部は揮発性メモリ、不揮発性メモリのいずれでも良い。
【0087】
サーバ装置2−1は、描画処理要求に削除入力ストローク情報が含まれていれば((2)を受信すれば) (ステップS10/Yes)、当該削除入力ストローク情報に従い削除領域を取得する(ステップS11)。ここで削除領域は第1の実施形態と同様の処理により取得される。
【0088】
その後、サーバ装置2−1は、描画入力ストロークの全ての座標について、上記削除領域に含まれるか否かを判別し(ステップS12)、削除領域に含まれない座標を一次記憶部に保存する(ステップS13)。
【0089】
サーバ装置2−1は、描画入力ストロークの全ての座標について判別が終了したら(ステップS12/No)、一次記憶部の内容を参照して応答情報を生成し(ステップS15)、ユーザ端末1a−2へ送信する(ステップS16)。
【0090】
上述したように、応答生成部23が生成する応答情報には、分割後の複数のストローク情報を含んでも良い。
【0091】
ここで、ユーザ端末1a−2で削除入力ストロークが入力された場合の、サーバ装置2−1側のストローク分割部によるストローク情報の分割については、第1の実施形態と同様の処理となる。
【0092】
まず、ユーザ端末1a−2から送信される描画処理要求が以下のようなものであった場合を想定する。ここでは、入力受付部11としてマウスを用いる。ユーザのマウス操作により削除入力ストローク((x8,y8), (x9,y9), (x10,y10), (x11,y11), (x12,y12))が入力された場合、交差画像情報取得部13は、かかる削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの座標(図6では描画入力ストローク1、(x1,y1), (x2,y2), (x3,y3), (x4,y4), (x5,y5))を取得し、記憶部15に保存する。
【0093】
次に、描画処理要求生成部52は、記憶部15から、削除入力ストローク情報と、交差する描画入力ストロークの座標(図6描画入力ストローク1)とを取得し、これらを含む描画処理要求(2)を生成し、サーバ装置2−1に送信する。
【0094】
そして、ユーザ端末1a−2から送信された上記描画処理要求(2)を受信したサーバ装置2−1では、ストローク分割部22において、配信要求(2)に含まれる「交差画像情報」の各座標が、各削除領域内(図6参照)に含まれるか否かを算出し(算出方法は下記)、含まれる座標を削除して新たなストローク(少なくとも一つ以上の座標の要素から構成され、順序を持ったリスト)を生成する(図7、画像情報3,4)。
【0095】
そして応答生成部23は、ストローク分割部22で生成された新たなストローク(図7、画像情報3,4)と、交差画像情報と重複しない描画入力ストローク(図7、画像情報2)を含む応答情報を生成し、ユーザ端末1a−2に返送する。
【0096】
このように、本実施形態では、ユーザが入力した情報(例えば手書きオブジェクト(ポインティング・デバイスを用いて入力した画像データ))を、座標データとして取り扱うことで、ネットワーク負荷を軽減でき、かつ入力情報中の任意の箇所を削除することができ(画像データ内の任意の箇所の削除も可能)、ユーザの描画処理システム利用の利便性を向上することができる。
【0097】
<描画処理システム>
(第3の実施形態)
〔構成〕
図10は、第3の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
同図に示すシステムは、少なくとも1以上のPC(以下、ユーザ端末と称す)(本実施形態ではユーザ端末1a−3、1b〜1nを図示)と、サーバ装置2−2とが、ネットワーク3で接続された描画処理システムである。
第3の実施形態は、第2の実施形態と比較すると、ユーザ端末1a−3、1b〜1nが、配信要求生成部14、配信要求生成部14を備える。ここで第2の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0098】
ユーザ端末1a−3の構成は1b〜1nにおいて同様であるが、ここでは1a−3を用いて説明する。ユーザ端末1a−3は、ユーザによる入力を受け付ける入力受付部11と、画像を表示する表示部12と、交差画像情報を取得する交差画像情報取得部13と、入力されたストローク情報及び取得した交差画像情報を含んだ配信要求を生成する配信要求生成部14を備える。
【0099】
ユーザ端末1a−3が備える配信要求生成部14が生成する配信要求は、今回受け付けた入力ストローク情報(入力ストロークの座標データ)と、取得した交差画像情報とを含む。すなわち、一入力ごと、一ストロークごと、マウスダウンから直後のマウスアップまでごとに、配信要求を生成する。さらに、サーバ装置2−2の識別情報(ホスト名、もしくはIPアドレスを指し、下記URLの例におけるsomewhere)を含む。
【0100】
配信要求はURI(Uniform Resource Identifier)などで表され、URL(Uniform Resource Locator)で表されてもよい。例えばURLであればsomewhereというサーバ装置のcanvasという描画対象において、
・描画入力された場合(描画入力ストローク1 (x1,y1),(x2,y2))は、下記(16)の形式
http://somewhere/canvas?cmd=draw&pos=x1,y1,x2,y2 ・・・(16)
・削除入力された場合(削除入力ストローク (x5,y5),(x6,y6))は、下記(17)の形式
(なお、該削除入力ストロークは2つのオブジェクト((x1,y1),(x2,y2)と(x3,y3),(x4,y4))と交差している)
http://somewhere/canvas?cmd=erase&pos1=x1,y1,x2,y2&pos2=x3,y3,x4,y4&pos3=x5,y5,x6,y6 ・・・(17)
で指定しても良い。
【0101】
サーバ装置2−2は、ユーザ端末1a−3から送信された配信要求を受け付ける配信要求受付部21と、配信要求に削除入力ストローク情報が含まれている場合に交差画像情報(描画入力ストローク情報)を複数に分割して所定の削除動作を行うストローク分割部22と、配信要求への応答情報を生成する応答生成部23と、記憶部24と、を備える。
【0102】
応答生成部23が生成する応答情報には、分割後の複数の描画入力ストローク情報が含まれる場合もある。
【0103】
配信要求の応答情報に含まれるデータの記述形式はJSON(Java(登録商標)Script Object Notation)、またはXML(eXtensible Markup Language)のように構造化された形式で記述されてもよく、テキスト形式のように構造化されていない形式でもよい。例えばJSON形式であれば、下記(18)のような形式で指定してもよい。
["cmd":"draw", "result":[["id":pos1,"pos":[[x1,y1],[x2,y2]]],["id":pos2,"pos":[[x3,y3],[x4,y4]]]]] ・・・(18)
【0104】
ユーザ端末1a−3とサーバ装置2−2は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で通信してもよい。応答情報は、ユーザ端末1a−3からサーバ装置3に生成された二つのHTTPコネクション(HTTP POSTメソッドで入力を行う入力用コネクションとHTTP GETメソッドでポーリングを行う応答取得用コネクション)の応答取得用コネクションのHTTPレスポンスとして取得されてもよい。
【0105】
記憶部15は、一次記憶(RAM;Random Access Memory、揮発性メモリ)として用いても良く、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)でも良い。
【0106】
〔動作処理〕
第3の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を図11のフローチャートに示す。
ここで第2の実施形態と同一の構成要素については説明を省略する。
ユーザは図2に示すような描画画面に対して描画入力や、削除入力を行う。描画入力/削除入力は、図2に示すラジオボタン等を用いて入力受付モードを切り替えることで行う場合を例として説明する。
【0107】
ユーザ端末1a−3は、描画入力受付モードで受付けた場合(ステップS1/Yes)、ユーザからの入力ストロークは描画入力ストロークとして取得し(ステップS2)、当該描画入力ストロークを含む配信要求(1)を生成する(ステップS5)。
【0108】
ユーザ端末1a−3は、描画入力受付モードではない場合、つまり削除入力受付モードの場合(ステップS1/No)、ユーザからの入力ストロークは削除入力ストロークとして取得し(ステップS3)、当該削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの情報(座標データ)を交差画像情報として取得する(ステップS4)。
【0109】
配信要求生成部14は、削除入力ストローク情報と交差画像情報とを含む配信要求(2)を生成する(ステップS5)。ユーザ端末1a−3は、生成した配信要求をサーバ装置2−2に送信する(ステップS6)。
【0110】
以上説明したように、配信要求生成部14は、描画入力ストローク情報を含むもの(配信要求(1))、若しくは削除入力ストローク情報及び交差画像情報を含むもの(配信要求(2))を生成し、サーバ装置2−2に送信する。
【0111】
一方、サーバ装置2−2は、配信要求を受信し(ステップS9)、配信要求に削除入力ストローク情報が含まれていなければ((1)を受信すれば) (ステップS10/No)、配信要求に含まれる描画入力ストローク情報をそのまま記憶部24もしくは一次記憶部24aに保存し(ステップS14)、一次記憶部24aの内容を参照して応答情報(3)を生成し(ステップS15)、ユーザ端末1a−3へ送信する(ステップS16)。なお、ここでは「一次記憶部」に保存しているが、記憶部24は揮発性メモリ、不揮発性メモリのいずれでも良い。
【0112】
サーバ装置2−2は、配信要求に削除入力ストローク情報が含まれていれば((2)を受信すれば) (ステップS10/Yes)、削除入力ストローク情報に従い削除領域(図3参照)を取得する(ステップS11)。ここで削除領域は第1の実施形態と同様の処理により取得される。
【0113】
その後、サーバ装置2−2は、描画入力ストロークの全ての座標について、上記削除領域に含まれるか否かを判別し(ステップS12)、削除領域に含まれない座標を一次記憶部に保存する(ステップS13)。
【0114】
サーバ装置2−2は、描画入力ストロークの全ての座標について判別が終了したら(ステップS12/No)、一次記憶の内容を参照して応答情報を生成し(ステップS15)、ユーザ端末1aへ送信する(ステップS16)。

上述したように、応答生成部23が生成する応答情報には、分割後の複数のストローク情報を含んでも良い。
【0115】
ここで、ユーザ端末1aで削除入力ストロークが入力された場合の、サーバ装置2−2側のストローク分割部によるストローク情報の分割については第2の実施形態と同様の処理となる。
【0116】
ここで、他ユーザ端末1b〜1nにて入力された描画入力ストローク情報の共有について図12のフローチャートを用いて説明する。図11に示すフローチャートの動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0117】
共有化は、まず入力受け付け前(スタート直後)に、各ユーザ端末1a−3、1b〜1nがサーバ装置2−2に対して、情報共有要求を送信する(ステップS30)。
サーバ装置2−2は、受付けた情報共有要求の応答を保留する(ステップS31)。その後、応答情報送信後(ステップS16)に、保留している情報要求の応答を行う(ステップS32、S33)。描画入力が行われないユーザ端末1a−3は情報共有要求の送信(S30)とその応答の受信(S34)のみを行うことにより、他ユーザ端末1b〜1nにて描画入力された描画入力ストローク情報を共有することが可能となる。
【0118】
このように、本実施形態では、ユーザが入力した情報(例えば手書きオブジェクト(ポインティング・デバイスを用いて入力した画像データ))を、座標データとして取り扱うことで、情報共有の際のネットワーク負荷を軽減でき、かつ入力情報中の任意の箇所を削除することができ(画像データ内の任意の箇所の削除も可能)、ユーザの描画処理システム利用の利便性を向上することができる。
【0119】
<ユーザ端末の操作>
(速度に応じた削除)
(第4の実施形態)
〔構成〕
図13は、第4の実施形態に係るユーザ端末の全体構成図である。
第4の実施形態は、第1の実施形態と比較すると、本実施形態に係るユーザ端末が、削除入力ストロークの移動速度を算出する移動速度算出部54と、移動速度に応じて削除領域を生成する削除領域生成部55とをさらに備え、ストローク分割部53が、生成された削除領域に含まれる描画入力ストロークの座標を削除(ストロークを分割して削除)することを特徴とする。第1の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0120】
すなわち本実施形態では、移動速度に応じて削除領域の大きさを決定するため、一度の削除入力ストロークの入力操作で、多くの画像オブジェクトを削除することも可能である。ユーザは、削除作業を行う際に、例えば従来のようなイレイサー(eraser)の幅を段階的に変更できるメニューの操作を行わずに済む。多くの画像オブジェクトを削除する場合は、削除入力ストロークを速い速度で入力すれば良い。
【0121】
〔動作処理〕
第4の実施形態に係る描画処理装置の動作処理を示すフローチャートを図14に示す。
図14に示す第1実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0122】
第4の実施形態では、描画入力受付モードでない場合、すなわち削除入力受付モードの場合に(ステップS1/No)、ユーザ端末1a−4は、受付けた入力ストロークを削除入力ストロークとして取得する(ステップS3)。
【0123】
ユーザ端末1a−4は、削除入力ストロークを受付けた場合、交差画像情報取得部13は当該削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの座標データ(交差画像情報)を取得する(ステップS6)。さらに、移動速度算出部54は、当該削除入力ストロークの入力開始時(例えばマウスダウン時)と入力終了時(例えばマウスアップ時)の経過時間[sec]と距離[pixel]から、移動速度を算出する(ステップS7)。
【0124】
次に削除領域生成部は、削除入力ストローク情報及び移動速度から、削除領域を取得する(ステップS8)。
【0125】
図15は、本実施形態に係る削除領域の大きさの相違を例示する図である。
削除領域が、例えば4点で囲まれる長方形とした場合に、削除領域生成部55は、移動速度に応じて長方形の大きさを決定する(例えば図15に示す削除領域1、削除領域2)。
【0126】
ユーザの操作の利便性を考慮し、領域閾値a=0.75v[pixel]、v:取得した移動速度として例えば1000[pixel/s]としてもよい。本係数0.75は移動速度に対する削除領域の広がりやすさを示し、削除領域の広がりやすさに比例する係数であるが限定されるものではない。
【0127】
その後、削除領域に含まれない座標を一次記憶部15aに保存する(ステップS9)。以降の動作処理は図4に示す動作処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0128】
以上説明したように、本実施形態では、削除入力ストロークの移動速度に応じて削除領域を生成することで、削除領域の切り替え操作をシームレスに実現できる。
ここで、シームレスとは、ユーザが削除領域の削除幅を予め決めておいたとしても、自動的に設定が変更され、例えば、削除入力ストロークの速度を速くしたり、移動距離を長くしたりした場合には削除幅が増加し、これとは逆に削除入力ストロークの速度を遅くしたり、移動距離を短くしたりした場合には削除幅が減少することができることを意味する。尚、削除処理後は元の設定に復帰するようになっている。
これにより、ユーザは、削除作業の度に、例えば削除領域の大きさを選択するメニュー操作を行わずに済み、効率的に操作することができる。
【0129】
(長さに応じた削除)
(第5の実施形態)
〔構成〕
図16は、第5の実施形態に係る描画処理装置の全体構成図である。
第5の実施形態は、第4の実施形態と比較すると、本実施形態に係るユーザ端末1a−5が、削除入力ストロークの移動長を算出する移動長算出部56と、移動長に応じて削除領域を生成する削除領域生成部57とをさらに備えることを特徴とする。第4の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0130】
すなわち本実施形態では、削除入力の移動長に応じて削除領域の大きさを決定するため、一度の削除入力ストロークの入力操作で、多くの画像オブジェクトを削除することも可能である。ユーザは、削除作業を行う際に、例えば従来のようなイレイサー(eraser)の幅を段階的に変更できるメニューの操作を行わずに済む。多くの画像オブジェクトを削除する場合は、削除入力ストロークの移動距離を長くすれば良い。
【0131】
〔動作処理〕
第5の実施形態に係る描画処理装置の動作処理を示すフローチャートを図17に示す。図15に示す第4実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0132】
第5の実施形態では、ユーザ端末1a−5が削除入力ストロークを受付けた場合、交差画像情報取得部13は当該削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの座標データ(交差画像情報)を取得する(ステップS6)。さらに、移動長算出部56は、当該削除入力ストロークの入力開始時(例えばマウスダウン時)から入力終了時(例えばマウスアップ時)までの距離[pixel]から、移動長を算出する(ステップS7)。
【0133】
次に削除領域生成部57は、削除入力ストローク情報及び移動長から、削除領域を取得する(ステップS8)。
【0134】
ユーザの操作の利便性を考慮し、領域閾値a=0.75L[pixel]、L:取得した移動長として例えば1000[pixel]としてもよい。本係数は移動長に対する削除領域の広がりやすさを示すが限定されるものではない。
【0135】
その後、ユーザ端末1a−5は、削除領域に含まれない座標を一次記憶部に保存する(ステップS9)。以降の動作処理は図4に示す動作処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0136】
以上説明したように、本実施形態では、削除入力ストロークの移動長に応じて削除領域を生成することで、削除領域の切り替え操作をモードレスに実現できる。これにより、ユーザは、削除作業の度に、例えば削除領域の大きさを選択するメニュー操作を行わずに済み、効率的に操作することができる。
【0137】
(形状に応じた削除)
(第6の実施形態)
〔構成〕
図18は、第6の実施形態に係る描画処理システムの全体構成を示す図である。
第6の実施形態は、第4、第5の実施形態と比較すると、ユーザ端末1a−6が、削除入力ストロークが閉曲線を形成するか否かを算出する閉曲線算出部59をさらに備え、ストローク分割部51は、削除入力ストロークが閉曲線であるときにはその内側に、描画入力ストロークを構成する座標のいずれかが含まれている場合は、当該描画入力ストロークを構成する全ての座標(つまり描画入力ストローク全体、オブジェクト自体)を削除し、閉曲線でないときには上述した各実施形態と同様に削除領域を取得してその内側に含まれる描画入力ストロークの座標を削除(部分削除)することを特徴とする。第4、第5の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0138】
第6の実施形態に係る描画処理装置の動作処理を示すフローチャートを図19に示す。
図17に示す第4の実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0139】
第6の実施形態では、ユーザ端末1a−6は、削除入力ストロークを受け付けた場合(ステップS1/No)、閉曲線算出部59により削除入力ストロークが閉曲線であるか否かを判別する(ステップS6)。
【0140】
ユーザ端末1a−6は、閉曲線であれば、削除入力ストロークである閉曲線の内側に、描画入力ストロークを構成する座標のいずれかが含まれている場合は当該描画入力ストロークを構成する全ての座標を削除する(ステップS7)。
【0141】
ユーザ端末1a−6は、閉曲線算出部59による閉曲線の判別について図20を用いて説明する。
閉曲線算出部59による閉曲線の判別は、例えば図20に示すように、削除入力ストロークの入力開始時(例えばマウスダウン時)の座標が(x7,y7)であり、入力終了時(例えばマウスアップ時)の座標が(x14,y14)であり、その中間の座標が(x8,y8),(x9,y9),(x10,y10),(x11,y11),(x12,y12),(x13,y13)であり、下記(19)の条件式かつ(20)の条件式が、真であるときは閉曲線であり、真でないときは閉曲線でないと判別してもよい。
【0142】
【数3】

【0143】
【数4】

【0144】
なお、上記実施形態では、削除入力ストロークである閉曲線の内側に、描画入力ストロークを構成する座標のいずれかが含まれている場合は当該描画入力ストロークを構成する全ての座標を削除しているが、閉曲線の削除領域に含まれる場合にも、描画入力ストロークの削除を行っても良い(図21参照)。これにより、閉曲線外にあるストロークも削除することが可能となり、利便性が向上する。
【0145】
以上説明したように、本実施形態では、ストローク情報が閉曲線か否かを判別することで、オブジェクトの部分削除と、オブジェクト自体の削除との切り替え操作をモードレスに実現できる。これにより、ユーザが作業の度に、オブジェクトの部分削除か、オブジェクト自体の削除かのメニュー操作を行わずに済み、効率的に操作することができる。
【0146】
(削除予定部分のグレーアウト)
(第7の実施形態)
〔構成〕
第7の実施形態は、第1の実施形態と比較して、削除交差画像情報の座標のうち削除される部分を、描画入力、および削除入力と異なる色で表示することを特徴とする。第1の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0147】
図22のように、本実施形態において、例えば、描画入力を実線(実画面では黒色線)、削除入力を太破線(実画面では赤色線)、削除される部分を細破線(実画面ではグレー色線)により表示しても良い。すなわち、削除する予定の図形の表示(色もしくは線種)が変化し、最終的にどこが削除されるかをユーザが確認することができ、マウスアップ後は削除予定部分が削除されるようになっている。
ここで、削除予定部分は削除入力の線と描画入力された線とが交差した部分である。
【0148】
〔動作処理〕
第7の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を示すフローチャートを図23に示す。図4に示す第1実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0149】
ユーザ端末は、削除入力受付モードの場合(ステップS1/No)、ユーザからの入力ストロークは削除入力ストロークとして取得し(ステップS5)、交差画像情報を取得する(ステップS6)。
ユーザ端末は、削除入力ストローク情報に従い、削除領域を取得し(ステップS7)、その削除領域に含まれるストローク(座標、および線分)をグレー表示する(ステップS8)。
ユーザ端末は、その後、削除確定操作(例えばマウスアップ)の有無を判別し(ステップS9)、有れば、削除領域に含まれる座標を一次記憶部15aから削除し(ステップS9)、ストロークを描画する(ステップS4)。無ければ、何も実行せず終了する。
【0150】
以上説明したように、本実施形態では、削除されるストロークを描画入力、削除入力と異なる色で表示することで、ユーザが削除ストロークを事前に確認でき、操作ミスを回避することができる。
【0151】
(復元操作)
(第8の実施形態)
〔構成〕
図25は、第8の実施形態に関わる描画処理装置の構成図である。
第1の実施形態と比較して、削除入力により削除された座標を復元するストローク復元部60を備えたことを特徴とする。
第1の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
一次記憶部15aは、削除前のデータを一時的に保持する、LIFO(LAST IN FIRST OUT:最後に書き込んだデータが最初に読み出される)形式のメモリである。
ここでストローク復元部60は図27の「元に戻す」ボタンによって、実行されても良い。
【0152】
〔動作処理〕
第8の実施形態に係るユーザ端末の動作処理を図26のフローチャートに示す。ここで第1の実施形態と同一の構成要素については説明を省略する。
【0153】
第8の実施形態では、ユーザ端末1aは、ユーザによる操作がストローク復元操作か否かを判別し(ステップS10)、復元操作であれば記憶部15もしくは一次記憶部(スタック)15aから直前の交差画像情報を取得し(ステップS11)、描画する(ステップS4)。復元操作でなければ、削除入力受付モードの場合(ステップS1/No)、ユーザからの入力ストロークは削除入力ストロークとして取得し(ステップS5)、交差画像情報を取得する(ステップS6)。交差画像情報を一次記憶部(スタック)15aに保存する(ステップS7)。
ユーザ端末1a−7は、入力ストローク情報に従い、削除領域を取得し(ステップS7)、削除領域に含まれる座標を一次記憶部15aから削除し(ステップS9)、ストロークを描画する(ステップS4)。
【0154】
以上説明したように、本実施形態では、削除したストロークを復元することができ、操作ミスで削除してしまった場合でも容易に復元することができる。
【0155】
<サーバの操作>
(速度に応じた削除)
【0156】
(第9の実施形態)
〔構成〕
図28は、第9の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
第9の実施形態は、第2の実施形態と比較すると、本実施形態に係るシステムのサーバ装置2−3が、削除入力ストロークの移動速度に応じて削除領域を生成する削除領域生成部57を備え、ストローク分割部22が、生成された削除領域に含まれる描画入力ストロークの座標を削除(ストロークを分割して削除)することを特徴とする。第2の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0157】
すなわち本実施形態では、移動速度に応じて削除領域の大きさを決定するため、一度の削除入力ストロークの入力操作で、多くの画像オブジェクトを削除することも可能である。ユーザは、削除作業を行う際に、例えば従来のようなイレイサー(eraser)の幅を段階的に変更できるメニューの操作を行わずに済む。多くの画像オブジェクトを削除する場合は、削除入力ストロークを速い速度で入力すれば良い。
【0158】
〔動作処理〕
第9の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートを図29に示す。図9に示す第1実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0159】
第9の実施形態では、描画処理システムは、描画入力受付モードでない場合、すなわち削除入力受付モードの場合に(ステップS1/No)、受付けた入力ストロークを削除入力ストロークとして取得する(ステップS3)。
【0160】
描画処理システムは、削除入力ストロークを受付けた場合、交差画像情報取得部13は当該削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの座標データ(交差画像情報)を取得する(ステップS4)。さらに、移動速度算出部16は、当該削除入力ストロークの入力開始時(例えばマウスダウン時)と入力終了時(例えばマウスアップ時)の経過時間[sec]と距離[pixel]から、移動速度を算出する(ステップS17)。
【0161】
交差画像情報取得部13が取得した交差画像情報と、移動速度算出部16が算出した移動速度は、記憶部15に保存される。
【0162】
このとき描画処理要求生成部52は、全ての削除/描画入力ストロークと、交差画像情報と、移動速度とを、記憶部15から抽出し、描画処理要求を生成する(ステップS18)。
【0163】
次に、ユーザ端末1a−8から描画処理要求を受信したサーバ装置2−3の動作処理について説明する。受信した描画処理要求に削除入力ストロークが含まれていれば(描画処理要求を受信すれば)(ステップS10/Yes)、削除領域生成部57は、描画処理要求に含まれる削除入力ストローク情報及び移動速度から、削除領域を取得する(ステップS9)。
ここで削除領域生成に関する処理は第4の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0164】
その後、サーバ装置2−3は、描画入力ストロークの全ての座標について、上記削除領域に含まれるか否かを判別し(ステップS12)、削除領域に含まれない座標を一次記憶部としての記憶部24に保存する(ステップS13)。以降の動作処理は図9に示す動作処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0165】
以上説明したように、本実施形態では、削除入力ストロークの移動速度に応じて削除領域を生成することで、削除領域の切り替え操作をモードレスに実現できる。これにより、ユーザは、削除作業の度に、例えば削除領域の大きさを選択するメニュー操作を行わずに済み、効率的に操作することができる。
【0166】
(長さに応じた削除)
(第10の実施形態)
〔構成〕
図30は、第10の実施形態に係る描画処理システムの全体構成図である。
第10の実施形態は、第9の実施形態に比較すると、本実施形態に係るシステムのサーバ装置2−4が、削除入力ストロークの移動長に応じて削除領域を生成する削除領域生成部57をさらに備えることを特徴とする。第9の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0167】
すなわち本実施形態では、削除入力の移動長に応じて削除領域の大きさを決定するため、一度の削除入力ストロークの入力操作で、多くの画像オブジェクトを削除することも可能である。ユーザは、削除作業を行う際に、例えばイレイサー(eraser)の幅を段階的に変更できるメニューの操作を行わずに済む。多くの画像オブジェクトを削除する場合は、削除入力ストロークの移動距離を長くすれば良い。
【0168】
〔動作処理〕
第10の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートを図31に示す。図29に示す第1実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0169】
第10の実施形態では、ユーザ端末1a−9が、削除入力ストロークを受付けた場合、交差画像情報取得部13は当該削除入力ストロークと交差する描画入力ストロークの座標データ(交差画像情報)を取得する(ステップS4)。さらに、移動長算出部56は、当該削除入力ストロークの入力開始時(例えばマウスダウン時)と入力終了時(例えばマウスアップ時)の距離[pixel]から、移動長を算出する(ステップS17)。
【0170】
交差画像情報取得部13が取得した交差画像情報と、移動速度算出部16が算出した移動速度とは、記憶部15に保存される。
【0171】
このとき描画処理要求生成部52は、全ての削除/描画入力ストロークと、交差画像情報と、移動速度とを、記憶部15から抽出し、描画処理要求を生成する(ステップS18)。
【0172】
次に、ユーザ端末1a−9から描画処理要求を受信したサーバ装置2−4の動作処理について説明する。
サーバ装置2−4は、受信した描画処理要求に削除入力ストロークが含まれていれば(描画処理要求を受信すれば)(ステップS10/Yes)、削除領域生成部57は、描画処理要求に含まれる削除入力ストローク情報及び移動長から、削除領域を取得する(ステップS9)。
ここで削除領域生成に関する処理は第4の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0173】
その後、サーバ装置2−4は、描画入力ストロークの全ての座標について、上記削除領域に含まれるか否かを判別し(ステップS12)、削除領域に含まれない座標を記憶部24の一次記憶部24aに保存する(ステップS13)。以降の動作処理は図29に示す動作処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0174】
以上説明したように、本実施形態では、削除入力ストロークの移動長に応じて削除領域を生成することで、削除領域の切り替え操作をモードレスに実現できる。これにより、ユーザは、削除作業の度に、例えば削除領域の大きさを選択するメニュー操作を行わずに済み、効率的に操作することができる。
【0175】
(形状に応じた削除)
(第11の実施形態)
〔構成〕
図32は、第11の実施形態に係る描画処理システムの全体構成を示す図である。
第11の実施形態は、第9、10の実施形態と比較すると、ユーザ端末1a−10が、削除入力ストロークが閉曲線を形成するか否かを判別する閉曲線算出部59を備え、サーバ装置2−5が、ストローク分割機能を含むストローク分割部22とを備え、ストローク分割部22は、削除入力ストロークが閉曲線であるときにはその内側に、描画入力ストロークを構成する座標のいずれかが含まれている場合は、当該描画入力ストロークを構成する全ての座標(つまり描画入力ストローク全体、オブジェクト自体)を削除し、閉曲線でないときには上述した各実施形態と同様に削除領域を取得してその内側に含まれる描画入力ストロークの座標を削除(部分削除)することを特徴とする。第1の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
【0176】
第11の実施形態に係る描画処理システムの動作処理を示すフローチャートを図33に示す。
図29、31に示す第9、10実施形態の動作処理と同一の処理については同一ステップ番号を振り、その説明を省略する。
【0177】
第11の実施形態では、削除入力ストロークを受付けた場合、閉曲線算出部により削除入力ストロークが閉曲線であるか否かを算出する(ステップS17)。
【0178】
閉曲線の可否を一次記憶部15aに保存し、閉曲線でなければ交差画像情報取得部13が取得した交差画像情報を一次記憶部15aに保存する。このとき描画処理要求生成部52は、全ての削除/描画入力ストロークと、交差画像情報と、閉曲線の可否とを、記憶部15から抽出し、描画処理要求を生成する(ステップS5)。
ここで閉曲線算出部59の処理については第6の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0179】
次に、ユーザ端末1a−10から描画処理要求を受信したサーバ装置2−5の動作処理について説明する。
受信した描画処理要求に削除入力ストロークが含まれていれば(描画処理要求を受信すれば)(ステップS9/Yes)、削除入力ストロークが閉曲線を形成するか否かを判別する(ステップS17)。
閉曲線を形成している場合、削除入力ストロークの内側に、描画入力ストロークを構成する座標のいずれかが含まれている場合は当該描画入力ストロークを構成する全ての座標を削除するため、当該描画入力ストロークの識別子(削除すべき描画入力ストロークの識別子)から応答情報を生成し(ステップS15)、ユーザ端末1a−10へ送信する(ステップS16)。
【0180】
削除処理により、pos1,pos2で識別されるストロークが削除された場合は、応答情報は下記(21)のようなJSON形式で指定されても良い。
["cmd":"erase","id":[pos1,pos2]] ・・・(21)
【0181】
以上説明したように、本実施形態では、ストローク情報が閉曲線か否かを判別することで、オブジェクトの部分削除と、オブジェクト自体の削除との切り替え操作をモードレスに実現できる。これにより、ユーザが作業の度に、オブジェクトの部分削除か、オブジェクト自体の削除かのメニュー操作を行わずに済み、効率的に操作することができる。
【0182】
(復元操作)
(第12の実施形態)
〔構成〕
図34は、第12の実施形態に関わる描画処理装置の構成図である。
第8の実施形態と比較して、削除入力により削除された座標を復元するストローク復元部60を備えたことを特徴とする。
第8の実施形態と同一の構成要素についてはその説明を省略する。
ユーザ端末1a−10は、図27の「元に戻す」ボタンが押下されると、下記(22)の形式で描画処理要求を発行する。
http://somewhere/canvas?cmd=undo ・・・(22)
【0183】
サーバ装置2−6は、描画処理要求を受け付けると、一次記憶部15a(スタック)から直前の交差画像情報を取得し、交差画像情報を含む応答情報を生成する。この応答情報は例えば、JSON形式であれば、下記(23)のような形式で指定しても良い(ここでは交差画像情報pos1((x1,y1),(x2,y2))、pos2((x3,y3),(x4,y4))が直前に削除されたとする)。
["cmd":"undo", "result":[["id":pos1,"pos":[[x1,y1],[x2,y2]]],["id":pos2,"pos":[[x3,y3],[x4,y4]]]]] ・・・(23)
【0184】
もし、サーバ装置2−6が描画処理要求を受け付けなければ、ユーザ端末1a−10は、削除入力が含まれるかを判別し、含まれれば描画処理要求に含まれる交差画像情報を一次記憶(スタック)部15aに保存する。
以降の処理は第11の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0185】
以上説明したように、本実施形態では、削除したストロークを復元することができ、操作ミスで削除してしまった場合でも容易に復元することができる。
【0186】
<ハードウェア構成>
以上の各実施形態に係るユーザ端末1、サーバ装置2の基本的なハードウェア構成を説明する。
【0187】
ユーザ端末1は、会議の各参加者が情報の参照や入力、編集等を行うためにそれぞれ使用する情報処理装置100であって、デスクトップ型パーソナルコンピュータやノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)と称される携帯用情報端末等が適用される。なお、ここではノート型パーソナルコンピュータを例に、ユーザ端末1のハードウェア構成(情報処理装置に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック構成)について図36を参照して説明する。図36は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100(ユーザ端末1)のハードウェア構成図である。
【0188】
図36に示すように、情報処理装置100(ユーザ端末1)は、システム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、起動プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)102と、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103とを備えたコンピュータ構成とされ、文字・数値・各種指示等の入力を行うためのキーボード104と、ポインティング・デバイス105と、ハードディスク106と、LCD(Liquid Crystal Display)であるディスプレイ等の表示部107と、ネットワーク3に接続するためのネットワークI/F108と、上記各部を接続するためのバス109とを備える。
【0189】
ポインティング・デバイス105は、一般的にカーソルの移動や範囲選択等を行うためのマウスやタッチパッド、トラックボール等であることはもちろんであるが、本発明では特に、座標検出を行う情報入力部である。
【0190】
例えば、マウスのようなポインティング・デバイスを座標検出装置として認識し、入力動作イベントとして、「マウスボタンダウン」が入力開始、「マウスボタンアップ」が入力終了、「マウスボタンダウン&ムーブ」が入力したまま移動(ストローク)の各イベントに対応するものとする。
【0191】
座標検出を行う情報入力部は、マウスの他、例えば、指先やペン等の指示手段で指示された座標検出領域内の座標位置を検出する情報入力部でも良い。また、当該情報入力部が、表示部として機能するディスプレイの表示面側に位置するようにして一体化されたタッチパネル形式の情報入出力部(1つの面が情報を表示(出力)する面及び入力(書き込み)する面として機能)でも良い。
【0192】
座標検出には、光遮蔽式(特開2000−105671号公報)、指示手段を挿入することで座標検出領域内の光束を反射してその指示位置を検出する光反射方式、座標検出領域内の指示手段をカメラで撮像してその指示位置を検出するカメラ撮像方式、LEDアレイ方式、超音波弾性波方式、アナログ容量結合方式、感圧方式等を適用することも可能である。
【0193】
ハードディスク106には、オペレーティング・システム(OS)110、描画ソフト・ワードプロセッサソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフト等の各種アプリケーションプログラム(AP)111等が記憶されている。
【0194】
サーバ装置2は、各ユーザ端末からの入力情報を共有化する情報処理装置200である。サーバ装置2のハードウェア構成(情報処理装置に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック構成)について図37を参照して説明する。図37は、本発明の実施形態に係る情報処理装置200(サーバ装置2)のハードウェア構成図である。
【0195】
図37に示すように、情報処理装置200(サーバ装置2)は、システム全体を制御するCPU201と、起動プログラム等を記憶したROM202と、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203とを備えたコンピュータ構成とされ、文字・数値・各種指示等の入力を行うためのキーボード204と、マウス205と、ハードディスク206と、表示部207と、ネットワーク3に接続するためのネットワークI/F208と、上記各部を接続するためのバス209とを備える。
【0196】
ハードディスク206には、オペレーティング・システム(OS)210、描画ソフト・ワードプロセッサソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフト等の各種アプリケーションプログラム(AP)211等が記憶されている。
【0197】
<プログラム>
なお、各図のフローチャートに示す処理を、各CPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。このプログラムを記録する記録媒体としては、半導体記憶部や光学的及び/又は磁気的な記憶部等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した各実施形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0198】
以上、本発明を好適な実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0199】
1a−1〜1a−11、1b〜1n ユーザ端末
2−1〜2−6 サーバ装置
3 ネットワーク
11 入力受付部
12 表示部
13 交差画像情報取得部
14 配信要求生成部
15 記憶部
15a 一次記憶部
16 移動速度算出部
21 配信要求受付部
22 ストローク分割部
23 応答生成部
24 記憶部
25、57 削除領域生成部
26 描画処理要求受付部
27 ストローク削除部
51 ストローク分割部
56 移動長算出部
59 閉曲線算出部
60 ストローク復元部
100 情報処理装置(ユーザ端末1)
200 情報処理装置(サーバ装置)
101、201 CPU
102、202 ROM
103、203 RAM
104、204 キーボード
105 ポインティング・デバイス
205 マウス
106、206 ハードディスク
107、207 表示部
108、208 ネットワークI/F
109、209 バス
110、210 オペレーティング・システム(OS)
111、211 各種アプリケーションプログラム(AP)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0200】
【特許文献1】特許第4053378号公報
【特許文献2】特許第3789946号公報
【特許文献3】特開平11−96387号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する交差画像情報取得手段と、
前記入力受付手段で受付けた入力情報と、前記受付けた入力情報が削除入力情報の場合は前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割する分割手段と、
を備えることを特徴とするユーザ端末装置。
【請求項2】
前記削除入力のモーションを算出するモーション算出手段を備え、
前記モーション算出手段で算出されたモーションに応じて前記交差画像に関する情報を削除することを特徴とする請求項1記載のユーザ端末装置。
【請求項3】
前記モーション算出手段は、前記削除入力の移動速度を算出し、
入力が削除入力の場合、前記移動速度に応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、
前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割することを特徴とする請求項2に記載のユーザ端末装置。
【請求項4】
移動速度が予め決められた上限を超えているか否かを判別する速度上限判別手段を備え、
前記削除領域生成手段は、前記速度上限判別手段で判別された結果に従った大きさの削除領域を生成することを特徴とする請求項3に記載のユーザ端末装置。
【請求項5】
前記モーション算出手段は、前記削除入力のストロークの長さを算出し、
入力が削除入力の場合、前記ストロークの長さに応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、
前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割することを特徴とする請求項3に記載のユーザ端末装置。
【請求項6】
前記ストロークの長さを予め決められた複数段階に判別するストローク長判別手段を備え、
前記削除領域生成手段は、前記ストローク長判別手段で判別された結果に従った大きさの削除領域を生成することを特徴とする請求項5に記載のユーザ端末装置。
【請求項7】
前記モーション算出手段は、前記削除入力が閉曲線を形成するか否かを算出し、
入力が削除入力かつ、前記削除入力が閉曲線である場合に、前記閉曲線に含まれる前記交差画像情報の全ての座標を削除することを特徴とする請求項3に記載のユーザ端末装置。
【請求項8】
入力が削除入力の場合、前記削除交差画像に関する座標のうち削除される部分の色を、描画入力および削除入力とは異なる色で表示することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載のユーザ端末装置。
【請求項9】
前記削除入力により削除されたストロークを復元する復元手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載のユーザ端末装置。
【請求項10】
1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの描画情報を前記サーバ装置で処理する描画処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する交差画像情報取得手段と、
前記入力受付手段で受付けた入力情報と、前記受付けた入力が削除入力に関する情報の場合は前記交差画像情報とを含む描画処理要求を生成する描画処理要求生成手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末から前記描画処理要求を受け付ける描画処理要求受付手段と、
前記描画処理要求の応答情報を生成する応答生成手段と、
前記受け付けた描画処理要求に含まれる入力情報が削除入力に関する情報の場合は、前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割する分割手段と、
を備えることを特徴とする描画処理システム。
【請求項11】
1以上のユーザ端末と、サーバとが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの情報を前記サーバで共有化する描画処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する交差画像情報取得手段と、
前記入力受付手段で受付けた入力情報と、前記受付けた入力が削除入力の場合は前記交差画像情報と、を含む配信要求を生成する配信要求生成手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末から前記配信要求を受け付ける配信要求受付手段と、
前記配信要求に従い、接続している全ユーザ端末に配信するための応答情報を生成する応答生成手段と、
前記受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、前記削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割する分割手段と、
を備えることを特徴とする描画処理システム。
【請求項12】
前記入力の情報とは、座標データであることを特徴とする請求項10または11に記載の描画処理システム。
【請求項13】
前記削除入力と交差する描画入力の情報とは、前記描画入力の外接領域内に、前記削除入力を構成するいずれかの座標を含む描画入力の情報であることを特徴とする請求項10から12の何れか一項に記載の描画処理システム。
【請求項14】
前記削除領域とは、前記削除入力を構成する座標であって一定間隔毎の連続する2点毎に生成される矩形領域であることを特徴とする請求項10から請求項13の何れか一項に記載の描画処理システム。
【請求項15】
前記分割手段は、前記交差画像情報の座標のうち、前記削除領域に含まれる座標のみ削除することを特徴とする請求項10から14の何れか一項に記載の描画処理システム。
【請求項16】
1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの描画情報を前記サーバ装置で処理する前記描画処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記削除入力のモーションを算出するモーション算出手段を備え、
前記配信要求生成手段は、前記受付けた入力が削除入力の場合は、さらに前記モーションの情報を含む配信要求を生成し、
前記描画装置は、
前記受け付けた配信要求に前記モーションの情報が含まれていた場合は、前記モーションに応じて前記交差画像を削除することを特徴とする描画処理システム。
【請求項17】
前記ユーザ端末は、
前記モーション算出手段は、前記削除入力の移動速度を算出し、
前記描画装置は、
前記移動速度に応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、
前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割することを特徴とする請求項16に記載の描画処理システム。
【請求項18】
前記ユーザ端末は、
前記モーション算出手段は、前記削除入力の移動速度を算出し、
前記描画装置は、
前記移動速度が予め決められた上限を超えているか否かを判別する速度上限判別手段を備え、
前記速度上限判別手段で判別された結果に従った大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備えたことを特徴とする請求項17に記載の描画処理システム。
【請求項19】
前記ユーザ端末は、
前記モーション算出手段は、前記削除入力のストロークの長さを算出し、
前記描画装置は、
前記ストロークの長さに応じた大きさの削除領域を生成する削除領域生成手段を備え、
前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割することを特徴とする請求項16に記載の描画処理システム。
【請求項20】
前記ユーザ端末は、
前記モーション算出手段は、前記削除入力のストロークの長さを算出し、
前記描画装置は、
前記ストロークの長さを予め決められた複数段階に判別するストローク長判別手段を備え、
前記分割手段は、前記生成した削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割することを特徴とする請求項19に記載の描画処理システム。
【請求項21】
前記ユーザ端末は、
前記描画装置は、
前記削除入力が閉曲線である場合に、前記閉曲線に含まれる前記交差画像情報の全ての座標を削除することを特徴とする請求項16に記載の描画処理システム。
【請求項22】
前記ユーザ端末は、入力が削除入力の場合、前記削除交差画像情報の座標のうち削除される部分を、描画入力、および削除入力と異なる色で表示することを特徴とする請求項10から請求項21の何れか一項に記載の描画処理システム。
【請求項23】
前記削除入力により削除されたストロークの復元指示を受け付ける、復元指示受付手段を備え、
前記配信要求生成手段は、前記復元指示を含む配信要求を生成し、
前記描画処理装置は、
前記復元指示に従い、前記座標を復元する削除復元手段を備えたことを特徴とする請求項10から請求項22の何れか一項に記載の描画処理システム。
【請求項24】
描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付けるステップと、
前記削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得するステップと、
前記受付けた入力情報と、前記受付けた入力情報が削除入力情報の場合は前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割するステップと、
を備えることを特徴とする描画処理方法。
【請求項25】
1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの情報を前記サーバ装置で共有化する描画処理方法であって、
前記ユーザ端末は、
描画入力若しくは削除入力を受け付けるステップと、
前記削除入力を受付けた場合に、前記削除入力と交差する描画入力の情報を交差画像情報として取得するステップと、
受け付けた入力情報と、前記削除入力を受け付けた場合は前記交差画像情報と、を含む配信要求を生成するステップと、
前記配信要求を前記サーバ装置へ送信するステップと、を備え、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末から前記配信要求を受け付けるステップと、
前記受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、前記削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割するステップと、
前記配信要求の応答情報を生成するステップと、を備えることを特徴とする描画処理方法。
【請求項26】
描画入力に関する情報若しくは削除入力に関する情報を受け付ける処理と、
前記削除入力に関する情報を受付けた場合に、前記削除入力に関する情報と交差する描画入力に関する情報を交差画像に関する情報として取得する処理と、
前記受付けた入力情報と、前記受付けた入力情報が削除入力情報の場合は前記削除入力に関する情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像を分割する処理と、
をユーザ端末装置であるコンピュータに実行させることを特徴とする描画処理プログラム。
【請求項27】
1以上のユーザ端末と、サーバ装置とが、ネットワークを介して接続され、各ユーザ端末からの情報を前記サーバ装置で共有化する描画共有システムの描画処理プログラムであって、
前記ユーザ端末は、
描画入力若しくは削除入力を受け付ける処理と、
前記削除入力を受付けた場合に、前記削除入力と交差する描画入力の情報を交差画像情報として取得する処理と、
受け付けた入力情報と、前記削除入力を受け付けた場合は前記交差画像情報と、を含む配信要求を生成する処理と、
前記配信要求を前記サーバ装置へ送信する処理と、を前記ユーザ端末であるコンピュータに実行させ、
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末から前記配信要求を受け付ける処理と、
前記受け付けた配信要求に含まれる入力情報が削除入力情報の場合は、前記削除入力情報から算出される削除領域に含まれる部分のみ削除するよう前記交差画像情報を分割する処理と、
前記配信要求の応答情報を生成する処理と、を前記サーバ装置であるコンピュータに実行させることを特徴とする描画処理プログラム。
【請求項28】
請求項26または27記載の描画処理プログラムの処理を記録するコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−129092(P2011−129092A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186567(P2010−186567)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】