説明

揮散用容器

【課題】吸上げ芯及び揮散板を備え、使用前は確実に液の揮散を防止でき、使用に当たっては簡単な操作で液の揮散が可能な状態とすることができる揮散用容器を提案する。
【解決手段】容器体口頸部12の上端開口を閉塞する頂板部21に穿設した吸上げ芯貫通用の窓孔22に上端部を嵌着し、下端部を容器体A内に垂下させた吸上げ芯B2と、吸上げ芯B2からの液を揮散窓より揮散する吸上げ芯B2上の揮散板B3とを備えてなる揮散用容器であり、吸上げ芯B2の上端面周縁のキャップ本体B1に剥離可能に一端部を固着させるとともに、固着部分上に折り返した二重層部分60を介して他端を揮散用キャップB外方へ引き出しが可能に突出させた隔離テープB5を設けて吸上げ芯B2と揮散板B3とを隔離し、揮散板B3をキャップ本体B1に対して上下動可能に遊嵌させて隔離テープB5の離脱後に吸上げ芯B2と揮散板B3とが接触する如く構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は揮散用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
揮散用容器として、吸上げ芯と,揮散板を備えたものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記特許文献1に記載された揮散用容器としての液体芳香剤容器は、胴部上端から肩部を介して口頸部を起立する容器体と、口頸部に嵌合させた嵌合筒から内向きフランジを介して保持筒を適当長さ垂下すると共に、保持筒の内面に吸上げ芯としての棒状吸湿材を抜け出し不能に挿通させて、該棒状吸湿材の下端を容器体底部まで垂下すると共に、上端を口頸部上方まで起立した吸上げ体と、容器体胴部の上端外面に頂壁周縁から垂設した周壁の下端部を嵌着させ、頂壁及び周壁の一方乃至双方に複数の芳香放出孔を穿設したキャップと、キャップ周壁の上部内面に嵌合させた揮散板としての板状吸湿材とを備え、棒状吸湿部の上端面を板状吸湿材下面へ当接させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−178810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記液体芳香剤容器は容器体内に収納した液を棒状吸湿材を介して板状吸湿材へ吸上げ、板状吸湿材から芳香剤を気化させて芳香をキャップの芳香剤放出孔から放出することができる優れたものである。一方、従来のこの種の容器の多くは、キャップ全体を外した内側に中栓があり、その中栓を外してから再度キャップを設置することで使用を開始する構造となっているが、この方法は外す際に力が必要であり、高齢者や力の弱い人では非常にあけ難く、甚だしい場合にあけられないという不都合があった。
【0006】
本発明では、この様な吸上げ芯及び揮散板を備えた揮散用容器に於いて、使用前は確実に液の揮散を防止でき、使用に当たっては簡単な操作で液の揮散が可能な状態とすることができる揮散用容器を提案する。また、容器体内液を使用後は、簡単な操作で容器体のみの交換を行うことで主要部は長期に亘り使用できる揮散用容器を提案する。更に、組み付け操作が容易な揮散用容器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、口頸部12を起立した容器体Aと、容器体Aに着脱可能に装着した揮散用キャップBとを備え、揮散用キャップBは、口頸部12の上端開口を閉塞する頂板部21に穿設した吸上げ芯貫通用の窓孔22に上端部を嵌着し、下端部を容器体A内に垂下させた吸上げ芯B2と、吸上げ芯B2からの液を揮散窓より揮散する吸上げ芯B2上の揮散板B3とを備えてなる揮散用容器に於いて、吸上げ芯B2の上端面周縁のキャップ本体B1に剥離可能に一端部を固着させるとともに、固着部分上に折り返した二重層部分60を介して他端を揮散用キャップB外方へ引き出しが可能に突出させた隔離テープB5を設けて吸上げ芯B2と揮散板B3とを隔離し、揮散板B3をキャップ本体B1に対して上下動可能に遊嵌させて隔離テープB5の離脱後に吸上げ芯B2と揮散板B3とが接触する如く構成した。
【0008】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、口頸部12を起立した容器体Aと、容器体Aに装着した揮散用キャップBとを備え、揮散用キャップBは、口頸部12外周に嵌合させた装着筒20を頂板部21裏面より垂設するとともに、頂板部21の外周縁より上下に周壁部26を延設し、且つ、頂板部21の中央部に吸上げ芯貫通用の窓孔22を穿設したキャップ本体B1と、キャップ本体B1の外周上部に嵌合させた周壁40上端縁より頂壁41を延設し、且つ、揮散窓を備えた蓋体B4と、吸上げ芯貫通用の窓孔22に上端を嵌着させるとともに、下端を容器体A内に垂下させた吸上げ芯B2と、吸上げ芯B2からの液を揮散窓より揮散する揮散板B3とを備えた揮散用容器に於いて、吸上げ芯B2の上端面周縁のキャップ本体B1に剥離可能に一端部を固着させるとともに、固着部分上に折り返した二重層部分60を介して他端をキャップ本体B1の周壁部26に穿設したテープ取出窓32より揮散用キャップB外方へ引き出しが可能に突出させた隔離テープB5を設けて吸上げ芯B2と揮散板B3とを隔離し、揮散板B3をキャップ本体B1に対して上下動可能に遊嵌させて隔離テープB5の離脱後に吸上げ芯B2と揮散板B3とが接触する如く構成した。
【0009】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段又は第2の手段のいずれかの手段に於いて、頂板部21の少なくとも周縁部に帯状凹部33を設けて揮散板B3と隔離テープB5との間に隙間を設けた。
【0010】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれかの手段に於いて、揮散板B3を常時下方へ付勢させた。
【0011】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第4の手段に於いて、蓋体B4の頂部より下方へ一体に延設したコイルスプリング35の下端縁より常時揮散板B3上面を下方へ付勢させた。
【0012】
第6の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第4の手段に於いて、キャップ本体B1の周壁部26より中央に向かって周方向複数の弾性腕36を延設し、各弾性腕36の各先端に連結した押圧板部37により常時揮散板B3上面を下方へ付勢させた。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、隔離テープB5の存在で使用前は吸上げ芯B2と揮散板B3とを隔離して確実に液の揮散を防止でき、一方、使用に当たっては、隔離テープB5を取り除くという極めて簡単な操作により液の揮散が可能な状態とすることができる。この際揮散板B3はキャップ本体B1に対して上下動が可能に遊嵌させているため、隔離テープB5を取り除いた後自動的に下降して吸上げ芯B2と接触するため、この点においても取り扱い操作が容易である。また、揮散用キャップBは容器体Aに対して着脱可能に構成されているため、容器体内の液を使用後は、容器体のみの交換を行うことで主要部は長期に亘り使用できるという利点もある。
【0014】
頂板部21の少なくとも周縁部に帯状凹部33を設けて揮散板B3と隔離テープB5との間に隙間を設けた場合には、隔離テープB5の引き出しの際に隔離テープB5と揮散板B3との接触部分を極力少なくして摩擦力を小さくし、隔離テープB5をより簡単に取り外すことができる。また、特に揮散板B3を常時下方へ付勢させている場合には、剥離テープB5の取り外しに当たり、剥離テープB5の外方突出部分を上方に持ちあげつつ引くことで、揮散板B3の後端部を上昇させて固着部分の揮散板B3(間接的には付勢力)による押圧を極力回避しながらの固着部分の剥離が可能となり、より容易な剥離テープB5の取り外しが可能となる。但しその場合には、揮散板B3の後端部が上昇する構造が必要であり、例えば、下向き段部と揮散板B3との間の隙間がある構造とする。
【0015】
揮散板B3を常時下方へ付勢させた場合には、揮散板B3をキャップ本体B1に対して上下動が可能に遊嵌させていることに加えて付勢力の存在で、隔離テープB5を取り除いた後の吸上げ芯B2と揮散板B3とが接触をより確実に行える。特に、蓋体B4の頂部より下方へ一体に延設したコイルスプリング35の下端縁より常時揮散板B3上面を下方へ付勢させた場合には、一体に形成できる利点があり、また、キャップ本体B1の周壁部26より中央に向かって周方向複数の弾性腕36を延設し、各弾性腕36の各先端に連結した押圧板部37により常時揮散板B3上面を下方へ付勢させた場合にも同様に一体に成形できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】揮散用容器の一部切欠側面図である。(実施例1)
【図2】揮散用容器の要部説明斜視図である。(実施例1)
【図3】揮散用容器の要部説明斜視図である。(実施例1)
【図4】揮散用容器の使用状態の一部切欠側面図である。(実施例1)
【図5】揮散用容器の一部切欠側面図である。(実施例2)
【図6】揮散用容器の使用状態の一部切欠側面図である。(実施例2)
【図7】揮散用容器の一部切欠側面図である。(実施例3)
【図8】揮散用容器の使用状態の一部切欠側面図である。(実施例3)
【図9】揮散用容器の弾性腕部分の説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1乃至図4は揮散用容器1の一例を示し、揮散用容器1は、容器体Aと、揮散用キャップBとを備えている。
【0019】
容器体Aは合成樹脂製で、有底筒状の胴部10の上端より肩部11を介して口頸部12を起立している。
【0020】
揮散用キャップBは、キャップ本体B1と、吸上げ芯B2と、揮散板B3と、蓋体B4と、隔離テープB5とを備えている。
【0021】
キャップ本体B1は合成樹脂製で、口頸部12外周に螺着した装着筒20を頂板部21下面より垂設している。頂板部21の中央の容器体A内と連通する位置には吸上げ芯貫通用の窓孔22を穿設している。吸上げ芯貫通用の窓孔22周縁から上方へ短筒23を起立し、下方へ周方向複数の円弧板状をなす脚部24を垂設している。頂板部21は周縁部が傾斜部21a を介して、その上面が短筒23の上面と同レベルまで上昇させている。また、装着筒20と脚部24との間の頂板部21下面から垂設したシール筒25を口頸部12内周に気密,液密に嵌合させている。
【0022】
頂板部21の外周縁より上下に周壁部26を延設している。頂板部21下方の下部周壁部26a はその下端を容器体Aの肩部11外周縁上に垂下しており、一方頂板部21上方の上部周壁部26b は、外周下部に二段の第1上向き段部27,第2上向き段部28を設けてその上部を縮径し、また、第2上向き段部28より僅かに下方位置の内部に下向き段部29を設けている。また、下向き段部29上方の上部周壁部26b には周方向多数の縦長の揮散窓30を穿設している。更に、周壁部26の上端部内周には蓋体B4を多段に係止する際の係合手段を構成する係合突条31を周設している。尚、本例ではキャップ本体B1を二部材で構成している。
【0023】
吸上げ芯B2は、容器体A内の液を含浸して吸上げ、揮散板B3に含浸させるためのもので、上端部を吸上げ芯貫通用の窓孔22から短筒23内に、その上端面と短筒23の上端面が同じ状態で嵌合させ、下端を容器体A内の底部に垂下している。また、その材質としては、天然紙,合成紙等の紙類、或いは繊維束、或いはフェルト,合成樹脂発泡体などを含む多孔質材、その他従来この種の吸上げ芯に使用されている材質が使用可能である。
【0024】
揮散板B3は、吸上げ芯B2から吸上げられる容器体A内の液を含浸し、揮散させるためのもので、下向き段部29部分に周縁部を上下の移動が可能な状態で遊嵌させた板状をなしている。また、その材質としては、天然紙,合成紙などの紙類或いはフェルト,合成樹脂発泡体などを含む多孔質部材、その他従来この種の揮散板に使用されている材質を採用できる。
【0025】
蓋体B4は合成樹脂により形成され、下端を第1上向き段部27上に位置させてキャップ本体B1の上部周壁部26b 外周を囲繞した周壁40の上端縁より頂壁41を延設した伏せ皿状をなし、周壁40には縦長な揮散窓42を周方向多数縦設しており、頂壁41にも放射状に複数の揮散窓43を穿設している。また、頂壁41の裏面周縁部の対向位置に一対の係止板44を垂設している。各係止板44は上記したキャップ本体B1の係合突条31とで係合手段を構成するもので、各係止板44には所定の間隔で複数の係止突条45を横設しており、キャップ本体B1の係合突条31を各係止突条45に強制的に乗り越えさせてその下面に係合させることで、蓋体B4を所定の上昇位置に係止できる如く構成している。
【0026】
隔離テープB5は合成樹脂等で形成され、吸上げ芯B2と揮散板B3との間に介在させて両者を隔離し、使用時には取り除くもので、吸上げ芯B2の上端面周縁のキャップ本体B1に剥離可能に一端部を固着させるとともに、固着部分上に折り返した二重層部分60を介して他端を揮散用キャップB外方へ引き出しが可能に突出させている。本例では、図1及び図3に示す如く、吸上げ芯B2周囲の短筒23上面と隔離テープB5端部裏面とを固着している。隔離テープB5一端部の吸上げ芯B2の上端面周囲のキャップ本体B1への固着手段としては、例えば、極めて弱い接着強度の接着或いは溶着等を採用することができる。
【0027】
この場合の隔離テープB5の装着状況は、図1及び図2に示す如く、キャップ本体B1後部の上部周壁部26b に、その上部から頂板部21より僅かに下方位置までのテープ取出窓32を開口しており、テープ取出窓32と連続する頂板部21の後端部にはテープ取出窓32の底面と同レベルの底面を備えた帯状凹部33を凹設しており、これらのテープ取出窓32及び帯状凹部33の横幅は隔離テープB5の横幅より若干大きく形成している。そして、固着部分上に折り返した二重層部分60に於いて、吸上げ芯B2と揮散板B3とを確実に隔離し、他端を帯状凹部33,テープ取出窓32を介して下部周壁部26a 外面に折り曲げ、他端部に設けた係止孔61を下部周壁部26a 外面に突設した係止突起34に嵌合させて係止している。
【0028】
上記の如く構成した揮散用容器1は、例えば、キャップ本体B1の頂板部21を構成する部材に吸上げ芯B2を嵌着するとともに隔離テープB5を固着し、更に、揮散板B3を載置したものを、キャップ本体B1の周壁部26等を構成する部材に嵌合させて組み付けを行える。その際、テープ取出窓32を上部周壁部26b の上部から頂壁部26まで大きく開口しているため、隔離テープB5を吸上げ芯B2側に弯曲した状態で容易に組み付け操作を行える。
【0029】
使用前の運搬,保管時等は図1の状態であり、容器体A内の揮散液はキャップ本体B1と隔離テープB5により気密,液密にシールされており、また、この際吸上げ芯B2と揮散板B3とは隔離テープB5により完全に非接触状態を維持し、液密状態を維持する。
【0030】
使用する際は、図1の状態から隔離テープB5の他端部を係止突起34から外した後、外方へ引き出せば、隔離テープB5を容易に取り外すことができる。この際、揮散板B3が自重で下降し、その下面と吸上げ芯B2上端面とが当接し、吸上げ芯B2を介して揮散板B3に揮散液が含浸される。揮散板B3に含浸された揮散液は、キャップ本体B1の揮散窓30及び蓋体周壁40の揮散窓42或いはキャップ本体頂壁41の揮散窓43から外部へ揮散される。
【0031】
揮散量を変化させたい場合には、キャップ本体B1に対して蓋体B4を上方へスライドさせ、キャップ本体B1の係合突条31を係止板44の係止突条45に係合させて所定の高さに蓋体B4を維持させることができる。
【0032】
図5乃至図8は他の例を示し、図1の例に於いて、揮散板B3を常時下方へ付勢させた例を示す。図5及び図6では、蓋体B4の頂壁41に円形状の揮散窓43を開口し、揮散窓43の周縁から一体に延設した樹脂製のコイルスプリング35の下端を揮散板B3上面に圧接して常時揮散板B3を下方へ付勢させている。コイルスプリング35の下端には押圧板38を一体に形成しており、該押圧板38により揮散板B3の中央を下方へ押圧している。尚、押圧板38の存在がなくコイルスプリング35の下端部を水平のリング状に形成してそのリングにより揮散板B3の中央を下方へ押圧する如く構成しても良い。また、本例の場合、コイルスプリング35の存在で蓋体B4が常時上方へ押し上げられているため、キャップ本体B1の係合突条31と係止板44の係止突条45と係合が、係合突条31の下面に係止突条45が係合する状態である必要がある。図1の例の場合には、係合突条31と係止突条45とがそれぞれ対向する壁面との摩擦力で係止される状態を採っており、係合突条31と係止突条45の位置はあくまで適当位置を認識するために設けている。従って、図1の例に図5の例の係合突条31と係止突条45の配置を採用しても良い。その他の構成は図1の例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0033】
図7及び図8の例では、図1の例に於いて、キャップ本体B1の周壁部26より中央に向かって周方向等間隔に4本の弾性腕36を一体に延設し、各弾性腕36の各先端に連結した押圧板部37により常時揮散板B3上面を下方へ付勢させている。この場合の係合突条31と係止突条45とは図5の例の構成を採用した。その他の構成は図1の例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。尚、揮散板B3を常時下方へ付勢させる例として、上記した蓋体B4やキャップ本体B1と一体に形成した弾性材を使用する場合に限らず、これらの別体の弾性材、例えば金属製のコイルスプリングを使用しても良い。
【符号の説明】
【0034】
1…揮散用容器
A…容器体
10…胴部,11…肩部,12…口頸部
B…揮散用キャップ
B1…キャップ本体
20…装着筒,21…頂板部,21a …傾斜部,22…吸上げ芯貫通用の窓孔,
23…短筒,24…脚部,25…シール筒,26…周壁部,
26a …下部周壁部,26b …上部周壁部,27…第1上向き段部,
28…第2上向き段部,29…下向き段部,30…揮散窓,31…係合突条,
32…テープ取出窓,33…帯状凹部,34…係止突起,35…コイルスプリング, 36…弾性腕,37…押圧板部,38…押圧板
B3…揮散板
B4…蓋体
40…周壁,41…頂壁,42…揮散窓,43…揮散窓,44…係止板,45…係止突条
B5…隔離テープ
60…二重層部分,61…係止孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口頸部12を起立した容器体Aと、容器体Aに着脱可能に装着した揮散用キャップBとを備え、揮散用キャップBは、口頸部12の上端開口を閉塞する頂板部21に穿設した吸上げ芯貫通用の窓孔22に上端部を嵌着し、下端部を容器体A内に垂下させた吸上げ芯B2と、吸上げ芯B2からの液を揮散窓より揮散する吸上げ芯B2上の揮散板B3とを備えてなる揮散用容器に於いて、吸上げ芯B2の上端面周縁のキャップ本体B1に剥離可能に一端部を固着させるとともに、固着部分上に折り返した二重層部分60を介して他端を揮散用キャップB外方へ引き出しが可能に突出させた隔離テープB5を設けて吸上げ芯B2と揮散板B3とを隔離し、揮散板B3をキャップ本体B1に対して上下動可能に遊嵌させて隔離テープB5の離脱後に吸上げ芯B2と揮散板B3とが接触する如く構成したことを特徴とする揮散用容器。
【請求項2】
口頸部12を起立した容器体Aと、容器体Aに装着した揮散用キャップBとを備え、揮散用キャップBは、口頸部12外周に嵌合させた装着筒20を頂板部21裏面より垂設するとともに、頂板部21の外周縁より上下に周壁部26を延設し、且つ、頂板部21の中央部に吸上げ芯貫通用の窓孔22を穿設したキャップ本体B1と、キャップ本体B1の外周上部に嵌合させた周壁40上端縁より頂壁41を延設し、且つ、揮散窓を備えた蓋体B4と、吸上げ芯貫通用の窓孔22に上端を嵌着させるとともに、下端を容器体A内に垂下させた吸上げ芯B2と、吸上げ芯B2からの液を揮散窓より揮散する揮散板B3とを備えた揮散用容器に於いて、吸上げ芯B2の上端面周縁のキャップ本体B1に剥離可能に一端部を固着させるとともに、固着部分上に折り返した二重層部分60を介して他端をキャップ本体B1の周壁部26に穿設したテープ取出窓32より揮散用キャップB外方へ引き出しが可能に突出させた隔離テープB5を設けて吸上げ芯B2と揮散板B3とを隔離し、揮散板B3をキャップ本体B1に対して上下動可能に遊嵌させて隔離テープB5の離脱後に吸上げ芯B2と揮散板B3とが接触する如く構成したことを特徴とする揮散用容器。
【請求項3】
頂板部21の少なくとも周縁部に帯状凹部33を設けて揮散板B3と隔離テープB5との間に隙間を設けた請求項1又は請求項2のいずれかに記載の揮散用容器。
【請求項4】
揮散板B3を常時下方へ付勢させた請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の揮散用容器。
【請求項5】
蓋体B4の頂部より下方へ一体に延設したコイルスプリング35の下端縁より常時揮散板B3上面を下方へ付勢させた請求項4記載の揮散用容器。
【請求項6】
キャップ本体B1の周壁部26より中央に向かって周方向複数の弾性腕36を延設し、各弾性腕36の各先端に連結した押圧板部37により常時揮散板B3上面を下方へ付勢させた請求項4記載の揮散用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−195445(P2010−195445A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44602(P2009−44602)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】