揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部
【課題】組立てが容易で、かつロボット化した機械の使用で組立てが可能な、揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材の組立部を提供する。
【解決手段】プラグ(4)は、電気ソケットと接続するための複数の導電性電極(41、241)を設けた本体(40)を備える。また、加熱部材(2)は、電気配線(42)によって該プラグの電極(41、241)と接続された少なくとも1つの電気加熱部材(電気抵抗)(23)を設けた本体(20)を備える。上記加熱部材の本体(20)は、揮発性物質を含浸させた芯を受ける収納部(22、222)を備える。
少なくとも1つのブリッジ(5、205、305)が、プラグの本体(40)を加熱部材の本体(20)に連結し、加熱部材本体(20)に対するプラグ本体(40)の並行運動を防止する。
【解決手段】プラグ(4)は、電気ソケットと接続するための複数の導電性電極(41、241)を設けた本体(40)を備える。また、加熱部材(2)は、電気配線(42)によって該プラグの電極(41、241)と接続された少なくとも1つの電気加熱部材(電気抵抗)(23)を設けた本体(20)を備える。上記加熱部材の本体(20)は、揮発性物質を含浸させた芯を受ける収納部(22、222)を備える。
少なくとも1つのブリッジ(5、205、305)が、プラグの本体(40)を加熱部材の本体(20)に連結し、加熱部材本体(20)に対するプラグ本体(40)の並行運動を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱型拡散デバイスは、一般に、加熱部材を備える。該加熱部材はプラスチック製、あるいはセラミック製の支持台を備える。該支持台の中には複数の電気抵抗が挿入してあり、電流が流れることで温度が上昇する。
【0003】
上記加熱部材は、シェル型容器に収めた、拡散させる溶液に浸漬した芯に連結されている。または、その拡散させる溶液を含浸させたタブレットに連結されている。該加熱部材の電気抵抗は、電気配線で電気プラグの複数の電極に接続されている。該電極は、主電源に接続された電気ソケットと嵌合可能である。該電気プラグの本体を、加熱部材を供えたシェル型容器の本体に繋げば、該拡散装置の組立てが完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、加熱部材とプラグとは、電気配線だけで相互に接続されている。上記の電気配線は柔軟なので、プラグに対する加熱部材の動きの自由度は高い。この結果、プラグとシェル型容器との間の機械的な連結は、多少複雑で手間がかかる。
【0005】
実際に、加熱部材のプラグに対する自由度は3であり、よって、加熱部材は、プラグ及び加熱部材組立部を扱ったり搬送したりする間にどんな方向にでも動くことができる、ということを考慮する必要がある。このような理由から、ロボット化した機械を使って、プラグをシェル型容器に取り付けることは困難である。なぜならば、このようなロボットには、加熱部材の、プラグに対する相対的な位置を把握できないからである。
【0006】
本発明の目的は、組立てが容易で、かつロボット化した機械の使用で組立てが可能な、揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材の組立部(assembly)を提供することで、先行技術の短所を解消することである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、経済的で嵩張らず、必要以上に多くのパーツや部材を付加する必要のない、拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの目的を達成し、その特徴は付属の独立請求項1に列挙する通りである。
【0009】
本発明がその長所を発揮できる実施形態は、従属項から明確である。
【0010】
揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部は、
・電気ソケットと接続するための複数の導電性電極を設けた本体を備えるプラグと、
・電気配線によって該プラグの電極と接続された少なくとも1つの電気加熱抵抗を設けた本体を備える加熱部材と、を備える。
【0011】
該加熱部材は、揮発性物質を含浸させたタブレットまたは芯の近くに、あるいは接触して設置され、該揮発性物質の拡散を促進するようになっている。
【0012】
本発明によれば、少なくとも、上記プラグの本体を上記加熱部材の本体に連結するブリッジが設けられ、加熱部材本体に対するプラグ本体の並行運動を防ぐことができる。
【0013】
即ち本発明に係る組立部(1、100、200、300)は、上記課題を解決するために、揮発性物質拡散デバイス用プラグ(4)と加熱部材(2)とを備える組立部(1、100、200、300)であって、該プラグ(4)は、電気ソケットと接続するための複数の導電性電極(41、241)を設けた本体(40)を備え、該加熱部材(2)は、電気配線(42)によって該プラグの電極(41、241)と接続された少なくとも1つの電気加熱抵抗(23)を設けた本体(20)を備え、上記加熱部材の本体(20)は、拡散させる揮発性物質を含浸させた支持台の近く、または該支持台に接触して設置されるようになっており、該組立部は、さらに、上記プラグの本体(40)を上記加熱部材の本体(20)に連結するブリッジ(5、205、305)を少なくとも1つ備え、上記加熱部材の本体(20)に対する上記プラグの本体(40)の並行運動を防ぐことを特徴としている。
【0014】
本発明に係る組立部(1、100、200、300)は、上記課題を解決するために、上記プラグの本体(40)が、上記拡散デバイスの外側シェルと回転可能に嵌合するための後部円形フランジ(43)を備えることが好ましい。
【0015】
本発明に係る組立部(1、100、300)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジが、上記プラグの本体及び及び/又は上記加熱部材の本体に対して回転可能に設けられていることにより、該加熱部材が該プラグに対して回転可能となっていることが好ましい。
【0016】
本発明に係る組立部(1、100、300)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(5、305)がその一端に円筒状ピン(54、354’)を備え、該円筒状ピンが、上記プラグの本体(40)の後部壁に形成された円筒状の穴(45)と回転可能に嵌合するものであり、上記プラグ(4)の軸と実質的に一致する該円筒状ピンに係る1の回転軸を規定できるものであることが好ましい。
【0017】
本発明に係る組立部(1、100、200)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(5、205)の一端が上記加熱部材の本体(20)と一体となっていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る組立部(300)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(305)は、加熱部材の本体及びプラグの本体に取り外し可能に設けられた端部(ピン)(354、354’)を備え、該端部(ピン)(354、354’)は、揮発性物質拡散デバイスを組み立てる前に取り外し可能であることが好ましい。
【0019】
本発明に係る組立部(1、100)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(5)が、補強リブ(51)を備えた真っ直ぐの棒形状であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る組立部(1、100)は、上記課題を解決するために、さらに矩形板を備えており、該矩形板(150)は上記ブリッジ(5)に連結しており、該矩形板(150)上にプリント回路基板(151)が固定され、該プリント回路基板(151)上には拡散デバイスの付加機能を実行するデバイスが設けられていることが好ましい。
【0021】
本発明に係る組立部(200)は、上記ブリッジ(205)は、上記プラグに対する上記加熱部材の相対運動を防ぐように上記プラグの本体(40)及び上記加熱部材の本体(20)と一体となっており、上記ブリッジ(205)は切断可能な脆弱部(206)を備えていることが好ましい。
【0022】
本発明に係る組立部(200)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(205)は実質的にL字型であり、上記切断可能な脆弱部(206)が上記L字の肘部に設置されていることが好ましい。換言すれば、L字形状のブリッジにおいて、該L字の肘部分が脆弱部として形成されているものであることが好ましい。
【0023】
本発明に係る組立部(200)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(205)は、複数のリブ(256、257)を、加熱部材本体の近傍及びプラグ本体の近傍とにリブが複数個設置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上述した構成を有するゆえに、プラグに対する加熱部材の相対運動という問題を解消することができる。このため、拡散デバイスの外側シェルの内側に上記のプラグ及び加熱部材組立部を簡単に設けることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のさらなる特徴は下記の詳細な記載によって明らかになる。下記に記載の実施形態は、本発明の例示にすぎず、したがって本発明をなんら制限するものではない。詳細な記載は、後述するように、付属の図面に図解してある。
【0026】
〔実施の形態1〕
本発明の揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部の第1の実施形態を、図1ないし図4に基づいて記載する。
【0027】
本組立部は、その全体を符号番号1で表し、加熱部材2とプラグ4とを備えている。
【0028】
加熱部材2は支持台または本体20を備える。この支持台または本体20は、プラスチック、セラミック製材料、あるいは、熱耐性と熱伝導の特徴を持った別の任意の電気的絶縁性材料で作ればよい。支持台(本体)20は、形状を平行六面体として図示しているが、円筒状、あるいはさらに別の形状でもよい。
【0029】
加熱部材2の支持台(本体)20は、円形の穴21を形成する円筒状中子22を備える。図示しないシェル型容器内の揮発性の溶液に浸漬した円筒状の芯(図示しない)が、加熱部材2の穴21の中に挿入されている。
【0030】
ここでは、具体的に、芯について述べているが、拡散させる物質を含浸させたタブレットを受ける座部を、加熱部材が有していてもよいことは明らかである。いずれの場合においても、該加熱部材は、その拡散させる物質を含浸させた支持台の近く、あるいは接触する位置に設けられる。
【0031】
加熱部材の支持台(本体)20内に複数の座部を形成して、そこに、電流が流れることで温度が上昇する電気抵抗23を複数個設ける。電気抵抗23は、熱伝導によって中子22が加熱されるよう、中子22の近傍に密に設けてある。加熱部材の中子22が熱せられると、次に、熱伝導で芯が熱せられる。その結果、加熱された芯が、そこに収めた揮発性物質の拡散を促進する。
【0032】
図中では、2つの抵抗23が、穴21に対して径方向に真向かいの位置に設置され、また、互いに直列接続されているものとして図示している。しかし、支持台(本体)20内に設置する抵抗を一つにしてもよく、また、3つ以上にしてもよいことは明らかである。
【0033】
この抵抗23は、接合剤で支持台(本体)20内に固定しても、あるいは別の封止材を用いて固定してもよい。
【0034】
プラグ4は、通常絶縁性プラスチックでできた本体40を備える。本体40には複数の収納部があり、収納部の内部には導電性電極41が設けられている。例として、図には2つの円筒状電極を示しているが、各国によって施行されている標準規格に合わせて、プラグ4は、複数の扁平な電極からなっていてもよいし、3本の電極からなっていてもよいことは明らかである。
【0035】
プラグ4の電極41は、対応する抵抗23とそれぞれ電気ケーブル(配線)42で接続されている。電気ケーブル(配線)42のワイヤの撚り線は、絶縁性外装で覆われている。
【0036】
プラグの本体40は、その後端に、各電極41の軸に対して直角な平面にそって、円形フランジ43が設けられている。その円形フランジ43の円周部には溝44が形成されている。
【0037】
プラグ4は、拡散デバイスの外側シェルと回転可能に連結できる。そのため、外側シェルには、プラグのフランジ43の溝44と回転可能に嵌合する円形の枠で外縁が形成された円形の穴がある。これにより、外側シェルはプラグに対して回転可能となり、プラグを受けるソケットの向きに関わらず、芯は常に垂直方向を向き、シェル型容器からの溶液の漏洩を防止している。
【0038】
本発明によれば、ブリッジ5は、加熱部材2の支持台(本体)20の前縁に連結しており、そこから前方向に突き出している。ブリッジ5の形状は、補強リブ51を設けた真っ直ぐな棒50でもよい。ブリッジ5の自由端には、終端フランジ53が備えられており、そこから円筒状ピン54が前方向に突き出している(図3、図4参照)。
【0039】
ブリッジ5は、加熱部材の支持台(本体)20と、例えば射出成形で一体形成してもよい。あるいは、加熱部材の支持台(本体)20と、溶接、接着、圧着などの別の方法を用いて一体形成してもよい。
【0040】
円筒座部45(図3、図4参照)は、ブリッジ5の円筒状ピン54を受け、回転可能に連結するよう設計され、本体40の後部壁に形成されている。したがって、ブリッジの円筒状ピン54は、ブリッジの終端フランジ53が円筒座部45を囲んでいるプラグ4の後部壁に当たるまで、円筒座部45内に挿し込まれている。
【0041】
このように、加熱部材2とプラグ4とは、互いに自由度が2に制限されている。つまり、加熱部材2はピン54の軸を中心にして、プラグ4に対してだけ回転する。したがって、プラグ4に対する加熱部材2の並行運動は、すべて、プラグの円筒座部45内側のブリッジのピン54が連結していることによって、防止される。
【0042】
このように、加熱部材がプラグに対して固定されているおかげで、拡散デバイスの組立部は簡略化される。実際に、外側シェルは、プラグ4及び加熱部材2と容易に連結できる。さらに、プラグと外側シェルとを相互に回転できるように連結し、加熱部材と外側シェルとを固定して連結することができるのは、まさしく、加熱部材がプラグに対して回転できるように連結されているからなのだということを考慮しなければならない。
【0043】
上記の部材に類似、あるいは、対応する部材について、以下では、同じ符号番号を使って記載し、詳細な説明については省略する。
【0044】
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施形態のプラグ及び加熱部材組立部は、その全体を符号番号100で表し、図5から図7に図示する。
【0045】
組立部100の加熱部材2とプラグ4とは、第1の実施形態に係る組立部1の対応する部材と実質的に同じ部材である。ブリッジ5は、第1の実施形態と実質的に同じ部材であり、プラグ4と回転可能に連結されている。プラグの電極41のなす平面に対して直角な平面上で上向きに伸びる矩形板150が、ブリッジ5に連結されている。板150の上端は加熱部材の本体20の前面に固定されている。
【0046】
板150は、プラスチック製材料から作ればよく、ブリッジ5に対して固定、あるいは回転できるように連結されている。
【0047】
プリント回路基板151の上には、ユーザが操作可能なスイッチ152が設けられている。プリント回路基板151は板150上に固定されている。他に、光源(LED、ランプ)などの光学デバイス、及び/またはタイマーなどを、回路ボード151上に設けてもよい。
【0048】
〔実施の形態3〕
本発明の第3の実施形態に係るプラグ及び加熱部材組立部は、その全体を参照番号200で表し、図8から図10に図示する。
【0049】
この場合、プラグ4の電極241は、米国の標準規格にしたがって扁平である。加熱部材2は平行六面体である本体20を備え、本体20の内側には電気抵抗23が複数個設けられている。2つの座部230は、断面がほぼU字型となっており、電気配線42を収納し、電気配線42を電極241から抵抗23まで案内する。さらに、座部230は本体20から突き出している。
【0050】
本体20は、円形の接続部229を有している。該接続部229内には、穴221を形成し芯を収納する円筒状中子222が、回転できるように設けられている。中子222は熱調整部材として働くが、これを目的として、抵抗23から芯への熱の通り道としてスロット228を有している。したがって、芯に向かう熱の流れは、中子222を回転させることで調整されている。
【0051】
図11に示すように、外側シェルを構成する2つの半体207及び208は、組立部200上に設けられている。第1のシェル半体207は、プラグ4の本体のフランジ43と回転可能に連結されている。また、第2のシェル半体208は、加熱部材2と第1のシェル半体207とに連結されている。この2つのシェル半体が、芯を受ける穴221に合った場所に設置されるよう設計された穴209を形成している。揮発性物質の拡散に有利な穴210が、シェル半体208の前面に形成されている。
【0052】
拡散デバイスの組立ては極めて単純で自動的に行なうことができるが、その理由は、まさしく、加熱部材がプラグと一体的に固定されているということにある。外側シェル107及び108の組立て後、ブリッジ205の強度を下げた部分(脆弱部)206を道具で切断する。こうすることで、上記の電気ソケットの構成によれば、加熱部材がプラグに対して自由に動けるようになり、その結果、プラグに対して回転できるようになる。
【0053】
加熱部材2の本体20は、ほぼL字型のブリッジ205によって、プラグの円形フランジ43に連結されている。こうすることで、芯の中子222の軸は、プラグのフランジ43のなす平面にほぼ平行に維持されている。
【0054】
ブリッジ205は、加熱部材(本体)20をプラグ4に連結固定してしまう。したがって、ブリッジ5は、補強フランジ256及び257を有し、両フランジは、それぞれ、加熱部材の本体20の前面とプラグの円形フランジ43とに設けられている。ブリッジ205の肘部には、厚さを薄くして折れやすくした低強度部(脆弱部)206がある。
【0055】
図8から図10では、ブリッジ205は一つであるとして図示した。しかし、ブリッジ205を複数個設け、プラグの円形フランジ43と加熱部材の本体20の前面とに配置してもいいことは十分に予測できる。
【0056】
〔実施の形態4〕
図12及び図13には、本発明の第4の実施形態のプラグ及び加熱部材組立部が、その全体を参照番号300で示してある。該組立部内のプラグ4と加熱部材2は、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態とで図示した部材とほぼ同じである。
【0057】
この場合、プラグ4と加熱部材2とは取り外し可能なブリッジ305で連結されている。ブリッジ305は、複数個の端に2本のピン354及び354’を有し、このピン354及び354’は、加熱部材の突起部325、及びプラグ4の背面に設置された中子345とスナップ式に嵌合しするように設計されている。
【0058】
このように、ブリッジ305は、移動中に加熱部材2とプラグ4を所定位置に固定する。また、組立て前には拡散器のシェルの内において取り外し可能であり、再利用、または、廃棄処理することができる。
【0059】
上記の発明の実施形態では、加熱部材及びプラグ組立部は、予め形成した専用座部を有するプラスチック製のトレイに設置することができる。したがって、メカニカルアーム、ロボット、あるいは、把持と載置アームとを使って組立部を持ち上げ、拡散デバイスの外側シェルの中で正しい位置に置くことができる。こういった動作は、加熱部材がプラグに連結されているから可能になるのである。
【0060】
なお、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部は、例えば光学用機器などに備えるデバイスとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【図3】図1の線III−IIIにそった断面図である。
【図4】図3の線IV−IVにそった断面図である。
【図5】本発明に係るプラグ及び加熱部材組立部の第2の実施形態を示す側面図である。
【図6】図5のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【図7】図6のプラグ及び加熱部材組立部を示す側面図であり、該組立部の中には、いくつかの付加的機能を実行するプリント回路基板が設けられている。
【図8】本発明に係るプラグ及び加熱部材組立部の第3の実施形態を示す部分分解斜視図である。
【図9】図8のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【図10】図9の平面X−Xにそった断面図である。
【図11】図8のプラグ及び加熱部材組立部を使って組み立てた拡散デバイスを示す斜視図である。
【図12】本発明の揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部の第4の実施形態を示す側面図である。
【図13】図12のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱型拡散デバイスは、一般に、加熱部材を備える。該加熱部材はプラスチック製、あるいはセラミック製の支持台を備える。該支持台の中には複数の電気抵抗が挿入してあり、電流が流れることで温度が上昇する。
【0003】
上記加熱部材は、シェル型容器に収めた、拡散させる溶液に浸漬した芯に連結されている。または、その拡散させる溶液を含浸させたタブレットに連結されている。該加熱部材の電気抵抗は、電気配線で電気プラグの複数の電極に接続されている。該電極は、主電源に接続された電気ソケットと嵌合可能である。該電気プラグの本体を、加熱部材を供えたシェル型容器の本体に繋げば、該拡散装置の組立てが完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、加熱部材とプラグとは、電気配線だけで相互に接続されている。上記の電気配線は柔軟なので、プラグに対する加熱部材の動きの自由度は高い。この結果、プラグとシェル型容器との間の機械的な連結は、多少複雑で手間がかかる。
【0005】
実際に、加熱部材のプラグに対する自由度は3であり、よって、加熱部材は、プラグ及び加熱部材組立部を扱ったり搬送したりする間にどんな方向にでも動くことができる、ということを考慮する必要がある。このような理由から、ロボット化した機械を使って、プラグをシェル型容器に取り付けることは困難である。なぜならば、このようなロボットには、加熱部材の、プラグに対する相対的な位置を把握できないからである。
【0006】
本発明の目的は、組立てが容易で、かつロボット化した機械の使用で組立てが可能な、揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材の組立部(assembly)を提供することで、先行技術の短所を解消することである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、経済的で嵩張らず、必要以上に多くのパーツや部材を付加する必要のない、拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの目的を達成し、その特徴は付属の独立請求項1に列挙する通りである。
【0009】
本発明がその長所を発揮できる実施形態は、従属項から明確である。
【0010】
揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材を備える組立部は、
・電気ソケットと接続するための複数の導電性電極を設けた本体を備えるプラグと、
・電気配線によって該プラグの電極と接続された少なくとも1つの電気加熱抵抗を設けた本体を備える加熱部材と、を備える。
【0011】
該加熱部材は、揮発性物質を含浸させたタブレットまたは芯の近くに、あるいは接触して設置され、該揮発性物質の拡散を促進するようになっている。
【0012】
本発明によれば、少なくとも、上記プラグの本体を上記加熱部材の本体に連結するブリッジが設けられ、加熱部材本体に対するプラグ本体の並行運動を防ぐことができる。
【0013】
即ち本発明に係る組立部(1、100、200、300)は、上記課題を解決するために、揮発性物質拡散デバイス用プラグ(4)と加熱部材(2)とを備える組立部(1、100、200、300)であって、該プラグ(4)は、電気ソケットと接続するための複数の導電性電極(41、241)を設けた本体(40)を備え、該加熱部材(2)は、電気配線(42)によって該プラグの電極(41、241)と接続された少なくとも1つの電気加熱抵抗(23)を設けた本体(20)を備え、上記加熱部材の本体(20)は、拡散させる揮発性物質を含浸させた支持台の近く、または該支持台に接触して設置されるようになっており、該組立部は、さらに、上記プラグの本体(40)を上記加熱部材の本体(20)に連結するブリッジ(5、205、305)を少なくとも1つ備え、上記加熱部材の本体(20)に対する上記プラグの本体(40)の並行運動を防ぐことを特徴としている。
【0014】
本発明に係る組立部(1、100、200、300)は、上記課題を解決するために、上記プラグの本体(40)が、上記拡散デバイスの外側シェルと回転可能に嵌合するための後部円形フランジ(43)を備えることが好ましい。
【0015】
本発明に係る組立部(1、100、300)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジが、上記プラグの本体及び及び/又は上記加熱部材の本体に対して回転可能に設けられていることにより、該加熱部材が該プラグに対して回転可能となっていることが好ましい。
【0016】
本発明に係る組立部(1、100、300)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(5、305)がその一端に円筒状ピン(54、354’)を備え、該円筒状ピンが、上記プラグの本体(40)の後部壁に形成された円筒状の穴(45)と回転可能に嵌合するものであり、上記プラグ(4)の軸と実質的に一致する該円筒状ピンに係る1の回転軸を規定できるものであることが好ましい。
【0017】
本発明に係る組立部(1、100、200)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(5、205)の一端が上記加熱部材の本体(20)と一体となっていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る組立部(300)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(305)は、加熱部材の本体及びプラグの本体に取り外し可能に設けられた端部(ピン)(354、354’)を備え、該端部(ピン)(354、354’)は、揮発性物質拡散デバイスを組み立てる前に取り外し可能であることが好ましい。
【0019】
本発明に係る組立部(1、100)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(5)が、補強リブ(51)を備えた真っ直ぐの棒形状であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る組立部(1、100)は、上記課題を解決するために、さらに矩形板を備えており、該矩形板(150)は上記ブリッジ(5)に連結しており、該矩形板(150)上にプリント回路基板(151)が固定され、該プリント回路基板(151)上には拡散デバイスの付加機能を実行するデバイスが設けられていることが好ましい。
【0021】
本発明に係る組立部(200)は、上記ブリッジ(205)は、上記プラグに対する上記加熱部材の相対運動を防ぐように上記プラグの本体(40)及び上記加熱部材の本体(20)と一体となっており、上記ブリッジ(205)は切断可能な脆弱部(206)を備えていることが好ましい。
【0022】
本発明に係る組立部(200)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(205)は実質的にL字型であり、上記切断可能な脆弱部(206)が上記L字の肘部に設置されていることが好ましい。換言すれば、L字形状のブリッジにおいて、該L字の肘部分が脆弱部として形成されているものであることが好ましい。
【0023】
本発明に係る組立部(200)は、上記課題を解決するために、上記ブリッジ(205)は、複数のリブ(256、257)を、加熱部材本体の近傍及びプラグ本体の近傍とにリブが複数個設置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上述した構成を有するゆえに、プラグに対する加熱部材の相対運動という問題を解消することができる。このため、拡散デバイスの外側シェルの内側に上記のプラグ及び加熱部材組立部を簡単に設けることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のさらなる特徴は下記の詳細な記載によって明らかになる。下記に記載の実施形態は、本発明の例示にすぎず、したがって本発明をなんら制限するものではない。詳細な記載は、後述するように、付属の図面に図解してある。
【0026】
〔実施の形態1〕
本発明の揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部の第1の実施形態を、図1ないし図4に基づいて記載する。
【0027】
本組立部は、その全体を符号番号1で表し、加熱部材2とプラグ4とを備えている。
【0028】
加熱部材2は支持台または本体20を備える。この支持台または本体20は、プラスチック、セラミック製材料、あるいは、熱耐性と熱伝導の特徴を持った別の任意の電気的絶縁性材料で作ればよい。支持台(本体)20は、形状を平行六面体として図示しているが、円筒状、あるいはさらに別の形状でもよい。
【0029】
加熱部材2の支持台(本体)20は、円形の穴21を形成する円筒状中子22を備える。図示しないシェル型容器内の揮発性の溶液に浸漬した円筒状の芯(図示しない)が、加熱部材2の穴21の中に挿入されている。
【0030】
ここでは、具体的に、芯について述べているが、拡散させる物質を含浸させたタブレットを受ける座部を、加熱部材が有していてもよいことは明らかである。いずれの場合においても、該加熱部材は、その拡散させる物質を含浸させた支持台の近く、あるいは接触する位置に設けられる。
【0031】
加熱部材の支持台(本体)20内に複数の座部を形成して、そこに、電流が流れることで温度が上昇する電気抵抗23を複数個設ける。電気抵抗23は、熱伝導によって中子22が加熱されるよう、中子22の近傍に密に設けてある。加熱部材の中子22が熱せられると、次に、熱伝導で芯が熱せられる。その結果、加熱された芯が、そこに収めた揮発性物質の拡散を促進する。
【0032】
図中では、2つの抵抗23が、穴21に対して径方向に真向かいの位置に設置され、また、互いに直列接続されているものとして図示している。しかし、支持台(本体)20内に設置する抵抗を一つにしてもよく、また、3つ以上にしてもよいことは明らかである。
【0033】
この抵抗23は、接合剤で支持台(本体)20内に固定しても、あるいは別の封止材を用いて固定してもよい。
【0034】
プラグ4は、通常絶縁性プラスチックでできた本体40を備える。本体40には複数の収納部があり、収納部の内部には導電性電極41が設けられている。例として、図には2つの円筒状電極を示しているが、各国によって施行されている標準規格に合わせて、プラグ4は、複数の扁平な電極からなっていてもよいし、3本の電極からなっていてもよいことは明らかである。
【0035】
プラグ4の電極41は、対応する抵抗23とそれぞれ電気ケーブル(配線)42で接続されている。電気ケーブル(配線)42のワイヤの撚り線は、絶縁性外装で覆われている。
【0036】
プラグの本体40は、その後端に、各電極41の軸に対して直角な平面にそって、円形フランジ43が設けられている。その円形フランジ43の円周部には溝44が形成されている。
【0037】
プラグ4は、拡散デバイスの外側シェルと回転可能に連結できる。そのため、外側シェルには、プラグのフランジ43の溝44と回転可能に嵌合する円形の枠で外縁が形成された円形の穴がある。これにより、外側シェルはプラグに対して回転可能となり、プラグを受けるソケットの向きに関わらず、芯は常に垂直方向を向き、シェル型容器からの溶液の漏洩を防止している。
【0038】
本発明によれば、ブリッジ5は、加熱部材2の支持台(本体)20の前縁に連結しており、そこから前方向に突き出している。ブリッジ5の形状は、補強リブ51を設けた真っ直ぐな棒50でもよい。ブリッジ5の自由端には、終端フランジ53が備えられており、そこから円筒状ピン54が前方向に突き出している(図3、図4参照)。
【0039】
ブリッジ5は、加熱部材の支持台(本体)20と、例えば射出成形で一体形成してもよい。あるいは、加熱部材の支持台(本体)20と、溶接、接着、圧着などの別の方法を用いて一体形成してもよい。
【0040】
円筒座部45(図3、図4参照)は、ブリッジ5の円筒状ピン54を受け、回転可能に連結するよう設計され、本体40の後部壁に形成されている。したがって、ブリッジの円筒状ピン54は、ブリッジの終端フランジ53が円筒座部45を囲んでいるプラグ4の後部壁に当たるまで、円筒座部45内に挿し込まれている。
【0041】
このように、加熱部材2とプラグ4とは、互いに自由度が2に制限されている。つまり、加熱部材2はピン54の軸を中心にして、プラグ4に対してだけ回転する。したがって、プラグ4に対する加熱部材2の並行運動は、すべて、プラグの円筒座部45内側のブリッジのピン54が連結していることによって、防止される。
【0042】
このように、加熱部材がプラグに対して固定されているおかげで、拡散デバイスの組立部は簡略化される。実際に、外側シェルは、プラグ4及び加熱部材2と容易に連結できる。さらに、プラグと外側シェルとを相互に回転できるように連結し、加熱部材と外側シェルとを固定して連結することができるのは、まさしく、加熱部材がプラグに対して回転できるように連結されているからなのだということを考慮しなければならない。
【0043】
上記の部材に類似、あるいは、対応する部材について、以下では、同じ符号番号を使って記載し、詳細な説明については省略する。
【0044】
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施形態のプラグ及び加熱部材組立部は、その全体を符号番号100で表し、図5から図7に図示する。
【0045】
組立部100の加熱部材2とプラグ4とは、第1の実施形態に係る組立部1の対応する部材と実質的に同じ部材である。ブリッジ5は、第1の実施形態と実質的に同じ部材であり、プラグ4と回転可能に連結されている。プラグの電極41のなす平面に対して直角な平面上で上向きに伸びる矩形板150が、ブリッジ5に連結されている。板150の上端は加熱部材の本体20の前面に固定されている。
【0046】
板150は、プラスチック製材料から作ればよく、ブリッジ5に対して固定、あるいは回転できるように連結されている。
【0047】
プリント回路基板151の上には、ユーザが操作可能なスイッチ152が設けられている。プリント回路基板151は板150上に固定されている。他に、光源(LED、ランプ)などの光学デバイス、及び/またはタイマーなどを、回路ボード151上に設けてもよい。
【0048】
〔実施の形態3〕
本発明の第3の実施形態に係るプラグ及び加熱部材組立部は、その全体を参照番号200で表し、図8から図10に図示する。
【0049】
この場合、プラグ4の電極241は、米国の標準規格にしたがって扁平である。加熱部材2は平行六面体である本体20を備え、本体20の内側には電気抵抗23が複数個設けられている。2つの座部230は、断面がほぼU字型となっており、電気配線42を収納し、電気配線42を電極241から抵抗23まで案内する。さらに、座部230は本体20から突き出している。
【0050】
本体20は、円形の接続部229を有している。該接続部229内には、穴221を形成し芯を収納する円筒状中子222が、回転できるように設けられている。中子222は熱調整部材として働くが、これを目的として、抵抗23から芯への熱の通り道としてスロット228を有している。したがって、芯に向かう熱の流れは、中子222を回転させることで調整されている。
【0051】
図11に示すように、外側シェルを構成する2つの半体207及び208は、組立部200上に設けられている。第1のシェル半体207は、プラグ4の本体のフランジ43と回転可能に連結されている。また、第2のシェル半体208は、加熱部材2と第1のシェル半体207とに連結されている。この2つのシェル半体が、芯を受ける穴221に合った場所に設置されるよう設計された穴209を形成している。揮発性物質の拡散に有利な穴210が、シェル半体208の前面に形成されている。
【0052】
拡散デバイスの組立ては極めて単純で自動的に行なうことができるが、その理由は、まさしく、加熱部材がプラグと一体的に固定されているということにある。外側シェル107及び108の組立て後、ブリッジ205の強度を下げた部分(脆弱部)206を道具で切断する。こうすることで、上記の電気ソケットの構成によれば、加熱部材がプラグに対して自由に動けるようになり、その結果、プラグに対して回転できるようになる。
【0053】
加熱部材2の本体20は、ほぼL字型のブリッジ205によって、プラグの円形フランジ43に連結されている。こうすることで、芯の中子222の軸は、プラグのフランジ43のなす平面にほぼ平行に維持されている。
【0054】
ブリッジ205は、加熱部材(本体)20をプラグ4に連結固定してしまう。したがって、ブリッジ5は、補強フランジ256及び257を有し、両フランジは、それぞれ、加熱部材の本体20の前面とプラグの円形フランジ43とに設けられている。ブリッジ205の肘部には、厚さを薄くして折れやすくした低強度部(脆弱部)206がある。
【0055】
図8から図10では、ブリッジ205は一つであるとして図示した。しかし、ブリッジ205を複数個設け、プラグの円形フランジ43と加熱部材の本体20の前面とに配置してもいいことは十分に予測できる。
【0056】
〔実施の形態4〕
図12及び図13には、本発明の第4の実施形態のプラグ及び加熱部材組立部が、その全体を参照番号300で示してある。該組立部内のプラグ4と加熱部材2は、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態とで図示した部材とほぼ同じである。
【0057】
この場合、プラグ4と加熱部材2とは取り外し可能なブリッジ305で連結されている。ブリッジ305は、複数個の端に2本のピン354及び354’を有し、このピン354及び354’は、加熱部材の突起部325、及びプラグ4の背面に設置された中子345とスナップ式に嵌合しするように設計されている。
【0058】
このように、ブリッジ305は、移動中に加熱部材2とプラグ4を所定位置に固定する。また、組立て前には拡散器のシェルの内において取り外し可能であり、再利用、または、廃棄処理することができる。
【0059】
上記の発明の実施形態では、加熱部材及びプラグ組立部は、予め形成した専用座部を有するプラスチック製のトレイに設置することができる。したがって、メカニカルアーム、ロボット、あるいは、把持と載置アームとを使って組立部を持ち上げ、拡散デバイスの外側シェルの中で正しい位置に置くことができる。こういった動作は、加熱部材がプラグに連結されているから可能になるのである。
【0060】
なお、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部は、例えば光学用機器などに備えるデバイスとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【図3】図1の線III−IIIにそった断面図である。
【図4】図3の線IV−IVにそった断面図である。
【図5】本発明に係るプラグ及び加熱部材組立部の第2の実施形態を示す側面図である。
【図6】図5のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【図7】図6のプラグ及び加熱部材組立部を示す側面図であり、該組立部の中には、いくつかの付加的機能を実行するプリント回路基板が設けられている。
【図8】本発明に係るプラグ及び加熱部材組立部の第3の実施形態を示す部分分解斜視図である。
【図9】図8のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【図10】図9の平面X−Xにそった断面図である。
【図11】図8のプラグ及び加熱部材組立部を使って組み立てた拡散デバイスを示す斜視図である。
【図12】本発明の揮発性物質拡散デバイス用プラグ及び加熱部材組立部の第4の実施形態を示す側面図である。
【図13】図12のプラグ及び加熱部材組立部の上側平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質拡散デバイス用プラグと加熱部材とを備える組立部であって、
該プラグは、電気ソケットと接続するための複数の導電性電極を設けた本体を備え、
該加熱部材は、電気配線によって該プラグの電極と接続された少なくとも1つの電気加熱抵抗を設けた本体を備え、上記加熱部材の本体は、拡散させる揮発性物質を含浸させた支持台の近くに、または該支持台に接触して設置されるようになっており、
該組立部は、さらに、上記プラグの本体を上記加熱部材の本体に連結するブリッジを少なくとも1つ備え、上記加熱部材の本体に対する上記プラグの本体の並行運動を防ぐことを特徴とする、組立部。
【請求項2】
上記プラグの本体が、上記拡散デバイスの外側シェルと回転可能に嵌合するための後部円形フランジを備えることを特徴とする請求項1に記載の組立部。
【請求項3】
上記ブリッジが、上記プラグの本体及び/又は加熱部材の本体対して回転可能に設けられていることにより、該加熱部材が該プラグに対して回転可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の組立部。
【請求項4】
上記ブリッジがその一端に円筒状ピンを備え、
該円筒状ピンが、上記プラグの本体の後部壁に形成された円筒状の穴と回転可能に嵌合するものであり、
上記プラグの軸と実質的に一致する一の回転軸を規定できるものであることを特徴とする請求項3に記載の組立部。
【請求項5】
上記ブリッジの一端が加熱部材の本体と一体となっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項6】
上記ブリッジは、加熱部材の本体及びプラグの本体に取り外し可能に設けられた端部を備え、該端部は、揮発性物質拡散デバイスを組み立てる前に取り外し可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項7】
上記ブリッジが、補強リブを備えた真っ直ぐの棒形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項8】
さらに矩形板を備えており、該矩形板は上記ブリッジに連結しており、
該矩形板上にはプリント回路基板が固定され、該プリント回路基板上に揮発性物質拡散デバイスの付加機能を実行するデバイスが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項9】
上記ブリッジは、上記プラグに対する上記加熱部材の相対運動を防ぐように上記プラグの本体及び加熱部材の本体と一体となっており、上記ブリッジは切断可能な脆弱部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の組立部。
【請求項10】
上記ブリッジは実質的にL字型であり、上記切断可能な脆弱部が上記L字の肘部に設置されていることを特徴とする、請求項9に記載の組立部。
【請求項11】
上記ブリッジは、複数のリブを、加熱部材本体の近傍及びプラグ本体の近傍に備えていることを特徴とする、請求項9または10に記載の組立部。
【請求項1】
揮発性物質拡散デバイス用プラグと加熱部材とを備える組立部であって、
該プラグは、電気ソケットと接続するための複数の導電性電極を設けた本体を備え、
該加熱部材は、電気配線によって該プラグの電極と接続された少なくとも1つの電気加熱抵抗を設けた本体を備え、上記加熱部材の本体は、拡散させる揮発性物質を含浸させた支持台の近くに、または該支持台に接触して設置されるようになっており、
該組立部は、さらに、上記プラグの本体を上記加熱部材の本体に連結するブリッジを少なくとも1つ備え、上記加熱部材の本体に対する上記プラグの本体の並行運動を防ぐことを特徴とする、組立部。
【請求項2】
上記プラグの本体が、上記拡散デバイスの外側シェルと回転可能に嵌合するための後部円形フランジを備えることを特徴とする請求項1に記載の組立部。
【請求項3】
上記ブリッジが、上記プラグの本体及び/又は加熱部材の本体対して回転可能に設けられていることにより、該加熱部材が該プラグに対して回転可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の組立部。
【請求項4】
上記ブリッジがその一端に円筒状ピンを備え、
該円筒状ピンが、上記プラグの本体の後部壁に形成された円筒状の穴と回転可能に嵌合するものであり、
上記プラグの軸と実質的に一致する一の回転軸を規定できるものであることを特徴とする請求項3に記載の組立部。
【請求項5】
上記ブリッジの一端が加熱部材の本体と一体となっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項6】
上記ブリッジは、加熱部材の本体及びプラグの本体に取り外し可能に設けられた端部を備え、該端部は、揮発性物質拡散デバイスを組み立てる前に取り外し可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項7】
上記ブリッジが、補強リブを備えた真っ直ぐの棒形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項8】
さらに矩形板を備えており、該矩形板は上記ブリッジに連結しており、
該矩形板上にはプリント回路基板が固定され、該プリント回路基板上に揮発性物質拡散デバイスの付加機能を実行するデバイスが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立部。
【請求項9】
上記ブリッジは、上記プラグに対する上記加熱部材の相対運動を防ぐように上記プラグの本体及び加熱部材の本体と一体となっており、上記ブリッジは切断可能な脆弱部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の組立部。
【請求項10】
上記ブリッジは実質的にL字型であり、上記切断可能な脆弱部が上記L字の肘部に設置されていることを特徴とする、請求項9に記載の組立部。
【請求項11】
上記ブリッジは、複数のリブを、加熱部材本体の近傍及びプラグ本体の近傍に備えていることを特徴とする、請求項9または10に記載の組立部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−302894(P2006−302894A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114632(P2006−114632)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(506076732)ツォベーレ ホールディング ソシエタ ペル アチオニ (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(506076732)ツォベーレ ホールディング ソシエタ ペル アチオニ (9)
【Fターム(参考)】
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