説明

搬送ロール、搬送装置及び熱間圧延装置

【課題】搬送ロールのメンテナンス及び交換等のコストを削減すると共に、搬送物の品質低下を抑制できる搬送ロール、搬送装置及び熱間圧延装置を提供する。
【解決手段】本発明の搬送ロール51(61)は、搬送物Yの搬送に使用され、耐熱性を有し略円柱状の基材52(62)を用いた搬送ロールであって、基材52(62)の外周面に設けられ、基材52(62)より耐熱性及び耐摩耗性を有する被覆層53(63)を備え、被覆層53(63)は、搬送ロール51(61)の軸方向での搬送物Yの両縁部に各々対応して設けられるという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ロール、搬送装置及び熱間圧延装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、熱間圧延により金属等の材料から金属板等を製造する熱間圧延装置が用いられている。また、該熱間圧延装置に備えられ、加熱された上記材料を搬送する搬送装置や、該搬送装置に備えられ上記材料を支持する搬送ロールが使用されている。
【0003】
ところで、熱間圧延装置内における上記材料の表面には、加熱により生じる金属酸化物、いわゆる酸化スケールが付着している。この酸化スケールが上記材料の搬送中にその表面から剥落し、搬送ロールの外周面に付着し熱により溶着することで、ビルドアップと呼ばれる突起が形成されていた。このビルドアップが上記材料の表面に押し傷等を発生させ、製造される金属板等の品質低下を招いていた。
そこで、外周面を被削性の優れた材料とした搬送ロールが用いられている(例えば、特許文献1参照)。搬送中に上記材料と搬送ロールとが接触することで、搬送ロールの外周面は研削される。そして、外周面の研削と共に、外周面に形成されたビルドアップを除去していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2650774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、搬送ロールの外周面が被削性の優れた材料であるために、搬送ロールが摩耗し易くなり、搬送ロールのメンテナンス及び交換作業等が頻繁に発生し、コストが増加してしまうという問題があった。
さらに、搬送ロールの外周面が研削されて発生した研削粉が、搬送ロールの外周面に再び付着・溶着し、他の箇所で新たなビルドアップを形成するという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、搬送ロールのメンテナンス及び交換等のコストを削減すると共に、搬送物の品質低下を抑制できる搬送ロール、搬送装置及び熱間圧延装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の搬送ロールは、搬送物の搬送に使用され、耐熱性を有し略円柱状の基材を用いた搬送ロールであって、基材の外周面に設けられ、耐熱性及び耐摩耗性を有する被覆層を備え、被覆層は、搬送ロールの軸方向での搬送物の両縁部に各々対応して設けられるという構成を採用する。
一般的に、搬送物の上記軸方向での両縁部から搬送ロールの外周面に加えられる圧力は、搬送物の中央部から加えられる圧力よりも大きいため、上記両縁部に対応する搬送ロールの外周面は上記中央部に対応する外周面に比べて早く摩耗する。ここで、上記構成を採用する本発明では、搬送ロールの上記両縁部に対応する外周面に耐摩耗性を有する被覆層を備えているため、搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【0008】
また、本発明の搬送ロールは、被覆層がMCrAlX合金(ただし、Mは、Ni、Co及びFeの少なくともいずれか1種、Xは、M、Cr及びAl以外の元素)を有するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、被覆層が耐摩耗性を備えるMCrAlX合金を有しているため、搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【0009】
また、本発明の搬送ロールは、被覆層がセラミックスを有するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、被覆層が耐摩耗性を備えるセラミックスを有しているため、搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【0010】
また、本発明の搬送ロールは、被覆層がサーメットを有するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、被覆層が耐摩耗性を備えるサーメットを有しているため、搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【0011】
また、本発明の搬送ロールは、被覆層の熱膨張係数が、基材の熱膨張係数と略同一であるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、搬送ロールが加熱された場合における基材及び被覆層の各膨張率が略同一となるため、基材と被覆層との間に生じる熱応力が減少する。
【0012】
また、本発明の搬送ロールは、基材と被覆層との接合性を向上させる中間層を備え、中間層の材料は、基材及び被覆層の接合特性に基づいて選定されるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、基材と被覆層との接合性が向上するため、基材からの被覆層の剥離等が抑制される。
【0013】
また、本発明の搬送ロールは、中間層の熱膨張係数が、基材及び被覆層の熱膨張係数と略同一であるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、搬送ロールが加熱された場合における基材、中間層及び被覆層の各膨張率が略同一となるため、基材と中間層との間、並びに、中間層と被覆層との間に生じる熱応力が減少する。
【0014】
また、本発明の搬送装置は、請求項1から7のいずれか一項に記載の搬送ロールを備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、搬送装置に備えられる搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【0015】
また、本発明の熱間圧延装置は、請求項8に記載の搬送装置を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、熱間圧延装置に備えられる搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【0016】
また、本発明の熱間圧延装置は、搬送物を加熱して所定の温度に維持する保加熱炉を備え、搬送装置は、保加熱炉の内部及び上流側の少なくともいずれか一方に設けられるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、搬送ロールは圧延処理に適切な温度に維持された雰囲気内に配置され、このような雰囲気内に配置された搬送ロールの外周面が研削され難くなり、研削されて生じる研削粉が減少する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、搬送ロールの外周面が研削され難くなることから、搬送ロールが長寿命化し、搬送ロールのメンテナンス及び交換等のコストを削減できるという効果がある。また、搬送ロールの外周面が研削されて生じる研削粉が減少することから、外周面におけるビルドアップの形成を抑制し、搬送物の品質低下を防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】熱間圧延装置1の全体構成を示す概略図である。
【図2】第二搬送ロール51又は第三搬送ロール61の構成を示す概略図である。
【図3】第二搬送ロール51の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る熱間圧延装置1の構成を、図1を参照して説明する。図1は、熱間圧延装置1の全体構成を示す概略図である。
【0020】
本実施形態に係る熱間圧延装置1は、熱間圧延により金属等の材料から金属板等を製造する装置である。
図1に示すように、熱間圧延装置1は、加熱炉2と、前面テーブル3と、粗圧延機4と、後面テーブル5と、保加熱炉6と、シャーリングマシン7と、仕上圧延機8と、冷却装置9と、巻取機10とを備えている。
【0021】
加熱炉2は、後述する粗圧延機4にて圧延処理を行う前に、銅を含有し主成分が鋼からなるスラブ(搬送物)Xを加熱して圧延処理に適した温度に昇温させるものである。
【0022】
前面テーブル3は、加熱炉2の下流側に配置されており、加熱炉2から搬出されるスラブXを粗圧延機4に搬送すると共に、粗圧延機4においてスラブXが往復して繰り返し圧延される際に、スラブXを下方から支持するものである。前面テーブル3は、スラブXの搬送方向で並設された複数の第一搬送ロール31を備えている。第一搬送ロール31には、第一搬送ロール31を回転駆動させる不図示の駆動部が連結されている。
【0023】
粗圧延機4は、回転する一対の圧延ロール41及び42を有しており、圧延ロール41及び42間にてスラブXを圧延することによって、スラブXを金属板(搬送物)Yに成形するものである。圧延ロール41及び42は相反する方向で同期して回転し、その回転方向は正逆自在である。そのため、粗圧延機4は、スラブXを往復させて繰り返し圧延処理を行うことが可能である。
【0024】
後面テーブル(搬送装置)5は、粗圧延機4の下流側に配置されており、粗圧延機4から搬出される金属板Yを保加熱炉6に搬送すると共に、粗圧延機4においてスラブXが往復して繰り返し圧延される際に、スラブXを下方から支持するものである。なお、後面テーブル5は、その搬送方向に関して、スラブXが粗圧延機4にて往復移動して金属板Yに成形される間において、金属板Yが保加熱炉6に浸入しない長さ(例えば、70m程度)となっている。
また、後面テーブル5は、金属板Yの搬送方向で並設された複数の第二搬送ロール(搬送ロール)51を備えている。第二搬送ロール51には、第二搬送ロール51を回転駆動させる不図示の駆動部が連結されている。第二搬送ロール51の詳細は後述する。
【0025】
保加熱炉(搬送装置、保加熱炉)6は、いわゆるトンネル炉であり、後面テーブル5の下流側に配置され、金属板Yを加熱して後述する仕上圧延機8での圧延処理に適した温度(例えば、1100℃程度)に金属板Yを維持するためのものである。保加熱炉6は、その搬送方向に関して、金属板Yの全長と略同一の長さ(例えば、70m程度)となっている。
また、保加熱炉6は、不図示の加熱バーナーと、金属板Yの搬送方向で並設された複数の第三搬送ロール(搬送ロール)61とを備えている。第三搬送ロール61には、第三搬送ロール61を回転駆動させる不図示の駆動部が連結されている。第三搬送ロール61の詳細は後述する。
【0026】
シャーリングマシン7は、保加熱炉6の下流側に設置されており、保加熱炉6から搬出される金属板Yの先端を切断するためのものである。
仕上圧延機8は、シャーリングマシン7の下流側に設置され、回転する一対の圧延ロール81及び82を複数対有し、圧延ロール81及び82間にて金属板Yをさらに圧延することによって金属板Yの形状を整えるものである。
【0027】
冷却装置9は、仕上圧延機8の下流側に設置され、仕上圧延機8によって形状が整えられた金属板Yを冷却処理するものであり、冷却水によって金属板Yを冷却処理する。
巻取機10は、冷却装置9の下流側に設置され、冷却装置9によって冷却された金属板Yを巻き取るものである。
【0028】
次に、第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61の構成を、図2を参照して説明する。図2は、第二搬送ロール51又は第三搬送ロール61の構成を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A熱視断面図である。また、図2における矢印Uは上方を示すものとする。
なお、本実施形態における第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61は同一の構成となっているため、以下の説明では第二搬送ロール51について説明し、第三搬送ロール61の説明は省略する。
【0029】
第二搬送ロール51は、金属板Yをその下方から支持しつつ、搬送するためのものである。第二搬送ロール51は、基材52と、被覆層53とを有している。
基材52は、略円柱状に形成された部材であり、耐熱性を有する材料(例えば、保加熱炉6の内部温度である1100℃に耐えうるもの)により形成されている。また、基材52の両端部52aにおける直径は、それ以外すなわち中央部52bにおける直径よりも小さく形成されている。
【0030】
被覆層53は、基材52の外周面に設けられ、金属板Yの幅方向(第二搬送ロール51の軸方向)での両縁部に各々対応する位置に配設されている。また、搬送中の金属板Yが幅方向で変位したときにも、金属板Yの両縁部を支持できる幅を有している。被覆層53が設けられることで、基材52の中央部52bにおける直径と、被覆層53の外周面における直径とは、略同一となっている。
【0031】
また、被覆層53は、基材52より高い耐熱性及び耐摩耗性を有しており、MCrAlX合金(ただし、Mは、Ni、Co及びFeの少なくともいずれか1種、Xは、M、Cr及びAl以外の元素)等の金属材料、セラミックス又はサーメット等を有している。サーメットは、金属材料とセラミックスとの複合材料であり、サーメットに用いられる金属材料としてはMCrAlX合金等が挙げられる。
被覆層53は、溶射工程、溶接工程又は鋳造工程等を用いて、基材52へ接合される。この接合は、搬送時の金属板Yから加えられる圧力に耐えることのできる接合方法が選択される。
【0032】
なお、前述の通り、第三搬送ロール61の構成は第二搬送ロール51と同一であることから、第三搬送ロール61の基材62及び被覆層63は、第二搬送ロール51の基材52及び被覆層53と各々同一の構成となっている。
【0033】
次に、金属板Yの搬送時における、第二搬送ロール51の被覆層53に関する作用について説明する。なお、第三搬送ロール61の被覆層63に関する作用については被覆層53と同様であるため、その説明を省略する。
【0034】
搬送時の金属板Yから第二搬送ロール51が受ける圧力は、金属板Yの幅方向での両縁部から受ける圧力が、金属板Yの幅方向での中央部から受ける圧力よりも大きくなる傾向がある。そのため、第二搬送ロール51の上記両縁部に対向する箇所が、それ以外の箇所に比べて速く摩耗する。
もっとも、本実施形態では、第二搬送ロール51の上記両縁部に対向する箇所に被覆層53が設けられ、この被覆層53は耐摩耗性を有している。よって、被覆層53が金属板Yから圧力を加えられたとしても、被覆層53は容易に研削されない。
したがって、本実施形態では、被覆層53の摩耗が抑えられ、第二搬送ロール51のメンテナンス及び交換等のコストを削減することができる。
【0035】
また、前述の通り、被覆層53は容易に研削されないため、研削より生じる研削粉の発生が抑えられる。よって、この研削粉が第二搬送ロール51の外周面における他の部分に付着することで生じる、新たなビルドアップの発生を抑制できる。したがって、ビルドアップが金属板Yの表面に押し傷等を生じさせることによる、金属板Yの品質低下を防ぐことができる。
【0036】
また、本実施形態における第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61は、保加熱炉6の上流側及び内部にそれぞれ設けられており、それらの箇所はいずれも高温(1100℃程度)となっている。このような高温の雰囲気下では、搬送ロール上を金属板Yが搬送されることにより発生する研削分が、容易に搬送ロールの他の箇所に付着し溶着するため、上記箇所に本実施形態に係る第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61を用いることで、積極的にその表面におけるビルドアップの発生を抑制することができる。
【0037】
したがって、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61の外周面が研削され難くなることから、第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61のメンテナンス及び交換等のコストを削減できるという効果がある。また、第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61の外周面が研削されて生じる研削粉が減少することから、上記外周面におけるビルドアップの形成を抑制し、金属板Yの品質低下を防ぐことができるという効果がある。
【0038】
なお、前述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、第二搬送ロール51及び第三搬送ロール61のいずれにも耐摩耗性を有する被覆層53及び63が設けられているが、いずれか一方に耐摩耗性を有する被覆層が設けられていてもよい。また、前面テーブル3における第一搬送ロール31に、被覆層53と同様の耐摩耗性を有する被覆層が設けられていてもよい。
【0040】
また、第二搬送ロール51が、基材52の軸中心部分を冷却するための冷却用流路を備えていてもよい。この冷却用流路に水又は油等の冷却用流体が流動することで、基材52の軸中心部分が冷却され、基材52や第二搬送ロール51の軸受等の寿命を延ばすことができる。なお、上記冷却用流路が備えられる場合は、スラブXや金属板Yの温度低下を避ける必要があるため、基材52の外周面及び被覆層53は断熱性をも有する材料で形成されることが好ましい。また、上記冷却用流路は、第一搬送ロール31及び第三搬送ロール61に備えられてもよい。
【0041】
また、被覆層53の熱膨張係数を、基材52の熱膨張係数と略同一としてもよい。このような構成とすることで、第二搬送ロール51が加熱された場合における基材52及び被覆層53の各膨張率が略同一となるため、基材52と被覆層53との間に生じる熱応力が減少し、被覆層53の剥離が抑制される。なお、このような構成を第三搬送ロール61に適用してもよい。
【0042】
また、基材52と被覆層53との間に、耐熱性を有し、基材52と被覆層53との接合性を向上させる中間層54を設けてもよい。中間層54の構成を、図3を参照して説明する。図3は、第二搬送ロール51の変形例を示す概略図である。
図3に示すように、基材52と被覆層53との間には、中間層54が設けられている。中間層54は、基材52と被覆層53との接合特性に基づいて選択され、基材52と被覆層53との接合性を向上させる性質を有している。このような中間層54を設けることで、被覆層53の剥離を抑制することができる。
また、中間層54の熱膨張係数を、基材52及び被覆層53の熱膨張係数と略同一としてもよい。このような構成とすることで、第二搬送ロール51が加熱された場合における基材52、被覆層53及び中間層54の各膨張率が略同一となるため、基材52と中間層54との間、並びに、中間層54と被覆層53との間に生じる熱応力が減少し、被覆層53の剥離を抑制することができる。なお、以上の構成を第三搬送ロール61に適用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…熱間圧延装置、5…後面テーブル(搬送装置)、51…第二搬送ロール(搬送ロール)、52…基材、53…被覆層、54…中間層、6…保加熱炉(搬送装置、保加熱炉)、61…第三搬送ロール、62…基材、63…被覆層、X…スラブ(搬送物)、Y…金属板(搬送物)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物の搬送に使用され、耐熱性を有し略円柱状の基材を用いた搬送ロールであって、
前記基材の外周面に設けられ、基材より耐熱性及び耐摩耗性を有する被覆層を備え、
前記被覆層は、前記搬送ロールの軸方向での前記搬送物の両縁部に各々対応して設けられることを特徴とする搬送ロール。
【請求項2】
前記被覆層は、MCrAlX合金(ただし、Mは、Ni、Co及びFeの少なくともいずれか1種、Xは、M、Cr及びAl以外の元素)を有することを特徴とする請求項1に記載の搬送ロール。
【請求項3】
前記被覆層は、セラミックスを有することを特徴とする請求項1に記載の搬送ロール。
【請求項4】
前記被覆層は、サーメットを有することを特徴とする請求項1に記載の搬送ロール。
【請求項5】
前記被覆層の熱膨張係数が、前記基材の熱膨張係数と略同一であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送ロール。
【請求項6】
前記基材と前記被覆層との接合性を向上させる中間層を備え、
前記中間層の材料は、前記基材及び前記被覆層の接合特性に基づいて選定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の搬送ロール。
【請求項7】
前記中間層の熱膨張係数が、前記基材及び前記被覆層の熱膨張係数と略同一であることを特徴とする請求項6に記載の搬送ロール。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の前記搬送ロールを備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項9】
請求項8に記載の前記搬送装置を備えることを特徴とする熱間圧延装置。
【請求項10】
前記搬送物を加熱して所定の温度に維持する保加熱炉を備え、
前記搬送装置は、前記保加熱炉の内部及び上流側の少なくともいずれか一方に設けられることを特徴とする請求項9に記載の熱間圧延装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−253510(P2010−253510A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106631(P2009−106631)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】