説明

搬送管連結ユニット

【課題】空気流によって紙葉類を搬送する内壁にリブを備えた搬送管を、微妙な長さ調節に対応しつつ、紙葉類が接続箇所を円滑に通過できるように連結することのできる搬送管連結ユニットを提供する。
【解決手段】アダプタ120から突出する複数本のリブ128はそれらの終端位置が少なくとも2種類以上に相違させてあり、連結本体部100内のリブはアダプタ側のリブ128に対応させた始端位置となっている。端部の位置をずらしてあるので、アダプタ120と連結本体部101との接続深さを調整しても、アダプタ側のリブと連結本体部側のリブとのいずれかが途切れた箇所では少なくとも1本の他のリブが存在し、すべてのリブが同一箇所で途切れることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管内に発生させた空気流を利用して紙幣等の紙葉類が搬送される搬送管を連結接続する搬送管連結ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機とパチンコ機などの遊技機とをペアにして複数併設収容する遊技機島などにおいては、各遊技球貸機に投入された紙幣を、遊技機島の端部の金庫まで、遊技機島内に設けた紙幣搬送路を通じて搬送して回収するといったことが行われる。
【0003】
紙幣などの紙葉類の搬送装置には、空気流によって紙葉類を搬送する方式のものがある。たとえば、下記特許文献1に開示された空気流式の搬送装置では、搬送路として筒状の搬送管を使用すると共に、複数の搬送管を空気漏れがないように接続することで長い搬送路や曲がった搬送路を構成している。搬送管同士の接続は、可撓性を有する材料で形成した連結管を準備し、この連結管を介在させて搬送管同士を接続している。また、搬送管同士の接続部位に、軟質の樹脂材またはゴム材で筒状に形成されたシール材を被せて空気漏れを防いでいる。詳細には、筒状のシール材の両端から搬送管の端部を密に挿入すると共に、シール材の内壁にはリング状の突起が設けてあり、この突起が搬送管の外壁に当接することで、気密にシールされるようになっている。
【0004】
また、搬送管内で紙葉類がいずれか一方の壁面側に少しでもシフトすると、壁面との隙間が狭くなった側で空気の流速が増加して負圧になり、益々、隙間が狭くなる、という現象が起こる。このため、特許文献1に開示の搬送装置では、搬送管の壁面にリブを設けて、壁面への紙幣の吸い付きを軽減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4130697号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
空気流で搬送する方式の場合、前述したように、紙葉類は搬送管のいずれかの壁面に吸着されやすい傾向があるので、搬送管同士の接続部分で壁面やリブに段差があると、紙葉類がその段差に引っ掛かり、円滑な搬送の妨げになってしまう。
【0007】
また、現場により遊技機島内の遊技球貸機の設置位置が微妙に異なることや、施工精度の関係から、搬送管同士を隙間なく接続して設置することは難しく、接続箇所に隙間ができると、リブも繋がらず、リブの途切れた箇所で紙葉類が引っ掛かってしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、空気流によって紙葉類を搬送する内壁にリブを備えた搬送管を、微妙な長さ調節に対応しつつ、紙葉類が接続箇所を円滑に通過できるように連結することのできる搬送管連結ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]紙面が搬送方向に沿う姿勢で紙葉類を管内の空気流によって搬送する搬送管であって、紙葉類の紙面に対向する内壁に、内側へ突出する複数本のリブが前記搬送方向に沿って設けられた搬送管を連結するための搬送管連結ユニットであって、
一方の端部に前記搬送管が気密に接続される筒状のアダプタと、
一方の端部に前記アダプタの他方の端部が気密に接続される接続口を有する筒状の連結本体部と、
を備え、
前記アダプタの前記紙面と対向する内壁には、接続された前記搬送管の内壁に設けられたリブと同一位置に前記搬送方向に沿うリブが設けられており、
前記連結本体部の前記紙面と対向する内壁には。前記接続口に接続された前記アダプタの内壁に設けられたリブと同一位置に前記搬送方向に沿うリブが設けられており、
前記アダプタの前記紙面と対向する1つの内壁に設けられた複数本のリブの前記連結本体部側の終端位置は少なくとも2種類に相違し、
前記連結本体部の前記紙面と対向する1つの内壁に設けられた複数本のリブの前記アダプタ側の終端位置は、前記アダプタ側のリブの終端位置に対応して相違し、
前記連結本体部の前記接続口への前記アダプタの接続の深さは、前記接続口へ前記アダプタを最も深く嵌合させた最深位置から所定長離れた最浅位置までの範囲で調整可能にされており、
前記最深位置に接続されたとき、前記アダプタ側の各リブが前記連結本体部側の対応するリブに繋がると共に、前記アダプタの接続の深さが前記最深位置以外であって前記調整可能な範囲にあるときは、いずれかのリブが途切れている位置と前記搬送方向の同一位置において少なくとも1本の他のリブが途切れないように、前記アダプタ側および前記連結本体部側の各リブの終端位置が設定されている
ことを特徴とする搬送管連結ユニット。
【0011】
上記発明では、1つの壁面に配設した複数本のリブの終端位置が少なくとも2種類以上に相違させてあるので、アダプタと連結本体部との接続深さを調整しても、アダプタ側のリブと連結本体部側のリブとの接続箇所で、いずれかのリブが途切れる箇所では少なくとも1本の他のリブが存在するため、すべてのリブが同一箇所で途切れることがない。
【0012】
[2]前記アダプタに設けたリブの前記連結本体部側の端部はそのリブの頂が基部より下流側になるように斜めにカットされており、
これに対応して、前記連結本体部に設けたリブの前記アダプタ側の端部はそのリブの頂が基部より下流側になるように斜めにカットされている
ことを特徴とする[1]に記載の搬送管連結ユニット。
【0013】
上記発明では、接続箇所で向かい合うリブの端面がそれぞれ、リブの頂が基部より下流側となるように斜めに傾斜しているので、上流側から到来する搬送補助体は、リブの途切れ目で、下流側のリブの傾斜した端面にスムースに当接して進むことができる。上流側のリブと下流側のリブの端面は同じ角度で傾斜することが望ましい。
【0014】
[3]前記アダプタの前記紙面と対向する1つの内壁に設けた複数本のリブは、隣り合うリブ同士の終端位置が異なる
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の搬送管連結ユニット。
【0015】
上記発明では、隣り合うリブ同士の終端位置が異なるので、リブの途切れた箇所が搬送方向の同一位置に連続して形成されなくなり、リブの併設方向に幅広く途切れることが防止される。
【0016】
[4]前記アダプタ側のリブと前記連結本体部側のリブは、これらの接続箇所で前記搬送方向上流側となるリブの頂が、下流側となるリブの頂より内側となる段差を形成する
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【0017】
上記発明では、アダプタ側のリブと連結本体部側のリブとの接続箇所で、上流側のリブの頂が下流側のリブの頂より内側となる段差が形成される(リブの高さとして上流が高くなる)ので、リブの接続箇所で、下流側のリブの先端に紙葉類や搬送補助体が引っ掛かることなく、上流のリブから下流のリブへ円滑に移動することができる。なお、搬送管やアダプタ、連結本体部など筒状の通路の中心に向かう方向を内側、中心から内壁へ向かう方向を外側とする。
【0018】
[5]前記連結本体部は、前記接続口と反対側の端部に、前記搬送管が密に挿入される第2接続口を備えており、
前記第2接続口に挿入された搬送管のリブと前記連結本体部側のリブは、これらの接続箇所において前記搬送方向上流側となるリブの頂が、下流側となるリブの頂より内側となる段差を形成する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【0019】
上記発明では、第2接続口に接続される搬送管のリブと連結本体部側のリブとの接続箇所で、上流側のリブの頂が下流側のリブの頂より内側となる段差が形成される(リブの高さとして上流が高くなる)ので、リブの接続箇所で、下流側のリブの先端に紙葉類や搬送補助体が引っ掛かることなく、上流のリブから下流のリブへ円滑に移動することができる。
【0020】
[6]前記搬送管には、空気流を受けて移動して紙葉類を上流側から押し動かす搬送補助体が挿入されると共に、前記搬送管の前記搬送方向と垂直な断面の内縁形状は前記搬送補助体との間に所定のクリアランスを有する形状をなしており、
前記連結本体部は、下流側の搬送管との接続箇所において前記搬送補助体を前記搬送管の前記断面の中央寄りに位置規制するガイド部材を有する
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【0021】
上記発明では、搬送補助体が連結本体部側から下流の搬送管内へと移動する際に、搬送補助体が搬送管の中央寄りに位置規制される。たとえば、比較的短い複数の搬送管を搬送管連結ユニットで連結して搬送経路を構成する場合、搬送補助体は搬送管連結ユニットを通る度に搬送管の中央寄りに位置が補正されて、正しい姿勢が維持される。
【0022】
[7]前記搬送管には、空気流を受けて移動して紙葉類を上流側から押し動かす搬送補助体が挿入されると共に、前記搬送管の前記搬送方向と垂直な断面の内縁形状は前記搬送補助体との間に所定のクリアランスを有する形状をなしており、
前記アダプタおよび前記連結本体部の前記搬送方向と垂直な断面の内縁形状は、互いの接続箇所および前記搬送管との接続箇所において、上流側の部材の断面の内縁が下流側の部材の断面の内縁より内側となる段差が生じる形状にされている
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【0023】
上記発明では、アダプタ、連結本体部、搬送管との各接続箇所において、上流側の通路の内壁面が下流側の通路の内壁面より内側となる段差が形成される。これにより、搬送補助体は、各接続箇所において下流側の内壁面の端部に引っ掛かることなく、円滑に接続箇所を通過することができる。
【0024】
[8]前記接続箇所において、上流側の部材の断面内縁の一部に前記段差ない部分を設けた
ことを特徴とする[7]に記載の搬送管連結ユニット。
【0025】
上記発明では、内縁全周のうちの一部に段差のない部分が設けられる。たとえば、下流側の搬送管との接続箇所における連結本体部の断面内縁形状の一部に段差ない部分が設けられる。段差の部分では搬送補助体と内壁面とのクリアランスが小さくなるので、接続箇所の内縁の全周にわたって段差を設けると、搬送補助体がこの接続箇所を通る際に、空気流の通路が狭くなり過ぎて、気流が乱れてしまい搬送補助体の姿勢が乱れたり、空気流が搬送補助体を下流へ移動させる力が低減したりする。そこで、内縁の一部に段差のない部分を設けて、空気流の通路を確保して乱気流を防ぐ。
【0026】
[9]前記搬送補助体は円柱形状であってその軸が搬送方向と垂直となる姿勢で前記搬送管に挿入されると共に、他の部分より径の太い大径部を一部に備えており、
下流側の搬送管との接続箇所における前記連結本体部の内縁のうち前記大径部に対応する部分に前記段差のない部分を設けた
ことを特徴とする[7]に記載の搬送管連結ユニット。
【0027】
上記発明では、搬送補助体の大径部に対応する箇所に段差のない部分を設ける。大径部に対応する箇所は、通路の幅が広く、空気流の流量も多くなる箇所なので、この部分に段差のない空気通路を設けることが乱気流の防止に効果的である。
【0028】
[10]前記段差のない部分の中の一部に前記段差を生じさせるリブを設けた
ことを特徴とする[8]または[9]に記載の搬送管連結ユニット。
【0029】
上記発明では、段差のない部分では、下流側の端部に搬送補助体が引っ掛かるおそれが生じるので、段差のない部分にリブを設けることで、空気流の通路を確保しつつ、引っ掛かりを防止する。
【0030】
[11]前記アダプタは前記連結本体部の搬送方向上流側にある
ことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【0031】
[12]前記連結本体部の下流端には、この下流端に挿入される第2アダプタを介して前記搬送管が接続され、
前記連結本体部のうち前記第2アダプタより下流の部分は前記搬送管が密に挿入される第2接続口となっている
ことを特徴とする[11]に記載の搬送管連結ユニット。
【0032】
上記発明では、連結本体部の下流端側にも第2アダプタを介して搬送管が接続される。たとえば、第2アダプタを介在させることで、この第2アダプタに、接続箇所の内壁やリブに順段差を形成する構成を組み込むことができる。
【0033】
[13]前記連結本体部の側壁に設けられた開口から紙葉類を前記連結本体部内へ繰り出す紙葉類取込装置としての機能をさらに有する
ことを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【0034】
上記発明では、搬送管連結ユニットは、搬送管内に紙葉類を取り込むための紙葉類取込装置としての機能を有する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る搬送管連結ユニットによれば、空気流によって紙葉類を搬送する内壁にリブを備えた搬送管を、微妙な長さ調節に対応しつつ、紙葉類が接続箇所を円滑に通過できるように連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る紙幣取込装置が取り付けられた紙葉類搬送装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る紙幣取込装置を取り付けた紙葉類搬送装置の正面図である。
【図3】搬送管内の紙幣を、該紙幣の後端側から搬送補助体が押し動かす状態を示す説明図である。
【図4】図4は、直線部分(往路および復路の部分)における搬送管を示す斜視図である。
【図5】直線部分における搬送管の断面図である。
【図6】搬送補助体の平面および正面を示す図である。
【図7】搬送管内に搬送補助体を挿入した状態の搬送補助体の中心軸を通る断面図である。
【図8】ターン部を示す断面図である。
【図9】ターン部を示す斜視図である。
【図10】紙幣取込装置の正面図である。
【図11】図10の紙幣取込装置におけるA−A断面を示す断面図である。
【図12】紙幣取込装置の左側面図(上流側)である。
【図13】紙幣取込装置の側面を下流側斜めから見た斜視図である。
【図14】着脱壁面部を外した状態の紙幣取込装置の通路部側を斜め上流から見た斜視図である。
【図15】着脱壁面部の内側を示す斜視図である。
【図16】排出ローラ、排出補助ベルトなどを示す説明図である。
【図17】排出ローラ、排出補助ベルトなどを示す説明図である。
【図18】開閉扉を開いた状態の紙幣取込装置を示す斜視図である。
【図19】開閉扉を取り外した状態の紙幣取込装置を示す斜視図である。
【図20】開閉扉を取り外した状態の紙幣取込装置を示す背面図である。
【図21】開閉扉を示す斜視図である。
【図22】開閉扉の内側面を示す平面図である。
【図23】シャッタの正面、側面および断面を示す図である。
【図24】紙幣がシャッタを押し開く様子を段階的に示す説明図である。
【図25】開閉扉とこれに当接するシャッタとを示す説明図である。
【図26】紙幣取込装置が紙幣を受け入れてから通路部内へ送り出すまでの動作を示す説明図である。
【図27】表面用の紙幣取込装置(24R)の断面を示している。
【図28】第3センサの構成を示す説明図である。
【図29】第3センサの別の構成例を示す説明図である。
【図30】連結ユニットを構成する各部および搬送管の接続時の組み合わせ方を示す分解斜視図である。
【図31】連結状態の連結ユニットを示す斜視図である。
【図32】上流側アダプタの正面、上流側側面、下流側側面、平面および底面を表した図である。
【図33】図32の底面図における上流側アダプタのA−A断面を示す図である。
【図34】連結本体部の正面、上流側側面、下流側側面、平面および底面を表した図である。
【図35】図34の底面図における連結本体部のA−A断面を示す図である。
【図36】上流側アダプタ側のリブの終端と、連結本体部側のリブの始端との位置関係を示す説明図である。
【図37】下流側アダプタの正面、上流側側面、下流側側面、平面および底面を表した図である。
【図38】図37の底面図における下流側アダプタのA−A断面を示す図である。
【図39】搬送管と下流側アダプタとの接続状態を示す説明図である。
【図40】上流側の搬送管から連結ユニットを経て下流側の搬送管へ至るまでの各内壁の接続箇所の順段差を示す説明図である。
【図41】上流側の搬送管から連結ユニットを経て下流側の搬送管へ至るまでのリブの部分での順段差を示す説明図である。
【図42】建物の柱を囲むように設置された遊技機島の紙葉類搬送装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施の形態に係る紙幣取込装置24が取り付けられた紙葉類搬送装置10の概略構成を示す平面図、図2は紙葉類搬送装置10の正面図である。本実施の形態では、紙葉類搬送装置10は、紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機3とパチンコ機などの遊技機4とを一組にしたものを、互いが背中合わせになるようにして表裏面に複数組併設収容した遊技機島2内に設けられ、各遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を取り込んで遊技機島の端部に設けられた金庫5まで搬送する紙幣搬送装置として構成されている。
【0039】
紙葉類搬送装置10は、紙幣(紙葉類)の搬送路となる搬送管12と、搬送管12内にその延設方向に沿って流れる空気流を発生させる空気流発生装置14とを備えている。紙葉類搬送装置10では、空気流を受けて搬送管12内を移動可能な搬送補助体16を、搬送対象の紙幣より上流側で搬送管12内へ挿入し、該搬送補助体16で搬送管12内の紙幣を後方から押し動かして下流へ搬送するようになっている。
【0040】
本例では、図2に示すように、遊技機島2の一方の端部に、空気流発生装置14と金庫5が配置されており、紙葉類搬送装置10の搬送管12は、空気流発生装置14が設置された側の遊技機島2の端部にその始端部と終端部を備え、始端部から遊技機島2の他方の端部まで延設された往路12aと、他方の端部でU字状に折り返すターン部12bと、ターン部12bで折り返した後、終端部まで延設された復路12cで構成されている。
【0041】
搬送管12は、搬送管12の往路12aおよび復路12cは、所定の長さ、たとえば、遊技機島2に併設収容された遊技機4と遊技球貸機3の1セット分の横幅に対応した長さ、を単位に分割されており、これらを連結ユニット18や後述する紙幣取込装置24で必要本数連結することで、遊技機島2の長手方向の長さに応じて経路長を調整できるようになっている。また、施工現場では、搬送管12を必要な長さにその場でカットして使用するようになっている。
【0042】
空気流発生装置14の吹き出し口14aは、搬送管12(往路12a)の始端部側に接続され、空気流発生装置14の吸い込み口14bは搬送管12(復路12c)の終端部側に接続されている。空気流発生装置14はモータでファンを回転させることによって、始端部側から搬送管12内へ空気を吹き出すと共に、終端部側から搬送管12内の空気を吸い出すことで、搬送管12内にその始端部から終端部へ向かう(搬送管12の延設方向に沿って流れる)空気流を発生させる。なお、空気流発生装置14は吸い込み口14bから吸い出した搬送管12内の空気の一部を吹き出し口14aから再び搬送管12内へ送り出して循環させるようになっている。
【0043】
搬送管12の始端部には、搬送補助体16を搬送管12内へ送り出す搬送補助体挿入装置21が設けてある。また、搬送管12の終端部には紙幣分離装置20が配置され、紙幣分離装置20のやや上流には搬送補助体分離装置22が配置されている。また、搬送管12の復路12cの途中には、各遊技球貸機3に対応する位置に、遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を搬送管12内へ取り込む紙幣取込装置24が配設されている。紙幣取込装置24は、遊技機島2の表面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6と、遊技機島2の裏面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6とを取り込むべく、表面用(金庫5から見て右側)の紙幣取込装置24Rと、裏面用(金庫5から見て左側)の紙幣取込装置24Lがある。紙幣取込装置24は、復路12cを構成する搬送管と搬送管の間に介在してこれらを連結しかつ連結部分での紙幣6の通路の役割も果たす。
【0044】
紙幣取込装置24から搬送管12の復路12c内に取り込まれた紙幣6は、その紙面が搬送管12の延設方向に沿う姿勢で取り込み完了位置に滞在する。この搬送管12内に取り込まれて滞在している紙幣6を金庫5まで搬送して回収するために搬送補助体16が搬送補助体挿入装置21によって搬送管12内へ送り込まれる。搬送補助体挿入装置21から搬送管12内へ送り込まれた搬送補助体16は、空気流発生装置14が発生させた空気流の作用を受けて往路12a内をターン部12bに向けて移動し、ターン部12bでUターンした後、復路12c内を終端部に向けてさらに移動する。このとき、図3に示すように、搬送管12内の紙幣6を、該紙幣6の後端側から搬送補助体16が押し動かすことで、搬送管12の終端部へ向けて(図中の搬送方向Fへ)紙幣6が搬送される。
【0045】
搬送補助体挿入装置21は、搬送管12の始端部と吹き出し口14aとの間に接続された送出通路と、次に送り出す搬送補助体を待機させる待機部と、待機部内で搬送補助体16を保持すると共に該保持した状態のままで搬送補助体が送出通路と待機部との間を往復移動させる搬送補助体可動保持部を有している。搬送補助体可動保持部は前方が開放された断面U字状の保持部で搬送補助体16を保持しており、U字部分には送風穴が開設されている。搬送補助体挿入装置21は、搬送補助体を送出するとき、搬送補助体可動保持部を送出通路内に移動させる。すると、U字部の送風穴からの空気流に乗って搬送補助体が前方へ移動して保持部(U字部)から離脱して搬送管12内へ送り出される。
【0046】
搬送補助体分離装置22は、搬送補助体16とこの搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣6とを分離して搬送補助体16を回収する機能を果たす。詳細には、搬送補助体分離装置22は、空気流の作用を受けて移動してきた搬送補助体16とこの搬送補助体16に押されて移動してきた紙幣6とが入口から流入し、紙幣6のみ通過可能な幅狭の出口を有する通路状の分離回収部を有している。搬送補助体は分離回収部内に補足され、出口手前の補足位置に保持される。分離回収部は入口側を支点に回動可能に構成されている。搬送補助体が補足位置に補足された状態で分離回収部が搬送補助体挿入装置21の待機部の真上の位置に回動したとき、補足位置の底部に設けられた開口から搬送補助体16が落下し、この搬送補助体は待機部の天井の開口から待機部内に落下して搬送補助体可動保持部に保持されるようになっている。このようにして1つの搬送補助体が循環利用される。
【0047】
搬送補助体挿入装置21、紙幣分離装置20、搬送補助体分離装置22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部とする図示省略の制御部に制御されて動作する。本例では、空気流発生装置14は常時作動させておき、制御部は、紙幣取込装置24に設けたセンサが遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を検知すると紙幣取込装置24を作動させて該紙幣6を搬送管12内に取り込む。そして、この取り込み動作が完了したら搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を搬送管12内へ送り込む。すると、この搬送補助体16が空気流の作用を受けて搬送管12内を移動し、紙幣6を後方から押し動かして搬送する。そして、搬送補助体分離装置22は搬送補助体16の到来を検知すると分離回収動作を行って搬送補助体16を回収し、その回収した搬送補助体16を次回の送出に備えて搬送補助体挿入装置21の待機部へ案内する。搬送補助体分離装置22によって分離された紙幣6はその下流の紙幣分離装置20に到達し、紙幣分離装置20が紙幣6を検知したら紙幣分離装置20の搬送ベルトを駆動して紙幣6を金庫5へ搬送する、というように制御する。
【0048】
なお、空気流発生装置14を必要時(たとえば、紙幣取込装置24が遊技球貸機3からの紙幣を検知した時点からその紙幣を金庫5に搬送し終えるまでの間)のみ動作させるように制御してもよい。
【0049】
このように、空気流の作用を受けて搬送補助体16が移動し、この搬送補助体16によって紙幣6を後端側から押し動かして搬送するので、紙幣6自体は空気流を受けて推進力を得る必要がない。したがって、空気流を受けるために紙幣6を折り曲げる等の措置を施すことなく、紙幣6を空気流によって搬送することができる。また、搬送補助体16は紙幣に比べて効率よく空気流から推進力を得ることができるので、効率よく紙幣を搬送することができる。
【0050】
次に、搬送管12および搬送補助体16の形状について詳細に説明する。
【0051】
図4は、直線部分(往路12aおよび復路12cの部分)における搬送管12の斜視図を、図5は、同部分の搬送管12の延設方向F(=紙幣の搬送方向F=空気流の流れる方向)に垂直な断面形状を示す断面図である。搬送管12は、厚さ1.5ミリほどの樹脂で形成されている。搬送管12は、たとえば、押し出し成型によって形成される。
【0052】
搬送管12の直線部分の延設方向Fに垂直な断面の断面形状は、縦長の長方形の左右の側壁の中央部分が外側へ矩形に拡張した形状を成している。詳細には、搬送管12は、上下の壁部31と、左右の側壁部32と、左右の側壁部32の上下方向の中央部分において外側へ矩形に張り出した拡張部33とを備えている。なお、搬送管12の延設方向(搬送方向F)に垂直な略長方形の断面における短辺方向をX方向(もしくは幅方向、左右方向)、長辺方向をY方向(もしくは高さ方向、上下方向)とする。X方向、Y方向それぞれにおいて搬送管12の中心に向かう方向を内側、中心から内壁へ向かう方向を外側と呼ぶものとする。
【0053】
拡張部33は、搬送管12の内側方向へ立設された分離壁34によって上下2つに区切られている。分離壁34は拡張部33の内壁にT字型の部材を貼り付けて形成されている。
【0054】
側壁部32には、搬送管の内側方向へ突起した複数本のリブ35が搬送方向に沿って延設形成されている。本例では、側壁部32と拡張部33の境界部に搬送管の内側へ突出するリブ35が搬送方向に沿って形成されている。分離壁34はリブ35と同じ高さになっており、分離壁34の頂部はリブとしての作用を果たす。
【0055】
側壁部32は、搬送される紙幣6の紙面に対向する一対の内壁となっている。紙幣6は長方形をなしており、搬送管12内を、長辺が搬送方向Fとなる向きで搬送される。言い換えると、紙面が搬送管12の側壁部32に対向しかつ紙幣6の一方の短辺が搬送方向の先端側となり他方の短辺が後端側となる向きで搬送される。
【0056】
搬送管12の上下の壁部31の間隔Dyは紙幣6の短辺より僅かに長くされている。また、左右の側壁部32(リブ35や拡張部33、分離壁34が形成されていない部分(基準平面部とする))の間隔Dxは21ミリほどに設定されている。左右の側壁部32に設けられた拡張部33はそれぞれ側壁部32(基準平面部)よりも外側へ6ミリほど拡張している。リブ35および分離壁34の頂は、側壁部32(基準平面部)から内側へ約2ミリの高さになっている。リブ35の高さは適宜に設定すればよい。
【0057】
図6は、搬送補助体16の平面および正面を示している。搬送補助体16は、各部で径が異なる断面円形の柱状を成している。搬送補助体16は、円柱の中心軸が搬送管12のY方向(高さ方向)となるように搬送管12内に挿入されて使用される。搬送補助体16は、上下対象な形状であり、上から順に、頭部16a、頭部よりやや径の小さい首部16b、頭部16aより径が大きい大径部16c、首部16bと同径であって上下の中央に位置する括れ部16d、大径部16c、首部16b、頭部16aを有して構成される。搬送補助体16は、軽量、丈夫であり、たとえば、プラスティックなどにより内部が空洞に形成される。なお、軽量、丈夫であれば、発泡スチロールや押出発泡ポリスチレンなどにより形成されてもよい。
【0058】
図7は、搬送管12内に搬送補助体16を挿入した状態における、延設方向Fに垂直であって搬送補助体16の中心軸を通る断面を示している。搬送補助体16の各部の径は、搬送管12の内縁形状に対応している。すなわち、搬送補助体16の中心軸を通る断面形状は、延設方向Fと垂直な断面における搬送管12の内縁形状に対応した形状となっており、搬送管12の内側を、内壁との間に所定のクリアランスをあけてほぼ塞ぐ形状になっている。
【0059】
このように、搬送補助体16は、搬送管12の内縁形状に対応する形状(若干のクリアランスをもってほぼ同一の形状)をなして搬送管12の断面のほぼ全体を塞ぐので、空気流の作用を効率よく受けて移動することができる。さらに搬送補助体16は上流からの空気流が搬送補助体16の下流側へ至るのを防ぎ、下流側での空気流の乱れを抑制する役割を果たす。
【0060】
紙幣6は、搬送管12内の空気流から作用を受けると側壁部32に張り付く傾向にある。すなわち、紙幣6の一方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔と、他方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔とが均等になることはほとんどなく、いずれかの間隔が他方より狭くなると、空気流の流速は狭い間隔側で広い間隔側より速くなるため、狭い間隔側の気圧が広い間隔側の気圧より低くなり、この気圧差によって紙幣6が狭い間隔側の側壁部32へ吸着・押圧される。そうなると、狭い間隔側の間隔がさらに狭くなり、紙幣6が側壁部32へ張り付き吸着する現象が生じる。
【0061】
紙幣6が強く側壁部32に張り付くと、搬送補助体16で紙幣6を押し動かして搬送することが難しくなるが、上記のように搬送補助体16はその下流側への空気の流れを遮る(少なくする)作用を果たすので、紙幣6が張り付き吸着する力は小さくなり、円滑な搬送が実現される。
【0062】
搬送補助体16が有する2つの大径部16cは、搬送管12の分離壁34に区切られた2つの拡張部33のそれぞれに係合する。本例では、拡張部33を分離壁34によって2つに区切ると共に、これらの拡張部33を搬送管12のY方向の中央寄りに設けてあるので、搬送補助体16を安定した姿勢に維持して移動させることができる。また、搬送補助体16の姿勢が安定するので、紙幣6の後端に搬送補助体16の大径部16cが適切に当接して安定した搬送力を与えることができる。また、搬送管12と搬送補助体16との間に紙幣6が巻き込まれ難くなる。
【0063】
また、搬送補助体16は、大径部16cを設けることで、空気流の作用を受ける部分の面積が拡大し、移動するための力を効率よく受けることができる。また、大径部16cを設けて空気流の作用を効率的に受けるので、その分、頭部16aの径を小さくすることができる。頭部の径を小さくすることで、搬送管12内の対向する一対の側壁部32の間隔(幅(Dx))を狭くすることができ、紙幣6の倒れを防ぐことができる。
【0064】
さらに、側壁部32に設けた複数本のリブ35の存在により、紙幣6が側壁部32にぴったりと張り付くことが防止される。すなわち、紙幣6と側壁部32との接触面積が少なくなって摩擦が軽減され、静電気の発生等を抑えることができる。また、紙幣6が側壁部32に張り付いた場合でも、その紙幣6はリブ35の先端部分で支持されるため、リブ35の周辺では側壁部32と紙幣6との間に隙間が確保され、張り付き力が小さく抑えられる。また分離壁34によって紙幣6が支えられるので、紙幣6が拡張部33の窪みに落ち込むことが防止される。
【0065】
また、側壁部32から内側に突出する複数のリブ35や分離壁34の頂部は、搬送管12の幅方向(X方向)における実質的な紙幣6の通路幅Wを、基準平面部間距離Dxより狭くする役割を果たす。これにより、紙幣6が搬送管12内で横倒れし難くなり、紙幣6の姿勢がY方向に沿うように保持される。特に、リブ35を複数設けることで、紙幣6の倒れを適切に防ぐと共に、紙幣6の側壁部32への張り付きも効果的に防止される。なお、リブ35を設けた分だけDxを大きくすることができ、これによって搬送管12の断面積を大きくして搬送補助体16が空気流の作用を受けやすくなっている。
【0066】
本実施の形態に係る搬送補助体16の場合、大径部16cの径が最も大きいので、図3に示すように、この大径部16cが紙幣6の後端に当接して押し動かすようになる。
【0067】
図8はターン部12bの断面図であり、図9はターン部12bの斜視図である。ターン部12bは、搬送管12を、Y方向を半径方向として90度の円弧を描くように延設された円弧部13bと、直線部13cと、90度の円弧状の円弧部13bとを繋げた形状を有し、搬送補助体16の進路を180度変更する。ターン部12bにおいてもリブ35や拡張部33は形成されるが、搬送補助体16が円弧部13bに沿って円弧状に移動する際に引っかかることがないように、分離壁34は設けないと共に、搬送補助体16がターン部12b内を通る際の軌跡と重なる部分においてはリブ35や拡張部33を逃がすように(直線部分よりクリアランスを大きく)してある。これにより、ターン部12bの円弧部13bでの回転半径を小さくすることができる。なお、直線部13cの長さは、搬送補助体分離装置22や紙幣取込装置24の大きさなどにより往路12aと復路12cとの間に必要とされる距離に応じて適宜に定めればよい。なお、ターン部12bの拡張部33には、搬送補助体16の大径部16cに対応させて2本のリブ13aを設けてあり、搬送補助体16をX方向の中央寄りに位置規制する。
【0068】
次に、紙幣取込装置24について説明する。
【0069】
図10は、紙幣取込装置24Lの正面を、図11は、図10の紙幣取込装置24LにおけるA−A断面を示している。また、図12は、紙幣取込装置24Lの左側面図(上流側)であり、図13は、紙幣取込装置24Lの側面を下流側斜めから見た斜視図である。図11に示すように、紙幣取込装置24は、両端の搬送管接続部41、42に搬送管12が接続されて搬送路の一部となる筒状の通路部40と、通路部40に沿って設けられた矩形箱状の本体枠部60とを有する。
【0070】
通路部40の一端部は、上流側の搬送管12が接続される上流側搬送管接続部41、他端部は下流側の搬送管12が接続される下流側搬送管接続部42となっている。図中の矢印Fは搬送管12内での紙幣6の搬送方向(空気流の方向)を示している。
【0071】
上流側搬送管接続部41と下流側搬送管接続部42の間は、搬送管12の内側形状に対応した内側形状を有する紙幣通路43になっている。紙幣通路43の本体枠部60側の壁面には、紙幣6を紙幣通路43内に取り込む挿入口としての開口部44が設けてある。通路部40は、開口部44が設けられた側壁面およびこの側壁面の両縁から立設された上下の壁面を有して断面コの字状をなして本体枠部60と一体に形成された開口側通路枠40A(図12、図13参照)と、開口部44が設けられた壁面に対向する側の壁面をなして開口側通路枠40Aにナイラッチ47等で着脱可能に取り付けられた着脱壁面部40Bで構成される。
【0072】
図14は着脱壁面部40Bを外した状態の紙幣取込装置24Lの通路部40側を斜め上流から見た斜視図である。図15は、着脱壁面部40Bの内側を示す斜視図である。図12、図14、図15に示すように、通路部40の紙幣通路43の内壁には、接続される搬送管12の各リブ35および分離壁34の延長線上に、上流側搬送管接続部41の近傍から下流側搬送管接続部42の手前に掛けて搬送方向Fに沿って延びるガイドレール46が設けてある。ガイドレール46にガイドされることにより、搬送補助体16は、搬送管12内を通る場合と同等の安定した姿勢で通路部40内を通ることができる。
【0073】
ただし、開口側通路枠40A側の内壁に設けられたガイドレール46は開口部44の近傍部分で部分的に途切れている。詳細には、図14、図16に示すように、開口部44の前後で途切れている上流側および下流側の各ガイドレール46の該途切れ箇所の端部は、開口側通路枠40Aの内壁面側の基部からガイドレール46の頂に向かって搬送方向下流側へ斜めに傾斜するようにカットされており、上流側のガイドレール46の斜めにカットされた端部と下流側のガイドレール46の斜めにカットされた端部との間に紙幣6の排出通路となる傾斜した繰り出し通路69を形成している。一対の排出ローラ64の間から出た紙幣6は繰り出し通路69を通って通路部40内へ送り出される。
【0074】
また、通路部40に搬送補助体16がある状態で着脱壁面部40Bを開いたときに搬送補助体16が通路部40から落下することを防止するための、落下防止片48が設けてある。落下防止片48は、開口側通路枠40Aの開口部44のある側壁面と対向する壁面の一部をなし、開口側通路枠40Aの上下の各壁面の端部から通路内側へ1cm程度突出するように形成されている。
【0075】
図10、図11に示すように、紙幣取込装置24の本体枠部60の正面側の一方の端部には、遊技球貸機3から紙幣を受け入れる紙幣受入口61が開口している。紙幣受入口61は、紙幣6の短辺よりやや長い細い長方形の開口であって、紙幣6をその短辺から受け入れる。図11に示すように、紙幣受入口61と通路部40の開口部44との間には、次に開口部44から繰り出し通路69を通じて紙幣通路43内へ送り出す紙幣6を待機させる通路としての待機部62が形成されている。待機部62はS字状に湾曲した幅狭(紙幣6の厚み方向に狭い)の通路(湾曲通路)となっており、該湾曲通路内に1枚の紙幣6を待機させることができるようになっている。
【0076】
紙幣受入口61からは、通路部40での搬送方向Fに対してほぼ直角に紙幣6が進入する。待機部62の湾曲通路は、紙幣受入口61から入って直後に進路を搬送方向に沿うように約110度湾曲し、その後、ほぼ直線的な通路となり、後述する一対の排出ローラ64の手前で通路部40側に再度向きを変えて湾曲し、一対の排出ローラ64のローラ間へ紙幣6を送り出す通路となっている。湾曲通路における、初めの湾曲と後の湾曲とは紙幣6を湾曲させる向きが逆方向(凹凸の関係)になっている。また、待機部62の全長を使って緩やかに湾曲させるのではなく、湾曲通路の始端部と終端部の近傍で比較的小さい半径で湾曲させている。
【0077】
このように待機部62(湾曲通路)は、凹凸に、しかも小さい曲率で湾曲しているので、紙幣6が待機部62を通る間に、紙幣6の折れを伸ばすことができる。特に、紙幣の長手方向に沿うように折り目が付く縦折れを矯正して、折り目を取る、あるいは軽減することができる。
【0078】
待機部62に待機している紙幣6を紙幣通路43内へ搬送する送出部は、待機部62の湾曲通路のうち紙幣受入口61側の端部近傍に設けられた第1ローラ63と、他端側に設けられた一対の排出ローラ64と、第1ローラ63と排出ローラ64の間に設けられた左右一対の第2ローラ66(図18、図19参照)と、排出ローラ64から通路部40内(繰り出し通路69の出口)まで紙幣6を送り出す排出補助ベルト65(図16参照)と、第1ローラ63、第2ローラ66、排出ローラ64、排出補助ベルト65を周回駆動させるためのモータと、このモータの回転を第1ローラ63、第2ローラ66、排出ローラ64に伝達するギアや伝達ベルトなどで構成される。
【0079】
湾曲通路のうち、排出ローラ64の上流側(待機部62における紙幣6の進行方向の上流側(第2ローラ66側))の近傍には、通路部40内の空気流が開口部44から湾曲通路を通じて外部へ漏れ出すことを防止するために湾曲通路を閉鎖するシャッタ90が設けてある(図11参照)。シャッタ90は、回動軸91を中心に閉位置と開放位置とに回動変位すると共に、バネ93で閉位置に付勢されている。
【0080】
第1ローラ63は、図10、図19に示すように、幅細のローラであり、紙幣受入口61から進入してきた紙幣6を該紙幣6の短辺(幅)方向の略中央部分で押圧し、待機部62の湾曲通路内へ取り込む方向に回転する。第1ローラ63による押圧力は、遊技球貸機3が紙幣6を引き戻し可能な程度に比較的弱く設定されている。ここでは、第1ローラ63は、角の丸くされた多角形(たとえば、三角形)を成している。多角形にすることで、角の部分での紙幣6に対する押圧力を高めても、辺(弦)の部分では押圧力が弱くなる(もしくは無くなる)ので、遊技球貸機3による紙幣6の引き戻しが容易になる。なお、第1ローラ63は円形でもかまわない。第2ローラ66は第1ローラ63と同様の形状である。
【0081】
排出ローラ64は、紙幣6の短辺の長さよりやや長い一対の円柱状のローラで構成されている。排出ローラ64の表面は弾性を有し、一対の排出ローラ64は互いに押圧・密着して配置されており、紙幣6を該一対の排出ローラ64の間にニップして搬送する。
【0082】
排出ローラ64は、通路部40(紙幣通路43)を通る搬送補助体16の大径部16cに当接しないようにするため、通路部40(紙幣通路43)の本体枠部60側の壁面よりも通路部40の中へ突出しないように設置されている。紙幣取込装置24において、紙幣6を通路部40内に確実に送り出すためには、紙幣6の終端を繰り出し通路69を通じてガイドレール46の頂まで送り出す必要がある。排出補助ベルト65は、排出ローラ64からガイドレール46の頂まで紙幣6を繰り出し通路69に沿って送り出す役割を果たす。
【0083】
詳細には、排出補助ベルト65は、ガイドレール46の途切れ部分に形成された繰り出し通路69のすぐ脇に繰り出し通路69に沿うように掛け渡された環状のベルトである。図16、図17に示すように、一対の排出ローラ64のうちの搬送方向下流側の排出ローラ64Aには、他の部分より小径の小径部64b(図17参照)が設けてあり、この小径部64bに排出補助ベルト65の一方が掛け渡され、他端側は、繰り出し通路69の終端近傍に設けられたプーリ65aに掛け渡されている。排出補助ベルト65は排出ローラ64Aから駆動力を得て、図16の矢印B方向へ周回する。
【0084】
排出補助ベルト65は直径2mmほどの断面円形で環状の丸ベルトであり、弾性を有しかつ表面の摩擦係数の高いゴムを使用している。小径部64bの径は、該小径部64bの半径と排出補助ベルトの厚み(直径)の合計が、排出ローラ64Aの他の部分の半径以下(ここでは、等しくなるよう)に設定されている。すなわち、小径部64bに掛け渡している部分で排出補助ベルト65が排出ローラ64の周面より突出しないようにしてある。本例では、排出ローラ64の周面とほぼ揃うようになっている。
【0085】
また、図16に示すように、斜めに掛け渡された排出補助ベルト65に対向して沿うようにガイド部68が設けてある。ガイド部68は、繰り出し通路69を通る紙幣6を排出補助ベルト65に当接させる役割を果たす。
【0086】
排出補助ベルト65は、紙幣6の終端が排出ローラ64を過ぎた後、その紙幣6を繰り出し通路69に沿ってガイドレール46の頂まで送り出す。ガイドレール46は、搬送路12のリブ35に対応しており、ガイドレール46のある箇所は搬送補助体16の中で最も小径な首部16bや括れ部16dが通る箇所である。そのため、ガイドレール46の頂(排出経路69の出口)まで紙幣6の終端を送り出せば、搬送補助体16の大径部16cと通路部40の壁面との間に紙幣6が巻き込まれることがなく、確実に紙幣6を通路部40内へ排出して搬送補助体16で搬送することができる。
【0087】
待機部62のS字状に湾曲した湾曲通路は、紙幣取込装置24の本体枠部60側に形成されたS字状の湾曲した面を成す本体側案内面62Aと、本体側案内面62Aに対して所定の間隔をあけて対向配置されるS字状の湾曲面を内側に備えた開閉扉62Bとで構成される。図18は、開閉扉62Bを開いた状態を、図19は、開閉扉62Bを取り外した状態の紙幣取込装置24を示す斜視図である。図20は、開閉扉62Bを取り外した状態の紙幣取込装置24の背面図である。図21は、開閉扉62Bの内側面62Kを臨む斜視図であり、図22は開閉扉62Bの内側面62K側を示す平面図である。
【0088】
湾曲通路の本体側案内面62Aと対向する壁面のうち、湾曲通路の通路幅方向の両端近傍部分は、湾曲通路の延設方向に沿った縁部71として本体枠部60側に設けられている(図20参照)。開閉扉62Bは、本体側案内面62Aと対向する壁面のうち縁部71を除く部分の壁面を構成し、湾曲通路の通路幅より縁部71の分だけ幅細にされている。縁部71は、待機部62にある紙幣6の幅方向の両端を支持する。これにより、開閉扉62Bを開いた際に、待機部62にあった紙幣6が落下することが防止される。
【0089】
開閉扉62Bは、紙幣受入口61側の湾曲部分近傍の基端部に設けた軸穴部62c(図21参照)を、本体枠部60側の対応する位置に開設された受け穴62d(図19参照)に係合させて回動可能に本体枠部60に取り付けられる。また開閉扉62Bの先端部に設けた突起62e(図21参照)と、閉じた状態で開閉扉62Bの突起62eに対応する位置に開設された本体枠部60側の係止穴62f(図19参照)とが係合することで開閉扉62Bは閉じた状態に保持される。
【0090】
図19から図22に示すように、湾曲通路を形成する本体側案内面62Aおよび開閉扉62Bの内側面62Kにはそれぞれ、湾曲通路の延設方向(湾曲通路内での紙幣6の搬送方向)に沿って複数本のリブ72が設けてある。本体側案内面62Aに設けたリブ72aと開閉扉62Bの内側面62Kに設けたリブ72bは、互いに対向する位置に設けてある。この対向するリブ72aとリブ72bとの間が、実質的に待機部(湾曲通路)62の紙幣6の厚み方向における通路幅(リブ間通路幅とする)になっている。
【0091】
本体側案内面62A側のリブ72aは、図19、図20に示すように、紙幣受入口61の近傍からシャッタ90に至るまで延設してある。ただし、湾曲通路の幅方向の両端の2本のリブ72aにおいては、途中で一部途切れており、その箇所に第2ローラ66が配設されている。
【0092】
図21、図22に示すように、開閉扉62Bの内側面62Kのリブ72bは、紙幣受入口61から湾曲通路の終端まで延設されている。ただし、第2ローラ66と対向する部分では、リブ72bに代えて、第2ローラ66を左右両側から挟むように押さえ突起73が設けてある。また、閉じたシャッタ90が当接する当接箇所74ではリブ72bが部分的に途切れている。
【0093】
リブ72a、72bを設けることで、紙幣6は待機部62の湾曲通路内でリブ72a、72bに接触するため、本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kに面接触しなくなり、接触抵抗や静電気の発生が減り、紙幣6を待機部62内で円滑に搬送することができる。
【0094】
なお、図19に示すように、紙幣受入口61の近傍には紙幣6の到来を検出する第1センサ81が、第2ローラ66とシャッタ90との間には、この位置に紙幣6の先端が到達したことを検出する第2センサ82が設けてある。また、繰り出し通路69の出口付近には、この箇所を通る紙幣6を検出する第3センサ83(図11参照)が設けてある。第3センサ83がオンからオフに変化することで、通路部40へ送り出し中の紙幣6の後端が第3センサ83の前を通過し終えたこと、すなわち、紙幣6の後端が繰り出し通路69から通路部40内へ出終えたことが検知される。
【0095】
本例で使用する第3センサ83は、図28に示すように、開口側通路枠40Aに設けられた通過穴85aを通して、対向する着脱壁面部40Bに向けて光を照射する発光部83aと、着脱壁面部40B側からの光を開口側通路枠40Aに設けられた別の通過穴85bを通じて受光する受光部83bとを備えた光センサである。着脱壁面部40Bには、開口側通路枠40Aの通過穴85aと対向する位置に通過穴85cが、開口側通路枠40Aの通過穴85bと対向する位置に通過穴85dがそれぞれ開設されていると共に、通過穴85cを通して受けた光が通過穴85dから射出されるように光の進路を変更する光路変更部86が設けてある。
【0096】
発光部80aから射出された光は、通過穴85a、通過穴85c、光路変更部86、通過穴85d、通過穴85bを通じて受光部80bに受光される。光路変更部86はプリズムあるいは鏡などで構成されており、光路変更部86への電気配線は不要である。着脱壁面部40Bは開口側通路枠40Aに対して着脱されるが、光路変更部への電気配線は不要なので、光路変更部が着脱の支障になることはない。
【0097】
また、図29に示すように、第3センサ83を、開口側通路枠40Aに配置され、その開口側通路枠40Aの通過穴85aを通過して着脱壁面部40Bに向けて光を照射する発光部83aと、着脱壁面部40B側に配置され、発光部83aからの光を着脱壁面部40Bの通過穴85cを通して受光する受光部83bとを備えた光センサとしてもよい。
【0098】
次に、空気漏れ対策について説明する。
【0099】
紙幣取込装置24の通路部40に設けた開口部44からの空気漏れの防止機構は、シャッタ90と、このシャッタ90と繋がって、開口部44の周囲を取り囲むシールド構造部76、77とから構成される。
【0100】
図20に示すように、シャッタ90とシールド構造部76、77とにより開口部44と排出ローラ64とを略矩形に取り囲む空気漏れ防止用のシールド経路79が形成される。詳細には、紙幣取込装置24の本体枠部60の背面には、開口部44および排出ローラ64の周囲を、シャッタ90と繋って、略矩形に取り囲むように溝76が形成されている。言い換えると、開口部44と排出ローラ64を略矩形に囲むシールド経路79のうち、シャッタ90の部分を除く範囲に溝76が形成されている。
【0101】
開閉扉62Bは、図21、22に示すように、本体枠部60の溝76に対応する部分が両側に拡幅しており、この拡幅した部分に、開閉扉62Bを閉じた際に溝76に嵌り込む係合縁77が、溝76の延設範囲に対応して設けられている。
【0102】
開閉扉62Bを閉じると、本体枠部60側の溝76に、開閉扉62B側の係合縁77が嵌り込み、空気漏れが防止される。湾曲通路を横断する部分では溝76および係合縁77が途切れているが、この部分の空気漏れはシャッタ90によって防止される。すなわち、溝76および係合縁77によるシールド部分とシャッタ90によるシールド部分とが繋がって、開口部44と排出ローラ64とを矩形に取り囲むシールド経路79が形成される。これにより、通路部40内を流れる空気流が開口部44を通じて外部へ漏れることが防止される。
【0103】
図23は、シャッタ90を示す図であって、同図(a)はシャッタ90の正面を、同図(b)は側面を、同図(c)は破線Cにおける断面を、同図(d)は破線Dにおける断面をそれぞれ示している。
【0104】
シャッタ90は、長辺が湾曲通路の通路幅に対応する長さを有する長方形の可動片の一方の長辺に沿って回動軸91を備え、他方の長辺側は端部近傍で約120度に屈曲した形状を備えている。この屈曲した部分の頂は、湾曲通路の内壁(開閉扉62Bの内側面62kの当接箇所74)に当接する当接部92となっている。
【0105】
シャッタ90は、図11に示すように、当接部92が回動軸91より排出ローラ64側となり、かつ当接部92が開閉扉62Bの内側面62Kを臨む向きにして、回動軸91が本体側案内面62A側の本体枠部60内に軸支されて取り付けられる。また、シャッタ90は、当接部92が開閉扉62Bの内側面62Kに当接するようにバネ93により付勢される。
【0106】
紙幣6が待機部62にないときは、バネ93に付勢されて、シャッタ90の当接部92が開閉扉62Bの内側面62Kの当接箇所74に当接した状態(図11の破線で示す位置)にあり、空気漏れが防止される。また、紙幣受入口61から受け入れた紙幣6が第1ローラ63や第2ローラ66によって搬送されてその先端がシャッタ90に到達すると、この紙幣6の進行に伴ってシャッタ90が押し開けられる。第2ローラ66は、第1ローラ63に比べてシャッタ90までの距離が短いので、その間での紙幣6の腰折れが少なくなり、紙幣6にシャッタ90を押し開くための力を効率良く与えることができる。
【0107】
図23に示すように、シャッタ90の当接部92は、開閉扉62Bの内側面62Kに設けられたリブ72b(図22参照)に対応する箇所では他の部分より幅の狭い幅狭部92bになっている。この幅狭部92bの湾曲通路上流側(紙幣受入口61側)および下流側はそれぞれ切り欠かれて、上流側窪み部94a、下流側窪み部94bが形成されている。また、シャッタ90の上流側を向く面には、凹部96が各所に設けてあり、紙幣6との接触抵抗や静電気の発生を軽減するようになっている。
【0108】
図21、図22に示すように、開閉扉62Bの内側面62Kに形成されたリブ72bは、開閉扉62Bを閉じたときにシャッタ90の当接部92が当接する当接箇所74において部分的に途切れている。シャッタ90の当接箇所74より湾曲通路下流側のリブ72bDの上流端は、当接箇所74に向けて該リブ72bDの高さが次第に低くされており、当接部92に至る前に高さがゼロになっている。
【0109】
シャッタ90の当接箇所74より湾曲通路上流側のリブ72bUの下流端は、他の部分より幅広の幅広部72fと、この幅広部72fからさらに下流側に僅かに突出した突起部72gを備えている。幅広部72fの高さはリブ72bと同一であり、幅広部72fの幅はシャッタ90の上流側窪み部94aの幅より広くされている。また、幅広部72fの湾曲通路上流側および下流側の端面はそれぞれ斜めに傾斜している。幅広部72fの湾曲通路上流側の端面の傾斜は、閉じた開閉扉62Bに当接部92が当接した状態のシャッタ90の湾曲通路上流側の面が成す傾斜と同一になっている。突起部72gはリブ72bの通常箇所と同一の幅を有する。
【0110】
図24(a)、図25に示すように、開閉扉62Bを閉じたとき、シャッタ90の当接部92は開閉扉62Bの内側面62Kの当接箇所74に当接する。また、当接部92の幅狭部92bでは、その上流側窪み部94aに開閉扉62Bのリブ72bUの先端の突起部72gが係合する。
【0111】
この状態で紙幣受入口61からの紙幣6がシャッタ90に到達すると、図24(b)に示すように、紙幣6の先端はリブ72bUの幅広部72fに支えられる。幅広部72fに支えられた紙幣6はシャッタ90をすこし押し開きながらさらに直進する(同図(c))。同図(b)に示すようにリブ72bUの突起部72gがシャッタ90の上流側窪み部94aの中まで延びているので、同図(c)に示すように、シャッタ90を少し開いた状態でも紙幣6の先端は突起部72gに支えられている。そして、紙幣6がさらに進行すると、同図(d)に示すように紙幣6の先端はシャッタ90の頂を越える。
【0112】
このように、紙幣6の先端がシャッタ90の当接部92の頂を越える直前まで、リブ72bUの幅広部72fや突起部72gが紙幣6の先端のシャッタ90と反対側の面を支えるので、紙幣6の先端が折れ曲がることなく直進してシャッタ90を押し開くことができる。また、当接部92の幅を細くしたので、シャッタ90を紙幣6が押し開く際の抵抗や摩擦などが少なくなり、紙幣6の先端がシャッタ90の当接部92を乗り越え易くなっている。
【0113】
また、図24(a)、図25に示すように、開閉扉62Bを閉じた状態で、幅広部72fの湾曲通路下流側の斜面がシャッタ90の上流側の面にほぼ平行に当接して上流側窪み部94aを上流側から覆い塞ぐ。幅狭部92bでは、当接部92の他の部分と比べて開閉扉62Bの当接箇所74との当接面積が少なく空気漏れの防止作用が弱くなるが、幅広部72fで上流側窪み部94aを防ぐことで、空気漏れの防止作用が補強される。
【0114】
また、図24(d)に示すように、シャッタ90の湾曲通路下流側のリブ72bDの端部は、高さほぼゼロの状態からは次第に高さを増すように構成されているので、当接部92を乗り越えた紙幣6の先端は、リブ72bDの端部に引っ掛かることなく円滑にリブ72bDに乗り上げて進むことができる。
【0115】
図26は、紙幣取込装置24Lが紙幣6を受け入れてから通路部40内へ送り出すまでの動作を示している。紙幣取込装置24Lは、遊技球貸機3から紙幣6が到来し、その先端を第1センサ81が検出すると(図26(a)参照)、モータを駆動させ、第1ローラ63によってその紙幣6を湾曲通路(待機部62)内に取り込んで送り出す。その後、この紙幣6の先端を第2センサ82が検知するとモータを停止させ、紙幣6の先端がシャッタ90に到達する手前の待機位置で紙幣6は待機させる(同図(b)参照)。待機位置ではシャッタ90は閉じており、空気漏れのない状態が維持される。紙幣6が待機位置に待機したことは図示省略の制御部に通知され、この通知を受けた制御部は、紙幣取込装置24Lに対して紙幣の排出許可信号を送信する。
【0116】
これを受けた紙幣取込装置24Lは、モータを駆動し、第2ローラ66や排出ローラ64を回転させる。この排出ローラ64の回転に伴って排出補助ベルト65も周回する。待機位置にある紙幣6は第2ローラ66に送り出されてシャッタ90を乗り越え、さらに排出ローラ64および排出補助ベルト65によって搬送され、繰り出し通路69を通じて通路部40(紙幣通路43)内へと進む(同図(c)参照)。紙幣6が繰り出し通路69から通路部40へ出始めると第3センサ83はオンになる。さらに紙幣6が搬送され、紙幣6の終端が第3センサ83を通過して第3センサ83がオフになると(同図(d)参照)、モータを停止させる。これにより、紙幣6の終端まで完全に通路部40内へ送り出された状態になる。
【0117】
紙幣取込装置24は通路部40への紙幣6の送り出しが完了すると、その旨を制御部に通知する。これを受けた制御部は搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を送出させてこの紙幣6を回収する。
【0118】
次に、紙幣取込装置24Rと紙幣取込装置24Lとの相違を説明する。
【0119】
図27は、紙幣取込装置24Rの断面を示している。紙幣取込装置24Lでは、通路部40の紙幣受入口61側の端部に上流側搬送管接続部41を、他方の端部に下流側搬送管接続部42を設けていたが、紙幣取込装置24Rでは、上流側搬送管接続部41と下流側搬送管接続部42とが逆の配置となる。すなわち、紙幣受入口61のある側の端部が搬送方向下流側になる。
【0120】
そのため、排出補助ベルト65の架設方向および繰り出し通路69の延設方向が紙幣取込装置24Lと逆方向になっている。すなわち、紙幣取込装置24Rでは、一対の排出ローラ64より紙幣受入口61が搬送方向下流側にあり、待機部(湾曲通路)62は、搬送方向下流側から上流へと延設され、その終端にある一対の排出ローラ64のうち紙幣受入口61側の排出ローラ64からその搬送方向下流側に向けて排出補助ベルト65が張設され、また繰り出し通路69が形成されている。紙幣取込装置24Rでは、排出ローラ64の部分で紙幣6の進路がほぼ180度反転するほどに湾曲されることになる。
【0121】
上記のように待機部62や排出補助ベルト65の配置が相違する以外については紙幣取込装置24Rと紙幣取込装置24Lの構成は同一になっている。
【0122】
紙幣取込装置24Rと紙幣取込装置24Lを使用することで、遊技機島2の表面側の遊技球貸機3からの紙幣受け入れ位置と裏面側の遊技球貸機3からの紙幣受け入れ位置とを近接させることができ、バランス良く遊技機島2の表裏に遊技球貸機3および遊技機4を配列することができる。
【0123】
次に、連結ユニット18について説明する。
【0124】
図30は、連結ユニット18を構成する各部および搬送管12の接続時の組み合わせ方を示す分解斜視図であり、図31は、連結状態の連結ユニット18を示す斜視図である。
【0125】
連結ユニット18は、連結本体部100と、上流側アダプタ120と、下流側アダプタ140を備えている。連結本体部100、上流側アダプタ120、下流側アダプタ140はそれぞれ、搬送管12の形状に対応した内側形状を有する筒状を成している。図中、紙幣6の搬送方向(空気流の流れる方向)を矢印Fで示してある。
【0126】
上流側アダプタ120の一方の端部は上流側の搬送管12が接続される上流搬送管接続口121になっている。上流搬送管接続口121には、ゴムなどの弾性素材で形成されたパッキン160を端部の外側に被せた状態の搬送管12が気密に挿入されて接続される。
【0127】
連結本体部100の上流側の端部は、上流側アダプタ120の下流側の端部が挿入される上流側アダプタ接続口101になっている。上流側アダプタ接続口101には、パッキン160を下流側の端部122の外側に被せた状態の上流側アダプタ120の下流側端部122が気密に挿入されて接続される。
【0128】
連結本体部100の下流側の端部は、下流側の搬送管12が接続される下流搬送管接続口102になっている。連結本体部100の下流搬送管接続口102には、下流側アダプタ140が挿入され、さらに、パッキン160を被せた搬送管12が気密に挿入されて接続される。
【0129】
図32は、上流側アダプタ120の正面、上流側側面、下流側側面、平面および底面を表した図である。また図33は、図32の底面図における上流側アダプタ120のA−A断面を示している。
【0130】
上流側アダプタ120の上流搬送管接続口121は、搬送管12の外縁形状より一回り大きい内縁形状を有し、パッキン160を外嵌した搬送管12の端部が、パッキン160を少し圧縮した状態で気密に挿入される。
【0131】
図33に示すように、上流側アダプタ120の上流搬送管接続口121から下流側の端部122までの筒状部分は、上流側から順に、第1領域131、第2領域132、第3領域133、第4領域134、第5領域135に分かれている。
【0132】
第1領域131は、パッキン160の被った部分の搬送管12が気密に挿入される部分である。第1領域131の搬送方向に垂直な断面の内縁形状は、パッキン160を被せた状態の搬送管12の外縁形状と相似であってパッキン160の圧縮分だけ小さくなっている。
【0133】
第2領域132は、パッキン160の被っていない搬送管12の先端部が挿入される部分である。第2領域132の搬送方向に垂直な断面の内縁形状は搬送管12の外縁形状に対応した形状で搬送管12が丁度収まる形状になっている。
【0134】
第3領域133の上流側端部は、搬送管12の先端の突き当て部となっており、搬送管12の挿入完了位置を規定する。第3領域133の上流側の端部(第2領域132との境界箇所)の内縁形状(リブなどを除く内壁部分の形状)は、挿入完了位置にある搬送管12の内縁が第3領域133の上流側の端部の内縁より内側となる段差の生じる形状になっている。なお、第3領域133のうち、搬送管12の拡張部33に対応する部分の内壁は他の部分の内壁より1mmほど外側になっている。この部分の詳細は後述する。搬送管12や上流側アダプタ120、連結本体部100など筒状の通路の中心(搬送方向に垂直な断面での中心)に向かう方向を内側、中心から内壁へ向かう方向を外側とする。
【0135】
第3領域133から上流側アダプタ120の筒状部分の下流端(第5領域135の下流端)にかけての内縁形状(搬送管12の拡張部33に対応する部分を除く)は、第3領域133の上流端から下流に向けて次第に小さくなり、下流側の端部122では搬送管12の内縁形状より僅かに小さくなっている。
【0136】
上流側アダプタ120の第5領域135の部分にはパッキン160が外嵌される。第5領域135の外縁形状は搬送管12の外縁形状と同一である。第4領域134の外縁形状は第5領域135よりやや大きくなっており、パッキン160の挿入深さを規制する突き当て部となっている。第3領域133の下側の端部(第4領域134との境界箇所)の外周には外側に突起してこの外周を一周する縁部124が設けてある。縁部124は、連結本体部100の上流側アダプタ接続口101に上流側アダプタ120の下流側の端部122を挿入した際に、連結本体部100の上流側アダプタ接続口101の端面に当接し(図31参照)、上流側アダプタ120が上流側アダプタ接続口101に最も深く挿入された際の挿入深さを規制する。
【0137】
上流側アダプタ120の、搬送される紙幣の紙面と対向する各内壁には、第3領域133からその下流方向に向けて、上流搬送管接続口121に接続された搬送管12のリブ35および分離壁34を延長するようにリブ128(128a〜128c)が設けてある。リブ35に対応するリブ128a、128cは、上流側アダプタ120の筒状部分の下流側の端部122より、さらに所定長だけ搬送方向下流へ延設されて終端し、分離壁34に対応するリブ128bは、リブ128a、128cよりさらに搬送方向下流へ長さL1だけ延びて終端している。リブ128bの終端位置とリブ128a、128cの終端位置との差は距離L1(たとえば、2cm)である。各リブ128の終端は、リブの頂が基部側(内壁に接合している側)より下流となるように斜めにカットされている(図32の平面、底面参照)。
【0138】
各リブ128の上流側の端部の頂の高さは、上流側アダプタ120の上流搬送管接続口121に接続された搬送管12のリブ35および分離壁34の頂との接続部分で、搬送管12のリブ35および分離壁34の頂の方が内側となる(分離壁の頂の方が高くなる)段差が生じるように低く形成されている。また、図33に示すように、リブ128の幅(厚み)は、上流側の端部では、搬送管12の分離壁34やリブ35の幅より細い。リブ128の幅は、下流に向けて次第に太くなり、下流側の端部122よりさらに下流に突出した部分の幅は、搬送管12のリブ35や分離壁34より太い所定の幅で一様になっている。
【0139】
搬送管12の拡張部33に対応する部分の内壁にもリブ129が設けてある。詳細には、リブ128aとリブ128cとの間の内壁は搬送管12の拡張部33の内壁より僅かに(1mmほど)外側に位置しており、リブ128aとリブ128bとの中央および、リブ128bとリブ128cとの中央にはそれぞれ搬送方向に延びるリブ129が設けてある。リブ129の上流端の高さは搬送管12の拡張部33の内壁より僅かに外側となるように設定されている。
【0140】
図34は、連結本体部100の正面、上流側側面、下流側側面、平面および底面を表した図である。また図35は、図34の底面図における連結本体部100のA−A断面を示している。連結本体部100は、搬送される紙幣6の紙面と対向する一方の壁面を含むベース部100Aと、他方の壁面を含むカバー部100Bとに分離可能に構成されている。図34ではベース部100Aとカバー部100Bとの境界を矢印Tで示してある。
【0141】
連結本体部100の上流側アダプタ接続口101は、上流側アダプタ120の下流側の端部122の外縁形状よりやや大きい内縁形状を有し、パッキン160を外嵌した上流側アダプタ120の下流側の端部122が、パッキン160を少し圧縮した状態で気密に挿入される。
【0142】
図35に示すように、連結本体部100は、上流側から順に、第11領域111、第12領域112、第13領域113、第14領域114、第15領域115、第16領域116になっている。
【0143】
第11領域111は、パッキン160を被った上流側アダプタ120の第5領域135(下流側の端部122)および第4領域134の部分が挿入され、パッキン160により気密が保たれる。連結本体部100の第11領域111の搬送方向に垂直な断面の内縁形状は、パッキン160を被せた状態の上流側アダプタ120の下流側の端部122(第5領域135)の外縁形状と相似形であってパッキン160の圧縮分だけ小さくなっている。
【0144】
連結本体部100の第13領域113および第12領域112には、上流側アダプタ120の下流側の端部122から突出するリブ128に対応するリブ105が設けられている。連結本体部100の第12領域112の各内壁は下流側が内側となるように僅かに傾斜しており、第13領域113との境界では搬送管12の内縁形状とほぼ同一の内縁形状になっている。第13領域113では、搬送管12の内縁形状と同一の内縁形状が第14領域114との境界まで継続する。
【0145】
連結本体部100の第14領域114の内壁は下流ほど内側となるように僅かに傾斜している。第15領域115には下流側アダプタ140が挿入される。第15領域115の内壁には、後述する下流側アダプタ140の係合突起141が嵌りこむ凹部107が設けてある。
【0146】
第16領域116は、パッキン160の外嵌された搬送管12の端部が気密に挿入される。
【0147】
連結本体部100の第13領域113および第14領域114の紙幣の紙面と対向する各内壁には、上流側アダプタ120の下流側の端部122から突出する各リブ128と同一位置に、搬送方向に沿うリブ105(105a〜105c)が設けてある。上流側アダプタ120のリブ128a、128cに対応する連結本体部100側のリブ105a、105cの始端(上流側端部)は、上流側アダプタ120のリブ128bに対応する連結本体部100側のリブ105bの始端より距離L1だけ上流側となっている。また、各リブ105の始端は、リブの頂が基部より下流側となるように斜めにカットされている。
【0148】
各リブ105と、上流側アダプタ120のリブ128との接続箇所では、連結本体部100側のリブ105の頂より上流側アダプタ120側のリブ128の頂が内側となる(高くなる)段差が生じるようになっている。また、図35に示すように、リブ105の幅は、上流端では、上流側アダプタ120のリブ128の下流端より細く、下流ほど次第に太くなっている。
【0149】
連結本体部100の上流側アダプタ接続口101への上流側アダプタ120の下流側端部122の接続深さは、最も深く嵌合させた最深位置から所定長離れた最浅位置までの範囲で調整可能になっている。調整可能範囲は、上流側アダプタ120の下流側の端部122から突出する短い方のリブ128a、128cと長い方のリブ128bとの終端位置の差の距離L1より若干短い距離となっている。
【0150】
図36は、上流側アダプタ120のリブ128の終端と、連結本体部100のリブ105の始端との位置関係を示している。同図(a)は、頂を臨む方向からリブを見た状態を、同図(b)〜(d)は、リブの側面を見た状態を模擬的に示している。
【0151】
上流側アダプタ120の下流側の端部122からさらに下流方向へ突出するリブ128は、両端のリブ128a、128cの終端より中央のリブ128bの終端がL1だけ下流方向へ長く伸びている。これに対応して連結本体部100のリブ105は、両端のリブ105a、105cの始端(=上流側の終端)より中央のリブ105bの始端がL1だけ下流側となっている。また、同図(a)に示すように、上流側アダプタ120のリブ128a〜128cの終端部の幅(厚み)は、連結本体部100側の各リブ105a〜105cの始端部の幅より太く(幅広)なっている。
【0152】
同図(b)は、上流側アダプタ120の下流側の端部122を、連結本体部100の上流側アダプタ接続口101に最深位置(縁部124が上流側アダプタ接続口101の端面に当接する位置)まで挿入した状態を示している。このとき、上流側アダプタ120の各リブ128a〜128cと、連結本体部100の各リブ105a〜105cは、互いの傾斜した端面がほぼ当接して繋がる状態(僅かの隙間があってもよい)になる。また上流側アダプタ120のリブ128a〜128cの下流側端部の頂は、連結本体部100のリブ105a〜105cの上流側端部の頂より僅かに内側(同図では高く)になっている。
【0153】
同図(b)に示す状態では、すべてのリブがほぼ繋がっている。また、上流側のリブ128の終端部の幅が下流側のリブ105の始端部の幅より広く、また、上流側のリブ128の頂が、下流側のリブ105の頂より内側となる段差がある。すなわち、リブの接続箇所では、X方向(搬送管の短辺方向:図5参照))にもY方向(搬送管の長辺方向)にも順方向の段差(上流側が下流側より内側となる段差)となっている。そのため、搬送補助体16は、下流側のリブ105の始端に引っ掛かることなく、これらのリブの境界を通過する。
【0154】
同図(c)は、連結本体部100への上流側アダプタ120の接続深さを、調整可能範囲内でやや浅くした状態を示している。このとき、上流側アダプタ120側の各リブ128の終端と、連結本体部100側の各リブ105の始端とがそれぞれ離れて途切れる。しかし、上流側アダプタ120側の中央のリブ128bと連結本体部100側の中央のリブ105bとが途切れている位置P1と搬送方向の同一位置において、連結本体部100側のリブ105a、105cが途切れずに存在している。また、リブ128a、128cとリブ105a、105cとが途切れている位置P2では、上流側アダプタ120の中央のリブ128bが途切れずに存在している。
【0155】
同図(d)は連結本体部100への上流側アダプタ120の接続深さを調整可能な範囲で最も浅い最浅位置とした状態を示している。この位置でも同図(c)と同様に、上流側アダプタ120側の中央のリブ128bと連結本体部100側の中央のリブ105bとが途切れている位置P1と搬送方向の同一位置に連結本体部100側のリブ105a、105cが途切れずに存在し、リブ128a、128cとリブ105a、105cとが途切れている位置P2には、上流側アダプタ120の中央のリブ128bが途切れずに存在する。
【0156】
このように、接続深さを調整可能な範囲では、いずれかのリブが途切れている位置と搬送方向の同一位置に、少なくとも1本の途切れていない他のリブが存在するので、すべてのリブが同時に途切れる箇所が発生せず、搬送補助体16は、途切れていないリブに案内されて上流側アダプタ120から連結本体部100側へと円滑に移動することができる。
【0157】
特に、隣り合うリブ(たとえば、リブ128aとリブ128b)の長さを相違させているので、リブの途切れ箇所が搬送方向の同一位置に連続して形成されなくなり、リブの併設方向に幅広く途切れることが防止される。
【0158】
また、下流側のリブ105の上流側端面はその頂が基部より下流側となるように傾斜しているので、途切れている箇所で搬送補助体16が下流側のリブ105の端面に触れたとしても、該端面の傾斜に沿って進むので、引っ掛かることなく移動することができる。
【0159】
図37は、下流側アダプタ140の正面、上流側側面、下流側側面、平面および底面を表した図である。また図38は、図37の底面図における下流側アダプタ140のA−A断面を示している。
【0160】
下流側アダプタ140は、短い筒状の枠部142を有している。枠部142の内側形状は搬送管12の内側形状にほぼ対応した形状をなしている。枠部142の外壁面には係合突起141が設けてある。また、枠部142の内壁には、連結本体部100の各リブ105a〜105cに対応するリブ144(144a〜144c)が形成されている。このリブ144は、枠部142の下流端よりさらに下流へ突出している。枠部142の内壁のうち、搬送管12の拡張部33に対応する部分(リブ144aとリブ144cの間の部分)は、連結本体部100の第14領域114の対応する内壁より1ミリほど外側になるように形成されている。また、リブ144aとリブ144bとの中央および、リブ144bとリブ144cとの中央にそれぞれ、搬送方向に沿うリブ145が設けてある。リブ145の上流側端部の頂の高さは、連結本体部100の第14領域114の対応する部分の内壁の下流端より僅かに外側となるように設定されている。
【0161】
下流側アダプタ140の下流端には搬送管12が接続される。図39は、搬送管12と下流側アダプタ140との接続状態を示しており、同図(a)は図37の底面のA−Aと同じ位置の断面を示している。図39(b)は同図(a)のB−B端面を、同図(c)は同図(a)のC−C断面を、同図(d)は同図(a)のD−D端面を、同図(e)は同図(a)のE−E端面を、同図(f)は同図(a)のF−F断面をそれぞれ示している。
【0162】
搬送管12の拡張部33に対応する部分を除いて、下流側アダプタ140の枠部142の下流端部分の内壁は、搬送管12の内壁より内側となっており、その部分の境界には順段差が形成される(同図(b)参照)。
【0163】
一方、下流側アダプタ140の枠部142の下流端部分の内壁のうち搬送管12の拡張部33に対応する部分であってリブ145のない部分では、同図(e)に示すように、下流側アダプタ140の枠部142の内壁が搬送管12の拡張部33の内壁とほぼ段差なく繋がるようにされている。
【0164】
また、リブ145の部分では、同図(d)に示すように、リブ145の下流端の頂が搬送管12の内壁面より内側となって順段差が形成される。リブ145は、上流端から下流に向けて、次第に高さが高くなる(内側になる)と共に幅も次第に広がっている。
【0165】
下流側アダプタ140の下流端と搬送管12との接続箇所において、下流側アダプタ140側の内壁が内側となる順段差を内縁の全周にわたって形成すると、搬送補助体16と内壁との隙間、つまり、空気流が抜ける通路が、内縁の全周に渡って狭くなり、空気の流れが乱れて、乱気流が生じやすくなる。乱気流は搬送補助体16や紙幣6の姿勢を乱し、また搬送補助体16を下流へ押し運ぶ作用を低下させる。そこで、同図(e)に示すように、拡張部33に対応する部分では、内壁の接続箇所で順段差が生じないようにして、空気の通路を確保している。この部分にも順段差を設けることが好ましいので、順段差のない領域の一部にリブ145を設けて順段差を部分的に形成し、空気の通路と順段差の確保との両立を図っている。
【0166】
なお、拡張部33に対応する箇所は、通路の幅が広く、空気流の流量も多くなる箇所なので、この部分に順段差のない空気通路を設けることは乱気流の防止に効果的である。
【0167】
リブ144aは、同図(a)に示すように、枠部142内の部分で上流端から下流に向けて次第に幅が広くなり、下流側へ突出する部分では、搬送管12のリブ35のY方向外側(拡張部33と反対側)の側面に沿って延びている。また、同図(c)に示すようにリブ35の頂よりもリブ144aの頂がわずかにX方向内側となっている。リブ144cについても同様である。
【0168】
また、リブ144bは、同図(a)に示すように、枠部142内の部分で上流端から下流に向けて次第に幅が広くなり、枠部142の下流端からさらに下流側へ突出する部分では、搬送管12の分離壁34より幅広になり、幅方向において分離壁34はリブ144bの内側に含まれている。また、同図(f)に示すように分離壁34の頂よりもリブ144bの頂がわずかにX方向内側となっている。
【0169】
このようなリブ144a、144b、144cは、下流側アダプタ140側から搬送管12へ搬送補助体16を送り出す際に、搬送補助体16を搬送管12の中央寄りに位置規制するガイド部材としての機能を果たす。すなわち、リブ144a、144b、144cは、リブ35や分離壁34に比べて、搬送補助体16の頭部16aや大径部16cとの間のY方向のクリアランスを狭くして、搬送補助体16のY方向の位置を搬送管12の中央寄りに規制する機能を果たす。また、リブ35や分離壁34の頂よりリブ144a〜144cの頂はX方向内側にあるので、リブ35や分離壁34に比べて、搬送補助体16の首部16bや括れ部16dとのX方向のクリアランスを狭くして、搬送補助体16のX方向の位置を搬送管12の中央寄りに規制する。
【0170】
また、X方向、Y方向いずれにおいても、下流側アダプタ140側のリブ144と搬送管12側のリブ35や分離壁34との境界において順段差を形成するので、搬送補助体16は、搬送補助体16のリブ35や分離壁34に引っ掛かることなく下流側アダプタ140から搬送管12へ移動することができる。
【0171】
図40は、上流側の搬送管12から連結ユニット18を経て下流側の搬送管12へ至るまでの各内壁の接続箇所(境界箇所)における順段差の状態を示している。上流側アダプタ120に接続された上流側の搬送管12Uの端部は上流側アダプタ120の第3領域133の上流端に当接する。この接続箇所では、第3領域133の上流端の内壁が外側へ斜めに拡張しており、搬送管12Dの内壁が内側となる段差が形成されている。
【0172】
上流側アダプタ120の下流端は、連結本体部100の第12領域112で終端している。連結本体部100の第12領域112はその上流側端部の内縁形状が上流側アダプタ120の下流側の端部122の内縁形状より外側となっており、この接続箇所に順段差を形成する。
【0173】
連結本体部100の第14領域114の下流端と下流側アダプタ140の枠部142の上流端との接続箇所では、この接続箇所を跨って斜面が延設されるように段差なく内壁が連続する。下流側アダプタ140に接続深さの調整機能はなく、連結本体部100の上流側アダプタ接続口101内の所定位置に正確に位置決めされて装着されるので、段差なく連続させることが可能になっている。なお、この接続箇所においても順段差が形成されるようにしてもよい。
【0174】
下流側アダプタ140の下流端と下流側の搬送管12Dとの接続箇所では、下流側アダプタ140側の内壁が内側となる順段差が形成される。この接続箇所は図39(b)に対応する部分である。なお、各接続箇所で順段差を確保するために、上流側アダプタ接続口101の第12領域112などでは、上流から下流にかけて次第に内側となるように内壁を傾斜させてある。
【0175】
このように、内壁のすべての接続箇所において順段差が形成されるので、搬送補助体16は各接続箇所を引っ掛かりなく円滑に移動することができる。
【0176】
図41は、リブの頂での順段差を示している。搬送管12Uのリブ35から、上流側アダプタ120のリブ128、連結本体部100のリブ105、下流側アダプタ140のリブ144を経て、下流側の搬送管12Dのリブ35へと繋がる。各接続箇所では、上流側のリブの頂が下流側のリブの頂より内側となる(高くなる)順段差が形成されている。また、この順段差を各箇所で確保するために、リブ105やリブ144などは、上流から下流に向けて次第に頂が高くなるように形成されている。
【0177】
このように、リブについても順段差で接続されるので、紙幣6は、その先端が各接続箇所で下流側のリブに引っ掛かることなく円滑に移動することができる。
【0178】
なお、連結ユニット18と同一の接続構造は、紙幣取込装置24にも適用されている。たとえば、紙幣取込装置24Lの通路部40は、連結に関して、連結ユニット18の連結本体部100と同一構造になっている。なお、紙幣取込装置24では、連結本体部100の第3領域133から第4領域134に対応する部分の通路長をある程度長く確保し、この部分に開口部44や繰り出し通路69を設けてある。
【0179】
通路部40の上流側搬送管接続部41には、上流側アダプタ120が接続され、上流側アダプタ120の上流搬送管接続口121にパッキン160の外嵌された搬送管12が気密に挿入される。また、通路部40の下流側搬送管接続部42には、パッキン160の外嵌された下流側の搬送管12が下流側アダプタ140を介して接続される。
【0180】
このように、本発明の連結ユニット18は、空気流によって紙葉類を搬送する内壁にリブを備えた搬送管12を、微妙な長さ調節に対応しつつ、紙葉類が接続箇所を円滑に通過できるように連結することができ、各現場での施工に柔軟に対応することができる。
【0181】
次に、搬送管12内の風量調整について説明する。
【0182】
(1)タイムオーバー時の風量調整
紙葉類搬送装置10の動作を制御する制御部は、搬送管12(往路12a)の始端部(搬送補助体挿入装置21)から搬送管12内へ搬送補助体16が送り出されてから所定時間経過しても、紙幣6を搬送し終えた搬送補助体16が所定の位置に到達しなかったときは、搬送管12内を流れる風量を、それまでの通常の風量よりも多くなるよう制御する。
所定の位置は、搬送管12(復路12b)の終端部(搬送補助体分離部22)、搬送管12(往路12a)の始端部(搬送補助体挿入装置21)などである。所定の位置には、搬送補助体16が到達したことを検知する光センサなどのセンサを設ける。
【0183】
また、制御部は、搬送管12(往路12a)の始端部(搬送補助体挿入装置21)から搬送管12内へ搬送補助体16が送り出されてから所定時間経過しても、紙幣6を金庫5に搬送し終えたことが検出されなかったときも同様に、搬送管12内を流れる風量を、それまでの通常の風量よりも多くなるよう制御する。
【0184】
制御部は、風量を多くした後、搬送補助体16が所定の位置に到達または金庫5に紙幣が回収されたことを検知すると、通常の風量に戻す。一方、制御部は、風量を多くしても搬送補助体16が所定の位置に到達または金庫5に紙幣が回収されないときは、搬送管12内を流れる風量がさらに多くなるよう制御する。
【0185】
風量調整を実現するためには、空気流発生装置14をブラシレスモータやインジェクションモータとしても良いし、搬送管12の始端部から終端部の間に1ないし複数の補助空気流発生装置を配置するようにしてもよい。空気流発生装置14をブラシレスモータやインジェクションモータとする場合、制御部は、インバーターから空気流発生装置14(ブラシレスモータ、インジェクションモータ)に出力される周波数を高くし、空気流発生装置14(ブラシレスモータ、インジェクションモータ)の回転速度を調整することで、搬送管12内を流れる風量がそれまでの通常の風量よりも多くなるよう制御する。補助空気流発生装置を配置する場合、通常の風量とするときは補助空気流発生装置をオフにし、風量を増加させるときに補助空気流発生装置をオンするように制御すればよい。補助空気流発生装置の設置場所は、たとえば、ターン部12bの手前とすることができる。また、ブラシレスモータやインジェクションモータは、制御部で電圧の大きさを変えることにより回転数を調整してもよい。なお、本実施の形態では空気流発生装置14のモータとしてインジェクションモータを採用している。
【0186】
図1、図2に示す遊技機島2では、復路12cの真下に往路12aが位置するように往路12aと復路12cとを上下配設しているが、遊技機島の設置位置に遊技場の柱があるような場合には、遊技機島2の幅を広げて建物の柱8を島の内側の取り込まなければならず、紙葉類搬送装置10の搬送管12の配設は、たとえば、図42に示すようになる。ターン部12bの構成は図8、図9に示すものとは相違し、搬送補助体16の軸を垂直にした状態のまま略水平な面内でU字状にカーブするように搬送する搬送路となっている。
【0187】
図42に示す遊技機島2では、往路12aの途中にも紙幣取込装置24Lが介在されている。ターン部12bの往路12a側の屈曲部分の外側の壁部(たとえば、拡張部33)に空気取り込み用の穴が開設されており、この穴に連通するダクトの他端に第1補助空気流発生装置15aが設けてある。また、ターン部12bの復路12c側の屈曲部分の外側の壁部に空気吸引用の穴が開設されており、この穴に連通するダクトの他端に第2補助空気流発生装置15bが設けてある。第1補助空気流発生装置15aは空気をターン部12b内へ復路12c側に向けて吹き出す送風ブロアである。一方、第2補助空気流発生装置15bはターン部12b内の空気を吸い出すように作用する吸引ブロアである。ターン部12bの途中には、紙幣6や搬送補助体16の通過を検出する通過センサ26が設けてある。
【0188】
紙幣6や搬送補助体16が、第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bより上流側(通過センサ26が紙幣6や搬送補助体16を検知する前、図42の矢印Aの位置)を移動する際には、空気流発生装置14はオン、第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15aはオフ、第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bはオンに制御する(吸引補助動作とする)。これにより、紙幣6や搬送補助体16は、空気流発生装置14の発生する空気流を後方から受けると共に第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bによる空気流の引き込みにより前方から吸引されて、下流へ移動する。
【0189】
搬送補助体16が第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15aより下流側(通過センサ26が紙幣6や搬送補助体16を検知した後、図42の矢印Bの位置)を移動する際には、空気流発生装置14はオン、第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15aはオン、第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bはオフに制御する(押し補助動作とする)。これにより、紙幣6や搬送補助体16は空気流発生装置14の発生する空気流および第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15aからの空気流の双方を後方から受けて、下流へ移動する。
【0190】
そして、紙幣6や搬送補助体16が搬送補助体分離部22に到達しときに、紙幣取込装置24に待機紙幣がある場合には、空気流発生装置14はオン、第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15aはオフ、第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bはオンに制御し、紙幣取込装置24に待機紙幣がない場合には、空気流発生装置14、第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15a、第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bはすべてオフに制御する。
【0191】
たとえば、前述のタイムオーバーが発生したとき、タイムオーバー前に通過センサ26が紙幣6や搬送補助体16を検知していなければ、通過センサ26より上流側で止まっているので、吸引補助動作を行う。そして、吸引補助動作を開始後に通過センサ26が紙幣6や搬送補助体16を検知したら、押し補助動作に切り替える。一方、タイムオーバー前に通過センサ26が紙幣6や搬送補助体16を検知済みであれば、通過センサ26より下流で止まっていると想定されるので、押し補助動作を行う。なお、通過センサ26の設置位置は、図42ではターン部12bの中間に設けられているが、紙幣6や搬送補助体16を検知した後、確実に第1空気流発生装置(送風ブロア)15aと第2空気流発生装置(吸引ブロア)15bのオンオフを切り替えて吸引補助動作から押し補助動作に切り替えるためには、通過センサ26を第1空気流発生装置(送風ブロア)15a寄りに設置したほうがよい。すなわち、吸引補助動作から押し補助動作への切り替えには、ファンモータの停止・起動に伴うタイムラグがあるので、紙幣6等が第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)15bを通過する前に上記の切り替えが確実に行われるように、通過センサ26の設置位置を第1補助空気流発生装置(送風ブロア)15a寄りにする。
【0192】
(3)電源復旧後の風量調整
停電等の影響により営業中に紙葉類搬送装置10の電源が落ちたあと電源が復旧した場合も、タイムオーバー時の制御と同様に、搬送管12内を流れる風量を、連続運転(通常運転)しているときよりも多い風量を発生させることで、搬送管12内に滞在していた搬送補助体16に再び空気流を作用させて紙幣6を押し動かすのが容易になる。図42の遊技機島の場合、停電から復旧した場合に、まず、吸引補助動作を行い、通過センサ26が紙幣6や搬送補助体16を検知したとき、もしくは吸引補助動作開始から所定時間が経過しても紙幣6や搬送補助体16を検知できないときに、押し補助動作に切り替えるとよい。
【0193】
(4)紙幣の搬送枚数に応じた風量調整
搬送補助体16が押し動かす紙幣6の枚数に応じて、タイムオーバー時の制御と同様に、搬送管12内を流れる風量を変更するようにしてもよい。また、所定枚数以上の紙幣6を一度に回収するときは、予め風量を強くしてから搬送補助体16を搬送補助体挿入装置21から搬送管12内へ送り出すようにしてもよい。
【0194】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0195】
実施の形態では搬送補助体16によって紙幣6を押し動かすタイプの紙葉類搬送装置の搬送管を接続する例を示したが、搬送補助体16を使用することなく、空気流で直接、紙葉類を搬送する方式の搬送装置の搬送管であってもかまわない。
【0196】
上流側アダプタ120の上流搬送管接続口121などに搬送管12を気密に接続する方法は、パッキン160を使用する方法に限定されない。コーキング材などで隙間を埋める方法でもかまわない。また、パッキンの形状や材質は適宜に設定すればよい。
【0197】
搬送管12内に設けられるリブ35(分離壁34を含む)の本数は、実施の形態で例示した3本に限定されず、たとえば、搬送補助体16の頭部16aに対応する部分などにさらにリブを設けてもかまわない。
【0198】
実施の形態では、上流側アダプタ120と連結本体部100との接続箇所にて接続深さを調整可能としたが、下流側の搬送管12の接続箇所に、接続深さを調整する構成(複数のリブの終端の長さを相違させる構成)を設けてもよい。
【0199】
また、実施の形態では上流側アダプタ120側の3本のリブ128の長さを2種に相違させたが、長さを相違させるリブの本数は一方の壁面に最小で2本あればよい。また、N(N≧3)本以上のリブで長さを相違させる場合、長さをN種類に相違させてもよい。たとえば、接続深さの調整可能範囲の長さをLとする場合に、第1のリブより第2のリブの長さを2/L短くし、第2のリブより第3のリブの長さを2/L短くするように、3種類に長さを相違させてもよい。
【0200】
また、実施の形態では、隣り合うリブの長さを相違させるようにしたが、これに限定されるものではない。特に、リブの本数が多ければ、隣り合う2本のリブの長さが同じであっても支障はない。
【0201】
連結ユニット18から下流側の搬送管12へ搬送補助体16を送り出す際に、搬送補助体16を搬送管12の中央寄りに位置規制するガイド部材は、実施の形態で例示したもの(下流側アダプタ140のリブ144)に限るものではない。たとえば、内壁が次第に狭くなって搬送補助体16を位置規制してもよい。また、X方向とY方向のいずれか一方のみの位置規制であってもかまわない。
【0202】
実施の形態では、乱気流を防止するために、内縁の全周のうち、拡張部33に対応する部分に順段差を設けない構成としたが、順段差を設けないようにする箇所は、拡張部以外の場所でもかまわない。
【0203】
また、搬送補助体16の形状は実施の形態で示したものに限定されない。たとえば、断面矩形・多角形などの柱形状としてもよい。また、搬送補助体16をY方向中央部に対して対象な形状にしたが、Y方向に非対称な形状でもかまわない。
【0204】
実施の形態では紙葉類として紙幣6を例に説明したが、チケット、カードなど他の種類の紙葉類であってもかまわない。また、紙葉類の形状は長方形に限定されない。また紙葉類搬送装置10は、遊技機島2内に設置されるものに限定されず、たとえば、遊技場内の複数の遊技機島2や管理室などを巡るように構成されてもよい。
【0205】
実施の形態では、紙葉類を1枚のみ搬送する例を図3等に示したが、搬送管12の途中に複数枚の紙幣6が存在する状態で搬送補助体16を挿入した場合には、それら複数枚の紙幣6を一度に搬送することも可能である。たとえば、搬送管12の復路12cの途中の各紙幣取込装置24の取込完了位置にそれぞれ紙幣6が停留している状態で搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を送り込むと、搬送補助体16が押し動かす紙幣6の枚数が復路12cを進む途中で順に増加し、すべての紙幣6を搬送することができる。このような大きな搬送力は、搬送補助体16が搬送管12の断面をほぼ塞ぐ形状を成していること、またこれにより紙幣6の張り付き吸着が少なくなること、拡張部33の存在により空気流の作用を受ける面積が大きいことなどによって確保される。また、搬送補助体16が変形しない柱状をなしているので、羽などでは実現されない、多数枚の一括搬送を可能にしている。
【0206】
実施の形態では搬送管12の断面を略長方形としたが、円形や楕円形など他の形状にされてもよい。ただし、紙葉類の張り付き防止や搬送補助体の位置や姿勢のガイドとして内壁には複数のリブを設けられる。また、搬送補助体はその内縁形状に対応した形状で断面のほぼ全体を塞ぐことが好ましい。
【0207】
また遊技機島は、実施の形態で例示したパチンコ機と遊技球貸機を収容する構成に限定されず、メダル貸機とスロットマシン等を収容する遊技機島でもかまわない。
【符号の説明】
【0208】
2…遊技機島
3…遊技球貸機
4…遊技機
5…金庫
6…紙幣
10…紙葉類搬送装置
12…搬送管
12a…往路
12b…ターン部
12c…復路
13a…ターン部のリブ
13b…ターン部の円弧部
13c…ターン部の直線部
14…空気流発生装置
14a…吹き出し口
14b…吸い込み口
15a…第1補助空気流発生装置(送風ブロア)
15b…第2補助空気流発生装置(吸引ブロア)
16…搬送補助体
16a…頭部
16b…首部
16c…大径部
16d…括れ部
18…連結ユニット
20…紙幣分離装置
21…搬送補助体挿入装置
22…搬送補助体分離装置
24…紙幣取込装置
24R…表面用の紙幣取込装置
24L…裏面用の紙幣取込装置
26…通過センサ
31…壁部
32…側壁部
33…拡張部
34…分離壁
35…リブ
40…通路部
40A…開口側通路枠
40B…着脱壁面部
41…上流側搬送管接続部
42…下流側搬送管接続部
43…紙幣通路
44…開口部
46…ガイドレール
47…ナイラッチ
48…落下防止片
60…本体枠部
61…紙幣受入口
62…待機部(湾曲通路)
62A…本体側案内面
62B…開閉扉
62K…開閉扉の内壁面
62c…軸穴部
62d…受け穴
62e…突起
62f…係止穴
63…第1ローラ
64…排出ローラ
64A…搬送方向下流側の排出ローラ
64b…小径部
65…排出補助ベルト
65a…プーリ
66…第2ローラ
68…ガイド部
69…繰り出し通路
71…縁部
72、72a、72b…リブ
72bD…シャッタより下流のリブ
72bU…シャッタより上流のリブ
72f…幅広部
72g…突起部
73…押さえ突起
74…当接箇所
76…溝
77…係合縁
79…シールド経路
81…第1センサ
82…第2センサ
83…第3センサ
85a〜85d…通過穴
86…光路変更部
90…シャッタ
91…回動軸
92…当接部
92b…幅狭部
93…バネ
94a…上流側窪み部
94b…下流側窪み部
96…凹部
100…連結本体部
100A…ベース部
100B…カバー部
101…上流側アダプタ接続口
102…下流搬送管接続口
105…リブ
107…凹部
111…第11領域
112…第12領域
113…第13領域
114…第14領域
115…第15領域
116…第16領域
120…上流側アダプタ
121…上流搬送管接続口
122…下流側の端部
124…縁部
128…リブ
129…リブ
131…第1領域
132…第2領域
133…第3領域
134…第4領域
135…第5領域
140…下流側アダプタ
141…係合突起
142…枠部
144…リブ
145…リブ
160…パッキン
B…排出補助ベルトの周回方向
Dx…搬送管の基準平面部間距離
Dy…搬送管のY方向の内寸
F…搬送管の延設方向
W…通路幅
X…搬送管の通路幅方向
Y…搬送管の高さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙面が搬送方向に沿う姿勢で紙葉類を管内の空気流によって搬送する搬送管であって、紙葉類の紙面に対向する内壁に、内側へ突出する複数本のリブが前記搬送方向に沿って設けられた搬送管を連結するための搬送管連結ユニットであって、
一方の端部に前記搬送管が気密に接続される筒状のアダプタと、
一方の端部に前記アダプタの他方の端部が気密に接続される接続口を有する筒状の連結本体部と、
を備え、
前記アダプタの前記紙面と対向する内壁には、接続された前記搬送管の内壁に設けられたリブと同一位置に前記搬送方向に沿うリブが設けられており、
前記連結本体部の前記紙面と対向する内壁には。前記接続口に接続された前記アダプタの内壁に設けられたリブと同一位置に前記搬送方向に沿うリブが設けられており、
前記アダプタの前記紙面と対向する1つの内壁に設けられた複数本のリブの前記連結本体部側の終端位置は少なくとも2種類に相違し、
前記連結本体部の前記紙面と対向する1つの内壁に設けられた複数本のリブの前記アダプタ側の終端位置は、前記アダプタ側のリブの終端位置に対応して相違し、
前記連結本体部の前記接続口への前記アダプタの接続の深さは、前記接続口へ前記アダプタを最も深く嵌合させた最深位置から所定長離れた最浅位置までの範囲で調整可能にされており、
前記最深位置に接続されたとき、前記アダプタ側の各リブが前記連結本体部側の対応するリブに繋がると共に、前記アダプタの接続の深さが前記最深位置以外であって前記調整可能な範囲にあるときは、いずれかのリブが途切れている位置と前記搬送方向の同一位置において少なくとも1本の他のリブが途切れないように、前記アダプタ側および前記連結本体部側の各リブの終端位置が設定されている
ことを特徴とする搬送管連結ユニット。
【請求項2】
前記アダプタに設けたリブの前記連結本体部側の端部はそのリブの頂が基部より下流側になるように斜めにカットされており、
これに対応して、前記連結本体部に設けたリブの前記アダプタ側の端部はそのリブの頂が基部より下流側になるように斜めにカットされている
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項3】
前記アダプタの前記紙面と対向する1つの内壁に設けた複数本のリブは、隣り合うリブ同士の終端位置が異なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項4】
前記アダプタ側のリブと前記連結本体部側のリブは、これらの接続箇所で前記搬送方向上流側となるリブの頂が、下流側となるリブの頂より内側となる段差を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項5】
前記連結本体部は、前記接続口と反対側の端部に、前記搬送管が密に挿入される第2接続口を備えており、
前記第2接続口に挿入された搬送管のリブと前記連結本体部側のリブは、これらの接続箇所において前記搬送方向上流側となるリブの頂が、下流側となるリブの頂より内側となる段差を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項6】
前記搬送管には、空気流を受けて移動して紙葉類を上流側から押し動かす搬送補助体が挿入されると共に、前記搬送管の前記搬送方向と垂直な断面の内縁形状は前記搬送補助体との間に所定のクリアランスを有する形状をなしており、
前記連結本体部は、下流側の搬送管との接続箇所において前記搬送補助体を前記搬送管の前記断面の中央寄りに位置規制するガイド部材を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項7】
前記搬送管には、空気流を受けて移動して紙葉類を上流側から押し動かす搬送補助体が挿入されると共に、前記搬送管の前記搬送方向と垂直な断面の内縁形状は前記搬送補助体との間に所定のクリアランスを有する形状をなしており、
前記アダプタおよび前記連結本体部の前記搬送方向と垂直な断面の内縁形状は、互いの接続箇所および前記搬送管との接続箇所において、上流側の部材の断面の内縁が下流側の部材の断面の内縁より内側となる段差が生じる形状にされている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項8】
前記接続箇所において、上流側の部材の断面内縁の一部に前記段差ない部分を設けた
ことを特徴とする請求項7に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項9】
前記搬送補助体は円柱形状であってその軸が搬送方向と垂直となる姿勢で前記搬送管に挿入されると共に、他の部分より径の太い大径部を一部に備えており、
下流側の搬送管との接続箇所における前記連結本体部の内縁のうち前記大径部に対応する部分に前記段差のない部分を設けた
ことを特徴とする請求項7に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項10】
前記段差のない部分の中の一部に前記段差を生じさせるリブを設けた
ことを特徴とする請求項8または9に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項11】
前記アダプタは前記連結本体部の搬送方向上流側にある
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項12】
前記連結本体部の下流端には、この下流端に挿入される第2アダプタを介して前記搬送管が接続され、
前記連結本体部のうち前記第2アダプタより下流の部分は前記搬送管が密に挿入される第2接続口となっている
ことを特徴とする請求項11に記載の搬送管連結ユニット。
【請求項13】
前記連結本体部の側壁に設けられた開口から紙葉類を前記連結本体部内へ繰り出す紙葉類取込装置としての機能をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送管連結ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−28437(P2013−28437A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166053(P2011−166053)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000127628)株式会社エース電研 (339)
【Fターム(参考)】