説明

搬送装置

【課題】物品の切り出し数が正確であると共に物品の損傷を防止する。
【解決手段】2列のアキューム部36,36の下流側に、各アキューム部36から切り出される物品12を集合する集合コンベヤ52が接続される。各アキューム部36は、7基の搬送コンベヤ38を直列に接続して構成される。各搬送コンベヤ38は、夫々第1のモータ42で走行されると共に、夫々2個の物品12,12を非接触状態でアキュームするよう構成される。各アキューム部36に、割り当てられた切り出し数以上の切り出し可能アキューム数の物品12がアキュームされると、アキューム状態で停止中の搬送コンベヤ38が走行されて、物品12を非接触状態で走行中の集合コンベヤ52に搬出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列で搬送される物品を所定数づつ切り出して下流側に送り出す搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品を所定の集合(行列)状態として下流の包装用コンベヤ上に搬出するコンベヤからなる搬送装置が開示されている。この搬送装置では、複数の搬送コンベヤから並列コンベヤに順次送り込まれる物品を、規制ストッパに当接してそれ以上進むのが制限される位置まで並列コンベヤで搬送し、該並列コンベヤ上の各列に所定数の物品が揃うまで次々と物品を溜める。そして、並列コンベヤ上の各列で物品が所定数になったときに、前記規制ストッパを下降して並列コンベヤの出口を開け、該並列コンベヤ上の物品を押出板により搬送方向下流側の包装用コンベヤ上に押し出すよう構成されている。
【0003】
また前記並列コンベヤには、リミットスイッチ、光センサ等により搬送されてきた物品を各列毎に検出し、予め設定された所定数であるか否かをカウントする検出手段が設けられ、該検出手段の出力信号に基づいて前記規制ストッパを作動して並列コンベヤの出口を開けるよう制御している。
【特許文献1】特開平9−278165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記搬送コンベヤ上で物品が接触状態で並ぶと、そのラインプレッシャーで物品が連なって並列コンベヤに送り込まれるため、前記検出手段でのカウントが不確実になって搬送コンベヤから切り出される物品の数が不正確になり、並列コンベヤ上に正確な数の物品が集合されないおそれがある。また、物品が柔らかいものの場合、搬送コンベヤ上の物品が、このラインプレッシャーで潰れて損傷するおそれも指摘される。
【0005】
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、物品の切り出し数が正確であると共に物品の損傷を防止し得る搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る搬送装置は、
物品を1列で搬送する複数列のアキューム部の各列から物品を所定数づつ切り出して、下流側に接続する移送コンベヤの物品収容区画に向けて送り出す搬送装置であって、
前記各アキューム部は、夫々モータで走行される複数の搬送コンベヤを直列に配置して構成され、各列に割り当てられた切り出し数に対応して各搬送コンベヤに所定数づつ分散して物品を載置すると共に、物品の前後が非接触状態で載置されるよう停止してアキュームし、
前記アキューム部から下流への物品の切り出しは、搬送コンベヤが走行を開始した後、切り出し数分の物品が該アキューム部の下流に送り出されるまで連続走行されるよう前記モータを作動制御して行なわれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明に係る搬送装置によれば、搬送コンベヤ上に各物品を非接触状態でアキュームするよう構成したから、物品の切り出しを良好に行ない得ると共に、正確な数の物品を切り出すことができる。また、アキュームされる物品にラインプレッシャーが加わらないから、ロールパンのように柔らかい物品であっても潰れて損傷することはない。
【0008】
請求項2に係る搬送装置によれば、物品を吸着して搬送する搬送コンベヤをアキューム部の下流端側に配置したので、軽量物や搬送が不安定になり易い物品であっても、良好な搬送が達成できる。請求項3に係る搬送装置によれば、設定手段によりアキューム部の切り出し数の変更ができ、包装機の供給部に採用した場合は、物品収容数の異なる複数種の包装体の製造に対応できる。また、その物品収容数が正確となる。
【0009】
請求項4に係る搬送装置によれば、アキューム部の上流側において物品を系外に排出する排出手段を設けたから、上流側からの過度な物品流入が防止でき、アキューム部での物品の並びが乱れることはない。請求項5に係る搬送装置によれば、アキューム部からの物品を物品収容区画に良好に移載できる。請求項6に係る搬送装置によれば、2列のアキューム部での物品集合数が奇数の場合は、一方のアキューム部の切り出し数を他方のアキューム部の切り出し数より1つ多くし、また両アキューム部での切り出し数を交互に切換えるようにしたから、一方のアキューム部でのみアキューム物品数が減少することがなく、集合コンベヤ、すなわち下流の物品収容区画への物品の送り出しが途切れることは防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明に係る搬送装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、実施例では、2列で搬送されてくる物品を集合して下流側に送り出す場合で説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、実施例に係る搬送装置を備える物品供給装置を示すものであって、該物品供給装置10は、搬送面にランダムに載置されたロールパン等の物品12を搬送する供給コンベヤ14の下流側に、該供給コンベヤ14から受渡された物品12を2列に整列して下流側に接続する第1カーブコンベヤ16に受渡す整列コンベヤ18が接続されている。この第1カーブコンベヤ16は、物品12の搬送向きを90°変更するものであって、その下流側には図示しないチェッカー(金属検出器等)が付設された受渡しコンベヤ20を介して振分けコンベヤ22が接続される。
【0012】
前記振分けコンベヤ22には、その搬送面上の幅方向中央に、下流側端部を支点として幅方向に水平に傾動する振分け部材24が配設され、前記整列コンベヤ18で整列された各列を搬送されてくる物品12の数がその下流で略均等になるように、該振分け部材24が幅方向に傾動されて、一方の列側の物品12を他方の列側に偏向させたり、他方の列側の物品12を一方の列側に偏向させるよう構成される。この振分けコンベヤ22の下流側には、第2カーブコンベヤ26が接続され、振分けコンベヤ22から受渡された物品12の搬送向きを90°変更するよう構成される。実施例では、前記第1カーブコンベヤ16に搬入される物品12の搬送向きとは逆向きに、第2カーブコンベヤ26から物品12を搬出するよう構成され、物品供給装置10における物品12の全体の流れは、図1に示す如く、平面視において略コ字状となるよう設定される。
【0013】
前記第2カーブコンベヤ26の下流側に調節コンベヤ28が接続されている。この調節コンベヤ28には、後述するアキューム部36,36における物品12のアキューム数が所定数に達したときに、それ以後に搬送されてくる物品12を系外に排出する排出部材(排出手段)30が、各アキューム部36に対応する上流側に夫々配設されている。すなわち各排出部材30は、調節コンベヤ28の搬送面上において、その搬送方向上流端を支点として幅方向に水平に傾動自在に配設され、搬送方向に沿って物品12の搬送を邪魔しない通過許容位置と、対応する物品列の搬送ラインに対して斜めに交差する排出位置との間を、後述する制御部40により制御される第1作動手段32(図3参照)としての電磁弁で動作されるエアシリンダにより傾動されるよう構成してある。従って、排出部材30が通過許容位置から排出位置に傾動されると、上流側から搬送されてくる物品12は該排出部材30に当接してコンベヤ外に排出される。なお、前記排出部材30は、その軸を鉛直とした一対のプーリ間に無端ベルトを巻掛けて構成され、該無端ベルトをモータにより走行することで物品12を円滑に排出し得るよう構成される。
【0014】
実施例の搬送装置34は、前記調節コンベヤ28の下流側に接続されて、該コンベヤ28で搬送されてくる物品12の列数に対応する2列のアキューム部36,36を備え、両アキューム部36,36に所定数の物品12をアキュームし得るよう構成される。そして、各アキューム部36では、アキュームした物品12について、後述する集合コンベヤ52に向けて予め割り当てられた切り出し数の物品12を切り出すようになっている。なお、両アキューム部36,36の構成は同一であるので、一方のアキューム部36の構成につき説明し、他方のアキューム部36の同一部材には同じ符号を付して示すこととする。
【0015】
前記アキューム部36は、図2に示す如く、アキュームに用いる7基の搬送コンベヤ38を搬送方向に一定間隔で直列に並べて構成される。各搬送コンベヤ38は、搬送装置34における制御部40(図3参照)に接続されるサーボモータ(可変速モータ)等の第1のモータ(モータ)42により無端ベルトを所定方向に循環走行する無端ベルトコンベヤからなる。各搬送コンベヤ38は、該搬送コンベヤ38で構成されるアキューム部36に割り当てられた切り出し数の物品12を、所定数(複数)づつ分散して載置するよう構成される。すなわち、1基の搬送コンベヤ38に載置される物品12の数(複数)は、前記切り出し数より少なく、該切り出し数の物品12は、複数の搬送コンベヤ38に亘って載置されるようになっている。実施例では、物品12を2個づつ非接触状態で載置し得るように、各搬送コンベヤ38の搬送方向の長さ(搬送面の長さ)が設定されている。すなわち、搬送コンベヤ38の搬送方向の長さ(搬送面の長さ)は、物品12の搬送方向長さに、当該搬送コンベヤ38上にアキュームする物品数を掛けた値より少し長く設定してある。なお、以後の説明において、夫々の搬送コンベヤ38を識別する場合には、物品搬送方向の下流側から順に、第1搬送コンベヤ38、第2搬送コンベヤ38・・・第7搬送コンベヤ38と指称するものとする。
【0016】
第1〜第6の各搬送コンベヤ38の上方には、その搬送方向上流端側に物品12を検知可能な第1センサ44が配設されると共に、その搬送方向下流端側に物品12を検知可能な第2センサ46が配設されている。両センサ44,46は前記制御部40に接続され、該制御部40で両センサ44,46から送信される物品検知信号に基づいて、各搬送コンベヤ38(第1のモータ42)を制御するよう構成される。すなわち、第1〜第6の各搬送コンベヤ38は、物品12をアキュームする際において、物品12が載置されていない状態では走行され、図4(a)に示すように、上流端側に物品12が移載されたことが第1センサ44で検知(物品12の後端検知)されると停止される。そして、図4(b)に示すように、この停止中の物品12に対して上流側の搬送コンベヤ38で搬送される後続の物品12が所定の間隔に接近したことを上流側の搬送コンベヤ38の第2センサ46が検知(物品12の前端検知)すると、停止中の下流側の搬送コンベヤ38(物品12が上流端側に1個載っている搬送コンベヤ38)が走行される。これに伴い、下流側の搬送コンベヤ38上の物品12と後続の物品12とが非接触状態で当該搬送コンベヤ38に載置され、下流側の物品12が当該搬送コンベヤ38の第2センサ46で検知されると当該搬送コンベヤ38の走行が停止されるよう設定されている(図4(c)参照)。
【0017】
前述のようにして最下流の第1搬送コンベヤ38から順に、2個の物品12,12が非接触でアキュームされた状態で停止し、その物品数(アキューム数)が両アキューム部36,36において割り当てられた切り出し数以上に設定される切り出し可能アキューム数になると、前記制御部40によりアキューム状態で停止中の搬送コンベヤ38が一斉に走行(第1のモータ42が駆動)されて、両アキューム部36,36から物品12の切り出しが同時に開始されるよう設定される。そして、両アキューム部36,36の下流に設けられた後述の集合コンベヤ52に配設された第3センサ58で各アキューム部36から切り出される物品12を検知し、この検知信号が制御部40のカウンタ40aでカウントされ、各アキューム部36において割り当てられた切り出し数とカウント数とが同じ数になると各アキューム部36の搬送コンベヤ38が停止される。なお、アキューム部36における各搬送コンベヤ38上の物品12の有無については、前記第1センサ44の物品検知の信号により現在のアキューム状況が判断されるようになっている。
【0018】
なお、アキューム部36における最上流側に位置する第7搬送コンベヤ38に関しては前記第1センサ44が省略され、第6搬送コンベヤ38までアキューム状態となった際に第2センサ46が物品12を検知すると下流端側にこの物品12が載置された状態で停止する。そして、第7搬送コンベヤ38の下流端側に物品12が載置されると、前記排出部材30が排出位置に傾動されて、それ以上の物品12がアキューム部36に供給されないようになっている。また第7搬送コンベヤ38は、その下流側に位置する第6搬送コンベヤ38が物品切り出しのために走行を開始し、該第6搬送コンベヤ38に載置されていた物品12が下流の第5搬送コンベヤ38に送られると走行して、下流端側に載置されていた物品12を第6搬送コンベヤ38に移載するように、前記制御部40により制御されるようにしてある。
【0019】
前記制御部40には、図3に示す如く、タッチパネルディスプレイやデータ入力キー等の入力部48からの入力に応じて切り出し数を設定する設定部49が設けられ、後述する物品収容区画64に移載される(後述する集合コンベヤ52で集合する)物品12の数(集合数と称する)に応じて各アキューム部36に物品12の切り出し数が割り当てられるよう構成される。例えば、入力部48に集合数が入力されると、この集合数に対し、演算したり、記憶されていた数値を読み出す等してその数値が各アキューム部36の切り出し数として割り当てられる。集合数Nが偶数の場合は、各アキューム部36から切り出される物品数は同数(N/2)で、奇数の場合は、一方のアキューム部36から切り出される物品数((N+1)/2)が他方((N−1)/2)より1つ多く、次回の切り出し時には他方が1つ多くなるように割り当てられる。すなわち、例えば集合数が8個(偶数)の場合は、両アキューム部36,36には切り出し数として4個づつが割り当てられる。また集合数が9個(奇数)の場合は、一方のアキューム部36の切り出し数として5個が割り当てられるのに対し、他方のアキューム部36の切り出し数として4個が割り当てられ、次回の切り出し時には一方のアキューム部36の切り出し数として4個が割り当てられるのに対し、他方のアキューム部36の切り出し数として5個が割り当てられる。このように、両アキューム部36,36の切り出し数が異なる場合は、物品12を切り出す毎に切り出し数を交互に切換えるよう設定され、両アキューム部36,36の何れか一方のみの物品12のアキューム数が減少することがないよう設定される。また切り出し数の設定については、その他、集合数と関連付けられた情報(品名,品番等)を予め記憶しておき、この情報を入力部48へ入力することで、その集合数に対応して割り当て記憶されている各アキューム部36の切り出し数を読み出して設定してもよい。この場合、集合数も前記情報と共に記憶させておき、前記情報を入力部48へ入力した際に集合数を読み出し、これを演算して各アキューム部36の切り出し数を求めてもよい。なお実施例では、前記入力部48と設定部49とから、物品12の切り出し数を設定変更可能な設定手段が構成される。
【0020】
前記アキューム部36の下流端側に位置する所定数の搬送コンベヤ38は、無端ベルトに複数の吸引孔38aを走行方向に所定間隔で穿設すると共に、その搬送面の下側に、図示しない吸引源に接続する吸引チャンバ50を備え、吸引孔38aを介して作用する吸引力によって物品12を搬送面に吸着保持して搬送する吸着コンベヤとして機能するよう構成される。なお、吸着コンベヤとして機能する搬送コンベヤ38の配設数は、各アキューム部36から1回に切り出される物品12の数に対応し、1回の最高切り出し数を6個とし、各搬送コンベヤ38に物品12が2個づつアキュームされるよう設定した実施例では、各アキューム部36に3基づつ(第1〜第3搬送コンベヤ38)配設してある。
【0021】
前記両アキューム部36,36の下流側には、各アキューム部36から搬出される物品12を受け入れ可能な幅を有する1基の集合コンベヤ52が接続されている。この集合コンベヤ52は、前記制御部40に接続されるサーボモータ(可変速モータ)等の第2のモータ(モータ)54により無端ベルトを前記搬送コンベヤ38と同方向に循環走行する無端ベルトコンベヤからなり、該集合コンベヤ52の物品搬送速度は、前記搬送コンベヤ38と略同速となるよう設定される。なお、集合コンベヤ52の搬送方向の長さ(搬送面の長さ)は、1回の切り出し動作において両アキューム部36,36から切り出される所定数(集合数)の物品12が、相互に接触状態で載置可能に設定される。
【0022】
前記集合コンベヤ52の搬送面の上方には、該コンベヤ52を駆動する第2のモータ54により同期して略同速で走行される無端ベルトコンベヤからなる一対のサイドコンベヤ56,56が、図1に示すように搬送ラインの中心を挟んで幅方向に離間して付設されている。各サイドコンベヤ56は、その無端ベルトの走行面を集合コンベヤ52の搬送面と直交する立てた姿勢で配置されると共に、両サイドコンベヤ56,56は、下流側に向かうにつれて走行面を相互に近接するよう配置され、集合コンベヤ52上を搬送される物品12を側方から案内して搬送ラインの中心に向けて幅寄せし得るよう構成される。なお、両サイドコンベヤ56,56の下流側間隔は調節可能に構成され、物品12の寸法等によって幅調節できるようにしてある。
【0023】
前記集合コンベヤ52の上方には、その上流端側に物品カウント用の第3センサ58が各アキューム部36に対応して夫々配設され、各第3センサ58でアキューム部36から切り出される物品12を検知した検知信号が、前記制御部40のカウンタ40aでカウントされるよう構成される。そして、カウンタ40aでの前記検知信号のカウント数が、各アキューム部36において割り当てられた切り出し数と同数になったときに、制御部40は対応するアキューム部36の搬送コンベヤ38(第1のモータ42)を停止制御するよう設定されている。また集合コンベヤ52(サイドコンベヤ56)にはその下流に、前記制御部40により制御される第2作動手段68(図3参照)としての電磁弁で動作されるエアシリンダにより昇降動されるストッパ70(図2参照)が付設される。このストッパ70は、第2作動手段68により、集合コンベヤ52からの物品12の送り出しを規制する規制位置と、該物品12の送り出しを許容する上方の開放位置との間を移動し、規制位置において物品12の移動を停止して集合コンベヤ52上で物品12の前後間隔が詰まるように集合するべく機能する。そして、下流側(物品収容区画64)への送り出しタイミングで前記制御部40により第2作動手段68が作動されてストッパ70が開放位置に移動し、これによって集合された物品12が集合コンベヤ52から送り出されるようになっている。なお実施例では、第3センサ58とカウンタ40aとから、アキューム部36から切り出される物品12の数をカウントするカウント手段が構成される。
【0024】
前記集合コンベヤ52の下流側には、処理機械としての横型製袋充填機等の包装機における移送コンベヤ60が接続されている。この移送コンベヤ60は、幅方向に離間する一対の無端チェン間に多数のスラットを架設したスラットコンベヤであって、その走行方向に所定間隔で多数の仕切り部材62が取付けられており、前後に位置する仕切り部材62,62間に物品収容区画64を画成している。すなわち、前記集合コンベヤ52で集合された集合物品を、該物品収容区画64に収容した状態で、包装機に向けて移送するよう構成される。なお、包装機(移送コンベヤ60)には、前記仕切り部材62、すなわち物品収容区画64の位置検出手段としてのエンコーダ66が配設されており、該エンコーダ66からの信号が前記制御部40に送られるよう構成される。そして、制御部40において、エンコーダ66からの仕切り部材62(物品収容区画64)の位置信号に基いて、前記ストッパ70を規制位置から開放位置へ移動するための集合物品の送り出しタイミング信号と、該ストッパ70を開放位置から規制位置へ移動するための規制タイミング信号とが生成されるよう構成される。なお、規制タイミング信号に代えて、前記集合コンベヤ52の上方における搬送方向下流端側に、前記制御部40に接続されて物品12を検知可能な第4センサ72を各アキューム部36に対応して夫々配設し、該コンベヤ52上に集合された集合物品が下流に送り出されて両第4センサ72,72が非検知状態となった際に前記ストッパ70を開放位置から規制位置に移動するようにしてもよい。
【0025】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る搬送装置の作用につき説明する。なお、前記集合コンベヤ52で集合される物品12の集合数が8個で、各アキューム部36の切り出し数が夫々4に設定されているものとする。
【0026】
図1に示す如く、前記供給コンベヤ14から整列コンベヤ18に受渡されて2列に整列された物品12は、第1カーブコンベヤ16、受渡しコンベヤ20、振分けコンベヤ22、第2カーブコンベヤ26および調節コンベヤ28を経て、両アキューム部36,36に向けて搬送される。なお、前記排出部材30,30は何れも通過許容位置に臨んで、物品12の搬送を許容している。
【0027】
前記アキューム部36,36における各搬送コンベヤ38に物品12が載置されていない状態では、全ての搬送コンベヤ38が走行され、前記調節コンベヤ28で搬送される各列の物品12は、対応するアキューム部36,36の各搬送コンベヤ38に受渡される。各アキューム部36において、先頭の物品12が第1搬送コンベヤ38の上流端側に移載されたことが第1センサ44で検知されると、該第1搬送コンベヤ38は停止される。そして、第1搬送コンベヤ38の停止中において、第2搬送コンベヤ38で搬送される後続の物品12が第2搬送コンベヤ38の第2センサ46で検知されると、第1搬送コンベヤ38が再び走行を開始して後続の物品12は該第1搬送コンベヤ38に移載される。そして、先頭の物品12が第2センサ46で検知されると、第1搬送コンベヤ38は停止し、この上に2個の物品12,12が非接触状態で載置される。
【0028】
以後は、同様に第2搬送コンベヤ38、第3搬送コンベヤ38・・・と順次2個の物品12,12が非接触状態でアキュームされた状態で停止する。このように各搬送コンベヤ38には2個の物品12,12が非接触状態でアキュームされると共に、下流側の搬送コンベヤ38の上流側にアキュームされた物品12と、その上流側の搬送コンベヤ38の下流側にアキュームされた物品12との間も非接触状態(すなわちアキュームされた物品12は全て非接触状態)となるから、ラインプレッシャーが物品12に作用することはなく、ロールパンのように柔軟な物品12であっても潰れて損傷するのは防止される。
【0029】
そして、両アキューム部36,36にアキュームされた物品数が、予め設定された切り出し数以上の前記切り出し可能アキューム数になると、前記制御部40は両アキューム部36,36から物品12,12の切り出しを同時に開始させるようアキューム状態で停止中の搬送コンベヤ38を一斉に走行させる。これにより各アキューム部36から走行中の前記集合コンベヤ52に物品12が送り込まれ、前記各第3センサ58は搬送される物品12を検知する毎に検知信号を出し、その検知信号をカウントする前記カウンタ40aでのカウント数が切り出し数と同数(4)になったときに、制御部40により対応するアキューム部36の搬送コンベヤ38が停止される。前記集合コンベヤ52に移載された物品12は、規制位置に臨む前記ストッパ70により移動が規制されることで、その前後間隔が詰まった状態で集合される。なお、各アキューム部36から集合コンベヤ52への物品12の切り出しに際し、アキュームされている各物品12,12は非接触状態となっているから、前記各第3センサ58での物品検知が確実で正確な数の物品12を切り出すことができる。
【0030】
また実施例では、各アキューム部36における最高切り出し数に対応する下流側の3基の搬送コンベヤ38を夫々吸着コンベヤとして機能するよう構成してあるから、軽量物や搬送が不安定になり易い物品12であっても、良好な搬送が達成できる。また物品12の位置ずれを防止し得るので、アキューム部36,36から集合コンベヤ52に対して正確な数の物品12を切り出すことが可能となる。
【0031】
前記集合コンベヤ52上を搬送される物品12は、一対のサイドコンベヤ56,56により側方から搬送ラインの中心に幅寄せされて、当該集合コンベヤ52上には、各物品12が前後および幅方向に寄せられた状態で集合される。そして、前記制御部40からの送り出しタイミング信号を受けたタイミングで、前記ストッパ70が規制位置から開放位置に移動して当該集合コンベヤ52が集合物品の送り出しを行なうことで、集合物品は移送コンベヤ60の物品収容区画64内に移載される。
【0032】
前記移送コンベヤ60の処理数(下流側へ向けての集合物品の送り出し数)と、前記調節コンベヤ28からアキューム部36,36への物品12の供給量との関係で、該アキューム部36,36における物品12のアキューム数が所定数(実施例では、第7搬送コンベヤ38まで物品12が載置されて停止した際の物品数だが、1回の切り出し数より多い物品数で適宜設定すればよい)に達したときには、前記制御部40により前記排出部材30,30が作動されて、通過許容位置から排出位置に傾動される。これにより、上流側から搬送されてくる物品12は、各排出部材30に当接してコンベヤ外に排出され、アキューム部36,36への過度な物品流入は防止され、アキューム部36,36での物品12の並びが乱れることはない。
【0033】
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
1.各搬送コンベヤ38でアキュームされる物品数は3個以上でもよく、その場合は、その数の物品12が非接触状態で載置されるように各搬送コンベヤ38の搬送方向の長さ(搬送面の長さ)を設定すればよい。なお、この物品数は、各アキューム部36における物品12の切り出し数以下に設定される。
2.物品12の集合態様によっては、アキューム部36の数は3列以上でもよく、その場合は上流側の整列コンベヤ18により物品12を対応する列数に整列して搬送するよう構成すればよい。
3.各アキューム部36における搬送コンベヤ38の数は、集合される物品12の数(アキューム部36から切り出される物品12の数)や、その上流側から一定時間内に搬送されてくる物品12の数が概ね一定、あるいは波があるといった物品12の流れの態様に応じて適宜設定することができる。
4.排出部材30は、各アキューム部36に流入する物品数がアキューム部36の処理数を越えた時に作動するようにしてもよい。この場合、例えば調節コンベヤ28上を搬送される物品12をセンサで検知し、この信号をカウントするよう構成すればよい。
5.ストッパ70、第2作動手段68、第4センサ72等を省略して、以下のように制御してもよい。すなわち、各アキューム部36にてアキュームされた物品12の数が前記切り出し可能アキューム数以上のとき、前記エンコーダ66からの信号に基く送り出しタイミング信号でアキューム状態(停止中)の搬送コンベヤ38が一斉に走行を開始するよう第1のモータ42を作動制御する。そして、搬送コンベヤ38の停止、すなわち物品12の切り出し動作については前述の制御と同じとする。この場合、各アキューム部36から切り出された物品12は、走行される集合コンベヤ52によりそのままの整列状態(非接触状態)で物品収容区画64へ送り出される。
6.ストッパ70、第2作動手段68等を省略して、以下のように制御してもよい。すなわち、集合コンベヤ52の走行速度を、搬送コンベヤ38より遅く設定し、各アキューム部36から切り出される物品12が、走行する集合コンベヤ52に移送される際に、その間隔が詰まった集合状態となるようにする。そして、第4センサ72は、各アキューム部36から切り出された先頭の物品12を検知するものとして使用し、先頭の物品12をこのセンサ72が検知した際には、集合コンベヤ52の走行が停止し、この状態で前記エンコーダ66からの信号に基く送り出しタイミング信号でその走行が開始するよう第2のモータ54を制御する。この場合、第4センサ72からの信号により、一旦停止された集合状態の切り出し物品は、物品収容区画内に載置可能なタイミングとなった際に送り出される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の好適な実施例に係る搬送装置を採用した物品供給装置の全体構成を示す概略平面図である。
【図2】実施例に係る搬送装置の概略側面図である。
【図3】実施例に係る搬送装置の制御ブロック図である。
【図4】実施例に係る搬送装置のアキューム工程を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
12 物品,30 排出部材(排出手段),36 アキューム部,38 搬送コンベヤ
42 第1のモータ(モータ),48 入力部(設定手段),49 設定部(設定手段)
52 集合コンベヤ,54 第2のモータ(モータ),60 移送コンベヤ
64 物品収容区画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(12)を1列で搬送する複数列のアキューム部(36)の各列から物品(12)を所定数づつ切り出して、下流側に接続する移送コンベヤ(60)の物品収容区画(64)に向けて送り出す搬送装置であって、
前記各アキューム部(36)は、夫々モータ(42)で走行される複数の搬送コンベヤ(38)を直列に配置して構成され、各列に割り当てられた切り出し数に対応して各搬送コンベヤ(38)に所定数づつ分散して物品(12)を載置すると共に、物品(12)の前後が非接触状態で載置されるよう停止してアキュームし、
前記アキューム部(36)から下流への物品(12)の切り出しは、搬送コンベヤ(38)が走行を開始した後、切り出し数分の物品(12)が該アキューム部(36)の下流に送り出されるまで連続走行されるよう前記モータ(42)を作動制御して行なわれる
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
各アキューム部(36)の下流端側に位置する搬送コンベヤ(38)は、物品(12)を吸着して搬送するよう構成される請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
各アキューム部(36)の切り出し数を設定する設定手段(48,49)と、アキューム部(36)から切り出された物品(12)を検知するセンサ(58)とを備える請求項1または2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記アキューム部(36)における物品(12)のアキューム数またはアキューム部(36)に流入する物品数が所定数に達した際に、その上流側においてアキューム部(36)に向けて供給される物品(12)を系外に排出する排出手段(30)を有する請求項1〜3の何れかに記載の搬送装置。
【請求項5】
モータ(54)により走行され、各アキューム部(36)から切り出される物品(12)を、その間隔が詰まった集合状態にすると共に、その側方から搬送ライン中心に向けて幅寄せ案内して前記物品収容区画(64)に送り出す集合コンベヤ(52)を有する請求項1〜4の何れかに記載の搬送装置。
【請求項6】
前記アキューム部(36)は2列であり、集合される物品数が奇数の場合は、一方のアキューム部(36)からの切り出し数を他方のアキューム部(36)からの切り出し数より1つ多くすると共に、その切り出し数を切り出す毎に交互に切り換えるよう設定される請求項5記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−89270(P2006−89270A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280378(P2004−280378)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】