搬送装置
【課題】 被搬送物を搬送経路上で分散させるに際し、被搬送物に衝撃的外力を加えず、被搬送物に損傷を与えないようにすること。
【解決手段】 投入コンベア１０と分散コンベア２０を交差配置し、投入コンベア１０が投入する被搬送物１を分散コンベア２０の搬送直交方向に区画して定めた複数のレーン２１〜２３のそれぞれに分散させる搬送装置１００であって、分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を互いに異ならせるもの。
【解決手段】 投入コンベア１０と分散コンベア２０を交差配置し、投入コンベア１０が投入する被搬送物１を分散コンベア２０の搬送直交方向に区画して定めた複数のレーン２１〜２３のそれぞれに分散させる搬送装置１００であって、分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を互いに異ならせるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は投入コンベアから分散コンベアに投入される被搬送物を、分散コンベアに定めた各レーンのそれぞれに分散する搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
被搬送物を分散コンベア上で分散する搬送装置として、特許文献１に記載の如く、分散コンベアの搬送面に沿って左右に揺動するスイングアームを有し、スイングアームの揺動タイミングの制御によって被搬送物を分散コンベアの搬送面上で左右に分散するものがある。
【特許文献１】特開平11-139544
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
特許文献１の搬送装置は、スイングアームが被搬送物に衝撃的外力を与えて被搬送物を左右に分散させるものであり、被搬送物に損傷を与えるおそれがある。特に、被搬送物がＰＥＴボトルの如くの薄肉容器であったり、加熱飲料を充填した高温軟質容器であるとき、容器のへこみやキズつきを生じ易い。
【０００４】
本発明の課題は、被搬送物を搬送経路上で分散させるに際し、被搬送物に衝撃的外力を加えず、被搬送物に損傷を与えないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１の発明は、投入コンベアと分散コンベアを交差配置し、投入コンベアが投入する被搬送物を分散コンベアの搬送直交方向に区画して定めた複数のレーンのそれぞれに分散させる搬送装置であって、分散コンベアの各レーンの摩擦抵抗の分布を互いに異ならせるようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
図１、図２の搬送装置１００は、投入コンベア１０と分散コンベア２０をそれらの搬送方向が互いに直交するように交差配置し、投入コンベア１０が１列状（多列状でも可）にて投入する、加熱液体を充填されていて高温軟質状をなすＰＥＴボトル等の被搬送物１を、分散コンベア２０の搬送直交方向（幅方向）に区画して定めた複数のレーン、本実施例では３列をなす第１〜第３のレーン２１〜２３のそれぞれに分散させるものである。
【０００７】
尚、本実施例において模式的に示す投入コンベア１０と分散コンベア２０は、無端周回状のベルトコンベアの他、トップチェーンコンベアを採用できる。
【０００８】
搬送装置１００は、分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の搬送面自体の摩擦抵抗の分布を互いに異ならせる。本実施例の分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３のそれぞれをそれらの長手方向で一定間隔に分割した複数のゾーンＺの連設帯からなるものとし、投入コンベア１０寄りの各レーン２１、２２の各ゾーンを、それらの搬送面が投入コンベア１０から投入された被搬送物１を素通り等させて止めない低摩擦抵抗部分にて形成される低摩擦抵抗ゾーンＺ1と、被搬送物１を止める高摩擦部分にて形成される高摩擦抵抗ゾーンＺ2の組合せからなるものとした。投入コンベア１０から最も遠いレーン２３は、全ゾーンを高摩擦抵抗ゾーンＺ2からなるものとした。
【０００９】
分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布（低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2の組合せ）を、(a)各レーン２１〜２３の搬送面の材質と(b)各レーン２１〜２３の搬送面の表面形状の１種以上を選択することにより形成し、更に必要によれば、それら(a)、(b)に加えて(c)各レーン２１〜２３の搬送面への潤滑剤の供給の有無を選択することにより形成する。
【００１０】
(a)材質
被搬送物１がＰＥＴボトルからなるものとするとき、各レーン２１〜２３の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面の材質を金属又は樹脂とし、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面の材質をゴムとする。
【００１１】
(b)表面形状
各レーン２１〜２３の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面の表面形状を多点状（図３（Ａ））とし、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面の表面形状を面状（図３（Ｂ））とする。被搬送物１は多点状表面の上で滑り易く、面状表面の上で滑りにくい。
【００１２】
各レーン２１〜２３の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面の表面形状を山の稜線が被搬送物搬送方向に沿う山波状（図４（Ａ））とし、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面の表面形状を山の稜線が被搬送物搬送方向に直交する山波状（図４（Ｂ））とするものでも良い。
【００１３】
(c)潤滑剤の有無
各レーン２１、２２の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面には潤滑剤を供給し、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面には潤滑剤を供給しない。
【００１４】
搬送装置１００は、制御手段３０と潤滑剤供給ノズルＮ1、Ｎ2を有する。潤滑剤供給ノズルＮ1、Ｎ2は、各レーン２１、２２において投入コンベア１０から投入される被搬送物１のそれらレーン２１、２２への合流部より上流側で、それらレーン２１、２２の上部に配置される。制御手段３０は、各レーン２１、２２の摩擦抵抗の分布（低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を記録しており、各レーン２１、２２の低摩擦抵抗ゾーンＺ1に潤滑剤を供給し、当該低摩擦抵抗ゾーンＺ1の低摩擦化の確実を図る。
【００１５】
尚、低摩擦抵抗ゾーンＺ1に好適に用い得る潤滑剤としては、界面活性剤を主成分とし、水で希釈して用いる「スライダー」を用いることができる。「スライダー」は、例えばルボクラーＨＮ（エコラボ株式会社の商品名）、スライダーＣ４３０（大三工業株式会社の商品名）を採用でき、各レーン２１、２２の低摩擦抵抗ゾーンＺ1の表面に滴下され、被搬送物１との摩擦抵抗を小にする。
【００１６】
従って、搬送装置１００にあっては、分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布（低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を図２に示す如くに互いに異ならせるとき、投入コンベア１０から分散コンベア２０に投入される被搬送物１は、当該被搬送物１が投入方向に沿う同一ライン上にある第１〜第３のレーン２１〜２３に向けてそれらの搬送面上を横行し、当該横行ライン上で最初に到達した高摩擦抵抗ゾーンＺ2に入って止まる。
【００１７】
即ち、投入コンベア１０から分散コンベア２０に投入された被搬送物１の上述した横行ライン上で、
(1)投入コンベア１０寄りの第１レーン２１が高摩擦抵抗ゾーンＺ2であれば、被搬送物１は当該第１レーン２１の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に直ちに止まり、
(2)第１レーン２１が低摩擦抵抗ゾーンＺ1であれば、被搬送物１はその第１レーン２１を素通りして隣りの第２レーン２２の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に入って止まり、
(3)第１と第２のレーン２１、２２がともに低摩擦抵抗ゾーンＺ1であれば、被搬送物１はそれらの低摩擦抵抗ゾーンＺ1を素通りして隣りの第３レーン２３の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に入って止まる。
【００１８】
投入コンベア１０から投入される被搬送物１は分散コンベア２０の第１〜第３のレーン２１〜２３を上述の如くに横切り、所望の目標分散状態に分散され、例えば図２に示す如くに交互に均等分散される。
【００１９】
尚、投入コンベア１０による被搬送物１の搬送速度をｖ0、分散コンベア２０による被搬送物１の搬送速度をｖaとするとき、ｖ0は投入コンベア１０から出る被搬送物１が第１と第２のレーン２１、２２の低摩擦抵抗ゾーンＺ1を素通りして第３レーン２３にまで到達できる初速度を当該被搬送物１に与え得る速度とし、投入コンベア１０から出る被搬送物１が分散コンベア２０の各レーン２１〜２３上の被搬送物１に追突しないようにするためにｖ0＜ｖaとする。
【００２０】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
（請求項１）
(a)分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を互いに異ならせることにより、被搬送物１を各レーン２１〜２３の所定位置に分散できる。即ち、各レーン２１〜２３が低摩擦抵抗部分と高摩擦抵抗部分をもち、投入コンベア１０から当該レーン２１〜２３に入った被搬送物１のうち、低摩擦抵抗部分に入った被搬送物１は滑って隣りのレーンに移り、高摩擦抵抗部分に入った被搬送物１は滑らずにそのレーンに止まる。被搬送物１に衝撃的外力を加えずに、被搬送物１を分散コンベア２０上の各レーン２１〜２３に分散でき、被搬送物１に損傷を与えない。
【００２１】
（請求項２）
(b)分散コンベア２０の各レーン２１〜２３に低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2を設けることにより、被搬送物１を分散コンベア２０上の各レーン２１〜２３の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に確実に止め、被搬送物１の各レーン２１〜２３への分散精度を向上できる。
【００２２】
（請求項３）
(c)分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３の搬送面の材質によって、簡易かつ確実に当該レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を形成できる。
【００２３】
（請求項４）
(d)分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３の搬送面の表面形状によって、簡易かつ確実に当該レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を形成できる。
【００２４】
（請求項５）
(e)分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３に設ける低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2を、潤滑剤の供給の有無により簡易かつ確実に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】図１は搬送装置を示す模式斜視図である。
【図２】図２は搬送装置を示す模式平面図である。
【図３】図３は分散コンベアに摩擦抵抗の分布を形成する表面形状の一例を示す模式図である。
【図４】図４は分散コンベアに摩擦抵抗の分布を形成する表面形状の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【００２６】
１ 搬送物
１０ 投入コンベア
２０ 分散コンベア
２１〜２３ レーン
３０ 制御手段
１００ 搬送装置
Ｚ1 低摩擦抵抗ゾーン
Ｚ2 高摩擦抵抗ゾーン
Ｎ1、Ｎ2 潤滑剤供給ノズル
【技術分野】
【０００１】
本発明は投入コンベアから分散コンベアに投入される被搬送物を、分散コンベアに定めた各レーンのそれぞれに分散する搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
被搬送物を分散コンベア上で分散する搬送装置として、特許文献１に記載の如く、分散コンベアの搬送面に沿って左右に揺動するスイングアームを有し、スイングアームの揺動タイミングの制御によって被搬送物を分散コンベアの搬送面上で左右に分散するものがある。
【特許文献１】特開平11-139544
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
特許文献１の搬送装置は、スイングアームが被搬送物に衝撃的外力を与えて被搬送物を左右に分散させるものであり、被搬送物に損傷を与えるおそれがある。特に、被搬送物がＰＥＴボトルの如くの薄肉容器であったり、加熱飲料を充填した高温軟質容器であるとき、容器のへこみやキズつきを生じ易い。
【０００４】
本発明の課題は、被搬送物を搬送経路上で分散させるに際し、被搬送物に衝撃的外力を加えず、被搬送物に損傷を与えないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１の発明は、投入コンベアと分散コンベアを交差配置し、投入コンベアが投入する被搬送物を分散コンベアの搬送直交方向に区画して定めた複数のレーンのそれぞれに分散させる搬送装置であって、分散コンベアの各レーンの摩擦抵抗の分布を互いに異ならせるようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
図１、図２の搬送装置１００は、投入コンベア１０と分散コンベア２０をそれらの搬送方向が互いに直交するように交差配置し、投入コンベア１０が１列状（多列状でも可）にて投入する、加熱液体を充填されていて高温軟質状をなすＰＥＴボトル等の被搬送物１を、分散コンベア２０の搬送直交方向（幅方向）に区画して定めた複数のレーン、本実施例では３列をなす第１〜第３のレーン２１〜２３のそれぞれに分散させるものである。
【０００７】
尚、本実施例において模式的に示す投入コンベア１０と分散コンベア２０は、無端周回状のベルトコンベアの他、トップチェーンコンベアを採用できる。
【０００８】
搬送装置１００は、分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の搬送面自体の摩擦抵抗の分布を互いに異ならせる。本実施例の分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３のそれぞれをそれらの長手方向で一定間隔に分割した複数のゾーンＺの連設帯からなるものとし、投入コンベア１０寄りの各レーン２１、２２の各ゾーンを、それらの搬送面が投入コンベア１０から投入された被搬送物１を素通り等させて止めない低摩擦抵抗部分にて形成される低摩擦抵抗ゾーンＺ1と、被搬送物１を止める高摩擦部分にて形成される高摩擦抵抗ゾーンＺ2の組合せからなるものとした。投入コンベア１０から最も遠いレーン２３は、全ゾーンを高摩擦抵抗ゾーンＺ2からなるものとした。
【０００９】
分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布（低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2の組合せ）を、(a)各レーン２１〜２３の搬送面の材質と(b)各レーン２１〜２３の搬送面の表面形状の１種以上を選択することにより形成し、更に必要によれば、それら(a)、(b)に加えて(c)各レーン２１〜２３の搬送面への潤滑剤の供給の有無を選択することにより形成する。
【００１０】
(a)材質
被搬送物１がＰＥＴボトルからなるものとするとき、各レーン２１〜２３の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面の材質を金属又は樹脂とし、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面の材質をゴムとする。
【００１１】
(b)表面形状
各レーン２１〜２３の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面の表面形状を多点状（図３（Ａ））とし、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面の表面形状を面状（図３（Ｂ））とする。被搬送物１は多点状表面の上で滑り易く、面状表面の上で滑りにくい。
【００１２】
各レーン２１〜２３の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面の表面形状を山の稜線が被搬送物搬送方向に沿う山波状（図４（Ａ））とし、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面の表面形状を山の稜線が被搬送物搬送方向に直交する山波状（図４（Ｂ））とするものでも良い。
【００１３】
(c)潤滑剤の有無
各レーン２１、２２の低摩擦抵抗部分（低摩擦抵抗ゾーンＺ1）を形成する搬送面には潤滑剤を供給し、高摩擦抵抗部分（高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を形成する搬送面には潤滑剤を供給しない。
【００１４】
搬送装置１００は、制御手段３０と潤滑剤供給ノズルＮ1、Ｎ2を有する。潤滑剤供給ノズルＮ1、Ｎ2は、各レーン２１、２２において投入コンベア１０から投入される被搬送物１のそれらレーン２１、２２への合流部より上流側で、それらレーン２１、２２の上部に配置される。制御手段３０は、各レーン２１、２２の摩擦抵抗の分布（低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を記録しており、各レーン２１、２２の低摩擦抵抗ゾーンＺ1に潤滑剤を供給し、当該低摩擦抵抗ゾーンＺ1の低摩擦化の確実を図る。
【００１５】
尚、低摩擦抵抗ゾーンＺ1に好適に用い得る潤滑剤としては、界面活性剤を主成分とし、水で希釈して用いる「スライダー」を用いることができる。「スライダー」は、例えばルボクラーＨＮ（エコラボ株式会社の商品名）、スライダーＣ４３０（大三工業株式会社の商品名）を採用でき、各レーン２１、２２の低摩擦抵抗ゾーンＺ1の表面に滴下され、被搬送物１との摩擦抵抗を小にする。
【００１６】
従って、搬送装置１００にあっては、分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布（低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2）を図２に示す如くに互いに異ならせるとき、投入コンベア１０から分散コンベア２０に投入される被搬送物１は、当該被搬送物１が投入方向に沿う同一ライン上にある第１〜第３のレーン２１〜２３に向けてそれらの搬送面上を横行し、当該横行ライン上で最初に到達した高摩擦抵抗ゾーンＺ2に入って止まる。
【００１７】
即ち、投入コンベア１０から分散コンベア２０に投入された被搬送物１の上述した横行ライン上で、
(1)投入コンベア１０寄りの第１レーン２１が高摩擦抵抗ゾーンＺ2であれば、被搬送物１は当該第１レーン２１の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に直ちに止まり、
(2)第１レーン２１が低摩擦抵抗ゾーンＺ1であれば、被搬送物１はその第１レーン２１を素通りして隣りの第２レーン２２の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に入って止まり、
(3)第１と第２のレーン２１、２２がともに低摩擦抵抗ゾーンＺ1であれば、被搬送物１はそれらの低摩擦抵抗ゾーンＺ1を素通りして隣りの第３レーン２３の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に入って止まる。
【００１８】
投入コンベア１０から投入される被搬送物１は分散コンベア２０の第１〜第３のレーン２１〜２３を上述の如くに横切り、所望の目標分散状態に分散され、例えば図２に示す如くに交互に均等分散される。
【００１９】
尚、投入コンベア１０による被搬送物１の搬送速度をｖ0、分散コンベア２０による被搬送物１の搬送速度をｖaとするとき、ｖ0は投入コンベア１０から出る被搬送物１が第１と第２のレーン２１、２２の低摩擦抵抗ゾーンＺ1を素通りして第３レーン２３にまで到達できる初速度を当該被搬送物１に与え得る速度とし、投入コンベア１０から出る被搬送物１が分散コンベア２０の各レーン２１〜２３上の被搬送物１に追突しないようにするためにｖ0＜ｖaとする。
【００２０】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
（請求項１）
(a)分散コンベア２０の各レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を互いに異ならせることにより、被搬送物１を各レーン２１〜２３の所定位置に分散できる。即ち、各レーン２１〜２３が低摩擦抵抗部分と高摩擦抵抗部分をもち、投入コンベア１０から当該レーン２１〜２３に入った被搬送物１のうち、低摩擦抵抗部分に入った被搬送物１は滑って隣りのレーンに移り、高摩擦抵抗部分に入った被搬送物１は滑らずにそのレーンに止まる。被搬送物１に衝撃的外力を加えずに、被搬送物１を分散コンベア２０上の各レーン２１〜２３に分散でき、被搬送物１に損傷を与えない。
【００２１】
（請求項２）
(b)分散コンベア２０の各レーン２１〜２３に低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2を設けることにより、被搬送物１を分散コンベア２０上の各レーン２１〜２３の高摩擦抵抗ゾーンＺ2に確実に止め、被搬送物１の各レーン２１〜２３への分散精度を向上できる。
【００２２】
（請求項３）
(c)分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３の搬送面の材質によって、簡易かつ確実に当該レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を形成できる。
【００２３】
（請求項４）
(d)分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３の搬送面の表面形状によって、簡易かつ確実に当該レーン２１〜２３の摩擦抵抗の分布を形成できる。
【００２４】
（請求項５）
(e)分散コンベア２０は、各レーン２１〜２３に設ける低摩擦抵抗ゾーンＺ1と高摩擦抵抗ゾーンＺ2を、潤滑剤の供給の有無により簡易かつ確実に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】図１は搬送装置を示す模式斜視図である。
【図２】図２は搬送装置を示す模式平面図である。
【図３】図３は分散コンベアに摩擦抵抗の分布を形成する表面形状の一例を示す模式図である。
【図４】図４は分散コンベアに摩擦抵抗の分布を形成する表面形状の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【００２６】
１ 搬送物
１０ 投入コンベア
２０ 分散コンベア
２１〜２３ レーン
３０ 制御手段
１００ 搬送装置
Ｚ1 低摩擦抵抗ゾーン
Ｚ2 高摩擦抵抗ゾーン
Ｎ1、Ｎ2 潤滑剤供給ノズル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
投入コンベアと分散コンベアを交差配置し、投入コンベアが投入する被搬送物を分散コンベアの搬送直交方向に区画して定めた複数のレーンのそれぞれに分散させる搬送装置であって、
分散コンベアの各レーンの摩擦抵抗の分布を互いに異ならせる搬送装置。
【請求項２】
前記分散コンベアの各レーンの摩擦抵抗の分布が、投入コンベアから投入された被搬送物を止めない低摩擦抵抗ゾーンと、被搬送物を止める高摩擦抵抗ゾーンの組合せからなる請求項１に記載の搬送装置。
【請求項３】
前記分散コンベアが、各レーンの搬送面の材質によって当該レーンの摩擦抵抗の分布を形成する請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項４】
前記分散コンベアが、各レーンの搬送面の表面形状によって当該レーンの摩擦抵抗の分布を形成する請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項５】
前記分散コンベアの各レーンで、低摩擦抵抗ゾーンでは潤滑剤を供給し、高摩擦抵抗ゾーンでは潤滑剤を供給しない請求項２〜４のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項１】
投入コンベアと分散コンベアを交差配置し、投入コンベアが投入する被搬送物を分散コンベアの搬送直交方向に区画して定めた複数のレーンのそれぞれに分散させる搬送装置であって、
分散コンベアの各レーンの摩擦抵抗の分布を互いに異ならせる搬送装置。
【請求項２】
前記分散コンベアの各レーンの摩擦抵抗の分布が、投入コンベアから投入された被搬送物を止めない低摩擦抵抗ゾーンと、被搬送物を止める高摩擦抵抗ゾーンの組合せからなる請求項１に記載の搬送装置。
【請求項３】
前記分散コンベアが、各レーンの搬送面の材質によって当該レーンの摩擦抵抗の分布を形成する請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項４】
前記分散コンベアが、各レーンの搬送面の表面形状によって当該レーンの摩擦抵抗の分布を形成する請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項５】
前記分散コンベアの各レーンで、低摩擦抵抗ゾーンでは潤滑剤を供給し、高摩擦抵抗ゾーンでは潤滑剤を供給しない請求項２〜４のいずれかに記載の搬送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−３１０２２（Ｐ２００７−３１０２２Ａ）
【公開日】平成１９年２月８日（２００７．２．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２１３３４４（Ｐ２００５−２１３３４４）
【出願日】平成１７年７月２２日（２００５．７．２２）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年２月８日（２００７．２．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年７月２２日（２００５．７．２２）
【出願人】（００００００９１８）花王株式会社 (8,290)
【Ｆターム（参考）】
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