説明

搬送装置

【課題】安価な搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置10は、上箱80を供給する上箱用製函機12と、上箱用製函機12から供給された上箱80を搬送する上箱用供給ライン32と、上箱用供給ライン32を搬送された上箱80を受けて搬送する第1上箱用中間ライン24および第2上箱用中間ライン26と、上箱用供給ライン32を搬送された上箱80を、所定の複数個単位で第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26とに順次振り分ける上箱用振り分け装置20と、第1上箱用中間ライン24、第2上箱用中間ライン26のそれぞれに接続された上箱用シューターを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置から供給される搬送物を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、魚を箱詰めして冷凍する工場では、製函機により製造された箱を箱詰めラインに搬送し、箱詰めラインにおいて人手または機械により魚を箱詰めした後、冷凍ラインに搬送されるような搬送装置が構築される。たとえば、特許文献1には、魚を整列させて箱詰めする装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6−178646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような工場では、複数の箱詰めラインが設けられるのが一般的であるが、製函機は高価であるため、箱詰めラインごとに製函機を用意すると、搬送装置が非常に高価なものとなってしまう。
【0004】
本発明は、こうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、安価な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の搬送装置は、搬送物を供給する供給装置と、供給装置から供給された搬送物を搬送する供給ラインと、供給ラインを搬送された搬送物を受けて搬送する複数の中間ラインと、供給ラインを搬送された搬送物を、所定の複数個単位で複数の中間ラインに順次振り分ける振り分け装置と、複数の中間ラインのそれぞれに接続された投入ラインと、を備える。
【0006】
供給装置は、上述した製函機などの、搬送物を供給ライン上に次々と供給する装置である。投入ラインは、上述した箱詰めラインなどの、搬送物を最終的に供給するラインである。なお、本明細書において、「ライン」とは、ローラーコンベア、ベルトコンベアなどのコンベアラインを意味する。
【0007】
この態様によると、供給装置から供給され、供給ラインを搬送された搬送物は、振り分け装置により複数の中間ラインに振り分けられ、中間ラインから投入ラインに搬送されるので、1台の供給装置から複数の投入ラインに搬送物を供給することができる。これにより、投入ラインごとに供給装置を設ける必要がなくなるので、搬送装置を安価に構成できる。
【0008】
また、たとえば魚を詰めるような箱は、比較的大きく、このような大きい箱を複数の中間ラインに高速で振り分ける場合、振り分け装置の構成が複雑となり、装置が高価なものとなってしまう。この態様では、振り分け装置は、供給ラインを搬送された搬送物を所定の複数個単位で複数の中間ラインに順次振り分けるよう構成されているので、振り分け装置には1つずつ搬送物を振り分ける場合ほどの速い動作が要求されない。従って、振り分け装置の構成が比較的簡易となり、装置を安価にすることができる。
【0009】
複数の中間ラインは、上下方向に並べられて配置されており、振り分け装置は、供給ラインを搬送された搬送物を、所定の複数個単位で上下方向に並べられた複数の中間ラインに順次振り分けるよう構成されてもよい。
【0010】
中間ラインを搬送された搬送物を投入ラインに投入する投入装置を備えてもよい。また、中間ラインは、複数の投入ラインが接続されており、該複数の投入ラインのそれぞれに投入装置が設けられていてもよい。
【0011】
投入ラインは、該投入ライン上にある搬送物の量を検出する検出装置を有しており、投入装置は、検出装置が検出した情報に基づいて動作してもよい。
【0012】
検出装置により、ある投入ライン上の搬送物の量が所定量より少ないと判断された場合、該投入ラインよりも上流にある投入装置は、該投入ラインの搬送物の量が所定量以上になるまで動作を休止してもよい。
【0013】
投入装置は、中間ラインを搬送された搬送物を投入ラインに向けて押し出すことにより、搬送物を投入ラインに投入するプッシャーであってもよい。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安価な搬送装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送装置10を説明するための図である。図1に示す搬送装置10は、鯖などの魚を箱詰めして冷凍する工場において用いられる。搬送装置10は、工場の上階100と下階200の2つのフロアにわたって設けられている。上階100には、上箱用製函機12で作られた上箱80を搬送する上箱ライン16と、下箱用製函機14で作られた下箱82を搬送する下箱ライン18が設けられている。
【0017】
上箱用製函機12は、上箱用供給ライン32に所定の供給速度、たとえば48箱/分の速度で上箱80を供給する。本実施の形態において、上箱用製函機12は搬送物を供給する供給装置である。上箱用供給ライン32を搬送された上箱80は、後述する上箱用振り分け装置20により第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26の2つのラインに振り分けられる。以下、適宜第1上箱用中間ライン24、第2上箱用中間ライン26を総称して「上箱用中間ライン」と呼ぶ。上箱用中間ラインは、上箱用供給ライン32を搬送された上箱80を受けて、搬送する。
【0018】
第1上箱用中間ライン24の搬送先端部には、第1上箱用シューター52が接続されており、第1上箱用中間ライン24の第1上箱用シューター52が接続された位置よりも上流には、第2上箱用シューター54が接続されている。また、第2上箱用中間ライン26の搬送先端部には、第4上箱用シューター58が接続されており、第2上箱用中間ライン26の第4上箱用シューター58が接続された位置よりも上流には、第3上箱用シューター56が接続されている。以下、適宜第1上箱用シューター52、第2上箱用シューター54、第3上箱用シューター56、第4上箱用シューター58を総称して「上箱用シューター」と呼ぶ。上箱用シューターは、上階100から下階200にかけて設けられた滑り台状のシューターである。
【0019】
第1上箱用中間ライン24の第1上箱用シューター52が接続された位置には、第1上箱用プッシャー36が設けられ、第1上箱用中間ライン24の第2上箱用シューター54が接続された位置には、第2上箱用プッシャー38が設けられている。また、第2上箱用中間ライン26の第3上箱用シューター56が接続された位置には、第3上箱用プッシャー40が設けられ、第2上箱用中間ライン26の第4上箱用シューター58が接続された位置には、第4上箱用プッシャー42が設けられている。以下、適宜第1上箱用プッシャー36、第2上箱用プッシャー38、第3上箱用プッシャー40、第4上箱用プッシャー42を総称して「上箱用プッシャー」と呼ぶ。
【0020】
上箱用プッシャーは、上箱80を上箱用シューターに向けて押し出すことにより、上箱80を上箱用シューターに投入する。上箱ライン16では、第1上箱用シューターが、搬送物を投入する投入ラインであり、上箱用プッシャーが、上箱用中間ラインを搬送された搬送物を投入ラインに投入する投入装置である。
【0021】
同じように、下箱用製函機14は、下箱用供給ライン34に所定の供給速度、たとえば48箱/分の速度で下箱82を供給する。本実施の形態において、下箱用製函機14は、搬送物を供給する供給装置である。下箱用供給ライン34を搬送された下箱82は、後述する下箱用振り分け装置22により第1下箱用中間ライン28と第2下箱用中間ライン30の2つのラインに振り分けられる。以下、適宜第1下箱用中間ライン28、第2下箱用中間ライン30を総称して「下箱用中間ライン」と呼ぶ。下箱用中間ラインは、下箱用供給ライン34を搬送された下箱82を受けて、搬送する。
【0022】
第1下箱用中間ライン28の搬送先端部には、第1下箱用傾斜ライン61を介して第1下箱用シューター60が接続されており、第1下箱用中間ライン28の第1下箱用傾斜ライン61が接続された位置よりも上流には、第2下箱用傾斜ライン63を介して第2下箱用シューター62が接続されている。また、第2下箱用中間ライン30の搬送先端部には、第4下箱用傾斜ライン67を介して第4下箱用シューター66が接続されており、第2下箱用中間ライン30の第4下箱用傾斜ライン67が接続された位置よりも上流には、第3下箱用傾斜ライン65を介して第3下箱用シューター64が接続されている。以下、適宜第1下箱用シューター60、第2下箱用シューター62、第3下箱用シューター64、第4下箱用シューター66を総称して「下箱用シューター」と呼ぶ。下箱用シューターもまた、上階100から下階200にかけて設けられた滑り台状のシューターである。
【0023】
第1下箱用中間ライン28の第1下箱用傾斜ライン61が接続された位置には、第1下箱用プッシャー44が設けられ、第1下箱用中間ライン28の第2下箱用傾斜ライン63が接続された位置には、第2下箱用プッシャー46が設けられている。また、第2下箱用中間ライン30の第3下箱用傾斜ライン65が接続された位置には、第3下箱用プッシャー48が設けられ、第2下箱用中間ライン30の第4下箱用傾斜ライン67が接続された位置には、第4下箱用プッシャー50が設けられている。以下、適宜第1下箱用プッシャー44、第2下箱用プッシャー46、第3下箱用プッシャー48、第4下箱用プッシャー50を総称して「下箱用プッシャー」と呼び、第1下箱用傾斜ライン61、第2下箱用傾斜ライン63、第3下箱用傾斜ライン65、第4下箱用傾斜ライン67を総称して下箱用傾斜ラインと呼ぶ。
【0024】
下箱用プッシャーは、下箱82を下箱用傾斜ラインに向けて押し出すことにより、下箱82を下箱用傾斜ラインを介して下箱用シューターに投入する。下箱ライン18では、下箱用傾斜ラインおよび下箱用シューターが、搬送物を投入する投入ラインであり、下箱用プッシャーが、下箱用中間ラインを搬送された搬送物を投入ラインに投入する投入装置である。
【0025】
下階200には、第1箱詰め装置(図示せず)、第2箱詰め装置(図示せず)、第3箱詰め装置(図示せず)、第4箱詰め装置(図示せず)の4つの箱詰め装置が配置されている。以下、適宜第1箱詰め装置、第2箱詰め装置、第3箱詰め装置、第4箱詰め装置を総称して「箱詰め装置」と呼ぶ。第1箱詰め装置には第1下箱用シューター60から下箱82が供給され、第2箱詰め装置には第2下箱用シューター62から下箱82が供給され、第3箱詰め装置には第3下箱用シューター64から下箱82が供給され、第4箱詰め装置には第4下箱用シューター66から下箱82が供給される。箱詰め装置は、下箱用シューターから供給された下箱82に自動的に魚を詰める装置である。
【0026】
第1箱詰め装置、第2箱詰め装置、第3箱詰め装置、第4箱詰め装置は、それぞれ第1梱包装置(図示せず)、第2梱包装置(図示せず)、第3梱包装置(図示せず)、第4梱包装置(図示せず)が接続されている。以下、適宜第1梱包装置、第2梱包装置、第3梱包装置、第4梱包装置を総称して「梱包装置」と呼ぶ。
【0027】
さらに、適宜第1梱包装置、第2梱包装置、第3梱包装置、第4梱包装置にはそれぞれ、第1上箱用シューター52、第2上箱用シューター54、第3上箱用シューター56、第4上箱用シューター58が接続されている。各梱包装置には、箱詰め装置から魚が詰められた下箱82が、上箱用シューターから上箱80が供給される。梱包装置は、下箱82上に上箱80を載置することにより魚をパッキングし、図示しない冷凍装置へと送り出す。
【0028】
図2は、本実施の形態に係る振り分け装置を説明するための図である。ここでは、上箱ライン16において用いられる上箱用振り分け装置20を例にとって説明を行うが、下箱ライン18において用いられる下箱用振り分け装置22についても同様である。
【0029】
図2に示すように、上箱用振り分け装置20は、上箱用供給ライン32と、第1上箱用中間ライン24および第2上箱用中間ライン26との間に設けられている。第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26は、上下方向に並べられて配置されている。
【0030】
上箱用振り分け装置20は、上箱用供給ライン32側端部の軸部20aを軸として、上箱用中間ライン側端部20bが上下に移動可能に構成されている。上箱用振り分け装置20は、第1上箱用中間ライン24に上箱80を供給する場合は、上箱用中間ライン側端部20bの上面高さが、第1上箱用中間ライン24の上箱用振り分け装置側端部24aの上面高さと略等しくなるように設定される。第2上箱用中間ライン26に上箱80を供給する場合、上箱用振り分け装置20は、上箱用中間ライン側端部20bの上面高さが第2上箱用中間ライン26の上箱用振り分け装置側端部26aの上面高さと略等しくなるように設定される。このように、上箱用振り分け装置20は、上箱80を第1上箱用中間ライン24に供給する第1モードと、上箱80を第2上箱用中間ライン26に供給する第2モードとを切り替え可能に構成されている。
【0031】
本実施の形態に係る搬送装置10において、上箱用振り分け装置20は、上箱用供給ライン32を搬送された上箱80を、所定の複数箱単位で上下方向に並べられた第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26とに順次振り分ける。図2では、上箱80を6箱単位で第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26に振り分けている様子を示している。
【0032】
上箱用振り分け装置20は、個数カウンタ110と、振り分け判定部112と、駆動装置114と、を備えている。個数カウンタ110は、上箱用振り分け装置20上を搬送された上箱80の個数をカウントする。振り分け判定部112は、個数カウンタ110により検出された情報に基づいて、第1モードと第2モードの切替を判定する。振り分け判定部112は、上箱80が上箱用振り分け装置20から第1上箱用中間ライン24または第2上箱用中間ライン26に所定の複数箱が搬送された場合、第1モードと第2モードとを切り替える判定をする。駆動装置114は、上箱用振り分け装置20のラインを上下に駆動させる装置である。駆動装置114は、振り分け判定部112による判定に基づいて、第1モードと第2モードとを切り替える。図2では、所定の複数箱を6箱としており、第1上箱用中間ライン24に6箱が搬送された後に、第2モードに切り替えられ、第2上箱用中間ライン26に上箱80が搬送されている様子を示している。
【0033】
たとえば48箱/分のような高速で上箱用製函機12から供給される上箱80を1箱ずつ第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26とに振り分ける場合、上箱用振り分け装置20も48箱/分の速度で第1モードと第2モードを切り替える必要がある。また、魚を詰めるような箱は比較的大きく、このような大きい箱を高速で振り分けることのできる振り分け装置を構成しようとすると、装置構成が複雑となり、高価となってしまう。
【0034】
本実施の形態では、上箱用振り分け装置20は、所定の複数箱単位で第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26とに上箱80を振り分けるので、1箱ずつ振り分ける場合ほどの動作速度が要求されず、動作速度を上箱用製函機12による上箱80の供給速度よりも遅くすることができる。これにより、装置構成が比較的簡易となり、装置を安価に構成することができる。
【0035】
上箱80を振り分ける所定の複数個単位は、上箱用製函機12からの供給速度、上箱80の大きさ等を考慮し、実験により適宜定めればよい。鯖程度の大きさの魚を詰める箱を搬送する装置で、上箱用製函機12から48箱/分程度の速度で上箱80が供給される場合は、6箱単位で第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26とに振り分けることが好ましい。
【0036】
また、一般に、鯖などの魚を詰める箱は、高さ方向が幅方向に比べて小さい。本実施の形態に係る上箱用振り分け装置20、下箱用振り分け装置22は、箱を上下方向に振り分けるように構成しているので、高さ方向が幅方向に比べて小さい搬送物を振り分ける場合に振り分け装置のラインの移動距離を小さくすることができる。これにより、高速に第1モードと第2モードを切り替えることができる。
【0037】
図1に戻り、第1上箱用中間ライン24、第2上箱用中間ライン26に振り分けられた後の上箱80の搬送について説明する。なお、下箱ライン18における第1下箱用中間ライン28、第2下箱用中間ライン30における下箱82の搬送についても同様である。
【0038】
第2上箱用中間ライン26に振り分けられた6箱の上箱80は、第2上箱用中間ライン26を搬送され、まず第3上箱用プッシャー40が設けられた位置まで搬送される。第3上箱用プッシャー40は、6箱の上箱80のうち、最初の3箱の上箱80はそのまま通過させ、4箱目の上箱80を第3上箱用シューター56に向けて押し出すことにより、第3上箱用シューター56に投入する。4箱目の上箱80を押し出している間、5箱目、6箱目の上箱80は第3上箱用プッシャー40の手前で待機状態となっており、4箱目の上箱80が第3上箱用シューター56に投入された後に、5箱目の上箱80が第3上箱用シューター56に投入される。同じようにして、その後、6箱目の上箱80が第3上箱用シューター56に投入される。
【0039】
一方、第3上箱用プッシャー40を通過した1箱目〜3箱目の上箱80は、第2上箱用中間ライン26の搬送先端部に位置する第4上箱用プッシャー42まで搬送される。第4上箱用プッシャー42は、1箱目の上箱80を第4上箱用シューター58に向けて押し出すことにより、第4上箱用シューター58に投入する。1箱目の上箱80を押し出している間、2箱目、3箱目の上箱80は、第4上箱用プッシャー42の手前で待機状態となっており、1箱目の上箱80が第4上箱用シューター58に投入された後に、2箱目の上箱80が第4上箱用シューター58に投入される。同じようにして、その後、3箱目の上箱80が第4上箱用シューター58に投入される。
【0040】
ここでは、第2上箱用中間ライン26に振り分けられた連続した6箱の上箱80の搬送について説明したが、第1上箱用中間ライン24についても同様の搬送が行われる。本実施の形態に係る搬送装置10の上箱ライン16では、たとえば48箱/分の速度で上箱用製函機12から上箱80が上箱用供給ライン32に供給される場合、上箱用振り分け装置20によりたとえば6箱ずつ第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26に上箱80が振り分けられることにより、第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26にはそれぞれ24箱/分の速度で6箱単位で上箱80が供給されることになる。第1上箱用中間ライン24と第2上箱用中間ライン26のそれぞれのラインにおいて、連続した6箱の上箱80は、3箱ずつに分けられて上箱用プッシャーにより上箱用シューターに投入される。従って、4つのそれぞれの上箱用シューターには、12箱/分の速度で上箱80が投入される。なお、下箱ライン18についても同様である。
【0041】
このように、本実施の形態に係る搬送装置10では、4つのシューターごとに高価な製函機を設けるのではなく、1台の製函機から供給された箱を4つのシューターに振り分けるように構成しているので、装置を安価に構成することができる。
【0042】
図3は、本実施の形態に係るプッシャーの制御について説明するための図である。図3では、例として下箱ライン18の第2下箱用中間ライン30における第3下箱用プッシャー48と第4下箱用プッシャー50の2つのプッシャーの制御について説明するが、その他の中間ラインにおけるプッシャーも同様に制御される。
【0043】
図3に示すように、第3下箱用シューター64、第4下箱用シューター66には、それぞれ、シューター上にある下箱82の数を検出する第3下箱用検出装置120、第4下箱用検出装置122が設けられている。第3下箱用検出装置120、第4下箱用検出装置122で検出された情報は、プッシャー制御部130に送られる。プッシャー制御部130は、第3下箱用検出装置120、第4下箱用検出装置122により検出された情報に基づいて第3下箱用プッシャー48、第4下箱用プッシャー50の動作を制御する。
【0044】
第4下箱用プッシャー50は、押し出し部50aと、ストッパ部50bと、第4下箱用プッシャー駆動装置126と、を備える。押し出し部50aは、第2下箱用中間ライン30上を搬送される下箱82を押し出す板状の部材である。ストッパ部50bは、押し出し部50aと略垂直に取り付けられた板状の部材であり、ある下箱82を押し出している間の次の下箱82の搬送を止める機能を有する。第4下箱用プッシャー駆動装置126は、押し出し部50aを駆動させる動力源であり、プッシャー制御部130からの指令に基づいて第4下箱用プッシャー50を駆動する。なお、ここでは第4下箱用プッシャー50の構造について説明したが、第3下箱用プッシャー48の構造も同様である。
【0045】
プッシャーは、プッシャー制御部130からの動作指令がない場合、図3の第3下箱用プッシャー48のように押し出し部が第2下箱用中間ライン30外にあり、下箱82はそのまま第2下箱用中間ライン30を通過できる。この状態を、プッシャーの休止状態と呼ぶ。プッシャー制御部130から動作指令があった場合、第4下箱用プッシャー駆動装置126は、押し出し部50aを移動させる。この状態を、プッシャーの動作状態と呼ぶ。
【0046】
たとえば、第4下箱用検出装置122からの情報に基づいて第4下箱用シューター66上の下箱82の数が所定数より少ないと判断した場合、プッシャー制御部130は、第4下箱用シューター66上の下箱82の数が所定数以上になるまで第4下箱用プッシャー50よりも上流にあるプッシャー、すなわち第3下箱用プッシャー48の第3下箱用プッシャー駆動装置124に指令をださず、休止状態とする。これにより、下箱82が第4下箱用シューター66に優先的に供給されるようになる。
【0047】
このように、第3下箱用検出装置120、第4下箱用検出装置122により検出された情報に基づいて第3下箱用プッシャー48、第4下箱用プッシャー50の動作を制御することにより、下箱82の投入を効率的に行うことができる。
【0048】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0049】
上述の実施の形態では、魚を箱詰めする工場に搬送装置を用いて、箱を搬送する例について説明したが、搬送物はもちろん箱に限られず、種々の搬送物について適用可能である。
【0050】
また、上述の実施の形態では、振り分け装置を上下方向に搬送物を振り分ける構成としたが、左右方向に振り分ける構成としてもよい。搬送物の幅が高さに比べて小さい場合には、左右方向に搬送物を振り分けることにより、振り分け装置のラインの移動距離を小さくでき、高速に振り分けを行うことができる。
【0051】
上述の実施の形態では、振り分け装置を上下の2方向に振り分ける例について説明したが、もちろん3方向以上に振り分けるように振り分け装置を構成してもよい。この場合も、所定の複数個単位で搬送物を振り分けることにより、1つずつ振り分ける場合よりも振り分け装置の動作速度を遅くでき、装置を安価に構成することができる。また、1つの中間ラインに接続する投入ラインの数は、1つであっても、複数であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る搬送装置を説明するための図である。
【図2】本実施の形態に係る振り分け装置を説明するための図である。
【図3】本実施の形態に係るプッシャーの制御について説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
10 搬送装置、 12 上箱用製函機、 14 下箱用製函機、 16 上箱ライン、 18 下箱ライン、 20 上箱用振り分け装置、 22 下箱用振り分け装置、 24 第1上箱用中間ライン、 26 第2上箱用中間ライン、 28 第1下箱用中間ライン、 30 第2下箱用中間ライン、 32 上箱用供給ライン、 34 下箱用供給ライン、 36 第1上箱用プッシャー、 38 第2上箱用プッシャー、 40 第3上箱用プッシャー、 42 第4上箱用プッシャー、 44 第1下箱用プッシャー、 46 第2下箱用プッシャー、 48 第3下箱用プッシャー、 50 第4下箱用プッシャー、 52 第1上箱用シューター、 54 第2上箱用シューター、 56 第3上箱用シューター、 58 第4上箱用シューター、 60 第1下箱用シューター、 62 第2下箱用シューター、 64 第3下箱用シューター、 66 第4下箱用シューター、 80 上箱、 82 下箱、 100 上階、 200 下階。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を供給する供給装置と、
前記供給装置から供給された搬送物を搬送する供給ラインと、
前記供給ラインを搬送された搬送物を受けて搬送する複数の中間ラインと、
前記供給ラインを搬送された搬送物を、所定の複数個単位で前記複数の中間ラインに順次振り分ける振り分け装置と、
前記複数の中間ラインのそれぞれに接続された投入ラインと、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記複数の中間ラインは、上下方向に並べられて配置されており、前記振り分け装置は、前記供給ラインを搬送された搬送物を、所定の複数個単位で上下方向に並べられた前記複数の中間ラインに順次振り分けるよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記中間ラインを搬送された搬送物を前記投入ラインに投入する投入装置を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記中間ラインは、複数の投入ラインが接続されており、該複数の投入ラインのそれぞれに前記投入装置が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記投入ラインは、該投入ライン上にある搬送物の量を検出する検出装置を有しており、前記投入装置は、前記検出装置が検出した情報に基づいて動作することを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記検出装置により、ある投入ライン上の搬送物の量が所定量より少ないと判断された場合、該投入ラインよりも上流にある投入装置は、該投入ラインの搬送物の量が所定量以上になるまで動作を休止することを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記投入装置は、前記中間ラインを搬送された搬送物を前記投入ラインに向けて押し出すことにより、搬送物を前記投入ラインに投入するプッシャーであることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−120283(P2009−120283A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294117(P2007−294117)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【Fターム(参考)】