説明

搬送装置

【課題】トレイを循環させる必要がなく、構成の簡素化を図ることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置1は、載置部17aが搬送空間部10に位置する縮み状態、載置部17aが第1対向空間部11に位置する第1伸び状態および載置部17aが第2対向空間部12に位置する第2伸び状態に選択的に切り換える昇降可能な伸縮手段17を備える。第1対向空間部11には、荷積み台車Wを第1床面3から上昇させた後、第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡す第1昇降手段を配設する。第2対向空間部12には、荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取った後、下降させて第2床面4に降ろす第2昇降手段を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイを循環させる必要がなく、構成の簡素化を図ることができる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の非特許文献1に記載された垂直搬送機等の搬送装置が知られている。
【0003】
この従来の搬送装置は、フロアリフト、2段のオートアシスターおよび2段のキャレッジコンベヤ等にて構成されている。そして、この従来の搬送装置では、例えば台車上に荷物が段積みされた荷積み台車である被搬送物は、フロアパレット等のトレイ上に載せられた後、トレイ上に載せられた状態のままキャレッジコンベヤにて搬送先の階まで搬送され、この搬送先の階でトレイ上から降ろされる。また、被搬送物が降ろされたトレイは、キャレッジコンベヤにて搬送元の階まで搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「垂直搬送システム総合カタログ」、ホクショー株式会社、2007年4月、p.100〜101
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の搬送装置のように、被搬送物をトレイ上に載せて搬送先まで搬送した後、被搬送物をトレイ上から降ろし、トレイだけを搬送元に戻す構成では、トレイを循環させる必要があり、構成が複雑となる問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、トレイを循環させる必要がなく、構成の簡素化を図ることができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の搬送装置は、被搬送物が搬送される搬送空間部と、第1床面の上方に位置し、前記搬送空間部と対向する第1対向空間部と、前記第1床面とは高さが異なる第2床面の上方に位置し、前記搬送空間部と対向する第2対向空間部と、被搬送物が載置される載置部を有し、前記載置部が前記搬送空間部に位置する昇降状態、前記載置部が前記第1対向空間部に位置する第1状態および前記載置部が前記第2対向空間部に位置する第2状態に選択的に切り換えられ、昇降状態時に前記搬送空間部を昇降する載置手段と、前記第1対向空間部に昇降可能に配設され、被搬送物を前記第1床面から上昇させた後、被搬送物を第1状態の前記載置手段の載置部に渡す第1昇降手段と、前記第2対向空間部に昇降可能に配設され、被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて前記第2床面に降ろす第2昇降手段とを備えるものである。
【0008】
請求項2記載の搬送装置は、請求項1記載の搬送装置において、第1床面上の被搬送物を第1対向空間部に搬入する搬入手段と、第2床面上の被搬送物を第2対向空間部から搬出する搬出手段とを備えるものである。
【0009】
請求項3記載の搬送装置は、請求項1記載の搬送装置において、第1床面上の被搬送物を第1対向空間部に搬入する第1搬入手段と、前記第1床面上の被搬送物を前記第1対向空間部から搬出する第1搬出手段と、第2床面上の被搬送物を第2対向空間部に搬入する第2搬入手段と、前記第2床面上の被搬送物を前記第2対向空間部から搬出する第2搬出手段とを備え、第1昇降手段は、被搬送物を前記第1床面から上昇させた後、被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す動作と、被搬送物を第1状態の前記載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて前記第1床面に降ろす動作とを行い、第2昇降手段は、被搬送物を前記第2床面から上昇させた後、被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部に渡す動作と、被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて前記第2床面に降ろす動作とを行うものである。
【0010】
請求項4記載の搬送装置は、請求項1または2記載の搬送装置において、第1昇降手段が被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す場合に、被搬送物の転倒を防止する第1転倒防止手段と、第2昇降手段が被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取る場合に、被搬送物の転倒を防止する第2転倒防止手段とを備えるものである。
【0011】
請求項5記載の搬送装置は、請求項3記載の搬送装置において、第1昇降手段が被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す場合および前記第1昇降手段が被搬送物を第1状態の前記載置手段の載置部から受け取る場合に、被搬送物の転倒を防止する第1転倒防止手段と、第2昇降手段が被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部に渡す場合および前記第2昇降手段が被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取る場合に、被搬送物の転倒を防止する第2転倒防止手段とを備えるものである。
【0012】
請求項6記載の搬送装置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の搬送装置において、第1対向空間部および第2対向空間部の少なくともいずれか一方と搬送空間部との間に配設された落下防止用の開閉手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、載置部が搬送空間部に位置する昇降状態、載置部が第1対向空間部に位置する第1状態および載置部が第2対向空間部に位置する第2状態に選択的に切り換えられ昇降状態時に搬送空間部を昇降する載置手段と、被搬送物を第1床面から上昇させた後、被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す第1昇降手段と、被搬送物を第2状態の載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて第2床面に降ろす第2昇降手段とを備える構成であるため、トレイを循環させる必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、搬入手段にて第1床面上の被搬送物を第1対向空間部に適切に搬入でき、搬出手段にて第2床面上の被搬送物を第2対向空間部から適切に搬出できる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、被搬送物を第1床面上から第2床面上に搬送したり、被搬送物を第2床面上から第1床面上に搬送したりすることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、第1転倒防止手段および第2転倒防止手段にて被搬送物の転倒を適切に防止できる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、第1転倒防止手段および第2転倒防止手段にて被搬送物の転倒を適切に防止できる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、開閉手段にて作業者等の搬送空間部への落下を適切に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る搬送装置の側面図である。
【図2】同上搬送装置の伸縮手段の側面図である。
【図3】同上搬送装置の開閉手段の正面図である。
【図4】同上搬送装置の第1受渡装置部の平面図である。
【図5】同上搬送装置の第1受渡装置部の正面図である。
【図6】同上搬送装置の搬入手段の側面図である。
【図7】同上搬送装置の第2受渡装置部の平面図である。
【図8】同上搬送装置の第2受渡装置部の正面図である。
【図9】同上搬送装置の搬出手段の側面図である。
【図10】同上搬送装置の動作説明図である。
【図11】図10に続く動作説明図である。
【図12】図11に続く動作説明図である。
【図13】図12に続く動作説明図である。
【図14】図13に続く動作説明図である。
【図15】図14に続く動作説明図である。
【図16】図15に続く動作説明図である。
【図17】図16に続く動作説明図である。
【図18】図17に続く動作説明図である。
【図19】図18に続く動作説明図である。
【図20】図19に続く動作説明図である。
【図21】図20に続く動作説明図である。
【図22】図21に続く動作説明図である。
【図23】図22に続く動作説明図である。
【図24】図23に続く動作説明図である。
【図25】図24に続く動作説明図である。
【図26】図25に続く動作説明図である。
【図27】図26に続く動作説明図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る搬送装置の側面図である。
【図29】同上搬送装置の第1受渡装置部の平面図である。
【図30】同上搬送装置の第1受渡装置部の正面図である。
【図31】同上搬送装置の動作説明図である。
【図32】図31に続く動作説明図である。
【図33】図32に続く動作説明図である。
【図34】図33に続く動作説明図である。
【図35】図34に続く動作説明図である。
【図36】図35に続く動作説明図である。
【図37】図36に続く動作説明図である。
【図38】図37に続く動作説明図である。
【図39】図38に続く動作説明図である。
【図40】図39に続く動作説明図である。
【図41】図40に続く動作説明図である。
【図42】図41に続く動作説明図である。
【図43】図42に続く動作説明図である。
【図44】図43に続く動作説明図である。
【図45】図44に続く動作説明図である。
【図46】図45に続く動作説明図である。
【図47】図46に続く動作説明図である。
【図48】図47に続く動作説明図である。
【図49】図48に続く動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の搬送装置の第1の実施の形態を図1ないし図27を参照して説明する。
【0021】
図1において、1は搬送装置で、この搬送装置1は、例えば被搬送物である荷積み台車Wを2階(上の階)の床面部である第1床面3上から1階(下の階)の床面部である第2床面4上に搬送する一方向専用の荷積み台車搬送設備である。
【0022】
荷積み台車Wは、例えば台車W1上に複数の荷物(2個×4段)W2が段積みされたものである。台車W1は例えば台車フレームの4つの角部にキャスタ等の車輪を取り付けたものであり、荷物W2は例えば外形略直方体状の収納容器等のケースである。
【0023】
搬送装置1は、図1に示されるように、2階から1階にわたって設けられた昇降リフタ等の搬送装置部6と、2階に設けられた第1受渡装置部7と、1階に設けられた第2受渡装置部8とを備えている。
【0024】
搬送装置部6は、荷積み台車Wが下方に向って搬送される搬送空間部10を有している。第1受渡装置部7は、水平な第1床面3の上方に位置し搬送空間部10と開口部13を介して対向する第1対向空間部11を有している。第2受渡装置部8は、水平な第2床面4の上方に位置し搬送空間部10と開口部14を介して対向する第2対向空間部12を有している。
【0025】
搬送装置部6は、上下方向長手状の略箱状の機枠16を有し、この機枠16には水平方向に沿って伸縮可能な伸縮テーブル等の載置手段である伸縮手段17が昇降可能に設けられ、この伸縮手段17は縮み状態時(昇降状態時)にモータ等にて構成された駆動手段18からの動力に基づいて搬送空間部10を昇降する。伸縮手段17は荷積み台車Wが載置される載置部17aを先端側に有し、この伸縮手段17は、モータおよびチェーン等にて構成された駆動手段19からの動力に基づいて、載置部17aを含む全体が搬送空間部10に位置する縮み状態(昇降状態)、第1対向空間部11に向って伸びて載置部17aが第1対向空間部11に位置する第1伸び状態(第1状態)、および第2対向空間部12に向って伸びて載置部17aが第2対向空間部12に位置する第2伸び状態(第2状態)に選択的に切り換えられる。
【0026】
伸縮手段17は、図2に示されるように、機枠16内の搬送空間部10を昇降する昇降体21を有し、この昇降体21には水平移動可能な複数、例えば4枚の移動板22が設けられている。これら4枚の移動板22は、伸縮手段17の縮み状態時には上下に重なり合った状態となり、1番上の移動板22にて荷積み台車Wが載置される載置部17aが構成されており、この載置部17aは水平面状の本体板部23とこの本体板部23の移動方向両端部から上方に向って突出する突出板部24とを有している。伸縮手段17の伸び状態時においては、4枚の移動板22は水平方向に並んだ状態となり、先端側の少なくとも載置部17aが第1対向空間部11または第2対向空間部12に位置する。
【0027】
また、機枠16には、第1対向空間部11と搬送空間部10との間に配設され開口部13を開閉する落下防止ゲート等の落下防止用の開閉手段26が設けられている。開閉手段26は、駆動手段であるシリンダ27の伸縮動作により、開口部13を開口させる開状態および開口部13を閉鎖する閉状態に選択的に切り換えられる。
【0028】
開閉手段26は、図3に示されるように、開口部13に沿って昇降可能な複数、例えば3枚の昇降板28を有し、これら3枚の昇降板28は、開閉手段26の開状態時には前後に重なり合った状態となる。開閉手段26の開状態時においては、3枚の昇降板28は上下方向に並んだ状態となり、1番上の昇降板28にシリンダ27のロッド27aが取り付けられている。
【0029】
第1受渡装置部7は、図4および図5に示されるように、機枠30を有し、この機枠30には荷積み台車Wを支持して第1床面3から上昇させた後、下降することにより荷積み台車Wを第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡すつまり載せる左右1対の受渡用フォーク等の第1支持手段である第1昇降手段31が昇降可能でかつ水平移動可能に設けられている。
【0030】
第1昇降手段31は、機枠30内の第1対向空間部11に昇降可能に配設され、モータ等にて構成された駆動手段32からの動力に基づいて少なくとも上待機位置(上位置)および下待機位置(下位置)間で昇降する。第1昇降手段31は、駆動手段であるシリンダ33の伸縮動作により、第1対向空間部11に進出する進出状態および第1対向空間部11から後退する後退状態に選択的に切り換えられる。
【0031】
各第1昇降手段31は、略鉛直面状の板部34を有し、この板部34の下端部の前後両端部から荷積み台車Wの台車W1の下面を下方から支持する支持部である支持板部35が内側方に向って水平状に突出している。板部34から2本の棒部36が外側方に向って水平状に突出し、この棒部36はガイド筒部37にて摺動可能に保持されている。板部34の中央部にはシリンダ33のロッド33aが取り付けられている。
【0032】
また、図5に示されるように、機枠30には、第1昇降手段31が下降して荷積み台車Wを第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡す場合に、台車W1上の荷物W2の側面に当接して荷積み台車Wの荷物W2の転倒を防止する第1転倒防止手段41が設けられている。第1転倒防止手段41は、駆動手段であるシリンダ42の伸縮動作に基づく水平方向の回動軸43を中心とする回動により、荷積み台車Wの荷物W2の側面に当接する当接状態および荷積み台車Wの荷物W2の側面に当接しない非当接状態に選択的に切り換えられる。
【0033】
第1転倒防止手段41は、シリンダ42の伸縮動作で回動する回動軸43に一端部が取り付けられた連結体44を有し、この連結体44の他端部に水平方向長手状で断面略円形状のアーム等の当接体45が取り付けられている。
【0034】
また、第1受渡装置部7は、図4ないし図6に示されるように、第1床面3上の荷積み台車Wを第1床面3上で走行させながら隣接空間部15から第1対向空間部11に搬入するアンチバック付掻込プレート等の搬入手段51を有している。
【0035】
搬入手段51は、第1床面3上を移動可能すなわち例えば走行可能なもので、シリンダ等にて構成された駆動手段52からの動力に基づいて、ガイド部53に沿って第1床面3上を少なくとも待機位置および搬入位置間で走行する。搬入手段51は、平面視略3角状で水平面状の板部54を有し、この板部54のうち搬送空間部10側とは反対側の端部には複数、例えば2つの回動板部55が水平方向の軸部56を中心として回動可能に設けられ、この回動板部55の下端部には錘部57が設けられている。このため、回動板部55は、軸部56を中心として下方に回動して傾斜状態になっても、錘部57の重さで鉛直面に略沿った鉛直状態に復帰する。また板部54の下面側には複数、例えば2つの車輪58が回転可能に設けられている。
【0036】
そして、搬入手段51が待機位置から搬入位置まで走行する際に、鉛直状態の回動板部55が荷積み台車Wの台車W1の移動方向後面である走行方向後面に当接して荷積み台車Wを第1対向空間部11に押し込み、台車W1の走行方向前面をストッパ体48に当接させる。このとき、荷積み台車Wは、回動板部55にて押されることにより、第1床面3上を走行し、台車W1の走行方向左右側面は左右のガイド板59にてガイドされる。
【0037】
さらに、第1受渡装置部7は、図4等に示されるように、台車W1の走行方向前面との当接により台車W1の走行を規制して第1床面3上の荷積み台車Wを第1対向空間部11に隣接する隣接空間部15に待機させるストッパ手段である前面ストッパ板49を有している。前面ストッパ板49は、駆動手段であるシリンダ50の伸縮動作により、隣接空間部15に進出する進出状態および隣接空間部15から後退する後退状態に選択的に切り換えられる。
【0038】
第2受渡装置部8は、図7および図8に示されるように、機枠60を有し、この機枠60には上昇することにより荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取って支持した後、荷積み台車Wを下降させて第2床面4に降ろすつまり載せる左右1対の受渡用フォーク等の第2昇降手段61が昇降可能でかつ水平移動可能に設けられている。
【0039】
第2昇降手段61は、第1昇降手段31と同一構造のもので、機枠60内の第2対向空間部12に昇降可能に配設され、モータ等にて構成された駆動手段62からの動力に基づいて少なくとも受け取り完了位置(上位置)および降ろし完了位置(下位置)間で昇降する。第2昇降手段61は、駆動手段であるシリンダ63の伸縮動作により、第2対向空間部12に進出する進出状態および第2対向空間部12から後退する後退状態に選択的に切り換えられる。
【0040】
各第2昇降手段61は、略鉛直面状の板部64を有し、この板部64の下端部の前後両端部から荷積み台車Wの台車W1の下面を下方から支持する支持部である支持板部65が内側方に向って水平状に突出している。板部64から2本の棒部66が外側方に向って水平状に突出し、この棒部66はガイド筒部67にて摺動可能に保持されている。板部64の中央部にはシリンダ63のロッド63aが取り付けられている。
【0041】
また、図8に示されるように、機枠60には、第2昇降手段61が上昇して荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取る場合に、台車W1上の荷物W2の側面に当接して荷積み台車Wの荷物W2の転倒を防止する第2転倒防止手段71が設けられている。第2転倒防止手段71は、駆動手段であるシリンダ72の伸縮動作に基づく水平方向の回動軸73を中心とする回動により、荷積み台車Wの荷物W2の側面に当接する当接状態および荷積み台車Wの荷物W2の側面に当接しない非当接状態に選択的に切り換えられる。
【0042】
第2転倒防止手段71は、シリンダ72の伸縮動作で回動する回動軸73に一端部が取り付けられた連結体74を有し、この連結体74の他端部に水平方向長手状で断面略円形状のアーム等の当接体75が取り付けられている。
【0043】
また、第2受渡装置部8は、図7ないし図9に示されるように、第2床面4上の荷積み台車Wを第2床面4上で走行させながら第2対向空間部12からこの第2対向空間部12に隣接する隣接空間部9に搬出する掻出プレート等の搬出手段81を有している。
【0044】
搬出手段81は、第2床面4上を移動可能すなわち例えば走行可能なもので、シリンダ等にて構成された駆動手段82からの動力に基づいて、ガイド部83に沿って第2床面4上を少なくとも待機位置および搬出位置間で走行する。搬出手段81は、平面視略3角状で水平面状の板部84を有し、この板部84のうち搬送空間部10側の端部から当接板部85が上方に向って突出している。また板部84の下面側には複数、例えば2つの車輪88が回転可能に設けられている。
【0045】
そして、搬出手段81が待機位置から搬出位置まで走行する際に、突出板部85が荷積み台車Wの台車W1の移動方向後面である走行方向後面に当接して荷積み台車Wを第2対向空間部12から隣接空間部9へ押し出す。
【0046】
次に、上記第1の実施の形態の搬送装置1の動作等を説明する。
【0047】
図10に示す状態では、搬入手段51は待機位置に位置し、前面ストッパ板49は進出状態となっており、第1昇降手段31は下待機位置で後退状態となっている。
【0048】
この状態で、作業者は、図11に示すように、手作業で荷積み台車Wを第1床面3上を走行させながら隣接空間部15に供給し、荷積み台車Wの前面を進出状態の前面ストッパ板49に当接させる。
【0049】
その後、図12に示すように、前面ストッパ板49が進出状態から後退状態になってから、搬入手段51が待機位置から搬入位置まで走行し、この走行する搬入手段51にて荷積み台車Wが押されて第1床面3上を走行しながら第1対向空間部11に搬入される。
【0050】
図13に示すように、第1対向空間部11に搬入された荷積み台車Wは、互いに離間対向する後退状態の第1昇降手段31間に位置する。
【0051】
次いで、図14に示すように、第1昇降手段31が下待機位置で荷積み台車Wに向って進出することにより後退状態から進出状態となり、この進出する第1昇降手段31にて荷積み台車Wのセンタリングが行われる。
【0052】
続いて、図15に示すように、進出状態の第1昇降手段31が下待機位置から上待機位置まで上昇し、この上昇する進出状態の第1昇降手段31にて荷積み台車Wが第1床面3上から所定位置まで上方に向って搬送、つまり持ち上げられる。その後、第1転倒防止手段41が非当接状態から当接状態となって荷積み台車Wの荷物W2の側面に当接し、この第1転倒防止手段41にて台車W1上の複数段状の荷物W2が側方から支持される。
【0053】
次いで、図16に示すように、伸縮手段17が開口部13を通って第1対向空間部11に向って伸びることにより縮み状態から第1伸び状態となり、載置部17aが荷積み台車Wの下方に位置する。
【0054】
その後、図17に示すように、進出状態の第1昇降手段31が下降すると、荷積み台車Wが第1昇降手段31上から伸縮手段17の載置部17a上に乗り移る。つまり、第1昇降手段31が荷積み台車Wを伸縮手段17の載置部17aに渡す。
【0055】
次いで、図18に示すように、伸縮手段17が第1伸び状態から縮み状態となり、この伸縮手段17の縮み動作により載置部17a上の荷積み台車Wが第1対向空間部11から開口部13を通って搬送空間部10に搬送される。その後、開閉手段26が開状態から閉状態となって開口部13の一部である下側部分を閉鎖する。また、第1転倒防止手段41が非当接状態に戻る。
【0056】
その後、図19に示すように、縮み状態の伸縮手段17が載置部17a上に荷積み台車Wを載せたまま下降し、この下降する縮み状態の伸縮手段17にて荷積み台車Wが搬送空間部10内で2階から1階まで下方に向って搬送される。
【0057】
次いで、図20に示すように、伸縮手段17が開口部14を通って第2対向空間部12に向って伸びることにより縮み状態から第2伸び状態となり、この伸縮手段17の伸び動作により載置部17a上の荷積み台車Wが搬送空間部10から開口部14を通って第2対向空間部12に搬送され、荷積み台車Wの荷物W2の側面が当接状態の第2転倒防止手段71に当接する。
【0058】
その後、図21に示すように、進出状態の第2昇降手段61が受け取り完了位置まで上昇すると、荷積み台車Wが伸縮手段17の載置部17a上から第2昇降手段61上に乗り移る。つまり、第2昇降手段61が荷積み台車Wを伸縮手段17の載置部17aから受け取る。
【0059】
次いで、図22に示すように、伸縮手段17が第2伸び状態から縮み状態となり、また第2転倒防止手段71が当接状態から非当接状態となる。
【0060】
その後、図23に示すように、進出状態の第2昇降手段61が受け取り完了位置から降ろし完了位置まで下降し、この下降する進出状態の第2昇降手段61にて荷積み台車Wが下方に向って搬送されて第2床面4上に降ろさせる。
【0061】
次いで、図24および図25に示すように、第2昇降手段61が降ろし完了位置で荷積み台車Wから後退することにより進出状態から後退状態となる。
【0062】
その後、図26に示すように、搬出手段81が待機位置から搬出位置まで走行し、この走行する搬出手段81にて荷積み台車Wが押されて第2床面4上を走行しながら第2対向空間部12から隣接空間部9に搬出される。
【0063】
次いで、この搬出された荷積み台車Wは、図27に示すように、作業者の手作業によって隣接空間部9から取り出されて次工程等に向けて搬送される。なお、惰性によって荷積み台車Wが隣接空間部9から取り出されるようにしてもよい。
【0064】
そして、この搬送装置1によれば、荷積み台車Wをトレイに載せることなく、荷積み台車Wを2階の第1床面3上から1階の第2床面4上まで搬送できるため、従来の構成とは異なりトレイを循環させる必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0065】
また、搬入手段51にて第1床面3上の荷積み台車Wを第1対向空間部11に適切に搬入でき、かつ搬出手段81にて第2床面4上の荷積み台車Wを第2対向空間部12から適切に搬出できるため、効率よく作業ができる。
【0066】
さらに、第1転倒防止手段41および第2転倒防止手段71にて荷積み台車Wの荷物W2の転倒を適切に防止でき、荷物W2の損傷等を確実に防ぐことができる。
【0067】
また、開閉手段26が閉状態となって2階の開口部13の下側部分を閉鎖するため、作業者等の搬送空間部10への落下を適切に防止でき、作業者等の安全性を適切に確保できる。
【0068】
さらに、床面3,4にピットを設ける必要がないため、ピット工事が不要であり、設置場所の制約を受けにくく、ピット施工に関するコストがかからない。
【0069】
また、床面3,4にスロープを設ける必要がないため、荷積み台車Wがスロープ上を転がり落ちることがなく、作業者等の安全性が向上する。
【0070】
さらに、トレイを用いることなく、荷積み台車Wのみの搬送であるため、台車W1より大きいトレイを搬送する構成と比較すると、装置全体を小型にでき、省スペースで設置することができる。
【0071】
また、昇降リフタである搬送装置部6と各受渡装置部7,8とが別体に構成されているため、防火区画等でのシャッタ装置の制約が少ない。
【0072】
なお、搬送装置1は、上の階から下の階に荷積み台車Wを搬送する下り搬送の構成には限定されず、例えば搬入専用の第1受渡装置部7と搬出専用の第2受渡装置部8との配置を逆にし、下の階から上の階に荷積み台車Wを搬送する上り搬送の構成とすることも可能である。
【0073】
また、搬送装置1は、両受渡装置部7,8が搬送装置部6に対して異なる側に配設された構成には限定されず、例えば両受渡装置部7,8が搬送装置部6に対して同じ側に配設された構成等でもよい。
【0074】
さらに、例えば第1受渡装置部7が搬入手段51を有さず、作業者が手作業で荷積み台車Wを第1対向空間部11に搬入するようにしてもよい。
【0075】
また、例えば第2受渡装置部8が搬出手段81を有さず、作業者が手作業で荷積み台車Wを第2対向空間部12から搬出するようにしてもよい。
【0076】
次に、本発明の搬送装置の第2の実施の形態を図28ないし図49を参照して説明する。
【0077】
図28に示す搬送装置1は、図1に示す前記第1の実施の形態とは異なり、荷積み台車Wを2階(上の階)の第1床面3上から1階(下の階)の第2床面4上に搬送する下り搬送と、逆に荷積み台車Wを1階の第2床面4上から2階の第1床面3上に搬送する上り搬送との両方を行うことが可能なものである。
【0078】
この搬送装置1の第1受渡装置部7は、図29および図30に示されるように、前記第1の実施の形態のアンチバック付掻込プレート等の搬入手段51の代わりに、第1床面3上の荷積み台車Wを第1床面3上で走行させながら隣接空間部15から第1対向空間部11に搬入するサイド掻込プレート等の左右1対の第1搬入手段101を有している。
【0079】
第1搬入手段101は、シリンダ等にて構成された駆動手段102からの動力に基づいて少なくとも待機位置および搬入位置間で移動する。また、第1搬入手段101は、水平方向の軸103を中心として上下方向に回動可能であり、その軸103を中心とする回動により隣接空間部15に進出する進出状態および隣接空間部15から後退する後退状態に選択的に切り換えられる。第1搬入手段101は、例えば基端側が軸103に取り付けられた板部材104にて構成され、この板部材104の先端側には荷積み台車Wの台車W1と当接する当接板部105が形成されている。そして、進出状態の第1搬入手段101が待機位置から搬入位置まで移動する際に、当接板部105が荷積み台車Wの台車W1の走行方向後面に当接して荷積み台車Wを隣接空間部15から第1対向空間部11へ押し込む。
【0080】
また、第1受渡装置部7は、第1床面3上の荷積み台車Wを第1床面3上で走行させながら第1対向空間部11から隣接空間部15に搬出する掻出プレート等の第1搬出手段111を有している。
【0081】
第1搬出手段111は、前記第1の実施の形態の搬出手段81と同一構成のものである。すなわち第1搬出手段111は、第1床面3上を移動可能すなわち例えば走行可能なもので、シリンダ等にて構成された駆動手段112からの動力に基づいて、ガイド部113に沿って第1床面3上を少なくとも待機位置および搬出位置間で走行する。第1搬出手段111は、平面視略3角状で水平面状の板部114を有し、この板部114のうち搬送空間部10側の端部から当接板部115が上方に向って突出している。また板部114の下面側には複数、例えば2つの車輪118が回転可能に設けられている。そして、第1搬出手段111が待機位置から搬出位置まで走行する際に、当接板部115が荷積み台車Wの台車W1の走行方向後面に当接して荷積み台車Wを第1対向空間部11から隣接空間部15へ押し出す。
【0082】
さらに、第1受渡装置部7の第1昇降手段31は、荷積み台車Wを第1床面3から上昇させた後、荷積み台車Wを第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡す動作と、荷積み台車Wを第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取った後、荷積み台車Wを下降させて第1床面3に降ろす動作とを行う。
【0083】
また、第1受渡装置部7の第1転倒防止手段41は、第1昇降手段31が荷積み台車Wを第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡す場合および第1昇降手段31が荷積み台車Wを第1伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取る場合に、荷積み台車Wの荷物W2の転倒を防止する。
【0084】
一方、図28に示す第2受渡装置部8は、第1受渡装置部7と同一構成のものである。つまり第2受渡装置部8は、第1搬入手段101と同一構成の第2搬入手段121を有し、この第2搬入手段は、第2床面4上の荷積み台車Wを隣接空間部9から第2対向空間部12に搬入する(図47参照)。また、第2受渡装置部8は、第1搬出手段111と同一構成の第2搬出手段131を有し、この第2搬出手段は、第2床面4上の荷積み台車Wを第2対向空間部12から隣接空間部9に搬出する(図47参照)。
【0085】
さらに、第2受渡装置部8の第2昇降手段61は、荷積み台車Wを第2床面4から上昇させた後、荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡す動作と、荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取った後、荷積み台車Wを下降させて第2床面4に降ろす動作とを行う。
【0086】
また、第2受渡装置部8の第2転倒防止手段71は、第2昇降手段61が荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aに渡す場合および第2昇降手段61が荷積み台車Wを第2伸び状態の伸縮手段17の載置部17aから受け取る場合に、荷積み台車Wの荷物W2の転倒を防止する。なお、図28等に示す第2の実施の形態のその他の構成は、前記第1の実施の形態の構成と基本的に同じである。
【0087】
次に、上記第2の実施の形態の搬送装置1の動作等を説明する。
【0088】
荷積み台車Wを2階の第1床面3上から1階の第2床面4上に搬送する下り搬送について説明する。
【0089】
図31に示す状態では、第1搬入手段101は待機位置で後退状態となっており、前面ストッパ板49は進出状態となっており、第1昇降手段31は下待機位置で後退状態となっている。
【0090】
この状態で、作業者は、図32に示すように、手作業で荷積み台車Wを第1床面3上を走行させながら隣接空間部15に供給し、荷積み台車Wの前面を進出状態の前面ストッパ板49に当接させる。
【0091】
その後、図33に示すように、前面ストッパ板49が進出状態から後退状態になり、また第1搬入手段101が後退状態から進出状態になって荷積み台車Wの台車W1の後方に進出する。
【0092】
次いで、図34に示すように、進出状態の第1搬入手段101が待機位置から搬入位置まで移動し、この移動する第1搬入手段101にて荷積み台車Wが押されて第1床面3上を走行しながら第1対向空間部11に搬入される。
【0093】
なお、第1搬出手段111と第1搬入手段101とにて荷積み台車Wを前後からロックし、これら第1搬出手段111および第1搬入手段101を同速で移動させて荷積み台車Wを搬入するようにしてもよい。
【0094】
図35に示すように、第1対向空間部11に搬入された荷積み台車Wは、互いに離間対向する後退状態の第1昇降手段31間に位置する。
【0095】
次いで、図36に示すように、第1昇降手段31が下待機位置で荷積み台車Wに向って進出することにより後退状態から進出状態となり、この進出する第1昇降手段31にて荷積み台車Wのセンタリングが行われる。
【0096】
続いて、図37に示すように、進出状態の第1昇降手段31が下待機位置から上待機位置まで上昇し、この上昇する進出状態の第1昇降手段31にて荷積み台車Wが第1床面3上から所定位置まで上方に向って搬送、つまり持ち上げられる。その後、第1転倒防止手段41が非当接状態から当接状態となって荷積み台車Wの荷物W2の側面に当接し、この第1転倒防止手段41にて台車W1上の複数段状の荷物W2が側方から支持される。
【0097】
次いで、図38に示すように、伸縮手段17が開口部13を通って第1対向空間部11に向って伸びることにより縮み状態から第1伸び状態となり、載置部17aが荷積み台車Wの下方に位置する。
【0098】
その後、図39に示すように、進出状態の第1昇降手段31が下降すると、荷積み台車Wが第1昇降手段31上から伸縮手段17の載置部17a上に乗り移る。つまり、第1昇降手段31が荷積み台車Wを伸縮手段17の載置部17aに渡す。
【0099】
次いで、図40に示すように、伸縮手段17が第1伸び状態から縮み状態となり、この伸縮手段17の縮み動作により載置部17a上の荷積み台車Wが第1対向空間部11から開口部13を通って搬送空間部10に搬送される。その後、開閉手段26が開状態から閉状態となって開口部13の一部である下側部分を閉鎖する。また、第1転倒防止手段41が非当接状態に戻る。
【0100】
その後、図41に示すように、縮み状態の伸縮手段17が載置部17a上に荷積み台車Wを載せたまま下降し、この下降する縮み状態の伸縮手段17にて荷積み台車Wが搬送空間部10内で2階から1階まで下方に向って搬送される。
【0101】
次いで、図42に示すように、伸縮手段17が開口部14を通って第2対向空間部12に向って伸びることにより縮み状態から第2伸び状態となり、この伸縮手段17の伸び動作により載置部17a上の荷積み台車Wが搬送空間部10から開口部14を通って第2対向空間部12に搬送され、荷積み台車Wの荷物W2の側面が当接状態の第2転倒防止手段71に当接する。
【0102】
その後、図43に示すように、進出状態の第2昇降手段61が受け取り完了位置まで上昇すると、荷積み台車Wが伸縮手段17の載置部17a上から第2昇降手段61上に乗り移る。つまり、第2昇降手段61が荷積み台車Wを伸縮手段17の載置部17aから受け取る。
【0103】
次いで、図44に示すように、伸縮手段17が第2伸び状態から縮み状態となり、また第2転倒防止手段71が当接状態から非当接状態となる。
【0104】
その後、図45に示すように、進出状態の第2昇降手段61が受け取り完了位置から降ろし完了位置まで下降し、この下降する進出状態の第2昇降手段61にて荷積み台車Wが下方に向って搬送されて第2床面4上に降ろさせる。
【0105】
次いで、図46および図47に示すように、第2昇降手段61が降ろし完了位置で荷積み台車Wから後退することにより進出状態から後退状態となる。また、第2搬入手段121および前面ストッパ板49はいずれも後退状態となっている。
【0106】
その後、図48に示すように、第2搬出手段131が待機位置から搬出位置まで走行し、この走行する第2搬出手段131にて荷積み台車Wが押されて第2床面4上を走行しながら第2対向空間部12から隣接空間部9に搬出される。
【0107】
次いで、この搬出された荷積み台車Wは、図49に示すように、作業者の手作業によって隣接空間部9から取り出されて次工程等に向けて搬送される。なお、惰性によって荷積み台車Wが隣接空間部9から取り出されるようにしてもよい。
【0108】
なお、荷積み台車Wを1階の第2床面上から2階の第1床面3上に搬送する上り搬送の動作は、上述した下り搬送の動作と逆となる。
【0109】
そして、この搬送装置1によれば、トレイを循環させる必要がなく構成の簡素化を図ることができる等の前記第1の実施の形態と同じ作用効果を奏することができ、さらに、トレイを用いることなく、荷積み台車Wを第1床面3上から第2床面4上に搬送したり逆に荷積み台車Wを第2床面4上から第1床面3上に搬送したりすることができる。
【0110】
なお、搬送装置1は、両受渡装置部7,8が搬送装置部6に対して同じ側に配設された構成には限定されず、例えば両受渡装置部7,8が搬送装置部6に対して異なる側に配設された構成等でもよい。
【0111】
また、例えば第1搬入手段101および第2搬入手段121を有さず、作業者が手作業で荷積み台車Wを搬入するようにしてもよく、また例えば第1搬出手段111および第2搬出手段131を有さず、作業者が手作業で荷積み台車Wを搬出するようにしてもよい。
【0112】
なお、上記いずれの実施の形態においても、被搬送物は、台車W1上に荷物W2が段積みされた荷積み台車Wには限られず、例えばパレット上に荷物等の物品が段積みされた段積み物品等でもよい。
【0113】
また、第1床面3および第2床面4は、各階の床面部のみにて構成されたものには限定されず、例えば各階の床面部上に設置した薄板状の床板を含むもの等でもよい。
【0114】
さらに、昇降状態、第1状態および第2状態に切り換え可能な載置手段は、伸縮テーブル等の伸縮手段17以外に、例えば回動テーブル等の回動手段等にて構成することも可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 搬送装置
3 第1床面
4 第2床面
10 搬送空間部
11 第1対向空間部
12 第2対向空間部
17 載置手段である伸縮手段
17a 載置部
26 開閉手段
31 第1昇降手段
41 第1転倒防止手段
51 搬入手段
61 第2昇降手段
71 第2転倒防止手段
81 搬出手段
101 第1搬入手段
111 第1搬出手段
121 第2搬入手段
131 第2搬出手段
W 被搬送物である荷積み台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物が搬送される搬送空間部と、
第1床面の上方に位置し、前記搬送空間部と対向する第1対向空間部と、
前記第1床面とは高さが異なる第2床面の上方に位置し、前記搬送空間部と対向する第2対向空間部と、
被搬送物が載置される載置部を有し、前記載置部が前記搬送空間部に位置する昇降状態、前記載置部が前記第1対向空間部に位置する第1状態および前記載置部が前記第2対向空間部に位置する第2状態に選択的に切り換えられ、昇降状態時に前記搬送空間部を昇降する載置手段と、
前記第1対向空間部に昇降可能に配設され、被搬送物を前記第1床面から上昇させた後、被搬送物を第1状態の前記載置手段の載置部に渡す第1昇降手段と、
前記第2対向空間部に昇降可能に配設され、被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて前記第2床面に降ろす第2昇降手段と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
第1床面上の被搬送物を第1対向空間部に搬入する搬入手段と、
第2床面上の被搬送物を第2対向空間部から搬出する搬出手段とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
第1床面上の被搬送物を第1対向空間部に搬入する第1搬入手段と、
前記第1床面上の被搬送物を前記第1対向空間部から搬出する第1搬出手段と、
第2床面上の被搬送物を第2対向空間部に搬入する第2搬入手段と、
前記第2床面上の被搬送物を前記第2対向空間部から搬出する第2搬出手段とを備え、
第1昇降手段は、被搬送物を前記第1床面から上昇させた後、被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す動作と、被搬送物を第1状態の前記載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて前記第1床面に降ろす動作とを行い、
第2昇降手段は、被搬送物を前記第2床面から上昇させた後、被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部に渡す動作と、被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取った後、被搬送物を下降させて前記第2床面に降ろす動作とを行う
ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
第1昇降手段が被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す場合に、被搬送物の転倒を防止する第1転倒防止手段と、
第2昇降手段が被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取る場合に、被搬送物の転倒を防止する第2転倒防止手段とを備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
【請求項5】
第1昇降手段が被搬送物を第1状態の載置手段の載置部に渡す場合および前記第1昇降手段が被搬送物を第1状態の前記載置手段の載置部から受け取る場合に、被搬送物の転倒を防止する第1転倒防止手段と、
第2昇降手段が被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部に渡す場合および前記第2昇降手段が被搬送物を第2状態の前記載置手段の載置部から受け取る場合に、被搬送物の転倒を防止する第2転倒防止手段とを備える
ことを特徴とする請求項3記載の搬送装置。
【請求項6】
第1対向空間部および第2対向空間部の少なくともいずれか一方と搬送空間部との間に配設された落下防止用の開閉手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2010−222086(P2010−222086A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69841(P2009−69841)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【出願人】(592088518)オークラ工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】