説明

搬送設備

【課題】 複数の搬送箇所のうちの一部の搬送箇所が搬送不能な状態となっても、搬送作業を継続することができる搬送設備を提供する。
【解決手段】 各搬送物の搬送先が前記複数の搬送箇所のうちのどれであるかを示す搬送先情報に基づいて、搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に搬送し、且つ、搬送トラブル監視手段の監視情報に基づいて、搬送先が搬送不能な搬送箇所である搬送物については、搬送可能な搬送箇所を代替え搬送先に設定して搬送するように搬送手段の作動を制御する制御手段とを備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給部から供給される搬送物を複数の搬送箇所に分岐搬送するように構成された搬送手段と、各搬送物の搬送先が前記複数の搬送箇所のうちのどれであるかを示す搬送先情報に基づいて、搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に搬送するように前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられた搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる搬送設備は、例えば、搬送物を複数の収納棚に搬入したり、収納棚からの搬送物を外部に搬出するのに用いられるものであって、供給部に供給された搬送物を収納棚に搬入する場合では、供給部に供給された搬送物を、その搬送物を収納する収納棚に対応する搬送箇所に分岐搬送させ、また、収納棚から取り出されて供給部に供給された搬送物を外部に搬出する場合では、供給部に供給された搬送物を、その搬送物を外部に搬出させる搬送手段に対応する搬送箇所に分岐搬送させるようにして用いられるものである。
このような搬送設備として、搬送先情報を記憶する情報記憶用タグが各搬送物に設けられ、搬送物における情報記憶用タグに記憶された搬送先情報を読み取る読み取り手段が搬送手段における搬送物を分岐させる分岐箇所の夫々に対応して設けられ、制御手段が、読み取り手段にて読み取られた搬送先情報に基づいて、搬送先情報が読み取られた搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送するように構成されているものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−255716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような搬送設備において、搬送手段の搬送経路中における一部が故障により停止した場合や、複数の搬送箇所のうちの一部の搬送箇所が、搬送されてきた搬送物の搬出が適正通り行われないことにより搬送物の満杯状態となった場合等に起因して、複数の搬送箇所のうちの一部が供給部からの搬送物を搬送不能な搬送箇所となることがあり、このような場合には、供給部に供給された搬送物を搬送箇所に向けて搬送せずに供給部で停止させるようにする、又は、搬送物を搬送箇所に向けて搬送して搬送経路中における故障した箇所の搬送上手側で停止させるようにする等、搬送物の搬送を停止させるべく制御手段にて搬送手段の作動を制御することになる。しかしながら、このように複数の搬送箇所のうちの一部が搬送物を搬送不能な搬送箇所となった場合に搬送物の搬送を停止させるようにすると、搬送手段の修理や搬送箇所から搬送物が搬出される等の修復処理が行われるまで、搬送可能な搬送箇所に対する搬送物の搬送をも停止するものとなってしまうものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、複数の搬送箇所のうちの一部の搬送箇所が搬送不能な状態となっても、搬送作業を継続することができる搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかる搬送設備の第1特徴構成は、供給部から供給される搬送物を複数の搬送箇所に分岐搬送するように構成された搬送手段と、各搬送物の搬送先が前記複数の搬送箇所のうちのどれであるかを示す搬送先情報に基づいて、搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に搬送するように前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられた搬送設備において、
前記搬送手段の搬送経路における搬送状況を監視して、複数の搬送箇所のうちで前記供給部からの搬送物を搬送不能な搬送箇所を管理する搬送トラブル監視手段が設けられ、前記制御手段が、前記搬送トラブル監視手段の監視情報に基づいて、搬送先が搬送不能な搬送箇所である搬送物については、搬送可能な搬送箇所を代替え搬送先に設定して搬送するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、搬送トラブル監視手段にて、搬送手段の搬送経路における搬送状況を監視して複数の搬送箇所のうちで供給部からの搬送物を搬送不能な搬送箇所を管理し、この搬送トラブル監視手段の監視情報と搬送先情報とに基づいて、搬送先に対応する搬送箇所が搬送可能な搬送箇所である搬送物については、搬送先に対応する搬送箇所に搬送し、搬送先に対応する搬送箇所が搬送不能な搬送箇所である搬送物については、搬送先に対応する搬送箇所とは別の代替え搬送先に対応する搬送可能な搬送箇所に搬送するように構成されている。ちなみに、この代替え搬送先は、供給部からの搬送物を搬送可能な搬送箇所であることは勿論である。
【0008】
従って、複数の搬送箇所のうちの一部が供給部からの搬送物を搬送不能な搬送箇所となった場合でも、搬送先が搬送不能な搬送箇所である搬送物については代替え搬送先に対応する搬送可能な搬送箇所に搬送して、搬送可能な搬送箇所に対する搬送物の搬送を停止させないものであり、もって、複数の搬送箇所のうちの一部の搬送箇所が搬送不能な状態となっても、搬送作業を継続することができる搬送設備を提供することができるに至った。
【0009】
本発明にかかる搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記搬送先情報を記憶する情報記憶用タグが各搬送物に設けられ、前記情報記憶用タグに前記搬送先情報を記憶させる書き込み手段が前記供給部に対応して設けられ、搬送物における前記情報記憶用タグに記憶された前記搬送先情報を読み取る読み取り手段が前記搬送手段における搬送物を分岐させる分岐箇所の夫々に対応して設けられ、前記制御手段が、前記読み取り手段にて読み取られた前記搬送先情報並びに前記搬送トラブル監視手段の前記監視情報に基づいて、前記搬送先情報が読み取られた搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送し、且つ、搬送先が搬送不能な搬送箇所である搬送物については代替え搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送するように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、供給部に搬送物が供給された際に、書き込み手段にて搬送物に設けられた情報用記憶用タグに搬送先情報を記憶させておき、その搬送物が搬送手段における搬送物を分岐させる分岐箇所に搬送されると、その分岐箇所に搬送されてくる搬送物の情報記憶用タグに記憶されている搬送先情報を読み取り手段にて読み取り、その搬送先情報が示す搬送先に対応する搬送箇所が搬送可能な搬送箇所である搬送物については、搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送し、搬送先情報が示す搬送先に対応する搬送箇所が搬送不能な搬送箇所である搬送物については、搬送先に対応する搬送箇所とは別の代替え搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送するように構成されている。
【0011】
従って、搬送先情報が記憶された情報記憶用タグを搬送物に設け、搬送手段における搬送物を分岐させる分岐箇所において搬送先情報に基づいて搬送物を分岐搬送させるため、搬送手段の修復処理を行うために搬送物を搬送手段から降ろした場合でも、その搬送物を搬送経路中の分岐箇所の搬送上手側に再投入させることによって、搬送先に対応する搬送箇所、あるいは、代替え搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送することができる。
【0012】
本発明にかかる搬送設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記制御装置が、中央コントローラから送信された前記搬送先情報並びに前記搬送トラブル監視手段から送信された前記監視情報を受信し、その受信した前記搬送先情報並びに前記監視情報を管理する統括コントローラと、前記書き込み手段に対応して設けられ、前記統括コントローラから送信された前記搬送先情報を受信し、その受信した前記搬送先情報に基づいて前記書き込み手段の作動を制御する供給部制御部と、前記読み取り手段の夫々に対応して設けられ、前記統括コントローラから送信された前記監視情報並びに前記読み取り手段から送信された前記搬送先情報を受信し、その受信した前記監視情報と前記搬送先情報とに基づいて前記搬送手段における前記分岐箇所に備えられた分岐搬送部の作動を制御する分岐制御部とを備えて構成されている点にある。
【0013】
すなわち、前記搬送先情報並びに前記監視情報を統括コントローラにて管理し、搬送先情報に基づく書き込み手段の作動の制御を供給部制御部にて制御し、監視情報と搬送先情報とに基づく分岐搬送部の作動を分岐制御部にて制御するように、搬送設備の制御を統括コントローラや供給部制御部、分岐制御部にて分散して制御することにより、統括コントローラの負担を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、搬送設備には、供給部Aから供給される搬送物Wを複数の搬送箇所Cに搬送するように構成された搬送手段1が設けられており、図外の収納棚から取り出された搬送物Wを供給部Aに供給し、搬送コンベア1にて搬送物Wの搬送先に対応する搬送箇所Cに分岐搬送し、その搬送箇所Cに搬送された搬送物Wを図外の搬送車にて外部に搬出するように構成されている。
【0015】
搬送手段1は、主搬送コンベア2と、供給部Aに供給された搬送物Wを主搬送コンベア2に合流搬送させる2つの合流搬送コンベア3と、主搬送コンベア2から分岐搬送された搬送物Wを搬送箇所Cに搬送させる3つの分岐搬送コンベア4とを備えて構成されている。つまり、搬送手段1は、合流搬送コンベア3夫々の搬送上手側に位置する2箇所の供給部Aに供給された搬送物Wを主搬送コンベア2に合流させた後、3つの分岐搬送コンベア4のいずれかに分岐搬送し、分岐搬送コンベア4夫々の搬送下手側に位置する3箇所の搬送箇所Cに分岐搬送するように構成されている。
【0016】
主搬送コンベア2には、合流搬送コンベア3からの搬送物Wを合流させる合流箇所に合流搬送部2aが設けられ、分岐搬送コンベア4へ搬送物Wを分岐させる分岐箇所Bには分岐搬送部2bが設けられ、搬送下手側端部に切換搬送部2cが設けられており、これら合流搬送部2a、分岐搬送部2b及び切換搬送部2cの夫々は、搬送物Wを載置搬送する搬送部を旋回させることにより搬送方向を変更させる旋回式に構成されている。
そして、合流搬送部2aは、搬送方向を合流搬送コンベア3の搬送方向に沿うように変更した状態で合流搬送コンベア3から搬送物Wを受け取り、搬送方向を主搬送コンベア2の搬送方向に沿うように変更した状態で搬送下手側に搬送物Wを搬送するように構成されている。
また、分岐搬送部2bは、搬送方向を主搬送コンベア2の搬送方向に沿うように変更した状態で搬送上手側から搬送物Wを受け取り、そのままの状態で搬送物W搬送下手側に受け渡す、あるいは、搬送方向を分岐搬送コンベア4の搬送方向に沿うように変更した状態で分岐搬送コンベア4に搬送物Wを受け渡すように構成されている。
また、切換搬送部2cは、搬送方向を主搬送コンベア2の搬送方向に沿うように変更した状態で搬送上手側から搬送物Wを受け取り、搬送方向を分岐搬送コンベア4の搬送方向に沿うように変更して分岐搬送コンベア4に受け渡すように構成されている。
【0017】
図1に示すように、前記搬送先情報を記憶する情報記憶用タグとしてのICタグ6が各搬送物Wに設けられている。そして、前記ICタグ6に前記搬送先情報を記憶させる書き込み手段としての書き込み用のリーダライタ装置7が前記供給部Aに対応して設けられ、搬送物Wにおける前記ICタグ6に記憶された前記搬送先情報を読み取る読み取り手段としての読み取り用のリーダライタ装置8が前記搬送コンベア1における搬送物Wを分岐させる分岐箇所Bの夫々に対応して設けられている。また、図2に示すように、前記搬送手段1の搬送経路における搬送状況を監視して、複数の搬送箇所Cのうちで前記供給部Aからの搬送物Wを搬送不能な搬送箇所Cを管理する搬送トラブル監視手段5が設けられている。
【0018】
つまり、ICタグ6は、書き込み用のリーダライタ装置7にて搬送先情報を非接触通信にて書き込み可能で且つ読み取り用のリーダライタ装置8にて搬送先情報を非接触通信にて読み取り可能に構成されており、予め搬送物Wの横側面に貼付状態で設けられている。
そして、書き込み用のリーダライタ装置7は、供給部Aに対応して供給部A夫々に設けられて、供給部Aに供給された搬送物WのICタグ6に対して搬送先情報を記憶させることができるように構成され、また、読み取り用のリーダライタ装置8は、分岐箇所Bに対応して分岐箇所B夫々の搬送上手側に設けられて、分岐箇所Bに搬送される搬送物WのICタグ6に記憶された搬送用情報を読み取ることができるように構成されている。尚、図1に示すように、書き込み用のリーダライタ装置7の搬送下手側には、供給部Aには供給部Aに供給された搬送物Wを検出する供給用在荷センサ9が設けられ、読み取り用のリーダライタ装置8の搬送下手側には、分岐箇所Bに搬送される搬送物Wを検出する分岐用在荷センサ10が設けられている。
また、搬送箇所Cには搬送箇所Cに搬送された搬送物Wを検出する搬送用在荷センサ11が設けられ、搬送箇所Cの搬送上手側には搬送箇所Cに搬送される搬送物Wを検出する待機用在荷センサ12が設けられており、待機用在荷センサ12は、搬送箇所Cに搬送物Wが存在する場合に搬送箇所Cの搬送上手側に停止させた搬送物Wを検出するように設けられている。
【0019】
搬送トラブル監視手段5は、搬送手段1を駆動させる複数の搬送モータの回転数を検出する図外の回転数センサの検出情報や、供給用在荷センサ9、分岐用在荷センサ10、搬送用在荷センサ11、待機用在荷センサ12の検出情報に基づいて、搬送不能な搬送箇所Cを判別するように構成されている。つまり、搬送モータが駆動状態であるにも拘らず搬送モータの回転数が増加しない場合では、搬送手段1における回転数が増加しない搬送モータにて駆動される箇所より搬送下手側の搬送箇所Cを搬送不能な搬送箇所Cと判別し、供給用在荷センサ9、分岐用在荷センサ10並びに搬送用在荷センサ11の検出状態が設定以上継続する場合では、そのセンサより搬送下手側の搬送箇所Cを搬送不能な搬送箇所Cと判別し、さらに、搬送上手側の供給用在荷センサ9や分岐用在荷センサ10が非検出状態となってから設定時間経過しても搬送下手側の分岐用在荷センサ10や搬送用在荷センサ11が検出状態とならない場合では、搬送上手側のセンサより搬送下手側の搬送箇所Cを搬送不能な搬送箇所Cと判別するように構成されている。そして、搬送トラブル監視手段5は、搬送不能な搬送箇所Cの情報を監視情報として制御手段Hに送信するように構成されている。
【0020】
図2に示すように、搬送設備には、各搬送物Wの搬送先が前記複数の搬送箇所Cのうちのどれであるかを示す搬送先情報に基づいて、搬送物Wを搬送先に対応する搬送箇所Cに搬送するように前記搬送手段1の作動を制御する制御手段Hが設けられ、この制御手段Hが、前記搬送トラブル監視手段5の監視情報に基づいて、搬送先が搬送不能な搬送箇所Cである搬送物Wについては、搬送可能な搬送箇所Cを代替え搬送先に設定して搬送するように構成されている。
そして、前記制御手段Hが、前記読み取り用のリーダライタ装置8にて読み取られた前記搬送先情報並びに前記搬送トラブル監視手段5の前記監視情報に基づいて、前記搬送先情報が読み取られた搬送物Wを搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送し、且つ、搬送先が搬送不能な搬送箇所Cである搬送物Wについては代替え搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送するように構成されている。
尚、搬送トラブル監視手段5にて、複数の搬送箇所Cのうちの全ての搬送箇所Cが搬送不能な搬送箇所Cと判別された場合には、全ての搬送箇所Cが搬送不能であることを示す監視情報を受信した制御手段Hは、搬送物の搬送を停止させるように搬送手段1の作動を制御するように構成されている。搬送物Wに設けられたICタグ6には搬送先情報が記憶されているため、搬送手段1の作動を停止させて搬送手段1の修復処理を行うために搬送物Wを搬送手段1から降ろした場合でも、搬送経路中の分岐箇所Bの搬送上手側に再投入させることによって、搬送先に対応する搬送箇所C、あるいは、代替え搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送することができる。
【0021】
また、制御手段Hは、中央コントローラ14から送信された前記搬送先情報並びに前記搬送トラブル監視手段5から送信された前記監視情報を受信し、その受信した前記搬送先情報並びに前記監視情報を管理する統括コントローラ15と、前記書き込み用のリーダライタ装置7に対応して設けられ、前記統括コントローラ15から送信された前記搬送先情報を受信し、その受信した前記搬送先情報に基づいて前記書き込み用のリーダライタ装置7の作動を制御する供給部制御部16と、前記読み取り用のリーダライタ装置8の夫々に対応して設けられ、前記統括コントローラ15から送信された前記監視情報並びに前記読み取り手段8から送信された前記搬送先情報を受信し、その受信した前記監視情報と前記搬送先情報とに基づいて前記搬送手段1における前記分岐箇所Bに備えられた分岐搬送部2bの作動を制御する分岐制御部17とを備えて構成されている。
【0022】
つまり、中央コントローラ14は、収納棚から搬送物を取り出して供給部Aに供給する図外のスタッカークレーンや搬送箇所Cに搬送された搬送物Wを多数の搬送場所のうちのいずれかに搬送する搬送車の作動を制御するとともに、スタッカークレーンにて供給部Aに供給された搬送物Wに対応する搬送先情報を統括コントローラ15に送信するように構成されており、統括コントローラ15は、中央コントローラ14にて送信された搬送先情報を受信し、その受信した搬送先情報を搬送物Wが供給された供給部Aに対応する供給部制御部16に送信するように構成されている。
そして、供給部制御部16は、統括コントローラ15にて送信された搬送先情報を受信し、図3に示すように、供給部Aに搬送物Wが供給されたことが供給用在荷センサ9にて検出されると、書き込み用のリーダライタ装置7を作動させて、供給された搬送物Wに設けられたICタグ6に、その搬送物Wの搬送先を示す搬送先情報をICタグ6に記憶させる供給制御を実行するように構成されている。
尚、統括コントローラ15は、供給部Aに搬送物Wが供給する際には合流搬送コンベア3の作動を停止させ、供給部Aに搬送物Wを供給し、書き込み用のリーダライタ装置7にて搬送用情報をICタグ6に書き込むに要する時間が経過した後に、合流搬送コンベア3を駆動させて搬送物Wの搬送を開始するように構成されている。また、統括コントローラ15は、搬送物Wの搬送に応じて搬送方向を適宜切り換えるように合流搬送部2aの作動も制御するように構成されている。
【0023】
また、搬送トラブル監視手段5は、監視情報を統括コントローラ15に送信するように構成されており、統括コントローラ15は、搬送トラブル監視手段5にて送信された監視情報を受信し、その受信した監視情報を分岐制御部17の夫々に送信するように構成されている。
そして、分岐制御部17は、図4に示すように、分岐箇所Bの手前まで搬送物Wが搬送されたことが分岐用在荷センサ10にて検出されると、読み取り用のリーダライタ装置8を作動させて搬送物Wに設けられたICタグ6に記憶されている搬送先情報を読み取り、その読み取った搬送先情報にて示される搬送先に対応する搬送箇所Cが搬送可能な搬送箇所Cであれば、その搬送箇所Cに向けて搬送物Wを分岐搬送し、読み取った搬送先情報にて示される搬送先に対応する搬送箇所Cが搬送不能な搬送箇所Cであれば、搬送先とは別の代替え搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて搬送物Wを分岐搬送するように分岐搬送部2bの作動を制御する分岐制御を実行するように構成されている。
尚、統括コントローラ15は、搬送物Wの搬送に応じて切換搬送部2cの搬送方向を適宜切り換えるように切換搬送部2cの作動を制御するように構成されている。
【0024】
分岐制御部17の夫々には、統括コントローラ15から送信された分岐情報が予め受信されており、この分岐情報は、搬送箇所Cの夫々に対する分岐箇所Bにおける分岐方向を示す情報である。また、分岐制御部17には、統括コントローラ15から適宜送信された代替え搬送先情報が受信されており、この代替え搬送先情報は、代替え搬送先が複数の搬送箇所Cのうちのどれであるかを示す情報である。
つまり、分岐箇所Bにおいて搬送物Wを搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送する際では、搬送先情報と分岐情報とに基づいて、主搬送コンベア2の搬送下手側に搬送する直進搬送又は分岐搬送コンベア4に搬送する切換搬送を選択して、搬送物Wを搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送するように構成されている。
そして、分岐箇所Bにおいて搬送物Wを代替え搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送する際では、代替え搬送先情報と分岐情報とに基づいて、主搬送コンベア2の搬送下手側に搬送する直進搬送又は分岐搬送コンベア4に搬送する切換搬送を選択して、搬送物Wを代替え搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送するように構成されている。尚、搬送物Wの搬送先を代替え搬送先に変更させるに合わせて、この搬送物Wを外部に搬出させる搬送車を、搬送物Wの搬送先ではなく代替え搬送先に移動させる。
【0025】
従って、供給部Aに搬送物Wが供給されたことが供給用在荷センサ9にて検出されると、供給された搬送物Wに設けられたICタグ6に、書き込み用のリーダライタ装置7にて搬送物Wの搬送先、つまりは、搬送箇所Cのいずれかに対応する搬送先を示す搬送先情報を記憶させる。
合流搬送コンベア3、主搬送コンベア2と順次搬送されて、分岐箇所Bの手前まで搬送物Wが搬送されたことが分岐用在荷センサ10にて検出されると、読み取り用のリーダライタ装置8にて搬送物Wに設けられたICタグ6に記憶されている搬送先情報を読み取る。そして、この搬送先情報と監視情報とに基づいて、搬送先に対応する搬送箇所Cが搬送可能な搬送箇所Cであると判断すると、分岐箇所Bにおいて搬送先に対応する搬送箇所Cに向けて分岐搬送する。つまり、搬送上手側の分岐箇所Bにおいては、搬送先に対応する搬送箇所Cが第1搬送箇所C1であれば切換搬送し、搬送先に対応する搬送箇所Cが第2搬送箇所C2又は第3搬送箇所C3であれば直進搬送するように分岐搬送し、搬送下手側の分岐箇所Bにおいては、搬送先に対応する搬送箇所Cが第2搬送箇所C2であれば切換搬送し、搬送先に対応する搬送箇所Cが第3搬送箇所C3であれば直進搬送するように分岐搬送する。
また、搬送先情報と監視情報とに基づいて、搬送先に対応する搬送箇所Cが搬送不能な搬送箇所Cであると判断すると、分岐箇所Bにおいて搬送先に対応する搬送箇所Cとは別の代替え搬送先に対応する搬送可能な搬送箇所Cに向けて分岐搬送する。つまり、搬送上手側の分岐箇所Bにおいては、代替え搬送先に対応する搬送箇所Cが第1搬送箇所C1であれば切換搬送し、代替え搬送先に対応する搬送箇所Cが第2搬送箇所C2又は第3搬送箇所C3であれば直進搬送するように分岐搬送し、搬送下手側の分岐箇所Bにおいては、代替え搬送先に対応する搬送箇所Cが第2搬送箇所C2であれば切換搬送し、代替え搬送先に対応する搬送箇所Cが第3搬送箇所C3であれば直進搬送するように分岐搬送する。
【0026】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、書き込み手段7や読み取り手段8を備え、搬送先情報を情報記憶用タグ6に記憶させたが、書き込み手段7や読み取り手段8、情報記憶用タグ6を用いずに、搬送モータの回転数を回転数センサにて検出し、この回転数センサの検出情報に基づいて搬送物Wの現在位置を把握しながら、搬送先情報や監視情報に基づいて搬送手段1の作動を制御するように構成してもよい。
【0027】
(2) 上記実施の形態では、供給部Aに対応して書き込み手段7を設けたが、書き込み手段7を設けずに供給部Aに供給される前に予め情報記憶用タグ6に搬送先情報を書き込んでおくように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、情報記憶用タグ6を設けた状態で搬送物Wを供給部Aに供給したが、供給部Aに供給された搬送物Wに情報記憶用タグ6を貼付する貼付装置を供給部Aに設けて、供給部Aに供給された搬送物Wに情報記憶用タグ6を貼付させるように構成してもよい。
【0028】
(3) 上記実施の形態では、搬送手段1に分岐箇所Bを2箇所に備えさせたが、搬送手段1に分岐箇所Bを1箇所にだけ備えさせる、又は、図5に示すように、分岐箇所Bを3箇所以上に備えさせてもよい。
また、上記実施の形態では、搬送手段1を分岐箇所Bにて搬送物を2方向に分岐搬送させるように構成したが、分岐箇所Bにて搬送物を3方向以上に分岐搬送させるように構成してもよい。
また、搬送手段1に供給部Aを2箇所に備えさせたが、搬送手段1に供給部を1箇所にだけ備えさせる、又は、供給部Aを3箇所以上に備えさせてもよい。
【0029】
(4) 上記実施の形態では、制御手段Hを統括コントローラ15と供給部制御部16と分岐制御部17とを備え、供給部制御部16にて書き込み手段7の作動を制御し、分岐制御部17にて読み取り手段8の作動を制御するように構成したが、制御手段Hに統括コントローラ15のみを備えさせ、この統括コントローラ15にて書き込み手段7と読み取り手段8との作動を制御するように構成してもよい。
【0030】
(5) 上記実施の形態では、搬送手段を搬送コンベアにて構成したが、搬送台車等の他の搬送手段でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】搬送手段の平面図
【図2】制御ブロック図
【図3】供給制御のフローチャート
【図4】分岐制御のフローチャート
【図5】別実施形態における搬送手段の平面図
【符号の説明】
【0032】
1 搬送手段
2b 分岐搬送部
5 搬送トラブル監視手段
6 情報記憶用タグ
7 書き込み手段
8 読み取り手段
14 中央コントローラ
15 統括コントローラ
16 供給部制御部
17 分岐制御部
A 供給部
B 分岐箇所
C 搬送箇所
H 制御手段
W 搬送物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給部から供給される搬送物を複数の搬送箇所に分岐搬送するように構成された搬送手段と、
各搬送物の搬送先が前記複数の搬送箇所のうちのどれであるかを示す搬送先情報に基づいて、搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に搬送するように前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられた搬送設備であって、
前記搬送手段の搬送経路における搬送状況を監視して、複数の搬送箇所のうちで前記供給部からの搬送物を搬送不能な搬送箇所を管理する搬送トラブル監視手段が設けられ、
前記制御手段が、前記搬送トラブル監視手段の監視情報に基づいて、搬送先が搬送不能な搬送箇所である搬送物については、搬送可能な搬送箇所を代替え搬送先に設定して搬送するように構成されている搬送設備。
【請求項2】
前記搬送先情報を記憶する情報記憶用タグが各搬送物に設けられ、
前記情報記憶用タグに前記搬送先情報を記憶させる書き込み手段が前記供給部に対応して設けられ、
搬送物における前記情報記憶用タグに記憶された前記搬送先情報を読み取る読み取り手段が前記搬送手段における搬送物を分岐させる分岐箇所の夫々に対応して設けられ、
前記制御手段が、前記読み取り手段にて読み取られた前記搬送先情報並びに前記搬送トラブル監視手段の前記監視情報に基づいて、前記搬送先情報が読み取られた搬送物を搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送し、且つ、搬送先が搬送不能な搬送箇所である搬送物については代替え搬送先に対応する搬送箇所に向けて分岐搬送するように構成されている請求項1記載の搬送設備。
【請求項3】
前記制御装置が、中央コントローラから送信された前記搬送先情報並びに前記搬送トラブル監視手段から送信された前記監視情報を受信し、その受信した前記搬送先情報並びに前記監視情報を管理する統括コントローラと、
前記書き込み手段に対応して設けられ、前記統括コントローラから送信された前記搬送先情報を受信し、その受信した前記搬送先情報に基づいて前記書き込み手段の作動を制御する供給部制御部と、
前記読み取り手段の夫々に対応して設けられ、前記統括コントローラから送信された前記監視情報並びに前記読み取り手段から送信された前記搬送先情報を受信し、その受信した前記監視情報と前記搬送先情報とに基づいて前記搬送手段における前記分岐箇所に備えられた分岐搬送部の作動を制御する分岐制御部とを備えて構成されている請求項2記載の搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−193254(P2006−193254A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5319(P2005−5319)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】