説明

携帯型作業機

【課題】
防振装置部材と動力装置の容易な固定方法を実現し、部品点数の削減と組立ての容易化を実現できる携帯型作業機を提供する。
【解決手段】
エンジンと、エンジンを保持するフレーム3と、フレーム3に固定されるフロントハンドル5と、エンジンの出力を伝達し作業具を駆動する動力変換部(6)を有し、防振装置20をスプリング21で構成し、フロントハンドル5の取付箇所の中心とスプリング21の軸線が略一致するように配置した。スプリング21は左巻きとし、スプリングホルダ22は、フロントハンドル5の固定用のボルト30によって固定される。ボルト30を締め付けると左巻きのスプリング21の作用によりスプリングホルダ22がフレーム3に押し付けられるので、ボルト30を締め付けるだけで、フロントハンドル5と防振装置20を同時に固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型作業機における防振機構に関し、特に防振装置部材と動力装置を容易に固定できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
ヘッジトリマ等の携帯型作業機において、動力源としてエンジンが広く用いられている。エンジンは、小型軽量で大きな出力を得ることができ、燃料を供給することにより長時間の作業が可能となるという利点を有する。しかしながら、エンジンではシリンダの内部でピストンが往復移動し、混合気の燃焼による爆発を伴うので、電気モータに比べると振動が大きいというデメリットがある。エンジンを動力源とした携帯型作業機の例として、特許文献1に記載されたようなヘッジトリマが知られている。特許文献1のヘッジトリマは、動力源であるエンジンの前後にフロントハンドル、リアハンドルを有し、エンジンによって前方に延在する駆動刃を前後方向に往復動させる。
【0003】
ここで図13から図16を用いて、従来のエンジンを動力源とした携帯型作業機について説明する。ここでは携帯型作業機の例としてヘッジトリマを示している。図13は従来のヘッジトリマ101の側面図である。図13のヘッジトリマ101は、エンジンカバー102の内部に収容される小型の2サイクルエンジン(図示せず)を動力源とする。ヘッジトリマ101は、フレーム103を有し、フレーム103の前方には、作業者が例えば左手で把持するフロントハンドル105が取り付けられ、フレーム103の後方には、作業者が例えば右手で把持するリアハンドル109が設けられる。
【0004】
エンジンは複数の防振装置を介して、フレーム103に保持される。エンジンの下方にはギヤケース106が取り付けられ、ギヤケース106から前方に延びるように刃部104が固定される。ギヤケース106は、エンジンの出力を往復移動に変換して刃部104を駆動するための動力変換機構を収容する。エンジン及びギヤケース106は互いに直接的に固定される。また、フレーム103、フロントハンドル105、リアハンドル109はネジ、ボルト等でがたつきがないように固定される。しかしながら、エンジン、ギヤケース106及び刃部104の組立体は、前側固定位置107及び後側固定位置108においてフレーム103に対して防振装置を介して弾性的に保持される。尚、図示しない防振装置は、フレーム103の内側に配置されるので図13の側面図では視認できない。
【0005】
図14は、従来のヘッジトリマ101の上面図である。上からヘッジトリマ101を見ると、前方側から刃部104、フロントハンドル105、エンジン114、燃料タンク112、リアハンドル109と順に配置される。エンジン114はエンジンカバー102に覆われ、エンジンカバー102の上部とフロントハンドル105の中央付近は、所定の間隔d1を有するように配置される。フロントハンドル105は、上下方向に配置される2つのボルト130によってフレーム103の前端付近(図13の前側固定位置107よりも前方)に固定される。リアハンドル109はフレーム103の後端に取り付けられ、フレーム103に対して左右に回動可能に保持される。
【0006】
図15は、図14のE−E部の部分断面図であり、フロントハンドル105のフレーム103への取付け構造を示す。フロントハンドル105の取付部105bは、フレーム103の先端に設けられたフロントハンドル取付け用のボス103aに、ボルト130とナット131で固定される。ボス103aは、フレーム103の防振機構の前側固定位置107に形成される取付穴103cの前方側に突出するようにフレーム103と一体成形で製造される。
【0007】
次に、図16を用いてギヤケース106と防振装置120の固定方法を示す。防振装置120は主に、弾性部材であるコイル式のスプリング121と、スプリング121を保持するスプリングホルダ122により構成される。スプリング121の一方の端部は、ボルト128でギヤケース106(エンジン側組立体)の取付部106aに固定され、他方の端部はスプリングホルダ122を介してフレーム103に固定される。取付部106aには雌ねじが形成され、座金が組み込まれた六角穴付きボルト128と螺合する。スプリングホルダ122にはインサートボルト129の頭部129a及び主軸129bの約半分が鋳込まれ、主軸129bの残り半分がフレーム103側に形成された取付穴103cを介して外部に突出し、外側からナット131を締め付けることによって、スプリングホルダ122がフレーム103に固定される。ナット131を締め付ける際には、スプリングホルダ122がナット131と一緒に回ってしまわないように、インサートボルト129の先端のマイナスネジ溝129cをマイナスドライバ等の工具135で固定しながらナット131を締める必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−81891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のヘッジトリマ101においては、スプリングホルダ122等の防振装置120の構成部材とフレーム103及びフロントハンドル105は別々のボルト及びナットによって固定されるため、組立てが煩雑であった。また、各構成要素の重量軽減化を阻害する要因となっていた。さらに、スプリングホルダ122とフレーム103をナット131で締め付ける際に、ナット131の締め付けとは別の工具135でインサートボルト129を固定してからナット131を締め付ける必要があり、2種類の工具が同時に必要となり手間がかかっていた。
【0010】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、防振装置のフレームへの容易な固定方法を実現した携帯型作業機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、作業時に作業部位に加わる過大な変位に対しても効果的に減衰できる防振装置を有する携帯型作業機を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、部品点数を増加させないで製造コストダウンを図ることができる防振装置を有する携帯型作業機を提供することにある。
【0013】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
【0015】
本発明の一つの特徴によれば、エンジンと、エンジンを保持するフレームと、フレームに固定されるフロントハンドル及びリアハンドルと、エンジンの出力を伝達し作業具を駆動する動力変換部を有し、エンジンと動力変換部と作業具はフレームに対して弾性部材を介して保持される携帯型作業機において、フロントハンドルの取付箇所の中心と弾性部材の取付箇所の中心を通る軸線が略一致するようにフロントハンドル及び弾性部材が配置されるように構成した。弾性部材はスプリングであり、スプリングはスプリングホルダを介してフレームに取り付けられる。フロントハンドルは端部に形成された穴に固定要素を用いてフレームに取り付けられ、スプリングホルダ及びフロントハンドルは、共通の固定要素によってフレームに固定される。
【0016】
本発明の他の特徴によれば、スプリングホルダは、スプリングを固定するための溝と、固定要素と係合する固定手段を有し、フロントハンドルに形成された穴とフレームに形成された貫通穴を通って固定要素又は固定手段が螺合する。スプリングホルダは略円柱形の部材であり、溝は円柱形の部材の外周部においてスプリングに形状に沿うように形成され、固定手段は、スプリングホルダの軸方向に形成される雌ねじ又はスプリングホルダの内部に組み込まれたナットで構成した。固定要素は右巻きのボルト又はネジであり、スプリング及び溝は左巻きに形成される。
【0017】
本発明のさらに他の特徴によれば、フロントハンドルには取り付け傾斜角度を設定するための凸部が設けられ、フレームには凸部を収める溝部が形成され、凸部が溝部に嵌合するようにフロントハンドルがフレームに固定される。フレームは水平方向に延びるように配置され、フロントハンドルは、フレームの長手方向に対して90°〜45°程度前傾して取り付けられる。スプリングホルダの反フレーム側の先端に弾性材を設け、先端付近は先細り状に斜面部が形成される。尚、上述の携帯型作業機の一例は、作業具として往復動するトリマブレードを有するヘッジトリマである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、弾性部材を介して保持される携帯型作業機であって、フロントハンドルの取付箇所の中心と弾性部材の取付箇所の中心を通る軸線が略一致するようにフロントハンドル及び弾性部材が配置されるので、防振装置とフロントハンドルを同位置において固定することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、弾性部材をスプリングで構成したので、コンパクトで防振効果の高い防振構造が得られる。
【0020】
請求項3の発明によれば、スプリングを保持するスプリングホルダ及びフロントハンドルは、共通の固定要素によってフレームに固定されるので、これらを同時に固定することができ部品点数を増加させないで製造コストダウンを図ることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、フロントハンドルに形成された穴とフレームに形成された貫通穴を通って固定要素又は固定手段が螺合するので、フロントハンドルをボルト等で容易に固定することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、スプリングを保持する溝は円柱形の部材の外周部において形成されるので、スプリングの内側にねじ込むだけで容易にスプリングとスプリングホルダを固定することができる。また、固定手段は、スプリングホルダの軸方向に形成される雌ねじ又は内部に組み込まれたナットであるので、スプリングホルダを容易に製造することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、固定要素は右巻きのボルト又はネジであり、スプリング及び溝は左巻きに形成されるので、ボルト又はネジでスプリングホルダをフレームに固定する際に、ボルト又はネジの回転力を受けて、スプリングホルダがボルト又はネジ側に押し付ける力を発生ように作用することができる。よって組立時に、フロントハンドルを容易に固定することができ、組立効率が大幅に向上する。
【0024】
請求項7の発明によれば、フロントハンドルには取り付け傾斜角度を設定するための凸部が設けられるので、フロントハンドルが取付部を中心に回動することを防止できる。また、組立時においても、設定された傾斜角度をもって確実にフロントハンドルを固定することができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、フレームは水平方向に延びるように配置され、フロントハンドルは、フレームの長手方向に対して90°〜45°程度前傾して取り付けられるので、エンジンから適切な間隔を隔てるようにフロントハンドルを固定することができ、使いやすい携帯型作業機を提供することができる。
【0026】
請求項9の発明によれば、スプリングホルダの反フレーム側の先端に弾性材を設け、
先端付近は先細り状に斜面部が形成されるので、スプリングの動作がスムーズになるとともに、防振装置の耐久性を大幅に向上させることができる。
【0027】
請求項10の発明によれば、携帯型作業機は、作業具として往復動するトリマブレードを有するので、使いやすくて製造コストダウンを図ったヘッジトリマを実現できる。
【0028】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例に係る携帯型作業機の一例であるヘッジトリマ1の側面図である。
【図2】本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の上面図である。
【図3】本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の底面図である。
【図4】本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の正面図である。
【図5】本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の背面図である。
【図6】本発明の実施例に係るヘッジトリマ1のフレーム3単体の側面図である。
【図7】ヘッジトリマ1のフロントハンドル5の取付け部付近(図2のA−A部)の部分断面図である。
【図8】本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の、防振装置20の外観図である。
【図9】図8のスプリング21単体の外観図であって、(1)は側面図、(2)は(1)のC方向から見た図である。
【図10】図8のスプリングホルダ22単体の外観図であって、(1)は側面図、(2)は(1)のD方向から見た図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るフロントハンドル5および防振装置40の取付け部の断面図である(圧縮荷重Fが作用した場合)。
【図12】本発明の第2の実施例に係るフロントハンドル5および防振装置50の取付け部の断面図である(ラジアル荷重Fが作用した場合)。
【図13】従来のヘッジトリマ101の側面図である。
【図14】従来のヘッジトリマ101の上面図である。
【図15】図14に示すヘッジトリマ101のフロントハンドル105の取付け部付近(E−E部)の部分断面図である。
【図16】図14に示すヘッジトリマ101の防振装置120の取付け部付近(G−G部)の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の構成部品には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下左右の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施例に係る携帯型作業機の一例であるヘッジトリマ1の側面図である。ヘッジトリマ1はフレーム3を有し、フレーム3の前方には、作業者が例えば左手で把持するフロントハンドル5が設けられ、フレーム3の後方には、作業者が例えば右手で把持するリアハンドル9が設けられる。フレーム3は、強化プラスチック等の合成樹脂の一体成形で製造される。リアハンドル9は、フレーム3との接続部3hにおいて左右に約90度回動できるように可動式に構成される。リアハンドル9には、エンジン14のスロットルトリガ10が設けられる。
【0032】
エンジン14は、例えば小型の2サイクルエンジンであって、オイルをガソリンに混ぜた混合燃料で運転する。エンジン14及びその運転に必要な気化器、排気装置、スターター等の周辺機器は、エンジンカバー2によって覆われる。尚、本図ではエンジン14はエンジンカバー2に覆われて外側から直接見えないので、エンジン14の位置を矢印にて示している。エンジン14の上部には、リコイル式のスターター(図示せず)が設けられ、スターターの紐を引くためのノブ11が設けられる。エンジン14の後方には燃料タンク12が設けられる。燃料タンク12は、例えば半透明の樹脂製で構成され、外部から燃料の残量が視認できるように構成される。
【0033】
エンジン14の下方であって、フレーム3に囲まれる空間内にはギヤケース6が取り付けられる。ギヤケース6は、エンジン14のクランク軸(図示せず)からの回転力をうけて、これを往復動力に変換して、ギヤケース6から前方に延びる刃部4を駆動するものである。本実施例では、エンジン14に対してギヤケース6がボルト締めにより強固に固定され、刃部4はギヤケース6とエンジン14により支持される。このように、エンジン14、ギヤケース6、刃部4はお互いがネジやボルト等で固定される。エンジン14、ギヤケース6、刃部4の組立体は、後述する4つの防振装置を介してフレーム3に保持される。本実施例では、防振装置によってギヤケース6を保持することにより、エンジン14をフレーム3に間接的に保持するようにしている。後述する防振装置は、フレーム3の前側固定位置7及び後側固定位置8においてボルト30(固定要素)で取り付けられ、防振装置の軸方向が左右方向となるように略水平に設けられる。尚、エンジン14、ギヤケース6、及び刃部4の組立体は、フレーム3と両端がそれぞれにネジ32、33で固定されたワイヤ31によって接続されるため、防振装置20による保持の信頼性を向上させることができる。
【0034】
フレーム3とリアハンドル9は、相対的に左右に回動可能に構成されるが、がたつきが最小となるように接続される。左右に回動可能に接続する接続機構は、公知の機構を用いれば良いので、ここでの詳細な説明は省略する。フレーム3の側方には、フロントハンドル5がボルト30によって固定される。フロントハンドル5の水平方向の部分の前方側であって、刃部4との間には、作業者の手を保護するためのハンドガード3aが設けられる。ハンドガード3aはフレーム3と一体に構成される。
【0035】
図2は、本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の上面図である。本実施例で特徴的なことは、フロントハンドル5の取付部5aの延在方向が防振装置20と同軸上に配置され、共通のボルト30(図1参照)によってフロントハンドル5と防振装置20がフレーム3に取り付けられる事である。つまり、図13、14で示した従来のヘッジトリマ101のように、別々のボルトにてフロントハンドル5とフレーム3、防振装置20とフレーム3を固定する必要が無い。フロントハンドル5の取付部5a付近は、防振装置20と同軸上に延在し、ヘッジトリマ1の左右に大きくせり出すように延び、エンジンカバー2の最大幅(左右方向の長さ)よりもやや大きくなるようなサイズに設定される。このように、フロントハンドル5を左右方向及び上下方向に十分大きく構成することにより、把持部分としての機能だけでなく、エンジンを保護するガードバー(保護部材)としての機能を果たす。前方側に延びるハンドガード3aは、剪定した草木が作業者側に飛散することを抑制すると共に、フロントハンドル5を把持する作業者の手が刃部4に接触しないように保護するためのものであり、フレーム3と一体成形で製造され、比較的に大きめの面積を有するように構成される。
【0036】
刃部4は、フレームの左右中心線にそって前方に突出するように配置され、ギヤケース6の前方に取り付けられる。刃部4は、駆動上刃4aと駆動下刃4bとガイドバー4cで構成され、駆動上刃4aは、所定の空間をもって配設された下側押さえボルトとガイドバー4cに挟まれて配置され、エンジン14の動力によりそれぞれが逆位相で前後方向に往復動する。駆動上刃4a及び駆動下刃4bは、刃部4の延出方向に対して左右に複数の刃が形成され、駆動上刃4aと駆動下刃4bとの間のせん断力により、対象物を切断する。作業者は、フロントハンドル5とリアハンドル9を把持して、ヘッジトリマ1を左右に動かすことにより、枝や葉などの対象物を切断することができる。
【0037】
図3は、本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の底面図である。本図から理解できるようにフレーム3は、後方のリアハンドル9との接続部3hから前方に行くに従い左右方向に分かれて、中央に配置されるギヤケース6と所定の間隔を隔てるようにして前方側に延び、フロントハンドル5の取付部5aの前方側において、ハンドガード3aと接続されることにより左右に分かれたフレーム3が連結される。ギヤケース6の外周側4箇所には防振装置20をボルトにて取り付けるための取付部6a、6bが形成され、取付部6a、6bには、後述するボルトと螺合するための雌ねじ(図示せず)が形成される。
【0038】
防振装置20は、フレーム3から内側にほぼ水平に延びるスプリング(弾性部材)が主な構成要素であり、スプリングの引っ張り方向に作用する引張力によってエンジン14、ギヤケース6、刃部4をフレーム3に保持する。また、スプリングに対して伸縮方向とほぼ垂直方向に作用する横荷重も働くが、この横荷重に対してはスプリングの引張力によって対抗される。このように本実施例では、エンジン14をフレーム3に対してボルト締め等により直接固定しないで、防振装置20による接続としたため、フロントハンドル5及びリアハンドル9に伝わるエンジン14の振動を大幅に減少させることができ、作業者の疲労を低減できる。また、刃部4が被切断物から受ける反力を防振装置20によって効果的に吸収することができるので、その反力が作業者の手にダイレクトに伝わることを防止でき、疲労感の少ないヘッジトリマ1を実現できる。
【0039】
図4は、本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の正面図である。本図から、フロントハンドル5はエンジンカバー2の外郭部分にそった形状とされ、床に横置き(図4の右側或いは左側が床面に接するように)した際のエンジン14の保護部材としての役割をも果たす。また、フロントハンドル5はギヤケース6とフレーム3との取付部に一体に取付けられていることで、取付部5aはギヤケース6及びエンジン14に近く配置することができ、ヘッジトリマ1の重心位置近傍を保持することができる。また、取付部5aの位置が底面に近くなることで、フロントハンドル5の上下方向に延びる把持部が長く形成される。これにより、エンジン14を横向きにして使用する場合に、エンジン14とギヤケース6との間付近に重心位置がくる構成であっても、ヘッジトリマ1の略重心位置を通る垂直な平面上を把持することができ、ヘッジトリマ1を保持し易くなっている。また、エンジン14とフロントハンドル5の左右方向の把持部との間隔を広く設けることで、ヘッジトリマ1をさらに把持し易くなっている。図4において、ギヤケース6の左右両側には防振装置20が配置され、防振装置20のスプリングの軸線が略水平になるように配置される。前方の防振装置20は、後方の防振装置20よりもやや下側に取り付けられる。尚、防振装置20の配置は図示の配置に限定されず、刃部4等の作業機構の種類やギヤケース6の形状、エンジン14の振動特性等に応じて防振装置20の種類、配置位置、個数など任意に設定すれば良い。
【0040】
ヘッジトリマ1のエンジン14は、前後方向に延びるシリンダを有し、シリンダの内部で図示しないピストンが前後方向に往復移動をする。ピストンの頭頂部付近にはスパークプラグ17が配置される。エンジン14の右側には、気化器15が配置され、左側には排気装置16が配置される。排気装置16には排気管16aが前方に延びるように接続され、刃部4の近傍で刃部4に沿って前方側に排気ガスを排出する。ハンドガード3aには、排気管16aの熱による影響を避けるために、その一部が上方に湾曲した形状の覆い部3iが形成される。
【0041】
図5は、本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の背面図である。この図から、フロントハンドル5の左右両端は、エンジン14及びエンジンの周辺機器よりも左右側に突出するように配置されることが理解できるであろう。特に、図中の左側は排気装置16が位置し、比較的に高熱になるため、ヘッジトリマ1を左側が下になるように横置きしてしまった場合であっても、排気装置16を覆うエンジンカバー2部分が床面に接しにくいように構成した。本実施例において、燃料タンク12はエンジンカバー2の後方側に配置され、燃料キャップ13が排気装置16(図4参照)と反対側である右側、即ち気化器15側に配置される。フレーム3には、フロントハンドル5の内側方向に水平に延びる取付部5aの内側の端部が固定される。フロントハンドル5の取付部5aには、ボルトを貫通させるための窪み5b及び後述する貫通穴が形成される。また、フレーム3の後側固定位置8においては、取付け用のボルト30を保持するための円筒状の台座が形成されるため、左右両方向に若干突出するように形成される。
【0042】
次に図6を用いてフレーム3単体の形状を説明する。図3はフレーム3単体の側面図である。フレーム3は、強化プラスチック等の合成樹脂で製造されるものであって、前方のハンドガード3a部分も含めて一体成形で製造される。ハンドガード3aから後方側には、排気管16aの上側を覆うように略半円筒状の覆い部3iが形成される。フレーム3の前側固定位置7には、フロントハンドル5の取り付けのための取付穴3bが形成され、取付穴3bの周囲には略円形の平面部3fが形成される。さらに平面部3fの中央付近であって取付穴3bの周囲には、側面視で形状が略長方形の溝部3dが形成される。溝部3dはフロントハンドル5を取付け角θで前方側に斜めに取り付けるために形成したものである。本実施例ではθを70度程度に設定したが、θ=45〜90度程度に設定できる。
【0043】
フレーム3の後側固定位置8には、防振装置20を取り付けるための円環状の平面部3gが形成され、後述するボルトを固定するための取付穴3cが形成される。尚、本実施例では前側固定位置7の取付穴3bの高さは、後側固定位置8の取付穴3cの高さよりもHだけ低い位置に形成される。このように前方の防振装置20を低い位置に取り付けることによって、排気装置16との干渉を避けることができ、排気装置16を生垣より上方に遠ざけることが可能となる。
【0044】
次に図7〜図10を用いて防振装置20の詳細構造を説明する。図7はヘッジトリマ1のフロントハンドル5の取付け部付近(図2のA−A部)の部分断面図である。防振装置20は、スプリング21とスプリングホルダ22により主に構成される。スプリングホルダ22はプラスチック等の合成樹脂の一体成形により製造され、その内部には予めナット29が鋳込まれる。スプリングホルダ22は、一方でボルト30に対応する締め付け具(ナット29)として機能し、他方でスプリング21を固定するための固定手段としての機能を果たす。フロントハンドル5は、ヘッジトリマ1の重量を支える為に高い剛性を持つように構成され、ボルト30によってフレーム3に固定される。この際、ボルト30を固定する固定具がスプリングホルダ22に鋳込まれたナット29であるので、結果としてボルト30を締め付けることによって、スプリング21とフロントハンドル5を同時にフレーム3に固定することができる。
【0045】
フロントハンドル5とフレーム3には、フロントハンドル5の前後方向へのねじれ防止のために、断面が略長方形の突出部5c及びそれに対応する形状の溝部3dが形成される。突出部5cの溝部3dへの係合によって、フロントハンドル5の貫通穴5dを中心とした回転を阻止することができる。フロントハンドル5の取付部5aの内部には、窪み5bが軸方向に延びるように形成され、その窪み5bの底部付近に貫通穴5dが形成される。ボルト30は、例えば座金組込み六角穴付きボルトを用いることができる。
【0046】
スプリング21の一端は、ボルト28によってギヤケース6に固定される。ボルト28としては、例えば座金組込み六角穴付きボルトが用いられるが、ネジやその他の固定部材でギヤケースに固定するようにしても良い。尚、ボルト28でスプリング21を直接固定できるように、スプリング21の一端は、巻線の内径がボルト28の頭部の径よりも小さくなるように形成された端部21bが形成される。
【0047】
スプリングホルダ22の外周には、スプリング21を保持する螺旋状の溝が形成され、スプリング21の巻線がスプリングホルダ22の溝のフレーム側の端部にまで達するように、スプリングホルダ22をスプリング21の内部にねじ込む。スプリング21は、螺旋状に製造されたバネ材からなるものであって、圧縮バネであると好ましい。スプリング21の材質としては、公知のバネ鋼が用いることができる。さらに本実施例におけるスプリング21の巻き方向は、一般的な右巻き(時計回り)ではなく左巻き(反時計回り)に形成したことに特徴がある。これはボルト30の巻方向(右巻き)と反対にしたものである。
【0048】
図8は、本発明の実施例に係るヘッジトリマ1の、防振装置20の外観図である。図に示すように、防振装置20はスプリング21とスプリングホルダ22の組立体により構成される。スプリング21の内側(ギヤケース6側)の端部21bは、内径が小さくなるように形成されるが、外側(フレーム3側)の端部21aは、内径が一定のままである。スプリングホルダ22の外周側には、スプリング21のバネ材を巻き付けてネジ効果をもたせるためのネジ溝が形成される。スプリングホルダ22は、スプリング21と螺合されるだけなので、簡単に装着及び取り外しすることができる。また、スプリングホルダ22のネジ溝はスプリング21に対応して左巻き形成される。
【0049】
スプリングホルダ22のスプリング21への組付けは、左ネジの締付けと同様に反時計回りに回転させて挿入する。スプリングホルダ22とフレーム3の組付けを行う際には、通常の右ネジのボルト30を使用する為、ボルト30の締め付け時は一時的にスプリングホルダ22とボルト30は同じ方向(右回り)に回転しようとする。しかし、スプリング21が左巻きのためスプリングホルダ22が時計回りで回転しようとした場合、スプリング21との相互作用によってスプリングホルダ22にはフレーム3側にせり出す力Fsが働く。その力Fsはボルト30を締めるトルクとともに増加し、フレーム3とスプリングホルダ22の段差面22cには大きな接触面圧が発生し、ボルト30の締め付けのためにスプリングホルダ22をフレーム3に対して回転しないように固定する必要がなくなる。
【0050】
図9はスプリング21単体の外観図であって、(1)は側面図、(2)は(1)のC方向から見た図である。一方の端部21a及び中央付近のバネの内径はd1であるが、他方の端部21bの内径はd2であり、d1>d2の関係となる。内径d2は、ボルト28の軸部分の外径とほぼ同じに形成される。
【0051】
図10はスプリングホルダ22単体の外観図であって、(1)は側面図、(2)は(1)のD方向から見た図である。スプリングホルダ22の外周部には、螺旋状の溝部22aが形成される。溝部22aはスプリング21の形状に沿った略半球状の溝形状とし、隣り合う溝部22aとの間隔はスプリング21の無負荷時の巻線の間隔とほぼ一致させるように配置される。スプリングホルダ22の一端側は、径が絞り込まれた傾斜部22bが形成され、スプリング21にスプリングホルダ22をねじ込む作業を容易にできるように構成している。また、傾斜部22bを形成することによって、スプリング21に軸方向の圧縮荷重が加わった際に、巻線がスプリングホルダ22の角部にあたることを防止でき、スプリング21の寿命を向上させることができる。さらに、傾斜部22bを形成することによって、スプリング21に横荷重が加わった際にスプリング21の変形を妨げないよう効果がある。一方、スプリングホルダ22の他端側には、フレーム3に固定する際の接触領域となる段差面22cが形成される。
【0052】
以上説明したように、本実施例によれば、防振装置付きのヘッジトリマ1の部品点数削減を図ることができる。さらに、フロントハンドル5と防振装置20との組立てが容易になり、製造コストの削減を達成できる。また、防振装置20としてスプリング21を用いたためコンパクトで防振効果の高い防振構造が得られる。さらに、実作業時の過負荷による、動力装置側と防振機構部との接触による直接的な振動伝達を抑制し、スプリング21の破損の可能性を大幅に低減することが可能になる。
【実施例2】
【0053】
次に図11を用いて本発明の第2の実施例に係る防振装置40を説明する。図11は、本発明の第2の実施例に係るフロントハンドル5および防振装置40の取付け部の断面図である。本図においては、スプリング41が軸方向に作用する圧縮荷重Fを受けて軸方向に大きく変位した場合の状態を示している。第2の実施例においては、スプリングホルダ42の構成が第1の実施例と異なり、スプリングホルダ42の内周側の端部、即ち反フレーム側の先端にゴム等の弾性材43を取り付けた。弾性材43はスプリングホルダ42と一体成形で鋳込み製造される。このように弾性材43を取り付けたことにより、図11のように圧縮荷重Fを受けてスプリング41が縮んでボルト28の頭部が、スプリングホルダ42側と接触したとしても、ボルト28の接触相手は弾性材43となり、接触による振動が直接フレーム3およびフロントハンドル5に伝達されることを大幅に抑制することができる。また、スプリング41とスプリングホルダ42の端部との接触により局所的に過大な応力が発生することを防ぐことができるので、防振装置40の寿命を大幅に伸ばすことができる。
【実施例3】
【0054】
次に図12を用いて本発明の第3の実施例に係る防振装置の構造を説明する。図12では、本発明の第3の実施例に係るフロントハンドル5および防振装置50の取付け部の断面図である。本図においては、スプリング51がスプリング51の略垂直方向に作用するラジアル荷重Fを受けて、スプリング51が横方向に大きく変位した場合の状態を示している。第3の実施例においては、スプリングホルダ52の構成が第1の実施例と異なり、スプリングホルダ52の内周側の端部にゴム等の弾性材53を取り付けた。また、弾性材53の厚さ(軸方向の長さ)を第2の実施例よりも厚くすると共に、弾性材53の傾斜部53bとスプリングホルダ52の傾斜部52bの面積を大きくした。このように構成したので、スプリングホルダ52の先端付近とスプリング51の内径部分が強く接触することにより屈曲させられ、スプリング51に過大な横方向(軸方向と略垂直方向)の応力たるラジアル荷重Fが発生したとしても、変形されたスプリング51がスプリングホルダ52の傾斜部53b、52bに良好に接するので、スプリング51の局所的な変形を回避することが可能である。また、第2の実施例と同様、接触による振動が直接フレーム3およびフロントハンドル5に伝達されることを大幅に抑制することができる。
【0055】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば上述の実施例では、携帯型作業機の例としてヘッジトリマの例で説明したが、これに限定されずに、その他の作業機の防振構造に適用しても良い。また、フロントハンドル、リアハンドル、フレームの形状は上述のものに限られず、例えばエンジンカバーとフロントハンドルの把持部分との距離をとる為に、フロントハンドルの水平部分を上方又は前方に湾曲させるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 ヘッジトリマ 2 エンジンカバー 3 フレーム
3a ハンドガード 3b 取付穴 3c 取付穴 3d 溝部
3f 平面部 3h 接続部 3i 覆い部 4 刃部
4a 駆動上刃 4b 駆動下刃 4c ガイドバー
5 フロントハンドル 5a 取付部 5b 窪み 5c 突出部
5d 貫通穴 6 ギヤケース 6a,6b 取付部
7 前側固定位置 8 後側固定位置 9 リアハンドル
10 スロットルトリガ 11 ノブ 12 燃料タンク
13 燃料キャップ 14 エンジン 15 気化器
16 排気装置 16a 排気管 17 スパークプラグ
20 防振装置 21 スプリング 21a 端部 21b 端部
22 スプリングホルダ 22a 溝部 22b 傾斜部
22c 段差面 28 ボルト 29 ナット 30 ボルト
31 ワイヤ 32、33 ネジ 40 防振装置 41 スプリング
42 スプリングホルダ 43 弾性材 44 ナット 50 防振装置
51 スプリング 52 スプリングホルダ 52b 傾斜部
53 弾性材 53b 傾斜部 54 ナット
101 ヘッジトリマ 102 エンジンカバー 103 フレーム
103a ボス 103c 取付穴 104 刃部
105 フロントハンドル 105b 取付部 106 ギヤケース
106a 取付部 107 前側固定位置 108 後側固定位置
109 リアハンドル 112 燃料タンク 114 エンジン
120 防振装置 121 スプリング 122 スプリングホルダ
128 ボルト 129 インサートボルト 129a 頭部
129b 主軸 129c マイナスネジ溝 130 ボルト
131 ナット 135 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンを保持するフレームと、
前記フレームに設けられるフロントハンドル及びリアハンドルと、
前記エンジンの出力を伝達し作業具を駆動する動力変換部を有し、前記エンジンと前記動力変換部と前記作業具は前記フレームに対して弾性部材を介して保持される携帯型作業機において、
前記フロントハンドルの取付箇所の中心と前記弾性部材の取付箇所の中心を通る軸線が略一致するように前記フロントハンドル及び前記弾性部材が配置されることを特徴とする携帯型作業機。
【請求項2】
前記弾性部材はスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の携帯型作業機。
【請求項3】
前記スプリングは、スプリングホルダを介して前記フレームに取り付けられ、
前記フロントハンドルは端部に形成された穴に固定要素を用いて前記フレームに取り付けられ、
前記スプリングホルダ及び前記フロントハンドルは、共通の前記固定要素によって前記フレームに固定されることを特徴とする請求項2に記載の携帯型作業機。
【請求項4】
前記スプリングホルダは、前記スプリングを固定するための溝と、前記固定要素と係合する固定手段を有し、
前記フロントハンドルに形成された前記穴と前記フレームに形成された貫通穴を通って前記固定要素又は前記固定手段が螺合することを特徴とする請求項3に記載の携帯型作業機。
【請求項5】
前記スプリングホルダは略円柱形の部材であり、前記溝は前記円柱形の部材の外周部において前記スプリングに形状に沿うように形成され、
前記固定手段は、前記スプリングホルダの軸方向に形成される雌ねじ又は前記スプリングホルダの内部に組み込まれたナットであることを特徴とする請求項4に記載の携帯型作業機。
【請求項6】
前記固定要素は右巻きのボルト又はネジであり、前記スプリング及び前記溝は左巻きに形成されることを特徴とする請求項5に記載の携帯型作業機。
【請求項7】
前記フロントハンドルには取り付け傾斜角度を設定するための凸部が設けられ、
前記フレームには前記凸部を収める溝部が形成され、
前記凸部が前記溝部に嵌合するように前記フロントハンドルが前記フレームに固定されることを特徴とする請求項6に記載の携帯型作業機。
【請求項8】
前記フレームは水平方向に延びるように配置され、
前記フロントハンドルは、前記フレームの長手方向に対して90°〜45°程度前傾して取り付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の携帯型作業機。
【請求項9】
前記スプリングホルダの反フレーム側の先端に弾性材を設け、
該先端付近は先細り状に斜面部が形成されることを特徴とする請求項8に記載の携帯型作業機。
【請求項10】
前記携帯型作業機は、前記作業具として往復動するトリマブレードを有するヘッジトリマであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯型作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−70679(P2012−70679A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218678(P2010−218678)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】